和「」
唯「?あれ?和ちゃんどーしたの?」
和「」
唯「…和ちゃん?」
和「」
唯「寝ちゃったの?おーい」
和「」
唯「もー!せっかく一緒に帰ってる途中で寝るなんて信じられないよ!!起きてー和ちゃーん!!」
和「」
唯「もう…風邪引いても知らないよ和ちゃん!じゃあね!!!!」すたすたすた
和「」
唯「もぉ…せっかく部活無いから久しぶりに一緒に帰ってたのに」ガチャッ
憂「お姉ちゃんおかえり。早かったね?」
唯「ただいま憂。今日部活お休みだったからね」
憂「ご飯もうちょっとしたら出来るから待っててね」
唯「ほーい」
-翌日
ガラガラ
唯「おはよーみんな!」
澪「おはよう唯」
律「おいーっす!」
紬「唯ちゃんおはよう」
唯「…和ちゃんは?」
澪「まだ来てないぞ。何か用あるのか?」
唯「いーやべつにー(昨日のこと謝ってもらわないとね!)」
ガラガラ
さわ子「…」
律「お、さわちゃん来た。和は珍しく遅刻かー」
澪「珍しいっていうか初めてじゃないか?」
起立!礼! おはよーございます
さわ子「…」
律「…なあ、なんかさわちゃんの様子おかしくないか?」
澪「あぁ」
さわ子「今日は、一つ残念なお知らせがあります……」
唯「なんだろー?」
澪「な、なんか怖いな」ブルブル
さわ子「実は昨夜…」
さわ子「我がクラスの真鍋和さんがお亡くなりになりました」
唯「…え?」
澪「嘘だろ…」
律「や、やだなーさわちゃん!冗談きついぜー」ハハハ
さわ子「…」
律「…ぅぅう」
さわ子「皆さんの信じられないという気持ちは痛いほどわかります。私も最初はそうでした」
………………………………………………
・・・・・・・・・・・・・・・………
・・・・・・・・…
……
さわ子「これから体育館で全校集会が開かれます。もし、今の話を聞いて体調の悪くなった方は遠慮なく先生に知らせてくださいね」
唯「和ちゃんが……死んだ?」
その後、体育館で緊急の全校集会が開かれ、校長の口から桜丘高校の生徒会長でもある和ちゃんが亡くなったことが全校生徒に知らされた。
体育館にはすすり泣きの音がこだまし、何人かの生徒は校長の話の途中で保健室へ行ってしまった。何を隠そう澪ちゃんも、保健室へ運ばれた一人だ。
それにしても…和ちゃん。
なんで、なんで死んじゃったの?
ずっと友達だって約束したよね?
なんで先に逝っちゃうの?
昨日の帰り道では、『和ちゃんの喉ガチャーン』をされて寝ちゃうくらい元気だったのに…
一体あの後和ちゃんに何があったのだろうか?
放課後、部室
律「…」
澪「…」
紬「…」
梓「…」
ガチャッ
唯「やっほーみんなー!ごめんね掃除で遅れちゃってー」
律「…おう唯」
紬「唯ちゃんも来たし一応、お茶にする?」
澪「悪いムギ、今日はそんな気分じゃ 唯「ケーキ食べよう!!!!!!!!」 」
律「…てめぇ」ビキビキ
紬「まぁまぁりっちゃん。きっと唯ちゃんも悲しいの隠そうとしてるのよ…」
律「そうかな」
澪「…そうにきまってるさ。なんたって幼稚園からの幼馴染が死んだんだから…」
唯「ケーキぃ♪ケーキぃ♪」うんたん
律「……そう、なのか?」
澪「…た、たぶんな!」
紬「そ、そうよ!とりあえずお茶にしましょう!!今日はティラミス持ってきたのー」
唯「ティ、ティラミスですと!?お聞きしましたかりっちゃん隊長!?」
律「ぉ、おう!ティラミスと聞いて黙ってられるりっちゃん隊長じゃないぜ!!(気分のらねー)」
ガラガラ
さわ子「みんないるかしら?」
律「さ、さわちゃん…」
さわ子「…まぁ、こんな時こそお茶会して落ちつくのは必要よね」
唯「そうですぞ!腹が減っては戦が出来ぬのです!!」
梓「何と戦うんですか」
さわ子「それはそうと、みんなには言わなきゃいけないことがあるの」
唯「なーにー?」
さわ子「その……真鍋さんについてのことなんだけど」
律「和について…?」
梓「もしかして…遺言とかでしょうか?」
唯「遺言?……はっ!もしかして和ちゃん私に遺産でも残してくれたの!?」
律「唯、ちょっと黙ろうなー」ゴリゴリ
唯「い、いたいよりっちゃーん!!」
澪「先生!話してください!!」
さわ子「実は真鍋さんは…」
さわ子「何者かに殺害されたの」
律「さつ…」
梓「…がい…?」
紬「う、嘘…」
澪「キコエナイキコエナイキコエナイキコエナイ」ブルブル
唯「さつがい…?」
さわ子「そう…特に唯ちゃん。あなたにはショックだろうけ」
唯「ねぇさわちゃん」
さわ子「…なぁに?」
唯「さつがいって……日本語で言うと何?」
一同「…」
…………………
唯「つまり…和ちゃんが誰かに殺された?」
律「そういう…ことだ。さわちゃんによるとな」
紬「ぅぅぅ…」しくしく
さわ子「あなたたちにだけこれを知らせた理由はね。たぶんこの後あなたたちの家に警察が来て、真鍋さんについて色々聞かれるだろうと思ったからなの」
さわ子「知らない人に急に『真鍋和さんが殺害された件についてですが…』とか言われたら、澪ちゃんでなくてもショック受けるでしょ?」
律「まぁ確かに。…澪は誰から教えてもらっても意味無いみたいだけどな」
澪「アーアーアー ナニモキコエナーイ」
さわ子「一応、私の知っている話をすると…」
被害者・真鍋和は昨夜7時頃に、道路脇に倒れているのを近隣の住民により発見された。
すぐに救急車が呼ばれ、真鍋和は病院に運ばれたが、昨夜9時20分ごろ、医師により死亡が確認された。
検死の結果、死因は窒息死であることが判明し、心臓発作か何かを予想していた医師を困惑させた。
また、更に調べてみた結果、首の左右にひどい打撲が見つかり、また、気管と頸動脈が激しく損傷していることから
警察は「真鍋和は下校中に何者かに首を打撃され殺害された」と断定した。
首の左右に打撲があることから、二人組による犯行の線もあると言われている。
律「首を打撃…」
梓「ひどい」
紬「二人組の可能性もなんて…はっ!さ、さわ子先生!その、和ちゃんの体は…」
さわ子「安心してって言うのもあれだけど、強姦等にあった形跡は無いようよ」
さわ子「さっきも言ったけど、今後警察の捜査に協力してもらう場面もあると思うから、その点は覚悟しておいて。何よりも…真鍋さんのためだから!」
律「わかった!」
紬「わかりました!」
梓「協力してやるです!」
澪「ワ、ワカリマシータ」
律「おう澪、ちょっとたちなおったか」
その日の夜、私たちはみんなで和ちゃんの通夜に参加しました。
澪ちゃんはショックから立ち直ったものの、終始泣いてばっかりで、他のみんなもハンカチを目に当ててうつむいていました。
私はというと、なぜか泣くことが出来ず、というか悲しいという感情もあまり湧きませんでした。
実感が無いというかなんというか…エヘヘ
和ちゃんの遺体を見れば、実感がわくかもしれない
そう思い、和ちゃんと体面もしましたが、それでも信じられませんでした。
和ちゃんの姿は、昨夜私が『和ちゃんの喉ガチャーン』をした後に急に眠った時の寝顔、そのままでした。
ふっと起き上がって「あら、唯。来てたのね」なんて言いそうな…
和ちゃんの通夜から退散した後、私たちはすぐに解散しました。
みんな口数が少なく、笑顔はありませんでした。
憂もショックを受けていて、今夜の晩御飯は久しぶりにコンビニ弁当でした。
みんなと別れて、そして和ちゃんと分かれた後、私はしばらくぼーっと和ちゃんの事を考えていました。
唯「和ちゃん…なんで先に死んじゃったの?なんでこんな早く…」グスッ
唯「和ちゃんが発見されたのは7時過ぎ」
唯「ってことは和ちゃんが襲われたのはたぶん7時前。……私と別れた直後だよね」
唯「……もしかして」
唯「……もしかして」
唯「わ、私が和ちゃんを置いていかなければ、和ちゃんは襲われなかったのかなぁ」
唯「……」グスッ
唯「ぅ゛え゛mえ゛え゛えーーーーーーーーーん!えええええええええええええーーーーーーーーーーーーんんんn!」
唯「のーどーーーーーがーーじゃーーーーーーんんんんんん!!」
憂「お、お姉ちゃん大丈夫!?」ガチャッ
唯「う゛、う゛い゛--」ぎゅっ
憂「…お姉ちゃん」ぎゅっ
憂(私も悲しいけど、お姉ちゃんはもっと悲しいはずだよね……)
憂(私が、私がお姉ちゃんを支えなきゃ!!)
唯「ヴぇーーーーんぬ!ゴンビニ゛べんどうより、う゛い゛のごはんだべだいじょーーーー!!!!!!」
憂「わ、わかった!私もう大丈夫だから、ちゃんとした晩御飯作るね!?だから泣かないで!!」
唯「…ヴぁかっだ!」ふんすっ
私は憂のおいしいごはんでもう一度お腹をみたした後、すぐにベッドに入った。
だが、もちろん寝つけるはずが無い。
唯は無意識に最期の帰り道のことを思い出していた。
唯(私と和ちゃんの最期の思い出が、まさかけんか別れなんてね…)
唯(そりゃ、あれは和ちゃんが悪いんだけど、でも、それでも最後の思い出があんなのなんていやだよぉ…)
唯(和ちゃん?なんであの時寝ちゃったの?)
唯(私といても楽しくなかったのかなぁ…)
唯(和ちゃん、和ちゃん、和ちゃん…)
唯(なんで…)
唯(謝 る 前 に 死 ん だ の ? そ ん な の 許 さ れ な い よ ? )
まさかサスペンスだったとは
これ好きなんだが元画像あるの
´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.. 、 `ヽ. ん 泣 や
/ `ヽ ', で い め
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. i. す て て
/.:.:.:.:.:.:.:.:.八 :.:.:.::.|:.:./|:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| | ! 子 さ
|:.:.:.:.:.:.l_メ、_ヽ:.:.:..:|:.:′\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| |. も い
|:.:.:.:.:.:.|〃xミ、メ.:.::l/ 彳=ミヽ.:.:.:.:.:.:\| | い ! !
リ.:イ:.::.:.|i i`心 Vノ i 心 }.:.:.:./|:.:.:.:| | る
八:.小j 弋_ン ':,__り j/}/ ノヽ:::| ∠,_ _ ん
7┗━┛ ' ┗━┛ '|.:.:.:{V `Y´ -───- 、
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,' ` .、.,!/ ,.イL:{`ー一 (((i ) / /: :/{: :{: : : :ヽ: : :',(ヽ三/) ))
ァ''"´ `ヾi、ー=''"/ヨ| / / /: :{=/\{: : |\}X: :'.: : :} ( i)))
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誤爆してた
すまん飯食ってた
…翌日
唯(ふぅ、今日は休校なんだっけ)
ピンポーン
憂「はーい」ガチャ
刑事「すいません、平沢さんのお宅ですね?真鍋和さんの事件についてお伺いさせていただきたいのですが…」
憂「は、はい。どうぞおあがり下さい…」
唯「うーいー、お客さーん?」
憂「うん、刑事さん」
唯「おーおー、わんちゃんかー」
刑事「わんちゃん?(この平沢唯という子はたしか、被害者の幼馴染だったよな?全然落ち込んでる様子が無いが…)」
………………………………………
………………………………
……………………
………
…
刑事「では、真鍋和さんが誰かに恨まれているような事は無いと?」
憂「はい、和さんのことは幼稚園くらいのころから知っていますけど、誰かに恨まれるような人ではないと思います」
唯「私もそう思うよー」
刑事「そうですか……」
刑事「では、和さんが事件に合った日のことを何か知りませんか?その日の和さんの様子ですとか、誰かと一緒に下校するという話を聞いたですとか」
憂「…その日は和さんとは会っていません。すいません……」
唯(和ちゃんとは一緒に下校したけど…)
唯(あの喧嘩の事は誰にも知られたくないなぁ。和ちゃんが普段からすぐ寝るような人だと誤解されちゃあ可哀そうだし)
唯(そりゃ、幼馴染に失礼なことしたのに謝らずに死んじゃうような人ではあるけど…)
唯(…別に私は事件のこと何も知らないし、言う必要無いよね?)
唯「えへへへ、私も和ちゃんとは教室で会っただけで、帰りの事は知らないよー」
刑事「…わかりました。また何か思い出したらこちらまで連絡お願いします」
――数日後
唯「いやー久しぶりの部活だね!」
律「あの日以降、学校にマスコミが殺到して休校が続いていたしな」
梓「じゃあ、とりあえず練習でもしましょうか」
唯「その前にすることがあるよ!あずにゃん!!」
紬「お茶にしましょうか♪」
梓「で、でも久しぶりに集まったんですし」
澪「いいじゃないか梓。みんな疲れてるんだしさ…」
梓「…ま、まあ澪先輩が言うなら(澪先輩が一番疲れてそうだなぁ)」
律「まかせたぜ、ムギ!!」
紬「はいはい、ちょっと待ってね~」
唯「ねーみんなの所には刑事わん来た?」
澪「私の所には来たぞ。まあ特に話すことはなかったんだが…」
律「うちもだ。同じく何も大した話は出来なかったけど」
紬「うちは家のものが拒否したみたいで来なかったわ」
律澪(でた、琴吹家チート…)
梓「私のところには来ませんでした。まあ正直唯先輩経由でしか接点もありませんでしたし」
唯「そうなんだー」
梓「でも…和さんはなんで殺されたのでしょうか?誰かに恨まれるような人には思えませんけど」
律「やっぱり、通り魔の無差別犯行なんじゃねーか…」
梓「…ゆ、唯先輩は何か知らないんですか?あの日、和先輩と一緒に帰ってましたよね?」
澪律紬「…え?」
澪「唯!それ本当なのか!?あの日和と一緒に帰ったのか?」
律「おかしいな。警察の人は唯の家にも行ったけど、唯と一緒に帰宅したってことはしらなかったぽいぞ」
梓「ゆ、唯先輩!?」
唯「…えへへへ、実はねー」
それから私は話した。
あの日自分は和と一緒に帰ったこと。
途中で『和ちゃんの喉ガチャーン』をした後、急に和が寝始めたこと。
それに怒って、半ばけんか別れのような形で和を置いていったことを。
梓「…なんで、それを警察に言わなかったんですか?」
唯「いやぁー、喧嘩の話なんてする必要な無いと思ってー」
ガタッ
唯「!?」
律「ふざけんな!!」
唯「り、りっちゃん…!?」
律「たしかに唯は何も知らないんだろうけど、その情報を教えれば警察が新たな手掛かりを、もしかしたら犯人を見つけられるかもしれないんだぞ!?」
紬「まぁまぁ、りっちゃん落ちついて」
唯「ぅう、で、でも!和ちゃんが友達との帰宅途中で寝るような変人だなんて思われるのはよろしくないよー」
梓「いや、それでも警察の方にはちゃんとお話するべきです!」
唯「あ、あずにゃん…」
紬「私もそう思うわよ、唯ちゃん。ちゃんと知ってること話そう?」
唯「ムギちゃん……わ、わかったよぅ」オロオロ
澪「……ちょっと待ってくれ」
唯「?」
律「…なんだ、澪?」
澪(みんな疑問に思ってないのか?)
梓「も、もしかして澪先輩も何か隠してるんですか?」
澪「い、いや!隠してるわけじゃないんだ…」
澪(え?もしかして常識なの!?知らないの私だけ!?)
澪(…これ聞いちゃったら『情弱乙wwww』とか言われるのかな?うぅ……)
澪「い、いや!なんでもない!!」
唯「澪ちゃん?」
澪「なんでもないって!そうだ、そろそろ練習しよう!!」
梓「そうですね!せっかく集まったんですし、久しぶりにみんなで合わせましょう!!」
澪(『喉ガチャーン』って何なんだぁぁぁっぁぁっぁああああああああああああああ)
その後、私たちは久しぶりにバンドで練習をしました。
辛い悲しい日々でしたけど、やっぱり放課後ティータイムのみんなと音楽してるときはホントに楽しいなぁ。
…………………………………
………………………
……………
……
…
律「私と澪は向こうの道だから!じゃあなみんなー」
澪「また明日」
紬「私も向こうだから、じゃあね~」
唯「じゃあねー」
梓「お疲れ様です」
――澪の家
澪「うぅ、『喉がちゃーん』ってなんなんだ一体…」
澪「PCも起動したし、ググるか」
澪「……」
澪「……」
澪「……」
澪「出てこねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇええええええええええええ!!!!!」
澪「なんなんだよ!『喉ガチャーン』ってなんなんだよ!!教えてくれよグーグル先生!!」
澪「『和ちゃんの喉ガチャーン』したって……どういうことなんだよぉぉぉぉおおお!」
澪「……」
澪「……」
澪「はっ!?そうか!『喉ガチャーン』じゃなくて『和ちゃんの喉ガチャーン』って名前なのか!?」
澪「じゃあさっそく『和ちゃんの喉ガチャーン』で検索っと…」
澪「……」
澪「……」
澪「やっぱり出てこねぇぇぇぇぇぇぇええええええええええ!!!!!!!!!」
――翌日・部室
澪「遅れてごめん。掃除当番だったからさ」
唯「待ってたよー」
紬「すぐお茶とケーキ用意するわね」
澪「ありがとう…」
律「…澪どうした?なんか元気ねーぞー?」
澪「え?いやいやちょっとな…(昨夜ずっと調べてたけど結局わかんなかった…)」
唯「――でね」
律「――だろ!」
紬「あらあらぁ」
澪(みんな当たり前のように『和ちゃんの喉ガチャーン』に対して疑問を持ってない。やっぱり常識なのか…)
唯「あずにゃーん」
紬「ぶって!」
律「ほいほい」
澪(でも、やっぱり知りたい!常識ならば、今後のためにも今知るべきだ!!)
澪(……律なら、律なら『ググれカス』とか言わず教えてくれるかも!!)
律「はははははh!」
澪「り、律!!」
律「なんだ澪?」
澪「実は昨日の話のことなんだけど……」
律「?」
澪「……『和ちゃんの喉ガチャーン』って一体なんなんだ?」
律「…」
澪「…」
律「…」
澪(や、やっぱり律でも『一生ROMってろ』とか言っちゃうのか!?)
律「…なんだろうな?」
澪「っへ?」
律「私もわかんねーわ」はっはっは
澪「」
律「…澪?あれ?おーいどうしたー?」
澪「」ウルウル
律「え!?何があった??」
唯「あれ、澪ちゃーん?」
紬「どうしたの、澪ちゃん」
澪「律は、律は……やっぱり私の友達だよな!!!」うわぁぁぁぁーーーーん
律「……は?」
唯「み、澪ちゃん!?」
律「な、何急に泣き出してんだ?それに変な事叫ぶな////」
澪「うわぁぁぁぁぁっぁああああん!!!」
梓「もしかして…和さんの死の件で、律先輩までいなくなっちゃうんじゃないかって不安になってしまったんでは?」
律「み、澪……」
澪「ぅぅううう」シクシク
紬「澪ちゃん、紅茶のんで落ちついて!?」
…………………………
…………………
…………
…
澪「ぅう、取り乱してごめん」
唯「いーよ澪ちゃん!」
梓「安心してください。私たちはずっと一緒ですよ?」
澪「唯、梓。ありがとう(…急に梓は何言い出してんだ?)」
紬「うふふふ、澪ちゃんとりっちゃんの関係うらやましいなぁ」
律「べ、別にそんなんじゃねえやいっ////」
唯「あーりっちゃん照れてるー」
律「うるへぇ!!」
紬「あらあら」
梓(こんな先輩たちの笑顔、久しぶりです……)
澪(なんでこいつら急に元気になってんだ?)
律「そ、そんなことより!!さっき澪が言ってたんだけど」
梓「なんですか?」
律「昨日唯が言ってた『和ちゃんの喉ガチャーン』って一体何なんだ?」
澪(い、言ったーーーーー!?)
紬「……」
梓「……」
澪(終わった、終わった……みんなに笑われる。これで私が情弱だとばれてしまう…!!)
梓「…そういえばなんなんでしょうね?」
紬「…私もわかんないわー」
澪「…え?」
梓「私も昨日スルーしてましたけど、一体なんなんですかそれ?」
律「私もだ」
紬「私も、一生懸命喋る唯ちゃんに見とれて聞き流しちゃってたわ」
澪「みんな…」
唯「えー、みんな知らないの?」
律「あぁ、想像出来なくもないがよくわからんぞ」
梓「その『和ちゃんの喉ガチャーン』をした後和先輩が寝たんですよね?」
紬「もしかしたら、その『和ちゃんの喉ガチャーン』が事件の鍵を握っているのかもしれないわ」
唯「そーかな?関係無いと思うけど…」
澪「関係なくても知りたい!私なんて昨日ずっと『和ちゃんの喉ガチャーン』のこと調べてて寝不足だったんだぞ!?」
梓「そ、そうなんですか(そこまで気になったなら)」
律(なんで昨日…)
紬(聞かなかったのかしら?)
唯「なんだー、そこまで気になるんなら」
唯「澪ちゃんにもしてあげよっかー?」
澪「わ、私にしてくれるのか!?」
唯「うん、別にいいよー」
澪「してくれ頼む!!(やっとこれで知れる!また一つ情弱との差を開ける!!)」
律「じゃあ澪にしてやれよ唯ー」
唯「わかりました、りっちゃん隊長!!」
よっしゃあああああ
唯「じゃあ澪ちゃんそこに立って」
澪「わかった」ドキドキ
梓「い、一体これから何が起きるのでしょう…」
律「全くわからん」
紬「なんだかドキドキしてきたわ」wktk
唯「準備いい?澪ちゃん」
澪「ああ!来い、唯!!」
唯「じゃあいくよー」
すぅー はぁー
唯「……」
澪「……」
唯 「 和 ち ゃ ん の 喉 ガ チ ャ ー ン ! ! ! ! ! 」
澪「ぇぉぅっ!!!」
澪「」
唯「…」
律「…」
紬「…」
梓「…」
澪「」
律「…?」
梓「これは…」
紬「もしかして…」
澪「」
唯「終わったよー澪ちゃーん」
澪「」
唯「あれー?澪ちゃーん?」
律「み、澪?」
梓「…澪先輩?」
紬「…え?」
澪「」
律「み、澪!?終わったぞ!?どうしたんだ澪!?!?」
梓「澪先輩…!?」
紬「大変!息をしてないわ!!」
唯「あれー澪ちゃん寝ちゃった。せっかく『和ちゃんの喉ガチャーン』してあげたのに」ムスッ
澪「」
律「おい澪!!大丈夫か!?目を覚ませ!!」
唯「大丈夫だよりっちゃーん。たぶん寝ちゃったんだよ。昨日寝不足だったって言ってたし」
梓「でも息をしてません!これはただ事じゃないですよ!?」
律「澪ぉぉぉぉぉぉおおおお!!!!」
紬「す、すぐに保健室の先生呼んでくるわ!!」
唯「!?駄目だよムギちゃん!!!!!!!!」
紬「!?」
梓「な、なんで先生呼んだら駄目なんですか!?!?」
唯「だって澪ちゃんはどう見ても寝てるだけだよ。気持ちよく寝てるのに起こしたら可哀そうだよ!!」
律「どう見ても寝てるだと!?どう見ても死にかけじゃねーか!!」
律はそう言って唯に飛びかかった。
唯「や、やめてよりっちゃん!」
紬「りっちゃん落ちついて!」
律「大事な友達を殺されて落ちついていられるか!ムギ、お前は先生呼んで来い!!」
紬「で、でも!!」
律「行け!!」
紬「…わかったわ」ガチャ タッタッタ
唯「い、痛いよりっちゃん…」
律「澪は痛いなんてもんじゃねぇぞ!!」グギギギギ
梓「っていうか、さっきのクロスチョップみたいなのなんなんですか!?どこであんなのおぼえたんですか?」
唯「あぁ、あれ?…いたいよ。…あれは憂が教えてくれたの。何か危ない時があったら使えって」
律「憂ちゃんの技だと!?」
梓「だ、だとしたら…」
律「み、澪ーーーーー!!頼む無事でいてくれぇぇぇぇぇぇええええ!!!!」
梓(澪先輩RIP)
梓「っていうか、さっき澪先輩に技仕掛けた時にも『和ちゃんの喉ガチャーン』って言ってましたけど、せめて名前のところは変えましょうよ」
唯「あ、そうだね」えへへへへ
律「笑ってんじゃねぇよ!みおが…澪が死にかけてるんだぞ!?」グギギギギギ
唯「い、痛いよりっちゃん!話して、痛いよぉ!!!」
律「てめぇが逮捕されるまで話さないぞ!!」グギギギギ
唯「いたいいたいいたい」
唯(…あれ?もしかして今危ない時?もしかして今こそ『喉ガチャーン』を使うとき!?そうだよね!?憂!!!)
唯「り、りっちゃん…」
律「なんだ?」グギギギギギギ
唯「ごめんね。ちょっと寝てて」
律「え?」
唯 「 り っ ち ゃ ん の 喉 ガ チ ャ ー ン ! ! ! ! ! 」
風呂入る
梓「え?」
律「ぇ」
ごめんなさい、りっちゃん隊長。
ホントにごめんね。
りっちゃんに床に押しつけられて、私結構痛かったんだ。骨おれちゃうかと思ったよ。
だから、申し訳ないけど『喉ガチャーン』をさせてもらったよ。
それも、和ちゃんと澪ちゃんにやったような喰らっても平気で寝れるようなお遊びではなく、本気で。
憂に教えてもらったやり方そのままで。
ズシャァァァァァァァアアアアアアアア!!!
律「」
梓「え?(室内なのに、雨が降ってる)」
梓(え、雨なのに赤い?)
梓(どうしたんだろ、あれ?もしかしてこれも夢?)
ドカッ
梓(いてっ。なんかが頭にあたった。痛いってことは夢じゃないんだね)
梓(それより、頭に当たったのは一体なんだろ…)
梓(なんだか丸い。そしてなんか生えてる…これは、髪?)
律「」
梓「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああ!律先輩の生首ぃぃぃぃぃっぃいいいいいいいいいいいいいいいいいい!?!?!?!?!?!?!?!?!?」
みーなさーん!
こーんばーんわー!
才色兼備の美少女!けいおん部のアイドル、いや桜高のアイドル!
田井中律でーす♪てへっ☆
唯が「りっちゃんの喉ガチャーン」を叫んだとき、私は何が起きるのか理解できなかった。
理解した時、すでに私の首は胴体の遥か上にあった。「あぁ、これ死んだな」って思った時は、もう声も出なかった。
唯にまだまだ罵倒し足りないし、澪にも梓にもムギにも…言いたいことはたくさんあった。
でも、それを叫ぼうとした私の口から出るのは、ぜぇぜぇという音だけだった。
あちゃー、ちょっくら遅かったな!
まぁでも、澪とは天国で会えるかな。その時なんか言ってやろう。
あ、いつの間にか私の下に梓がいる。こりゃこのまま落下したら頭と頭がカッチンコだ。
でも、もう間に合わなーい!!
わりぃ梓!!
ゴッチンコ!!
りっちゃん誕生日おめでとう!
唯「ごめんねりっちゃん…ぅぅぅう」シクシク
梓「ぁ、あ、あ゛あ゛あ゛あ゛」ガクガク ブルブル
唯「…あ、あずにゃん大丈夫?」
梓「ひゃ、ひゃいっ!?(ひぃぃぃいいいい!こっち見てるぅぅぅぅうううう!?)」
唯「早業すぎてあずにゃんには見えなかったかもしれないけど……りっちゃんはもう…」
梓「そ、そそそそそうなんですか!!いやー、律先輩残念ですね!!はははははは!!」
唯「笑うなんてひどいよ、あずにゃん!!」
梓「ひぃぃぃぃいいいいい!?!?!?!?!?」
唯「ぅう、りっちゃんのせいだよ!りっちゃんのバカ!!」
梓「そそそそそうです!悪いのはこのデコです!!このデコビッチ!!」
唯「りっちゃんにそんな悪口言っちゃダメだよ!」
梓「ひぃぃいいすいません律先輩唯先輩!!!」ガクブルッ
唯「…それはそうと、この状況どうすればいいんだろぉ」オロオロ
梓「と、とりあえず!ムギ先輩と先生が来るのを待ったらどうでしょうか!!」
唯「そ、そうだねあずにゃん!私待つよ!!」
梓(た、助かった!!多分ムギ先輩や先生で唯先輩に敵う筈は無いけど、他のひとが襲われてる隙に逃げることなら可能なはず!!)
汚い、さすが梓汚い
………………………………
………………………
………………
………
……
…
唯「…」
梓「…」
唯「…」
梓「…む、ムギ先輩遅いですねっ!!」
唯「うん、なにしてるんだろーねー」えへへへ
梓(ふぅ、とりあえずいつものマヌケな唯先輩に戻った)
梓(それにしても、ムギ先輩に早く来てもらわないとっ!!)
梓「わ、私ムギ先輩に電話してみますねっ!!」
唯「うん、お願いあずにゃーん!」だきっ
梓「ひぃっ!?だ、抱きつかないでください!!」ガクガク
唯「そーんなぁ、いいじゃーんあずにゃーん」スリスリ
梓「わわわわ私電話しなきゃいけないんで、とりあえず離れてももももらえませんか!?」
唯「もーしょーがないなー」ぶーぶー
梓「ふぅ、じゃあムギ先輩に電話っと」
ヘ(^o^)ヘ いいぜ
|∧
/ /
(^o^)/ てめえが何でも
/( ) 思い通りに出来るってなら
(^o^) 三 / / >
(/o^) < \ 三
( /
/ く まずはそのふざけた幻想の
喉ガチャーン!!!
ピポパポ
ガチャッ
梓「むむむむムギ先輩!?」
『おかけになった電話は、電波の届かない所にあるか、電源が入っていません』
梓「…え?」
唯「ムギちゃんなんだってー?」
梓「で、電源が入っていないみたいです……」
唯「電池切れかなぁー」
梓「そ、そうですよね!きっとそうです!!」
梓(ムギ先輩まさか……いや、ムギ先輩はそんな人じゃない!!!!)
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紬「ごめんね律ちゃん梓ちゃん。…斎藤、早く車を出しなさい!」
斎藤「かしこまりました。お嬢様」
みなさんこんばんわ、琴吹紬です。
澪ちゃんのことは残念だったわ。出来ることなら助けてあげたいけど、お父様の教えで救急看護の知識が多少あった私から見て、もう澪ちゃんの助かる見込みはなかった…
出来るならりっちゃんと梓ちゃんも助けだしてあげたかったけど、
りっちゃんは唯ちゃんと取っ組みあっていて助けることは出来なかった。もしかしたらあの後りっちゃんも…
いやいや、唯ちゃんはそんなことする子じゃないはず!
梓ちゃんも唯ちゃんのお気に入りだし、助け出す危険を冒す必要もないくらい安全だわ。
私のことは「急に半年間留学することになった」と聞かされるでしょうけど、安心してね。
いつもの唯ちゃんになったら、私はまたけいおん部に戻るから。
あ、でも半年も留学してたら梓ちゃん以外卒業しちゃうわね。
うふふふ、私ったらうっかりミスしちゃったー♪
とにかくみんな、また唯ちゃんが元に戻ったら会いましょうね。
梓(や、やややややっぱり逃げただろあの沢庵!!!!)
唯「ムギちゃん遅いね…何かあったのかな?」
梓「いやー大丈夫じゃないでしょうかねきっと。あははははは」
唯「もう日が暮れちゃうよー。澪ちゃんも気持ち良さそうに寝てるし帰ろっか?」
梓「そそそそそそうですね!(でも唯先輩と帰るのは怖いよぉぉぉぉぉおおお!!!!)」
ガチャ
梓「!?」
唯「ムギちゃん!?」
純「失礼しまーす。梓部活終わったら一緒に帰らn……え?」
純んんぬぅぅぅああああああああああああああああああああああああああ
梓「純!?」
唯「おー憂のお友達の純ちゃん!」
純「こんばんわ……てかこの部室の状況なんですか?」
純「澪先輩が床で寝てるし、なんかペンキこぼれてるし…(それに臭し)」
梓(純の目線からはソファーが邪魔で律先輩が見えてない!?もしやこれはチャンス!!)
梓「じゅじゅじゅじゅん!私も部活終わったよー!一緒に帰ろっか!!」
純「え?でも澪先輩寝てるよ?」
梓「だだだだだだ大丈夫!!そうだ、唯先輩もう少し澪先輩が起きるの待っててもらえますか?私先に純と帰るので!!」
純「え?でもそれは先輩に失礼じゃあ」
唯「いーよー」
梓「いいいいいいんですか唯先輩!じゃあお言葉に甘えてお先に失礼しまーす!」
純「ちょっと梓待ってよ…あ、じゃあお先に失礼しまーす」
ガチャッ
梓「帰ろうよ!もう帰ろうよー!!!!!!!」ダッダッダッダッ
純「待ってよあずさー」たったった
―――校外
梓「ふぅ、ふぅ、ふぅ」
純「はぁはぁはぁ、やっと走るのやめたか」
梓「……」はぁはぁ
純「なにそんなに急いでるの?てか、梓あんな足速かったっけ?」
梓「…純」
純「何?」
梓「いや、純先輩!純師匠!!純女王様!!!」
純「え?なに頭おかしくなった?」
梓「ありがとう!おかげで助かったよー!!!!」だきっ
純「うわっ、なに急に!?」
梓「ありがとう地球!!!!!!!!!!!!!」
みなさんこんばんわ。中野梓です。
まずは一言。
助かったーーーーーー!!!!
これもひとえに純のおかげ!いつも部室に来ることなんて無いのに、まさに起死回生の登場!!
私もう一生純についていくです!
純からは「どうしたの?」「なにかあったの?」と聞かれましたけど、何も答えなかったです。
もしこれまでのことを喋ったら、純の命だけじゃなくて私の命も危ないからです。
唯先輩に言いたいことは沢山あるけど、一言だけ言わせていただくと。
いろんな意味で憂から独立した方がいいと思います。
憂から離れて普通の女子高生、いや女子大生になったらまた会いましょう!
そして……おい沢庵!なに真っ先に逃げとんのや!?ただの財布のくせして…
あなたとはもう会いたくありません。もし今度会ったら梓チョップ決めてやります。
あと律先輩と澪先輩RIP
唯「……」
唯「……」
唯「ムギちゃんも帰ってこないし、澪ちゃんも起きない」
唯「りっちゃんは…ぅぅうう」
唯「う゛えええええええええええん゛」
唯「おぎてよみおぢゃーん!!ムギヂゃーん!!」
がちゃっ
憂「お姉ちゃん!?」
唯「う、憂!!」
憂「お姉ちゃん!帰ってこないから心配したんだよ!?」
唯「う、憂ー!!澪ちゃんがさっきから起きなくて…」
憂「(この首の痣は)…詳しく話して」
唯「そ、それがね!」
…………………………
……………………
………………
…………
……
…
憂「そ、そうなんだ…」
唯「うん、澪ちゃん起きないけどどうしたのかな?ムギちゃんも帰ってこないし」
憂「み、澪さんは寝てるだけだよ!起こすのも悪いから今日は寝かしておいてあげよ?」
憂「ムギ先輩もきっと荷物忘れてもう帰っちゃったんだよ。こんな時間だし!」
唯「そ、そうかな」
憂「そうだよ!さ、お姉ちゃん!私たちももう帰ろ?」
唯「…そうだね!夜道も危ないし!!」
憂「うん!だから早めに帰ろうお姉ちゃん♪」
こんばんわ、平沢憂です。
まさかお姉ちゃんがこんな事件に巻き込まれるとは、本当にショックです。
澪さんはもうおそらく死亡しているでしょう。律先輩は言わずもがな…
和ちゃんの死因もお姉ちゃんの『和ちゃんの喉ガチャーン』であることが、お姉ちゃんとの話の中で判明しました。
3人とも私の技のせいで…ごめんなさい!本当にごめんなさい!!
気になるのが、今回の件を知っているのが他にもいること。
梓ちゃんと紬さん。そして純ちゃんもおそらく知っているだろう。
紬さんは世渡りがうまそうだから、きっと今回の件は警察はもちろん、誰にも口外しないだろう。なんとなく、そんな気がする。
梓ちゃんと純ちゃんはどうだろうか。
もし今回の件がばれてしまったら、お姉ちゃんは警察に必ず捕まる。
和ちゃんの事件はわからないけど、律さんと澪さんの事件は目撃者もいるし…
あぁ、お姉ちゃん…なんでこんなひどいことを……
――翌日
憂「お姉ちゃーん。朝だよ起きてー」
唯「むにゃむにゃ、あと10分…」
憂「もー、遅刻しちゃうよー」
憂(とりあえずは、よく眠れてるみたい)
憂(それにしても…)
憂「あんな可愛い寝顔のお姉ちゃんが、人を殺めたなんて…」
――昼休み・唯の教室
唯「りっちゃんも、澪ちゃんも、ムギちゃんもいない…」
唯「ムギちゃん、やっぱり何かあったのかな」
姫子「唯ー。いつもの4人…じゃなくて3人いないなら一緒にご飯食べない?」
唯「…いいや。食欲無いから寝てる」
姫子「そう…」
「ギャァァァァァァッァァァッァァッァァアアアアアアアアア!!!!!!」
姫子「!?」
唯「廊下から悲鳴!?…しかもこの声まさか…」
唯「ま、まさかあずにゃん!?」ダッ
こんにちは、平沢唯です。
廊下はひどいパニックでした。青ざめて立ち尽くしている人、必死に逃げ惑う人。
まるでゴジラの映画みたい!あははは、なんか楽しくなってきたよ!!!
…そんな楽しい時間も、いつかは終わるのです。
そう、けいおん部の3年間のように……。
梓「」
純「」
憂「……」
唯「……憂?」
目の前には血の海と、あずにゃんと純ちゃんの生首。
そして、まるで生きているかのように2本の足でしっかりと廊下に立っている、顔の無い胴体が2つ。
さすが憂。最小限のダメージしか与えずに殺るとは……
唯「う、ううう憂!?なんで!?なんでなんで!?!?」
憂「ごめんねお姉ちゃん」
唯「な、なに謝ってるの!?」
憂「実は…」
憂「和ちゃんを殺したのは私なの」
唯「…え?う、う嘘だよね?」
憂「ホントだよ。私がお姉ちゃんに嘘つくと思う?」
唯「え、え、え…」
憂「そしてもちろん純ちゃんと梓ちゃんを手にかけたのも私。あと…」
憂「澪さんと律さんも昨日殺したんだ」
唯「み、澪ちゃんを…?」
憂「うん、昨夜お姉ちゃんと帰るときにお姉ちゃんが見てない隙に」
唯「そ、そんな…」
唯「で、でもりっちゃんは!りっちゃんは私がころs」
憂「お姉ちゃんはしゃべらないで!!」
唯「!?ぁぅぁぅ……」
憂「澪さんと同じく、昨日帰る前に確認したら生きてたから、殺したんだ」
唯「な、なんでっ!?なんでみんな殺しちゃったの!?!?」
憂「それはえっと…」
唯「…」
憂「えーっと、なんでかっていうと…」
唯「…憂?」
憂「…!?そう!和ちゃんを殺したのが私だって気付いていたから!!ばらされないために殺したんだ!!」
唯「そ、そんなぁ……」
憂(ほっ…)
唯「…和ちゃんは?」
憂「え?」
唯「和ちゃんはなんで殺したの!?」
憂「そ、それは…」
唯「…」
憂「お、お姉ちゃんのストーカーだからだよ!!!」
唯「っえ?」
憂「だって考えてみてよ?幼稚園からずっと一緒なんておかしいよ!!」
唯「いや、同じ学区だからそこまで珍しくは…」
憂「いやおかしいの!!そもそもあのメガネ!なんで下ブチのみなの!!下心がメガネにも表れてるよ!!!」
唯「憂…」
唯「憂…見損なったよ!」
憂「…ぅっ」
唯「そんな勘違いで和ちゃんを殺すなんてっ!」
唯「そんな妹だったなんて…」
唯「もう、もう、もう…」
唯「憂は私の妹じゃないよ!!!!!!」
憂「…!?」
唯 「 憂 の 喉 ウ イ ィ ィ ィ イ ン ! ! ! ! ! 」
和「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くぅぇ゛!?……」
なぜ憂を殺しちゃいけないか?
社会学的理由「役割理論によると殺人者という役割になってしまい今後コミュニケーションが不利になるから。」
心理学的理由「道徳的不快感と生理的不快感が生まれるから。」
経済学的理由「憂一人死んで憂一人刑務所に入ると合計憂2人分の国内GDPが減るから。」
国際政治学的理由「無差別な攻撃者が一番損をするのは、アクセルロッドのゲーム理論より明らかだから。」
生物学的理由「憂を殺す人間は刑務所に入るか死刑になり、適応価が下がり自然淘汰されるから。」
政治学的理由「これも小泉改革のツケにされるから。」
文学的理由「ラスコーリニコフは苦悩したから。」
歴史学的理由「憂一人殺したら殺人者になり、無罪になるには組織的に大量に殺さないとダメだとチャップリンが言ってたから。」
哲学的理由「殺していい理由も殺してはいけない理由もない、カントのアンチノミーであり理性の能力を超えているから。」
物理学的理由「エヴェレット解釈によれば人を殺せなかった可能世界は必ず発生するので殺せない。」
化学的理由「撃っても煮ても焼いても質量保存の法則により総質量は変わらないので無駄だから。」
俺的理由「憂は天使だから。」
こんばんわ、平沢憂です。
正直、お姉ちゃんの技はよけようと思えば避けれました。
でも、その時の私には避けようなんて考えは一切浮かびませんでした。
この軌道……私の技じゃない!!
これはお姉ちゃんのオリジナル技!!!!
一体どんな技なんだろう?
そう思って私は攻撃を受けてみました。
お姉ちゃんは私の喉に両手を突き刺し、まるでふすまを開けるかのように…そう
ウィィィィィィイインっと!!
私の喉を引き開いたのです!!!!
…気付いた時には、もう私は動くことができませんでした。しゃべることも。
別にお姉ちゃんに反撃しようとは思いませんでした。
ただ、言い残したことがあった。
お姉ちゃん、今までありがとう……
そして
もうちょっと、もうちょっとだけ……
お姉ちゃんと一緒に生きたかったなぁ……………
結局唯パクられるんじゃね?これ
――――――――――――
この日、一つの残虐かつ凶悪な事件に終止符がうたれた。
犯人は、平沢唯と、その妹平沢憂。
平沢憂は「お姉ちゃんをとられる」という理由で真鍋和を殺害。
そしてその真相を知った秋山澪、田井中律、中野梓、鈴木純を口封じのため殺害。
そして、その真相を知った平沢唯は、真鍋和やその仲間の復讐のため、平沢憂を殺害。
この事件は世間に大きなショックを与えた。
女子高生による連続殺人といういまだかつてない残虐性。
そして、被害者と犯人がそれぞれ部活仲間、クラスメイト、あげくは姉妹という悲劇性。
マスコミは連日ニュースの大部分を使い、この事件を扱った。警察はこれで事件は解決したというが、いまだに謎は多く残る。
最大の謎は、凶器の不在。
事件の関係者で唯一の生き残りである平沢唯は「自分の素手で殺した」と供述しているものの、残された遺体の傷は素手での犯行では不可能なほどの状態であり、
また、平沢唯は軽度の知的障害があると認定されており、供述の信ぴょう性は低いとされている。
「真鍋和と平沢唯が事件当日に一緒に下校していた」という目撃証言もあり、果たして平沢憂は真鍋和にも手をかけたのかどうかも疑問視されているのである。
果たして真相は一体…
―――――――――――完――――――――――――――――
乙
盛大にワロチュ
―――後日談――――
桜ケ丘高校卒業式であるこの日、一人の少女が久しぶりに学校に姿を現した。
あの事件の隠されたもう一人の関係者である、琴吹紬だ。
紬は琴吹家の政治力・財力でマスコミや警察を封じ込め、一般人には「血のけいおん部」のもう一人の生き残りであることを知られずに済んでいる。
紬「あらあら」
紬「みんな一緒に卒業しようって言ってたのに…」
ガチャッ
さわ子「琴吹さん、久しぶりね…」
紬「さわ子先生…」
さわ子「…フロリダに留学していたとは言え、事件の事は聴いてるのよね?」
紬「…はい(普通に近所にいたんですけどね)」
さわ子「…あんなにみんな仲良かったのに」
紬「ホントに…その通りです」
さわ子「…くよくよしててもしょうがないわよね」
紬「その通りです。私がここに来たのも、みんなと卒業を祝うためですし!」
さわ子「…そうね!きっと唯ちゃん澪ちゃんりっちゃんも、どっかから私たちを見てるわ!!」
さわ子「盛大に4人の卒業を祝いましょう、琴吹さん!!」
紬「…あの、」
さわ子「ん?なぁに、琴吹さん?」
紬「な、なんで先生は私を愛称で呼んでくれないんですか!?」
さわ子「…え?」
紬「聞いた話だと、これまで先生は私のことを『ムギちゃん』と呼んだことは無いそうです!たったの1度も!!」
さわ子「…え、そんなこと無いんじゃ」
紬「いーえ、無いんです!たしかな筋からの情報です!!」
さわ子「ぅう…そ、それを言うなら琴吹さんだって私のことを『さわちゃん』って呼んでくれないじゃない!?」
紬「そ、それは…///」
まだ続いてるwww
乙って書いたのに気まずいだろがwww
さわ子「琴吹さんが呼んでくれないから、私も愛称で呼ばないの。それが大人の意地ってもんよ!!」
紬「…わ…ゃん」
さわ子「ん?」
紬「さ、さわちゃん!!///」
さわ子「こ、琴吹さん……」
紬「私はさわちゃんって呼びました!だから、こ、琴吹さんじゃなくって…」
さわ子「……はぁ、しょうがないわねぇ。ムギちゃん」ナデナデ
紬「さ、さわちゃん//」
さわ子「そんなこと気にしてたの?まったくやっぱり子供ねぇ」
紬「さ、さわちゃん!」
さわ子「今度はなぁに?」
紬「むぎゅぅぅぅううう!ってしていいですか?」
さわ子「よくわからないけど、いいわよ」
紬「い、いいんですか///じゃあ」
むぎゅぅぅぅぅううううううう!!!!!!!!!
さわ子「こらこらムギちゃん、苦しいわよ?」ニコニコ
紬「も、もうちょっとだけ!!」むぎゅぅぅぅうううう
さわ子「しょうがない子ね。…寂しかったの?」
紬「…」
さわ子「…むぎちゃん?」
紬(……今だ!!)
紬 「 さ わ ち ゃ ん さ わ さ わ 」
さわ子「ひゃぃいいいいんっ!?」ビクンッ
袖「今回は一つ出た。…ああ、処理を頼む」ピッ
ムギ×さわちゃんとか誰得www
こんばんわ、琴吹紬です。
見ててくれたかしら、唯ちゃん。うふふふ♪
私にはやっぱり『さわちゃんの喉ガチャーン』は習得できませんでした。
身体的にも、精神的にもあの技を使うのは無理です。
だから、私は私の一撃必殺を身につけました。
いつか私も唯ちゃんと、みんなと一緒の所に逝った日には、唯ちゃんにも試してあげるから待っててね。
あ、対唯ちゃんにはどんな技名がいいのかしら?
逝くまでに考えとくね♪
―――完―――――
ムギやべぇよ
乙
以上でホントに終わりです。
もっと短編になると思ってたんですけど、予想以上に伸びました。
読んでくれてありがとうございます。
>>332
俺得だ
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