響「ねこ吉が家出した......」 (83)

-響のマンション-

チュンチュン...

響「んーー、今日もいい天気!!」

響「.さて、と」

響「おーいみんなー、朝ごはんの時間だぞー」


\へへっわうわうっぢゅぃっぎゃおおんっ/


響「はいはい、慌てなくてもちゃんとみんな分あるってば」

コト...

響「よーし...”待て”!」

ハム蔵達「............」ジリジリ

響「...まだだぞ...まだ.........”ヨシ”!」

ハム蔵達「っ!」バッ


ムシャムシャ グァフグァフ


響「へへっ、じゃあみんな。自分仕事に行ってくるからな!」

響「今日もいい子にしてるんだぞー」


ガチャッ


タタタタ...

........


...タタタタ


ガチャッ


響「ってあれ?」

響「今、ねこ吉がいなかったような...」

響「.......」

響「みんな!集合!点呼とるぞー!」


\へへっわうわうっぢゅぃっぎゃおおおんっ/


響「ハム蔵、いぬ美、ぶた太、ワニ子、シマ男...」

響「モモ次郎、オウ助、へび香、うさ江...やっぱり」


響「ねこ吉がいない...!」

-765プロ-


P 「うーん、最近ヒマだなぁ」

小鳥「もう、何言ってるんですか」

小鳥「そう思うなら仕事、もっととってきてくださいっ」

P 「いやぁ、すまんすまん。ははっ」

律子「笑い事じゃないでしょ・・・他の事務所のアイドルたちが最近力をつけてきて」

律子「うちの仕事が減ってきてるってことなんですから」

P 「ああ、そうだな...これまで以上にみんなの良さをアピールしていかないとな!」


ピリリリリリ


P 「おっ電話......響からだ。すまん、ちょっと失礼」ピッ



P 「おはよう、どうしたんだ響。こんな朝早くに」

P 「寝坊でもしたか?」ハハッ

響 『ぷっ、プロデューサー!大変!大変なんだ!!』

P 「うぉっ!...ど、どうした!?落ち着け響!」

小鳥、律子「??」

響 『ねこ吉が...ねこ吉がいなくなっちゃったんだ!』

P 「な、なんだって!!!....って、ねこ吉が家出?」

響 『うん、朝起きたらいなくなってて......』

P 『うーん、猫なんてよく出歩くもんだし、ねこ吉ならそのうち自分で帰ってくるんじゃないか?』

響 『そ、そんな...ねこ吉は家猫だし、それに、家族がいなくなったんだぞ!』

響 『そんな、簡単そうに言わないでほしいぞ...』グス

P 「っ!す、すまん泣くな!!わかった、すぐそっち向かうから部屋で待ってろ!」

響 『ぐすっ...うぇ.........ほんと?』

P 「ああ、車ですぐ向かう!」

P 「だから...いいか、絶対一人で探しに行ったりするんじゃないぞ!」

響 『うん、わかった...待ってる...』グス

ピッ

P 「...すいません、という訳で、ちょっと響のところに行ってきます」

小鳥「響ちゃん、ペットがいなくなっちゃたんですか?」

P 「ええ、どうやら猫が外に出てしまったみたいです」

律子「響のマンション、けっこう街中ですよね...まずいんじゃないですか?」

P 「!」

律子「もしものことがあったら、あの子...」

P 「.....!!」

P 「すみません、じゃ、そういう訳なんで、行ってきます!!」バタバタ

ガチャ

タタタタタ....


伊織「響のやつ、大丈夫かしら...」

雪歩「心配ですぅ~」

あずさ「そうね...ってあら?美希ちゃんと貴音ちゃんは?」

真 「あれ、さっきまでそこに...」

千早「あの二人、もしかして...」

-車の中-


ブロロロロ...

P 「くそ.....響のやつ、大丈夫かな...」


?? 「大丈夫なはずがありませんっ」ニュ

?? 「なのっ」ニュ


P 「!!!???」キキー!


「「きゃっ」」


美希「わわっ...そんな風にハンドルきったら危ないって思うな」

貴音「全くです。気を付けてください、あなた様」


P 「み、美希、貴音...?おどかすなよ!!」ドキドキ

美希「そんなに驚くとは思ってなかったの。ごめんねハニー」

P 「いや、というか、いつの間に...」

美希「ふふ、それはね...」

貴音「とっぷしーくれっとです」

美希「なの!」

P 「まったく...仕事はいいのか?.」

貴音「あなた様...」

P (困り顔...?はっ!しまった!)

美希「美希たち、最近前より仕事減ってるから、暇な日ばっかりなの!」

美希「まったく、ハニーはもっとしっかりしてほしいの!」

P 「うぅ、スマン...」

P (やぶへびだったか...)

貴音「そちらも大事ですが...しかし、今はそんなことよりも響です」

美希「そうだよ!響のペットがいなくなっちゃったんでしょ!?」

P 「ああ、ねこ吉がいなくなったらしい」

美希「ねこ吉が...大事件なの!」

貴音「ええ...このような都会を猫が出歩くなど....」

貴音「考えるだけでも恐ろしい...!!」ブルリ

貴音「あなた様!事は一刻を争います!まっはです!たーぼおんです!!」

P 「すまん、マッハは無理だ......!」


ブロロロロロ ....

-響の家-


響 「ぐすっ...うえぇ...ねこ吉ぃ~~...」


ピンポーン


響 「......プロデューサー、ほんとに来てくれたんだ」テテテ

響 「どうぞ」ガチャ


貴音「ひびきっ!無事ですか!」バッ


響 「えっ!貴音!!?」

美希「響!ミキたちが来たからにはもう安心なの!!」バッ

響 「美希まで!?」


ギューッ


響 「わぷっ...ちょっ、貴音、美希...くるし...!」ワタワタ

貴音「あぁ、響。こんなに目をはらして...おいたわしい...」ギュー

響 「も、もう、はずかしいさー...」

P 「よかった、ちゃんとどこにも行かないで待ってたな。偉いぞ響」

響 「待ってろっていったのはプロデューサーでしょ」

響 「自分、完璧だからな!プロデューサーの指示くらい当然守れるぞ!」エヘン

美希「響エラい!ミキ、イイ子イイ子してあげるね~」ナデナデ

響 「もう、なでないでよ~!自分、お姉さんなんだからね!」

美希「お姉さんぶるところもかわいいの~」ナデナデナデナデ

貴音「ふふ、わたくしたちには好きなだけ甘えてもよいのですよ...」ナデナデナデナデ

響 「ちょ、やめ.......う、うぎゃーー!」

................


響 「......」ボ゙ッサボサ

響 「もう、やりすぎだぞ!」

美希「ご、ゴメンなの!」

響 「...いいよ。それより三人とも、来てくれてありがとね」ニコ

美希「響...」

貴音「ふふ、響のぴんちなのです。駆けつけるのは当然というものですよ」


P 「はは...よし、じゃあ早速、ねこ吉大捜索作戦を始めるぞ!」


P 「ファイトー!」

四人「「「「おーーー!!」」」」


ハム蔵たち「....」ウンウン

P 「とりあえず、情報を整理しようか」

P 「まず、ねこ吉はいついなくなったんだ?」

響 「...自分が、気が付いた時にはもういなかったんだけど...」

ハム蔵「ヂュヂュイっ!

響 「夜行性でそのうえ頭のいいハム蔵がいうには」ヨシヨシ

響「夜、自分が寝てるうちに」

響 「自分で窓のカギを開けて出て行っちゃったらしいんだ」

P 「自分でカギを?報告できるハム蔵もそうだが、響のペットはなんというか」

美希「スペック高すぎなの」

響 「えへへ、そうだろ!そうだろ!自分の家族はみんな頭いいんだぞ!」パァッ

響 「なのに...」シュン

響 「なのに、なんで出て行っちゃったんだ、ねこ吉ぃ...」

P 「.......」

P 「一応聞いておくけど、響のこと、嫌いになって...とか」

P 「そういうのじゃないよな?」

響 「っ!そ、そんなはずないぞ!自分とねこ吉は家族さー!」

響 「そりゃケンカするときもあるけど...」

響 「家出するほど嫌われたりはしてないはずだぞ!....たぶん」

響 「.......そうだよな....?そうだろ...?.....いや、そうなのか.......?」

響 「.........あれ.....もしかしてねこきち」

響 「自分のこと、嫌いになっちゃったのか....?」ウル

貴音「あぁ、響、泣かないでください....」ヨシヨシ

美希「ハニー...?」ゴゴゴ

P 「す、すまん...」


ワニ子「......」グルルルルル


P 「ひぃっ!?」

P (下手なこと言ったら食われる...!)ジリ


ペラ


P 「.....ん、なんだこの紙?」

貴音「そんなものでわたくしがごまかせるとお思いですか?」

P 「いや、違うって...ただ、この足跡はねこ吉じゃないかなって...」

響 「っ!本当!?みせて!」パシッ

響 「......ねこ吉...!」

P 「なにかのメッセージか?」

響 「うん、ねこ吉のやつ...」


響 「”心配するな、なぁに、すぐ戻ってくるさ”...だって...!」ニコッ


P (ね、ねこ吉!おまえそれ...)

P (死亡フラグだぞ)

貴音(死亡ふらぐのようです)

美希「死亡フラグなの....あ」

響 「...え?」

P 「あ、こら!口に出しちゃ...!」

響 「........!!」ジワ

美希「ぁ...!」

響 「う、うわーん!ねこ吉ぃ!しんじゃやだぞーー!」

響 「あぁああぁぁぁあん!!」ビエー

美希「ご、ごめんなの響...!」アタフタ


貴音「美希....!!」ゴゴゴ


ワニ子「グルルルルル」ガパァッ


美希 「ぎゃ、ギャーーなのーーーー!!!」

---------------------------------
.......


P 「...よし、とにかく、まず俺たちでこのあたりを探してみよう」

響 「...うん」グス

P 「それと...」ピポパ

美希「ハニー、どこにかけてるの?」

P 「事務所だ。小鳥さんにねこ吉の捜索依頼を出してもらおうと思ってな」

貴音「??」キョトン

P 「なんかそういうのがあるって話を前に...あ、小鳥さんですか!」

P 「はい、今は響の家にいて...」


美希「さすがハニー。こうしてる所を見ると、結構頼りがいがあるの」ウンウン

響 「うん......」

響 (なんか、にぃにみたいだぞ...)クス

...........


P 「...はい、じゃあお願いします。では」ピッ

響 「どうだった!?」

P 「...任せといて!だってさ。写真は前に番組で共演した時の物を使うそうだ」

P 「とはいえ、人の良心に期待しすぎるのもよくないからな...」

P 「連絡が来ればラッキー、くらいに思っておこう」

美希「ねぇ、終わったなら早くミキたちも出発しようよ!」

響 「おう!」

P 「まてまて、この部屋をカラにするのはよくない」

P 「ねこ吉が自力で戻ってきた場合も考慮しておこう」

貴音「そうですね。それが良いと思います」

響 「確かにそうだな!さすがプロデューサーだぞ!」

P 「という訳で響はここで待機していてくれ」

響 「おう!....ってえぇっ!自分留守番なのか!?」

響 「みんなが自分の為に動いてくれてるのに、自分だけ休むなんてできないぞ!」

P (やはりそうきたか......)

P 「......いや、違うぞ響。留守番じゃない」

響 「え?」

P 「自分でカギを開け、伝言を残すほど頭のいいねこ吉のことだから」

P 「何食わぬ顔でこの家に戻ってくる可能性も高いと思う」

P 「だとしたら、いざ帰ってきたとき主人が不在で他の人間がいるというのは」

P 「都合が悪いだろう?」

響 「た、たしかに」フム

P 「それに俺たちは、ワニ子の世話なんてできないからな」

ワニ子「...」グァァ

P 「響が残ってくれるのが一番いいってわけだ」

響 「うーん...そういうことなら...」

響 「でも、やっぱりみんなに申し訳ないさー」

美希「気にすることないの!...あ、でもどうしてもっていうなら」

美希「ミキたちのご飯でも作ってくれたらうれしいって思うな!」

P 「おっ、それはいいな!おれはそうだな、せっかくだから沖縄料理が食べたいな」

美希「おにぎりがいいの!」

貴音「らぁめんを所望します」

響 「みんな..」

響 「...うん」

響 「うん!わかった、任せといて!」

響 「腕によりをかけてみんなご飯を作らせてもらうさー!」グッ

響 「みんなのほっぺたが思わず落ちちゃうような料理を作って待ってるからね!」

P 「ああ、楽しみにさせてもらうよ...じゃあ、そういう訳で」

P 「美希、貴音...いくぞっ!」


美希・貴音「「おーっ!」」


響 「いってらっしゃーーい!」フリフリ



ガチャン

-外-


P (ふぅ...響がちょろくて助かった)

美希「ハニーって、思ったよりウソが上手なの 。ミキも騙されないように気をつけなきゃ」

P 「おいおい、嘘なんて言ってないぞ」

貴音「...そうですね。ですが、全てをあの場で語ったという訳でもないのでしょう?」

P 「...お見通しか」

美希「ふふん。ハニーのことなら何でもわかるよ!」エヘン

P (そう...)

P (響に言ったことは嘘じゃない)

P (だが、それ以上に...)

P (ねこ吉に、もしものことがあった時)


P (響には、その光景を見せたくないんだ)

P 「...よし、じゃあ手分けして探そう」

P 「美希はあっち、貴音はそっち、俺はこっちだ」

美希「わかったの!あっちは任せて!」

貴音「そっちはわたくしが責任をもって探します」

P 「集合は昼飯位の時間だから2時間後だ」

P 「見つけたらすぐ連絡すること。それと、狭いとこや暗いとこ、危険な場所には行かないこと」

P 「わかったな?」

貴音「ええ、わかっております」

美希「はーいなの」

P 「よし、それじゃあ、家出した悪い子猫ちゃんの捜索、スタートだ!」 ダッ

~~~~~~~~~~~~~~

-2時間後-

美希「いなかったの...」

貴音「こちらも...」

P 「だめか...いったん戻ろう」




響 「おかえりー!どうだった!?」

P 「すまん、まだ見つけられてない」

響 「...そっか.......うん、大丈夫!それより疲れたでしょ!」

響 「いっぱい料理つくったから、たくさん食べて元気出してね!」

美希「ありがとう、響」

貴音「午後になったらまた捜索に行きましょう」

~~~~~~~~~~~~~~

-5時間後-

美希「だめ、どこにもいないの...」

P 「暗くなってきたな...今日はもう無理か」

貴音「また明日、ですね」


P (くそ、どこにいるんだ、ねこ吉...!)

~~~~~~~~~~~~~~
-翌日-


響 「はいさい、みんなおはよう」ヘロ

美希「っ!」

貴音「......響、目にくまが出来ていますが、ちゃんと眠ったのですか?」

響 「えへへ、ねこ吉のこと考えてたら、気が付いたら朝になっちゃってたさ~」

貴音「響.......」

美希「...もうっ。そんな顔じゃテレビに出れないよ!今日はちゃんとしっかり寝るの!」

響 「う、うん...」

P 「はは、今日も休みで良かったな!まぁ、俺たち今日も明日も仕事無いんだけどな!」ハハ

貴音「それは笑えませんね」

美希「仕事もってこいなの」

P 「 」

響 「あはは...あ、でもほら!昨日のうちにビラをいっぱい作ってみたよ!」ペラ

P 「おおっ、これは、カラフルでかわいらしくもわかりやすい絵が描かれていて」

P 「さらにねこ吉の特徴が手書きで簡潔に記されており」

P 「ねこ吉のかわいらしい写真まで載せている!すごいぞ響!完璧すぎるビラだ!」

響 「えへへ、そうだろそうだろ!」

響 「これがあれば、きっとすぐみつかるよね!!」

P 「ああ、きっと見つかるさ」

P (いや、絶対に見つけてみせるぞ...!)

~~~~~~~~~~~~~~

P (それから俺たちは、町をくまなくを探し回った)


P (途中から春香たちも協力してくれて...だけどその日)


P (ねこ吉の姿は、どれだけ探しても)


P (見つけることが出来なかった)

-翌日-


響 「はいさい~......っと」フラ

P 「お、おい響、大丈夫か?」

響 「大丈夫、ちょっと躓いただけさー」ヘラヘラ

P (...まずいな、だいぶ参っているみたいだ)

P 「よし、今日は真たちがいて人手は足りているし」

P 「貴音は響と一緒にいてやってくれ」メクバセ

貴音「!」コクン

貴音「はい、かしこまりました」

響 「...?自分、ひとりでも大丈夫だぞ」

P 「まぁ、貴音も疲れてきてるだろうし、少し休憩だ」

美希「ぶー、ミキもつかれてるんだけどなー」

P 「わかってるよ、美希は午後な」

美希「んー、それもいいけどー」

美希「ミキ的には、ハニーがぎゅーってしてくれたら疲れなんてフっとんじゃうとおもうよ!」

P 「はいはい。じゃあ行くぞー」ガチャ

美希「あーん、待って、置いてかないでなのー!」

ガチャ

響 「みんなあわただしいな」

貴音「ふふ、そうですね」

響 「あ、そうだ、昨日雪歩が来てくれたとき、お茶持ってきてくれたんだ」

貴音「ああ、そういえば昨日渡されていましたね」

響 「早速入れるからちょっと座って待ってて!」

貴音「ふふ、それは楽しみです」

貴音「...」

貴音「......」チラ

はむ蔵「ぢゅぢゅいっ」

いぬ美「へっへっ」

ぶた太「ふごふご」

ワニ子「ぐるるるる」

貴音「ふふ...にぎやかなことです」

貴音(......)

貴音(...そういえば)

貴音「......」チラ

へび香「......」シャー

貴音「.......ひっ」ビク

響 「貴音おまたせ―!ってどうしたの、そんなはじっこで」

貴音「い、いえ、何でもありません」ドキドキ

貴音「それよりも、いい薫りですね」

響 「うんうん、さすが雪歩のお茶だぞ!」

貴音「ええ。早速いただくとしましょう」


ズズ...

~~~~~~~~

響 「うーん、やっぱ茶葉がいいと違うな!」

貴音「ええ、雪歩のお茶を飲めるわたくしたちは幸せですね。...さて、響」

響 「ん、なんだ?」

貴音「目の下のくまさんが一段と面妖なことになってきております」

貴音「さすがに少し、休んだ方が良いのではありませんか?」

響 「んぇ?いや、自分ダンスやってるし完璧だからまだ大丈夫だぞ」

響 「不眠不休で津軽海峡だって泳いで渡れるぞ!」

貴音「気のせいかもしれませんが、その発言も少々ぴんとがおかしいように感じます...」

貴音「とにかく、少し寝ましょう。いえ、寝てください」

響 「で、でも貴音が来てるのに自分だけ寝るわけには...」

貴音「そのような些細なこと、気にする必要は....っ」ティン



貴音「わかりました。では、一緒に寝ましょう」スクッ

響 「へ?」

貴音「お茶に含まれるかふぇいんの面妖な効果でいまに眠気に襲われるはず」スタスタ

響 「ちょ、たかね、なんで近寄って」

貴音「そうなってからでは遅いですね...ほっ」ダキアゲ

響 「わぁっ!いきなりだっこしないで.....おろして、おーろーしーてー」ジタバタ

貴音「あぁ、響、暴れないでください...ほら、このままべっとに行きますよ」

響 「わっちょっ、...やめ」

響 「てゆーかカフェインは眠気覚ます成分じゃないし...うぎゃー!」 

-ベッド前-


ボスッ

響 「きゃっ」バフッ

貴音「到着ですね。さ、では寝ましょう」モゾモゾ

響 「ほ、ほんとに寝るのか!?」

貴音「今、響に必要なのは何よりも睡眠です。昨日もろくに寝ていないのでしょう?」

響 「それは、そうだけど...」

響 「でもあんなダイナミックな運び方されたから、自分、目がさえちゃったぞ...」

貴音「まぁ、それは計算外です。...ではそうですね、眠るまで話でもしましょうか」

貴音「ぴろぉとぉく、ですね。ふふ...」

響 「それ、たぶん違うと思うぞ」

響 「......あははっ、もう、今日の貴音はなんだか強引さー」

貴音「ふふ...」

~~~~~~~~~~~~~~~

響 「最近学校でね~...」

貴音「なるほど、学校での響にはそのような一面もあるのですか」

貴音「ところで、ちゃんと勉強にはついていけているのですか?」

響 「失礼な。自分、こう見えても結構頭いいんだぞ!」エヘン

貴音「まぁ、それは失礼しました。ふふ」

響 「あー、信じてないなー?」

貴音「いえ、そのようなことは...」


..................................


貴音「この間の収録で、律子嬢がエビフライを~~~...」

響 「え、えぇー!!」


..................................

響 「...で、その時の真美ったらさー」

貴音「なんと!それはずいぶんと危険なチャレンジですね...」

...................................


響 「でね....ふぁぁ...」

貴音「ふふ、そろそろおねむの時間ですね」

響 「もー、子供扱いしないでってばぁ.......くぁ...」

響 「...」

貴音「...響?」

貴音(眠ったのでしょうか...)

響 「...」

響 「......ありがとうね、貴音」

貴音「え?」

響 「ねぇ貴音...」


響 「ハムスターの寿命って...だいたい3年から4年なんだぞ」

響 「はむ蔵は今ずっと一緒だけど...」

響 「これからもずっと一緒って訳じゃないんだ」

響 「いぬ美だって、ねこ吉だって...」

響 「ちゃんとわかってるさー」

貴音「響...」


響 「......でも、ふぁ....」ゴシゴシ

響 「でも、こんな....突然なのはナシ...だよね...」トロン

響 「完璧の.....契約対象がい....さー」

響 「だから...」

響 「...」

響 「........」スゥ

貴音「.......響?」

響 「........」スゥスゥ

貴音(今度こそ眠ったようですね)

貴音(......)

貴音「響の、寂しがりな心を垣間見た気がします...」ボソ

貴音「響...」

貴音「もしものときは...わたくしが、あなたの猫になりましょう...」

貴音「決して傍を離れないと約束します、あなたを残して先に逝ったりもしません」

貴音「だから...ずっと笑っていてください...にゃー」

響 「......ん...ぅ...」モゾ

貴音「......などと」

貴音「...ふふ、少々恥ずかしいですね」

貴音(さて、わたくしも眠るとしましょう)

貴音「...おやすみなさい、響...」ナデ




ニャーー



貴音(おや...?)

-街中-

タタタタタ

P 「おーい!ねこ吉ー!いい加減でてこーい!!」

P 「くそっ...どこにいるんだ、ねこ吉......!」


ピリリリリ


P 「ん、事務所から?...はい、もしもし...あ、小鳥さんでしたか」

小鳥『......あ、プロデューサーさん!今どこですか!?」

P 「えーと、今は響の家から2キロくらい北のあたりですね」

小鳥『そ、そうですか...実は、ちょうどその近くで、あの、ねこ吉ちゃんに似た猫を見つけたってタレコミが...」

P 「ほっ、本当ですか!!!」

小鳥『わっ!いや、その...』

P 「ありがとうございます、具体的な場所を教えてください!!!」

小鳥『いっ、いえ、それが......その......』



P 「...」

P 「.....え?」




P 「交差点...?」

-交差点-


プァーン
ブロロロロ...

P 「...」
 
P 「......」
 
P (あれは...確かに、白猫に見える)

P (本当に、ねこ吉...なのか)

P (だとしたら...)


P 「こんなの...響になんて言えばいんだ...っ!」

~~~~~~~~


響 『おかえりなさい!プロデューサー!』

響 『...ねこ吉、みつかった.......?』

響 『..........え?』

響 『...うそ....でしょ?』

響 『.....ねぇ、うそって........うそって、いってよ....』


響 『ねこ吉.......』


響 『だいじょうぶ....』


響 『じぶん達もすぐ、後を追いかけるからね。さびしくないよ、ねこ吉』

~~~~~~~~~~~~~~~


P 「う、うわぁあああ!!!!」ブンブン

P (つ、ツラいぞ、ツラ過ぎる....響...!!)

P (.......いかん、悪いほうに考えすぎている気がする...)

P 「...落ち着け」

P (とにかく、なきがらだけでも埋葬してやろう...)

P 「...普段はあまり見ないようにしてるからな、いざ近づくとなると少し勇気が...」

P 「.....」テクテク

P 「.........」チラ

P 「っ!..............って、アレ?」




P 「これ.....ビニール袋?」

P 「な、なんだ....猫じゃなかったのか」ホッ

P 「あ、あせらせやがって!」


ピリリリリリ


P 「うぉっ」ビクッ


P 「...はい、もしもし。..ああ、響か。どうした?」


P 「.....!」



P 「なんだってっ!ねこ吉が帰ってきた!?」

-響の家-


タタタタタ
バァン!

P 「響!」ゼェゼェ

美希「あ、ハニー!おかえりなさいなの~」フリフリ

P 「おお、美希も戻ってたのか...響は?」ハァハァ

美希「あっちの部屋でお説教中だよ」ピッ

P 「お説教?」

P 「...」ソー

響 「.....まったく!お前って奴は!!!」

響 「本当に!どこ言ってたんだ!!!」

響 「自分、自分、すっごく怒ってるんだぞ!!!」ガー

ねこ吉「フニャァ....」ショボン



P (めちゃくちゃ叱ってる)

響 「こんな危険な都会を一人で出歩いて....!!」

響 「お前はもっと、自分の体を大事にしろ!!!」

P (娘を叱る父親みたいだ...)

P 「...あ、あの、響...さん?」

響 「今度やったらただじゃおかな...あ、プロデュ-サー!!」

P 「ねこ吉...帰ってきたんだな」


P 「....よかったあぁぁぁ.....」ヘナ


美希「ちょ、ハニー大丈夫!?」

P 「あ、あぁ、すまん。少し気が抜けただけだ」

響 「まったく、ねこ吉....本当に心配したんだからね!!」

ねこ吉「ニャァ......」シュン

響 「もう、絶対に一人で外になんていっちゃだめだぞっ!!」ダキッ

ねこ吉「ニャッ!?」

響 「よかった...」グスッ

響 「ほんとうによかった・・・よかったよぉ...うっ...ぐすっ.....」

美希「響...良かったね...うぅ、ミキももらい泣きなの...」グスッ

貴音「ふふ、良かったですね...響」

美希「しかし人騒がせなネコ吉なの。結局、家出の原因はなんだったの?」

P 「ああ、そうだよ。お前、なんで丸二日も外でなにやってたんだ?」

ねこ吉「ミャー...、ニャンニャー」


響 「...えっ、そうだったの!?」

貴音「響、ねこ吉はなんと?」



響 「もうすぐ、自分の誕生日だから」

響 「誕生日プレゼントにおいしい魚を捕りに行ったんだって...!」

P 「ね、ねこ吉、お前って奴は......!!」

美希「かっこよすぎるの...」

響 「あ、ありがとうねこ吉!自分、その気持ちだけですっごくうれしいぞ!」

響 「...でも、やっぱり危険なことはしないでほしいさー」

響 「自分、ねこ吉に何かあったらって思ったら、怖くて夜も眠れなかったんだからね!」ナデナデ

ねこ吉「ニャー」ハンセイシテマス

P 「ふう、でもこれで一安心だな!」

美希「見つかってよかったの!!!響の顔にも笑顔が戻ったしね!」

貴音「ええ、この笑顔が見られただけで、私は満足です」

響 「みんな、本当にありがとう!また今度、しっかりとしたお礼をするね!」ニパ


響 「あ、それと貴音」

貴音「...?」

響 「ベッドで言ってくれた、貴音が自分のねこになってくれるって話なんだけど...」


貴音「!」

美希「!?」

P 「!!?」

貴音「!!!!!?????」


響 「...ん?」



フェアリーの組み合わせが最強すぎて困ります

ありがとうございました

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