まどか誕生日記念のほのぼのスレです。
宜しくお願いします。
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~ほむらの家~
ほむら(もうすぐまどかのお誕生日……素敵なプレゼントを贈ってあげたいわね)
ほむら(でも、どんなものなら喜んでもらえるのかしら)
ほむら(ぬいぐるみとか? でもぬいぐるみのこととか良く分からないし)
ほむら(それにきっと、他の誰かもぬいぐるみをプレゼントしそうだし……美樹さんとか、お父さんとか)
ほむら(うーん……)
ほむら(……ダメだわ、ぜんぜん思いつかない……)
ほむら(入院生活が長かったせいで、同年代の子がどんなもので喜ぶのか良く分からないのよね……)
ほむら(……あ、そうだわ! それなら……)
ほむら(他の誰かで実験してみればいいんだわ!!)
ほむら(誰かに何かをプレゼントしてみて、その反応を確かめてみましょう!)
ほむら(それじゃあ早速……)
~ショッピングモール~
杏子「……それで? こんなとこに呼び出して用事ってなんなんだよ?」
ほむら「ええ。少し買い物に付き合ってほしくて」
杏子「はあ? まさかアタシに荷物持ちしろって言うわけ?」
ほむら「まあ半分はそうね」
杏子「バカバカしい、誰が付き合うかよそんなの」
ほむら「もちろんタダとは言わないわ。貴女の欲しいモノも買ってあげる」
杏子「……ふーん?」
杏子「……ま、そーいうことなら少しくらいは付き合ってやってもいいよ」
ほむら「ありがとう、佐倉さん」
ほむら「じゃあまずは洋服屋さんからね」
杏子(何買ってもらおうかな。やっぱお菓子かな)
~洋服店~
ほむら「貴女はスカートは穿かないの?」
杏子「はあ? なんだよ急に」
ほむら「だって貴女の私服っていつもホットパンツじゃない」
ほむら「たまにはスカートも穿いてみればいいのに」
杏子「アタシのガラじゃないだろ、スカートなんて」
ほむら「……魔法少女のときはスカートなのに?」
杏子「う、うっさい!」
ほむら「似合うと思うのだけれど、スカート。ほら、試着してみたらどう?」
杏子「やだよそんなヒラヒラしたの。いかにも女の子、って感じで」
ほむら「じゃあこっちのは?」
杏子「っ! は、穿けるかそんなミニスカ!」
杏子「み、見えちゃうじゃんか……」
ほむら「そういうときは見せても良い下着を穿くのよ」
杏子「なっ……!?」
ほむら「一緒に買ってあげましょうか?」
杏子「い、いらないっ!! 絶対いらない!!」
ほむら「そう。残念ね」
ほむら「貴女なら似合うと思ったのだけれど……」
杏子「じょ、冗談はよせよな……」
ほむら「あら、私は本気で言ってるのよ?」
ほむら「貴女はこんなに可愛いんだから。もっと可愛い格好をしなきゃ勿体ないじゃない」
杏子「っ……!? か、可愛っ……!?」
杏子「あーもう!! 何も買わないならさっさと次行くぞ!」
ほむら「……くすっ」
ほむら「じゃあ次は雑貨屋さんに行きましょう」
~雑貨屋~
杏子「へー、色々あるんだな……」
杏子「で、ここには何をお求めで?」
ほむら「食器が欲しいの」
ほむら「何か良いのはないかしらね」
杏子「食器ねえ……」
杏子「アタシには入れ物より中身の方が重要だしなあ」
杏子「食器にこだわる気持ちは良く分かんないよ」
ほむら「お皿ひとつ違うだけで食卓の雰囲気も変わるものよ」
ほむら「気に入ったモノを使ったほうがご飯も楽しく感じられるし」
杏子「そういうもんかね」
ほむら「ええ。思い入れがあるって大事なコトよ」
ほむら「例えば……好きな人とデートしたときに買った、とかね」
杏子「ふーん……」
杏子「えっ?」
ほむら「どうかした?」
杏子「い、いや、なんでもないよ。ちょっと考え過ぎたっていうか」
ほむら「そう……あ、このマグカップ可愛いわね」
ほむら「ほら、素敵な模様だと思わない?」
杏子「あ、ああ。綺麗だね」
ほむら「でも何かしら、この模様」
ほむら「桜かしら?」
杏子「炎じゃないの?」
ほむら「え? ああ、確かに炎の揺らめきにも見えるかしら」
杏子「うん……桜の花びらにも見えるかな」
ほむら「素敵ね。桜と焔。どちらにも見えるなんて」
ほむら「私たちにぴったりね」
杏子「そ、そーだね」
ほむら「決めたわ。これを2つ買いましょう」
杏子「2つって?」
ほむら「私と貴女の分に決まってるじゃない」
杏子「おいおい、やめてよそんなの。カップルじゃあるまいし」
ほむら「いいじゃない別に。それとも私とお揃いは嫌?」
杏子「い、嫌っていうか……こっ恥ずかしいじゃんか」
杏子「あ、それにほら。アタシはホテル暮らしだし。知ってるだろ?」
杏子「そんなカップ置いとけないよ」
ほむら「なら私の家に置いておくわ」
杏子「え?」
ほむら「今度、コーヒーを煎れてあげるから」
ほむら「このカップで一緒に飲みましょう?」
杏子「う、うん……」
ほむら「コーヒーは嫌い?」
杏子「え? あ、いや、別にそーいうわけじゃ」
ほむら「じゃあ杏子ちゃんにはカフェオレにしてあげるわね。お砂糖たっぷりの」
杏子「こ、子供扱いすんなっ」
ほむら「ふふっ」
~喫茶店~
杏子「なんだかんだで色々買ったな」
ほむら「ええ。少しはしゃぎすぎちゃったかしら」
杏子「財布はだいじょーぶなの?」
ほむら「一応、ね」
杏子「……やっぱここの支払いくらい、アタシが持とうか?」
ほむら「その必要はないわ。私が奢るって言ったんだから」
ほむら「気持ちだけ受け取っておくわね」
杏子「んー……でも、世話になりっぱなしってのも悪いし」
杏子「借りを作ったまま、ってのはアタシの性に合わないっていうか」
杏子「何かお返しさせてよ」
ほむら「そう? ならお言葉に甘えて、何かしてもらおうかしら」
ほむら「…………」
ほむら「今は思い付かないし、また今度にするわ」
杏子「ああ。何かあったら言ってよ」
杏子「……アタシの気が変わっちゃう前にね!」
ほむら「ふふ、じゃあ急いで考えるわね」
杏子「……ところで、さ」
ほむら「?」
杏子「今日はなんでアタシなんかを誘ったわけ?」
杏子「それに、なんで服とか色々買ってくれたわけ?」
杏子「荷物持ちした御礼、っていうだけじゃちょっと……いまいち納得できないっていうか」
杏子「ぶっちゃけ、理由がわからないんだけど」
ほむら「…………」
ほむら「深い理由はないわ」
杏子「はあ?」
ほむら「ええ、深い理由なんてない。とっても単純なことよ」
杏子「じゃあその単純な理由ってのは何なのさ」
ほむら「…………」
ほむら「……私、好きな人には必死で尽くすタイプなの」
ほむら「自分のことなんてどうでもよくなるくらいに、ね」
杏子「…………え?」
杏子「なっ、そ、それってアンタまさかっ……!」
ほむら「あ……もうこんな時間ね」
ほむら「それじゃあそろそろお開きにしましょうか」
杏子「ちょ、ちょっと待ってってば、さっきのはどういう……!!」
ほむら「ごめんなさい、話の続きはまた今度ね」
ほむら「……貴女のマグカップ、ちゃんと置いておくから」
ほむら「好きなときに遊びに来て頂戴?」ニコッ
杏子「あ……」ドキッ
杏子「う……うん……考えとく……」
杏子(『好きな人には必死で尽くすタイプなの』……って)
杏子(ど、どーいう意味なんだよ、ほむら……)
次回に続きます。
~数日後・ほむらの家~
ほむら「ごめんなさい、また呼び出したりなんかして」
杏子「べ、べつにいいよ、どーせアタシは暇だし……」
杏子「今日は……その、なんの用なの?」
ほむら「この前、貴女が言ってくれたでしょう?」
ほむら「御礼してくれるって」
杏子「あ……うん、言ったね」
ほむら「だからその御礼をしてもらおうかな、と思ったの」
杏子「……何をさせる気なのさ」
ほむら「そんな身構えないで頂戴。取って食うわけじゃないわ」
ほむら「貴女に、私の手料理を食べてほしいだけだから」
杏子「手料理……?」
~一時間後~
杏子「わあ……! こ、これ全部ほむらが作ったのかよっ?」
ほむら「あまり上手じゃないから恥ずかしいのだけれど……」
ほむら「地味な料理ばかりだし」
杏子「そんなことないって! なんていうか、すごく家庭的っていうか……」
杏子「母さんが作ってくれたご馳走、って感じで……あったかい感じがするよ」
ほむら「私、『お母さん』なんて年齢じゃないわよ」
杏子「あ、悪い。変な意味じゃなくてさ」
ほむら「ふふ、わかってるわ。言ってみただけ」
ほむら「でもやっぱり『お母さん』より……」
ほむら「『お嫁さん』、って言ってほしかったかな」
杏子「お、お嫁さん……?」
ほむら「変かしら?」
杏子「い、いや、変じゃないよ」
杏子「そ、そーだよなー、女の子ならお嫁さんに憧れるもんなー」
ほむら「ええ」
ほむら「愛する人に手料理を食べさせてあげる、素敵なお嫁さん……」
ほむら「典型的なイメージだけど、私の憧れなの」
杏子「愛する……人……」
杏子「な、なあ、それって」
ほむら「?」
杏子「う……その、えと」
杏子「……な、なんでもない」
ほむら「ふふ、変な佐倉さん」
ほむら「……さ、お喋りはこれくらいにして」
ほむら「冷めない内にどうぞ召し上がれ?」
杏子「あ、うん……いただきます」
杏子「…………」モグモグ
ほむら「……口に合わなかったかしら?」
杏子「えっ?! な、なんでさ? そんなことないよ」
ほむら「でもずっと難しい顔して、だんまりだし」
杏子「それは、その、ちょっと考え事しちゃってただけだよ」
杏子「ほむらの料理、とっても美味しいよ」
ほむら「そう……よかった」
ほむら「巴さんにレシピを教わったかいがあったわ」
杏子「へえ、マミに教えてもらったんだ?」
ほむら「ええそうよ。私、あまり料理は得意じゃなかったから」
杏子「充分上手じゃん。こんだけ美味しいご飯が作れるんだからさ」
ほむら「練習したのよ」
ほむら「……大好きな人に食べてもらいたかったから、ね」ニコッ
杏子「っ……!! げほっ、ごほっ!!」
ほむら「きゃっ!?」
ほむら「だ、大丈夫?」
杏子「ご、ごめ、ちょっとむせちゃっただけだよ……ごほっ」
ほむら「背中さすってあげましょうか」
杏子「いやっ、いい、平気だから!」
ほむら「そう……」
杏子「ふぅ……はぁ、悪い、みっともないとこ見せちゃって」
ほむら「大丈夫? 落ち着いた?」
杏子「うん、もう平気だよ」
ほむら「でもどうしたの? 急にむせたりなんかして」
杏子「そ、それはほむらがっ……!」
ほむら「?」
杏子「う……」
杏子「……その、食べながら喋ろうとしちゃってさ」
ほむら「ふふ、お馬鹿さんね」
杏子「……ちぇっ」
杏子「…………」
杏子「……ほむらが、さ」
ほむら「ん?」
杏子「ほむらが……その、手料理を食べてほしいっていう、大好きな人って誰のことなの?」
ほむら「そんなの、決まってるじゃない……」
ほむら「言わせないで……恥ずかしいわ……」カアア
杏子「っ……!!」
杏子「ご、ごめん、その、えと、なんていうか……」
杏子「……と、とりあえずご飯食べちゃおうか!」
ほむら「おかわりもあるから、たくさん食べてね」
杏子「う、うん」
~食後~
ほむら「はい、コーヒー」
杏子「ん……ありがと……」
杏子「あ、これって」
ほむら「この前のマグカップよ」
杏子「ホントにお揃いなんだな」
ほむら「くすっ……なにそれ、今更ね」
杏子「う……確かにそうだね」
杏子「……あったかいな」
ほむら「熱いのは嫌いだった?」
杏子「ううん、美味しいよ。熱いのは好きだから」
ほむら「私も熱いのが好きなのよね」
ほむら「コーヒーも、恋も……」
ほむら「火傷しそうなくらい、熱いのが欲しいの」
杏子「…………」
杏子「アタシは、さ」
ほむら「?」
杏子「ほむらのこと友達だって思ってるよ」
杏子「それに、背中を預けられる仲間だと思ってる」
ほむら「ありがとう、嬉しいわ」
杏子「……うん」
杏子「でも……ほむらは」
杏子「ほむらは、アタシのこと、どう思ってるの?」
ほむら「もちろん、友達だと思っているわ」
ほむら「戦いのときも頼れるし、信用できるし……」
杏子「……そ、そっか! そーだよな、友達だよな!」
ほむら「ええ」
ほむら「『今は』、友達の関係だと思っているわ」
杏子「…………」
杏子「……『今は』!?」
ほむら「ああ、ごめんなさい。気にしないで」
ほむら「他意はないの」
杏子「いや、でも、その、なんか含みがあったよな?」
ほむら「…………」
ほむら「女の子には一つや二つくらい秘密があるものでしょう?」
ほむら「だから、内緒」ニコッ
杏子「っ……な、なんだよそれ、バッカじゃねーの?」
ほむら「ふふっ」
杏子(こ、これってやっぱり……そ、そーいうことなのか……?)
杏子(うう……なんでだよ、なんでアタシこんなにドキドキしてるんだよ……)
次回に続きます。
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このSSまとめへのコメント
おもしろい
続きを・・・
ま、まどかへと……
ともあれ3点リーダーの使い方が「……」「…………」と
使われていると丁寧な方なんだなと感じると初めて知った
今調べたら厳密には偶数で使うルールなんてないけどなぜかそういうことになっているので、それすら知らない=文章作法の初歩も勉強してない、って見られちゃうんだって
作者の意図が編集さんと確認取れれば奇数でもいいとか