さやか「星に願いを」(288)

円環の理

まどか「さやかちゃーん!」

さやか「おお!神様!どうした?」

まどか「もう!その言い方はやめてっていったよね?」

さやか「あはは!ゴメンゴメン!で?何?」

まどか「実は……今日一日だけさやかちゃんが現世に戻れる事になりました!」

さやか「へー、そーなんだー」






さやか「……な、なんだってー!?」

さやか「えっ!?ど、どうして!?」

まどか「ウェヒヒ!神様の粋なはからいなんだってー!」

さやか「そ、そうなんだ…」

さやか(というかまどかが神様なんじゃないの?)

まどか「だから違うって言ってるでしょー?」

さやか「勝手に人の心を読むな!」

まどか「で?どうするさやかちゃん?戻る?それとも戻らない?」

さやか「うーん……じゃあせっかくだし戻ろうかな?」

まどか「さやかちゃんならそう言うと思ったよ!」




まどか「じゃあ目を瞑っててね?」

さやか「う、うん分かった…」

さやか(現世かぁ…久し振りだなぁ……)

さやか(目をあけると暁美ほむらとキスしてたんだけど)

『さ……ちゃん…さやかちゃん…!』

さやか「う…うん…?」

『あっ!よかった!気がついたみたいだね!』

さやか「ま…どか…?何処にいるの…?」

『どうやらその様子だと無事現世に戻れたみたいだね!』

さやか「そ、そう言えば…身体の感覚がある…!」

さやか「って…うー…頭がくらくらする…」

『ウェヒヒ!久し振りの身体だからまだ馴染んでないのかもね!』

『それよりも……ゴメン!さやかちゃん!』

さやか「うん……?」

『私のミスであと6時間くらい現世に居られないみたい……』

さやか「あ…別に戻ってこれただけで嬉しいから大丈夫だよ…?」

さやか「それよりもここ…どこ?」

『そこはどうやら見滝原の公園みたいだね』

さやか「そっか……」

『じゃあさやかちゃん!後悔しないようにあと6時間を過ごしてね……』

さやか「あっ……まどか……まだ聞きたい事が……ってもう行っちゃったのか…」

さやか「あの子のおっちょこちょいは神様になっても変わらないね……」フフッ…

さやか「さてと…うだうだしてても仕方ないし何処か行きますか…!」

さやか「とりあえず今がいつなのかも把握しないと……」

さやか「この空から見てどうやら夕方って事は分かるんだけど…」

さやか「何処に行けば今の日付とか時間が分かるかな…?」



さやか「あっ!そうだ!>>16に行けば日付が分かるよね!」

病院

マミさんの言え

さやか「と言う訳で……」

さやか「病院にやってきました!」

さやか「早速日付を聞いてみようと思います!」


…………。


さやか「日付だけじゃなくて年も聞いたら可哀想な子だと思われた……」

さやか「で、でもとりあえず今日がいつだかは分かったよ!」

さやか「とりあえず年は変わってなくて7月7日みたい」

さやか「しかし7月7日かぁ……どうりで街のあちこちに笹の葉が有る訳だねー」





さやか「さてと…いきなり消えちゃって皆に迷惑かけちゃった訳だし…謝りに行きますか!」


さやか「まずは>>25の所に行こうっと」

マミさん!

さやか「マミさん私が戻ってきたらなんて言うかなー?」

さやか「案外泣いてくれたりするのかな?」フフッ…




さやか「って訳で着きました!マミさんのマンション!」

さやか「早速呼び鈴を鳴らして…居るかな?」

ピンポーン!

マミ『はーい…誰かしら?』

さやか「さぁ…誰でしょうか?」

マミ『美樹……さん……!?』

マミ「アルティメットショット!」

さやか(技名が進化してる……)

さやか「あははー!よく声で分かりましたね!」

マミ『………わ』

さやか「へっ?」

マミ『凄いわ美樹さん!で!?何処をカスタムして帰ってきたの!?』

さやか「は、はい?」

マミ『一度死んだ戦友がパワーアップして帰ってくるなんて……なんてロマン溢れる……』

さやか「あ、あの…」

マミ『さあ!さあ!ドアなら開けたから入ってきてこれまでのストーリーを教えて!』

さやか「わ、分かりました…」

さやか(人選ミスったかも…)

さやか「………という訳で別に死んだ訳でもパワーアップして帰ってきた訳でもないんです!」

マミ「あら……?そうなの……」

さやか(うっ……あからさまにガッカリしてる……)

さやか「そ、それよりもマミさん…ごめんなさい!」

マミ「……ふぇ?何の事?」

さやか「マミさんの忠告を無視してこんな事になってしまい心配かけた事です……」

さやか「私向こうに行ってからもそればっかり考えてて……」




マミ「なんだ…ふふっ…そんな事気にしてたの?」

さやか「そんな事って……」

マミ「その事なら私心配してなかったわよ?」

さやか「それは………私の事なんてどうでもいいって事ですか?」

マミ「あっ…ううん、そういうことじゃなくてね…」


マミ「あの時…美樹さんが消えてしまった時、皆悲しんだわ…勿論私もね?」





マミ「でもね?同時に私……美樹さんは解放されたんだって思ったの」

さやか「解放……?」

マミ「あっ…解放っていうのは物の例えなんだけどね?」



マミ「私、見えたのよ…美樹さんが最後魔力を使い切った時に……なんというか清々しい顔をしていたのがね」

さやか「……私そんな顔をしてました?」

マミ「ふふっ…自分じゃ分からなかったかもね?」



マミ「でね?それを見て私『ああ…美樹さんはこの一撃に全てをかける…そしてその事に

対してどんな事になろうとも絶対に後悔する事はないんだろうな』って……違うかしら?」

さやか「確かに……あの事に対して後悔はしてません」

マミ「ふふっ…当たってよかったわ…だから私美樹さんはやり切ったんだから先輩として笑顔で見送ってあげようって思ったの」

さやか「マミさん……」

マミ「まぁ本当の事をいうと家で一人で泣いちゃったんだけどね…?恥ずかしいからないしょよ?」

さやか「分かりました!絶対私話しません!たとえまどか相手でも!」

マミ「まどか……?そのまどかさん?……って誰かしら?暁美さんも言ってたけど…」

さやか(あっ…そうか、マミさんはまどかの事覚えてないんだ…)

さやか「い、いえ!気にしないでください!」

さやか(そして転校生はまどかの事……)



マミ「そう……そういえば暁美さんと佐倉さんも今から呼びましょうか?」

QB「ねえ僕は・」

さやか「いえ…これから自分で会いに行って謝罪するつもりなんで大丈夫です」

マミ「そう?分かったわ」

さやか「美味しいお茶とお菓子ありがとうございました」

さやか「じゃあ私…そろそろ行きますね……」

マミ「あっ…美樹さん!」

さやか「?」

マミ「またこっちに戻ってこれる機会があったらそのときはいつでもきてね?」

さやか「……はい!本当にありがとうございました!じゃあこれで……」ガチャン








マミ「またいつか…お茶しましょうね?」

さやか「マミさんは変わった所があるけど私の事を思ってくれてたいい先輩だったなぁ…」ポロッ…

さやか「……ちょっと涙が出てきちゃった…えへへ」ゴシゴシ…






さやか「……うん!気を取り直して次は>>50の所に行こうかな?」

ほむら

さやか「転校生かぁ…」

さやか「正直最初はいけすかない子だなぁ…と思ってたけど」

さやか「まどかから話を聞いた後自分の勘違いが恥ずかしくなったよ……」





さやか「まぁ、その辺も含めて謝りに行きますか!」

さやか「という訳で転校生の家に着いたけど…うーん……やっぱりちょっと躊躇うなぁ…」

さやか「でもここまできておいて帰るなんて……よし!インターホン押すぞぉ…押すぞぉ!」スッ…




ほむら「美樹さやか………!?」


さやか「なっ、なっ!なんだよ転校生っ!!いきなり話しかけるからびっくりしたじゃん!!!」ドッキーン!

ほむら「そんな事よりどうして貴方がここにいるの!?どうして!?」



さやか「せ…説明するからとりあえず落ち着こう…ね?」

ほむら「ほむぅ……そうね、ごめんなさい…じゃあとりあえず家に入りなさい」

さやか「お、お邪魔しまーす……」

…………。

ほむら「で?なんで貴方がここにいるの?」

さやか「実は神様の粋なはからいで一日だけ現世に戻ってくる事が出来ました…」



ほむら「……ついに巴マミの病気が移ってしまったのね」

さやか「ちょ!本当だってば!」

ほむら「まあ美樹さやかの事はどうでもよくて……」

さやか「ぶっちゃけたね、おい」

ほむら「まどかは?まどかは来てるの!?」








さやか「……ゴメン、来てないみたい」

ほむら「そう……なの……」

さやか「その事についてなんだけど…転校生はまどかの事覚えているの?」

ほむら「ほむらでいいわ……ええ、約束したもの…忘れる訳ないわ」

さやか「約束……?」

ほむら「貴方には教えないわよ?」

さやか「つれないなぁ…」

ほむら「で?まどかが一緒じゃないのになんで貴方がここにいるの?」

さやか「それは…その…ゴメン!」

ほむら「足らないわ」



さやか「えっ」

さやか「足らない……って何が?」

ほむら「あら?謝罪しに来たんじゃないのかしら?」

さやか「ま、まぁそうなんだけど…」

ほむら「だからその程度の謝罪では足らないわって言いたいのよ」




さやか「えっ」

ほむら「何度も何度も自滅して魔女化して杏子まで自爆させといて何その態度、
     まどかがどれだけ悲しんで貴方のために魔法少女になろうとしたと思ってるの?
     それだけの謝罪って、私を馬鹿にしてるの? ねえさやかちゃん?」

ほむら「『えっ』って何よ?何だったら貴方のせいで失敗したループを言いましょうか?」

さやか「そ、それは……」

ほむら「まずは貴方が私の話を信じてくれなかったせいで仲間割れしたループもあったわね」

さやか「うっ……」

ほむら「他にも学校が占拠された時になんも力も無いくせに戦うだなんていってまどかを焚き付けたくせに結局守りきれなかったって事もあったわね」

さやか「それは……」

ほむら「インキュベーダーと貴方達を合わせないように頑張ってたのに消化器をかけてきたり」

さやか「い、いやあれは……」

ほむら「人の忠告を無視して勝手に契約しちゃうし」

さやか「だって恭介が…」

ほむら「挙句の果てにはその上條恭介にフられたショックで魔女化して杏子を失う結果になってしまったし」

さやか「」

さやか「本当にごめんなさい……」

ほむら「薄っぺらい謝罪なんていらないわ」

さやか「うぅぅ……」

ほむら「………まぁいいわ」

さやか「……えっ?」

ほむら「散々いじったら気も晴れたし許してあげる」

さやか「転……ほむら」

ほむら「その代わり…まどかの事に関して教えて」

ほむら「そう……まどかは今も毎日頑張っているのね…」

ほむら「それはそうと……!」ガシッ

さやか「!?」

ほむら「貴方がまどかと同棲してるってどういう事なの……!」ギリッ…

さやか(うわっ!目がマジ……って血涙!?)

さやか「ど、同棲っていうか…まぁ概念として存在してるだけだから一緒にいるだけってだけで……」


ほむら「何それ…!自慢なの…?私に対する当て付けなの…!?美樹さやか…!!」

さやか(うわっ…怖いっ!怖いっ!!)

さやか「そ、それはおいといて…ほむら、なんかまどかに言伝はある…?」

ほむら「………」

さやか「そんなにまどかの事を思ってるなら伝えたい事ぐらいあるんでしょ?今日いっぱいで向こうに戻るから伝えとくよ?」




ほむら「………いえ、ないわ」





さやか「えっ……?なんで……?」

ほむら「私はまどかと違ってまだ成し遂げてない……」

さやか「成し遂げてないって…何を?」

ほむら「まどかの愛したこの世界を守るって事よ…」

ほむら「まどかに思いを伝えるには私もそれを成し遂げてからじゃないと……思いを先に告げるのはずるいわ」

さやか「なっ……!そんなのいつまでかかるか分からないじゃん!それまでほむらは我慢するって訳!?」

ほむら「ええ、そうよ…」

さやか「そんなの悲しい…寂しすぎるよ!」

ほむら「それでも…これがまどかに対する私の思い…」

ほむら「ちゃんと成し遂げることができたら…そのあとちゃんと自分の口で伝える事にするわ」


さやか「……私には分からないよ」

ほむら「別に『人に頼まれて無いのに勝手に腕を治しちゃう』美樹さやかに分かってもらおうとは思ってないわ」

さやか「ぐはっ…痛い所を…」

ほむら「ふふふ…冗談よ、気持ちだけは受け取っておくわ…ありがとう美樹さやか…」

さやか「……どういたしまして」

さやか「じゃあそろそろ行くね…」

ほむら「ええ…」

ほむら「ねぇ?美樹さやか?」

さやか「ん?なんだい?」

ほむら「私達……魔法少女とかいうものがない普通の女の子だったら仲良くなっていたのかしら?」

さやか「………それはないね、私とほむらが仲良くしてる姿が想像出来ない」

ほむら「………ふふふ、そうね…私どうかしてたみたい」










さやか「じゃあ…身体に気をつけてほどほどに頑張りなよ?」

ほむら「そちらこそまどかによろしくね…手を出したら…分かってるわよね?」

ガチャン…

さやか「ふぅ……怖かったぁぁぁ!」

さやか「ラスト殺気でてたでしょ!?」



さやか「まぁ、でもほむらはいい子だっていうのはよく分かったな…」



さやか「さてと…次は>>93の所に行こうっと……でその次が時間的にラストだなぁ…」

仁美

杏子

さやか「仁美の家かぁ…」

さやか「思えば多分仁美が一番ショックでかいだろうからなぁ…私が失踪した理由も知らないし…」



さやか「親友の好きな人を好きになって彼氏になったらその親友が失踪だなんて…ねぇ?」

さやか「確実に自殺してると思われてるだろうし…」

さやか「何よりあの子結構繊細な子だからその事について自分のせいだって思い込んでるだろうしね…」





さやか「………はぁ」


さやか「なんだかんだあったけどそれでも私、親友の仁美には幸せになって欲しいって思ってるんだろうな…」

ピンポーン!

『はい…どちら様でしょうか?』

さやか「あっ…夜遅くにごめんなさい…仁美さんの友人の美樹さやかという者です…仁美さんいますか?」

『ええ…少々お待ちください…』

さやか「ふぅ……」

さやか(なんか今までよりもドキドキする…)

ガチャッ

さやか「あっ……」




仁美「さやか…さん…!!」

さやか「仁美……」

仁美「さやかさん……」ダキッ!

さやか「はいっ!?」







仁美「今までどこに行ってたんですの!?私はもう心配で心配で…!」ポロポロ…

さやか「仁美………」

さやか「と、とりあえずさ?どっかで話さない?」

仁美「じゃ、じゃあ…そこの…公園で話し…ましょ…う」ヒック…

仁美「わ…私は…家のものに…話して…きますわ…」ヒックヒック…

さやか「わ、分かった…先に行って待ってるね?」

仁美「お待たせしました…」

さやか「あっ、落ち着いた?」

仁美「みっともない所をお見せしてしまって申し訳ありません…」

さやか「い、いやこちらこそ心配かけてゴメン…」

仁美「じゃあ聞かせていただけますか…?さやかさんがどこへいってたのか…」

さやか「うん…仁美にも聞きたい事あるけどいい?」

仁美「はい…」

さやか「まず何処に行ってたか?だけど…ゴメン説明出来ない…」

仁美「それは…なぜですか?」

さやか「うーん…純粋に説明出来ないからかな?」

仁美「そうですか……で、では戻ってきたって事はお家にも帰りますよね!?」

さやか「それも…ゴメン…今日いっぱいでまたいかなきゃいけないんだ…」

仁美「そんな……」

さやか「じゃあ逆に聞くけど…恭介どう?」

仁美「………フられてしまいましたわ」

さやか「えっ……?」

仁美「……最初は待って欲しいって言われましたが、さやかさんが失踪したら『今は付き合う事を考えられない』って断られてしまいましたわ…」フフッ…

さやか「そうなんだ…」

仁美「上條さんも私もさやかさんの事を心配してるんですよ?だから……戻ってきてもらえませんか…?」

さやか「ゴメンね…私も戻りたいけど無理なんだ…」

仁美「そう…ですか…」

さやか「じゃあ私そろそろ行くね…?」

仁美「ええ……」

さやか「……恭介は仁美に任せたから、頑張ってね?」

仁美「……っ!……分かりました」

さやか「じゃあ……」

仁美「さやかさん!」

さやか「何?」

仁美「私が唯一親友だと思えたのはさやかさんだけでしたわ…」

さやか(あっ…そっか…まどかが居ない事になってるから親友は私だけになってるんだ…)




さやか「私も……仁美は最高の親友だったよ!じゃあね!」タタッ!

仁美「ええ…また…いつか…」

さやか「思ったより現世に戻ってくるって辛いね……」

さやか「失って始めて大切さが分かったよ………」










さやか「………でもこんな所でへこたれてるわけにはいかない」

さやか「最後に>>125の所に行かなきゃ…!」

あんこ

さやか「杏子……何処にいるんだろ…?」

さやか「とりあえず駅前で探してみるか……」



駅前


さやか「とはいえそう簡単に見つからないなぁ…」

さやか「ん?あれは……笹の葉?」

さやか「あっ…そうか、今日は七夕だからあるんだね」

さやか「自由にお書きください…か正直神頼みより探した方がいいんだろうけどとりあえず『杏子に会えますように』っと」カキカキ

さやか「あとは飾るだけ…っとうわっ!」ドン!



「いてて…おい!」




さやか「あっ…ごめんなさいって……杏子?」

杏子「えっ………さやか……なのか……?」

さやか「やっぱり杏子だ…会えた……」

杏子「さやか……さやかぁぁぁ!」ダキッ!





杏子「会いたかった……!ずっと会いた
かった!」ポロポロ…

さやか「わ…私もだよ!」

杏子「きっと織姫さまと彦星さまが願いを聞いてくれたんだな……毎日きてよかった……」

さやか「ま、毎日!?」

杏子「ああ…そのせいでこの笹のここら辺は全部『さやかに会いたい』って願いで会いたいで埋まっちまったよ……あはは」

さやか「も、もう!恥ずかしいよ…でも嬉しい…///」

杏子「さやか…///」

さやか「じゃ、じゃあどっかでゆっくり話そうか?」

杏子「そ、そうだな!」

杏子「っていう訳でアタシの教会に来てもらったんだが…」

杏子「どうしてさやかは戻ってこれたんだ……?」

さやか「それは…神様の粋なはからいなんだってさ?」



杏子「そうなのか…神様ありがとうございます」

さやか「ふふっ…杏子は疑わないんだね?」

杏子「疑うって何をだ?」

さやか「今話した『神様の粋なはからい』って話」

杏子「疑う訳無いさ…大体アタシの家は教会なんだぜ?」

さやか「あっ…そうか」

杏子「それにアタシはさやかのいうことなら何でも信じるさ」

さやか「ふふっ…嬉しい」

杏子「何でそんな事聞いたんだ?」

さやか「実はさっきほむらの所に行って来たんだけど……って何を膨れてるの?」

杏子「だってアタシよりもさきにほむらの奴と会ったなんて悔しくてさ…」

さやか「だって今回戻って来たのは皆に心配と迷惑をかけた事に関して謝りに来たからね色々回ってるんだよ……それに…」

杏子「それに?」

さやか「最後の時間は杏子と過ごしたいなーと思ってね?先に皆の所へ行って来たんだ」

杏子「さやか……」

さやか「まぁ話を戻すけどそれでほむらの所に言って来たんだけどさっきの話をしたら『巴マミの病気が移ったのね』って言われてさ…」ハハッ…

杏子「ほむらの奴…ぶっ飛ばす!」

さやか「あーあー!落ち着いて!私の残り時間も少ないんだからそんな事より話をしようよ!」

杏子「残り時間……?」

さやか「そう…実は私がここにいられるのは今日だけなんだ…」

杏子「そんな……じゃあまた離れ離れにならなきゃいけねーのかよ!」

さやか「……うん、ゴメンね?」

杏子「そんなの嫌だ…!アタシはさやかと一緒にいたいんだ……!」







さやか「私も居たい……けどダメなんだよ……織姫と彦星はずっと一緒には居られない……」

杏子「そんなの…嫌だ…」

さやか「それよりも、ね?話しようよ?」

杏子「……話って何の話だ?」

さやか「そうだなぁ……最近杏子がどうやって生活してるとかかな?」

杏子「そんなつまらない話でいいのか?」

さやか「うん、聞かせて?」

杏子「分かった……」

杏子「そうだなぁ…でも基本的にはさやかといた頃と変わらないかな?魔獣を狩ってたまにマミの家に行ってお菓子食べたりほむらの家に行って飯を食べたり…」

さやか「ふふっ…何それ?食べてばっかりじゃない?そんなんじゃ太るぞー?」

杏子「へへっ…食べても太らない体質だから大丈夫だぜ…そんな事よりさやかの方が太ったんじゃないか?」

さやか「なんだとー!だったら杏子ごと食べちゃうぞー!」

杏子「あはは!なんだそれ!全然怖くねー!」

さやか「あっ?やっぱり?私もそう思った!」フフフ

杏子「そういえば太るって言えばマミの奴が最近太ったって嘆いてたな?」

さやか「そうなの?全然そんな風に見えなかったんだけどなー?」

杏子「アタシの憶測から言わせてもらうと……また胸が大きくなってるんだと思うぜ?」

さやか「マジ!?凄いね…」

杏子「ああ…厨二病もダメな感じで進行してるぜ?」

さやか「あーそれはうん、気付いた」

杏子「他にもほむらの奴の『まどか病』の進行が最近凄いなー」

さやか「まどか病?」

杏子「あぁ…何分か一回にマドカァー!って叫ぶ病気だ…」

さやか「あはは!なにそのジョーク!」

杏子「いや…マジなんだよ…」

さやか「えっ…本当なの?」

杏子「うん…」

さやか(ああは言ってたけどほむら…限界が近いんじゃないか?)

杏子「まあでもなんとか皆元気でやってるよ……」

さやか「そっかーそれならよかったー」

さやか「じゃあ私から一つ…」

杏子「?」

さやか「ゴメンね…杏子」

杏子「は?何か謝られるような事したか?」

さやか「うん……」

さやか「まずは最初の頃杏子の事を疑ってゴメンね?」

杏子「それは仕方ないさ…アタシもそういう態度をとったんだし…」

さやか「それからひとりぼっちにしてゴメンね?」

杏子「今はマミとかほむらもいるし、こうしてさやかもいるから別に大丈夫さ」

さやか「最後にこれからも一緒に居られなくてゴメンね?」





杏子「………それだけは許さねえ」

さやか「ふふっ…そういうと思ったよ」

杏子「なぁ…別に織姫と彦星みたいにルールを破ったペナルティを食らってる訳じゃないんだ」

さやか「まぁ…そうだね?」

杏子「それどころか私達はきちんと自分の仕事……人並み以上の仕事をこなしてる」

さやか「うんうん」

杏子「なのに一緒に居られないっておかしくねーか?」

さやか「そうかもね…」

杏子「だからさ?神様に直談判してみようぜ?きっと聞いてくれるに決まってる!」

さやか「どうだろう…?」

杏子「そうに決まってる!だからさ…」

さやか「ねぇ?杏子?」

杏子「………なんだ?」

さやか「『星に願いを』って歌える?」

杏子「ああ…」

さやか「杏子歌上手いって言ってたでしょ?最後に聞きたいんだ…聞かせてくれる?」

杏子「………最後なんていうなよ、分かった」

When you wish upon a star
Make no difference who you are
Anything your heart desires
Will come to you

If your heart is in your dream
No request is too extreme
When you wish upon a star
As dreamers do

Fate is kind
She brings to those who love
The sweet fulfillment of
Their secret longing

Like a bolt out of the blue
Fate steps in and sees you through
When you wish upon a star
Your dream comes true

杏子「どうだ…アタシの歌、上手いだろ?」チラッ

杏子「って……もう行っちまったのかよ……」

杏子「人の歌聞いといて感想も言わないどころか別れの言葉も無いのかよ……」







杏子「ん?これは?」

『杏子に会えますように』

杏子「………忘れ物なんてズルいぞ」ポロポロ…

杏子「なぁさやか…今の歌の和訳って知ってるか…?」

星に願いを懸けるとき
誰だって
心を込めて望むなら
きっと願いは叶うでしょう

心の底から夢みているのなら
夢追人がするように
星に願いを懸けるなら
叶わぬ願いなどないのです

愛し合うふたりの
密めたあこがれを
運命は優しく
満たしてくれます

星に願いを懸けるなら
運命は思いがけなくやって来て
いつも必ず
夢を叶えてくれるのです


杏子「だってさ……」


杏子「夢……かなったよ……ありがとう、さやか」


おしまい

という訳で終わりです

本当は前回予告してたほむらカイジ第3章を書こうと思っていたのですが昨日が七夕という事で急遽リアルタイム進行のさやかSSを書くことにしました

楽しんでもらえたら幸いでした(涙声

お付き合い頂きありがとうございました

>>193
ゲーセンの人って誰?

>>195
杏子「さやか!ゲーセンに行こうぜ!」
ってSSの作者

他にも
カイジとのクロスのSS
ほむら「未来は僕らの手の中」
ほむら「絶望の城…」
を書いてた


って
マミ「中学デビュー失敗したわ…」のSSで作者が言ってたよ!

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