陽子「ねえ綾」綾「……」 (24)

※一年時のクラスで書いています

~教室~

陽子「おっはよー!」

忍「おはようございます!」

綾「陽子、今日はテンション高いわね」

陽子「昨日でテスト終わったから、気持ちが晴れ晴れしてるんだよ」

アリス「その気持ちすごい分かるよー」

カレン「昨日は家でたーっぷり遊んだデス!」

陽子「ずっと勉強した後、我慢してた分遊ぶのってすごい気分が晴れるよね」

カレン「夏の体育の後に水を飲むのも気持ちいいデース!」

陽子「あっ、それも同じだね!」

アリス「我慢したあとは喜びもひとしお、だねー」

忍「皆で今日一日、何か我慢してみましょう」

陽子「たまにはそういうのもいいか……」

カレン「ハイハイ! 私授業中寝るのを我慢するデース!」

陽子「真面目に授業受けろよ!」

忍「じゃあ、私アリスを我慢します」

アリス「そ、それなら私もしのを我慢するよ」

忍「今日一日何も話さないようにしましょう」

アリス「う、うん……」

忍(アリス……)

アリス(しの……)

忍「ああ、やっぱり私耐えられません! アリスー!」

アリス「しのー!」バッ

陽子「早っ!」

陽子「私はどうしよっかな」

陽子「そうだ! 早弁我慢しよう!」

綾「普通しないと思うけど……」

陽子「育ち盛りなんだよ」

綾「そ、それ以上育たれても……困るわ」ジロジロ

陽子「どこ見てんのよ」

陽子「綾は何我慢するの」

綾「そ、そうね……」

陽子「そうだ! 今日一日語尾にナスを付けるとか」

綾「もう、そのことはいいでしょ!」ムカムカ

綾「……」

陽子「ごめん、調子乗った」

綾「ふん、いいわよ別に」

綾「私は普段通りに過ごすわ」

陽子「なんだよ、つれないなあ」

カレン「そろそろ朝のホームルームデス! それじゃ!」

忍「また後でー」

陽子「綾、席替えで席隣になれてよかったな」

綾「……」

~英語の授業~

綾「……」カリカリ

綾「……」ポロッ

綾(あっ、ペン落とした……)

綾(陽子のほうが近いし、取ってもらお……)

綾(……)フルフル

陽子「ん?」

陽子(ペン落としたのならそう言えよ、拾ってあげるのに)

綾「…」

陽子「し、死んでる」

みたいなやつかと

烏丸「じゃあこのページを隣の人と交互に読んでください」

陽子「よし綾、読むぞー」

綾「……」

陽子「おい、どうした?」

綾「……」プイッ

陽子(ん?)

~休み時間~

陽子「ああっもう駄目だ! 弁当食べる!」

アリス「ええっ! まだ昼休みまで2時間あるよ!?」

陽子「無理に我慢するのは体に悪い!」

陽子「というかしのとアリスはもうギブアップしただろ」

アリス「そうだったよ……」

忍「意識して我慢するのって、意外と難しいですね―」

アリス「そうだねー」

3人「あはははー」

綾「……」

~数学の授業~

陽子(全然わからん……)

陽子(そうだ、綾にちょっと教えてもらお)

陽子(紙に書いて……と)カキカキ

陽子「……」チョイチョイ

綾「……」チラッ

ここ教えて わからん

綾「……」プイッ

陽子(あれ?)カキカキ

陽子「……」チョイチョイ

綾「……」チラッ

なんか悪いことあった?

綾「……」プイッ

陽子(駄目か)

陽子(もしかして綾、怒ってる?)

陽子(私なにかしたかなあ……。ナスがまずかったか)

陽子(結構根に持つタイプだからなあ)

~昼休み~

アリス「あれ、ヨーコお弁当はどうしたの?

陽子「もうないんだよぉ。くそぉー」

忍「わ、私の卵焼きひとつあげますよ」

陽子「わーい、ありがと」パクッ

アリス「じゃあ私もあげるよ」

カレン「あんまり食べると太るから私はやめといてあげるデス」モグモグ

陽子「余計な御世話だよ!」

カレン「仕方がないデスねー」

カレン「はい、あーんして下サイ」

陽子「わーい。あーん」パクッ

綾「……」ジー

陽子「なんだよ」

綾「……」プイッ

忍「綾ちゃんも陽子ちゃんにあげたらどうです?」

綾「……私、今日いつもよりお腹空いてるの」モグモグ

陽子(だいぶ怒ってんな……)

~放課後~

キーンコーンカーンコーン

カレン「む、無念でゴザル……」

忍「ど、どうしたんですか?」

カレン「5限目に眠ってしまったデス」

カレン「恐るべし、午後の眠気……」

忍「ああ、カレンも駄目でしたかー」

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