アーニャ「……ルルーシュってイケメンだったよね。」(814)

【宴会場】

ザワザワ…ワイワイ…

ミレイ「……はい?」

セシル「あの……」

カグヤ「……」キッ

アーニャ「……なに?」

カグヤ「アナタ……」

セシル「まあまあ…」タジ
ナナリー「アーニャさん……」

ニーナ「ナナリーちゃん、この人少し静かにさせてよ!」

セシル「ニーナさん、総督に向かってそんな……」

ナナリー「良いんですセシルさん」ニコ
ナナリー「今日は無礼講の日ですから呼称も楽にするよう事前に伝えたはずです」

アーニャ「そうそう…」
アーニャ「今日は悪逆皇帝から解放された日」
アーニャ「……そして、ルルーシュの命日。」

カグヤ「……カレンさんがいなくて良かったですね」
カグヤ「いたら今ごろアナタは床に転がっていたところでしてよ?」

カグヤ「あっ」
カグヤ「では"いたほうがよかった"ですね」ニコ

セシル「……」ハハ

アーニャ「そう?」
アーニャ「案外賛成するんじゃない……」
アーニャ「惚れてたんでしょ、"アレ"」

ミレイ「  」ブチ
ミレイ「ねえ、アーニャちゃん?」

アーニャ「……なに?」

ミレイ「いい加減にしないとカレンがいなくてもお仕置きされちゃうからそれ以上はやめてね」ニコ

アーニャ「……」

ニーナ「……ゼロは私達に酷い事をしたわ」
ニーナ「それもたくさん……」

アーニャ「でもイケメン」

ニーナ「!」ギロッ

カグヤ「!このっ」ブンッ

ガシッ
カグヤ「!」クルッ
カレン「カグヤ様、そこまでにしましょう」ニコ

カグヤ「カレンさん……」
カレン「……なので」

ドガッ!!
アーニャ「!」バタンッ
カレン「"コレ"は私からお仕置きしておきます」

アーニャ「……」
カレン「……なによ?」
アーニャ「ルルーシュ……好きだった?」

カレン「っ…」
カレン「……ええ」
カレン「好きだったわ」

アーニャ「そんなこと他かの人たちの前で言うと大問題」
カレン「そう?いいじゃない、べつに」

アーニャ「……つまんない」
カレン「つまらなくてごめんね?」
カレン「でも今日は無礼講だから、この話はもうやめ。で、許すよ」ニコ

アーニャ「……でもイケメンだった。」
カレン「  」ブチッ

カレン「このっっ!!」ブンッ

ガシッ
カレン「!」

ゼロ『……』

カレン「ゼロッ!?」
ニーナ「ゼロ……」ギリ

ナナリー「今回の式典では私と共に出てくれました」
ナナリー「ついでにここにも呼んでおきました」ニコ

ナナリー「本人は渋々承諾してくれましたが……」フフ

ゼロ『……』

カレン「(……このゼロはルルーシュじゃない…)」
カレン「(おそらく"スザク")」キッ

セシル「……まあ」
セシル「ここは総督とゼロもおられるので暴力行為はほどほどに…」アセ

アーニャ「……」

ゼロ『……』

アーニャ「アナタは…ス ムグッ

ゼロ『(アーニャ!)』アセッ

ナナリー「アーニャさん……っ」アセ

ニーナ「ゼロが人を襲ったわ!」

ゼロ『(ちがうっ!!)』タラ

ミレイ「ただいまゼロが民間人(オレンジ農場勤務)を…」ニコニコ

セシル「ミレイさんも悪ノリしないでください」アセ

ギャー ワー

――…
カレン「……疲れた」

ミレイ「まあ、今日は無礼講なんだから」
ミレイ「モラトリアム時代の話は楽しく……ね?」ニコ

アーニャ「モラトリアム言いたいだけ。」

ミレイ「……はは…」キッ

ミレイ「ま、まあ」ハハ
ミレイ「そういいワケだから楽しい話をしましょうよっ」ニコ

ナナリー「そうですね」ニコッ

ミレイ「じゃ~んっ」
バッ

カグヤ「これは……」

ミレイ「モラトリアム時代の集合写真よ!」

ニーナ「みんな若い……」

ミレイ「今も"若い"わよぉ? ニ ー ナ 」ニコ

ニーナ「そ、そうだね」タジ

セシル「本当、みんな若いわぁ」パァッ

カレン「本当……」

アーニャ「やっぱりルルーシュはイケメン。」

ニーナ「!」キッ

ミレイ「まあ……」
ミレイ「たしかにイケメンではあったわね」

ニーナ「ミレイちゃんっ!?」

ミレイ「まあまあ」

ミレイ「正直、ちょっとは良いかもなんて思ってたんだよねー」ハハ

カレン「はあっ!?」
カレン「か、会長……それって」

ミレイ「なに?」ニコッ

カレン「いや、だから……その。ルルーシュを……」アタフタ

ミレイ「かわいいわねぇカレンは」ニィ

ニーナ「や、」
ニーナ「やだなあミレイちゃんは……そんな冗談…」

ミレイ「んー?」ニコニコ

セシル「(冗談なのかわかりづらいことを言うわね)」タラ

カグヤ「まあ…」
カグヤ「私の夫ですもの。恋慕の気持ちを抱くのも不思議じゃないですわ」

カレン「カグヤ様まで!」アセッ

アーニャ「……ほら」
アーニャ「やっぱりイケメン。」

アーニャ「身長も高いし。」

ミレイ「175以上はあったわよね?」
カグヤ「178ですわ」ニコ

アーニャ「イケメン。」

セシル「確かにイケメンだったけど…」チラ
ニーナ「みんな……」ギリッ

アーニャ「声も。」

ナナリー「はいっ私の目が見えない頃からも声は聞いていましたから」ニコッ

カレン「ま、まあ否定しないけど…」ツン

アーニャ「……なんで殺したの?」

ゼロ『!?』
ゼロ『……』

ニーナ「ルルーシュを殺したのは正解よ!それに殺されて当たり前よあんなヤツ!!」

カレン「  」キッ
カレン「さっきから聞いているけど…いいかげんウザいわよ」

ニーナ「なによ!アナタは所詮イレブンだからこの気持ちがわからないのよっ!!!」

ミレイ「でも成長して初めてルルーシュの顔を見たときはどう思ったの?」

ナナリー「それは……」

ナナリー「あるカギを奪われないよう必死だったんですけど……」
ナナリー「初めて見たとき」

ナナリー「"あっカッコイイ"って」

ミレイ「ひゅーひゅー」ピュー

ニーナ「……」ワナ

ナナリー「押し問答をしている間も"カッコいいな……"と」カアァ

カレン「いやぁ……」テレ

天子「どうしてカレンさんが照れるんですか」ハハ

カグヤ「あら遅かったのですわね」

天子「シンクーが中々離してくれなくて」

ニーナ「ノロケかよ……」ゴク

アーニャ「シンクーはまだ生きてるんだ。」

天子「!?」
カグヤ「アーニャさん!」

アーニャ「だって……昨日も血を吐いてたし」
アーニャ「"死ぬ死ぬ詐欺"?」

天子「もうっ!」イ~

アーニャ「でもイケメン。」

天子「それは……エヘへ」

ニーナ「……けっ」ゴク

セシル「イケメンと言えば」
セシル「スザクくんも可愛い顔をしていたわよね」ニコッ

ゼロ『っ』ドキッ

アーニャ「あれは……老けたら劣化するタイプ。」

ゼロ『……』

ミレイ「ジノは?」

アーニャ「あれは顔だけ。」

ミレイ「おちゃらけてるのがねぇ」

ナナリー「真剣なときとのギャップが良かったりしません?」

セシル「ノリノリですね、総督」フフ

ニーナ「……」
ニーナ「シュナイゼル様」

一同『あ~』

ミレイ「確かにイケメンよね」ニコ
セシル「まあ……大人の魅力もありますし」
カグヤ「ですが……」チラ

ゼロ『?』

アーニャ「シュナイゼル、ゼロとホモ疑惑。」

ゼロ『!?』

ミレイ「なんか…ゼロの言うことならなんでも聞く感じよね」ハハ

カグヤ「そういえば…」チラ

アーニャ「?」

カグヤ「ジェレミア卿とはどんな様子で?」

アーニャ「……はあ?」

ナナリー「二人暮らしですよね…」ドキドキ
天子「まあ……」ポッ

アーニャ「なんでもな ミレイ「ああ言わなくていい言わなくていい」

アーニャ「わかってくれ ミレイ「歳の差なんて関係ないわよ」

アーニャ「……」

セシル「まあ、当人同士の気持ち次第なので…」

アーニャ「だから……」
アーニャ「ん?」チラ

ニーナ「……」
ニーナ「ふっ」ニマ

アーニャ「  」ブチ

アーニャ「もういい…」ハァ

カレン「そういえば……C.C.は?」

カグヤ「それが……」
カグヤ「毎年ゼロ様…ルルーシュ様のお墓に献花なされているのはわかっているのですが」

カグヤ「今年はまだ…」

カレン「ふうん……」

ミレイ「なに?恋敵が気になる??」フフ

カレン「ばっ、そんなんじゃありません!」

ミレイ「そう?…」
ミレイ「で、アンタ。ルルーシュとはどこまでいったの?」

カレン「なっ!?」

カグヤ「それは……是非にとも聞きたいですわ」ニコッ

カレン「カグヤ様、顔が怖いです……」アセ

カレン「私!少し風に当たってきますっ」
ダダッ

……
アーニャ「……逃げた。」

ミレイ「あちゃー、ちょっとイジワルしすぎちゃったかな」ハハ

ナナリー「もう、悪ノリしすぎですよ」

ミレイ「まあ……いいんじゃない?」
ミレイ「気づいてた?あの子、今にも泣きそうな顔してたんだよ」

ナナリー「え……」

……―
カレン「…はあっ、はあ」
カレン「誰も追ってこない…よね?」チラ

カレン「……」ハァ

カレン「ルルーシュ……」

『どうしたんだ?らしくない顔だな』

カレン「っ!?」

すみませんこの後はルルーシュ無双なのでNTR大丈夫な方々はお付き合いください

夕飯食べてきます

カレン「今の声……」クルッ

?『何日ぶりだろうな』

カレン「それを言うなら"何年ぶり"じゃない?」

C.C.「そんなのどっちでもいいさ」フッ

カレン「……久しぶりね」

C.C.「なんだ、またしみったれた顔をした」
C.C.「言ったろう?"らしくない"って」

カレン「……まあいいわ」
カレン「で、今ごろ姿を表した理由は?」ハァ

C.C.「なんだ、理由が無いと旧知の人間に会っちゃいけないのか」

カレン「……そんなくだらい言い合いをしたいだけなら戻るわよ?」

C.C.「冗談だよ」フッ

カレン「変わったわね、アナタ」

C.C.「おたがいに、な」

カレン「この何年か、どこでなにをしていたの?」

C.C.「少し世界を散歩していたさ」

カレン「ずいぶん範囲の広い散歩だこと」

C.C.「帰る場所が無いからな」フッ
C.C.「いや、帰る場所を探すために歩いていたのか?どうでもいいが」

C.C.「そういうお前は?なにをしていたんだ――ルルーシュが死んでから。」

カレン「っ…」グッ
カレン「学校を卒業して…」

C.C.「卒業して?……大人しく働いてでもいたのか」

カレン「……悪いの?」

C.C.「……なに、悪いことなんてないさ」
C.C.「ただ…」
C.C.「やっぱり変わったんだな、と思ってな」

カレン「……変わるのが人よ」

C.C.「だが変わらないものもある」スッ

カレン「これは……」

C.C.「この紙にある住所に行け」

カレン「……ここに、なにがあるの」キッ

C.C.「なにがある?」
C.C.「"なにかがいる"とだけ言っておくよ」

カレン「……そんな怪しい場所、行くわけないじゃないっ」

C.C.「そうか、それなら仕方ない」
C.C.「返してもらおうか」スッ

C.C.『"ルルーシュに会う手がかり"を』

カレン「!?」

C.C.「ほら、どうした?早くそれを返せ」

カレン「いま……なんて…」

C.C.「なんども言わせるな」ハァ

C.C.「その紙は、ルルーシュに会う手がかりだ。」フッ

カレン「る、ルルーシュに会う手がかり…?」ブル

C.C.「どうした?顔が真っ青だぞ」フフ

カレン「っ!」
カレン「どういうことよ!"ルルーシュに会う手がかり"って!!」

C.C.「まったく」
C.C.「青くなったり赤くなったり忙しい女だ」

C.C.「言葉の通りだよ。そこに行けばルルー カレン「嘘よっ!!」

C.C.「……」

カレン「彼は…ルルーシュは死んだ……」

C.C.「お前はアイツに死んでいてほしいのか?」

カレン「ちがうっ」
カレン「ちがう、けど……そんなこと、ありえない」

C.C.「……ふむ」

C.C.「カレン、お前は今までなにを聞いて、なにを見てきた?」
カレン「……?」

C.C.「あっただろう?この世界には…」

C.C.『……"ギアス"がな』

C.C.「どこで、なんのギアスによりルルーシュがこの世界にいるのかは教える気は無いが」
C.C.「アイツが今に存在している。……これは事実だ」

カレン「……」

C.C.「……カレン?」

カレン「アイツが…ルルーシュが……生きてる…」
カレン「ルルーシュが…いき、てる」

C.C.「まあ、そういうこ――」

カレン「っ」グッ
ダダッ

C.C.「!」
C.C.「おいっカレン!」

タッタッタ…

C.C.「……やれやれ、せっかちなやつだ」フッ

C.C.「気づいているか?カレン」
C.C.「会った時は今にも悲しく、泣きそうだったのに」
C.C.「走っていくお前は、今にも泣きそうな――笑顔をしているよ」フフ

カレン「この住所……」ペラ

カレン「ここからじゃ遠い…それにこんな時間じゃタクシーくらいしか使えない」

カレン「……っ」

――…

カグヤ「それでゼロ様が……」

バンッ!
カレン「カグヤ様!!」

カグヤ「……カレンさん?」

カグヤ「お願いします!ヘリ一台を私に貸してください!今すぐに!」

カグヤ「ヘリだなんて…一体なにに……」

カレン「……」キッ

カグヤ「!」
カグヤ「……わかりました」

カレン「カグヤ様!」パァッ

カグヤ「その顔は大変な急用なのでしょう……すぐに手配はしますから。…お着替えの方は?」

カレン「大丈夫です!このままっ一秒でも早く行きたい場所があるんです!」

――…

ナナリー「……行ってしまわれましたね…」ポカン

天子「恐いくらいの勢いでした……」

カグヤ「なにをしになんのために行くのかはわかりませんが」

カグヤ「久しぶりにカレンさんのあの表情を見ましたわ」ニコ
カレン「今を――運命を、この手に手繰り寄せる強い、思いの籠った良いカオです」

――…
ブロロロロロロ…

カレン「(アイツに会う手がかり……)」

カレン「なぜだか、明日じゃ駄目な気がした…」

カレン「今すぐにじゃないと二度と掴めないチャンス……そんな気が」

カレン「……ここで下ろしてください。後は一人で大丈夫ですので…はい、カグヤ様には改めて……はい…」

ブロロロロロロ…ロロ……


ジャリ…

カレン「ここって……」
カレン「ただの、アパート」

カレン「……」
カレン「どこかアングラ臭い建物かと思ってたけど…意外と普通の場所なのね……」

カレン「C.C.がこんな手の込んだイタズラをするワケが無い…と思いたいけど」
カレン「……」ゴク

カレン「なによ、私は幾多の死線を掻い潜って数多の困難な壁を壊してきたじゃない」
カレン「こんな扉一枚空けるくらい…」
カレン「……こんな…」
カレン「……」
カレン「チャイムを鳴らす前に深呼吸しておこう」スゥッ…ハァ

カレン「……よしっ」
カレン「いくわよ…」ゴク
ピンポーン

カレン「……」

……
カレン「……あ、れ?」
カレン「もう一度……」ピンポーン…

……
カレン「へ…」
カレン「留守……?」

カレン「……っはあ…」ガクッ
カレン「緊張して損した…」
カレン「…なによ!もうっルルーシュのバカッ!」
ドンッ!!

ガチャ
『おい、五月蝿いぞ。静かにしろ』

カレン「!」
カレン「あっ人がいると思わなかったので…すみま……」

カレン「……え?」

ルルーシュ『……っ』

カレン「る、るー…しゅ?」

ルルーシュ「っ」
キィーッ

ガシッ

カレン「ルルーシュ!」

ルルーシュ「……」
スゥ…

キィ…

カレン「ルルーシュ……」

ルルーシュ「……」

カレン「あなた、生きて……」

ルルーシュ「カレン……成長したな」

カレン「え?な、なによ急に」
カレン「身長?精神的に?もしかして胸のこと??やめてよね別に褒められても嬉しくなんか」テレテレ

ルルーシュ「俺は……やっぱり…」

カレン「……ルルーシュ?」

ルルーシュ「……用があって来たんだろう。中に入れ」

カレン「あ……うん」

カレン「ずいぶんさっぱりした部屋ねえ」チラ

ルルーシュ「……」

カレン「……」グッ
カレン「ルルーシュ!」
ガバッ

ルルーシュ「!?」
バタン

カレン「もう…女一人くらい支えなさいよ…」

ルルーシュ「……馬鹿を言え。重いんだよお前は、要所要所が」

カレン「そういうデリカシーの無い言い方、変わってないのね」

ルルーシュ「変わらないさ、人は簡単にはな」

カレン「……だめ」

ルルーシュ「……」

カレン「もう、ガマン出来ない…」

チュッ

カレン「ずっと、もう一度こうしたいって……こう出来たらって、思ってた」

ルルーシュ「……」

カレン「ルルーシュ……」

ルルーシュ「……」
ルルーシュ「さっき、お前は俺に向かって"変わってない"と言ったな」

カレン「……?言ったけど…」

ルルーシュ「変わっていないのは性格だけではない」

カレン「……」

ルルーシュ「身体もあの頃の……ゼロレクイエム当日のまま、なにも成長していないんだ」

カレン「……え」
カレン「だってこれまで生きて……あっ」

ルルーシュ「そうだ」
ルルーシュ「俺はギアスの力によって現在にいる」

ルルーシュ「C.C.から話は聞いた。今は俺が死んでから数年経っていることを」

カレン「で、でも……今生きているなら良いじゃない」

ルルーシュ「なにが……いいものか」ギリッ
ルルーシュ「なあカレン」
ルルーシュ『今すぐに俺を殺してくれないか』

カレン「っ!」

ルルーシュ「俺は、生きているべき人間じゃないんだ」

カレン「いやっ!そんなの…」

ルルーシュ「カレン…俺は……」

カレン「せっかく……せっかくまた会えたのに…」
カレン「目の前にルルーシュが、生きてここにいるのに…」

カレン「そのルルーシュを殺せなんて……そんなこと…」

ルルーシュ「……」

カレン「ルルーシュ…」
ルルーシュ「…すまない」

カレン「はあ…」ホッ

ルルーシュ「俺もどうかしていた」
ルルーシュ「どうせ死ねない身体なんだ…殺されもしない……」

カレン「!どういうこと?」

ルルーシュ「……なんだ、その様子だとなにも聞いていないみたいだな」

――…
カレン「……そんなこと」

ルルーシュ「事実だ」

カレン「だってそんなのって」

ルルーシュ「2時間前、C.C.はカレン、君に会いに行くと言って出ていった」
ルルーシュ「俺はてっきり全てを話すのだと思っていたが…」チラ

カレン「……」

ルルーシュ「あの魔女め…なにを考えている」

カレン「C.C.は、アナタにも何も話していないのよね?」

ルルーシュ「ああ」
ルルーシュ「今があの日から数年経っている。死なない身体にされている……これは自分で調べた…まあ、"死なない"方は結果"死ねなかった"からわかった事だがな」

カレン「……」

ルルーシュ「……なに、もう死ぬ気は無いさ」

ルルーシュ「今世界はどうなっている?」

カレン「あ、うん……順調に、悲しい人々が減ってきて…良い世界になってきてると思う」

ルルーシュ「そうか……」

カレン「……」
カレン「だから」

ルルーシュ「?」

カレン「C.C.はなにも話さずにいるかも知れないけど、アナタを生き返らせたのは……アナタを思ってだと思うの」

ルルーシュ「……」

カレン「今度は、ナナリーのためでもない、世界のためでもない……ルルーシュ、アナタ自身のために生きたら良いじゃないっ」

ルルーシュ「……」

カレン「ルルーシュ?」

ルルーシュ「そうだな」
ルルーシュ「その案、悪くない」ニコッ

カレン「ルルーシュ」ホッ…

カレン「あの……」

ルルーシュ「?」

カレン「今日、泊まっていってもいい…かな?」ドキ

ルルーシュ「……ああ、構わない」ニコ
ルルーシュ「じゃあもう寝るから…先に寝室へ行ってくれ」

カレン「わ、わかった……」カアァ

――…

カレン「……遅い。」
カレン「なにやってるのかしらルルーシュ…」
カレン「もしかして向こうで寝てるなんてこと…………ありえる」
ガチャ
スタスタ
カレン「……ねえルルー…!?」

ルルーシュ「ではなぜ俺なんだ……」
ルルーシュ「なぜユフィを……シャーリーを生き返らせなかった…」
ルルーシュ「俺を生き返らせた理由があるなら教えろ、魔女……」グッ


カレン「……ルルーシュ」ウル

ガチャ
ルルーシュ「……カレン、寝たか?」

カレン「……起きてる」

ルルーシュ「そうか……」

カレン「……」

ルルーシュ「……」

……

カレン「な、なにか言いなさいよ」

ルルーシュ「ん……あ、ああ……」
ルルーシュ「カレン、君はこの数年で男を作ったか?」

カレン「作ってない…」
カレン「作れるワケ、ないじゃない」

ルルーシュ「そうか……それは、すまない」

カレン「だから……」

カレン「数年分、愛して。」

ルルーシュ「……俺にとっては、数日だ」

カレン「……ばか」ニコ

――…チュンチュン

カレン「!」バッ

カレン「朝…………夢?」
カレン「……なワケないか、この部屋はルルーシュの…」

カレン「ルルーシュっ」

カレン「ルルーシュは??」バッ
タッタッタ

ガチャ

カレン「……」ハアハア


ルルーシュ「どうした?息を切らせて」

カレン「……っはぁ~」ハァ
カレン「ルルーシュが、もしいなくなったらって思って」

ルルーシュ「……ばかだな」
カレン「なっ」

ルルーシュ「この姿だ、もしもを考えると外には出られない」
ルルーシュ「せっかく世界が良い方向へ進み出したんだ。ヘタをうって壊したくないからな」

カレン「……うん」
カレン「あっ、朝ごはんなら私に任せてよ」ニコッ

ピンポーン

カレン「あっ私出るね」

ルルーシュ「おいっ必ず相手の姿を確かめてから開けろよ!」

カレン「はーい」
ガチャッ

C.C.「不用心だな。きちんとカメラ映像で姿を確かめたのか?」

カレン「C.C.!?」

C.C.「寝不足で正しい判断が出来なかったのなら仕方がないか」

カレン「それって……」

C.C.「昨晩は隣の部屋まで響いて五月蝿かったぞ。さすがに連日は自重してほしいところだな」

カレン「ぁ……」カアァ

ルルーシュ「お前……隣の部屋にいたのか」

C.C.「おや。少し顔つきが大人になったか?元童貞君」ニィ

ルルーシュ「くっ!」チッ

C.C.「どうだ?もう思い残すことはないんじゃないか?」

ルルーシュ「……まず中に入れ」

C.C.「拒否するよ。女の味を知ったお前になにをされるかわからないからな」

ルルーシュ「お前はなにを……っ」

C.C.「ほら、朝飯だ」
スッ

ルルーシュ「……またピザか」

C.C.「文句を言うな、死ねなくても腹は減るだろう?」フッ

ルルーシュ「……C.C.、俺に生を与えた理由はなんだ?」キッ

C.C.「理由?……自惚れるな」

ルルーシュ「っ」

C.C.「私の気まぐれでお前はここにいる。それだけだ」

ルルーシュ「!おいっユフィは!?シャーリーは現在に生き返らせられないのか!!」

C.C.「……無理だ」

ルルーシュ「なっ……」

ルルーシュ「なぜだっ!?」

C.C.「あの力はあと一度だけしか使えなかった」

ルルーシュ「だからなぜ俺なんだ!」

C.C.「何度も言わせるな。気まぐれだ」

ルルーシュ「俺はお前を少なからず知っている。なんの理由も無しにこんなことをする人間ではない!」

C.C.「おや、まだ私を人間と呼んでくれるのか」
C.C.「それに、少し一緒にいただけで私の事を知った気でいるのはやめてくれ。お前は私の元カレか。」

ルルーシュ「C.C.!!」

C.C.「……もうここにはこないよ」

ルルーシュ「おいっ!」

C.C.「お前が外に出て……なにかを掴んだなら再びお前の前に現れよう」ニコ

ルルーシュ「貴様っやはりなにか企んで……待て!」

バタン!!

ルルーシュ「くっ」
ガチャッ

……シーン

ルルーシュ「あの魔女…」チッ

カレン「ルルーシュ……」

ルルーシュ「カレン、この部屋を出るぞ」

カレン「出るって……行く当てはあるの?」

ルルーシュ「……」

カレン「じゃあさ、ウチに来ない?」
カレン「今一人暮らししてるしさっ」

カレン「とりあえずこの部屋を出たいんでしょ?次の目的が決まるまで居たら?」

ルルーシュ「……助かる」
ルルーシュ「これから何度か…君には迷惑をかける事になるかもしれない」

カレン「なに言ってるのよ」ニコ
カレン「私は紅月カレンよ?何度もアナタの無理を聞いてきたじゃない」

ルルーシュ「……感謝する」

カレン「他人行儀ね……まあいいわ、とりあえずウチにいきましょう?」

【紅月家】

ルルーシュ「C.C.の思惑がわからない今、当面の目的を探さなければいけない」

カレン「ルルーシュは、その…素性の件もあるし外には出られない」
カレン「ましてや働くなんて出来ないでしょ?」

カレン「だから家にいる間はなにもしないで自分のことだけに時間を使っていいのよ」ニコ

ルルーシュ「それは……悪いだろう」
ルルーシュ「ネットを使って色々やるさ。」

カレン「無理はしなくていいからね?」
カレン「料理もそれ以外の家事も全部私がやるからっ」

ルルーシュ「……それくらい俺にも出来るさ」

カレン「いいっていいって」
カレン「ルルーシュは早く目標を見つけ出して、さ。」
カレン「ちゃんと……本当の笑顔を見せて、ね」ニコッ

ルルーシュ「カレン……」

ルルーシュ「とりあえず、だ」

カレン「?」

ルルーシュ「ナナリーに会いた……いや、」
ルルーシュ「一目見るだけでいいんだ!」
ルルーシュ「それだけで良い、ナナリーを…」

カレン「……わかった」

ルルーシュ「カレン……」
カレン「昨日は式典に出ていたし、今日くらいならまだ日本にいると思うわ」
カレン「後で会いに行きましょう?」

ルルーシュ「……おかしい」

カレン「な、なにが?」

ルルーシュ「カレンはここまで気の利く女ではなかった……」

カレン「そ、そう……」イラ

ルルーシュ「昨日からやけに優しい……本当にカレンなのか?」
バチンッ!

ルルーシュ「っ!?」

カレン「どう?久しぶりのビンタは。思い出した?」

ルルーシュ「ああ……この平手打ちは、間違いなくカレン、君のだ」ヒリ

ブーン…
カレン「車でとばせば彼女のいる大使館まで1時間弱ってところね」

ルルーシュ「……」

カレン「どう?今の東京…日本は。」
ルルーシュ「外観は変わっていないな……だが」チラ

ワーワー ワイワイ
ルルーシュ「……日本人とブリタニア人が仲良く話している光景がそこかしこに見られる」
ルルーシュ「……確かに、変わったんだな」

カレン「これから、もっと変わるよ」
カレン「いや」
カレン「変わらなくちゃならない……そのためにルルーシュは死んだんだから」

ルルーシュ「ああ……そうだな」
ルルーシュ「んっ?」

ルルーシュ「あのビルに付いてる液晶…あれに出てるのは」

カレン「?ああ、ミレイ会長。今は報道アナをやってる」

ミレイ『ただいま画面に映っているのは昨日の式典です…これは……』

ルルーシュ「そうか……国だけじゃない。人も変わっていくんだな」

カレン「ルルーシュ……」

ルルーシュ「ゼロはナナリーと一緒に行動しているんだろう?」

カレン「ええ。昨日も式典で一緒だった」

ルルーシュ「(いくらスザクであっても死んだ人間が目の前に現れて大丈夫だろうか)」
ルルーシュ「(しかし、スザクの協力を得られれば今後の行動が大分楽になる……)」

ルルーシュ「……」

カレン「……ルルーシュ」

ルルーシュ「?」

カレン「たぶん、今もアナタは私の考え付かないような思考をしているんでしょう?」
カレン「そして、一人で行動に移そうとしてる」

ルルーシュ「……」

カレン「お願い」
カレン「なにも言わないでいなくならないでね。どこかに行くならどんな遠くであっても私も付いていく」

ルルーシュ「……ああ」

寝落ち…します

おやすみなさい。

再開はpm7:00前後になります……

落ちたら立て直せたら立てます。

オフさんこと◆0f/9jKtPusの立て逃げの歴史。
・◆0f/9jKtPusがスレを立てればなぜか携帯が規制される不思議。
・これまでオフさんにより数十のスレが立てられたと予想されるがそのほとんどが携帯規制によって投げ出しに終わる。
・(例
>兄「ふわ~ぁ……」妹「お兄ちゃん!朝のおしっこちょうだいっ!」←2日後規制
・(例外
>上条「TENGA……??」←即日終了スレは携帯規制の呪いが追い付かず、完結に至ることが判明。
・音無「岩沢……良い締まりだぜ……っっ!!」←またもや規制にかかり、制速に移るもコミケ出展を理由に立て逃げ←new!
・しかし忙しいハズであるが、
>唯「ポケモンかぁいいよ~」をスレ立てするという現行スレ民を裏切るような行為をする。(しかしやはりこのスレも規制にかかり途中終了。)
【常識がありそうで非常識】とは彼の人間性を的確に捉えた言葉。<ABスレ内レスより抜粋。

岩沢の人ってわかった途端に罵倒されてるwww

――…
ブルルロ…

カレン「到着っと」

ルルーシュ「ここが大使館?場所が変わったのか。」

カレン「まあ…あれから色々あってさ」
カレン「ナイトメアもここの地下に安置してある」

ルルーシュ「平和友好の象徴である大使館の下に戦術兵器が保存されているとは……よくできたジョークだ」

カレン「そう言わないの」ハァ
カレン「本当はこのままナイトメアが日の目を見ない事が良いってわかってるんだけど…」
カレン「……紅蓮にまた乗りたいって思うこともあってさ」

ルルーシュ「カグヤかナナリーに頼んで少しくらい搭乗させてもらえばいいじゃないか」

カレン「あの子達は公私の区別ハッキリつけてるし……なにより私自身のケジメでもあるから」

ルルーシュ「……」
ルルーシュ「なるほど、歳をとって増えるのは年齢だけではなく制約も同一だったな」

ルルーシュ「……」チラ

ルルーシュ「今この中にいる権力者はナナリーだけなのか?」

カレン「たぶん……あといたとしたらゼロ、かな」

ルルーシュ「"ゼロ"……」
ルルーシュ「(スザク……ッ)」

ルルーシュ「…まあいい」
ルルーシュ「そろそろ出てくるぞ、入り口が見やすい位置に移動しろ」

カレン「……どうしてわかるの?」

ルルーシュ「なに、移送車が数台…門の前でかすかに移動したからな」
ルルーシュ「あれは護衛開始時のフォーメーションだ」

カレン「……よく見てるのね…」
カレン「アタシにはさっきと車の位置はなにも変わってないように見えるけど――」

ギィッ…

カレン「!」

ルルーシュ「先頭は…当然ながらSPか」
ルルーシュ「(ナナリー…お前の成長した姿、この目でしかと確かめよう)」

スタスタ…

ルルーシュ「ナナリ…―ッ!?」

カグヤ『……?』キョロキョロ

カレン「カグヤ様!?」

ルルーシュ「カグヤ……だと」

カレン「いたとしても不思議じゃないわ、昨日の繋がりで一緒に行動しているのかもしれないしね」

ルルーシュ「……カグヤ」
ルルーシュ「たしかに、あれから数年経っているようだな」

ルルーシュ「成長している」

カレン「すごく綺麗になったでしょう」ニィ

ルルーシュ「……身長、顔立ちからみるにそう何年も経っているワケではないのか」
ルルーシュ「2…3年というところか」

カレン「正解。あれから3年。」

ルルーシュ「……」

カレン「どう?美人になった婚約者は」

ルルーシュ「……なに、まだまだ子供だ」

ルルーシュ「……おかしい」

カレン「なにが?」

ルルーシュ「護衛の車が囲んでいる移送車は一台だけだ」

カレン「……?」

ルルーシュ「後から人が出てくる様子も無い」
ルルーシュ「カグヤ一人分の護送体型だ……もう、大使館の中には誰もいないと言っていいだろう」

カレン「って、ことは……」

ルルーシュ「"ここにナナリーはいない"……ッ」
ルルーシュ「……くっ」

カレン「ま、まあ別に今日会わなきゃもう二度と会えないってワケじゃないし…」ハハ

ルルーシュ「……」

カレン「カグヤ様も生で見る機会少ないんだから先にこっちを見れたから良しってことで良いじゃない」アセ

ルルーシュ「……そうだな」
ルルーシュ「時間は、有り余るほどある。」

ルルーシュ「この後は……どうするか」

カレン「どこか、行きたいところでもある?」

ルルーシュ「無い。C.C.が言っていた言葉の意味を知るには自分から動かなければいけないという事はわかる…」
ルルーシュ「だが今はなにも見当が付かない」

ルルーシュ「(教団が再び動き出したのか?では先に教団の拠点を探す必要が……いや、現在の俺には探す術が無い…)」
ルルーシュ「(それなら… カレン「ルルーシュ!カグヤ様がこっちにっ!」

ルルーシュ「!」ガバッ

――…
カグヤ「やっぱりカレンさんでしたのね」ニコッ

カレン「昨日はどうも…おかげで助かりました」

カグヤ「いえ。お友達として当然のことをしただけですわ」
カグヤ「それにしても…」

カレン「?」

カグヤ「紅蓮カラーのスポーツカー。少し目に痛いですの」

カレン「はは……すみません」チラ

ルルーシュ「(っ……)」ムグッ

カグヤ「それに……」チラ
カグヤ「この良い天気にコート、マスクにサングラス。加えてフードを被って…お隣の方、暑くなくて?」

カレン「いやっ!えぇと…っ」

ルルーシュ「(……っ!)」ブンブン

カレン「あっ…!」
カレン「ほらっ本人も暑くないって言ってますし!」ハハ

カグヤ「そう?ですの」
カグヤ「まあ暑くないのならいいです。」

カグヤ「くれぐれも事故の無いように」クス

カレン「はい、ありがとうございます」ニコ

ルルーシュ「…………」ペコ

カグヤ「それでは…ごきげんよう」フリフリ

――…
ルルーシュ「…一時はどうなるかと思ったぞ」フゥ

カレン「本当、一応変装しておいて良かったわね」

ルルーシュ「まったく……つい咄嗟にギアスを使おうとする仕草をとってしまった」

落ちない限り今週中には完結します。
未完スレについては今後立てます。

ブルルロ…

カレン「カグヤ様も大変ね…」

ルルーシュ「車を出せ。追うぞ」

カレン「えっ」

ルルーシュ「現在一人で行動しているのなら、これから会合する可能性がある。」

カレン「はあ……」
カレン「でもこの車じゃ追っても目立つと思うけど…?」

ルルーシュ「だれも尾行をしろと言っているワケではない」

ルルーシュ「追跡するだけでいいんだ。それにそう遠くには行かないだろう」

カレン「……一応聞くけど。どうしてわかるの?」

ルルーシュ「一定以上の距離があればヘリを使うだろう。目的地へは車で事足りるという事だ」

カレン「……はぁ」カンシン

ルルーシュ「目標が動き出したぞ。早くしろ」

――…
ルルーシュ「来た道を戻る形になったな」

カレン「よかったじゃない。あまり遠くにいくと帰りが大変だったし」

ルルーシュ「それにしても……」チラ

大型モニター<『フハハハハ私がゼロだ!』

ルルーシュ「会長が映っていたビル付属の液晶……あそこにゼロが映っているぞ」

カレン「?ああ、"ZER-ゼル"のことね」

ルルーシュ「ゼル?だと」

カレン「コメディアンよ。最近ゼロの物真似で売れてるの」
カレン「それも今のゼロじゃなく、色々騒いでた頃のゼロ…まあ、ルルーシュの物真似ね」

ルルーシュ「俺の……」チラ

ZER『フハハハハ私がゼロだッッ』シュバッ

ルルーシュ「……あんなポーズをとっていたか?」

カレン「さあ」
カレン「大体大袈裟なポーズをすれば合ってるんじゃない?」

ZER『仕方がない…仮面を外そう』スッ

ルルーシュ「!?」

カレン「驚いた?」ニヤ

ルルーシュ「……俺と同じ顔をしているじゃないか!?」

カレン「似てないわよ。」
カレン「背は低いし小太りだし…似てるのは髪型と騒がしい声だけ」

ルルーシュ「騒がしい?どういうことだ、俺が騒がしかったとでも言いたいのか?」

カレン「そう?言ったかしら、騒がしいなんて」ケロ

ルルーシュ「この女め……段々と元のカレンに戻ってきたみたいだな」
ルルーシュ「生意気な口を……」

カレン「…あっ目的地がわかったわよ」

ルルーシュ「?」

カレン『アッシュフォード女学院』

ルルーシュ「"女学院"?」
ルルーシュ「アッシュフォード学園じゃないのか??」

カレン「時代の流れってやつよ。」
カレン「ブリタニアの気品・名声を守るために、"この国で一番優秀な学園"を残すからってことらしいけど」ハァ

ルルーシュ「なぜ共学ではない?」

カレン「ここがNo11でも行政特区日本でもなく、"日本"として独立した時からね…」
カレン「アッシュフォード学園にいたブリタニアの男嫡子はほとんど本土へ帰ってさ。女子しか残らなかったの」

ルルーシュ「なにが気品、なにが名声だ」
ルルーシュ「"跡継ぎを日本などに置いておきたくない"ということだろう」

ルルーシュ「共学だったからこそ俺は会長やシャーリー、皆と出会えた」
ルルーシュ「大事なのは国ではなく人民であるということがわからないのか……」チッ

カレン「……」チラ
カレン「やっぱり、ルルーシュも変わったよ」クス

ブルルロ…

ルルーシュ「やはり学園に入っていくようだな…」

カレン「なんのようなのかしら」

ルルーシュ「大方、キョウト六家・ブラックリベリオンやゼロの一連の行動に連れ添った立場からの講義・広義でもするんだろう」
ルルーシュ「悪逆皇帝が死んだ年は名前を出すのも憚れる流れだったろうが、3年も経てば"過去"の話として取り上げられる頃合いだ」

カレン「物真似をするコメディアンが出るくらいだからね」ニィ

ルルーシュ「……ふん」

カレン「ふふ……あっ」

カレン「校内に入っていっちゃったけど……どうする?」

ルルーシュ「どうするもなにも、俺は表立った行動はとれない」
ルルーシュ「出てくるまで外で待つしかないだろう」

カレン「うーん……」

ワイワイ ガヤガヤ

カレン「?向こうに人だかりができてるけど……」

ルルーシュ「……撮影用の大型カメラを持っている人間が何人か…カグヤを撮りにきたTV局クルーじゃないのか」

カレン「いや、もうカメラをまわしてるみたいだよ……誰かを取っているみたい」
カレン「ねえ、見に行かない?」

ルルーシュ「勝手にしろ。俺は寝る。カグヤが出てきたら起こしてくれ」

カレン「もう……」チラ

カレン「んっ?」

カレン「ちょっと……ルル」

ルルーシュ「その呼び方はやめてくれ」

カレン「あれ……」

ルルーシュ「ん…?」


?『フハハハハ私がゼロだ!!』

ZER『超合衆国日本!!』シュバッ

ザワザワザワ

ルルーシュ「あれは……」

カレン「"ZER-ゼル"…よね」

ルルーシュ「まさか……この目で直に見ようとは。」

カレン「あのコスチューム、良く出来てるわね」


ZER『そこの可愛い女生徒諸君!!』
シュバッ

ZER『全員俺に惚れろ!!』キィィィィン

\どっ/


ルルーシュ「……」タラ
カレン「営業回りのノリね…」アセ

ルルーシュ「…嫌なものを見た。不快だ、今すぐ轢き殺せ」

カレン「やってやりたいけどそこは我慢してちょうだい」ハハ

ルルーシュ「寝る」

カレン「はいオヤスミ」
カレン「じゃあ私はヴィレッタ先生に会いに行ってくるから」

ルルーシュ「……ヴィレッタだと?まだ教師をやっているのか。軍は?大木はよく認めているな」

カレン「子供を育てるようになって教職の素晴らしさがわかったらしいよ?」

ルルーシュ「…あのヴィレッタがな……」

カレン「じゃあ、いってくる」フリ

ルルーシュ「ああ……」
ルルーシュ「……」ウト

―――
?『ちょっとゼルさん、なに休んでるんですか』

ルルーシュ「ん……?」パチ

局クルー「こんなところで寝てないで。さあ学園に行きますよ」グイッ

ルルーシュ「おいっ…ちょっと待て!」

ルルーシュ「人違いだっ俺はゼルじゃない!」

局クルー「なにを言ってるんですか、そんな強張った顔してるのゼルさんか…」
局クルー「本物のゼロくらいですよ」ニコ

ルルーシュ「っ……」

局クルー「さっ急いだ急いだ」グッ
ルルーシュ「お、おいやめろっ」
ズルズル…

――…

局クルー「はいゼルさん入りましたー!」

ルルーシュ「まずい……このピンチをどう切り抜けるか」
ルルーシュ「あの後、脱走を図ったがすぐに捕まってゼロの衣装を着せられてしまった…」

局クルー「はい本番入りまーす!」

ルルーシュ「(しかし、この仮面は素顔を隠すのに丁度良い)」
ルルーシュ「なんとかカレンと合流し、この場を切り抜けよう……」

局クルー「…ちょっと、なにしてるんですか本番始まってますよ」ボソ
ルルーシュ「ん…あ、ああ」チラ

女子生徒<ザワザワ…

ルルーシュ「(思いがけず危機的状況に陥ってしまった…くっ)」チッ

ザワザワ…

ルルーシュ「(しかし、どうすればいいんだ?)」
ルルーシュ「(ギャグか?……いや、無理だ。)」
ルルーシュ「(では…)」

局クルー「本当お願いしますよ、リハではうまくいっていたじゃないですか」ボソッ

ルルーシュ「リハ……?」
ルルーシュ「そうか、あの時見たのはリハーサルだったのか」
ルルーシュ「(よし……)」

ルルーシュ「フハハハハ私がゼロだ!!」シュバッ

ワイワイ ガヤガヤ

ルルーシュ「(これは…ウケているのか?)」
ルルーシュ「(…次は……そうだ)」

ルルーシュ「お前ら全員…」スチャ

シュバッ
ルルーシュ『俺に惚れろ!!』キィィィィィン

女子生徒達<……

女子生徒達<イケメンッッ
キャー キャー

ルルーシュ「まずいっ仮面を取ってしまった!」クッ

女子生徒A「TVで見るよりずっとかっこいいです!」
女子生徒B「写真いいですか!?」
女子生徒C「これ、携帯の番号です……」


ルルーシュ「(な、なんだっそんなに面白かったのか??)」
ルルーシュ「(このままではまずい…ッ早くカレンを見つけなければ……)」スチャ


女子生徒D「あー仮面取ってよー!」

ルルーシュ「うるさいっこっちはそれどころじゃないんだ!!」
ダダッ

ガシッ

局クルー「ゼルさんどこ行くんですか~」

ルルーシュ「またお前かっ!離せっもう仕事は終わったろう!!」

局クルー「次が本当の本チャンじゃないですか」
ルルーシュ「……?」

局クルー『"皇神楽耶ドッキリ大作戦"ですよ』

局クルー「時間も押してますしすぐに移動してください」グイッ

ルルーシュ「だからちがっ…」

ズルズル…

ルルーシュ「くそぉおおぉおお!!」

――…
カグヤ「……であるから」
カグヤ「私達はこれを教訓として、優しい世界を目指していきましょう」ニコ

パチパチパチパチ…

カグヤ「ご静聴ありがとうございます」

カッ

カグヤ「(!スポットライト?)」

『か…カグヤよ、再び会えたな……台本と違う?うるさいぞノってやるだけありがたいと思えっ!』

ザワザワ…

カグヤ「……」チラ

生徒『たしかゼルが来てるんでしょ?』『あああの物真似の……』『なにこれ?なんかの余興??』

カグヤ「(……なるほど、聞いたことはありますが…ゼロ様の偽者ですか)」
カグヤ「(姿は…見当たりませんけど)」チラチラ

『ここだ!!』
スタッ!! ドテッ

カグヤ「!?」

ルルーシュ「(くそ……スザクみたいにはいかなかったか)」
ルルーシュ「まさか真上から落ちてくるとは思わなかったでしょう」

カグヤ「……」

ルルーシュ「おや、あまりの驚きで声も出ませんかなフハハ」

カグヤ「……驚きました」
ルルーシュ「?」

カグヤ「声は、似てますのね」

ルルーシュ「……似てる?なんの事だ??」
ルルーシュ「私がゼロだ!!」

ワッ ワイワイ

カグヤ「……」チラ
カグヤ「ノってさしあげてもよろしいのですけど」

カグヤ「少々、想像よりあの方に似ていたので少しムカッとしました」ニコ

ルルーシュ「……すまない」

カグヤ「いえ、そちらもお仕事なんでしょう?大変ですわね」フゥ

カグヤ「……」

ルルーシュ「……?」

カグヤ「よろしければその仮面、取ってくださると嬉しいですわ」

ルルーシュ「!」
ルルーシュ「っ……」

ルルーシュ「(どうするっ?いや考えるまでもない、答えは"NO"だ!いま姿を明かすワケにはいかない……!)」

ルルーシュ「ゼロの正体は君も知っているだろう、わざわざ見せる必要などない」

カグヤ「そうですの?妻としては久しぶりにお顔を拝見したいのですが……」

ルルーシュ「(俺は死んだ人間…顔を見せない限り勘づかれることもバレることもない)」
ルルーシュ「カグヤ様、大きくなられましたな」シュバッ

カグヤ「……あら、昨日会ったばかりではないですか」 ?

ルルーシュ「っ!」
ルルーシュ「い、いや…人間としてまた一段と大きくなられたということの形容だ」

カグヤ「……」

カグヤ「それは……ありがとうございます」

ルルーシュ「なに。思ったことを口にしただけです」

カグヤ「……こうやってまじまじと見ると…」
カグヤ「思ったより背が高いですのね」

ルルーシュ「前にも同じことを言われましたな」
ルルーシュ「これ以上伸びないのが最近の悩みでしてね」フハハ

カグヤ「っ…」

ルルーシュ「アナタもすぐに伸びると宣言されたが…まだ足りないようだ」

カグヤ「……ゼロ様」

ルルーシュ「?」

カグヤ「私、仮面に手が届くくらいには成長しましてよ」ニコッ

スチャッ…

ルルーシュ「!!?」


カグヤ「……うそ…」

生徒『なにあのイケメン』『あんなにカッコよかったっけ?』『カッコいい……』
キャー キャー

カグヤ「っ……」
ルルーシュ「か、返せ!」スッ

カグヤ「……返しません」
ルルーシュ「ぐっ…」

カグヤ「……正直、あまりに衝撃的で…その、」

カグヤ「泣き、そうで……」ポタ

カグヤ「これがドッキリ、なのなら、大、成…功でして…よ」ヒック

ルルーシュ「……」

カグヤ「ゼロ様…ですわよね」

ルルーシュ「……ちが」
ダキッ!!

ルルーシュ「!?」

カグヤ「よかった…本当に……よかった」グス

ルルーシュ「だから違……」

ルルーシュ「……」
ルルーシュ「…泣かせるつもりは、無かったんだ」ポリ

カグヤ「ゼロ…様ぁ」グス

ルルーシュ「……その、なんだ」
ルルーシュ「カグヤ」

カグヤ「?」

ルルーシュ「周りを見てみろ」

カグヤ「?…」チラ

ザワザワザワ…
『どういうことなの』『どうしてカグヤ様がゼルに…』『いくら偉いからってイケメンの独占は禁止よ禁止。』

カグヤ「ぁ…」
ルルーシュ「アナタのそのような表情も珍しいのでもっと見ていたいのですが…」
ルルーシュ「ここは、人目があるので離れてもらっても良いですかな」

カグヤ「は……はい」カアァ
バンッ!!
カレン『ルルーシュ!!』

ルルーシュ「カレン!」
スチャッ
ルルーシュ「……では、またお会いしましょう」スッ
タッタッタ…

カグヤ「……」ボー
カグヤ「っ」ハッ
カグヤ「ま、待ってください!」アセ

――…
カレン「どうして学園の中に入ってきたのよっ?」

ルルーシュ「色々あってな……」ハァ

カレン「もしかしなくても…顔、見られた?」

ルルーシュ「大多数の生徒にな」
ルルーシュ「こっちはゼルと勘違いしてくれているようだから問題ないだろう」

カレン「カグヤ様は……」

ルルーシュ「バレただろうな」フゥ
ルルーシュ「しかし、バレたのがカグヤだったのが不幸中の幸いだ」

ルルーシュ「知りあい中でも、カグヤは事実を事実として受け入れてくれる可能性のある数少ない人間だからな」
ルルーシュ「今回のことも…おそらくは誰にも話さないだろう」

ルルーシュ「俺が隠しているんだ、それを広めるような事をするヤツじゃないさ。」

カレン「……ずいぶん信頼しているんですね」
カレン「それに…いつまで着てるつもり?ゼロスーツ。」

ルルーシュ「う、うるさいっ脱ぐタイミングを逸しただけだ!」

ブロロロロロロ…

カレン「……で?」
カレン「カグヤ様には後で連絡を入れるの?」

ルルーシュ「いや、今すぐに連絡を入れる必要は無いからな」
ルルーシュ「電話も盗聴されていると考えていい。」

カレン「時間は…昼だけど、なにか買って帰る?」

ルルーシュ「好きにしていい」

カレン「……ルルーシュに聞いてるの」
カレン「じゃあなにか食べたいものとかある?」

ルルーシュ「家にあるもので済ます。適当に作ってくれ」

カレン「あーはいはい」ハァ

カレン「そういえば…本物のゼルはどうしたの」

ルルーシュ「"本物の"ときたか。ふふ、どっちが偽者でどっちが本物なのかややこしいな」

カレン「なにも面白くないけど……」

ルルーシュ「だが、たしかに謎だな。アイツがいないおかげでこんなことになったんだ」

カレン「じゃあ逆にさ」
カレン「生きてるってことを明かせる人って他にいる?」

ルルーシュ「……」
カレン「…?」

ルルーシュ「(ゼロレクイエムのことを知っている人間…)」
ルルーシュ「(ニーナ、ロイド、セシル…)」
ルルーシュ「(……スザク)」

カレン「ルルーシュ?」

ルルーシュ「っ、あぁ」
ルルーシュ「ブリタニアに行く必要があるな」
カレン「ブリタニアに!?」

ルルーシュ「だが海を渡るには…いや、船なら……しかし結果的には……」

カレン「もうっ一人で考えてないで少しは教えてよ」

ルルーシュ「(ブリタニアに行くか……?)」
ルルーシュ「(日本でナナリーを探せば、同行している可能性の高いゼロ…スザクに会える。)」

ルルーシュ「……カレン」

カレン「?」

ルルーシュ「ブリタニア人の電話番号を知っているか?」

カレン「ブリタニア人って……ミレイ会長に、ニーナ、ナナリー…あとはアーニャかな」

残っていれば続き書きたいです。

落ちます、おやすみなさい。

ルルーシュ「……アーニャか」

カレン「アーニャがどうかしたの?」

ルルーシュ「……」
ルルーシュ「良いじゃないか、アーニャ」ニィ

カレン「……どういうこと」

ルルーシュ「今すぐにアーニャへ電話をしろ」

カレン「どうして?」

ルルーシュ「そしてこう伝えるんだ」
ルルーシュ「"近くに遊びに行く"、と」

カレン「だから理由を言いなさいよ…」

ルルーシュ「なにをしている。早くしろ」

カレン「……あーそうでしたね」
カレン「アンタはいつも説明無しで人をこき使うんだから」ハァ

ピ ポ パ…

ルルーシュ「……」
ルルーシュ「(さあ、この選択が吉と出るか凶と出るか……)」クク

ピッ

カレン「あっアーニャ?」

カレン「うん、"久しぶり"って…最近会ったばかりじゃない」フフ

カレン「そうそう……でね?」

カレン「近いうちにそっへ遊びに行くからっていう連絡なんだけど…」

カレン「うんうんそう…え?うんうん、いいの??」

カレン「じゃあ楽しみにしてるねっ」ニコ

カレン「うんっ、うん…はいはい」
カレン「えーそうなの?それでそれで??」

ルルーシュ「……」

カレン「っへぇ~はいはい、で?その後は…」
カレン「うわっ…大丈夫だったの?」

ルルーシュ「……おい、連絡が済んだのなら早く切れ」

カレン「っでさーそうなのそうなの」

キャッキャ

ルルーシュ「……これだから女は…」チッ

カレン「……それじゃあ…うん、またね」
カレン「はいはーいおやすみ~」ガチャ

ルルーシュ「おやすみ?…ああ、時差か」

カレン「寝てたところを起こしちゃったみたいなんだけど」
カレン「目が覚めたからって、最近あった事を話してくれてね……」

ルルーシュ「最近あった事なら向こうで会った時に聞けばいいだろう」

カレン「いま話したい気分だったんじゃない?」

ルルーシュ「それに…よく1時間以上もダラダラと話せたものだな」

カレン「そうそう、途中でジェレミアも起きてきたみたいでさ」

ルルーシュ「ジェレミア…」
ルルーシュ「……そうか、それなら良いんだ」フフ

カレン「なにが良いのよ?」

ルルーシュ「なに、こっちの話だ」クク

カレン「…まあ、聞いても無駄だったわね」ハァ

カレン「……で、」

ルルーシュ「どうした」

カレン「どうやってブリタニアへ行くの?」

ルルーシュ「船なり飛行機なり、移動手段はいくらでもある」

カレン「……身元不明の男を乗せると思う?」
カレン「…いや、身分証明のいらない格安の船があったっけ……」

ルルーシュ「そんな不完全な方法をとれるか。」

カレン「じゃあ、どうするつもり?」
カレン「どうせなにか考えが… ルルーシュ「カグヤだよ。」

カレン「?」

ルルーシュ「カグヤを使うんだ。外交なり好きな名目で船をブリタニアへ出させる」
ルルーシュ「もちろん、友人としてな」

カレン「友人としてって……それより」
カレン「使うだなんてヒドい言い方ね。カグヤ様かわいそう」ハァ

ルルーシュ「そうか?フハハハハ」

カレン「それに、盗聴されている可能性があるからすぐに連絡はしないって言ったのアンタじゃない」

ルルーシュ「簡単な話だ。」
ルルーシュ「他人に聞かれようがわからないように話せば良いだけだ」
ルルーシュ「カグヤは勘が良いからな、もし伝わらない場合は他の方法もある」

カレン「まあ、やるしかないんでしょ?」ハァ

ルルーシュ「わかっているじゃないか」
ルルーシュ「そうだな…じゃあこうしよう」

――…
カレン「はい、ではお取り次ぎいただけますか?」

――…
カグヤ『お電話代わりました』

カレン「あっカグヤ様ですか?」

カグヤ『はい…で、ご用件は?』

カレン「はい」ニコ
カレン「"この前の件"についてなんですけど」

カグヤ『…あぁ、あの件ですわね』

カレン「それで、その友人が行きたいところがあるらしいんですけど…」

カグヤ『まあ、一体どこへ?』クス

カレン「それがブリタニア本土への旅行を希望していまして…」

カグヤ『はぁブリタニア…』

カレン「よろしければカグヤ様もご一緒にどうですか?」ゴク…

カグヤ『……』

カグヤ『少々お待ちになってくださりません?スケジュールの方を確認させますから』

カレン「…はい、お願いします」

――…

カグヤ『これから一週間で空いているのは、今日の深夜から明日の夕方までです』

カレン「今日の、深夜……」チラ

ルルーシュ「」コク

カレン「…あっ、はい。その時間で問題ありません」

カグヤ『では早い方がよろしいですわね』
カグヤ『移動手段は私の方で手配させてもらえます?』

カレン「はいっそれはもう、助かります!」パァッ

カグヤ『では時刻は……』

――…
カレン「…はい、わかりました」

カグヤ『友人様にも旅路の安全は保証するようお伝えください』

カレン「ありがとうございます」

カグヤ『いえ、私も楽しみにしていますから』ニコ
カグヤ『では。』

カレン「…また後で」

ピッ

カレン「……っはぁー」フゥ
カレン「疲れたぁ」

ルルーシュ「ぎこちなかったが、結果が良ければ問題ではない」
ルルーシュ「よくやったぞ。カレン」

カレン「……本当、上から目線ね」
カレン「まるでゼロと話しているみたい」

カレン「……でも本当に大丈夫?」
カレン「向こうで身分証明のチェックでもされたら一発アウトだけど」

ルルーシュ「安全を保証すると言ったアイツの言葉を信用しろ」
ルルーシュ「目的を達成するには少しだろうが危ない橋を渡る必要も出てくるさ」

プルルルルルル
カレン「?電話……だれから…」ピッ

カレン「もしもし?」

カグヤ『カレン様?』

カレン「っ」
カレン「カグヤ様?一体どうしました……まさか、中止とか」

カグヤ『いえ、スケジュールは予定通りで良いのですが…』
カグヤ『ひとつ確認しておきたい事がありまして……』
カレン「確認…?」

――…
カグヤ『……という次第ですの』

カレン「……」
カレン「(という次第って…)」チラ

ルルーシュ「(今度はこちらがカグヤの意思を汲み取る番だ)」ボソ
ルルーシュ「(……よし)」
ルルーシュ「(カグヤへこう伝えろ…)」

カレン「……」
カレン「わかりました」ニコ
カレン「問題ないとのことです」
カレン「それと少しお聞きしたいのですが…」

カグヤ『?はい……』

カグヤ『なるほどナナリー様に…』

カレン「出来ますか?」

カグヤ『可能ですわ』ニコ

カレン「では…よろしくお願いします」

ピッ

カレン「……」チラ

ルルーシュ「やはりあったか」
ルルーシュ「"身分確認"が」

カレン「ほら、言ったでしょ?」

ルルーシュ「だからそのためにもカグヤへ伝えただろう」

カレン「伝わったみたいだけど…やっぱり心配だな、身分確認か……」

ルルーシュ「検査されたら困る、のなら…」

ルルーシュ『……"検査をさせなければいい"』ニィ

――…ブルルロ…
カレン「自家用ジェットとは聞いていたけど……」
カレン「三人のためにこんなデカいの使わなくても……」
ルルーシュ「護衛の人間も乗せるんだ、関係者含め全員が乗ったら狭いくらいだろう」
カレン「ふぅん…」
カレン「……」

カレン「じゃあ、私…先行くね」スッ
ルルーシュ「ああ……ここで待機している」

――…
SP「では身分確認の方を……」
カレン「はい」スッ

SP「…身分証明書と同一人物であると確認しました」
SP「中へどうぞ」
カレン「どうも」ニコ

SP「……カグヤ様」
カグヤ「はい?」
SP「たしかご友人様はもう一人いるという話でしたが」
カグヤ「はい。…では呼びましょうか」ニコッ
カグヤ「どうぞこちらへ~」フリフリ

ガチャ…
ルルーシュ『たまには狭い車での移動も良いものですな』

SP「ッ!!」

SP『ゼ……"ゼロ"!?』

カグヤ「この度のお誘い、大変嬉しく思いますわ」

ゼロ「いえ、こちらこそご同行感謝する」

SP「か、カグヤ様のご友人様とは…」

カグヤ「そう。"ゼロ"様ですわ」ニコッ

SP「で、ですが……」

ゼロ「私も身分確認が必要ですかな?」

SP「い、いえ」アセ
SP「問題ありません、ど…どうぞ中へ……」

ゼロ「気づかい感謝する」バッ

カグヤ「ではこちらの方へ」ニコ

SP「……」ポカン

――…
ゼロ「ふぅ」

カグヤ「先ほどのお電話では驚きましたわ。"ゼロとなって身分検査を受ける"だなんて」クス

ゼロ「フッ…ゼロの身分確認など出来ようが無いからな」

ルルーシュ「……で、ナナリーには話をつけてくれましたか」

カグヤ「はい」ニコッ
カグヤ「"理由は後で話すので、こちらの催しで少々ゼロを使わせてもらう"と」

カグヤ「行きだけ送ってほしいとの話でしたので、行きの片道分だけゼロだと誤魔化せれば良いわけですし」

ルルーシュ「助力、感謝する」

カグヤ「……」

ルルーシュ「…どうかしましたかな」

カグヤ「もう一度お顔を拝見させて欲しいのですけど…」

ルルーシュ「それは……」

カグヤ「そうですよね。もし他の輩に見られでもしたら一大事ですもの」
カグヤ「今度、また別の機会に見せていただけたら嬉しいですわ」

ルルーシュ「……では、そういう事にしましょう」

カグヤ「楽しみにしてますわ」ニコ

――…

カグヤ「そう、そのような事が……」

ルルーシュ「だが、可能なだけ誰にも教える気は無い」

カグヤ「わかっています。この事は他言無用で」フフ

ルルーシュ「……秘密というのは二人以上が知ってしまった時点で必ず広まっていくと思っていい」
ルルーシュ「ですが、信用するに足る人間がいるというのも事実」

ルルーシュ「今回はその男に会いにいこうと思いましてね」フッ

カグヤ「思い当たる節があるようなないような…」
カグヤ「ゼロ様にそれほど信頼されている殿方に妬けちゃいますわ」クス

ルルーシュ「あぁ……でも人間は変わるものですから」
ルルーシュ「この数年間でどうなっているか」

カレン『"でも、変わらないものもある"』

ルルーシュ「カレン」

カレン「あるやつの受け売りだけどさ」クス

保守していただきありがとうございます。
金曜の夜から徹夜可能なので明日まで多くレスが出来ずにすみません。
オチます。木曜も同じ時間から続き投下します。

保守していただいた分張り切って書ききろうと思います。

落ちたら他の未完スレを完結させた後に立て直しますね。

カレン「…で、アーニャに会いに行く理由ってなんなの?」

カグヤ「まあ。アーニャ様のところへ向かわれるのですか」

ルルーシュ「そうだな、"アーニャのいる場所へ向かう"……間違ってはいない」クク

カレン「……また含みのある言い方しちゃって」ハァ


カグヤ「そういえば……」
カグヤ「先日の式典後のパーティー中でも、アーニャ様はゼロ様を褒めていましたわ」

ルルーシュ「俺を……?」

カグヤ「はい、"イケメン"だと」

ルルーシュ「イケメン……だと…」

カレン「"顔だけは"ってことよ」ツン

カグヤ「いえ。声も身長も、色々お褒めになっておられましたわ」ニコ

カレン「……カグヤ様」

カグヤ「あら、私は本当の事を話したまでですわ」
カグヤ「以前にも伝えたはずでしてよ。"支える妻は多い方が夫にとっても善い事"です、と」ニコッ

ルルーシュ「アーニャは前からなにを考えているのかわからなかったからな…」
ルルーシュ「無闇やたらと人を褒める人間とも違ったはず」

ルルーシュ「真意はどこにある……」

カレン「……」
カレン「深読みしすぎよルルーシュ」ハァ

ルルーシュ「いや、何事も考えを巡らせておくに事欠くことは無い」
ルルーシュ「死んで存在しない俺に対しての"何か"ではないはず…」ルルーシュ「褒める、という行為には他にシノニム的な意味を含み持つものがあるか?」フム

……

カグヤ「こうなるとしばらくは熟考、ですわね」ニコ

カレン「……頭が頑固なんですよ」ハァ


ルルーシュ「……例えば人はモノを誉めるとき…」ブツブツ

――…
カグヤ「そろそろ到着でしてよ」

ルルーシュ「……ああ、わかった」
ルルーシュ「…おい、カレン」

カレン「……」スー

ルルーシュ「…寝ているのか」

カグヤ「着陸前の準備が間に合えば、それまで寝てられても問題ありません」ニコ

ルルーシュ「……まあ、コイツもここ最近は忙しかったみたいだからな」
ルルーシュ「ではその時間がきたら起こしてやってくれ」

カグヤ「了解しましたわ」クス

――…
『カレン様、そろそろお時間でしてよ』
ユサユサ

カレン「…ん……」
カレン「時間?」ポケー

ルルーシュ「寝ぼけるな…目的地に着く。着陸の準備をしろ」

カレン「でもここって……」

ルルーシュ「…マーカービーコンしか無いじゃないか」
ルルーシュ「電波塔などの地上施設が見当たらない…空港ではないのか?」

カグヤ「はい、空港ではありませんわ」ニコ

ルルーシュ「……では、ここはどこなんだ?」

カグヤ「ジェレミア農園横に設置されている滑走路ですわ」ニコッ

ルルーシュ「ジェレミア…農園、だと?」
ルルーシュ「農園に突っ込むのは後回しにして…どうして農園の横に滑走路があるんだ」

カグヤ「ゼロ様死亡ののち、ジェレミア卿がここら一帯の土地を買い占めましたの」
カグヤ「実は元々ここに離着陸の施設は存在しませんでした」
カグヤ「ジェレミア卿の了承により、建設が実現されましたのよ」ニコ

ルルーシュ「ジェレミアが…農園…っ?」
ルルーシュ「(これでオレンジでも栽培していたらギャグとしては最高だな)」フッ

ゴゴゴゴ…

カグヤ「……ではお役目を果たしましたことですし、私は日本へとんぼ返りしますわ」

カレン「そういえば…帰る時間を考えたらギリギリなんだ」
カレン「この前の時といい、重ねてのご芳情心から感謝します」

カグヤ「いやですわカレン様」
カグヤ「これも伝えた事でしてよ。"友達ですから当然の事をしたまでです"」ニコ

カグヤ「そうかしこまらずに」クス

カレン「はいっ…ありがとうございました」ペコ

カグヤ「……これからは当分ブリタニアに?」

ルルーシュ「ええ。用事が済むまでは此方に滞在するつもりですよ」
ルルーシュ「なに、すぐに済む用事です」フフ

ルルーシュ『(……"ギアスキャンセラー"があれば…魔女のくだらない策略ともケリをつける事が出来るッッ)』

少し風呂いてきます

――…
カレン「カグヤ様を乗せてジェット機は日本へ飛んで行ったし…」
カレン「農園横って言っていたから、そう遠くない場所にあるんでしょ。歩いていこう?」

ルルーシュ「……そうだな、目的地までは歩いていくしかないか」

カレン「……ルルーシュ、アンタそのゼロスーツいつまで着てるの」アセ

ルルーシュ「そこらで着替えてもいいが……数十分も歩けば着くだろう、このままで良い」

カレン「このままで良いって……」
カレン「アーニャやジェレミア卿には正体を明かすつもりなんでしょう?」

ルルーシュ「まあ、な」
ルルーシュ「明かすのは会って話をし、信頼できると判断した時だ」

ルルーシュ「それまではゼロの仮装をした友人として紹介してくれ」

カレン「わかったわよ…」
カレン「こっちはまだ夕方だけど、お邪魔しても失礼にあたらなきゃいいけど…」

トボトボ

カレン「アーニャには最近会ったけど、ジェレミア卿にはあれ依頼会ってないなぁ」
カレン「いまいち良くわからないのよねあの人」

ルルーシュ「あれから3年だからな」
ルルーシュ「なにが変わっているかなんてわからない。農園が良い例だ」

カレン「バイトも雇わず、二人だけで経営しているみたい」

ルルーシュ「……」
ルルーシュ「ジェレミアよりも、泥にぬれているアーニャが想像つかんな」

カレン「……アタシも」ハハ

ルルーシュ「…さあ、見えてきたぞ……"ジェレミア農園"」

【ジェレミア農園】

ルルーシュ「……デカいな」

カレン「こんなに広い農園を二人で切り盛り…って、夜中に電話して悪かったなー……」

ルルーシュ「ほら、門に付いてあるスピーカー。そこのチャイムを鳴らせ」

カレン「はいはい」ポチ

ピンポーン

……ピッ

『…………はい』

カレン「あの、こちらで働かれているアーニャ・アールストレイムさんにアポイントメントをとっていた者ですが」

『……カレン?』

カレン「アーニャっ??」

アーニャ『……入って。いま門を開けるから』ピッ

ギィイイ…

アーニャ『カレン』

カレン「?」

アーニャ『隣にいるの…誰?』

カレン「あ、あぁ」
カレン「ごめんね?事前に連絡しないで…えっと、彼氏?」

ルルーシュ「(いらない説明を……)」

アーニャ「彼氏?……まあ、いいけど」
アーニャ「どうしてゼロの格好をしてるの?」

カレン「えっと~…それは……」チラ

ルルーシュ「……」
ルルーシュ「仮装で驚かそうとしたら、まさか門前でチェックされるとは思わず……サプライズ失敗ですな」

カレン「……」タラ
カレン「…とのことで」ハハ

アーニャ『……』
アーニャ『まあカレンの恋人なら悪い人間じゃないと思うし』

アーニャ『通って。』

ルルーシュ「(おい恋人とはなんだ)」ボソ
カレン「(そっちこそなにが"サプライズ失敗ですな"、よ!)」ボソッ

カレン「門から玄関までの長さは貴族の時と変わらず、バカ長いわね」

ルルーシュ「……樹高は5mほどか…」
ルルーシュ「…まさか本当にオレンジを栽培しているのか」
ルルーシュ「あの木一本だけ、枝が折れそうだぞ……」

カレン「ほら立ち止まってないで歩いてよ」

ルルーシュ「急かすな。事前の情報収集だ」

カレン「ここは戦場じゃないっての…」

ルルーシュ「なにが役に立つかわからないからな。チェック出来る事は頭に入れておくさ」

カレン「あれ?玄関に誰か立ってる」

ルルーシュ「アーニャだろう」

カレン「いや…身長が高……」

カレン「…………ジェレミア卿」

ルルーシュ「ほう…さっそくの対面か」フハハ

ジェレミア「ようこそ我が農園へ」
ジェレミア「我々はお二方を歓迎する」

ジェレミア「さっそくだが、ディナーの用意が出来ている。こちらへ…」
スタスタ

カレン「あっはい!」
カレン「ほら、ル……名前はなんて呼ぶ?」

ルルーシュ「好きに呼べ」
スタスタ

カレン「……ルルーシュだから…」
カレン「ルシュ?シュル?シュシュール??」

ルルーシュ「なにをしている、早く来い」

カレン「今行くよ……シュール?」

ルルーシュ「……シュール?」

『変な名前……』

カレン「っ?」

アーニャ「夕飯は私が作ったから」チラ

アーニャ「……ゼロ。よく出来てる」

ルルーシュ「……そう言っていただけると苦労したかいがあったというものです」

ジェレミア「ほう……そのような事が」

カレン「はい、その一言で色々な意味で盛り上がっちゃって」

ジェレミア「ルルーシュ様を誉めるとは、普段の教えの効果が出たようで喜ばしい限り」

カレン「普段の教え?」

アーニャ「……この3年間、毎日…1日3回はルルーシュやマリアンヌの事を話してくる」
アーニャ「洗脳の領域」

カレン「は、はは」タラ

ジェレミア「なにを言うアーニャ、洗脳とは人聞きが悪い」
ジェレミア「私は親代わりとして義務教育の一貫でまずは我が主君の素晴らしい人となりを……」

アーニャ「うるさい」

カレン「……な、なかよくやってるみたいでなによりね」ハハ

ジェレミア「……で」
ジェレミア「シュール殿は仮面を被ったまま、食事をしないおつもりですかな?」

ルルーシュ「……」

カレン「それは……」

ルルーシュ「いい、カレン」
ルルーシュ「すまない、ジェレミア卿……よろしければ少し時間をいただけますかな?」

ジェレミア「……構わないが、先の質問に対する応えにはなってませんぞ」

ルルーシュ「この料理は…後でいただくことにする」

ジェレミア「なにか理由でも?」

ルルーシュ「いや、少し腹の調子がすぐれない」

ジェレミア「それならば仕方あるまい」
ジェレミア「薬を持ってこさせよう」

ルルーシュ「いや、その心配には及ばない」
ルルーシュ「配慮感謝する」

ジェレミア「そう言われてはこちらからなにか出来そうもありませんな」


カレン「(ちょっと……少し態度が大きいわよ)」アセ

ルルーシュ「(ジェレミアが言っていただろう。俺たちは客人で、アイツはそれをもてなす…と)」
ルルーシュ「(客の態度が少しくらいデカいからって、怒り心頭とはいくまい)」クク

ルルーシュ「私には気を使わず、どうぞ会話に花を咲かせてくれ」

ジェレミア「……そうさせてもらおう」
ジェレミア「カレン殿が選ぶだけあって、中々に見所のある青年のようだ」クク

カレン「ど、どうも……」ハハ
カレン「(…皮肉を言われてるようにしか思えないんだけど)」タラ

アーニャ「でも意外」

カレン「……なにが?」
アーニャ「カレンは、ルルーシュ一筋だと思っていたから…パーティーでもそう言っていたし」
アーニャ「……カレンが良いなら構わないけど」

カレン「あー…その事」
カレン「この人については、これから知っていけばアーニャもわかってくれると思う」

アーニャ「……そう」
アーニャ「シュールは…イケメン?」

カレン「あっ……たぶんイケメンかな?」アハハ

ルルーシュ「……期待は持たないでいただきたい」コホン

ルルーシュ「……む…」
ルルーシュ「…あれは?」タラ

ジェレミア「ルルーシュ様の胸像だ」
ジェレミア「よく出来ているだろう。自信作だ」

ルルーシュ「(……このテラコッタ、お前が作ったのか)」タラ

アーニャ「屋敷の色んなところにある」
アーニャ「邪魔、迷惑」

ジェレミア「なにを言っている?」
ジェレミア「アーニャも気に入ってるではないか」

ジェレミア「たまに立ち止まって、ルルーシュ様の胸像に見惚れている姿がその証拠」

アーニャ「そんな姿……ない」

ジェレミア「二階奥にあった胸像がそなたの部屋に移っている理由は?」

アーニャ「へ、部屋には入るなって言ったでしょっ」

カレン「(微笑ましい親子のやり取りって感じね……)」フフ

アーニャ「……もういい」

ジェレミア「いやその気持ち理解出来よう」
ジェレミア「私も女として生まれてきていたら間違いなく惚れていたことだろう」
ジェレミア「だから毎朝胸像と向かい合い、数分見たのちに頬を赤らめるのも無理はない」

アーニャ「……」

カレン「さすがにそれは作り話ですよね」アハハ

アーニャ「……」カアァ

カレン「…アーニャ?」

アーニャ「殺す」
キラン

カレン「ちょっと!ナイフを置いて…ね?」

ジェレミア「いつものこと。少しからかうとすぐに激昂するのだ」
ジェレミア「人間らしく…というか、婦女子らしくなってくれているみたいで保護者としても嬉しい限り」

ルルーシュ「……ではジェレミア卿」

ジェレミア「ああ、話があるんでしたな」

ルルーシュ「ええ。時間はとらせませんよ」

――…
ジェレミア「ここなら話し声は他へは聞こえない」

ルルーシュ「……」
ルルーシュ「驚かずに聞いてくれ」

ジェレミア「了解した」フッ

ルルーシュ「……ふぅ」

スチャ

ルルーシュ『俺は…ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアだ』

ルルーシュ「実はとある理由で生き返ってしまってな」フゥ

ジェレミア「…………」

ルルーシュ「……ジェレミア?」

ジェレミア「るるるルルルルルル…」

ルルーシュ「……おい ジェレミア「ルルーシュ様ぁああぁああああ!!!」


アーニャ「っ!?」ビクッ

カレン「……すごい驚きっぷり」アハ…

ルルーシュ「静かにしろ!驚くなと言ったはずだっ」

ジェレミア「ででででですが」

ルルーシュ「(今までに見たことのない取り乱しようだな…)」
ルルーシュ「(この様子なら、落ち着けば俺への協力はしてくれると思って良いだろう)」

ルルーシュ「隠していてすまなかった……お前の忠義が本物か確かめたくてな」フゥ

ジェレミア「まさか……夢…」

ルルーシュ「ジェレミア?」
ルルーシュ「"落ち着け"!!」

ジェレミア「……Yes, Your Majesty」キリッ

ルルーシュ「…今は皇帝ではない」

ジェレミア「いえ。皇帝であられずとも貴方様は我が君主。全力で従いましょう」

ルルーシュ「……未だに忠義を示してくれるのか、ありがたいな」

ジェレミア「いえ、身に余る御言葉」スッ

ルルーシュ「お前に頼みたい事があってここへ来た」

ジェレミア「なんなりと」

ルルーシュ「ギアスキャンセラーを使ってほしい」

ジェレミア「ギアスキャンセラーを?」

ルルーシュ「そうだ。俺には厄介なギアスがかけられていてな」
ルルーシュ「その苦しみから逃れるにはジェレミア、お前のその力が必要なんだ」

ルルーシュ「(ギアスにより生き返ったのなら、ギアスキャンセラーにより消え去る…この世から消えることが出来る)」
ルルーシュ「(万が一にも無いだろうが、真実を伝えることによりジェレミアの判断が鈍っても困るからな)」

ルルーシュ「やってくれるな?」

ジェレミア「Yes, Your Majesty」スッ

ジェレミア「では早速 カレン『待って!!』
バタン

ルルーシュ「っ……カレンッッ!」クッ

カレン「……どういうことか説明して」

ジェレミア「ギアスの事、ご存知なかった…という事ですかな」

カレン「ルルーシュがギアスの力でここにいることなんて知ってるわっ」
カレン「問題は……"ギアスキャンセラー"」ギリ

ジェレミア「おや、それも存知られているものと。」

カレン「ギアス…"キャンセラー"?」
カレン「言わなくても想像がつく」

カレン「ルルーシュ…貴方、その力で自らを消す気ね!」キッ

ルルーシュ「……」
ルルーシュ「ジェレミア。早くしろ」

カレン「ルルーシュ!!」

ルルーシュ「……ジェレミア」

ジェレミア「主君の命に再び応えられる歓び!!」
スッ
ジェレミア「(なるほど、この力で消える……)」
ジェレミア「(だが、これもまた忠義ッッ)」スチャッ

パァアアアアアアアンッ!!

……

ジェレミア「むっ」
ジェレミア「……これはどういうことですかな」


『……それは俺が教えて欲しいな』

ルルーシュ「なぜ未だ、ここに存在している!!?」

カレン「どういうこと…なの」

ルルーシュ「"ギアスキャンセラー"は正常に作動していたか」

ジェレミア「時間の経過により壊れる類いのモノではないはず」
ジェレミア「私自身は"正常に作動した"と感じましたが」

ルルーシュ「(……どういうことだ)」
ルルーシュ「(この身がギアスによりこの世に生を受けているワケでは無い?)」

ルルーシュ「(……再び、振り出しに戻る…か)」

カレン「……ルルーシュ?」

ルルーシュ「……」

ジェレミア「……カレン殿。この場は私にお任せください」
ジェレミア「それと、詳しい事情をお聞かせ願いたいところですな」

カレン「……はい」

――…

ルルーシュ「……」

カレン「……という次第で…」

ジェレミア「……なるほど」フム
ジェレミア「殊更ギアスキャンセラーが効かなかった理由がわかりませんな」

ジェレミア「ギアス…の力が関係していないという可能性は?」

カレン「C.C.が言っていたことなので……」

ルルーシュ「(……ギアスは関係していない?)」
ルルーシュ「(不老不死…"コード"……)」

ルルーシュ「(その可能性は一番に考えたが、俺の身体に刻印は無かった)」
ルルーシュ「……完全に策が潰えた」クッ

アーニャ「……」チラ

カレン「アーニャ?死人が生き返って怖い…とか??」

アーニャ「……ちがう」

ジェレミア「はっは、照れているだけなので気にしないでいただきたい」

アーニャ「……シュールじゃなくて、ルルーシュ?」

カレン「あっ、そういえば仮面を外した姿を見るのは初めてだったわね」

アーニャ「……」チラ

ルルーシュ「……なんだ」キッ

アーニャ「っ」ビク
アーニャ「……なんでもない」

カレン「ちょっとルルーシュ、そんな態度とらないの。」

ルルーシュ「死ぬことも出来ずに、生きる目的も無い……人に気を使う気力など微塵も残ってはいない…」

カレン「……ルルーシュ」

ジェレミア「ではこの先のスケジュールは真っ白の未定というワケであると」

ルルーシュ「……あぁ」

ジェレミア「ならば共に暮らしてはいただけないでしょうか」

カレン「っ!?」
カレン「それは……」

ルルーシュ「……」
ルルーシュ「…あぁ、それでいい」

ルルーシュ「……カレンも、ここにいてくれるか」

カレン「それは、良いけど……」

ジェレミア「……」
ジェレミア「(…なるほど、アーニャには分が悪そうだ)」フム

ジェレミア「そういう事だ。部屋を2つほど用意出来るか」

アーニャ「……部屋はたくさんあるから」

ジェレミア「よろしい。では早速用意してくれたまえ」

アーニャ「……」コク

――…
ジェレミア「ディナーはどうしますかな」

ルルーシュ「……先ほどの料理を部屋へ運べ」
ジェレミア「…後でアーニャに運ばせましょう」

アーニャ「私は小間使いじゃないけど」
ジェレミア「アーニャ…」

ルルーシュ「いい」
ルルーシュ「アーニャ、これから世話になるな…よろしくたのむ」

アーニャ「……」コク

ジェレミア「今日という日を記念した胸像を作らなければ!」ハッ

――…
アーニャ「……ルルーシュは?」

ジェレミア「朝早くに"農園の下見をする"と言って出ていかれましたな」

アーニャ「やる気があるの?意外。」

ジェレミア「……目的が欲しいのだ」
ジェレミア「もしこれから悠久の時を生きるのなら、目的が無ければ精神の方が先に壊れてしまうことだろう」

ジェレミア「なにかをしていなければ自我が保てなくなる。私ならば、そういった不安に駆り立てられることだろう」

アーニャ「……現にジェレミアは機械の身体だから、ルルーシュほどじゃなくても少しは長生き」

ジェレミア「身体より先に頭が朽ちることになるだろうがな」フッ


カレン「……穏やかな会話じゃないわね」タラ

ジェレミア「……ふぅ」
ドサッ

ジェレミア「そろそろランチ…の時間にしようか」

カレン「……」チラ

アーニャ「……なに?」

カレン「いや…やっぱりアーニャも農作業するんだなぁ、って思ってさ」ハハ

アーニャ「……べつに。簡単な事だけだから」

ジェレミア「いやいや、アーニャには感謝している」

カレン「そういえば学校は……」

アーニャ「…行ってない」

ジェレミア「私は行くように説得したが、如何せん反応が悪く…な」

アーニャ「家でも勉強出来るし……」

ルルーシュ『勉強なら俺が見てやろう』
ザッ

ジェレミア「おぉ、それはありがたい」ニコ

ルルーシュ「それとジェレミア」スッ

ジェレミア「これは……?」

ルルーシュ「農園の改善案だ」
ルルーシュ「無駄な場所、必要な機材を記しておいた」

ルルーシュ「それだけでも来年の収益は25%増しになる」

ジェレミア「素晴らしい」

ルルーシュ「しかし俺は労働力としてはアーニャと同等か、それ以下だ」
ルルーシュ「その点もなにか考える必要があるな……」

ルルーシュ「アーニャ、勉強はどこまで進んでいる?」

アーニャ「……~の、~まで」

ルルーシュ「アッシュフォードの2学年、それも前期の範囲か」
ルルーシュ「……3年間でここまでとは、非効率的だな」

ルルーシュ「(おそらくは農作業の疲れが原因で、毎日勉強するというワケにもいかないんだろう)」

カレン「……」
カレン「ルルーシュのリハビリと思って、少しはここで暮らすのも悪くはないかも…ね」

――…
ルルーシュ「そこを……」

アーニャ「……」カキカキ

――…
カレン「あれ?二人は??」

ジェレミア「アーニャの部屋で勉強中だ」

カレン「ルルーシュもクタクタのはずなのに…もう完全に立ち直ったのかしら」

ジェレミア「ただの空元気だろう」
ジェレミア「わかっていながら救ってやれぬ自らの無力が腹立たしい」

ジェレミア「それに不老不死の力……」
ジェレミア「我々は他にこの力を持つ者を知っている」

カレン「C.C.……」

ジェレミア「"コード"を持つ者…」
ジェレミア「しかしルルーシュ様の御体にはその刻印が無いとのこと」

カレン「……あの女。話も適当にいなくなって…無責任すぎるわ」ハァ

ジェレミア「しかしそうなると……C.C.捜索しか手だてはなさそうだな」

――…
ルルーシュ「そう、なんだ出来るじゃないか」

アーニャ「……前は出来なかった」
アーニャ「ルルーシュは教え方が上手」

ルルーシュ「いやアーニャの頭が出来てるだけだ」
ルルーシュ「(仮に農園を成功させ、その後はどうする?)」

アーニャ「……ルルーシュ?」

(『C.C.「お前が外に出て……なにかを掴んだなら再びお前の前に現れよう」』)」

ルルーシュ「"何かを掴む"?」
ルルーシュ「(何かとはなんだっ漠然としすぎている!)」

アーニャ「……疲れてるなら今日はこの辺で良いけど…」

ルルーシュ「(ということは現在の俺には持ち合わせていないもの……)」
ルルーシュ「(…だめだ、頭が回らないのか考えがまとまらない)」

アーニャ「大丈夫……?」

ルルーシュ「(C.C.を探すか?時間なら無限に…いや、その間に理解してくれる協力者はどんどん死んでいく……ッ)」クッ

ルルーシュ「……」
ルルーシュ「アーニャ」
アーニャ「……なに?」

ルルーシュ「もし君だったら…その、未来への希望が無いとどうする」
アーニャ「……」

ルルーシュ「……いや、おかしな事を聞いた。疲れているんだ、今のは忘れてくれ」

アーニャ『私なら、それでも未来を見つめて歩く』

ルルーシュ「アーニャ……?」

アーニャ「私には、過去が無かったから……」
アーニャ「未来しか見ることが出来なかった」
ルルーシュ「……」

アーニャ「死ねないなら生きるしかない」
アーニャ「それに、ルルーシュが死にたがる理由も…ぜんぶは理解出来ない」

アーニャ「先が真っ暗な未来……それでも未来を見るべき…見ていいの」
アーニャ「ルルーシュは、今を生きて……未来を生きていいの。」
アーニャ「……ルルーシュ?」

ルルーシュ「……」ツゥー
ルルーシュ「!」ハッ
ルルーシュ「なぜ涙が…」フキ

アーニャ「ルルーシュ……アナタは、誰かに許してほしかった…」
アーニャ「……言って欲しかった。"生きていて良い"…って」ピト

アーニャ「きっと…すぐにとはいかないと思う」
アーニャ「簡単な事ではないと…思う」

アーニャ「けど、皆がルルーシュを許してくれる。生きていいと言ってくれる日が必ず来る」

ルルーシュ「……」ドクン

アーニャ「だから」
アーニャ「私が許す。ジェレミアが、カレンが許す」
アーニャ「カグヤもナナリーも…貴方を知る人間がきっと許してくれる」

アーニャ「だから…まずは私が許す」

アーニャ『貴方は生きていていい』

アーニャ「生きていて、ほしい」

アーニャ「……私なんかが許してもルルーシュの絶望は消えないと思うけど…っ!?」
ガバッ

ルルーシュ「……そんな事はない」
ルルーシュ「…ありがとう、アーニャ。少しだけ…楽になれた」

アーニャ「……それなら、いいけど」ツン

――…
ガチャ

カレン「あっ、夕飯の準備出来てるわよ……って」
カレン「…ルルーシュ、アンタその目どうしたの?」

ルルーシュ「……なに、少々目に入ったゴミに手間取ってな」

アーニャ「人を抱きしめながら数分間泣いておいて……少々?」

ルルーシュ「アーニャ!」

カレン「だ、抱きしめながら……って、ル、ルルーシュ!」

ルルーシュ「誤解だ!いや、誤解ではないがカレン…君の思うような事は顆粒ほども存在しないっ!」

カレン「……ったく」

ルルーシュ「わかってくれたか」フゥ

カレン「……でも、今のルルーシュは良い顔してるよ」ニコッ
カレン「さっきまでと違って、"目に光が灯ってる"って感じかな」

ルルーシュ「……目に光が当たれば光って見えたりもする」

カレン「……頭の固さは変わらないのね」ハァ

――…
カチャ…カチャ

ジェレミア「では、すぐに出ていかれるのですかな」

ルルーシュ「いや…少しは考える事があるからな」
ルルーシュ「すまないがもう暫くは厄介になる」

ジェレミア「厄介など……気の済むまでいてくださって結構」

ルルーシュ「……恩にきる」

ジェレミア「アーニャも、まだ勉強し足りないみたいですが」チラ

ルルーシュ「それならば、俺が滞在している間は好きなだけ勉強をみてやろう」

アーニャ「……それは」
アーニャ「…うれしい、けど」

ジェレミア「ほぉ…アーニャが素直に礼を言う姿など初めて見たぞ」

アーニャ「……からかわないで」

アーニャ「……でも、もう平気そうで良かった」

ルルーシュ「……ああ、俺も少し素直になろう」
ルルーシュ「ありがとう。アーニャ」フッ

――…ピンポーン

ジェレミア「……こんな時間に来客とは」
アーニャ「少し見てくる」

――…
アーニャ「帰っていった」

ジェレミア「それで、なんの用だと?」
アーニャ「……"TVを付けて見ろ"って」

カレン「TV?」
ルルーシュ「どういうことだ。どんな人間だった?」

アーニャ「C.C.」

……

ルルーシュ「"C.C."!?」ガタッ
ルルーシュ「間違いなかったのか!!」

アーニャ「ジェレミアから見せてもらった写真のとおりの女だったけど」

ルルーシュ「くっ」
ルルーシュ「今から追うぞ!手分けして探してくれ」

ポチ
カレン「……これって」

<『先日、保存されていた元ブリタニア皇帝ルルーシュの遺体が何者かによって盗み出されたようです』

<『現在、総力をあげての捜索中ということで』

ルルーシュ「……ここにいるんだ。遺体が見つかるワケが無い」
ルルーシュ「……遺体?」

ルルーシュ「俺は生き返らせられた…それには遺体が必要だった」

ルルーシュ「……それならば遺体の無いユフィとシャーリーは生き返らせられない!?」

『今さら気付いたのか。存外、馬鹿なんだな』

ルルーシュ「ッッ!?」バッ

C.C.「防犯設備が甘いぞ。ジェレミア」

ルルーシュ「……C.C.…ッッ」クッ

C.C.「なんだ?私に会いたがっていたじゃないか」
C.C.「約束通り……お前の前に姿を表したぞ」クス

ルルーシュ「約束通り……」ハッ

(C.C.「お前が外に出て……なにかを掴んだなら再びお前の前に現れよう」)

ルルーシュ「貴様……今まで監視していたというワケかっ」

C.C.「探していた人間が常に近くにいた。滑稽で面白いじゃないか」

ルルーシュ「なにが面白い!?C.C.、真相を全て話してもらうぞ!!」

C.C.「……いいさ、頃合いだ」
C.C.「だが私の方にも準備がある。明日、また姿を現そう」

ルルーシュ「なんの準備だ!それとも簡単に帰すとでも思っているのかっ!」

C.C.「思ってなどいないさ」クス
C.C.「だから、力づくで逃げるよ」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

ルルーシュ「……この音は!?」

ドドドドドドドド…

C.C.「……っと」スタッ

ルルーシュ「ナイトメア…だと!」

C.C.「ああ、それから言っておく」
C.C.「明日も今日通り、平凡な1日を過ごせ。そうしないと、もう二度とお前の前には姿を表さないぞ」

ルルーシュ「!なにをバカなっ <ドドドドドドドド

ルルーシュ「くっ」

C.C.「じゃあ、大人しくしていろよ」クス
C.C.「……またな、ルルーシュ」フリ

ドドドドドドドド…ゴゴゴゴゴゴ

ルルーシュ「C.C.!!!!!」

――…
―…

――…
ルルーシュ「……魔女め…」

カレン「突然すぎて身体が動かなかった……」
カレン「…訛ってるってことか」ハァ

ジェレミア「言う通り明日も農園で作業でしょうか」

ルルーシュ「……ああ、言うことには従っておいた方が良いだろう」
ルルーシュ「いまこちらは後手後手に回っていくしかない状況にある」

ルルーシュ「向こうから出てきてくれたんだ。むしろありがたい」クク

ジェレミア「では明日も今日通りということで」スッ

ルルーシュ「……アーニャ」
ルルーシュ「もしかすると、勉強を教えるのは今日が最初で最後になるかもしれない」

アーニャ「……話は聞いてた」

ルルーシュ「そうか、やはり物わかりが良いな…君は」

――…
【カレン・自室】

カレン「……でも、もしかしたらルルーシュと一緒にいられるのも明日が最後になったりしてね」

カレン「……」
カレン「よしっ」

カレン「それがルルーシュの選択する事なら、私は受け入れる」
カレン「……最後なら、少しくらい甘えても…いいよね?っと」
ガチャ…

カレン「ええと、ルルーシュの部屋は…」キョロ

『ルルーシュ……入っても、いい?』

カレン「っ…」
カレン「今のって……アーニャの声、だよね」
カレン「……ルルーシュの部屋になんの用かしら」

カレン「……」

バタン

カレン「……あーあ」ドサ
カレン「なんか損な役回りばかりしてる気分」

カレン「……まあ、一人占めも悪いしね」ハァ

カレン「アーニャ…頑張りなさいよ?」クス

ユンケルパワーが切れたので少し落ちます

今日の夜から深夜にかけて完結出来ると思います。

『なにか用か?』

アーニャ「用事が…あるワケじゃないけど」

『……まあいい、入れ』

アーニャ「……」

ガチャ…

ルルーシュ「眠れないのか?」

アーニャ「……そんなところ…」
アーニャ「少し、話がしたくて」

ルルーシュ「話し相手ならカレンがいるだろう…女同士のほうが気兼ねなく話せるんじゃないのか」

アーニャ「……それはそう、だけど」

ルルーシュ「だが俺も色々と整理が付いたところだ」
ルルーシュ「寝るまでの話し相手になってくれると助かる」

アーニャ「…じゃあ、聞く」

ルルーシュ「ん?」

アーニャ「カレンとは…恋人同士?」

ルルーシュ「……どうしたんだ?急に」

ルルーシュ「……そうだな」

アーニャ「……」

ルルーシュ「アレとは…最近そう呼ばれる間柄になった」

アーニャ「……そう」

アーニャ「…っと、」
アーニャ「もう…話、終わっちゃった」

ルルーシュ「そうか?」

アーニャ「……そう」ニコ

ルルーシュ「こういうのもなんだが」
ルルーシュ「人間味が増したな」

アーニャ「……私が?」

ルルーシュ「ああ。ジェレミアとの生活が大きいのだろうが」
ルルーシュ「とにかく、成長した」

アーニャ「……ルルーシュが死んでから3年経ってる」
ルルーシュ「……そうなると同い年くらいか」
ルルーシュ「いやすまんな、外見があまり変わってなかったものだから15の少女を扱うように接していた」

アーニャ「……失礼」

ルルーシュ「気を悪くさせたのなら謝る…そこらへんの機微に疎いらしいんだ、俺は」

アーニャ「……成長した」

ルルーシュ「あぁ前よりも饒舌になったんじゃないか。良いことだ」

アーニャ「見た目も、変わった」

ルルーシュ「……あ、あぁ見た目…変わった…………な、確かに…」

アーニャ「……変わってないと思ってる」

ルルーシュ「……すまない、嘘をつくつもりも無いんだが」

アーニャ「……!」
アーニャ「少し、待ってて」

ルルーシュ「?あぁ」

ガチャ…

――…
ガチャ

アーニャ「……どう?」

ルルーシュ「!」
ルルーシュ「お前…その服は……」

アーニャ「……そう」
アーニャ「"ラウンズ"時代に着ていた、正装」

ルルーシュ「……改めて見ると、目のやり場に困るデザインだな」

アーニャ「……胸」

ルルーシュ「……"胸"?」チラ

アーニャ「キツい…」

ルルーシュ「……あー…そういうことか」
ルルーシュ「…確かに、前はフィットしていたようだったが……」

ルルーシュ「…むしろよく着れたな、胸にプリントされている紋章が伸びてよくわからなくなっている」ジー

アーニャ「……結局、子供扱い」

ルルーシュ「いや、素直な意見を言ったまでだが……?」

アーニャ「子供扱いしているから、じろじろ見れる…」サッ

ルルーシュ「どうして隠す?マントの使い方が間違っているぞ」

アーニャ「………見たいの?」

ルルーシュ「いやそこまでは……」

アーニャ「……」ムゥ

アーニャ「もうわかった」

ルルーシュ「なにがだ?自己完結をするな。俺にも説明しろ」

アーニャ「……お酒が呑みたい」

ルルーシュ「酒?」

アーニャ「これ以上はアルコールの力が必要」

ルルーシュ「酔いたいという事か……まあ、明日に差し支えない程度なら問題無いか」

アーニャ「……持ってくる」

ルルーシュ「そうだな…俺にはワインを頼む。赤でも白でもあるもので良い」

アーニャ「……わかった」

――…
ルルーシュ「……焼酎は、初めて呑むが…パンチが違うな」
ルルーシュ「本当にワインが無かったんだな?」

アーニャ「うん……」チョビ

ルルーシュ「匂いを香る必要が無い…飲み込む時に鼻にかかるこの感じ……悪くないな」ップ

アーニャ「……ねえ、ルルーシュ」

ルルーシュ「……?どうした」

アーニャ「ルルーシュって好みのタイプとかある?」

ルルーシュ「……もちろん、あるぞ」

アーニャ「……教えて」

ルルーシュ「そうだな…」
ルルーシュ「巨乳」

アーニャ「ルルーシュもそういう風に言うんだ…」

ルルーシュ「なぜか回りには胸が大きい女が多くてな」ップ
ルルーシュ「見た目のファクターなど全体的な評価の10分の1にしか過ぎない」

ルルーシュ「決めては性格さ、気兼ねなく話せる間柄…それと、頭は良い方が良い」
ルルーシュ「頭が良い人間は行動が読みやすいからな」

ルルーシュ「しかし、それにはこちらがより頭が切れる必要があるが」

アーニャ「……思ったより簡単にカミングアウト。」

ルルーシュ「そうか?もう話す機会が無いかもしれないからな。饒舌にもなるさ」ゴク

アーニャ「"話す機会が無いかもしれない"」
アーニャ「やっぱり、明日……」

ルルーシュ「あぁ」グビ
ルルーシュ「消える手立てがあったならば、俺はその手段をすぐに行使しよう」

ルルーシュ「しかしアーニャ」

アーニャ「……?」

ルルーシュ「君が与えてくれた光……その光があるからこそ俺はその道を選べた」

アーニャ「私の……せいで?」

ルルーシュ「君の"おかげ"だ」コト
ルルーシュ「もし目の前にその"手段"を示された時、本当に俺は行使出来るのか?」
ルルーシュ「見苦しくも生にしがみつく可能性も…その時にならなければわからない」

ルルーシュ「……君が、"生きていて良い"と言ってくれたから…」
ルルーシュ「俺は死ねる」

アーニャ「…………ぜんぜんわからない…」ゴク

アーニャ「私は……」
アーニャ「私は、ルルーシュに生きてほしい」

ルルーシュ「……あぁ、聞いた」

アーニャ「どうして…消えるなんて言うの……」ポタ

ルルーシュ「……贖罪だ」

アーニャ「死ぬ事が贖罪になるの…」ポタ…

ルルーシュ「そうだな、これは"逃げ"なのかもしれないな」

アーニャ「……もう一度だけ聞く」

ルルーシュ「……」

アーニャ「貴方は、明日消える手段が見つかれば…」

ルルーシュ「……消える道を選択する」

アーニャ「っ……」ヒック

ルルーシュ「ありがとう…アーニャ」

アーニャ「……ルルーシュ」

ルルーシュ「…?」

アーニャ『……お願いが、あるの…』

――…
ルルーシュ「それが願い……」
アーニャ「……だめ?」

ルルーシュ「いや…」
ルルーシュ「カレンに了承を……」

ガシ
アーニャ「まさか彼女に聞くの?」
アーニャ「……"他の女を抱いても良いか"って」

ルルーシュ「だが…」
ルルーシュ「俺は気が進まん……」

アーニャ「いや?」

ルルーシュ「……そうは言わないが」
ルルーシュ「こう、あるだろ色々と心の葛藤が…」

アーニャ「恥ずかしいのは私も…一緒」スルッ

ルルーシュ「…頼む、いまは正常な判断が出来ない」

アーニャ「女には理由が必要だって聞くけど…」
アーニャ「ルルーシュなら使っても、良い」
チュッ

アーニャ「"酔っていたから"って…」

ルルーシュ「……っ」ドクン

――…
ガバッ

アーニャ「…………朝?」

アーニャ「昨日は…?」
ズキ

アーニャ「頭が痛い……そういえばお酒を呑んで…」

アーニャ「ぁっ」

アーニャ「……」

アーニャ「……」カアァ
アーニャ「まだ、お腹痛い…」

―――
ルルーシュ「…………」ガク

ルルーシュ「落ち着くんだ…まずは深呼吸だ」スゥ
ハァ

ルルーシュ「……キスをされたところまでは記憶がある」
ルルーシュ「いや、よく考えろ」

ルルーシュ「俺が、酔いに任せてなど下銭な理由に身を任せるワケがない」
ルルーシュ「そうだ…そうに決まってる」

ルルーシュ「……なぜか身体が疲労しているが…農作業のせいだな」フゥ

ルルーシュ「おはよう」スッ

ジェレミア「おはようございます」

カレン「ふぁ……おはよー」

アーニャ「……ぉは…よう…」

ルルーシュ「どうしたアーニャ、機嫌がすぐれないみたいだな」

アーニャ「……それは」キュウ

ルルーシュ「なにか悩みがあればいつでも相談すればいい」
ルルーシュ「ただし今日中にな」クク

カレン「……あ」
カレン「(そういえば昨日、あれからどうなったのかしら)」チラ

アーニャ「……」カアァ

カレン「(アーニャが真っ赤…ということはやっぱり……)」チラ

ルルーシュ「いやー良い朝だ。太陽が黄色い」ニコッ

カレン「(ルルーシュは無駄に明るいし…こっちはなんか変ね……)」
カレン「(少し、カマをかけてみようかな…)」

カレン「昨日、どうだった?」ニコ

「「」」ドキィッ!!

ルルーシュ「なにがだ?」ニコ

アーニャ「ぁ……起きて、たの…?」

カレン「(ルルーシュからは聞くなオーラ)」
カレン「(アーニャは動揺してるし……)」ンー

カレン「(…まあ、よかったんじゃないかな)」
カレン「(カグヤ様なら喜ぶところよね)」フフ

カレン「でも……」
カレン「ルルーシュっ」

ルルーシュ「ん?」

チュッ

ルルーシュ「!?」

カレン「今日がどんな結果になろうとも、私は受け入れる」
カレン「好きだよ、ルルーシュ」ニィ

ルルーシュ「……俺もだよ、カレン」

アーニャ「("どんな結果でも受け入れる"か……)」
アーニャ「(……強いな、カレンは。)」

――…
ジェレミア「……ふぅ」
ジェレミア「今日も、良い天気だ」

ルルーシュ「あぁ、気分まで晴れ晴れとしてくる」

カレン「ルルーシュにしては爽やかな事言うのね」

ルルーシュ「ぐっ、なにが悪い?」

カレン「わるくないわるくない」ニッ
カレン「なんか平和だなーって思ってさ」

ルルーシュ「平和……」
ルルーシュ「…そうだな、平和……だな」

ジェレミア「この平和が当たり前になるまではまだ時間がかかりそうですがな」

ジェレミア「……っと、アーニャはどこだ」キョロ

カレン「アーニャならあそこの木に……」

ルルーシュ「……っ!」
ルルーシュ「あの木…それにアーニャが掴んでいる枝は……」ハッ

ダダッ

カレン「ルルーシュ!?」

アーニャ「……ん」チョキ

アーニャ「ふぅ」グッ
ミシッ…

アーニャ「?」
ボキッ!!

アーニャ「!?きゃっ」グラ

ドスンッ
アーニャ「っ……」
アーニャ「……?」パチ

ルルーシュ「大丈夫か、アーニャ」ハァハァ

アーニャ「ぁ……」
アーニャ「……平気」カアァ
ルルーシュ「そうか」ホッ
ルルーシュ「伝えておかなくて悪かった」

ルルーシュ「あの木の枝が折れかかっている事は敷地内に入った時点で気づいていたのだが」
アーニャ「……ありがとう」スッ

ルルーシュ「なに…問題は……っ!?」
アーニャ「どうかした?」

ルルーシュ「抱えた拍子に腰を…痛めたようだ」プル

アーニャ「……身体、鍛えないとね」クス

ザッ

ルルーシュ「?」
ルルーシュ「!!」

C.C.『どうした?アーニャなら軽いものだろ』

ルルーシュ「C.C.……」キッ

C.C.「それともヤりすぎが原因じゃないのか?」
C.C.「隣まで壁越しに聞こえてきたくらいだからな。相当酷使したんだろう」クス

ルルーシュ「貴様!また隣に……ぐっ」

C.C.「大事な場面なのに格好がつかないな?」フフ

C.C.「本当は夜に来てやっても良かったんだが…そっちの方が雰囲気も出るだろ?」
C.C.「良いじゃないか、真昼に腰に力が入らない状態でボスに会う」

C.C.「RPGとしては話題くらいにはなるか」クス

ルルーシュ「C.C.……約束通り、真相を話してもらうぞ」ギリ

C.C.「真相?そんな大行なものでもないさ」フフ

『ルルーシュ!』
タッタッタ

C.C.「ようやく揃ったな」
C.C.「死にたがりの勇者に、事の真相とやらを教えてやろう」クク

ルルーシュ「……俺にギアスキャンセラーが効かなかった理由はっ?」

C.C.「お前自身にギアスがかかっていないからだ」

ルルーシュ「なっ、ではなぜ…死体にギアスをかけたんじゃないのか!?」

C.C.「あぁ、死体にギアスをかけたさ」

ルルーシュ「ではなぜギアスキャンセラーの効果を受けないっ!」
ルルーシュ「"コードの刻印"が身体に無い事は探して見つからなかったからわかる…」

C.C.「ちゃんと探したか?頭にあるかもしれないぞ」クス

ルルーシュ「ふざけるな、俺が調べ忘れるとでも思ったか」キッ

C.C.「だから言ったろ?」
C.C.「コードではない、れっきとしたギアスの力でお前はここに存在している。と」

ルルーシュ「(死体にギアスをかけた?)」
ルルーシュ「(ではなぜ俺にギアスキャンセラーが効かない…ッッ)」

C.C.「お前がなにを考えているかわかるぞ……」クク
C.C.「これを見ろ」スッ

ギィッ…ドスン

ルルーシュ「……棺桶?」
ルルーシュ「俺が入っていた棺か」

C.C.「入っていた?ちがうな」フッ

キイィ…

ルルーシュ「!」

カレン「ルルーシュの…死体!?」

C.C.「正確には今この瞬間、"お前の死体はこの棺の中にある"」

ルルーシュ「……ばかな」
ルルーシュ「じゃあ、俺は…なんなんだ……」

C.C.「……」
C.C.「お前は生き返ったんじゃない」

C.C.「ギアスによってこの世に生み出された…肉体を持つ幽霊、とでも言っておくか」

ルルーシュ「……ッ」

C.C.「どうした?言葉も出ないか。」

ルルーシュ「俺自身が…ギアス能力だと言うのかっ」

C.C.「あぁ」
C.C.「……もう気は済んだか?」

ルルーシュ「待て、重要な事を忘れていくな」

ルルーシュ「あるんだろう?俺がこの世から消える方法が!」

C.C.「……寂しい男だなお前は」

ルルーシュ「どういうことだっ」

C.C.「大丈夫かと判断して会いに来たが……まだ頃合いでは無かったか」
C.C.「賭けは私の負けで終わる、か」

ルルーシュ「なにをワケのわからないことをっ!」
ルルーシュ「いいから消える手段を出せ!!」

C.C.「手段?手段なら目の前にあるだろう」イラ

C.C.『その死体にギアスキャンセラーを使えば、お前は晴れてこの世ともおさらばさ…』

ルルーシュ「死体に…ギアスキャンセラーをっ!?」

C.C.「どうした?待ちに待った瞬間だろ?」
C.C.「やはり消えるのが恐ろしくなったかそれとも…生に未練が沸いたか」

ルルーシュ「……あぁ、確かにこの瞬間を切望し、待ち焦がれていたぞ」
ルルーシュ「ジェレミア!」

ジェレミア「……よろしいのですな?」

ルルーシュ「すぐに、やってくれ……万が一決心が鈍ると困るからな」

ジェレミア「…Yes, Your Majesty」スッ

ルルーシュ「……そうだ、魔女」

C.C.「?」

ルルーシュ「もう一度聞く事があった」

C.C.「……言ってみろ」

ルルーシュ「お前が…俺をこの世に生んだ本当の理由を教えてもらおう」

C.C.「……」

C.C.「……」
C.C.「そうだな、私の独りよがりになるが…」

ルルーシュ「……」

C.C.「長生きな人間がもう一人欲しかった。といったところか」
C.C.「かわいいだろう?こんな人間みたいな事を思ったんだ」

ルルーシュ「……C.C.」グッ

C.C.「なんだその目は?同情か?侮蔑か??」
C.C.「……あぁ、憤怒か。当たり前だな」フッ

C.C.「さあ、私は提示したぞ」
C.C.「生きる事を選ぶならこの場から立ち去れ」

C.C.「……消え去りたいのなら、ギアスキャンセラーを使え」

ルルーシュ「……」

カレン「ルルーシュ」

ルルーシュ「……カレン」

カレン「黙って見届けようと思ったけど…」
カレン「……やっぱり、無理みたい」グス

ルルーシュ「……」

ルルーシュ「……やめてくれ、どうやら俺は精神が弱いらしくてな」
ルルーシュ「…生きる道を選んでもいいかと思ってしまう」

カレン「良いじゃない、なんで?どうしてアンタは変なところで頑固なんだから……」グスッ

ルルーシュ「俺は…世界のために死んだんだ」

アーニャ『……でも今は生きてる』

ルルーシュ「……」

ジェレミア「もう少し、オレンジ栽培をしてみてはいかがですかな、ルルーシュ様」

ルルーシュ「ジェレミア、お前まで…」

ジェレミア「主君の決定には背きませんが」
ジェレミア「進言くらいはさせてもらいましょう」フッ

ルルーシュ「……くっ」

『どうした?決めたんじゃなかったのか?』

ルルーシュ「……C.C.」

C.C.「ここで勘違い坊やに…一つ、教えてやろう」

C.C.「お前が死んで、世界は大分マシになった」

ルルーシュ「……そのために死んだんだ」

C.C.「ルルーシュ、お前が見てきたこの数日間…世界はお前の目にどう映った?」

ルルーシュ「……」
ルルーシュ「平和。だった」

C.C.「そう、世界はカレンの言うところの"優しい世界に"なってきている」
C.C.「今日の朝も、お前はそれを確認していただろう?」

ルルーシュ「……」チラ

ジェレミア「太陽の日が気持ちいい、と」
カレン「ふざけて言い合いして…"世界は平和"だって、言った」

ルルーシュ「……だが」

C.C.「今は平和な世界だ」
C.C.「ルルーシュ、お前が再び死んで…世界が良くなるのか?更に早く優しい世界になるのか??」
C.C.「……お前は、この世界にいていいんだよ」フッ

アーニャ『生きていて…いい』

ルルーシュ「……そうか」
ルルーシュ「どうやらまた、無駄に考えすぎた……みたいだな…俺は」

カレン「!?じゃあっ」

ルルーシュ「……情けない話だが」
ルルーシュ「この世界を生きようと思う」

C.C.「だがこの道もまた、地獄だ」

C.C.「生きて贖罪をする方が、勝手に消えられるより世界にとっても有益さ」

ジェレミア「そう、これはチャンス」
ジェレミア「死んだままであったならば、今みたいに私は喜ばしい気分にはならなかったはず」
ジェレミア「これも、いまルルーシュ様がここにいてくれるおかげ」スッ

アーニャ「……っ」コク

カレン「私の世界も、ルルーシュがいてくれて…また一つ、優しくなった」ニコッ

ルルーシュ「……ああ」グッ

C.C.「さあ、私は感動の場面とサヨナラだ」

ルルーシュ「……C.C.、まだ聞き足りない事が山ほどある」

C.C.「…ああ、これから時間は捨てきれないほどある」
C.C.「その時は、好きなだけ付き合ってやるさ」クス

そんな下品ことにCCが使うかよ

C.C.「おはよう、今日もいい朝だなルルーシュ」
C.C.「ほら、お前も早く起きろルルーシュ」
C.C.「どうした 私に起こして欲しいのかルルーシュ」
C.C,「仕方ない奴だなお前も」フフ…
C.C.「さあ朝食ができたぞルルーシュ」
C.C.「?……私に食べさせて欲しいのか?何を甘えてるんだお前は」フフ…
C.C.「こら、こぼしてるぞルルーシュ」ゴシゴシ
C.C.「ふふ、ルルーシュ……ルルーシュルルーシュルルーシュ……」

ゴゥンンン…

C.C.「それに、早く返さないと腐るだろ?お前の死体」

ルルーシュ「……そういえば、窃盗犯の正体はお前だったか」

C.C.「ああ、ご丁寧に飾られていたんでな……少し借りてきただけだ」

ルルーシュ「ふん…どうだろうな、魔女の言うことだ」

C.C.「ちゃんと返すさ」
C.C.「お前が逃げ出したい時には必要になるだろ?」ニィ

ルルーシュ「見くびるな、俺は決意した」
ルルーシュ「未来永劫、お前の話し相手でいてやる。感謝するんだな」

C.C.「……あぁ、それは素晴らしい道具が手に入った」フッ

ルルーシュ「…必ず、また俺の前に現れろよ」

C.C.「当然だ」


C.C.『お前と私は…共犯者なのだから』クス

――…【数か月後――日本】
ルルーシュ「……ここで、ナナリーと会えるのか」
カレン「なにを緊張しているの、妹でしょ?」

ルルーシュ「妹だからだ」
ルルーシュ「あれだけの事をしたんだ……どう思われているか」

カレン「ゼロレクイエムの時に"愛している"って言われてなかった?」
ルルーシュ「……ああ、言われたな」
ルルーシュ「あの一言だけでも、俺は救われた気持ちになれた」

ツカツカ…
ルルーシュ「…ん?」

C.C.『おや、奇遇だな』

ルルーシュ「…どうしてこのタイミングで現れた?」

C.C.『……なに、紹介しようと思ってな』

ルルーシュ「……誰をだ」

C.C.「そうだな…」フフ
C.C.「この扉の先にいる……数ヶ月前にあったお話の」


C.C.『"もう一人の共犯者"を』クス


――…end

ようやくプロローグが終わった……

ここから色々書きたい事があるので、他の未完スレを完結させた後に続編の形で立てたいと思います。

保守してくださった方々ありがとうございました!
乙ですっ!

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