安藤「学園都市で一人暮らししていたら突然シスターが現れた」 (53)

―第七学区・男子学生寮七階の一室―

安藤「もうそろそろ布団しまおうかな」

ガラッ

禁書「……」

安藤「ああそうだ布団叩き持ってこな……」

禁書「……」

安藤「……女の子?」

禁書「……ううぅ」

安藤「喋った……。シスター? 外国の人?」

禁書「おなかすいたぁ……」

安藤「……そして、空腹?」

魔王JRの安藤です

―部屋の中―

安藤「あり合わせの野菜炒めだけど」

禁書「ありがとうなんだよ!」もしゃもしゃ

安藤(……昨晩のレベル5に引き続き変な人に会うなあ)

安藤「……君はなんていう名前なの?」

禁書「インデックスっていうんだよ」

安藤「院出江楠?」

禁書「インデックス! 禁書目録……あ、魔法名ならデーリカートス545!」

安藤「禁書目録? 魔法名? デリケート……なんだって?」

安藤「インデックス?」

禁書「インデックス!」

安藤「……インデックスちゃんは、どうしてベランダに干されてたの?」

禁書「魔術師たちに追われてて、ビルからビルへ飛び移ろうとして失敗しちゃったんだよ」

安藤「魔術師? ……インデックスちゃんはサーカス団員の子だったのか」

禁書「サーカス団員なんかじゃないんだよ! 魔術結社の魔術師なんだよ!」

安藤「魔術師とか魔術結社とか、凄くワクワクする単語なんだけどごめん……信じ難いなあ」

禁書「嘘じゃないんだよ! 魔術師たちは私の持ってる10万3千冊の魔導書を狙って私を捕まえようとしてるんだよ!」

安藤「へえ……電子書籍ってそんなに持ち運びできるんだ。凄いなあ」

禁書「違うんだよ! 頭の中にあるんだよ!」

安藤「埋め込まれてるの? まるでSFの世界じゃないか」

禁書「なんだか話しが噛み合わないかも」

安藤「えっ!? 話し噛み合ってないの!?」

禁書「電子書籍でも頭に埋め込まれもSFの世界でもないんだよ!」

安藤「じゃあどういう?」

禁書「記憶してるんだよ! 10万3千冊の魔導書を! 中身も全部!」

安藤「……なるほどそれでインデックス(禁書目録)なのか」

禁書「納得してくれたみたいで嬉しいんだよ」

安藤「……でも、納得はしたけどやっぱり信じられないよ」

禁書「えー! なんでなんで!」

安藤「ここは学園都市、能力開発の研究でほとんどの子供たちが超能力を持つ場所なんだ」

安藤「そういったものがあってもおかしくはないんだけど、だからこそ、魔術や魔導書なんていう……」

禁書「むぅ……オカルトチックなのは科学の前じゃ信じられないっていうの?」

安藤「うん」

禁書「むぅー!」

安藤「まあ、魔術ってのはにわかには信じられないけど……でも僕も似たような力は持ってるんだよね」

禁書「似たような力?」

安藤「うん。学園都市の能力者たちは能力開発によって異能の力を目覚めさせるんだ」

安藤「普通に考えれば異能の力を目覚めさせるなんてそれだって魔術となんら変わらないオカルトのようなもの」

安藤「でもそれはあくまでも科学の延長上の、結果として説明されてる」

禁書「……何が言いたいのかよくわからないかも」

安藤「要は、科学で説明できる超能力は信じられるけど説明できない魔術は信じられない……」

禁書「……」

安藤「そして僕は、その科学で説明できない……つまりは能力開発に全く関係の無い、異能の力を持ってるんだよ」

禁書「じゃあ魔術のこと信じてくれるの!?」

安藤「実際に見ないと何とも言えないけどね」

禁書「……。じゃあ!」ドタドタドタ

安藤「? 台所に行ってなに……!?」

禁書「ふふーん!」キランッ

安藤「ちょっとインデックスちゃん!? 包丁持って何するの!?」

禁書「これで私を刺してみるんだよ!」

安藤「そんなことしたら痛いよ!」

禁書「大丈夫なんだよ! 私が着てるこの服は歩く教会っていう極上の防御結界なんだよ!」

安藤「服が結界で教会?」

禁書「だから包丁なんかで刺しても傷一つ付かないんだよ! 今からそれを実証するんだよ!」

安藤「へー、あんまり無理はしないでね」

安藤「……本当だ傷一つついてない」

禁書「ふふーん! どうこれでわかった? 信じてくれる?」

安藤「ああ、信じるよ。こんな丈夫な服が作れるほどに人類の技術って進歩してるんだね」

禁書「……」

安藤「……」

禁書「ねえ、じゃあ君の」

安藤「うん?」

禁書「君がさっき言ってた、科学じゃ説明できない力っていうのはなんなのかな?」

安藤「あ、ああ……」

禁書「もしよければ見てみたいかも!」

安藤「……せめてあと一人いれば見せられるんだけどな」

禁書「……? どういうことなんだよ?」

安藤「あ、でも携帯の録音機能とか使えばいけるかも」

禁書「……?」

安藤「よし……」スッ

禁書「どうしたの口に手をあてて……おっぱい!!!!!!!!」

安藤「……!」

禁書「おっぱい大好き!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

安藤「……ッハア! ハア、ハア……」

禁書「……? あれ、今私は……」

安藤「これが僕の変な力だよ」

携帯『おっぱい大好き!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』

禁書「えっ!? 私の声なんだよ!」

安藤「他人に自分の言いたいことを喋らせる力……僕は腹話術って言ってるんだけどね」

禁書「……うぅ。能力見せるためとはいえ、女の子に変なこと言わせて……ぐるるるる、があああ!」」ガブッ!

安藤「うぎゃあああああああああ噛みつかれたあああああ!!!」

禁書「許さないんだよー!!!」

安藤「……あ、しまった」

禁書「閉まった?」

安藤「いやいや。さっき布団干すために窓開けて、そのまま開けっぱなしにしちゃってて」

禁書「じゃあ閉まってないんだよ」

安藤「だからしまったって……まあいいや」スタスタ

安藤「不味いなあ、窓開けっ放しだったからさっきの腹話術近所迷惑になってたかもな……無駄に大声出さなきゃよかった」

ステイル「……」

安藤「……」

禁書「……ッ!」

ステイル「やれやれ……禁書目録を見失った地点を捜索していたら、彼女の叫び声が聞こえて来てみたが」

安藤「また……外国人」

ステイル「何の関係も無い一般人に匿われているとはね」

安藤「……やっぱり近所迷惑だったのか?」

禁書「そいつだよ! そいつが追手なんだよ!」

安藤「……え」

ステイル「どいてくれないかな、それが回収できないからさあ」

安藤「……それ? ってどれ?」

ステイル「正確にはそれの持ってる10万3千冊の魔導書だけどね」

安藤「あ、これダメだ。それとか回収とかダメだ」

ステイル「手荒なマネはしたくないんだ、余り手間をか……棲星怪獣ジャミラの必殺技は100万度の高熱火炎!!!」

禁書「え、何、今のあれがふくわ、うわっ!」

安藤「走るぞインデックスちゃん! 今の内に外に出るんだ!」

ステイル「……っは? 僕は一体……っ!?」

ステイル「ちぃっ! 逃げられたか」

―廊下―

安藤「ああ、エレベーターか階段かどっちで逃げよう!」

禁書「……」

安藤「待ってる時間が惜しいから階段か、インデックスちゃん抱えて」

禁書「……放して」

安藤「なに言ってるんだよ、追手がいるのに逃げなきゃダメじゃないか!」

禁書「君を危険な目には合わせられないんだよ!」

安藤「『それ』とか『回収』とか言うやつにインデックスちゃん渡してたまるかよ!」

禁書「私一人でなんとかするから! だから君は……地獄には来ないで」

安藤「……ここまで関わっちゃったならもう、遅いよ」

禁書「……」

安藤「戦ってやる、対決だ。そして勝って、君を逃がしてやる。約束だ!」

禁書「……」

安藤「賭けてもいい」

安藤の一人称俺だったな

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