キャラ崩壊、遅筆注意
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凛「あ、やっぱり知らなかった?」
イリヤ「全然知らなかったよ!?というか、何で知ってるの?私でも知らなかったのに…」
凛「実は私、今日衛宮君に告白したのよ」
イリヤ「お、お兄ちゃんに…告白?」
凛「そしたら、"付き合ってるやつがいるから、ごめん"って…」
イリヤ「そ、そんな…付き合ってるって…」
イリヤ「そんな…そんな…」
ルビー「お、落ち着いて下さい。きっと告白を断るための方便ですよ。ね?」
イリヤ「お兄ちゃんが…お兄ちゃんが…」
凛「そこで!一体誰が衛宮君の彼女なのか、突き止めてみない?」
イリヤ「……え?」
凛「相手さえ分かれば、どうにかして奪うことも出来ると思うのよ」
凛「ここは一時休戦…まずは、目の前の敵を二人で打倒しましょう!」
イリヤ「うん!」
凛「それじゃ、まずは身近なところからいきましょうか…」
イリヤ「身近って…?」
凛「イリヤ…男っていうのはね、なんだかんだで尽くしてくれる女に弱いものなのよ」
ルビー「ほほぅ…なんだか面白くなってきましたねぇ」
イリヤ「ねぇ…お兄ちゃんが誰かと付き合ってるみたいなんだけど…」
イリヤ「二人とも、まさかとは思うけど、付き合ったりしてないよね?」
セラ「……はい?」
リズ「私、付き合ってないよ」
イリヤ「そっか…その反応ってことは、セラも違うよね?」
セラ「え?いや、どういうことですか!?彼女!?あのシロウに…!?」
リズ「まぁ、もう高校生だし…彼女の一人や二人くらいはね」
セラ「そんな…い、いえ…」
セラ「えっと…まずはお二人に連絡を?彼女のお出迎えって、どうしたらいいんでしょう!?」
セラ「晩御飯にはお祝いの料理?あ、女性のエスコートについてのレクチャーもしなければ…節度を守った交際についても…」
セラ「他には、他には…!」
イリヤ(な…涙目でパニック起こしてる…)
ガチャ
士郎「ただいま」
士郎「食材は買ってきたから、夕飯はもうちょっと待って……って、何やってるんだ?」
セラ「お、おおおおお、お帰りなさい、シロウ!」
士郎「あ、あぁ…何だ、一体どうしたんだ?」
リズ「士郎に彼女が出来たって聞いて、絶賛パニック中」
士郎「な…どうしてそれを…!?」
リズ「あ、本当なんだ。相手は?誰?」
士郎「え、えっと…その…」
リズ「……」 ジーッ
イリヤ「お兄ちゃん、正直に話して」
セラ「お、お帰りなさい、シロウ」
リズ「セラ、その挨拶はもうしたよ…」
イリヤ「お兄ちゃん…」
士郎「うっ……か、勘弁してくれ!」バタバタ
イリヤ「あーっ!逃げた!!」
翌日
凛「問い詰めたら逃げ出した…ってことは、隠すだけの理由があるってことね」
イリヤ「隠す理由…?」
凛「そうね。つまり、色々と障害のある恋ってこと」
凛「相手が家族だとか、ロリ、あるいは逆に熟女や教師、ヤバいところのご令嬢、既に誰かと付き合っていたり、結婚している相手だったり…最悪の場合、人外や男ってことも…」
イリヤ「…つまり、お兄ちゃんはそんな人と付き合ってる可能性が高いってこと?」
凛「ええ。とりあえず、これでレヴィアは外していいわね…」
イリヤ「レヴィアさんも、一応ヤバいところのご令嬢になるんじゃない?」
凛「それはそうかもしれないけど、レヴィアのところはもう向こうで公認されてるようなものだから…」
凛「あとは…ルビー、まさかアンタじゃないでしょうね」
ルビー「いきなり何を言ってるんですか!そんなの当たり前でしょう?いくら私でも、人間の男相手に欲情したりしませんよ」
凛「普段の言動があんなんだから疑われるのよ。衛宮君なら、相手が魔法の杖でもおとしかねないし…」
イリヤ(凛さん、お兄ちゃんをどんな人間だと思ってるんだろ…)
イリヤ「それじゃあ、また近いところから行ってみる?家族でロリだし、クロとか…」
凛「いえ、あの子はあんな性格だし、衛宮君と付き合うことになったらドヤ顔で自慢するわ。だから、多分ハズレ」
イリヤ「そうかな…でも、それならレヴィアさんも最初の段階で除外出来たんじゃない?」
凛「あいつの場合、私が告白して断られるまで黙ってる可能性があるのよ。私がフラれたあとに、"実は私が付き合っていましたのよ?悔しいでしょう?"とかね」
イリヤ「…ありそう…」
凛「まぁ、何にしても無難な候補の時点でありえないでしょうね。家族関係だと、あとは……」
イリヤ「先に言っておくけど、ママは絶対にありえないからね」
凛「ま、まぁ、それはそうでしょうね…」
凛「じゃあ、次はロリ関係?美遊とか…」
イリヤ「…その前に、違うのが確定してるなら、レヴィアとかクロも誘わない?」
凛「レヴィアは絶対ダメよ!私が告白して断られた、なんて知ったら一生笑い者にされるわ!」
イリヤ「レヴィアさんもそこまではしないと思うけど…」
凛「でもまぁ、クロはいいかもね。じゃあ、イリアの部屋まで行ってみる?」
イリヤ「窓から侵入は止めてね。ちゃんと玄関から」
凛「はいはい」
士郎「あれ?遠阪?どうしたんだ?イリヤ連れて…」
凛「今から貴方の家にお邪魔しようと思ってたのよ。クロと話したいことがあってね」
士郎「そうなのか…」
イリヤ「お兄ちゃんは?何処か行くの?」
士郎「ああ。ちょっと用事があってな。昼食は外でとってくるよ。夕飯の準備には戻れると思うから」
イリヤ「分かった。行ってらっしゃい」
士郎「行ってくるよ」
イリヤ「ねぇ、今から用事って…」
凛「ええ。土曜の午前11時、昼食まで済ませて来る…ってことは、十中八九デートね」
凛「イリヤ、クロのことは後回しよ。まずはデートの尾行!これで彼女の正体がきっと分かるはず…!」
レヴィアじゃなくてルヴィアな
凛「ここは……公園?」
イリヤ「あ、お兄ちゃん、誰かに話し掛けてる」
凛「ええ。あれは……」
士郎「持ってきたぞ」
バゼット「ありがとうございます。すみません、いつもいつも…」
士郎「気にするなよ。そのかわり、もう道端に生えてる草食ったりするなよ」
バゼット「慣れたらどうってことないんですけどね…」
バゼット「むしろ、私はこの贅沢に慣れてしまうことのほうが恐ろしいです」
凛 イリヤ「バゼット…だと!?」
>>10
すみません、素で忘れてました…
とりあえず、ここまでで
すみません、注意に追加で…
SN、zero、ホロウとかのネタも入るかもしれないので、プリヤだけの人は一応注意しといてください
凛「ど、どど、どういうこと!?なんであいつが!?」
イリヤ「お、お兄ちゃんとバゼットさんって、何か接点あったっけ?」
凛「…私の知る限りでは、例の遭難旅行でのパイロットだったことくらいしか…」
イリヤ「た、たったそれだけの面識で…」
凛「一体何がどうなってるのよ…」
イリヤ「…世話やきのお兄ちゃんのことだし、多分、草でも食べてるバゼットさんを見て、お弁当持って行くようになって…」
凛「次第に恋におちていった…ってこと?」
イリヤ「うん…多少ダメな人のほうがお兄ちゃんは気にかけるだろうし…」
凛「くっ…つまり、完璧な私ではそもそも勝ち目がなかったわけね」
ルビー「安心してください。そんなことを自分で言うような人は完璧とはいいませんから」
ルビー「それに、どっちかというとダメなほうですよ、凛さんは」
イリヤ「ダメよりは残念に近くない?」
凛「あんた達ねぇ…」
士郎「でも、本当にいいのか?事情さえ話せば、家で泊めることくらいは出来ると思うけど…」
バゼット「いえ、そこまでお世話になるわけにはいきません」
バゼット「それに、私にはやらなければならないことがありますから」
士郎「やらなければならないことって…バイトだろ?」
バゼット「それだけではありませんよ。何にしても、迷惑をかけることになると思いますので…」
士郎「そっか…でも、何かあったらうちを頼ってくれよ」
バゼット「はい…ありがとうございます」
士郎「気にしなくていいって」
士郎「それじゃ、昼食食べ終わったらはじめようか」
凛「何かはじめるみたいよ?」
イリヤ「何するんだろ…?」
ルビー「そりゃあ、やることやっちゃうんじゃないですか?」
凛「なっ!?やることって…!?」
イリヤ「こ、こんな昼間から!?」
ルビー「お兄さんも年頃の男の子ですからね。欲求くらいはたまっていることでしょうし…」
美遊「…何してるの、イリヤ?」
イリヤ「み…ミユ!?」
凛「ちょっ…隠れなさい!早く!」
美遊「えっ…?」ガバッ
美遊「な、何してるんですか、こんなコソコソと」
美遊「私、ルヴィアさんに言われて凛さん呼びに来たんですけど…」
凛「ルヴィア?いいわよ、あんなの放っておいて。今はメイドなんてしてる場合じゃないの」
美遊「そんなこと言われても…」
凛「見なさい、あれよ、あれ!」ビシッ
美遊「あれって…士郎さんとバゼットさん?」
イリヤ「お兄ちゃんのデートを尾行中なの」
美遊「デート…士郎さんが?」
ルビー「み、美遊さん、顔がヤバいことになってますよ?」
サファイア「ほ、ほら…笑顔笑顔」
イリヤ(こ、怖い…)
凛「み、美遊も気になるんなら、一緒にどう?」
美遊「そうですね…参加させてもらいます」
イリヤ(いや、だから目が怖いって…って、ん?)
イリヤ「ねぇ…あれって、屋台じゃない?」
凛「え?屋台…?」
美遊「クレープ屋さんみたいですね」
凛「クレープって…もしかして、バイト!?」
モブA「すみません、これ一つ下さい」
バゼット「はい。460円になります」
士郎「アップルシナモンか…」
バゼット「流石に手際いいですね」
士郎「まぁ、クレープっていっても、材料は決まってるんだから、誰が作っても味はほとんど変わらないけどな」
士郎「…っと、出来たぞ」
バゼット「お待たせしました、こちらが商品になります」
バゼット「ありがとうございました」
凛「…どうやら、本当にバイトの手伝いみたいね」
イリヤ「お兄ちゃん、こんなことしてたんだ…」
凛「わざわざお弁当作って行ったりしてたし、これはもうバゼットが彼女で確定かな…」
美遊「士郎さん、あの人にお弁当作ったりしてたの?」
イリヤ「うん。さっき二人で仲良く食べてたよ」
美遊「……そう」
サファイア「…さっきより大分酷い顔になってますよ…」
ルビー「泣く子どころか、狂乱した鬼人でも睨み殺せそうなレベルですよ、これは」
ルビー「いやぁ…怖いもんですね、女の嫉妬って」
士郎「しっかし…今日はお客さん少ないな。いつもならもっと多いのに…」
バゼット「こんな日もありますよ。大体、士郎さんがいない時の客足なんてこんなもんです」
士郎「え?そうなのか…」
桜「先輩!」
士郎「桜?どうしたんだ、部活は?」
桜「どうしたもこうしたもありませんよ。最近先輩が土曜の練習に来ないから、探してたんですよ?」
士郎「一応、連絡は入れてなかったか?」
桜「それはそうですけど…」
桜「バイトなんて聞いてませんでしたよ?知人の手伝いで来られないって…」
士郎「いや、これはバイトじゃないんだよ。バゼットさんの手伝いをしてるだけで、お金だって受け取ってない」
桜「へぇ…そうなんですか」
バゼット「私は何度も渡そうとしたんですけどね…頑なに受け取ってくれないんですよ」
士郎「悪いな、桜。土曜の練習はしばらく…」
バゼット「いえ、士郎君は部活のほうに戻って下さい」
士郎「え?」
バゼット「流石に部活を休んでまで手伝って貰おうとも思いませんし…」
バゼット「私を手伝ってくれるのもありがたいですけど、そのために学生生活を削ることはありません」
桜「ほら、この人もこう言ってくれてますし…ね?」グイグイ
士郎「ちょっ、桜…」
桜「さ、行きますよ。先輩」
士郎「わ、わかった。一緒に行くから、引きずって行くのは勘弁してくれ…!」ズルズル
凛「あの子、確か弓道部の後輩よ?」
イリヤ「ま、また私の知らないところでフラグ立てて…」
ルビー「いやぁ、流石ですね、お兄さん」
美遊「早く、二人を追おう」
イリヤ「うん!」
凛「その必要はないわ」
美遊「凛さん?」
凛「さっきのやり取りを見る限り、衛宮君があの子と付き合ってるわけではないのは明白」
凛「追ったところで、新しい情報なんて手に入らないわよ」
イリヤ「ああ。それもそうか…」
凛「それより、問題はバゼットよ。さっきの様子だと、衛宮君と付き合ってる可能性はそれなりに高いと思うわ」
凛「多分本人に聞いても知らん顔されるでしょうけど…」
イリヤ「でも、お兄ちゃん、困ってる人見かけたら片っ端から助けていくようなところあるから…」
イリヤ「バゼットさんへの対応だって、そこまで特別なものでもない気がするけど…」
凛「むぅ…言われてみたらそんな気も…」
美遊「何にしても、結論は出さないといけない…」
凛「まぁ、疑わしきは罰せず、で静観してたら取り返しのつかないことになってるかもしれないしね」
美遊「だから、何日間かあの二人を監視しよう」
イリヤ「か、監視っ!?」
美遊「そう…サファイア!」
サファイア「は、はい…何でしょうか?」
美遊「あなた、ステルス機能とかついてない?」
サファイア「な、無いこともありませんけど…」
美遊「それじゃあ、しばらくあの人を監視しておいて」
サファイア「…へ?」
美遊「ルビーは士郎さんの監視ね。何かあったら連絡するように…あ、録画も忘れないで」
ルビー「何だか本当に面白くなって来ましたよ!了解です!お任せ下さい」
イリヤ(み、ミユ…なんか、色々と本気になってる…)
翌日の夜、イリヤの部屋
凛「それで、バゼットのほうは何かあった?」
サファイア「いえ。士郎様のお弁当を食べ、バイトをして、ベンチで寝ていただけです。どうやら、バイトの手伝いは土曜日だけだったみたいですね」
美遊「なら、映像を見せてもらう必要はないか…」
凛「衛宮君のほうは?」
ルビー「今日のところは問題無しですね」
ルビー「大体、今日はほとんど家にいましたし…」
イリヤ「うん、今日はずっとお兄ちゃんが遊んでくれた!」
ルビー「それじゃあ、VTR、いっちゃいますか?」
イリヤ「え?いや、いやいやいや!いいでしょ!問題無かったんだから!」
クロ「いやぁ…ここらで一つ記録見せて、絶対的な差ってのを見せつけるのもいいかもよ?」
イリヤ「で、でも!今から全部見てたらすっごく時間かかるし!」
ルビー「大丈夫ですよ。6倍速で流して、感覚強化で理解出来るようにしますから」
美遊「それじゃあ、見せて」
ルビー「了解です!」
士郎「ぅ…ん?」
クロ「zzz…」
士郎「……はぁ、またか」
クロ「zzzz…」
士郎「なんか、いい加減慣れちまったな…」
ルビー(おお、起こさないようにベッドから出る技が神懸かってますね…)
ルビー「ちなみに、私の()内台詞は脳内音声として皆さんにも聞こえている、という設定です」
凛「ちょっ!?どういうことよこれ!?明らかに問題大有りでしょうが!」
ルビー「いえいえ、クロさんがお兄さんのベッドに潜り込んでいることなんて、そこまで珍しいことじゃありませんよ?」
凛「はぁ!?」
クロ「うん、週に4、5回はやってるかなぁ~」
凛「半分以上じゃない!それはもうほぼ毎日って域よ!」
ルビー「最近は、対抗心を燃やしてイリヤさんもたまにやってますよね~」
イリヤ「ちょっ…ルビー!?」
ルビー「いやぁ、朝起きたら両手に幼女なんて、どこのエロゲ主人公だよ、って感じですよねぇ。羨ましい限りです」
美遊「……」
士郎「おはよう」
セラ「あら、おはようございます、シロウ」
士郎「今日の朝食は俺だったよな?すぐ作るから」
セラ「では、私は掃除とアイロン掛けでも…」
セラ「にしても、リズはまだ寝てるんですか…全く、メイドとしての自覚があるんでしょうかね、彼女には」
士郎「まぁ、いいじゃないか。よくイリヤの相談とかには乗ってくれてるみたいだし…」
セラ「それは…私が相談役として頼りない、ということですか?」
士郎「え?いや、そういうわけじゃあ…」
セラ「大体、シロウが悪いんですよ!貴方がいつの間にか家事万能になってて、何でもかんでもやるものだからあの子が怠けているんです!」
士郎「俺のせいかよ…」
士郎「っと…よし、出来たぞ」
士郎「悪いけど、皿並べてくれないか?」
セラ「え?あ、はいはい。ちょっと待ってくださいね…」
凛「…なんだろう、この敗北感…」
凛「何となく、この人には勝てないような気がする…」
ルビー「いやいや、実際、完全に負けてますよ…」
ルビー「凛さんと彼女じゃあ、家庭的なスキルや雰囲気が雲泥の差ですし…」
セラ「そういえば、シロウ…」
士郎「ん?」
セラ「結局、あなたの彼女というのは誰なんですか?」
士郎「………」
セラ「シロウ、正直に…」
士郎「さぁて、朝食の準備もできたし、イリヤ達も起こさないとなー」
セラ「なっ…シロウ、またはぐらかすつもりですね!?」
士郎「じゃ、じゃあ俺、イリヤ達起こしに行ってくるから!」
セラ「あっ…ちょっ、待ちなさい!シロウ!」
中途半端なところですみません、今日はここまでで…
クロ イリヤ「いっただきまーす!」
士郎「ああ、召し上がれ」
セラ「結局、口を割ってはくれませんでしたねー」
士郎「ぅ……」
リズ「しつこく言及して家庭内の空気が悪くなるのも問題」
リズ「それに、多分その内話してくれるよ」
セラ「…まぁ、それはそうかもしれませんけど」
リズ「そんなことより、シロウ…」
士郎「ん?」
リズ「おかわり、頂戴」
士郎「はいはい」
セラ「でも…確かにそうですね…」
セラ「考えようによっては、これはイリヤさん達を兄離れさせる絶好の機会かもしれません…」
イリヤ「あ、兄離れ……?」
セラ「ええ。兄離れです。いつまでもシロウにべったりというわけにもいかないでしょう?このまま成長すれば、"お兄ちゃんと結婚する!"なんて言い出しかねませんよ」
リズ「ねぇ、セラ。もう一回言って」
セラ「……はい?」
リズ「だから、"お兄ちゃんと結婚する!"って…さっきみたいに、甘えた感じの声で…」
セラ「…何を言い出すんですか、いきなり」
リズ「なんというか…グッときた?」
セラ「…アホなこと言ってないで、話を進めますよ」
クロ「えー…私ももう一回聞きたいな…」
セラ「とにかく!イリヤさんもいい加減兄離れする時期です!血は繋がってないし、シロウもイリヤさんを甘やかす傾向があるから、イリヤさんが言ったら本当にそんなことになりかねないんですよ!」
イリヤ「そ、それはちょっと期待してたり…」
セラ「ほら、こうなんですから…」
セラ「シロウのほうは放っておけば破局するでしょうけど、イリヤさんのブラコンには際限がないんですよ!」
士郎「な、なんだよ、破局って…」
セラ「…シロウ、女性というのは、特別というのが好きなのです。自分には他と比べて特別優しくしてくれる…そんな殿方にキュンとくるものなのですよ!」
セラ「誰にでも、平等に優しい…それは素晴らしいことだと思いますが、残念ながら恋愛が長続きするタイプではないんです」
セラ「貴方がもし誰かと付き合うというのなら、相手は貴方のことをちゃんと理解してくれる人ではないと…」
リズ「つまり、自分こそが相応しい、と…」
セラ「違います!どこをどう捕らえたらそんな結論になるんですか!?」
クロ「あ、それなら私私!立候補!」
セラ「ダメです!いくらなんでも小学生が相手なんて…!」
リズ「年の差でいったらセラのほうが離れてるよ?」
セラ「だ、か、ら!私は違うと言っているでしょう!」
士郎「あ、あはは…」
凛「随分と愉快な食卓ねぇ…本当、羨ましい限りだわ」
クロ「ふふん、そうでしょ?お兄ちゃんの料理だって食べ放題だしね!」
美遊「……ふっ」
イリヤ(え…何?何今の含み笑い!?)
凛「くっ…ん?家を出て行ったわよ、衛宮君」
サファイア「この時間だと…なるほど、恐らくお弁当を渡しに行ってますね」
美遊「…ということは、バゼットさんのところに?」
サファイア「はい。確かこのくらいの時間でしたから、士郎様がお弁当を持ってきたのが…」
美遊「そう…それじゃ、しっかり見ておかないとね」
サファイア「ま、まぁ特に問題はありませんでしたよ」
ルビー「そうですね。私としては、何かしてくれたほうが面白そうでよかったんですけど」
バゼット「いつもいつもすみません…」
士郎「気にしないでいいって。好きでやってることなんだから」
士郎「あ、でも、明日は弁当、俺の番だからいいけど…明後日は…」
バゼット「いいんですよ。気にしないで下さい」
士郎「そっか…っと、昨日は悪かったな。途中で帰っちゃって」
バゼット「いえ、そんな…そもそも、手伝って貰うこと自体がありがたいんですから…」
バゼット「ありがとうございました」
士郎「そう言ってくれると嬉しいよ…それじゃ、そろそろ俺は帰るから。バイト、頑張ってな…っと、そうだ。シュークリーム、8個入りのを一つ貰えるか?」
バゼット「あ、はい」
士郎「っと…たしか1260円だったよな…」
バゼット「士郎さん…本当にありがとうございます…」
凛「……え?これだけ?」
ルビー「はい、これだけですよ」
凛「…ほんっとうに何も無かったわね…」
イリヤ「昨日のシュークリーム、バゼットさんのところで買ってたんだ…」
クロ「屋台のクレープ屋にしては充実してるわね……」
凛「でもまぁ、これで付き合ってないって断言も出来るわけでもないのよね…」
ルビー「いやまぁ、実際のところ、付き合ってないって証明はかなり難しいと思いますよ…」
ルビー「お兄さん、本当に誰にでも優しいですからね。あれくらいのことは誰にでもしそうな気はしますし、逆に彼女だからこそこれをやるってのも中々無い気が…」
美遊「……」
イリヤ「ミユ?どうかしたの…?」
美遊「ううん。何でもないよ」
ルビー「お、ようやく美遊さんも落ち着いてきましたか?穏やかな表情に戻ってきてますよ」
ルビー「それじゃ、続き、いっちゃいましょうか!」
セラ「ただいま戻りました」
士郎「ああ、お帰り……って、何だその荷物!?」
士郎「そんなに増えるんなら、言ってくれれば荷物持ちくらい…」
イリヤ「お帰り…って、そんなに何買ってきたの?」
セラ「服ですよ、服」
士郎「服…?珍しいな、セラがそういうの買ってくるのって」
セラ「私のではありません。貴方の服ですよ、シロウ」
士郎「俺の?」
セラ「はい。貴方のことですから、デートの時も制服かそんな格好なのでしょう?」
士郎「そんな格好って…そこまで変でもないだろ」
セラ「シロウ、女性と付き合うのなら、最低限のお洒落は心得ておくべきです。下手をすれば、相手の女性にまで恥をかかせかねません」
士郎「そこまで言うか…」
クロ「なに?お兄ちゃんのコーディネート?」
セラ「はい。そのために似合いそうな服を片っ端から買ってきました」
イリヤ「本当にいっぱいあるね…」
リズ「…セラ、シロウに執事服なんて着せるつもりだったの?」
セラ「り、リズ!?何を勝手に開けてるんですか!?」
クロ「あ、本当だ!どこで買ってきたの、こんな服?」
イリヤ「デートに執事服はどうかと思うけど…」
セラ「い、いえ…これは…」
リズ「セラの趣味?」
セラ「違います!…ち、違いますからね!」
クロ「私はこの服なんていいと思うけどな」
イリヤ「えー?赤い革ジャン?」
リズ「本当に真っ赤だね」
クロ「私とお揃いの色だよ?」
士郎「クロ、赤い服なんて着てないじゃないか」
クロ「むふふ、どうかなー?」
士郎「…?」
イリヤ「ねぇ、セラ、これ絶対趣味に走ったでしょ?神父服でデートなんて本気でさせるつもりだったの?」
セラ「違います!それはカレンさんとばったり会って頼まれたんです…費用は自分が持つからと…」
イリヤ「カレンさんって…養護のカレン先生のこと?」
士郎「何やってるんだ、あの人は…」
リズ「ほら、浴衣とかもあるよ」
セラ「それは夏祭りとか花火大会のために…」
イリヤ「あ、こっちは普通に大丈夫なんじゃない?似合いそうだよ?」
セラ「いえ、まずは執事服を…」
リズ「やっぱりセラの趣味でしょ、それ…」
セラ「いえ、だからそれは…」
士郎「勘弁してくれ…俺は着せ替え人形かよ」
ピンポーン
セラ「あら、お客さんですか…ちょっと出てきますね」
リズ「むぅ…こんなタイミングで誰が…」
華憐「みなさーん、素敵な素敵な養護の先生がやって来ましたよー」
イリヤ「せ、先生!?」
クロ「なんか変な方向にキャラ崩壊してる…」
セラ「あの、まだ鍵もあけてなかったはずなんですけど…一体どうやって入ってきたんですか?」
華憐「まぁまぁ、特に問題はないでしょう?ちゃんと呼び鈴も鳴らしましたし」
セラ「セキュリティ的に非常に大きな問題なんですが…」
華憐「そんな些細なことはどうでもいいんです。それより…」
華憐「さぁ、見せてください、神父姿を!」
華憐「思いっきり八つ当たりしてあげますから」
士郎「八つ当たり!?八つ当たりってなんだ!?何の八つ当たりなんですか!?」
凛「私としては赤いのかな…そしたらほら、お揃いじゃない?」
クロ「やっぱりそうだよね。結構似合ってたと思うし」
凛「いやいや、色は赤がいいけど、今回着てたようなロック系はどうかと思うわ。何か印象違う感じしたけど?」
ルビー「私も色だけなら赤ですかね」
イリヤ「赤派多いなぁ…あんまり似合ってなかったと思うけど…」
イリヤ「ミユはどれがよかった?」
美遊「私は浴衣かな…普通のデートであの格好されても困るけど…」
サファイア「私は執事服です」
イリヤ「誰ひとりとして普通の服装は選ばないんだね…」
すみません、今日はここまでで…
とりあえず、未来福音が楽しみです
クロ「あ、あれ?これ、結構まずいよね…?」
士郎「クロ、ここはナイトをだな…」
イリヤ「あー!お兄ちゃんずるい!クロにばっかりアドバイスして…」
士郎「俺はやられそうな方にアドバイスしてるだけなんだけどな…」
士郎「それだけイリヤが強いってことだろ?」
イリヤ「次!次は私にアドバイスする番だから…」
セラ「お二人とも、もう10時過ぎですよ。いい加減お休みになって下さい」
イリヤ「え、え!?ちょっと待って!私がもう一度ピンチになるまで…」
セラ「何をわけの分からないことを言ってるんですか…」
セラ「いいから、早く寝てください。明日は学校なんですからね」
イリヤ「むぅ…」
クロ「ふふ、何だか得した気分」
イリヤ「ゲームでは勝ってたはずなのに…すっごい敗北感…」
セラ「二人とも…」
イリヤ「…はーい、お休みなさい」
クロ「ねぇ、お兄ちゃん、お休みなさいのキスを」
イリヤ「しなくていい!しなくていいから…それじゃ、お休み」
クロ「むぅ…お休み」
士郎「はは…お休み、二人とも」
リズ「おやすみー」
セラ「お休みなさい」
凛「で、今ここに至るわけね」
ルビー「残念ながらお風呂のラッキースケベはカットですよー」
イリヤ「ちょっ、ルビー!余計なこと言わないで!」
美遊「…でも、結局バゼットさんがどうなのかは分からなかった」
凛「まぁね。でも、他にも候補はいるわけだし、しばらくはじっくり観察するしかないわ」
美遊「候補って…そんなにいるの?」
イリヤ「まぁ、結構モテるみたいだからね、お兄ちゃん…」
クロ「そりゃそうだよ、お兄ちゃんなんだから」
美遊「……いくらモテるからって…」
イリヤ「本当は、本格的にモテはじめる前におさえとかないといけなかったんだよ…」
凛「今更後悔しても後の祭よ…何にしても、誰と付き合ってるか分からない限りは、対策のとりようがない」
凛「とりあえずは、誰が衛宮君の彼女なのか突き止めるのが最優先事項ね。その後は彼を落とす算段になるけど、その前に今の彼女をどうにかしないと…」
美遊「……え?」
サファイア「……はい?」
凛「…?どうしたのよ、二人とも?」
サファイア「え、えーっとですね。今の話から察するに、凛様とイリヤ様は士郎様の彼女が誰なのかを突き止めようとストーキングしていた、ということですよね?」
凛「その通りだけど…何よ今更?」
サファイア「…大変申し上げ難いのですが…」
凛「…?」
美遊「……私」
凛「……はい?」
美遊「士郎さんから聞いてないの?士郎さんとお付き合いしてるのは、私なんだけど…」
イリヤ クロ 凛「はぁぁぁああぁぁああ!?」
イリヤ「ちょ、ちょっと!どういうこと!?」
美遊「言ったままだけど…つまり、私が士郎さんの彼女で、士郎さんが私の彼氏ってこと」
クロ「そ、それじゃあ何でやる気満々でお兄ちゃんの監視なんてしてたの!?」
クロ「はっ…もしかして、何も知らない私達を見て影で嘲笑ってたりとか!?」
美遊「いや、その、私…士郎さんとバゼットさんがデートしてる、なんて言われたから…」
美遊「てっきり、浮気現場をおさえてくれたのかと思って…」
凛「あ、ああ、なるほど…つまり、美遊にとってこれは浮気調査でしかなかったってわけね?」
美遊「はい…」
凛「あぁ…なるほど。なるほど、ねぇ……」
凛「って!納得出来るか!?」
クロ「まぁ、相手がミユじゃあお兄ちゃんも口を割らないわけだ」
イリヤ「く、クロ…ほっぺをつねってくれない?ギューって」
クロ「イリヤ、現実を受け止めようよ…これは夢じゃないから」
イリヤ「そんなことないって!ほら、ぎゅーって!」
クロ「…仕方ないなぁ…」ギューッ
イリヤ「……い、痛い…」
イリヤ「ど、どういうこと?夢のくせに痛みがあるなんて…」
クロ「だ、か、ら!夢じゃないんだって!」
凛「衛宮君がロリコン、衛宮君がロリコン、衛宮君がロリコン、衛宮君がロリコン…」
凛「あ、アハハハハハハ」
ルビー「あちゃー…こりゃあバグっちゃいましたね、凛さん」
凛「アハハハ、アハハハハハハハハハハハハハ!」
イリヤ「これは夢、これは夢、これは夢、これは夢…」
クロ「……はぁ」
イリヤ「……」
美々「な、なんかイリヤ元気ないね…どうかしたのかな?」
雀花「ずっと美遊のほう見てる…なんか恨めしそうな目で…」
那奈亀「あんな顔のイリヤ、初めて見たかも…」
龍子「アレは明らかに獲物を狙う目だって…」
美々「獲物…やっぱり、イリヤは美遊のことが…」
クロ「一応、言っておくけど、そういうんじゃないから」
イリヤ「……はぁ」
ルヴィア「どういうつもりですの、しばらく暇をくれって…!」
凛「ご、ごめんね…私、ちょっと忙しくなりそうで…」
凛(こいつに頭を下げるなんて屈辱だけど…今回ばっかりは仕方ないわ)
凛(それに、うまくいけば最後に笑うのは私なんだし…まぁ、そう簡単にうまくいくとも思えないけど…)
ルヴィア「…まぁ、貴女が私に頭を下げるのだから、相当の事情があるのでしょうし…」
ルヴィア「仕方ありませんわね。一応、休みの間もお金は振り込んでおきます。今回だけですわよ」
凛「ありがとう!」
ルヴィア(これは…いいタイミングですわね)
ルヴィア(トオサカ・リンさえいなければ、私の研究が邪魔されることはない…絶対にバレてはいけない研究ですし、いなくなってくれれば好都合ですわ)
ルヴィア(毎晩のように美遊の惚気話に耐えてきたかいがあったというもの…これでようやく、着手できますわ)
ルヴィア(さぁ、絶対に開発してみせますわよ、あの魔術を!)
放課後、帰り道
イリヤ「……はぁ」
クロ「…イリヤ、元気ないね」
イリヤ「クロは元気だね…」
クロ「そりゃあ、お兄ちゃんがロリコンってことは、私達が有利ってことだしね。一緒にいる時間だって一番多いわけだし、逆転も出来なくはないって」
クロ「前よりはずっとやりやすくなったと思うけど?」
イリヤ「そう言われても、あんまりピンとこないよ。それに…その、ミユの彼氏をアレするってことになっちゃうし…」
クロ「別にそこまでする必要もないと思うけど?」
イリヤ「……へ?」
クロ「一対一にこだわらなくても、三人一緒に愛してもらえばいいんじゃない?」
イリヤ「三人一緒…って…」
イリヤ「え!?えぇぇぇええ!?そ、それはダメ!ダメだよ!」
クロ「ははは、ま、イリヤならそう言うと思ったよ」
クロ「ところで、私は面白いもの見つけちゃったんだけど」
イリヤ「お、お…面白いものって?」
クロ「ほら、あれ」
イリヤ「あれって……お兄ちゃん?」
クロ「あれ、多分デートの待ち合わせだよ。ほら、昨日買ってきてた服着てるし」
イリヤ「あ…本当だ」
クロ「ね、イリヤ…私達がどうするかは、あれを見てから決めてもいいんじゃない?」
数分後
美遊「あ、ごめんなさい、遅くなって…」
士郎「いやいや、時間には遅れてないよ。俺もそんなに待ってないし、謝ることはないさ」
美遊「ありがとうございます……」
美遊「…士郎さん、その服装…」
士郎「ん?ああ、デートするんなら最低限のお洒落くらいしろって言われてさ」
士郎「イリヤが選んでくれたんだけど…」
美遊「……よく、似合ってますよ」
士郎「そっか…ありがとう」
美遊「でも…」
士郎「…ん?」
美遊「彼氏の服装くらい、私が選びたいです」
美遊「だから…今日のデートは、ショッピングにしましょう。士郎さんの服、私にも選ばせてください」
士郎「はは、二日続けて俺は着せ替え人形か…」
美遊「い、嫌なら…」
士郎「そんなことないさ。その代わり、俺にも美遊の服、選ばせてくれよ」
美遊「……はい!」
遅くなってすみません、今日はここまでで…
なんだかイリヤのストーキング日記みたいになってきた…
数時間後
イリヤ「さぁ、クロ!どうやったらお兄ちゃんと一緒になれるか、作戦会議しよう!」
クロ「…なんか、やる気満々だね…イリヤ」
イリヤ「い、いやほら…何だかんだで自分の欲望には勝てないというか…」
クロ「ま、気持ちはわからなくもないよ。あれは凄かったもんね…」
クロ「態度とか性格が変わったってわけでもないけど、明らかに違うし…なんか、大切にされてるんだ、ってのがヒシヒシと伝わってきたよ…」
イリヤ「でしょ!」
クロ(でも、イリヤも自分では気付いてないみたいだけど、同じくらい大事にされてるよね…)
クロ(まぁ多分、私もなんだろうけど…)
クロ(こういうのって、自分では気づかないものなのかな…?)
イリヤ「あれ見たら、もうキュンって来ちゃって…」
クロ「…まぁ、それはいいけどさ、イリヤ…」
イリヤ「ん?」
クロ「あくまで一対一にこだわるのなら、私も敵の一人だって、認識出来てるの?」
イリヤ「出来てるよ。でもね、私もう別に一対一にこだわったりはしてないから」
クロ「……へ?」
イリヤ「だってほら、私達がお兄ちゃん奪っちゃったら、今度はミユが同じことすると思うし、そうなったら堂々巡りでしょ?」
イリヤ「だから、当面の問題は、お兄ちゃんに一対一のこだわりを捨てさせること!」
クロ「なんか…色々吹っ切れたね、イリヤ…」
ルビー「ふふふ、それもこれも、ぜーんぶ私のお陰ですよ」
クロ「私のお陰って…イリヤに何かしたの?」
ルビー「はい。実は見せちゃったんですよ、無人島で録画してた映像を」
ルビー「そしたらイリヤさん、完全にその気になっちゃって。いやぁ、やっぱり、思い出っていうのは残しておくものですね」
クロ「無人島って…何かあったっけ?そういうの?」
ルビー「おやおや?そういえば、クロさんの記憶も消してましたっけ…」
ルビー「それでは、見せてあげましょう!一夜の過ちというやつを!」
士郎「ただいま…」
セラ「ああ、お帰りなさい、シロウ」
リズ「お帰りー」
士郎「リズ…ほら、頼まれてたの」
リズ「お、ありがとー」
セラ「リズ…メイドがシロウをつかいに出すなんて、どういう了見ですか!」
リズ「いやだって、用事があるっていうから、そのついでに」
セラ「言い訳にもなってませんよ!」
士郎「さて、それじゃあ」
セラ「シロウ!言っておきますけど、今日の夕食は私が当番ですからね」
士郎「分かってるよ…」
イリヤ「あ、お兄ちゃん、お帰りー」
士郎「ああ、ただいま、イリ……ヤ?」
セラ「い、イリヤさん…?その格好は?」
イリヤ「え?この格好…?えへへ、セクシーでしょ?」
イリヤ「にゃおーん、なんて…」
セラ「そ、そ…そこになおりなさい!」
イリヤ「…へ?」
士郎「イリヤ…流石にそれは…」
イリヤ「えぇぇええぇ!?絶対うまくいくと思ったのに!」
セラ「何がうまくいくというんですか!?そんなはしたない格好をして!」
セラ「大体、イリヤさん、貴女という人は…」
士郎「……長くなりそうだし、俺が夕飯作ったほうがいいかな?」
リズ「うん、おねがー」
セラ「いいわけないでしょう!先に料理しますから、イリヤさんはここで正座して待っておくように!」
イリヤ「……はい」
着信音「~♪~♪」
士郎「あ、俺の携帯か…」
士郎「もしもし…慎二か?」
慎二「やぁ、こんばんは」
士郎「ん?」
慎二「今日、一緒に夕食でもどうだい?桜もいないから料理人が欲しいんだよ…」
士郎「ごめん、慎二…今ちょっと立て込んでてさ、悪いけど、少し待っててくれないか?」
慎二「なんだよ、待たせるのか…ならいいよ。外食でもするさ」
慎二「にしても、珍しいじゃないか。僕の頼みを断るなんて…もしかして、とは思うけど、デートか何か?」
士郎「そんなんじゃないさ」
慎二「ふーん…ま、いいさ。頑張りなよ、色々と」
士郎「へ?頑張れって……?」
慎二「なんでもないさ…それより、次は絶対に来いよ」
士郎「あ、ああ。前もって連絡しといてくれたら、空けておくよ」
士郎「じゃ、またな、慎二」
慎二「あ、ちょっと待てよ。最後に忠告してやるから」
士郎「忠告?」
慎二「明日の朝練には絶対に来るなよ…というか、出来ればしばらく部活には来るな」
士郎「は?」
慎二「なっ…!?帰ってきた…?」
士郎「帰ってきた…って、桜がか?よかったじゃないか」
慎二「あ、ああ…それじゃあまたな!」
ガチャ
士郎「…?どうしたんだ、慎二のやつ?やけに慌ててたみたいだけど…」
士郎「それに、部活に来るなって…」
セラ「シロウ、お皿を並べていただけますか?」
士郎「あ、ああ…」
イリヤ「クロー!晩御飯出来たってよー」
セラ「イリヤさん、どさくさにまぎれて正座を崩さないように」
イリヤ「はーい…」
バタバタバタ
クロ「ごめん、お待たせ」
イリヤ「……あ」
リズ「おぉ…」
士郎「……クロ…」
セラ「そこに…なおりなさい!」
ここまでで
デートシーンはそのうち別のところで…
無人島での話はドラマCDからです
マキリ・ゾォルケン
(温泉旅行若返り中) 「ユスティツアー たんの笑顔萌え。」
雁夜 「葵さん 葵さん葵さん ブツブツ」
ランス 「王の困った顔萌え。後、不倫の背徳感サイコー。」
ハサン先生「あんたら、いい加減大人になれや!コンチクショー」
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ワロタ