音無「平和な日常って、いいよな」(501)
音無「ふあ~~~ぁぁ…」
日向「またえらく大きいアクビだな」
直井「昨晩は夜更かしでもされたんですか?」
音無「ああ、いや。最近は春先の陽気で暖かいだろ?
その所為かも知れないけれど妙に眠くていけないな」
直井「『春眠暁を覚えず』、というやつですね。
流石は貴族の高貴さを纏う音無さん、そういった季節の流れを堪能できるとは流石です」
日向「そう言われると俺もなんだか眠くなってきたな」
直井「ふん、そうやって便乗でしか風情を感じることの出来ない愚民はこれだから……」
日向「うっせ! 俺だって最低限の感受性くらいあるっつーの!」
音無「お前ら相変わらず仲いいんだな」
日向・直井「「どこが(ですか)!?」」
音無「そういうところが、だよ…」
日向「ま、音無の言うとおり最近はすっかり春めいてきてるよなぁ」
音無「ああ。 いつの間にか校門にも桜が咲き誇っていたみたいだし」
日向「この時期は1年でも一番過ごしやすい季節、って感じがするぜ」
直井「愚民は花粉症で苦しみ悶えているのがお似合いだがな」
日向「んだと!? お前は花粉症で苦しみ悶えている全国四千万の人に謝れってんだ!」
直井「貴様の世界観の日本では、そんなに花粉症が蔓延しているのか……」
直井「くあぁぁぁ……ぁふっ」
日向「自称神様はまた随分と可愛らしいアクビするんだな」
直井「黙れ愚民。音無さんの尊前だぞ。
糸切りバサミとボトルキャップ、どちらの有能性に気づきたいのか好きな方を選びたいらしいな…」
音無「直井、お前も何だかんだで眠いんじゃないのか?」
直井「す、すいません。崇高たる音無さんの前で欠伸など失礼しました」
音無「いいさ、気にすんなよ。
こんなに天気も良ければ誰だって気が緩んじまうさ」
直井「流石は尊き人格者の音無さん、優しさだけではなく大きな器まで具備しているなんて!」
日向「褒め言葉のバリエーションに今まで一度も被りが無いお前の語彙力に感心するわ…」
日向「でもさ、ふわぁぁぁぁ……っ、他人のアクビって何でか知んねぇけれど、
それ見ると妙に、伝染しちまうんだよなっ…ふわぁぁ……」
直井「おい日向、せめて、口にくらい手を当てろ。
これ見よがしに欠伸をする、貴様には、分からないだろうがなっ…」
日向「なんでぇ、自称神様は無理やり我慢してんのか?」
直井「神は欠伸などしない………あふっ」
音無「お前ら見てると余計に眠くなってきたぞ……」
「ふああぁぁぁぁ~~~………っ」
音無「こりゃもう限界だな、どっか昼寝できる場所でも探すか」
直井「音無さん。いくら季節が春とは言え、薄着で眠ると風邪をひいてしまいますよ」
音無「まぁ、言われてみればそうだな…」
直井「ですから僕が人肌で貴方を全力で暖めさせて頂きます」
日向「お前ちっとは自重しとけっつーの!!
しかも真顔かよ!? こえーよ、本気のリアクションすぎて怖すぎるわ!」
直井「何を馬鹿な、神である僕は音無さんに対して当然の行為を行うだけだ」
日向「行為ってなに、行為って!?」
音無「せ、せっかくの提案だが一人でゆっくり眠らせてもらうよ」
直井「そうですか、残念です……」
日向「本気で落ち込んでる!?
この自称神様、どっからツッコんでいいか分かんねぇよ!」
音無「んじゃ、屋上にでも行ってくる。
何か用事があったら起こしに来てくれ」
日向「おぅ、分かった。また後でな~」
音無「ああ、また後で」
直井「音無さん、僕も一緒に…!」
日向「お前はここに居ろっつーの!」
直井「………」
日向「………」
直井「………」
日向「………」
日向(え、なに、音無が居ないと妙に気まずいんですけど……)
直井「………」
日向「………」
直井「………」
日向「………」
直井「………おい、日向」
日向「………何だよ」
直井「喉が渇いた。神への供え物として何か飲み物を持って来い」
日向「開口一番でそれかよ!? しかも供え物って言い方だと神様っつうか仏様っぽいぞ!」
直井「僕は神だ。愚民と交わす言葉の一端一端に気を使う筈が無いだろう」
日向「とんだ自称神様だな、ホント…」
日向「なぁ、直井」
直井「なんだ?」
日向「今から飲み物買ってくるけれど、その代わり俺から一つ条件な」
直井「神に条件提示とは、貴様も随分と偉くなったものだ」
日向「むしろ俺ってどんだけ下に見られていたのか気になるんですけど!?」
直井「まぁいい。聞くだけ聞いてやる」
日向「お前さ、この後ってヒマだろ?
天気もいいしキャッチボールしようぜ」
直井「断る」
日向「譲歩してみようと思った結果がコレですよチクショウ!」
直井「なんだ貴様、暇なのか」
日向「自称神様と席を向かい合わせる程度にはな」
直井「何度も言うが僕は神だぞ。そんな傲岸不遜な態度でいいと思っているのか?」
日向「へーへー、さーせんさーせん」
直井「…今日は使い切ったスティック糊の有能性に気づきたいようだな」
日向「出すぎた態度を取ってしまい申し訳ありませんでした!」
直井「分かればいいんだ、分かれば」
日向「ちくしょう…音無が居ないとホント洒落にならねぇじゃじゃ馬だなコイツ……」
直井「何か言ったか?」
日向「いーえー! 別にぃー!!」
直井「そもそも、貴様のような愚民とは音無さんの知人でもない限り
こうして話すことすら無かっただろう」
日向「お前が見ていた俺って音無の知人程度の認識だったの!?」
直井「当たり前だ。それ以下じゃなかっただけでも有り難く思え」
日向「へーんだ! こっちから願い下げだっての!」
直井「ふん、浅い奴め」
日向「はん、中二病め」
直井「何だと…!?」
日向「おおぅ、やるか…!?」
日向・直井「ぐぬぬ…………!」
天使「副会長。ここに居たのね」
日向・直井「!?」
天使「貴方の分の仕事が溜まっているから、時間があれば後で生徒会室に来て」
直井「…分かりました。後ほど向かわせて頂きます」
天使「ありがとう」
直井「いえ、こちらの方こそ職責を疎かにしてすいません」
天使「気にしないで」
直井「と、いうワケだ。悪いが僕は生徒会に行かせてもらうぞ」
日向「へーへー。 ま、天使に言われちゃ仕方ないわな」
直井「…おい」
日向「なんだよ」
直井「音無さんに会ったら宜しく伝えておけ」
日向「何をどうヨロシク伝えりゃいいのかサッパリだわ!」
日向「さて、……困ったな」
日向「何がどう具体的に困ったかというと……」
日向「直井をからかって時間を潰してみるっつぅ
我ながら情けない予定が空いちまうと、こう、反動がでかいっつうか」
日向「暇になっちまったなぁ…」
日向「あー、どうすっかなぁ。俺も屋上行って寝よっかなー」
日向「でもなぁ、音無が寝てたらなんか邪魔すんのも悪いし…」
日向「かといって真面目に授業に出たら成仏しちまいそうだし……マジで暇すぎるぜ」
遊佐「……公共の場での独り言は止めておいた方が宜しいかと」
日向「うおおおお!? ビックリしたああああああああ!!」
日向「…ってなんだ、遊佐じゃねぇか」
遊佐「こんにちは」
日向「うっす。今日も情報収集ってのをやってんのか?」
遊佐「はい。それが私の仕事ですから」
日向「お疲れさん」
遊佐「ありがとうございます」
日向「で、今日は誰の動向を探っているんだ?」
遊佐「具体的には天使を主軸として、他のメンバーの生活もゆりっぺさんに報告しようかと」
日向「そっか。…もう俺の分書いてたりするのか?」
遊佐「端的にですが、『欠伸を繰り返して自堕落を絵に描いたような一日を過ごす』とだけ」
日向「そりゃあの一連の流れを見られたらそう受け取りますよね!」
遊佐「……どこか不備でもありましたか?」
日向「すいません、全くありません」
日向「あー、でもそれ提出されたらゆりっぺから、
『アタシがこうして日夜頑張っているのにいい御身分ね。
また屋上からヒモ無しバンジーを所望しているのかしら』なんて思われちまいそうだ」
遊佐「…否定はしません」
日向「アイツの事だから下手すりゃマジで実行してきそうで困るんだよ…」
日向「ん! 待て、いい案が閃いた!」
遊佐「何を思いつかれたのですか?」
日向「なぁ、遊佐」
日向「俺にも今日、その諜報の仕事っての手伝わせてくれないか?」
遊佐「……?」
遊佐「あの、今なんと…?」
日向「いやさ、名誉挽回の汚名返上っての?
お前の手伝いでもして今日一日の報告書を良く書いてもらおっかなー、と」
遊佐「分かりやすいですね」
日向「自分の死亡フラグ回避のためだ、ってのが一つ」
遊佐「……?」
日向「今日は一日妙に時間を持て余しちまってさ。
せっかくならいつも一人で頑張ってるお前の手伝いくらいしてみたいんだ」
遊佐「……」
日向「それが理由のもう一つ。迷惑にならない程度にすっからさ」
日向「で、どうだ? こう見えても俺けっこう働くぜ」
遊佐「……許可しましょう」
日向「よっしゃ、宜しくな」
遊佐「そうですね。では…ここは購買前なので、まず一つ」
日向「おぅ!」
遊佐「ミルクパンを購入してきてくれると助かります」
日向「おぅ!」
遊佐「ついでに何か甘い飲み物も」
日向「おぅ!」
遊佐「いただきます」
日向「おぅ!」
遊佐「…ご馳走様でした」
日向「おぅ!」
日向「……ってこれタダのパシリじゃねぇかああああああああああああ!!」
遊佐「小腹も満たしたので、行動を始めましょう」
日向「ようやくかよ…」
遊佐「日向さん、これを」
日向「これは?」
遊佐「双眼鏡と集音マイク、そしてICレコーダーです」
日向「なるほどな。
これがあれば相手の動きと喋りを見てとれる上に、情報も残るってワケか」
遊佐「言語的と非言語的の両方からアプローチをかけるのが私の主流ですので」
日向「以外と本格的だな」
遊佐「……準備は宜しいですか?」
日向「おぅ! いつでもOKだぜ!」
遊佐「……えいえいおー」
日向「え、え、え!? …え、えいえいおー!」
遊佐「では、行きましょう」
日向「今さっきの掛け声は何だったのか説明も無し!? ホワァァァァイ!?」
《どこから覗きますか?》
①戦線メンバー(誰を覗くかは更に安価)
②ガルデモ
③生徒会
>>40
1
遊佐「まずは周りの方から状況を把握していきましょう」
日向「戦線の奴らか? あいつらって結構うろうろしてんぜ、学園内を。
こりゃ見つけるのって案外難しくそうだな」
遊佐「そんな事はありません。
その証拠に、先ほど渡した双眼鏡で校庭付近の階段を見てください」
日向「どれどれ……」
日向「ん? アイツはひょっとして……」
双眼鏡に映ったキャラクター
>>45
>>43
椎名
椎名「……」
椎名「………」
椎名「…………」
日向「ありゃ椎名っちじゃねぇか。一体何してんだ?」
遊佐「竹箒を指に立てて、日課の鍛錬を行っていますね」
日向「まだバランス感覚を鍛えてんのか…アレ何かの役に立ったことあったか?」
遊佐「記憶に残っている事柄では一つあります」
日向「マジか!? 何かあったっけ?」
遊佐「全員集合での写真を撮った際、
一人高い位置に立つために藤巻さんの長ドスの上に立つために能力を活用しました」
【証拠写真】
日向「こりゃどう見ても竹箒の鍛錬関係ないだろ!
しかもどっちかっつうと凄いのは椎名乗せてる藤巻の方じゃね!?」
日向「はぁ……ったく、椎名っちは相変わらずだな」
遊佐「日向さん」
日向「んぁ?」
遊佐「目標に何者かが近づいて来ています」
日向「ホントか、どれどれ……」
椎名っちに近づく影の正体
>>51
大山
大山「椎名さん、何してるの?」
椎名「……見てのとおりだ」
大山「あ、いや、だから、何してるのかな~って思って」
椎名「……あさはかなり」
大山「す、スイマセン!」
椎名「今は鍛錬中だ。集中が途切れるから邪魔をするな」
大山「う、うん、分かったよ……」
日向「なんでぇ、大山じゃねぇか」
遊佐「とりあえずもう少し動向を探ってみましょう」
大山「……」
椎名「……」
大山「……」
椎名「……」
大山「……」
椎名「………おい」
大山「な、何かな!?」
椎名「何故こっちをじっと見ている?」
大山「あ、いや、どれだけ長く続けられるのかな~なんて思ってたんで」
椎名「その気になれば一週間程度は余裕だな」
大山「うわ! 凄いや! 僕なんかじゃ到底マネ出来ない芸当だよ!!」
大山「ねぇ、椎名さん」
椎名「何だ?」
大山「…実際に一週間やってみたの?」
椎名「その気になった事が無いから、まだ試みたことは無い」
大山「も、モノは言い様だね……」
椎名「あさはかなり」
椎名「それで…貴様は私に何か用でもあったのか?」
大山「い、いや、別に用事なんて無いんだけれど」
椎名「ほぅ…用事も無いから修行の邪魔だけを行いに来た、と……」
大山「誤解、そりゃ誤解だよ椎名さん! 見かけたんで何となく話しかけただけなんだってば!」
椎名「……そうなのか?」
大山「天に誓ってちょっかいを出しに来たんじゃないよ!ホントホント!」
日向「大山、そんなに焦って言い訳すると逆に怪しく思われちまうぞ!」
遊佐「……あさはかなり」
日向「何言ってんだよお前、どうしちゃったの!?」
遊佐「何となくです」
日向「突拍子も無いボケをいきなりかまされるとは予想の範囲外だよ!!」
遊佐「そういうツッコミが来るのは想定の範囲内でしたが」
日向「いいから! 妙な所で被せてこなくても大丈夫だから!
大山「そ、それじゃあ僕はこの辺で失礼するね」
椎名「ああ」
大山「修行の邪魔しちゃってゴメン!」
椎名「構わない」
大山「じゃ、じゃあね!」
椎名「おい、小坊主」
大山「うえぇい!?」
椎名「…そんなに怯えるな」
大山「ご、ゴメン」
椎名「よく聞け」
大山「うん」
椎名「……修行には雑念が付き物だ」
大山「う、うん」
椎名「今更その雑念が一つ増えた程度では私の精神は揺るがない」
椎名「……たまに邪魔するくらいなら構わないぞ」
大山「……!」
大山「う、うん! また来るよ!」
~~
日向「なんか上手い具合に落ち着いたな」
遊佐「そのようですね」
日向「……何書いてんだ?」
遊佐「あのお二人のレポートを作成するための簡潔なメモを少々」
日向「どんな事が書いているのか気になんだけど、ちょこっとくらい見せるのってダメか?」
遊佐「……考えておきましょう」
日向「さて、次はどうすんだ?」
遊佐「そうですね…とりあえず場所を移動しましょう」
日向「おぅ、分かった」
どこに移動しますか?
①自販機前
②空き教室
③対天使用作戦本部
>>63
さん
遊佐「とりあえず作戦本部に向かいましょう。
そこでゆりっぺさんに今回の日向さんの件を伝えておくのも良いかと」
日向「了解。上手い具合にアイツを言いくるめてくれよ」
遊佐「善処します」
――作戦本部前――
日向「あれ? ドア開けっ放しになってんぞ」
遊佐「随分と無用心ですね」
日向「言えてんぜ。 ったく、ゆりっぺらしくないよな。
いつもなら施錠くらいちゃんとしてんのにさ」
遊佐「……!」
遊佐「日向さん、待ってください」
日向「ん?」
遊佐「作戦本部に生体反応が二つ。
この時間帯でゆりっぺさん以外に本部に入る人物は限られています」
日向「ど、どうやって生体反応なんか調べたんだよ!?」
遊佐「入り口に備えている赤外線センサーの反応を調べたところ、インカムに情報が入ってきました」
日向「そんなに高性能だったの、そのインカム!?」
遊佐「日向さん、もしかしたら敵側のスパイが潜伏している可能性があります」
日向「………」
遊佐「万が一戦闘になった場合、すぐ動けるようスタンバイを」
日向「……おぅ!」
日向「よし、それじゃあ…突撃する前に中の様子を探るぞ……」
遊佐「お願いします」
日向(入り口に人の気配は無い。オーバー)
遊佐(そのまま状況の報告を。オーバー)
日向(これならドア越しに中が窺えるな)
日向(どれ、中の状況は、と……)
ゆり「zzz……zzz……zzz……」
日向「……へ?」
遊佐(日向さん、どうかされましたか?)
日向(ああ、いや…我らがリーダーが気持ち良さそうに眠っているだけみたいだ)
ゆり「zzz……zzz……zzz……」
○○「ゆりっぺ、相当疲れていたのか?」
ゆり「zzz……zzz……zzz……」
○○「ぐっすり眠っているな、これはどうするべきか…」
日向(ん? ゆりっぺの近くに誰か居る、のか?)
野田「ど、どうする!?」
ゆり「zzz……zzz……」
野田「こ、ここに来ればゆりっぺに会えると踏んで来たはいいが」
ゆり「zzz……zzz……」
野田「黙って立ち去るべきなのだろうか」
ゆり「zzz……zzz……」
野田「それとも風邪を引かないように上着くらいかけてあげるべきなのだろうか!?」
ゆり「zzz……zzz……」
野田「いやしかし、上着をかけた弾みで起こしてしまったら申し訳ない!」
ゆり「zzz……zzz……」
野田「かと言ってこのまま何も見なかった風にして帰るのも何か駄目な気がする!」
ゆり「zzz……zzz……」
野田「ぬおおおおおおおおおおおおお!! 俺は、俺はどうするべきなのだああああああああああ!!」
ゆり「zzz……うっさい………zzz……」
野田「!?」
野田「お、起こしてしまったのか!?」
ゆり「zzz……zzz……」
野田「なんという事だ! せっかくゆりっぺが眠っていたのを邪魔するなんて、俺は、俺はぁぁぁぁぁぁ!」
ゆり「zzz……寝てるわよ……zzz……グッスリ……zzz……」
野田「そ、そうか。それは良かった」
ゆり「zzz……zzz……」
野田「しかし、一体どうするべきかという問題はまだ解決しておらん!」
ゆり「zzz……zzz……」
野田「こ、ココは男らしく! 上着を! かけるのだ!」
ゆり「…………」
野田「いやでも、それは起きたときに誰の上着か分からずにゆりっぺが狼狽する可能性も!」
ゆり「……チッ……」
野田「!?」
ゆり「zzz……zzz……」
野田「気、気のせいか…」
野田「…でも、こうして寝顔を見ると」
ゆり「zzz……zzz……」
野田「まるで天使だな」
ゆり「zzz……zzz……」
野田「こうしてずっと寝顔を見ていたい気もするが」
ゆり「zzz……zzz……」
野田「流石にそれはしないでおこう」
ゆり「zzz……zzz……」
野田「ん?」
ゆり「zzz……zzz……」
野田「心なしかゆりっぺの寝顔、頬が赤くなっているような?」
ゆり「zzz……うっさい……zzz……気のせいよ……zzz……」
野田「そうか、気のせいなら仕方ないな!」
日向(いや、そろそろ気づけよ野田!!)
ゆり「zzz……zzz……」
野田「……」
ゆり「zzz……zzz……」
野田「……」
ゆり「zzz……zzz……」
野田「……ゆりっぺ」
①上着をかける
②頭を撫でる
③何も見なかった素振りで退室
>>79
ぶっかけ
>>79
野田「……よし!」
バサァッ
ゆり「わぷっ!」
野田「や、やはり思いきり上着をぶっかけたのは駄目だったか!?」
日向(野田、衣服を被せることはぶっかけるなんて普通言わねぇよ!)
野田「す、スマンゆりっぺ!」
ゆり「z、z、……zzz……zzz……」
野田「ホッ…どうやら起きてないようだ」
ゆり「zzz……zzz……」
野田「睡眠の邪魔をして悪かった。俺はどうにも不器用でイカンな」
ゆり「zzz……zzz……」
野田「今日はよほど疲れているのか。深い眠りのようで何よりなのだ」
ゆり「zzz……zzz……」
野田「……」ポンポン
ゆり「……! zzz……zzz……」
野田「髪、サラサラだ。クセ毛の俺とは全然違うんだな」
ゆり「zzz……zzz……」
野田「お前はいつも気を張ってばかりだから」
ゆり「zzz……zzz……」
野田「こういう平和な時間がたまにはあっても良いと思うのだ」
ゆり「zzz……zzz……」
野田「今くらいは、ゆっくり休んでくれ」
ゆり「zzz……ありがと……zzz……」
~~~
遊佐(日向さん、そちらの様子はどうですか?)
日向(不器用な戦線のアホ二名を確認。問題は無いのでさっさと離れようぜ)
遊佐(了解しました)
日向(…ったく、下手な狸寝入りだよ、ホント。鈍感野郎で良かったな、ゆりっぺ)
――小休止――
14時過ぎから再開
《次はどこから覗きますか?》
①戦線メンバー(誰を覗くかは更に安価)
②ガルデモ
③生徒会
>>95
ゆいにゃん
>>95
日向「そろそろ別の奴の動向でも探ってみっか」
遊佐「了解です」
日向「そうだな…ここから近い場所っつったら」
遊佐「陽動部隊の練習教室が最も近いかと」
日向「お、そうか。んじゃ、ユイがちゃんと練習してっかどうか見に行ってみるかな」
遊佐「なんだか嬉しそうですね、日向さん」
日向「気のせいだろ。気のせい」
――学習棟A棟 空き教室――
~~♪ ~~♪
ひさ子「ユイ、ピッチ気をつけて!」
ユイ「うっす!」
~~♪ ~~♪
日向「…かなり本気で練習してるんだな」
遊佐「普段の彼女たちの音楽にかける熱意は相当なものかと。
ライブ時の本番度胸は、この練習量から来ているのやも知れません」
日向「じょ、饒舌だな、遊佐……」
遊佐「1ファンとして…もとい、諜報員として普段の彼女たちを知っているからこそ当然の事を述べたまでです」
日向「そ、そっか…」
岩沢「ギターも歌もブレブレだよ!」
ユイ「うっす!」
入江「走りすぎ、もっと裏拍を意識して!」
ユイ「うっす!」
ひさ子「声が楽器でかき消されてるよ! ボイトレちゃんとやってるのか!?」
ユイ「う、うっす!」
関根「音作りの土台はこっちに任せて、しっかりピッチ良く歌ってみて」
ユイ「うっす!」
ひさ子「パン買って来い!」
ユイ「うっす!……って、それ今関係無いじゃないですかーーー!!」
ひさ子「はは、なぁなぁで返事していたワケじゃないんだな。偉いぞ!」
岩沢「ベース! 前に出すぎているから少し下がり気味に弾いてみて」
関根・ユイ「うっす!」
ユイ「………あ」
ひさ子「お前とりあえず後でパン人数分買って来い!」
日向「……いかにアイツがガルデモ内でヒヨっ子ポジションを満喫しているかよく分かる1シーンだな」
岩沢「よっし、10分休憩」
関根「ユイは罰としてパン買ってこいやー!」
入江「こいや~♪」
ユイ「せ、殺生なぁーー!!」
ひさ子「まぁまぁ、言い出したのアタシだけどアレは冗談だから。ちゃんと喉休めなよ」
ユイ「お、おおぅ…乳鬼の目にも涙やでぇ…グレイトフル感謝っす、ひさ子さん!」
ひさ子「前言撤回、休憩時間の10分内にパン買って来い」
ユイ「何故だぁぁぁーーーーー!!」
関根「一言余計すぎるんだよ、ユイ……」
ユイ「ううぅ…皆さん厳しすぎますよぅ……。
メチャメチャ厳しい人たちなら不意に見せた優しさくらいあるのが、世間の常識じゃないですか」
ひさ子「どこのアニソン歌詞だよ、その世界観」
ユイ「何気ないネタに気づいてくれるひさ子さん! ア・リ・ガ・ト・ウ・ゴ・ザ」
ひさ子「はよ行け」
ユイ「ここまで言わせたなら最後まで言い切らせてくださいよぅ~!」
ガラガラッ
ユイ「あ」
日向「よぅ、お疲れ」
ユイ「ひなっち先輩、見てたんですか?」
日向「一部始終バッチリとな」
ユイ「それなら話が早いっすね。 いいからとっととパン買って来いやゴルァァァァーーー!!」
日向「それお前が頼まれた事柄じゃねぇか! 即断即決で俺に押し付けるんじゃねぇっつーの!」
遊佐「日向さん、別に良いのでは?」
日向「いや良かねぇよ!」
遊佐「彼女は練習で疲弊しているので、今の時間は身を休めるのが先決かと」
ユイ「おおっ! いいぞー! もっと言ってやってくださいー!」
日向「ぐっ……」
遊佐「それにここで一つ気の利く男を見せてみるのも有りかと」
日向「………」
遊佐「日向さん、よっ、男前」
ユイ「いいぞーせんぱーい、まじいけめーん! ここでかってくれたらちょうかっこいいー!」
日向「無表情と超棒読みのステレオでヨイショとか何の嫌がらせだよチクショウ!」
日向「分かった、分かったよ。10分くらいならすぐだから行ってきてやんよ!」
遊佐「男らしさアップです。日向さん」
ユイ「おおぅ! さっすがひなっち先輩! 扱いやすさ戦線ぶっちぎりナンバーワン!」
日向「アンタ今から代理で向かう本人の目の前でよく言えますね!」
日向「んじゃ、行ってくるわ」
日向「っと…その前に。おーい、お疲れさん!」
岩沢「……アンタか」
関根「お、また珍しい人が観覧に来てくれてますね!」
入江「ホントだ~」
ひさ子「どうしたのさ、急に」
日向「ユイの代理で軽食買ってきてやっからさ、リクエストとかあるか?」
岩沢「へぇ…気が利くじゃないか」
入江「やっぱり彼氏さんは彼女の肩代わりとかするんですね~」
日向「いやバッ、そういうのじゃなくてだな」
ひさ子「あんた達ってそういう関係だったのか、へぇ…」
関根「ヒューヒュー! あっついなぁ、まだ春先なのにな~んかあっついなぁ!」
日向「異性関連に敏感な 思春期真っ盛りの中学生かお前は!」
ユイ「ヒューヒュー! どーしたひなっち先輩、なーに照れてンすかぁ!?」
日向「お前も当事者なのに何でからかう側に思いっきり立ってんだよ!」
岩沢「それじゃあ…食べ物よりもスポーツドリンクを頼んでいい?」
日向「おぅ、了解」
ひさ子「アタシは若干甘めの飲み物とサンドイッチで」
日向「あいよ。飲み物はミルクティーでいいか?」
ひさ子「それで宜しく」
日向「お前ら二人は何がいい?」
関根「久しぶりに炭酸飲みたいんで、それ以外は適当に買ってきてください!」
日向「オッケー」
入江「わ、私は買ってきてもらえるだけで嬉しいから、お任せで」
日向「謙虚だな。分かった、ついでにお菓子くらい買ってくるよ」
ユイ「そっすねぇー、私はゴディ○のチョコと喉に優しいカモミールティ、そして南○のど飴くらいでいいっすよ!」
日向「…お前は水道水を空っぽのペットボトルにたっぷり汲んできてやるから楽しみにしてろ」
ユイ「そりゃあんまりっすよ、ひなっち先輩ぃーーー!!」
ひさ子「相変わらず一言どころか二言三言多いね、アンタは…」
日向「そんじゃ、遊佐。ちょっと持ち場を離れるんで宜しくな」
遊佐「了解です。引き続き監査に入ります」
日向「…お前は何がいい?」
遊佐「?」
日向「ついでってワケじゃないけれど、用件がてら何か買ってくるからさ。
リクエストはあるか?」
遊佐「…では、10秒チャージで2時間キープのゼリーをお願いします」
日向「淡白だなぁ。そんなんでいいのか?」
遊佐「充分です」
遊佐「……お優しいんですね」
日向「ん? 何か言ったか?」
遊佐「いえ、別に」
~~♪ ~~♪
ユイ「~~♪」
ひさ子「こら、せっかくの休憩時間なんだから演奏は程ほどにな」
ユイ「あっと、スイマセン」
岩沢「…よく見たら結構いい時間だね」
関根「お昼ごはんまで大体1時間くらいですね」
岩沢「よし、とりあえず午前中はこのくらいにしておこうか。
日向が差し入れ持ってきたら、それを合図に各自昼食でも取る感じで」
入江「りょうかいで~す♪」
ひさ子「うっし、上がり上がり」
ユイ「おっつかれっしたぁー!」
関根「お疲れさまー」
関根「おぅおぅ、みゆきち! 練習終わったらお喋りしようぜぃ!」
入江「うん、いいよ~」
ユイ「アタシも混ざっていいですか?」
関根「モチのロンさー!」
入江「ついでにお昼ご飯も食べよう~」
関根「いいねぇ! ユイも一緒に食べるよね?」
ユイ「おぅ! アタシの食いっぷり見て、腹いっぱいになっても知らねぇぞコノヤロー!」
ひさ子「全く、あいつらホント仲いいよな」
岩沢「……」
ひさ子「岩沢?」
岩沢「なぁ、ひさ子」
ひさ子「どうした?」
岩沢「一つ聞いていいか?」
ひさ子「はいはい、どうせ次の楽曲のことだろ。何でも聞いてこいよ」
岩沢「…お前、なんでそんなに胸が大きいんだ」
ひさ子「………ん?」
岩沢「なんでそんな胸大きいんだ、お前」
ひさ子「真顔でいきなり何訊ねてきてるんだよ!?」
関根「確かにひさ子先輩っておっぱい大きいですよね」
入江「うん、おっきいよね~」
ユイ「ギョーカイ用語で言うところの、パイオツカイデーですね!」
ひさ子「お前ら、変な話題に食いつかないでさっさと外の空気でも吸ってきなよ」
関根「えー? だって岩沢先輩からこういう話が出るの珍しいですし~」
ユイ「音楽キチの岩沢さんから女の子っぽい話題ですよ!?
そりゃ食いつかない方がおかしいですって」
入江「うんうん~」
ひさ子「そ、そうなのか…こっちとしては、セクハラされている気がしてならないけど…」
ひさ子「………」
岩沢「黙っていても事態は進展しないよ」
ひさ子「どうしろってのさ!?」
ひさ子「そもそも、アタシの大きさなんて人並みだっての」
関根「え~、ウソだぁ~! だって制服の上からでも分かるくらいですよ」
ひさ子「着太りするタイプかも知れないだろ。んなモン憶測だ、憶測」
遊佐「この論争に終止符を打てる物的証拠の写真があるのですが、見てみますか?」
入江「見てみたいです~♪」
ユイ「そりゃ見てみたいに決まってるじゃないっすか!」
遊佐「では、どうぞ。少々小さめの写真で申し訳ありませんが」
岩沢「どれどれ……」
岩沢「で、でかい……!」
入江「チアリーディングしている人の中でも一番じゃないかな、これ」
関根「また手前に写るイイ笑顔が貧乳なだけに、栄えますなぁ……」
ユイ「あれ、おかしいな。なんか目から口に塩っぱい水が流れてくるよ……」
遊佐「以上、QEDです」
岩沢「情報提供、感謝するよ」
遊佐「いえいえ」
入江「ひさ子先輩ってガルデモ内では一番スタイルいいですよね~」
岩沢「言えてるね」
ユイ「スタイルに関しては、戦線にいる忍者先輩との二強ですね」
関根「『ギターストラップがひさ子先輩の胸の谷間に食い込むのがたまらんぜよ!』
なんて言ってるNPCを自販機前で最近見かけましたよ」
ひさ子「なんで土佐弁なんだよ……じゃなくて、どこのどいつだ!
そ、そんな目で見られたら演奏に集中できないだろうが!」
岩沢「ひさ子、照れてるの?」
ひさ子「べ、別にそういうワケじゃないんだけど」
ユイ「ゴリラ女にも一瞬の恥じらい有り、ってヤツですね!」
ひさ子「…………ほぅ」
~~~~~
ユイ「ギャーーー!! それ以上…それ以上腰が反れるように人体は出来てませんーーー!」
ひさ子「言いたい事は?」
ユイ「ギブ、ギブ! ギブ&ソーリー、ソーリー! スイマセンっしたぁぁーーー!!」
関根「うはぁ…見事なキャメルクラッチだぁ……」
岩沢「白目で泡吹きかけてるね」
入江「ゆ、ユイ…それ女の子が見せる表情じゃないよ……?」
~~~~~
ひさ子「まぁ、とりあえず話を戻そう」
ユイ「………………」
関根「へんじがない! ただのしかばねのようだ!」
入江「向こうでノビているボーカルさんはどうしますか?」
ひさ子「ありゃ自業自得だろ」
岩沢「また随分と深い業があったもんだ」
ひさ子「それで岩沢、なんでまた突然そんな事を言い出したんだ?」
岩沢「いや、別に深い理由は無いんだけど…」
関根「でも聞いてみたいですね。その豊満なおっぱいの秘密を!」
入江「お、おっぱいって…しおりん、はしたないよ」
ユイ「とにかく! ひさ子さんのロケットおっぱいの秘訣を
勿体ぶらずにとっとと教えろってんだいゴルァーーーーー!!」
岩沢「お、早いな。もう復活したのか」
ユイ「うっす、これを知らずに成仏なんて出来ませんから!」
ひさ子「一体どうしたんだよ今日のアンタら……」
ひさ子「そもそも岩沢、音楽キチのアンタらしくないね」
岩沢「そうか?」
ひさ子「ああ、そうだよ。胸のことで何かあったの?」
岩沢「そうだな…強いて言えば先日の昼くらいに」
関根「昼くらいに?」
岩沢「記憶無し男と一緒にご飯食べてたときだったかな」
――先日の昼 学食にて――
岩沢「おい、結弦」
音無「なんだよ」
岩沢「この前貸したCD持ってきた?」
音無「ああ、持ってきてるぞ。
今は手元に無いんで帰りにでも渡すよ」
岩沢「ん、分かった」
「い、岩沢さん!」
岩沢「ん?」
ファン 「が、ガルデモのファンです!
次のライブも行きますから、が、頑張ってください!!」
岩沢「サンキュ。アンタみたいにしっかり聞いてくれる人がいる限り、
ガルデモは全力でそれに答えるよ」
ファン 「あ、ありがとうございます!」
岩沢「その代わり、ちゃんと最前列で聞こうとする努力も忘れないでよ?」
ファン 「も、もちろん! 岩沢さんの歌声を一番近い場所で聞けるよう、私も頑張ります!」
岩沢「よっし、いい心がけだね!」
ファン 「それじゃあ私はこの辺で失礼します。突然声をかけてすいませんでした」
岩沢「全然気にしてないさ。また気軽に話しかけてよ」
ファン 「そ、それと………」
「―――――」
岩沢「!?」
音無「今のってNPCか?」
岩沢「いいや、大事なファンだよ」
音無「なるほど。そりゃNPCかどうかなんて些事だな」
岩沢「だろ?」
音無「それにしてもお前…」
岩沢「なんだよ」
音無「何でそんなに顔が赤いんだ?」
岩沢「気のせいだろ、馬鹿」
「彼氏さん、格好いいですね」
岩沢(そんなんじゃないんだがな……)
岩沢「………と、いうワケだ」
四人「どういうワケ!?」
岩沢「いや、なんかさ、あんなこと言われて胸が妙にムズムズしてだな」
入江「……え?」
遊佐「……ほぅ」
関根「……ほぅほぅ!」
岩沢「記憶無し男が無駄に脳裏にちらつく度に、こう、くすぐったいというか」
ユイ「ほぅほぅ! HOHOHOーー!!」
ひさ子「落ち着け、興奮しすぎてTKみたいになってるぞユイ!」
岩沢「そこで、一つの結論に達した」
岩沢「ああ、こりゃ成長期だな、と」
ひさ子「んなワケあるk……ムグッ」
関根(シーッ! 岩沢先輩、自覚なさそうだから黙っておきましょう!)
ユイ(そうですよ! あの音楽キチこと岩沢さんの春ですよ、春なんですよ!?)
入江(キュンキュンするね~♪)
岩沢「だけど、いきなり胸がムズムズするのは本当に成長しているからなのかと考えた」
ひさ子「ふーん」
岩沢「本当に大きくなっているなら、胸が大きい人も同じ経験をしているはず」
ひさ子「さいですか」
岩沢「そこで胸の一番大きいアンタに白羽の矢を立てたってワケさ」
ひさ子「ああ、なるほど……そりゃ大変だね」
関根「ひさ子先輩のおざなりな態度はどういう事かね、入江たん」
入江「関根っち。それはね、きっとひさ子先輩の興味から対象外の話になってきたからだよ」
ユイ「むぅ…こちらとしては非常に掘り下げたい話題なんですがね」
関根「おおぅ! ユイにゃんもそう思うかね!?」
ユイ「あったりきしゃりきのコンコンチキっすよーぅ!」
岩沢「おい、これでも結構悩んでるんだぞ」
ひさ子「んじゃ聞くけど、もし私が成長期だと答えなかったらどうするのさ?」
岩沢「そりゃ原因を突き止めて、次の曲の肥やしにするに決まってるじゃない」
関根「着地点がそこに行き着く辺り、先輩は本当にブレませんね…」
ユイ「いよっ! こ~の純然培養の音楽キチ!」
遊佐「多分それは褒め言葉ではないかと……」
岩沢「それで、どうなんだ」
ひさ子「どうなんだ、と真顔で訊ねられても……」
岩沢「この病状はどうすれば治まるのかって話だよ。なんか良い案は無いのか」
ひさ子「……こりゃアタシだけじゃ埒があかないね」
ユイ「おおぅ、絶妙に困ってますね! ひさ子さん!」
ひさ子「アンタも何かあの音楽キチにアドバイスしてくれよ」
ユイ「へ? あ、アタシがですか?」
ひさ子「あぁ。全面的にアンタの一言に一任するよ」
関根「ひさ子先輩、全力で投げっぱなしですね」
入江「上手い誤魔化し方が思い浮かばなかったと見ました~」
ひさ子「……皆まで言いなさんな」
ユイ「岩沢さん! その胸のモヤモヤ、この不肖ユイにゃんにお任せを!」
岩沢「…お前がどうにか出来るのか?」
ユイ「うっす、カチカチ山のタヌキさんが乗っていた大船程度には信用してください!」
岩沢「とんでもない泥舟だったような気がするんだけど……」
ユイ「ノープロブレム!
とにかく、ガルデモ1女心が分かるユイにゃんがお悩み解決しちゃいましょー!」
岩沢「よ、よろしく頼む……」
ユイ「いいですか、それはですね!」
岩沢「それは…?」
関根「それは…?」
入江「それは…?」
ひさ子「………」
ユイ「それは!」
【選択肢】
①揉んでみれば一発解決です!
②元凶に直接聞きに行っちゃいましょう!
③それはですね…恋わずらい、恋わずらいですよ!
→《 >>180 》
3
>>180
ユイ「それはですね…恋わずらい、恋わずらいですよ!」
岩沢「濃い…患い……!?」
ひさ子「なんだその重病患者みたいな同音異句は」
関根「岩沢先輩。そうじゃなくてー、恋わずらいですよ♪」
岩沢「……恋わずらいってアレか? 異性を好きになってしまう的な奴か?」
入江「そうそう、それです、それです~」
岩沢「何を馬鹿な…だってアイツだぞ? 記憶無し男だぞ?」
ユイ「いやいや岩沢さん、恋というのはいつだって突然なんですよ!」
関根「エライ人は言ってました…『恋はいつでもハリケーン』だと!」
ひさ子「また凄い例えを持ってきたね」
遊佐「ハリケーンなら事前に予測探知できそうなものですが…」
岩沢「じゃあこの胸のモヤモヤは成長期じゃなくて」
ユイ「恋する乙女の信号ですね☆」
岩沢「そうなのか…けれど私が思い描いていた感覚とは少し違うんだな」
ひさ子「どういうのを想像していたのさ?」
岩沢「恋わずらいにかかったら、まずその人しか頭に思い浮かばなくなる」
遊佐「……」
関根「うんうん、それでそれで!?」
ユイ「むっはぁー! 岩沢さんの口から『恋愛観』なるものが聞けるなんて…コーフンしてきたぁああああ!!」
入江「ユイ、鼻息すっごい事になってるよ!?」
岩沢「そして次に浮かぶのはギターのコード。メジャーコードを中心とした感じかな」
一同「…………あれ?」
岩沢「次に湧き出てくるのは『会いたい』や『愛してる』という端的なフレーズか」
一同「あ……れ………?」
岩沢「フレーズをひとしきり歌詞に起こしたら、これでラブソングが一曲完成。
次はメロウな曲調が想起されておもむろにギターを担ぐんだ」
一同「…………」
岩沢「そうだな、フレーズは『会いたい』に加えて『震える』あたりを混ぜるといいアクセントになるかもな」
ひさ子「完全に昨今のJ-POPの完成じゃないかそれ」
遊佐「岩沢さんが存命でしたら確実にオリコンチャートを違った形で賑わせそうですね」
関根「ま、まさか恋わずらいさえ新曲の肥やしにしようとするなんて…」
入江「さ、流石にその辺りは予想外だったね…」
ユイ「この人はホンマモンの音楽キチっすね……!」
岩沢「でも、あの記憶無し男が新曲の手伝いになるとは早々思えない」
ひさ子「まずアタシ達とアンタの考え方の差異から埋める作業に入りたいよ」
関根「実際どうなんですか? 岩沢先輩、音無先輩の事けっこう気に入ってますよね?」
岩沢「ん、まぁね」
入江「じゃあ、それってどういう感じで好きなんですか?」
岩沢「好きってほど大それたモンじゃないけどさ。 まぁ…一緒に居て一番心落ち着く奴だってくらいか」
遊佐「…音無さんが別の女性と一緒にいても大丈夫と」
岩沢「まぁね」
岩沢「………?」
岩沢「おい、ひさ子」
ひさ子「何さ」
岩沢「モヤモヤする」
ひさ子「……アンタはそろそろ音楽以外に視野を広げたほうがいい、絶対に」
ユイ「どうですか、いっそ先輩に喋っちゃうと気が楽になるんじゃないですか?」
岩沢「何て言えばいいんだ?」
ユイ「…岩沢さんには言葉じゃなくても伝わるものを持っているじゃないですか!」
岩沢「……!」
ユイ「今の気持ち、先輩に歌で伝えてみましょう!
そうすればきっと、自ずと胸のモヤモヤの正体が分かる筈です!」
岩沢「な、なるほど………!」
ユイ「さぁ、往ってください、岩沢さん! 自己啓発という重しを先輩に丸投げするために!」
岩沢「分かった。 ギター担いで記憶無し男に会ってくるよ!」
岩沢「それじゃあ行ってくる! 午後の練習は各自自主練で!」
関根「わっかりましたぁー!」
ユイ「了解ッス!」
入江「いってらっしゃい~♪」
遊佐「日向さん、完全に忘れられてますね」
ひさ子「…悪い、アタシも今思い出した」
関根「ユイぃ~! グッジョブ、超グッジョブ!」
入江「あそこまで焚きつけちゃうなんて凄いよぅ~」
ユイ「ふっふっふ……まぁ、ユイにゃんにかかればざっとこんなモンですよ!」
ユイ「ふっふっふ……」
関根「ふっふっふ……!」
入江「ふ、ふっふっふ……」
ユイ:(・ω<) b
関根:(=ω=)b
入江:(*‘ω‘ *)b
ひさ子「…アホだ」
遊佐「……否定するのが難しい事象ですね」
ユイ「ところでひさ子さん」
ひさ子「ん?」
ユイ「岩沢さん、上手くいきますかね?」
ひさ子「どうだろうね、アイツ、ああいうの本当に初めてっぽいからなぁ…」
入江「成就すればいいですね~」
関根「あ、でも! 確か音無先輩って天使に気があるって噂もあるよ!」
ユイ「ど、泥沼っすね…」
遊佐「まるでドラマのようです」
関根「どちらかっていうと少女マンガっぽいですけれどね~」
入江「私は昼ドラって感じかな~」
ユイ「アタシは雑誌のマーガレットに載ってそうな純愛ってイメージですね~」
ひさ子「……話が脱線するのは相変わらずだね、アンタ達」
~~~
日向「………参ったぜ」
日向「まさか購買前で松下五段とTKに絡まれるなんてな」
日向「なんか場の流れで踊っちまったよ…」
日向「しかも妙に楽しかったってのに敗北感を覚えちまうぜ……」
~~~
日向「ちっとくらい遅くなっちまったが、ま、いいだろ」
日向「よっし、思いっきり元気よく入ってみっか!」
日向「おーっす! 悪りぃ、随分待たせちまったな!」
ユイ「あ、ひなっち先輩。なんでここに居るんですか?」
ひさ子「ああ、そういやさっき居たねぇアンタ。なんで退席してたんだっけ?」
関根「空気読めー! ガールズトークの真っ最中ですよー!」
入江「あ、え、えと…差し入れ買ってきてくれてありがとうございます」
遊佐「おかえりなさい」
日向「6割の厳しさと4割の優しさ!? 絶妙な飴とムチ配分すぎてツッコミづらいなおい!」
日向「岩沢はどこに行ってるんだ?」
ユイ「むっふっふ…たった一人のためにギターを弾きに行ったんですよ」
日向「なんじゃそりゃ」
ユイ「ま、乙女心の分からないひなっち先輩には分からない事ですよ~」
日向「労いの言葉もかけないお前は乙女心の前に人の心を理解しろっつうの……」
ユイ「あ、おつかれさんです、ちーっす☆」
日向「お・ま・え・バ・カ・に・し・て・る・だ・ろ!」
ユイ「ぬわぁぁーーー! ギブ、ギブ、スイマセンっしたぁーー!!」
入江「ゆ、ユイ…女の子は『ぬわー』なんて中々言わないよ…?」
日向「ま、とりあえずガルデモでの用事は済んだってとこか?」
遊佐「はい。概ね」
日向「随分とボカした言い方だな」
遊佐「気がかりは一つありますが…それは今回良しとしておきます」
ユイ「遊佐ぽん、次に会ったときにでも結果は伝えちゃいますぜー!」
関根「いつでも遊びに来てくださーい!」
入江「あ、あの、お菓子までくれてありがとうございました。 美味しいです~」
日向「くぅ~、入江ちゃんは丁寧で癒されるぜ」
ひさ子「ま、一応ありがとね。正直助かったよ」
日向「また来たときにでも生演奏聞かせてくれよ。今回の差し入れの分はそれでチャラだ」
ひさ子「そんな事で良かったらいつでも来てくれよ。オーディエンスは大歓迎さ」
日向「そう言ってくれると有り難いぜ」
日向「んじゃ、邪魔したな」
関根「邪魔するくらいなら帰ってや~」
日向「新喜劇かよ!?」
関根「お、先輩なかなかイケる口ですね!」
日向「そんな一瞬のやりとりで評価されても困るだけだっつの!」
遊佐「それでは、失礼します」
日向「またな~」
ユイ「た、たまにくらいなら来てもいいですよ、ひなっち先輩!」
関根「お疲れ様ですー」
入江「さよ~なら~」
ひさ子「仰々しい見送りだね……ま、暇なときは差し入れ持ってまた来てよ」
――学習棟A棟 空き教室前――
日向「騒がしい奴らだったな」
遊佐「…賑やかそうで何よりです」
日向「……」
遊佐「……」
日向「……なぁ、遊佐」
遊佐「……何でしょう?」
日向「……ひとつ、気になることがあるんだ」
遊佐「……どうぞ」
日向「お前、いつの間にユイから『遊佐ぽん』なんて呼ばれるようになったんだ?」
遊佐「………いつの間にか、でした」
支援等ありがとうございます。大変励みになります。
気がつけば結構な時間書き続けていたので、少々休憩を挟ませて頂こうかと
軽く目も瞑りたいので再開時間の目安は深夜帯になるやも知れません
それまでにスレが残っていれば、喜んで続きを書かせてもらいますね
それでは一時解散!
To Be Continued
___∧ _ _
∨
ほしゅしてやんよ!
誰か保守表貼ってくれよ
>>284
新・保守時間目安表 (休日用)
00:00-02:00 10分以内
02:00-04:00 20分以内
04:00-09:00 40分以内
09:00-16:00 15分以内
16:00-19:00 10分以内
19:00-00:00 5分以内
新・保守時間の目安 (平日用)
00:00-02:00 15分以内
02:00-04:00 25分以内
04:00-09:00 45分以内
09:00-16:00 25分以内
16:00-19:00 15分以内
19:00-00:00 5分以内
保守や支援ありがとうございます
スレが現存して続きが書けるのも偏に皆様のおかげです
大変お待たせ致しました
開始の目安は1時過ぎを考えておりますので、お時間ある方は是非お付き合いを
いーつーもひーとーりーでーあーるーいてーた
ちょっとキーコーヒーでも買ってこよう
落無「保守、っと。こんなもんか」
いやいや乗っかった俺のせいだ・・・
日向「なぁ、遊佐」
遊佐「はい」
日向「なんか今日NPCが心なしか賑やかじゃね?」
遊佐「どうやら今日限定で学食にスペシャルメニューが出品されるようで」
日向「それに釣られて皆学食に向かってるってか!?
はぁ…ホント気を抜いたら人間と錯覚しそうになっちまうぜ」
遊佐「さて、次に向かう場所ですが…」
日向「へいへい」
遊佐「今回の諜報では最後の箇所となりますので、くれぐれも気を緩めないように」
日向「お、それって誰を監査するんだ?」
遊佐「『天使』です」
日向「……そりゃおちおち気を緩めてもいられない相手だな」
遊佐「今回は超長距離からの監査となるので、流石に声は拾えません」
日向「なるほど、天使の挙動だけを見る形になるんだな」
遊佐「はい」
日向「……で、天使の居場所は分かっているのか?」
遊佐「リサーチの結果、生徒会室に居るとの事が判明しました」
日向「そういや直井の奴もそんなこと言ってたな」
遊佐「……日向さん、ターゲットが動きます」
日向「!?」
――生徒会室――
直井「これで大まかな事務処理は終えました」
天使「ありがとう」
直井「お気になさらないでください。神たる者はこのような雑務など苦とも思いませんから」
天使「そぅ。そう言ってくれると助かる」
直井「今の資料整理で大まかな仕事は終わりましたね」
天使「…まだ重要な仕事が残っているわ」
直井「……ほぅ」
直井「それで、その重要な仕事というのは?」
天使「端的に言えば相談事」
直井「いくら僕が優秀でも面倒ごとは勘弁願いたいものですが」
天使「私からの相談ではなく、具体的にはNPCからの相談という事になるわ」
直井「?」
天使「最近は学生側から目安箱に色々と意見が寄せられているの」
直井「なるほど」
天使「その意見を参考に、どういう対策をするべきなのかを会議しようと思う」
直井「……あの、生徒会長」
天使「?」
直井「会議とは、二人でですか?」
天使「そうよ」
直井「他の面々は一体どこに?」
天使「別の仕事を任せてあるわ」
直井「そ、そうですか。
生徒会の役員は結構な人数がいたと思ったのですが、ほぼ全員総出の仕事とは……」
天使「最近雑草が生えて大変だと校長が困っていたから学園の庭の草むしりを行なっているわ」
直井「貴方はもっと人員の割き方を考えるべきだと思います」
直井「それで、どんな内容のものが目安箱に届いているんですか?」
天使「まず一枚目から読み上げてみる」
『生徒会長のスリーサイズを教えてください』
天使「………どうしよう」
直井「その意見書は即刻捨ててください」
天使「でも折角書いてくれたのに、何だか申し訳ないわ」
直井「悪戯に全力で対応していたらキリがありません。却下」
天使「上から順に言うと」
直井「だから却下ですって!」
直井「全く……次は一体どんな内容のものが届いているんですか?」
天使「読み上げてみる」
『図書館に置いてある漫画を読みつくしてしまいました。
もし良かったら何か新しい本を入荷してください』
直井「そもそも図書館は漫画を置く場所じゃないんだが」
天使「そうね。でも歴史系の漫画などは必須だと思う」
直井「それに頼み込むならまずは図書委員でしょう。こちらに直談判されても困ります」
天使「でも、頼まれたからには仕方ないわ。
後日こちらから委員会の方に申し出ることにしましょう」
直井「…分かりました」
天使「副会長」
直井「はい」
天使「『よんでますよ、アザゼルさん。』と『夏目友人帳』、どちらが喜んでくれるかしら」
直井「せめて歴史系の書物に限定してください」
天使「それなら『へうげもの』と『蒼天航路』の二択ということね」
直井「生徒会長、もしかして今貴方が読みたいものを挙げているだけじゃないですよね」
天使「……」
直井「……漫画、お好きなんですか」
天使「ちょっとだけ」
直井「では、次の意見書を取り出しますね」
天使「お願い」
『図書館にある視聴覚ライブラリのCDに聞きたい音楽が少ないので、
SAD MACHINEやTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTを入れてくれると嬉しい 岩沢』
直井「この名前は…あの音楽ジャンキーか」
天使「匿名でいいのに名前を書いてくれているなんて丁寧な人ね」
直井「流石にこれも却下かと。一個人のためにあのブースを設けているのではないですから」
天使「私は賛成する」
直井「……それは何故に?」
天使「バンド活動は許可こそ取っていないものの、生徒たちの活力源となっている。
その活動の中心である彼女の糧になるのであればやぶさかではないわ」
直井「なるほど」
天使「バンドも許可さえ取ればいつでも歓迎するのだけれど」
直井「それをあの愚民共に求めるのは酷というものですが」
天使「どうして?」
直井「アホだからです、アイツらは」
ゆり「ぶへぇぇぇーーーっくしょい!」
ゆり「………風邪かしら?」
天使「次の意見書を読み上げてみる」
『図書館の伝記小説を増やしてください』
直井「だからなんで図書関係の意見ばかりなんですか!?」
天使「分からないわ」
直井「この目安箱、本当に生徒会用なんですよね?」
天使「私が夜なべして作ったもの。間違いないわ」
直井「だいたい、図書委員会の方に直接問い合わせれば済む話だろうに。これだから愚民は……」
天使「でもこの目安箱に入っているからには生徒会が談判するべきね」
直井「はぁ……分かりました。次の代表委員会で前項に踏まえこの旨も伝えてみましょう」
直井「それで、まだ意見書はあるんですか?」
天使「少なくとも今日一日では裁ききれない程度には残っている」
直井「らしくないですね、生徒会長。
仕事熱心な貴方がどうしてそんなに溜めてしまったのか理解に苦しみます」
天使「目安箱の存在を失念していたのが一番の原因ね」
直井「夜なべして作成したのに忘れていたんですか……」
直井「過ぎてしまったことは仕方ありません。
本日中にこなせる分は僕も手伝いますので、さっさと終えてしまいましょう」
天使「助かるわ。では、次の意見書を読み上げてみる」
『生徒会長、好きです』
天使「ありがとう」
直井「………」
天使「なんだか照れくさいような気がしなくもないわ」
直井「………」
天使「でもこれは意見書というよりも、どちらかと言うと」
直井「ラブレター、ですね」
天使「それに限りなく近い意見書ね」
直井「………僕もう帰ってもいいですか?」
直井「生徒会長、次はもっとまともな内容のものをお願いします」
天使「分かった。とりあえずこれを読んでみる」
直井「……無造作に選ぶから悪い結果を招くと思うのですが」
『ハルバートを持った生徒が校内を闊歩してちょっぴり怖いです。
生徒会の皆さんで注意してくれると嬉しいです』
天使「武器の携帯は校則違反ね」
直井「心当たりのある人物がいるにはいるのですが…」
天使「何か問題があるの?」
直井「口で言っても聞かないような輩なので、これは中々難しい意見ですね」
天使「現状の対処としては口頭で注意。
相手が分かるまでしっかり言い聞かせてみれば、きっと分かってくれると思うの」
直井「……善処します」
直井「そろそろ次は僕が読み上げましょう」
天使「お願い」
直井「さて、愚民達は一体どんな内容の意見をこの神に読ませるつもりだ」
【1レス抜粋】
>>358-362
直井さんって男?女?
肉うどんの肉増量
直井「では、読み上げるぞ」
>>359
『肉うどんの肉増量』
直井「……学食の肉うどんの事でしょうか?」
天使「生徒からの要望という面を考えるとそう考えるのが自然ね」
直井「個人的には結構なボリュームがあると思うのですが」
天使「そうとは限らない。あの絶妙な肉加減は小腹には大きすぎて満腹になるには少なすぎるわ。
どちらかに偏らせるならお肉の量を増やしてお腹いっぱい食べてもらいたい」
直井「…僕は今くらいのボリュームで丁度いいのですが」
直井「そもそも貴方、いつも学食ではマーボーばかり頼んでいるじゃないですか」
天使「流石に同じものを食べ続けるのは抵抗があるわ。
あんなに多くのメニューがあるのなら、他の食べ物に目移りしても仕方ないと思うの」
直井「…まぁ、そこは個人の自由ですが」
直井「ちなみに生徒会長」
天使「何?」
直井「先日の夕飯を訊ねても宜しいですか?」
天使「マーボー豆腐よ」
直井「…昼飯は?」
天使「あのときはお腹が空いていたからマーボー定食だった気がする」
直井「……じゃあ、先々日の夕食は?」
天使「マーボー豆腐とお味噌汁」
直井「………」
天使「副会長、どうしたの? 腑に落ちないような顔をしているようだけれど」
直井「……いえ、なんでもありません」
直井「今後は交互に読んだ方がお互いの負担も減りますから、この方式で会議を進めましょう」
天使「それじゃあ次は私の番」
直井「変な意見書を読まないように注意してください」
天使「副会長、それは知っているわ」
直井「……何がですか?」
天使「生きてる頃にテレビで見た『絶対に押すなよ』という法則ね」
直井「いや全然フリじゃありませんから!」
【1レス抜粋】
>>371-376
一発ギャグを一つ御願いします
天使ちゃん今日の放課後校舎裏で待ってます
麻婆の種類増やす
天使「読み上げてみるわ」
>>373
『天使ちゃん今日の放課後校舎裏で待ってます』
天使「お安い御用ね」
直井「この意見書って先ほど読んだ>>353と同一人物の可能性が高いですね」
天使「否定はできない」
直井「なんとなく行ってはいけないと神の第六感(ゴッド・シックス・センス)が告げています」
天使(格好いい響き……!)
天使「でもこうして届けてくれるということは、大事な用事の可能性もあると思う」
直井「そ、それはそうですが………」
直井「………生徒会長」
天使「どうしたの?」
直井「この目安箱、放置してどのくらい経過しているんですか?」
天使「約二週間から一ヶ月程度かしら」
直井「………意見書に書かれている日付の『今日』って、何時なんでしょうか」
天使「………あ」
天使「とにかく、この会議が終わったら指定された場所に早急に向かう事にしてみる」
直井「それがいいでしょう」
かなでボックス
直井「なんか妙な後味の意見書でしたね…」
天使「書いてくれた人には申し訳ない事をしてしまったわ……」
直井「気を取り直して、次は神であるこの僕が読みあげましょう」
直井「さぁ、愚民共……神を崇めよ!」
【1レス抜粋】
>>385-390
最近先輩が他の女とよく一緒にいるんですが、どうしたらいいですか?
by某バンドのボーカル
食堂に甘口のマーボーを追加して!
直井さんの帽子の中はどうなってるんですか?
直井「ふん、貴様の意見書を取り入れよう。光栄に思うんだな」
天使「学園の風紀向上の貴重な意見、ありがとう」
>>387
『食堂に甘口のマーボーを追加して!』
直井「……図書と食べ物関連の内容が多いな、貴様ら」
天使「それだけそのカテゴリに更正すべき点があると言う、素晴らしい指針ね」
直井「でもこの意見は結構前から定例会議でも話題に上っていましたけれど、
結局実装されていないのですか?」
天使「食堂には伝えてあるのだけれど、食堂に勤める方々は辛さにこだわりがあるようで
現状としては未だ辛口のみのマーボーとなっているみたい」
直井「あの殺人的な辛さはいつ食べても胃袋をおかしくする味付けになっているな……」
天使「美味しいのに………」
天使「副会長、意見書に意見書が重なっている」
直井「どうやら折りたたんで入れられた紙が挟まってたようですね」
天使「折角だからこれも消化してみましょう」
>>389
『直井さんの帽子の中はどうなってるんですか?』
天使「何か秘密が隠されていると見たわ」
直井「別に何も無いですよ」
天使「もし良かったら、今その帽子を外してくれると凄く嬉しい」
直井「僕が帽子を外して中身を見せたところで何の変わりも無いでしょう」
天使「そんな事はない。こうして意見書に質問や疑問が送られてきているのだから、
副会長の帽子の中身は次の役員だよりにコラムとして掲載する予定」
直井「だから何もありませんってば!」
直井「全く…変なところに固執するのは勝手ですが、迷惑をかけるのとは話が別です」
天使「ゴメンなさい」
直井「まぁ、神である僕に興味が湧くのも致し方ない事ではありますが」
天使「………」
直井「…何か言ってください」
【1レス抜粋】
>>395-402
ハゲてるの?
生徒会長が戦っているところをよく見かけるのですが、スカートで戦うと中が見えてしまいます
見てるこっちも恥ずかしくなるので、何らかの処理を取っていただければ幸いです
この前副会長たちが出演していたラジオおもしろかったです
次は生徒会長も参加してほしいな
次の球技大会はセパタクローがいいです
直井「それでは次はこの意見書を……」
天使「どうしたの?」
直井「間違えました、これは先ほど読んだものでしたね」
天使「読み終えた認印が押されてないみたいだけれど」
直井「ああ、きっと押し忘れです。神である僕も稀にこのようなミスを犯してしまうので」
天使「……ちょっと貸してみて」
直井「あっ!」
>>396
『生徒会長が戦っているところをよく見かけるのですが、スカートで戦うと中が見えてしまいます
見てるこっちも恥ずかしくなるので、何らかの処理を取っていただければ幸いです』
天使「……」
直井「……」
天使「……」
直井「……」
天使「……」
直井「……」
天使「……見えた事はあるの?」
直井「……過去二度ほど」
天使「……えっち」
直井「いや違いますアレは断じて僕から見ようと思ったわけじゃなくて風のささやかな悪戯というか不可抗力というか」
天使「………落ち着いて」
直井「……失礼しました」
直井「生徒会長」
天使「?」
直井「次からあの愚民共と向き合う際は、学校指定のジャージを下から履いてください」
天使「善処するわ」
天使「あ」
直井「どうされました?」
天使「読み忘れがあった」
直井「これだけの量があると、流石に抜けてしまうものも出てきますね」
天使「気づいたからには早速読んでみましょう」
>>401
『この前副会長たちが出演していたラジオおもしろかったです
次は生徒会長も参加してほしいな』
直井「ああ、あのオペレーション何とやらというやつか」
天使「メールを送ってみたけれど読まれなかったのは覚えている」
直井「まさかこういった要望まで意見書に来るとは思いもしませんでした」
天使「機会があれば放送室を借りて、こういった事柄もしてみたいわ」
直井「……僕は勘弁願いたいものですが」
直井「そしてもう一つの意見書がコレか」
>>402
『次の球技大会はセパタクローがいいです』
天使「副会長」
直井「はい」
天使「セパタクローについて、何か知っているの?」
直井「まぁ一応、一般常識程度には。
生徒会室にある教材の『スポーツ大全』のDVDでも紹介されていましたので」
天使「どういったスポーツなのか確認してみる必要がありそう」
直井「では実際に見てみましょうか」
http://www.youtube.com/watch?v=OAiZNSc--F0&feature=related
天使「……危険ね」
直井「この案は流石に却下かと」
天使「続いての意見書は…」
直井「そうですね、これは如何でしょうか?」
天使「……なるほど」
【 04:15:00.00】に一番近いレス
暇だ
天使「次の意見書はこれ」
>>415
『暇だ』
直井「このNPC、生徒会に強制参入されてやりましょう」
天使「無理強いはダメ」
直井「神である僕が汗水流しているのに『暇だ』なんて良い度胸じゃないか…!
どうやらこいつは本の栞のヒモの有能性に気づきたいようだな」
天使「待って、副会長。この意見書は非常に参考になっている」
直井「…どの点がですか?」
天使「この一言は学園内の娯楽の無さを顕著に示していると思うの」
直井「確かにそういった娯楽施設は無いですが、流石に穿った考えではないかと…」
天使「とりあえず次の生徒会会議で、何らかの措置を検討してみましょう」
直井「はぁ、貴方が言うなら僕はそれで一向に構いませんが…」
天使「……日が沈み始めたわ」
直井「もうそんな頃合か。けっこう長い間、意見書を読んでいたんだな」
天使「では、今日はこの辺りで会議を終えます」
直井「了解です」
天使「起立・礼」
直井「お疲れ様でした」
天使「……」
直井「……号令も二人でやると締まらないものですね」
天使「忙しい中、手伝ってくれてありがとう」
直井「いえ、副会長としての務めを果たしただけなので。
礼を言われる筋合いなどありませんよ」
天使「……でも、ありがとう」
直井「……ど、どう、いたしまして」
天使「副会長」
直井「はい?」
天使「これを」
直井「……これは?」
天使「今日の学食特別フェアの食券。
お仕事の残業代、みたいな感じで受け取ってもらえると嬉しい」
直井「し、しかし、生徒会長の分はあるんですか?」
天使「予備は確保してあるから安心して」
直井「……そうですか」
天使「副会長」
直井「?」
天使「たまには生徒会にも顔を出してくれると嬉しい」
直井「…少なくとも定例には必ず出席します」
天使「そぅ。良かった」
直井「それでは、僕はそろそろ腰を上げようかと」
天使「分かったわ。施錠はこちらで済ませておくから気にしないで」
天使「お疲れさま。直井君」
直井「失礼します。立華さん」
――空き教室――
日向「お、直井が生徒会から出て行ったぞ」
遊佐「天使の方は未だ事務処理を行っている様子」
日向「いや~、結局アイツら何を喋っていたのか分からなかったな」
遊佐「あの大量のプリントは後日こちらで調査する必要がありそうです」
日向「しっかし、直井があんなに狼狽するのって音無相手だけじゃなかったんだな。
珍しいもの見れてなんか得した気分だぜぃ」
遊佐「それは重畳です」
日向「さって、次は何すればいいんだ?」
遊佐「これで大まかな流れは終了となります」
日向「あれ? そうなのか」
遊佐「後はこちらで紙面媒体として今日の動きをまとめるだけなので」
日向「な、なんか知らんが俺に手伝えそうにない内容だってのは察せたよ…」
遊佐「そんなに難しい言葉は使っていないつもりですが」
日向「いやぁ~、諜報員って大変なんだな。
まさに縁の下の力持ちって感じたよ」
遊佐「本日は手伝って頂いてありがとうございました」
日向「いいって、気にすんなよ。どうせヒマだったし。
遊佐の労働力になれただけでも価値ある一日だったぜ」
遊佐「………」
日向「ん? どうしたよ」
遊佐「いえ、何でもありません」
遊佐「日向さん」
日向「んぁ?」
遊佐「今日一日、手伝ってくれたお駄賃を」
日向「ん、これってまさか…」
遊佐「本日行われている学食の特別フェア用食券です」
日向「うぇ!? いいのかよ、こんなレアチケット!
これって松下五段なら生唾モンの一品だろ!?」
遊佐「構いません」
日向「で、でもよ……」
遊佐「今日のフェアの料理は量が多いと評判でして、
とてもじゃないですが食べ切れそうにないと踏んだので」
日向「そ、そうなのか?」
遊佐「有効活用してくれると幸いです」
日向「分かった…そこまで言ってくれるなら有り難く貰っておくぜ! サンキュ!」
遊佐「では、私はこのまま作戦本部へ向かいます」
日向「おぅ、了解」
遊佐「日向さん」
日向「?」
遊佐「気が向きましたら、またお手伝いしてくれると助かります」
日向「お安い御用だぜ。何かあったらいつでも頼んでくれよ」
遊佐「ありがとうございます」
日向「んじゃ~な~。 遊佐、無理して体壊すなよ~!」
遊佐「……失礼します」
――食堂――
日向「さーって、遊佐から貰ったこの食券。有効活用しない手は無いだろ!」
日向「……でも、これ本当に特別フェアやってんだよな?」
日向「周りにNPCが全然いないのが無駄に不安感を煽っちまうな」
日向「……は!」
日向「ま、まさか!」
日向「実はもう既にフェアの時間終わっていて、この食券に意味が無くなっちまってるとか!?」
日向「な、なんてタイミングが悪いんだ、俺って奴はあああああああああ!!」
直井「……………一人で何をやってるんだ、貴様」
日向「……………」
日向「…よぅ、見てたのか」
直井「見たくないものが視界に入るこの不愉快さに勝るものはないな」
日向「はいはい! 公衆の面前で一人芝居しちゃって悪ぅゴザイました!」
日向「んなことよりも、お前こんな所で何してんだよ」
直井「ふん…この時間帯にここに居るという事が答えというのに。
相変わらずアホだな貴様」
日向「この時間っつーと、やっぱアレか? 特別フェア目当てか?」
直井「それ以外に何があるというんだ」
日向「あ~。でもな、あれってそれ専用の食券が無いと頼めないらしいぜ」
直井「ふっ……一体僕を誰だと思っている。僕は神だぞ。
そのような簡易な問題点は当の前にクリアしている」
日向「なんでぇ、ずいぶんと自信満々じゃねぇか」
直井「さぁ、これを見ろ! そして僕の前に平伏すがいい!!」
日向「なんでぇ。俺と同じ食券持ってるじゃねぇか」
直井「………帰る」
日向「ちょぉぉーーーっと待て! 待てって! いいじゃねぇか、別に食券被りくらい!
音無も居ない事だし、ついでに一緒にメシ食っていこうぜ」
直井「………ふん」
直井「ん?」
日向「どうした、難しい顔して」
直井「妙だな」
日向「何が?」
直井「特別フェアというのに、NPCの姿が見当たらない。
結構な数の食券が準備されていた上に、それを使われている形跡はあるんだが」
日向「肝心要の奴らがいないと来たもんだ。
こりゃキナ臭いな…それでも頼むのか?」
直井「当然だ。僕は神だぞ、このようなことで臆する筈が無いだろう」
日向「んじゃ俺もその自称神様に便乗して頼んでみっかね。
せっかくの貰った券、大事に使わせてもらうとするか」
日向「すいませーん! 『特別フェアメニュー』2つ!」
「お、威勢がいいねぇ! まーた命知らずが増えたもんだ、ってか!?」
直井「何を言ってるんだ貴様」
「なんだい、兄ちゃん達は今日のメニューも知らずに頼んでるのかい?」
日向「お、オッチャン…ちなみにさ、今日のメニューって一体何なワケ?」
「『激辛100倍マーボー、超大盛り3人前セット』に決まってんだろう!」
日向・直井「………………」
日向「………」
直井「………」
日向「………」
直井「………」
日向「赤いな、これ」
直井「長く見続けていると目をやられる類の色合いだ」
日向「………」
直井「………」
日向「……まだ食べてないのにスパイスで目の粘膜やられちまいそうだぞ」
直井「……ふん。鍛錬を怠っている愚民はこれだから」
日向「……お前も充分涙ぐんでんじゃねぇか」
日向「………」
直井「………」
日向「……覚悟、決めるか」
直井「……ああ」
日向・直井「いただきます!」
藤巻「今日の食堂は阿鼻叫喚だぜ。ま、あの有様じゃ仕方ないんだろうけれどよ」
松下「藤巻、うどんを啜りながら喋ると汁が飛び散るだろう」
藤巻「悪りぃ悪りぃ」
高松「今日で一体どれだけのNPCの悲鳴を聞いたことでしょうね」
TK「Dive into yourself~♪」
藤巻「物見遊山で試しに食った奴から、マジで挑戦に行った奴ら。
ほとんど全員返り討ちに会ってるからな、あの地獄のメニュー」
松下「む、また悲鳴が轟いてきたぞ」
高松「……何やら聞き覚えのある声が二つほど聞こえてきましたが」
藤巻「んなワケねぇだろ。いくら俺たちがアホでも自殺志願する奴ぁいねぇよ」
TK「RHYTHM RED BEAT BLACK~♪」
松下「こうして何事もなく平和にメシを食べれるのが一番だな!」
藤巻「………ていうか、今回俺たちの出番ってココだけかよ!?」
~エピローグ~
音無(zzz……zzz……zzz……)
音無(zzz……zzz……)
音無(zzz……)
音無「ふぇ、…ふぇっくしょん!」
音無「うう…寒い。 いくら暖かいとはいえ、屋上で眠るもんじゃないな」
音無「ていうかもう夕暮れ!? 寝過ごしたってモンじゃないぞコレ!」
ファサッ
音無「……ん? 誰かカーディガンかけてくれてたのか?」
岩沢「おい、寝すぎだぞ。記憶無し男」
音無「い、岩沢!?」
岩沢「全く、昼過ぎにようやく見つけたと思ったら、夕暮れ前まで待たせてくれるなんてね」
音無「あ、ああ。スマン。我ながらちょっと寝すぎた」
岩沢「全くだよ。アタシだって結構寒かったんだからな」
音無「…カーディガン、お前がかけてくれたのか?」
岩沢「さぁね」
音無「ありがとな。おかげで風邪ひかずに済んだよ」
岩沢「…別にいいよ。単なる気まぐれだから」
音無「そういえば岩沢、俺が起きるの待っていたってことは何か用事でもあったのか?」
岩沢「いや、あったことはあったんだけど…」
音無「だったら起こしてくれても構わなかったのに。待たせちまってゴメンな」
岩沢「いいよ。別に急ぎの用事でもなければ大した用件ってワケでもないし」
音無「で、何の用件だったんだ」
岩沢「……」
音無「おい、なんで露骨に目を逸らすんだよ」
岩沢「……ホントは色々あったと思ったけれど」
音無「けれど?」
岩沢「長々とアンタのアホな寝顔見てたら忘れちゃったよ」
音無「お前なぁ……」
岩沢「寝顔ってのは自分じゃ見れないモンだけれどさ」
音無「ああ」
岩沢「アンタのあの様子見てたら、なんか不安になってきた」
音無「どういう事だよ?」
岩沢「見てみるか?」
音無「見てみるって、お前、まさか……」
岩沢「こんな至近距離で写メ撮っても起きないとか、どんだけ無防備なんだよお前」
音無「なっ、この、いいから早く消せっつうの!」
岩沢「やだね。しばらくお前をからかう絶好のタネを手放すわけないだろ」
音無「……ったく。飽きたらちゃんと消せよ」
岩沢「保障は出来ないね」
音無「そこはウソでも頷いてくれよ!?」
岩沢「ははっ、…ほんとアンタといると飽きないね」
音無「くああぁぁぁっ…。そろそろ夕飯の時間か」
岩沢「あれだけ寝てその上何か食べるの? 太るよ」
音無「放っとけっての」
岩沢「そろそろ降りる?」
音無「ああ。そうする事にするよ」
岩沢「じゃあ降りる前に、せっかくアタシがギター持ってるんだから何か一曲くらい聴いていきなよ」
音無「お? いいのか?」
岩沢「今から弾くけど…演奏代は今夜の夕飯代とそっくりチェンジだよ、お客さん」
音無「また奢れってか? ま、別にいいけど。 抜け目ない奴だなホント……」
岩沢「それじゃあ…適当に一曲」
音無「よろしく頼むぞ」
岩沢「……しっかり歌うからな。ちゃんと聴けよ?」
音無「お、おぅ」
岩沢「あーあー。ん、ん、ゴホン」
岩沢「~~♪ ~~♪」
音無(相変わらず綺麗だな、あいつの歌声)
~~♪ ~~♪
音無(なんとなく眠いから、適当に横になって…そのまま気が済むまで眠り続けて)
~~♪ ~~♪
音無(こうして岩沢の歌を聞きながら、日々の終わりを噛み締めて)
~~♪ ~~♪
音無(こういう日々も、悪くない)
音無「……なぁ、岩沢」
岩沢「~~♪ …何? ~~♪」
音無「平和な日常って、いいよな」
~エクストラ エピローグ~
日向「………」
直井「………」
日向「………」
直井「………」
日向「………」
直井「………」
日向「………大丈夫か」
直井「………発汗,動悸,胃痛,舌の感覚が皆無なことを除けば問題ない」
日向「………はは、俺なんて口の中が鉄サビの味で一杯だぜ」
直井「………お互い元気そうだな」
日向「………全くだ」
日向「………なぁ、直井」
直井「………なんだ、愚民」
日向「………平和な日常って、恋しいよな」
直井「………ああ」
END
___∧ _ _
∨
長々とお付き合いして頂き、ありがとうございました。
乙レスの一つ一つが疲れ目に染み渡りますね。
読んでくれた皆様が少しでも楽しんでくれたのであれば、
それが私的に一番喜ばしい事柄です。
再びスレを立てた際もどうぞ宜しくお願い致します。
次回は短めにサックリ終わりそうな「天上学園生徒会ラジオ(仮)」でお会いしましょう。
それでは、解散!
http://www.youtube.com/watch?v=2jj9O8xDYY8&feature=player_embedded
今から一日が始まりますが、今日も皆様の一日が良い日であるよう願いつつ
朝にピッタリなAngel Beats!関連の一曲を貼って筆を置きませう。
http://www.youtube.com/watch?v=onZML6S7IU0
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません