杏子「フカヒレ食いたい!」(346)
杏子「…」キュッ
杏子「ここをこーして…」
杏子「ほいっと!」
割り箸の先を紐でくくりつける
杏子「できた!手作り釣竿!」
杏子「えーっと…バケツはどこやったかな?」
ガチャガチャ
杏子「ぶわっ!ホコリくせぇ!」ガタッ
ゴン!
杏子「いっ…てぇ~…」
足元のガラクタに足を取られてつまづく
杏子「あ、バケツあるじゃん!ぼっこぼこだけど」
杏子「さて行くか!」
~ドブ川~
杏子「なけなしの金で買ったするめイカ!」ジャン
杏子「さやかに怒られるからちゃんと金払ったぞ!」
杏子「さーてコイツを竿にくくり付けて…」
キュッキュッ
杏子「よし…」
杏子「さあ釣るぞー!待ってろザリガニ共!」
バチャバチャ
杏子「そーっとそーっと…」ピチョン
杏子「…」
ザリガニ『…』スススッ
杏子(そうだ食い付け…そいつはお前さんのごちそうだよ…)
ザリガニ『!』ガシッ
杏子「ほいさー!」
バシャン
杏子「一匹ゲットー!さあガンガンいくぜ!」
………………………………
杏子「よし…こんなもんか!」
ザリガニ『…』ガサガサ
バケツの中に大量のザリガニが入っている
杏子「うん!大量大量!」
グゥー…
杏子「…腹減ったな」ヒョイ
バケツの中から一匹のザリガニを取る
杏子「一匹くらいいいよな!いただきまーす!」
杏子「あむっ…」バリバリ
杏子「んっ…」グチャグチャ
杏子「…」
ゴクン
杏子「ぷはー…ペッ」
口の中に入った泥を吐きだす杏子
杏子「やっぱうめぇわ…ザリガニ」パアァ
………………………………
杏子「今日はザリガニ祭り~ってか」ガチャガチャ
歌いながらバケツ片手に帰宅中の杏子
杏子「お…?」
杏子「あいつは…」
まどか「美味しかったね~!」
タツヤ「ね~!」
詢子「あ~…久しぶりに腹いっぱい食った…」
知久「はは…それはよかった」
杏子「…」ササッ
近くの物陰に隠れる杏子
杏子(まどかのとこ家族か…)
杏子(アレ?なんでアタシ隠れてんだ?)
まどか「ママがっつきすぎだよぉ~」ケラケラ
詢子「しょうがねえだろ~?フカヒレなんて久しぶりなんだからさ!」
杏子(ふか…なんだって?)
詢子「高級料理だよ~?しっかり味わって食ったかい?」
まどか「うん!すっごい美味しかった!」
詢子「ははは!アンタそればっか!」
知久「よっぽど美味しかったんだね…おかげで財布が…」スッカラカン
アハハハハハハ…
杏子(声かけようと思ったけど…やめとくか)
杏子(こんな格好だしな)
泥まみれの自分の格好をじっと見る
杏子(それにしても…フカヒレ?)
杏子(聞いたことねぇ…そんなに美味いのか?)
杏子(…)
杏子「…食ってみたいな」
さやか「は?何を?」
杏子「わーっ!!」ビクッ
さやか「アンタなにしてんの?」
杏子「い、いつからそこに…?」
さやか「最初からだよ?いやアンタが電柱の陰でコソコソやってたからさ」
さやか「声かけてやろうと思ったら…なんか食ってみたいとか言いだすからさ」
杏子「驚かせんなよ…」
さやか「ところでなんの話?ねえねえ?」
杏子「んー?フカヒレ」
さやか「フカヒレ?食べ物のアレ?」
杏子「そう!それそれ!」
さやか「それがどうかした?」
杏子「美味いのか!?」
さやか「えっ」
杏子「フカヒレ美味いのか!?」キラキラ
目を輝かせて何度も問いかける杏子
さやか「う…えーっと…」
さやか(食べたことないから知らないなんて言えねえ…)
さやか「ま、マミさんなら知ってるんじゃないかな~?」
杏子「そっか…じゃあマミのとこ行くか」
さやか(…つーか何?この臭い…)
杏子「ありがとなさやか!」ヒョイ
さやかにバケツから取ったザリガニを差し出す
杏子「お礼だ!食うかい?」
さやか「う…コレか…」
さやか(どこの川で取ったんだろ…?)
~マミホーム~
杏子「マミー!」
マミ「あら…佐倉さんどうしたの?」
杏子「ちょっと聞きたいことがあってさ」
マミ「あら?なにかしら?」
杏子「フカヒレって美味いのか!?」
マミ「フカヒレ?」
杏子「そう!フカヒレ!」
マミ「うーん…」
マミ「美味しいとは思うけど…高級品よ?」
杏子「高級品?」
マミ「そう、すっごく高いの」
杏子「うへぇ…金かあ…」
マミ「鮫のヒレですもの…そう簡単に手に入らないのよきっと」
杏子「…」ピクッ
杏子「鮫の…ヒレ?」
杏子(まどかのヤツそんなもん食ってたのか!)
杏子「鮫のヒレだな!わかった!」
マミ「あ!ちょっと!」
ガチャ バタン
マミ「…行っちゃった」
マミ「あら…?」
ザリガニ『…』ガサガサ
マミ「…なにこれ」
マミ(佐倉さん…変な事考えてなきゃいいけど)
~海~
杏子「よーしやるぞー!」
杏子「海の家のおっちゃん!ボート借りるぜ!」バチャバチャ
おやじ「おじょーちゃんあんまり遠くに行っちゃだめだよ?」
杏子「おっけーおっけー!」
杏子「さきイカ全部使う勢いで行くぜ!」
おやじ(この季節鮫が出るから危ないけど…まあそんな遠くには行かないよな)
ザザーン…
杏子「オールが重い…」
杏子「けど…なんとかここまで来れたな」
杏子「待ってろフカヒレ!」スッ
割りばしの竿にさきイカをくくりつける
杏子「ほーれ…チョイチョイっと」チャポン
杏子「…」
杏子「ん~いい天気だ」
………………………………
杏子「…」
杏子「ぜんっぜん釣れねぇ…」
杏子「おっかしいなー?マグロくらい釣れてもいいだろー?」
杏子「…」
杏子「なんか船の揺れが心地いいや…」
杏子「アタリが来るまで寝て待つか」ゴロン
杏子「果報は寝て待て…ってな」ウトウト
~二時間後~
ザッパーン
杏子「ん…むぅ…」スヤスヤ
ドッパーン
杏子「へ…へへ…フカヒレうめえ…」スヤスヤ
ザバァアアアアアアン
杏子「うっ!?ぶっ…ごほっげほっ!!」
杏子「な、なんだ!?口の中が辛いぞ!?」
杏子「…あれ?」
杏子「ここどこ?」
はるか遠くに陸が見えるほどボートは遠くに流されていた
杏子「や…やばいぞこれは…」
杏子「早く戻らないともっと流される!」サッ
杏子「あ、あれ!?」
杏子「無い!オールが片方無いぞ!?」
杏子「あーっ!!しかも手作りの竿まで無い!!」
杏子「全部流されたんだ…」
杏子「明日からザリガニ釣りどうしよ…」
ボートの上でうつむく杏子
杏子「…んなこたぁどうでもいいんだよ!!」
杏子「早く陸に戻らないと本格的にやばい!」ガシッ
オールを掴む杏子
杏子「一本でもなんとかなるだろ!これ以上流されたら…」
パチャン
杏子「…ん?」
遠くの方で魚が跳ねるのが目に入る
杏子「すげー魚がピョンピョン跳ねてらあ」
杏子「あんなの陸に近いとこじゃ全然…」ピクッ
杏子の動きが止まる
杏子「そうだ…逆に考えるんだ!」
杏子「流されちゃってもいいさ…と考えるんだ!」
杏子「沖に流されれば…それだけ海も深くなって魚も多い!」
杏子「もちろん鮫も!!」
杏子「よっしゃあ!待ってろよーフカヒレ!」
杏子「絶対手に入れてやるぜぇ!」
ザッパーン
ザッパアアン グラグラ
杏子「うわっ…と!!」
ズルッ ゴン!
波のせいで船が揺れ、足を滑らせ船底で顔を強打する
杏子「っ…つうう…」ポタポタ
杏子「は…鼻血が…」
ザッパーン
杏子「うっ!ぷわっあ!…ゲホッゴホッ!」ペッペッ
ボートに入り込んで来た海水が口に入り、必死で海に吐きだす
ピチャピチャ ポタポタ
杏子「いっつつ…海水で顔洗うか…」バシャ
スイーッ…
杏子「ん…?あれは…」
海面にある黒いヒレがボートに近づいてくる
杏子「!!…フカヒレだ!」
杏子「やったやった!そらコッチ来い!」バシャバシャ
オールで海面を叩く杏子
杏子「来た!おい鮫野郎!お前のヒレを…」
ザバァァァアアン!!
鮫『カハァァァ…』
杏子「」
ザバァアン!
杏子「…」
杏子「…デカすぎだろ!あんなんどうするんだよ!?」
グラグラ
杏子「うひゃあ!」フラッ
鮫『ガァア…』ガチン
杏子「あ、あぶねぇ!!」
杏子「フカヒレのためにあんな化け物と戦うのか…!!」
杏子「フカヒレ初めて取った人はすげえな…」ウンウン
ゴンッ バキッ
杏子「うわー!コイツボートに穴開けやがった!!」
バシャーン!
杏子「わっ…!」ゴボゴボゴボ
海に投げ出される杏子
杏子(やべえ…水の中じゃ動きが…)
鮫『…』スイーッ
杏子(し…死ぬ…)
その時、遠くから一隻のボートが近付いてくる
杏子「!?…あのボートは…」
マミ「待たせたわね!」ダンッ
杏子「ま、マミー!!」
ボートから銃を構えたマミが出てくる
マミ「心配になってここまで探しにきたけど…まさか本気で鮫のヒレをねぇ…」
杏子「どうしてここが…?」
マミ「海の家のおじさんに聞いたのよ!…さあ覚悟しなさい!」
鮫『…』
マミ「ティロフィ…」
鮫『…』スイー
ゴンッ! グラグラ
マミ「ちょ…きゃあ!!」
バシャーン
鮫の体当たりで船から落ちるマミ
杏子「げっ!に、逃げろーマミィー!!」
マミ「あ…」
鮫『…』ガバァ
バクッ
杏子「う、うわああああああ!!マミがああああ!!!」
ザパアアァァン
杏子「うっ…ゴホッゲホッ!!」
ドパアアアン
杏子「ぐ…」
ゴボゴボゴボ…
杏子(こ、こんなところで…)
杏子(死ぬ…のか…)
……………………………………
~海岸~
杏子「…う」ピクッ
杏子「あ…ここは…さっきの」
杏子「助かった…のか」
杏子「そうだ…マミがアタシのせいで…」
マミ「読んだかしら?佐倉さん」スタスタ
杏子「な、なに!?」
杏子「大丈夫なのかマミ!?」
マミ「ええ…首を食い千切られた時は死んだかと思ったわ」
杏子「なっ…!?じゃあなんで首があるんだ!?」
マミ「鮫に襲われた時にね…たくましい男の人がモリで鮫を追い払ってくれたの」
マミ「ちぎれた首は小麦粉でくっつけてもらったわ」
杏子「そ、そうか…」
マミ「それよりも…もっと別の方法でフカヒレを手に入れたほうがいいと思うけど…」
杏子「…」
杏子「そうだよな…」
マミ「…普通に買ったら?」
杏子「無一文なアタシが買えるわけないだろ!」
マミ「うーん…あら?」
マミ「じゃああなた…あのさきイカはどうやって買ったの?」
杏子「ああ、アレか?」
杏子「地見屋したんだよ」
マミ「…?」
杏子「拾った金だよ…それ集めたんだ」
杏子「他にもタダ飯のテクニックとかいろいろあるけど…これが一番無難かな」
マミ「いいじゃない!!」
杏子「わ!なんだよ急に…」ビクッ
マミ「それでコツコツ集めてフカヒレ買うのよ!」
杏子「コツコツって…十円玉とかばっかりだぞ?」
マミ「チリも積もれば山となる!やってみるものよ!」
マミ「私もなるべく安くて良いフカヒレ食べられるところ調べてあげるから!」
杏子「そっか…やってみるか!」
マミ「その意気よ!佐倉さん!」
杏子「悪いなマミ…迷惑かけてさ…」
マミ「ふふっ…いいのよ」ニコッ
マミ(なんだか応援してあげたくなるのよね…この子)
杏子「じゃあな!アタシ行くよ!」
マミ「ええ…頑張りなさい!」
タッタッタッ
……………………………………
杏子「…おっ」
杏子「10円みっけ~!」
杏子「へへ…もう500円くらい貯まったかな?」ジャラジャラ
ポケットから小銭を取り出す杏子
杏子「…180円」
杏子「はぁ~…もっとこう…ドカッと手に入らねえかな?」
キラッ
杏子「ん?…あっ!」
杏子「100円だ!」タタタッ
コンクリートの隙間に挟まっている硬貨へと走る
ヒュン パッ
杏子「えっ?あ、あれ!?」
杏子「100円が消えた!?」
必死に硬貨を探す杏子
杏子「おっかしいな…確かにここに…」
ほむら「甘いわね、佐倉杏子」チャリン
杏子「…なに!?いつの間に!?」
ほむほむも銃盗んでたけど、さやかに怒られたのかな
ほむら「あなたも地見屋をしているのね…」
杏子「こっちの台詞だ!マネすんなよ!」
ほむら「マネ?…ふふっ」
杏子「な、なんだよ…」
ほむら「一つ聞くけどあなた…今日の収穫は?」
杏子「…ご、ごひゃくえん…」
ほむら「500円?…甘い、甘すぎるわ!!」
ガバッ
手に持っている袋を広げるほむら
杏子「なん…だ…コレ」
ほむら「理解したかしら?地見屋がどういうものか…」
袋の中には小銭だけではなく、紙幣や財布までもが入っていた
ほむら「これが実力の差よ…500円程度で地見屋を語らないで!」
杏子「あ…ああ…あ…」ガクッ
杏子「このままじゃ…フカヒレがあぁ…」
ほむら「…フカヒレ?」
杏子「…」
……………………………………
ほむら「なるほど…だいたいわかったわ」
杏子「…」
ほむら「…一つ良いこと教えてあげるわ」
杏子「えっ?」
ほむら「商店街辺りに行ってみなさい」
ほむら「なんとかっていうアイドルグループの人気投票があってね…」
ほむら「昨日その人気投票の結果が発表されたの」
ほむら「あの辺の居酒屋とか定食屋ではお祭り騒ぎしたいファン達が大勢集まってるわ」
ほむら「この意味が…分かるわね?」
杏子「!!」
杏子「そうだ…祭りがある場所こそ地見屋の戦場じゃないか!」
ほむら「限界まで興奮してる人間はお金落としてもノーダメージなのよ」
杏子「あ、ありがとうほむら!」ガシッ
ほむらの手を握りしめる杏子
ほむら「え…あっ…」ビクッ
杏子「それじゃ急ぐからさ!またな!」
ほむら「え、ええ」
タッタッタッ
ほむら「…」
ほむら「…」ニギニギ
~商店街~
ザワザワ ガヤガヤ
杏子「すげえ人の数だ…」
杏子「これなら…期待できるかもしれねえ!」
杏子「よーし!やるぞー!」スッ
腰を曲げ、地面を見ながら歩く杏子
杏子「無いかな無いかな~っと」
……………………………………
杏子「…」
杏子「…ねえよ」
杏子「全然見つかんねええええええ!!」
杏子「というか」
杏子「地見屋の戦場なのにアタシが遅れて来たせいだ…」
杏子「こんな激戦地で…遅れて来たのは致命的だ…」
杏子「あ~あ…なんか別の方法考えるか」
ワイワイ ガヤガヤ
杏子「ん…?」
ファン1「あっちゃん一位おめでとおおおおぉ!!」
ファン2「うおー!今日は祭りだぜぇええ!!」
ファン3「飲めや歌えや~!!カンパーイ!」
ファン4「ヒャッハー!!」
杏子「アレは…」
居酒屋でアイドルグループのファン達がお祭り騒ぎをしている
杏子「!」
杏子(これだぁ!!)
杏子(作戦はこうだ…)
杏子(まず居酒屋で騒いでる連中…ざっと見て十人はいるな)
杏子(あいつらのテーブルに紛れ込んで勝手に注文!)
杏子(たぶんアタシのことは誰かの子供と思うだろ…)
杏子(そんでフカヒレ食ったら即退散!)
杏子「…完璧だ!」
タタタッ
……………………………………
杏子(テーブルには忍びこめた…あとは)
杏子「おばちゃん!」
店員「はいはい!お譲ちゃん注文かい?」
杏子「フカヒレくれ!」
店員「え?」
杏子「ふーかーひーれー!」ダンダン
杏子(くそ!早くしろ!バレたらやべえぞ!)
店員「ごめんねぇ~…ウチにはフカヒレ無いのよ~」
杏子「え!?」
ファン5「ははは!なんだこの子!可愛いな!」ゲラゲラ
ファン6「ホントにな!誰の子供?」
ファン7「俺しらね~」
ファン8「俺じゃないぞ」
ファン9「つーか最初からいたっけ?この子」
杏子(や、やばい!!)
タタタッ
ファン10「あ!ちょっと~!」
>杏子「ふーかーひーれー!」ダンダン
このあんこちゃん破壊力ありすぎ
……………………………………
杏子「…くそ」
杏子「くそ~っ!!」ジタバタ
杏子「八方ふさがりかよ…もうどうしようもないぞ…」
杏子「うわ…もうこんな時間かよ…」
杏子「もう諦め…」
???「ちょっとちょっと」
杏子「…なんだよ?誰アンタ」
お前ら「いや~ちょっとおじさんとお話しない?wwフヒヒwww」
フカーヒーレーwwwww
はよだしてあげてw
杏子「悪いけど急いでんだ…」
杏子「また今度な」
お前ら「そうなの~?ww残念だなぁwww」
お前ら「お話してくれたらお金あげちゃうのにな~wwww」
杏子「」ピタッ
杏子「ホントか!?」
お前ら「僕が嘘吐くような人に見える~?wwww」
お前ら(うはwwこの子ちょろいwwww)
杏子「うん!うんっ!いくらでも話すぞ!!」パアァ
お前らやめろ
杏子「じゃあ公園で話そう!行こうぜ!」ガシッ
お前ら「ちょwww」
お前ら(うはwwwwテラ積極的wwwwww)
杏子「ほらほら!」グイグイ
杏子(話するだけで儲かるのか!ほむらもコレやればいいのに!)
杏子(金手に入れたらフカヒレ食うぞ~!)
お前ら(フヒィwwwwいっぱいペロペロしちゃうぞ~www)
このルートはよくあるパターンだからなしで
~公園~
お前ら「フヒwww商店街でお尻突きだして歩き回る杏子ちゃん…ずっと見てたよ~www」
杏子「尻突きだして…?ああ!アレか!」
杏子「アレは屈んでたんだよ!尻突きだしてたわけじゃねーっ!!」
お前ら「ヌホwww怒った杏子ちゃんもかわええwwwww」
杏子「うるせえなぁ…」
お前ら「フヒィwwwサーセンwwwwwww」
杏子「でもなんで話すだけで金くれるんだ?変わってんなぁアンタ」
お前ら「えっ?wwww」
お前ら(ちょwwwその気でついてきたんじゃねーのかよwwww)
お前ら(ピュアすぎワロタwwwwwwww)
あんこちゃんとアンアン
お前ら「まあまあいいじゃないwwwおじさんの親切心だよwwww」
杏子「へぇ~…やっぱり変わってんな」
お前ら「フヒヒwwwwところで杏子ちゃんwwwwww?」
杏子「なんだい?」
お前ら「杏子ちゃんの家族の人はどうしてるの?www」
お前ら(めんどくせーことになる前に一応聞いとかないとなwww)
お前ら(まぁどーせこんな時間まで子供ほったらかすような馬鹿親なんだwwwかんけーねーかwwww)
杏子「あー…家族…」
杏子「その…なんつーか…」
お前ら(言いにくいよねwwww馬鹿親なんだからwwwwww)
杏子「いないんだわ…アタシの家族」
お前ら「えっ」
心優しいお前らなら・・
お前ら「えっ?えっ?一人暮らし?」
杏子「…」コクリ
お前ら「えっ?えっ?えっ?じゃあどこに住んでるの?」
杏子「橋の下にダンボールで…」
お前ら「」
杏子「…」
お前ら「…」
杏子「あーもー!!湿っぽくなるからこの話やめようぜ!な!?」
お前ら「あっ、はい…」
ダンボール燃やしたい
杏子「それで?次は何話す!?」
お前ら「…」
杏子「…どした?」
お前らの顔を覗き込む杏子
お前ら「…フヒヒwwwwwおじさんもう大満足wwww」
杏子「ありゃ?もう終わりか?」
お前ら「いや~楽しかったwwwwwはいコレwww」ギュ
財布から一万円札を取り、杏子の手に握らせる
杏子「えええ!?万札じゃん!!こんな受け取れねえよ!」
お前ら「いいのいいのwwwww楽しかったからwww」
お前ら「ほら行った行ったwwwwww」
杏子「…」グッ
杏子「ありがとな!おっさん!!」
タッタッタッ
シーン…
お前ら「…」
夜の公園で星空を見上げるお前ら
お前ら「…」
お前ら「…フヒww」
お前ら「フヒヒヒヒヒwwwwwwwwwww」
お前ら「あんな可愛い子の手握ったの久しぶりだなあああwwwww」
お前ら「一週間はこの手洗わねえwwwww」
お前ら「さあ!彼女の手の感覚を忘れないうちに…」
お前ら「帰って朝までオナニーだ!!」キリッ
お前ら「フヒィィィィイイwwwwwwwwww」
タッタッタッ
~杏子ホーム~
杏子「ただいま~っと…」
QB「やあ!お帰り杏子」
杏子「げっ…!キュウべえなんでここに…」
QB「いやあ…アイドルグループのCDを大量に買ったことがバレちゃって…」
QB「マミに追い出されてここに来たってわけだよ」
杏子「おいおい…何やってんだよ」ハハハ
QB「うーんテレビから取材のお願いが来るほど買ったのが悪かったか…」
杏子「いくらなんでもやりすぎ…うっ!」
ガクッ
QB「杏子…?」
杏子「が…う…」
腹を押さえてうずくまる杏子
QB「何やってんだい君は?」
杏子「は…腹が…いてえ…っ」
QB「君が腹痛?冗談でしょ」
杏子「う…あああ…!!」
QB「…君は今日何を食べた?」
杏子「うっ…そ、その辺の葉っぱと…海水と…」
杏子「く…うあ…ざ、ザリガニも…」
QB「!?…そのザリガニどこで捕ったんだい?」
杏子「あの道…ずーっと行って…くっ」
杏子「ひ、左に曲がって真っ直ぐ…行ったとこ…っ…う!」ズキッ
QB「あ~…あのドブ川…近くに工場があるとこ?」
杏子「ッ…!」コクコク
汗まみれになりながらも必死に頷く杏子
QB「…あそこの工場、よく近くの川に変な化学物質垂れ流してるって聞いたけど」
杏子「!!!」ズキーン
杏子「いってえええええ!!」ジタバタ
QB「んもう…今日はもう寝なよ」
QB「明日はじっとしてるんだよ?」
杏子「だ、駄目だ…」
QB「?」
杏子「明日は…マミに…フカヒレ食いに…」
杏子「連れて行って…もらうんだっ…」
QB「フカヒレ?」
杏子「じっとなんて…してらんねぇ…!!」
QB「しかし一日くらい…」
杏子「約束…したんだ…はぁっ…はぁっ…」
QB「…じゃあせめて水飲みなよ。海水なんか飲んだんだから」ドン
ペットボトルに入った水を取り出すキュウべえ
杏子「はは…どっから…取り出したんだよ…」
杏子「…悪いな…ははは」ゴクゴク
……………………………………
杏子「…」スヤスヤ…
QB「ふぅ…やっと寝たかい」
QB「それにしても…約束…ねぇ?」
QB「まったく人間は…」
QB「訳が分からないよ…」
杏子「う…うーっ…」ゴロン
痛みに顔を歪ませながら横向きに寝返りをうつ杏子
QB「…」
QB「やれやれ…」スッ
杏子の腹にくっ付き、体を丸めるキュウべえ
QB「それじゃおやすみ」
あんこちゃんが、ザリガニ化するとすごい期待してるのに
~翌日~
QB「ホントに大丈夫かい?」
杏子「…ああ!まだちょっとフラッとするけどな」
QB「お金持った?」
杏子「バッチリ」
QB「そうかい。それじゃ行ってらっしゃい」
杏子「おう!さぁ~て食うぞ~!!」
杏子「フカヒレフカヒレ~!」
タッタッタッ
QB「何事もなければいいんだが…」
杏子「マミの家は…あっちだ!」
タッタッタッ
杏子「お!そうだ!」
杏子「あっちの橋通った方が早いぞ!」
タッタッタッ
杏子「今日はフカヒレ祭り~ってか」
歌いながら橋を渡る杏子
杏子「…あん?」
橋の下の河原に目をやる杏子
少女「う…ぐすっ…ひっく」
杏子「…」
スタスタ
杏子「よう!どうした?そんなに泣いちゃって」
少女「う…ええん…ぐすっ」ポロポロ
杏子「おいおい…ずっと泣いてちゃわかんねーぜ?」
少女「うっ…ひっく…おつかいっ」
杏子「おつかいぃ?」
少女「ママから…おつかい頼まれたの…」
杏子「うんうん…それで?」
少女「お財布…落としちゃって…」
杏子「はぁあ~?」
少女「う…うわあああああん…」ポロポロ
杏子「あーあー泣くな!」
杏子「この辺は探したのか?」
少女「ん…」コクリ
杏子「…となると…川の中か」
少女「ど、どうしよぉ…」ウルウル
杏子「…ったく」
杏子「探すの手伝ってやるからもう泣くんじゃねえ!な!?」
少女「ほ、ほんと!?」
杏子「ああ、ホントだ!…ほらいくぞ!」バチャバチャ
少女「うんっ!」バチャバチャ
靴を脱いで川に入って行く二人
……………………………………
杏子(くっそ…全然見つかねえ)
少女「無いよぉ…ママに怒られちゃう…」
杏子「だ、大丈夫だって!絶対見つけてやるから!」
少女「うん…」
杏子(とは言ったものの…もう流されてんじゃねーのか?)
杏子「うっ…?」
フラッ
少女「お姉ちゃん…?」
杏子「なんでもねーよ…ほら探せ探せ!」
杏子(ちくしょう…また腹が…)ズキズキ
杏子(や、やべえ…シャレにならねえ痛みが…)ズキーン
杏子「ぐっ…!」バシャ
腹痛で川底に膝をつく
杏子「はぁっ…はぁっ…ん?」
視線が低くなって見えなかった物が見えるようになる
杏子「…あるじゃねーか」
ヒョイ
杏子「木の枝や草に引っ掛かって流れなかったのか…」
杏子「おーい!あったぞ!」
少女「!! ほんとぉ!?」
杏子「ああ!早くこっち来い!」
遠くにいる少女を呼ぶ杏子
杏子「…あ」
財布の中身を確認するために取り出し、固まる杏子
杏子(ひでえなこりゃ…)
杏子(グチャグチャで破れて…もう使えねーぞこの札)
杏子(つーか札一枚だけか…小銭も入ってねぇや)
杏子(…)スッ
少女「ホントに見つかったの!?」バチャバチャ
杏子「…」グシャ
使えなくなった紙幣を握りつぶす
杏子「…おお!見つかったぞ!ほら!中身もちゃんと入ってるだろ?」
少女「わぁ~ホントだ!ありがとうお姉ちゃんっ!!」
杏子「ははは!よかったな!」ナデナデ
……………………………………
少女「ばいば~い!」ブンブンッ
杏子「…おう!気をつけてな!」
杏子「…」ズキズキ
杏子「…」
マミ「…佐倉さん?」
杏子「!…マミか」
マミ「あんまり遅いから迎えに来ちゃった!」
マミ「さ、行きましょ?なるべく安くて美味しいとこ見つけたから!」
杏子「…」ズキーン
杏子「ごめんなマミ…」
ドサッ
マミ「!?ちょ、ちょっと!?佐倉さんっ!!?」
~翌日~
杏子「…」
QB「…」
杏子「はぁ…」
QB「馬鹿だねぇ…君は…」
杏子「しょうがないだろ…ほっとけなかったんだよ!」
QB「…やれやれだね」
杏子「うるせーっ!!」
QB「…そんなことよりここでゆっくりしてていいのかい?」
QB「マミに呼ばれてるんだろう?」
杏子「あ!そうだった…マミにもちゃんと謝っとかないとな…」
タッタッタッ
~マミホーム~
杏子「うう…怒ってるかな…マミ」
杏子「せっかく店見つけてくれたのに…」
QB「早く入れば?」
ガチャ
マミ「あ!佐倉さん!入って入って!」
杏子「あ…おじゃま…します…」モジモジ
まどか「あ!杏子ちゃん来たよ!」
さやか「おっ!主役の到着~!」
ほむら「ちょっと遅いわよ…佐倉杏子」
杏子「!?」
杏子「な…なんでみんなが?」
QB「…マミが呼んでくれたんだよ」
杏子「キュウべえ!アンタ知ってたのか?」
杏子「でもなんでこんなことを…」
QB「鈍いなぁ君は…」
マミ「鹿目さん!」
まどか「は~いっ!…よいしょっ!」
杏子「こ、コレは…」
さやか「フカヒレだよん!」
まどか「わたしが前行ったお店の人に無理言って持って帰らせてもらったの!」
杏子「え!?金は!?誰が払ったんだ!?」
マミ「ほとんど暁美さんが払ってくれたのよ!」
さやか「足りない分は皆で地見屋した!」
ほむら「まぁ…タダで手に入れた金ですもの…惜しくは無いわ」
ほむら(お尻突きだして小銭探すまどかの写真撮れたしね!)ホムッ
杏子「なんで…みんなここまで…」
マミ「なんか…ほっとけなかったから…かな?」
ほむら「そうね」
QB「やれやれ…一番ほっとけなかったのは君だったってことさ」
杏子「…!!」
杏子「へへ…」
杏子「ありがとな」
さやか「ね~ね~!早く食べてみなよ!」
まどか「そうそう!独り占めだよ~!」
ほむら「よく味わいなさい」
マミ「はいどーぞ!佐倉さん!」スッ
箸を差し出すマミ
QB「ほら、お目当てのフカヒレだよ」
杏子「ああ!それじゃ…」
杏子「いただきまーす!!」
パクッ
さやか「お~っ!いったぞ~!」
ほむら「しっかり噛んで!」
マミ「ふふ…美味しい?」
まどか「どう?どう!?」ワクワク
QB「高級料理だ。不味いわけがないよ」
杏子「ん…」モグモグ
杏子「…」ゴクン
杏子「ん~なんというか…」
杏子「あれだな」
杏子「輪ゴム」
マミ「は?」
まどか「輪…ゴム…?」
杏子「ああ、食感は輪ゴム」
ほむら「…他に感想は?」
杏子「えーっとな…」
杏子「味は春雨!うん!間違いないぜ!」
マミ「」ブバハッ
QB「…彼女の貧乏舌を計算に入れて無かったよ」
さやか「な…」
さやか「なんだそりゃああああああああああ!!!!」
さやか「昨日の苦労は一体なんだったの!?」
まどか「こんなのってないよ…あんまりだよ…」ガクッ
ほむら「…どうしようもないわね…この舌は」
QB「やっぱり舌にあった物を食べるのが一番ってことだね」
マミ「なによそれ~っ!!」
ポカポカ
杏子「い、いて~よ!悪かったよ!」
杏子(でも…)
杏子(お目当てのフカヒレはあんまり美味くなかったけどさ…)
杏子(やっぱりこうやって皆で集まって笑えるだけで…)
杏子(アタシはそれでお腹いっぱいだよ)
杏子(へへ…)
杏子(ありがとな…みんな)
おわり
こんな時間まで見てもらってすまんかった
あとほむほむは財布盗んだんじゃないよ!拾ったんだよ!
甲子園球場とか行けば結構落ちてるものなんよ
それじゃおやすみ
杏子「松茸食いたい!」
お前ら「ボクのまつたry
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|:|/彳:::;斗代::| \! ソ ヾ|::::::!::::Ⅵ
|:| .|:|::::从i:| \ y ア抃.l:::::::l::::::';
|:l . 从::l. ア抃y⌒ヽ. 匕j .|:::::::l、::::::',::`ヽ
. !:!./イ:::ソ、 匕jノ, `ー‐ ,'::::::::! 〉:::::i::::::∧ 乙
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