ラプソーン「こいつを支配してやりたい」(29)


ラプソーン「我が名はラプソーン…この世界を支配する予定の暗黒神…」

ラプソーン「訳あって今は杖の中にいるので杖ソーンと呼ぶがいい」

杖ソーン「世界を我が手に納めるまではもはや時間の問題…」

杖ソーン「人間どもの泣き叫ぶ瞬間が待ち遠しいわい…ふっふっふっふ…」

マルチェロ「やかましい!!!!!人の枕元でボソボソと呟くな!!!!!」

杖ソーン「ご、ごめんなさい…」


マルチェロ「全くこちらは上の奴らに媚び諂ってクタクタだと言うのに…」

マルチェロ「眠るときくらいは静かに休ませろ……ブツブツ……すう…すう」

杖ソーン「……寝たか?眠ったかな?こいつ今までの誰よりも眠りが浅くて油断がならん」

杖ソーン「若ハゲと影で噂されるのも無理が無いな……顔は良いのに残念な奴…」

杖ソーン「まあ儂の完全体(デヴ)と比べたら見劣りするがな…むっふっふっふ」

杖ソーン「……はぁ~~」


マルチェロ「すう…すう……」

杖ソーン「儂は一体何時までこのままなのだ…こいつ寝てる時も微塵も隙が無くて一向に精神を支配できん」

マルチェロ「すう…すう……」

杖ソーン「寝ながら眉間に皺寄せてる……どんな夢を見ているのだこやつは…ちょっと覗いてみるか」


ホワンホワ~~ン

今更ですがドラクエⅧssです



マルチェロ『母さま~~~』

マルチェロ母『おやマルチェロ、そんなに走っては転んでしまいますよ』

マルチェロ『こんな事で僕は転びません!この屋敷の後継ぎになるんですから!』

マルチェロ母『あらあら…こんなに小さいのにご立派ですこと…』



ーーーーー
**『な~にニヤニヤしてんだか…使用人の分際でさぁ…(ヒソヒソ)』

**『運良かっただけだっての…すぐ飽きられるに決まってるわよ…(ヒソヒソ)』
ーーーーー

マルチェロ母『………』

マルチェロ『母さま?』


マルチェロ母『マルチェロ!一体どうしました!その傷は…!』

マルチェロ『えへへ…階段で転んだだけです。すぐ治ります!』

マルチェロ母『……本当に?本当に本当なのですか?』

マルチェロ『はい!』

マルチェロ母(強がっているけど…嫌がらせが確実に増えてきている…ああ…私が使用人だったばっかりに…)

マルチェロ(こんなことで母さまを困らせてはいけない…強くならなくちゃ…)



マルチェロ父(ククール父)『お前たちはもう用済みね』

マルチェロ『え……』

マルチェロ母『え……』



マルチェロ父(ククール父)『正式な長男生まれたから、今すぐ出てってね』

ククール『バーブー』

マルチェロ『え……』

マルチェロ母『え……』



マルチェロ母『ごほごほ…』

マルチェロ『母さま……うう…薬を買うお金がもう無い…』

マルチェロ母『良いのですよ…もう母は長くありません…』

マルチェロ『そんな!僕を一人にしないで下さい…!』

マルチェロ母『修道院に…マイエラ修道院に身を預けなさい…あそこのオディロ院長はとても…良い人……』

マルチェロ『母さまあああーー!うわぁぁーん!』


ホワンホワ~~ン


杖ソーン「………」

杖ソーン「………ぐすん」


チュンチュン

マルチェロ「ふあぁ~…最悪な夢見た…モチベーションがダダ上がりだな…」

杖ソーン「………」

マルチェロ「……何だ?やけに大人しいな…気味が悪い」

杖ソーン「……別に…」


マルチェロ「それでは今日も張り切って働くか」

杖ソーン「……ガンバ」

マルチェロ「は?」


杖ソーン(…なんて不幸な生まれなのだこいつは…これほど祝福されない子供も珍しい…)

杖ソーン(儂が生まれた時は全魔族あげての祭りにパレードが何日も渡って続いたというのに…)

杖ソーン(…人間は時々魔族もびっくりするほど残酷になるな…こんな奴ら滅びた方が良いじゃん…)

杖ソーン(そしたらこいつも、向こうで母と会えるのでは)


杖ソーン(………って!!何を同情しておるかこんな奴に!)


杖ソーン(いかんぞいかん!調子を戻さねば!)

杖ソーン(儂はいずれ世界を支配するのだ!あんな性悪一人!)

杖ソーン(そうだ!夢であいつは母を愛しておったから、母の姿に化ければイチコロでは!)

杖ソーン(…………)

杖ソーン(…そんな悲しいこと出来ん……)←暗黒神


杖ソーン(夢であれなのだから、儂が実体化で化けようものならどんなに泣くやら…最悪儂まで貰い泣きしてしまうかもしれん…最近涙腺脆いからな…)

杖ソーン(ならば父親に…?…いやあんな最悪な奴に化けるのもな……自分の子供を捨てる時の軽さときたら…どうしようもないクズっぷりだった)

杖ソーン(……正式な長男…もしかして弟か?弟……これだ!)

杖ソーン「ふっふっふっふ」

マルチェロ「会議前だから笑うな」

杖ソーン「了解でーす」


マルチェロ「あー今日も働いた…寝るか」

杖ソーン「オヤスミ」

マルチェロ(今日のこいつずっと大人しかったな…何か企んでいるのか?)

マルチェロ「ま、こんな姿で何が出来よう…リンリンが一匹…デンデン竜が一匹…リンリンが二匹…すうすう」

杖ソーン「素直に羊数えろ……寝たかな?…それでは早速夢の中へ」

ホワンホワ~~ン


マルチェロ『……何だかモヤのかかった場所に居るな…嫌な予感を感じる』

***『………』

マルチェロ『む!?何者!?』

ショタククール(杖)『おにいちゃ~~~~ん!!』

マルチェロ『』


ショタククール(杖)『おにいちゃんおにいちゃん!僕だよ!』

マルチェロ『』

ショタククール(杖)『どうしたのおにいちゃん!僕が分からないの?』

マルチェロ『』


ショタククール(杖)『おにいちゃん!僕と遊ぼ』

マルチェロ『メラゾーマ』

ショタククール(杖)『ぎょえーーーーーーーーーっ!??』

マルチェロ『待ってろ今起きる』

杖ソーン『え』

ーーブツン!


杖ソーン(ダラダラ)

マルチェロ「………」

杖ソーン(ダラダラ)

マルチェロ「貴様の仕業だな?」

杖ソーン(ダラダラ)

ガッ!!


杖ソーン「ぎゃあ!ま、待て!そのように乱暴に掴むな!!」

マルチェロ「やかましい!!杖の分際で!!!私が!」

ぎゅう!

マルチェロ「大の!!」

ぎゅう!

マルチェロ「弟嫌いと!!!」

ぎゅう!

マルチェロ「知っての狼藉かあああ!!!!」

ぎゅうううううう!

杖ソーン(え、ええーー!?あいつ可哀想ーー!)


ガッ…ブンブンブンブンブン

杖ソーン「ちょっお、おぅえぇぇぇええええ!振るな!醉う!!」

マルチェロ「ほう…物の貴様にも弱点があったとは…これから毎晩素振り500回を日課にしてやろうではないか!」

杖ソーン「や、やめ…おうぅぅぅええええええええ……」

杖ソーン(く、くそ!!支配してやる!この世界も!こいつも!!支配してやうおぇぇぇぇぇ)

ブンブンブンブンブンブンブン…


一方その頃の煉獄島


ククール「うぅ~ん…兄貴…兄貴…」

ゼシカ「ねー赤い僧侶がさっきから兄貴兄貴うっさいんだけど」

8主「やれやれまたブラコンこじらせたか…ここに来てから頻度が上がったなメンドくさい」

ヤンガス「ゼシカのハッスルダンスで何とかなりやせんかね」

ゼシカ「スキル足んないわよ」

ニノ「早く出たいなー」


おしまい

こいつが泣く訳ねーよっていう正論は無しな

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