エレン「オレ、大きくなったら絶対に壁修理団になるんだ!」 (10)

エレン「母さんには反対されたけど……絶対なるんだ!」

ミカサ「……」

アルミン「ほ、本気なのかい、エレン……!!」

エレン「本気に決まってるだろ! オレが巨人を一匹残らず駆逐してやるんだ」

アルミン「やめた方がいい……気は確かかい、ハンネスさんの背中を見て育った仲じゃないか!」

エレン「そうさ! だからこそオレは駐屯……いや、壁修理団になりたいと思ったんだ!!」

アルミン「どうかしてる!! 憲兵団にさえなれば生活は保障されるだろう、どうしてそう楽な方楽な方へと流されるんだ!」

エレン「楽な方へだと!? ケンカ売ってんのかアルミン、オレは巨人を駆逐したいだけだ!! 母さんの仇を……!!」

アルミン「じゃあ調査兵団に行ったらいいだろう!!」

エレン「あんな死に急ぎ野郎の集まりになんか絶対に行きたくない!!」

アルミン「マスカキの合間に壁の散歩してるような人間になっちゃダメだ! 考え直してくれ、エレン!!」

エレン「いやだ!」

アルミン「ハンネスさんみたいな安月給の負け組になりたいってのか!?」

エレン「それもいやだ!!」

アルミン「仇を取るんじゃないのか!!」

エレン「あの壁の上の……あの大砲で取る!!」

アルミン「壁の中の人間は家畜だ何だと言ってたじゃないか!!」

エレン「今まで死んだ人たちの分までオレが生きる!!」

アルミン「そうやって、この先ずっと壁の中でミカサのヒモとして生きていくのか!!」

エレン「違う!! オレは巨人を駆逐する為に壁修理団になるんだ!!」

アルミン「だから調査兵団に行けばいいだろ!!」

エレン「調査兵団は母さんにもっと反対されたからいやなんだ!!」

エレン「良く考えろアルミン、巨人を倒して母さんの仇を取るという体面と生活安全の保障を考えるんだ」

アルミン「何を言ってるんだ!?」

エレン「両方を丁度よく折衷できるのはやっぱり駐屯兵団だろ!?」

ミカサ「やっぱりエレンは将来の事をちゃんと考えていた……」

アルミン「相変わらず君は主体性がないなミカサ!」

エレン「アルミン、お前まさか……お前、調査兵団なんか目指してたってのか!?」

アルミン「少なくともエレンよりかは安寧に腐りきってないよ!!」

エレン「やめろアルミン!! お前がいなくなっちまったらオレ達どうすればいいんだよ!?」

ミカサ「考え直してアルミン、私達を誰が養っていくというの」

アルミン「知らないよ!! 壁工事団にでも何でもなったらいいだろ!!」

エルヴィン「はい、じゃあみなさん目をつぶってください。いいかな、良いと言うまで目は開かないで。よし」



エルヴィン「はい、調査兵団なんか死ねと思う者は挙手してくれ」

エレン「ハイッ!!」

ミカサ「……」

ジャン「(今の……エレンの野郎の声か!?)」

コニー「(誰だ今のバカ……い、いやいや、俺だって調査兵団なんかには……)」

サシャ「(嫌だ……怖い……怖い怖い……)」

エルヴィン「……それじゃあ、調査兵団最高!! 巨人の餌になりたいって思う者は挙手してくれ」

エレン「(バカだな……駐屯兵団を選ばないなんて、こいつら……本当に気持ち悪いよ)」

アルミン「……」チラッ

エレン「……」

アルミン「(エレン……! 本当に調査兵団を諦めるのか!? 真横でリヴァイ兵長が見ている中で!!)」

エレン「(この目つき悪い人何なんだよ……監視だか何だか知らないけどウゼェな)」

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