苗木「超高校級のゴーストスイーパー?」 (247)



・ダンガンロンパのss
・ネタバレあり
・投下遅
・設定改変アリ
・ちーたんマジ天使
・残姉マジ残姉


それでもいいなら書いてくよ
チートにはならないはずだよ
需要があったら嬉しいよ




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 ―――教室―――


苗木「―――・・・ぅ、ん・・・あれ・・・?」


苗木「・・・ここは、教室? 確かボク・・・」ムクリ


苗木(そうだ。ボクは『超高校級の“幸運”』として希望ヶ峰学園に入学したんだ)

苗木(そしてついさっき、校門をくぐってエントランスに入った・・・そこまでは覚えてる)

苗木(そのあとは・・・・・・ダメだ、思い出せない・・・)


苗木「どうなってるんだよ・・・・・」カサッ

苗木「? なんだこれ、入学式の案内?」ピラッ

苗木「・・・まるで状況が見えないんだけど、どうすれば―――」




「ウゥン・・・・・・」

苗木「ッ!?」



横島「みかみすゎぁん・・・」zzz...

苗木「び、びっくりした・・・ボクの他にもうひとり居たのか」

苗木(Gジャンにバンダナ・・・この人も、超高校級の新入生・・・?)

苗木「起こした方がいい、のかな?」


横島「こんやはねかしませんよぉ・・・グヘヘヘヘヘ・・・!」zzz...

苗木(・・・・・・起こしたくないなぁ、いろんな意味で)


苗木(でも、そうも言ってられないか・・・よし)

苗木「もしもーし! 起きてくださーい!!」ユサユサ

横島「・・・んがぁ?」

苗木「ほら起きてってば―――」


横島「美神さはーーーーーーん!!!」ガバァッ!!

苗木「うわあ!!?」

横島「ぼかぁ、ぼかーもう!! シンボーたまらんです!!」ネボケッ

苗木「ちょ、やめ!! 寝呆けないでよちょっとぉ!!?」

横島「この迸る熱いパトスで俺といっぱ、つ・・・?」

苗木「離れてってばもう!!」


横島「おんぎゃああああああああああ男じゃねええかぁあああああ!!!!」ババッ

苗木「た、助かった・・・」

横島「起きぬけに気色悪いモン触らすなボケ!!」

苗木「言いがかりにも程があるよ!?」

横島「もーちょいで! もーちょいであのチチが俺のモンになったのに!! なんで起こしたんやドチクショー!!」

苗木(寝起きのテンションじゃないよ・・・なんなんだこの人)


苗木「えっと、君も希望ヶ峰学園の・・・?」

横島「うぅ、ワイのシリチチが・・・ん、なんだって?」

苗木「いやだから、君も新入生なの? 希望ヶ峰の」

横島「しんにゅうせい・・・きぼうがみね・・・?」

苗木「え、違うの?」

横島「・・・あー! そーだったそーだった思い出した!! そのナントカヶ峰ってとこからスカウトが来て入学したんだっけか! いやー、なんか記憶が曖昧でなぁ」

苗木(あ、やっぱりそうだったんだ。よかった、不審者とかじゃなくて)

苗木(いや、思いっきり不審だったけどさ)


横島「だが美神さんやおキヌちゃんに快く送り出された記憶があるにはある。『私も鼻が高いわ』なんつって!なんつって!! ・・・・・・だったよな?」

苗木「ボクに訊かれても・・・」

苗木(本当に大丈夫なのかな・・・というか誰だろ、そのミカミさんて)

横島「話の流れからするに、お前も新入生だろ? 俺、横島忠夫ってんだ。お前は?」

苗木「あ、えっと、苗木だよ。苗木誠」

横島「苗木か。他の新入生のカワイコちゃんに名前訊くまで覚えとくわ」

苗木「訊いたら忘れるの!? そこは覚えておいてよ!」

横島「ヤローの名前覚えるくらいならオンナのスリーサイズ覚えるわい!」

苗木「堂々と言い切ることじゃないよ!」

横島「っと、こうしちゃおれん。待ってろよ、まだ見ぬ超高校級の美少女たち!!」ガラッ ダダダッ

苗木「ちょっと待ってよっボクも行くってば!」タタタッ



 ―――廊下―――


横島「―――じゃあ苗木は抽選で当たって入学したんか?」

苗木「うん、全国の学生の中からたまたま選ばれた『超高校級の“幸運”』、それがボクだよ」

横島「特別な才能があるわけじゃないんか。運のいいやっちゃなー」


苗木「ハハハ・・・、横島クンはどんな才能を買われてここに来たの?」

横島「ふっふっふ・・・! そりゃあ見ての通り、『超高校級の“プレイボーイ”』としてだなぁ!」

苗木「・・・」

横島「そんな蔑んだ目で見んな! えーやんか夢見たって!!」


苗木「で、本当はなんなの?」

横島「GS〈ゴーストスイーパー〉、霊障トラブルの専門家だよ」

苗木「れいしょう・・・って、幽霊退治とか?」

横島「おうよ、都会にはびこる悪霊どもをズンバラリンってな」

苗木「・・・もー、また適用なこと言ってぇ」

横島「いや冗談やなしにだな・・・」

苗木「あ、エントランスから声が聞こえるよ。行ってみよう横島クン」

横島「聞けよ!」



 ―――エントランス―――


葉隠「お、オメーらも新入生か?」

山田「16人、これで全員ですかな」

石丸「君達、遅刻とはけしからんぞ!!」

十神「・・・ふん」


ヤイノヤイノ


苗木(やっぱりみんな超高校級の生徒だけあってキャラが濃いなぁ)

苗木(まぁキャラの濃さなら横島クンも負けて・・・)

苗木「・・・ってあれ? 横島クン?」キョロキョロ



横島「生まれる前から愛してました!! はじめまして、ボク横島!!」

舞園「え、えっと、あの・・・?」

横島「このあとヒマ? ゆっくりお茶でも飲みながら電話番号教えてくんない!?」

苗木(もうナンパしてる!? 早っ!!)


江ノ島「はぁ? なんなのコイツ・・・」

セレス「まぁ、騒がしいおサルさんですこと」

朝日奈「ちょっとやめなよー、舞園ちゃん困ってんじゃん!」

腐川「ど、どうせ、カラダ目当てよ! い、いいやらしい・・・!!」

霧切「・・・」


横島(おおお!! エロかわ系ギャルにゴスロリ美少女に健康的ダイナマイト!!)
横島(磨けば光りそうなメガネっ娘とミステリアスふとももネーチャンまで!!!)


横島「えがった・・・来てえがった・・・!!」エグエグ

苗木「何も泣かなくても・・・」


大神「来て早々女子(おなご)の品定めとは、あまり良い趣味とは言えんな・・・」

横島「うぉ!? め、女華姫!?」

大神「む・・・鬼と称されたことはあれど、姫と呼ばれたのは初めてだな・・・」

葉隠「オーガまで口説くとは半端ねえべ・・・!」

横島「口説いとらんわぃ!!」



苗木(・・・・・・超高校級の“女好き”だ。間違いなく)


石丸「き、君ィ!! いきなり軟派行為などとは破廉恥じゃないか!! 風紀を乱すのはやめたまえ!!」

桑田「テメーいきなり舞園ちゃんタラしこんでんじゃねーよこのアホ!! 抜け駆けは許さねーぞ!!」

横島「じゃかーしい! この世の美女は全部俺のモンじゃい!! 男は去ねッ!!」

大和田「んだとゴラぁ!? 調子こいてんじゃねェぞあ゛あん!!?」バキボキッ

横島「ひぃーーー!! 暴力反対ぃーー!!」ズザザザッ

不二咲「け、けんかはダメだよぉ!」

十神「煩いぞ、下等な愚民共が・・・」




苗木「アハハ・・・・・はぁ、疲れる」

舞園「あの、苗木君ですよね? 同じ中学だった・・・」

苗木「へ? 舞園さん・・・?」


舞園「よかったぁ、知ってる人がいて・・・正直、心細かったんです」


苗木(ボクのこと覚えてくれてたんだ・・・・・・直接話したこともないのに)


舞園「覚えてますよ、前から気になってましたから」

苗木「っ!? な、なんで考えてることを・・・!?」

舞園「エスパーですから」

苗木「へ?」

舞園「ふふっ冗談です。ただの勘ですよ」

苗木(・・・・・・流行ってるのかな、ゴーストとかエスパーとか)


<メルアドオセーテ!
<ケータイナクナッチャッタカラ,マタコンドネ
<ドチクショー!!


舞園「えっと、彼・・・横島君、でしたよね。一緒に来ましたけど苗木君のお知り合いですか?」

苗木「ううん、実はさっき知り合ったばっかりなんだ。同じ教室で目が覚めて、それで一緒だったんだよ」


<オレノルーレットニベットシテミナイ?
<ミグルミハイデホウチクシマスワヨ?
<ウヒィーー!?


舞園「なんというか、変わった人ですね」

苗木「それに賛成だよ」


舞園「でも、2人が来てくれて助かりました」

苗木「え?」


舞園「二人が来るまでちょっと雰囲気がピリピリしてて…」

苗木「まぁ、いきなりこんな知らない場所に連れてこられればそうなるよね」

舞園「そんな時に横島君がいい意味で空気を壊してくれて」

苗木(いい意味かなぁ…?)

舞園「そして、苗木君が私を安心させてくれたんですよ?」

苗木「いや、ボクなんてそんな…」


舞園「…そんな、私、ホントに心細くて…苗木君がいなかったら、私…それなのに……」グス

苗木「わわっ!? ご、ごめん、そんなつもりじゃ!!」

舞園「冗談です♪」ニコ

苗木「あ、あはは…まいったな…」


横島「さやかちゃん俺とって何いちゃついてんだ苗木コラァアア!!」

苗木「わぁっ矛先がこっちに!?」

横島「黙れ小僧!! ワイの立てたフラグ掻っ攫いやがって!! 貴様は敵だ!!」

苗木「とんだ濡れ衣だよ!」

舞園「ふふっ」クスクス





 ピーッガガガッ


《―――マイクテスト、マイクテスト! 新入生の皆さん、今から入学式を執り行います!! 至急体育館へ集合せよ!!》





 ―――体育館―――




モノクマ「いやっほーーーぅ!!」バビョーン!




苗木「ぬいぐるみが動いてる・・・」

葉隠「しかも喋ってんべ」

モノクマ「ぬいぐるみじゃないよモノクマだよ!」


横島「新手の妖怪か?」

モノクマ「だからモノクマだっつってんでしょ! 一回で覚えてよ!」

モノクマ「ボクはこの学園の学園長なんだから、上野のパンダくらい丁重に敬ってよね!」


桑田「学園長だァ?」

霧切「・・・」



・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・



モノクマ「―――というわけで、オマエラには一生ここで暮らしてもらいます!」


腐川「な、なによ、それ・・・」


モノクマ「それが嫌ならコロシアイだよ! めくるめくスプラッタな青春をエンジョイって晴れて学び舎を卒業しましょう!」


桑田「なんだそりゃフザケンナ!!」

大和田「おいテメェ、冗談が過ぎんぞ・・・・・・!」

舞園「どうして私たちが殺し合わなければならないの・・・!?」

朝日奈「これ、ただの演出・・・なんだよね・・・?」

石丸「おおおお落ち着きたまえ諸君!」



苗木(コロシアイ学園生活・・・・・・そんなことが、本当に・・・!?)


横島(ええええらいことになった・・・!! コロシアイだと!?)

横島(やってられっか! こんな状況くらい“文珠”でどうとでも・・・!)ゴソゴソ


横島(・・・ってストックが全然無いぃ!? そんな使ったか俺!?)


横島(冗談じゃない、こんなとこで死んでたまるかってんだ!! まだ美神さんともイッパツ決めてないってのに!!)



横島(早急に誰かを始末せねば・・・! あの十神とかいうのにするか・・・ツラがいいからって調子に乗ってやがるし)


不二咲「いやだ・・・いやだよぉ・・・」

舞園「うぅ・・・」


横島(・・・いや待てよ、この状況なら・・・)




モノクマ「ウプププ、盛り上がってきちゃったねぇ! じゃーさっそく・・・」

横島「待て待てぇーーーーい!!」


一同「?」
モノクマ「はぁ?」


横島「モノクマだかノラクロだか知らんが、このGS横島の前で好き勝手はさせんぞ妖怪!」キリッ

苗木「横島クン・・・?」

モノクマ「何言っちゃってんのこの人?」


横島(ここで俺が華麗にコイツを退治すれば・・・!)ホワンホワーン







横島『必殺・ヨコシマハリケーンクラーッシュッ!!(相手は死ぬ)』

モノクマ『ぐわー』


モブA『横島クンはスゴイなー』
モブB『俺らアホ下民とは格が違うな』
モブC『だべ』


舞園『横島君ステキ!』

霧切『やるじゃない・・・惚れ直したわ』

腐川『み、認めてあげてもいいわよ・・・』

朝日奈『ありがとう横島! ううん、横島様!』

セレス『これからは横島様に奉仕いたしますわ』

江ノ島『抱いて!』


横島『よっしゃよっしゃ、みんなまとめて可愛がったるぞーー!!』

女性陣『きゃーー!!』


→ ハーレム完成!








横島(―――なーんてことに!! ぐへへへへ・・・・・・!!!)クネクネ



桑田「なにやってんだアイツ?」

朝日奈「なんか笑顔が気持ち悪いんだけど・・・」

苗木(・・・・・・欲望が透けて見えてるよ)

不二咲(横島君、勇気あるなぁ)



モノクマ「なになに、その反抗的な態度? 盗んだ校舎で夜のバイク壊して回りたいお年頃なの??」

横島「余裕顔もそこまでだぜ。覚悟しな、白黒妖怪クマゴンめ!」キリリ


モノクマ「ボクはモノクマっ何度も言わせんなよ! クマの名前も覚えられないなんてなんなの、頭脳がマヌケなの?」


モノクマ「そんなんだからモテないんだよ!」


横島「黙らっしゃいこのズングリムックリがッ!」フミツケッ

モノクマ「ムギャッ!」


横島「わははははは!! 能力使うまでもないわー!!」ゲシゲシ




ビーッビーッビーッ!



霧切「っ! 危ない!!」

横島「おぅフトモモ、もとい響子ちゃん! どしたの俺に惚れた!?」


霧切「そいつから離れてっ早く!!」


横島「へ―――?」





 カッッッ!!!






 バグォオオオオオオオオンッ!!!




横島「ぎゃああああああああああああッ!!!!」



霧切「っ!!」



舞園「きゃあああああ!!?」

大和田「ば、爆発しやがった・・・!」


石丸「そそそれよりもよよよ横島君が!?」

山田「至近距離で巻き込まれましたぞ!?」


苗木「そんな、まさか・・・!」





横島「」クロコゲ





霧切「っ・・・!」

朝日奈「・・・う・・・そ」

葉隠「ひえェエエ・・・!」

苗木「そん、な・・・・・」


江ノ島「炭化してる・・・。あの火力で直撃なら無理もないか・・・」




モノクマ「あーあー、だから言ったのにさー!」ニタイメ



苗木「っ、モノクマ・・・!」


モノクマ「これでわかったでしょ? ボクは本気だよ!」


一同「・・・」




モノクマ「それじゃあいってみようか! 明るく楽しいコロシアイ学園生活! じゃあね!」ヒューン



モノクマ「あーあー、だから言ったのにさー!」ニタイメ



苗木「っ、モノクマ・・・!」


モノクマ「これでわかったでしょ? ボクは本気だよ!」


一同「・・・」




モノクマ「それじゃあいってみようか! 明るく楽しいコロシアイ学園生活! じゃあね!」ヒューン





石丸「なんということだ、人死が起こってしまった・・・!」


大和田「・・・クソがっ」


セレス「呆気ないものですわね、人の最期というのは」

十神「間抜けが。よく考えもせず動くから破滅するんだよ」


苗木「っ、そんな言い方・・・!」

十神「事実だろうが」

苗木「・・・っ」



十神「貴様らも言動には気をつけることだ。そこに転がってるケシズミのようになりたくなければな」ユビサシ







横島「あ゛ー、死ぬかと思った」ムクリ



「「「「ッッ!!!???」」」」






葉隠「ぎゃああああああああああああああ!!!!!??」

朝日奈「いやあああああああああああああああ!!!??」

山田「おばけえええええええええええええええ!!!??」


横島「失敬なっ生きとるわい!!」



十神「馬鹿な、完全に炭化していたはずだぞ・・・!?」


苗木「ほ、本当に、横島クンなの・・・?」

横島「こんな色男が二人といるかってんだ」

不二咲「生きてて良かったよぉ・・・!」


霧切「・・・」


セレス「いつの間にか服も元に戻ってますわね・・・」

横島「爆発オチなんて日常茶飯事だからな、こんなん慣れっこだ」

桑田「日常的に爆発してんの!?」


腐川「」チーン

山田「腐川冬子殿が気絶しておりますぞ」

大神「我が運んでおこう。そのままでは忍びない」

舞園「お願いしますね、大神さん」


葉隠「やっぱ学園の用意したレクリエーションだったんだべ。俺の占いでもそーなってんぞ」

大和田「アホらし・・・脅かしやがって」


朝日奈「安心したらお腹すいちゃった・・・ドーナツ食べたいよー」

石丸「よし、とりあえず移動しようではないか!」



ワイワイガヤガヤ



苗木「横島クン、ボクらも行こうよ」


横島「まともに心配してくれるヤツはおらんのか・・・どーせ、どーせ俺なんて・・・」メソメソ

苗木「え、えーと・・・アハハハ・・・」


不二咲「げ、げんき出してぇ横島君!」

横島「うぅ、千尋ちゃんはエエ子やなぁ・・・」







十神「なぜ誰も疑問を持たん、能天気の集団かコイツ等は・・・!」


霧切(爆撃を受けても平気なんておかしいわ・・・彼は一体・・・)


江ノ島(・・・横島、忠夫・・・)












 ―――???―――





モノクマ「あれれれ? なんで横島君生きてんのさ? あれで生きてられたら困っちゃうんだけどボク」




モノクマ「折角ピリピリギスギスのコロシアイムードだったのに、すっかりギャグな空間になっちゃったじゃないか!」プンプン




モノクマ「そもそも入学させる気なんかなかったっつーのに。イレギュラーが過ぎるよまったく」




モノクマ「・・・まぁいいさ。これくらいなら、どうとでもなるよ」





モノクマ?「なんてったってボクは学園長だからね!」











???「ウププププ―――――さあはじめようか、悪夢と絶望の学園生活を」









プロローグ終了


一応チャプター1まで書き溜めてあるんで、近いうちに投下してくよ






chapter1 ●●●●イキ●●ル





苗木(校内を探索した結果、解放されているのは寄宿舎・校舎共に1階部分のみだった)


苗木(その中でも鍵がかかっていたり封鎖されていたりで入れない場所がいくつかあり、至るところに監視カメラが確認できた)


苗木(出口はもちろん開いている窓や通風口さえ見つからず、この場の密室性が異様に高いとわかったのが唯一の収穫だった)


苗木(そしてボクらにはそれぞれ個室が用意されていた、のだが・・・)






苗木「横島クンのネームプレートだけ男子トイレの一番奥の扉に掛かっていたね・・・」

横島「なんで俺だけこんな扱いなんじゃーーい!」ブワッ




 ―――食堂―――


横島「なして俺だけ便所暮らしせにゃならんのだ!! どういうことだ苗木、説明しろ!!」

苗木「ボクに言われても困るってば・・・」


不二咲「い、いきなりこの扱いは酷いかも・・・」

十神「お前は排泄物と同格だということだろう」

腐川「そ、そうよ、お、汚物よアンタなんて・・・穢らわしい!」



横島「さやかちゃんっ君の部屋に哀れな俺を住まわせて! ついでに愛も育もう!」

桑田「やっぱこいつクソだわ」
大和田「同感だな」
朝日奈「サイッテー」


舞園「男の人と相部屋するのはちょっと・・・・・・」

葉隠「舞園っちの事務所が許さねーべ、そんなん」

横島「くそぅっ! 芸能事務所め!」

大神「そういう問題か・・・?」



石丸「横島君! 君の言動には目に余るものがあるぞ! もっと学生らしく慎ましやかにだな!!」

横島「うっさいわ石頭! 今はそれ以前の問題じゃい!」

石丸「た、確かに、君だけトイレで睡眠を取らせるのは風紀委員として見過ごせない・・・!」


石丸「ならば僕に部屋に来るといい! 君の指導もできて一石二鳥だ!!」

横島「断る!! 男の部屋なぞ御免だ!」


十神「ならばトイレで暮らすんだな。安心しろ、貴様にはお似合いだ」


横島「このヤロウ、ツラがいいからって好き放題いいやがってからに・・・!」

苗木「顔は関係ないんじゃ・・・」

山田「嫉妬乙ですな」


横島「こんなん納得できっか! 責任者出て来い!」


モノクマ「呼んだ?」ヒョコ


朝日奈「うわわ!?」

苗木「っ、モノクマ・・・!」



横島「おいこらクマえもん、俺の部屋がないってのはどういう了見だ!?」

モノクマ「だってもともと君を入学させる気なんてなかったもん。だから個室も15しか造んなかったんだよ」

モノクマ「ネームプレートがあるだけありがたく思ってよね、まったく」フンス

横島「欠片も嬉しくないわッ!」


モノクマ「文句ばっか言うなら他のクマん家の子になりな! じゃあの!」ヒューン

横島「あっ待てコノヤロー!」


葉隠「言いたいだけ言って行っちまったべ・・・」

桑田「自由すぎんぞ・・・」



霧切(入学させる気がなかった・・・つまり彼は、黒幕にとって完全なるイレギュラーだということ・・・?)


霧切(先ほどの爆弾の事といい、本当に何者なのかしら、彼・・・)



霧切(・・・・・・素性が知れないという意味では、私自身も同じなのだけれどね)



苗木「・・・? 霧切さん、どうかした?」

霧切「別に、どうもしないわ」


セレス「とにかく、ここから出られない以上は仕方ありません。適応あるのみですわ」

朝日奈「そうだね。しばらくしたら警察とかも動いてくれるだろうし!」


石丸「よし、では本日はここまでとしよう! また明日の朝、この食堂に集合するのだ!」

江ノ島「勝手に仕切んないでよ、ウザいってもう」







苗木(こうしてボクたちの激動の一日目は終わった)


苗木(セレスさんの提案で夜時間――午後10時から翌朝7時までは外出禁止になったけど、守る人はどれくらいいるのだろうか?)


苗木(・・・とにかく、今日はもう休もう。疲れたよ・・・)





横島(文珠溜まったらソッコーで脱出してやる・・・! いやその前に女どもとネンゴロに・・・!)グヘヘヘ


苗木(・・・ボクは何も見てないよ。ホントダヨ)





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      [ モノクマ劇場 ]








「古今東西、時間に関する格言はたくさん存在するよね」


「それは時間が不変的なものだからなんだ」


「簡単には捻じ曲げられないモノだからこそ、偉大なんだよなぁ」


「それだけ時間の流れっていうものは御し難いものなのさ」



「だからだろうね、ヒトは空想の中で時間を歪めたがるんだ」


「各部のラスボスがみんな時間を操る能力を持ってたり」


「歳は取らないのに何度もバレンタインやお正月が来たりしてね」


「ボクの知り合いのタヌキにも時間を行ったり来たりできる奴がいるよ」



「あっそうそう。『どんな時でも必ず明日は来る』とか言うヤツいるじゃん?」


「明日が自分から来てくれるなんて受身もいいトコだよね、ゆとりって怖いよ」


「ホントはね、明日が来るんじゃなくて、オマエラが明日に向かって歩いてるだけなんだよ」



「明日は必ず来る、俺イイこと言った!とか考えてるヤツ。そうオマエだよ」



「オマエの時間は、ずーーーーっと立ち止まったまんまだよ! 勘違いすんなよ!!」

















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 ―――3日目・食堂―――



横島「おはよーっす」

苗木「おはよう横島クン」
不二咲「あ、おはよぉ」
舞園「おはようございます」
朝日奈「おはよー横島!」
大神「うむ」
石丸「グッモーニン! いい朝だな!」


横島「お、さやかちゃん葵ちゃん、今日も可愛いな!」

舞園「ふふっ、ありがとうございます」ニコッ
朝日奈「まーたそんなことばっか言ってー・・・」プンスカ



苗木(奇妙な学園生活が始まってから3日が経過した)


苗木(今は午前7時。石丸クンの提案した朝食会の時間だ)


苗木(ここにいるメンバーは、いわゆる規則正しい高校生グループに該当する)


苗木(その中に横島くんの姿があるのは、なんというか・・・ひどく違和感がある)


石丸「今日も定刻通りに来たようだな横島君! 実に感心だ!」


朝日奈「意外だよね、横島ってちゃんと時間通りにくるタイプに見えないのに」

横島「バイト先の上司が厳しくてな。客商売は時間が信用問題だーってさ」

大神「うむ、礼節を重んじるのは武の道にも通ずるな」


舞園「芸能界も同じですね。先輩方より早くスタジオ入りしないといけなかったり」

横島「やっぱキビシーんだな、ゲーノーカイって奴も」

舞園「それ以上に遣り甲斐がありますから」

横島「よーし、全力で応援しちゃるからな! ガンバれよ、さやかちゃん!」ビッ

舞園「ハイっモチロンです!」



苗木(横島クンは軽薄そうな言動とは裏腹に、意外なほど友好な対人関係を築いている)

苗木(話も面白く底抜けに明るい彼は、どこか憎めないボクらのムードメーカーとなっていた)

苗木(露骨すぎるスケベ心に目をつぶれば・・・の話だけれど)


苗木(ちなみに結局、夜時間はトイレで過ごしているみたいだ。本人曰く、案外便利で快適らしい)

苗木(女性陣に泊めてと頼み込んでいたみたいだけど、尽く断られたみたい。男子の部屋はハナから選択肢にないらしいし)


苗木(寝るときは、ボクの部屋から奪い取っていった毛布を使っているようだ。その分、ボクは少し寒い思いをしている)



苗木(・・・・・・ボクは本当に超高校級の幸運なのだろうか)ヘックシ







 ワイワイ ガヤガヤ




苗木「これでみんな集まったみたいだね」


石丸「ではこれより朝食会並びに定例報告会議を始めようと思う!」


桑田「報告ったってよー・・・」

山田「変化なしとしか言えないのが現状ですな」

江ノ島「監視付きで全然落ち着かないしマジウザイんだけど」

葉隠「このレクリエーションいつ終わんだ?」

腐川「あ、あんた、まだそんなこと言ってんの・・・?」



横島(相変わらず大浴場は閉鎖されてるしなー・・・これじゃ覗きイベントが発生せんやないか)

横島(文珠の精製はだいたい3~5日に1個ペース・・・今日明日中ってとこだけど、ここはやっぱ煩悩ブーストが欲しいとこだな)

横島(そろそろ誰かに夜這いを仕掛けるべきか!?)クワッ


苗木(・・・またなにか変なこと考えてるな)



不二咲「もう・・・ここから出られないのかなぁ・・・」グス

大和田「いちいち泣くんじゃねーよ・・・」

朝日奈「大丈夫だよー! もうすぐ警察が来てくれるって!」



モノクマ「ケーサツぅ? バッカだなーそんなもの来ないよ!」ニュッ


石丸「うわぁ!?」

十神「出たな元凶め・・・なんの用だ」


モノクマ「オマエラいい加減コロシあってくんないと退屈なんだよー! マンネリは打ち切りEND一直線なんだよ!」


モノクマ「というわけで、今日はオマエラにプレゼントがあります!」

大和田「プレゼントだとォ?」



モノクマ「至急視聴覚室に移動してください! 一番遅れたやつ今夜おーねしょ!!」ヒューン


横島「あっテメー去り際に卑怯だぞ!」ダダダッ

葉隠「オネショは勘弁だべ!」スタコラ

十神「子供か貴様らは!」






 ―――視聴覚室―――


ダンボール<ヤッホー


苗木「これ、DVD・・・?」

大神「これは我の名前、こちらは朝日奈の・・・どうやら各自の分があるようだな」

横島「ムフフな内容ならエエなー」

山田「それは無いでしょうjk。いや、それも微レ存か・・・」

セレス「日本語を喋りなさいなブタが」


霧切「・・・見てみるしかないでしょうね」





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横島「さーて何が映ってるのかなっと・・・」




パッ


美神『―――希望ヶ峰学園入学おめでとう、横島クン』

キヌ『横島さーん元気ですかー?』
シロ『せんせー!』ブンブン
タマモ『落ち着きなさいよ』


横島(! 美神さん・・・!事務所のみんなも・・・!)


美神『アンタが超高校級のGSに選ばれなんて、私も鼻が高いわ』

キヌ『すごいですよ横島さん!』


横島(応援ビデオか。クマのやつ粋なことを・・・)


美神『その学園でしっかり学んできなさい。時間の融通は効かせてあげるわ』
キヌ『頑張ってください!』
シロ『せんせー!!』ブンブンブンシャカ
タマモ『アンタそれしかないの?』


横島(・・・ん? なんだろ、なにかがおかしいような・・・)



 ガッガガッ



横島「・・・んん?」



モニター<デデーン



横島「んなっ!? 事務所が・・・!?」ガタッ



横島(どういうことだ!? 事務所がボロボロじゃねーか・・・!?)


横島(いやそれより美神さん・・・は大丈夫として、おキヌちゃんたちは・・・!?)


横島(魔族の襲撃でも受けたのか? それなら小竜姫様とかが俺んとこにも何かしら連絡くれるはず・・・)


横島「一体、何がどうなってやがんだ・・・!」




「なっ・・・これは・・・!」
 「ウソでしょ・・・!?」
  「どうして、こんな・・・!」



横島(周りも似たようなもんか・・・こら早いとこ文珠作ってここから出ないと・・・)


横島(・・・いや待て、この学校は襲撃されてないってことは、少なくともここは安全ということか?)



横島(・・・・・・) ←ピートとか雪之丞に任せよっかなー、と考えている







舞園「いやああああ!!?」



横島「うわゴメンナサイ俺も働きます!・・・って、さやかちゃん?」



舞園「出なきゃ・・・ここから出なきゃ・・・・・・ッ!!」バンッ

苗木「舞園さんっ、待って!」ダダッ


横島「あっおい苗木!・・・行っちまった」




モニター<ブゥンッ


モノクマ『ウプププ・・・どう? 衝撃映像は楽しんでもらえたかな?』



横島(俺も追っかけてさやかちゃんを慰めたいとこだが・・・今は・・・!)


横島「どういうことだクマ! なんでこんなことになってやがる!?」ギリ


モノクマ『おやおや? 知りたい?知りたい? ねぇどんな気持ち?今どんな気持ち?』ウロチョロ


横島「質問に答えやがれ!」

モノクマ『いーねいーねー! いい感じに切羽詰まってるよ! 〆切前のマンガ家並だね!』



モノクマ『知りたいなら方法は簡単! 誰かをコロシテここからでればイーんだよ!グリーンダヨ!!』





霧切「・・・貴方の目的は何? なぜこんなことをするの?」


モノクマ『ボクの目的ぃ? 決まってんじゃん。それはねぇ―――――』









『――――絶望。それだけだよ』












 ―――午後11時・寄宿舎廊下―――






??「・・・」コソコソ





?島「・・・・・・」カサカサッ





y島「・・・・・・・・・」シャカシャカッ ババッバッ







横島(こちらスネー・・・もとい横島。これよりストーキングミッションを開始する。オーバー?)



横島(今日のビデオのせいで、さやかちゃんは酷く傷ついている・・・)


横島(心だ! あの娘には今、心が必要なんや!)


横島(なので俺がこれから彼女の部屋に突貫しても、なんら不自然じゃない!)ロンパッ!


横島(さやかちゃんの部屋は食堂側から右手3番目! 事前確認も抜かりなしだ!)break!




横島「・・・ここだ!」ガチャガチャ

横島「鍵かかってんな・・・寝てるだろうからインターホン押すのも気が引けるし・・・」


横島「となると・・・方法はひとつ・・・!」




 閃きアナグラム!


グ ッ ン ピ キ



横島「これが答えや!」 →ピッキング



横島(確かピッキング防止加工がしてあるとか言ってたが・・・それは普通の道具に対してのみ!)



横島「でやがれっ、“栄光の手〈ハンズオブグローリー〉”!」ブオンッ



横島(カギ爪形態で爪の先っぽを鍵穴に差し込むッ! 鍵と鉤を掛けた上手いシャレや!)カチャカチャ


横島(きっと部屋ではネグリジェのさやかちゃんが俺が来るのを待ってて・・・!)ホワンホワーン








舞園『横島君・・・私、怖いんです・・・』ウルウル


横島『心配いらないさ子猫ちゃん、ボクがついてるよ』キリリ


舞園『ああ・・・なんて逞しい腕・・・そして凛々しいお顔・・・』ウットリ


横島『さあ、ボクのセンターマイクを握ってごらん?』


舞園『はい・・・今夜は貴方の上でオンステージ・・・!』










横島「―――なーんつってなーんつって!!」ゲヘゲヘ



 カシャンッ



横島「おおっ開いた・・・俺って時々すげーな」

横島(いざっ・・・!)キィィ…



横島「おはよ~ございま~す・・・!(蚊の泣くような声)」 

横島「本日は人気アイドル舞園さやかちゃんの寝室にお邪魔しております・・・!」パタン



「・・・ウゥン・・・スゥ・・・」モゾ



横島「!!」シャガミ

横島「おるぞおるぞ・・・可愛い寝息が聞こえてくるぞ・・・!」ホフクゼンシン



横島「――いざゆかん、エデンの園へ!」ガバァッ!




苗木「・・・ゥン・・・それは違うよぉ・・・」ムニャ


横島「またオマエかァああああああああああっ!!?」ドガッ

苗木「ギャンっ!?」オッコチ



苗木「えっえ、なに!?何か来たのっ使徒!?」ネボケ


苗木「って横島クン!? なんでここに!?」

横島「それはこっちのセリフじゃ! どーしてオドレがさやかちゃんのベッドで寝とるんじゃい!?」

苗木「えっと、それは、部屋を交換したから・・・」

横島「うがぁああ!! 何度俺のピンク展開を邪魔すれば気が済むんだコノヤローめ!!」


苗木「ていうかどうやって部屋に・・・鍵はちゃんと掛けたはず・・・」


苗木「っ! まさか、舞園さんが言ってた不審者って・・・横島クンか!?」

横島「あん? 何の話だ?」


苗木「夜時間の直前に舞園さんが言ってたんだよ。誰かが鍵を無理やり開けようとしてきたから怖くなったって・・・」

苗木「犯人は・・・キミなんだね!?」


横島「いやそんなん知らんぞ?」

苗木「でも現に舞園さんの部屋に入ってきたじゃないか!」

横島「俺が行動を起こしたのは夜時間になってから!ついさっきだ!」

苗木「・・・それを証明する人は?」

横島「夜時間になるまで千尋ちゃんと喋っとったから明日聞いてみろよ」


苗木「・・・ごめん、疑って」

横島「以後気をつけるようにな!」フンゾリ


苗木「・・・あれ? でもそれは鍵を開けたことの説明には・・・」


横島「あーーっと!? ということはさやかちゃんを狙ってる奴が他にもいるってことかァー!?」

苗木「え? うん、そういうことになる・・・よね」


横島「こうしちゃおれん! 待っててさやかちゃん!今王子様が迎えに行くよ!!」クルッ

苗木「ダメだよ! 舞園さんは今すごく怯えてるんだから!」ガシ

横島「だからこそ俺の肌で人の温もりをだなぁ!」

苗木「誰が来てもドアを開けないって言ってたんだ! 今はそっとしておいてあげようよ!!」


横島「ぬグググ・・・仕方が、ない・・・!」チナミダ

苗木(そんなにも・・・?)


横島「ならば今夜は徹夜だ!」

苗木「え!?」

横島「え、じゃない! その不審者がいつ来るとも限んねーだろーが!」

苗木「イチバンの不審者が何言ってんのさ・・・」


横島「よし、各自さやかちゃんの私物を物色しながら待機!」

苗木「ダメだってのに!」




苗木(結局この日、ボクは横島クンが変なことしないか監視し続け、彼が寝落ちした深夜3時過ぎにようやく眠ることができた―――)






 ―――翌朝・食堂―――



横苗「「くぁあ・・・・・」」アクビ


不二咲「なんだか二人共眠そうだねぇ」

石丸「夜更しはいかんぞ!」

横島「へーへー・・・」カクンカクン

大神「まるで赤べこのようだな・・・」


朝日奈「私もよく眠れなかったよ・・・あんなの観た後だもん」

石丸「僕はいつも通りの快眠だったぞ!」

大神「図太いというべきか・・・いや、これ以上は言うまい」


苗木「そういえば不二咲さん、昨日の夜時間の前に横島クンと話してたって本当?」

不二咲「え? うん、そうだよぉ?」


朝日奈「ちょっとダメだよ不二咲ちゃん! こんなエロ魔人とそんな時間まで一緒にいちゃあ! 襲われちゃうよ!?」

横島「襲うか! 俺はロリっ子は守備範囲外だっつーの!」

苗木「範囲あるんだ、一応・・・」

石丸「横島君、今のは男尊女卑ではないのかね!?」

横島「じゃあロリもイけるって言やよかったのか?」

石丸「そんな不純は許されない!!」

横島「どないせーちゅーんじゃっ!」


不二咲「横島くんの話、面白いよぉ? モノや機械にも魂が宿るとか、すごく興味があるんだぁ」

大神「ほう・・・意外と信心深いのだな」

横島「信心というか、実体験なんだが・・・」



朝日奈「そういえば舞園ちゃん来てないね?」

不二咲「珍しいよね・・・もう来てもいい頃なのに」

大神「昨日の件もある・・・・・・気疲れを起こしているのやもしれぬな」


横苗((・・・・・・))






・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・



  オハヨー
      ハヨーッス
 ゴキゲンヨウ
         ダベ
   ……





朝日奈「・・・来ないね、舞園ちゃん」

苗木(舞園さん・・・)


十神「・・・」ツカツカ

朝日奈「あっ十神! 舞園ちゃん見なかった?」

十神「俺が知るわけないだろう」ガタン



山田「ふーむ、舞園さやか殿がいないとは・・・なにやら気になりますなぁ」

石丸「様子を見に行ってくるべきだろうか?」


苗木(・・・まさか・・・!)


苗木「ボ、ボクちょっと見てくる!!」ガタッ タタタ

横島「おい待て、俺も!」ダダダ








 ―――苗木の部屋―――


苗木「っ! 鍵が開いて・・・!」ガチャリ


苗木「舞園さん!・・・っ!?」

横島「な、なんじゃこりゃ!? 部屋中ズタズタじゃねーか!」



苗木(床には模擬刀・・・壁のキズはこれで・・・?)


苗木「! シャワールームのノブが・・・!」

横島「壊れてるな・・・無理くり外したみたいに・・・、っておい苗木?」




苗木「まさか・・・――――!」ッギィィ














「――――うわあああああああああああああああああああああああああ!!!!!」







《ピンポンパンポーン! 死体が発見されました!!》









 ―――体育館―――



苗木(・・・舞園さんが、死んだ・・・)

苗木(現場はボクの部屋、死因は包丁による刺殺・・・だと、思う・・・)


横島(詳細を知る前にモノクマに呼び出されたから、これ以上は何もわからねー・・・)

横島(なんで、こんなことに・・・!)ギリ



朝日奈「ね、ねぇ・・・ホントに死んじゃったのかな・・・舞園ちゃん・・・」

十神「さっき全員で確認しただろう。舞園さやかは、間違いなく死亡していた」

霧切「・・・」

葉隠「レクリエーションじゃ・・・なかったんだべ・・・!」

石丸「なんという、ことだ・・・」

不二咲「うぅ・・・・・・」



モノクマ「集まったね! それじゃあ、これから校則についての追加説明を行います!」


横島「おい待てよ! それとさやかちゃんが死んだことと何の関係があんだっつーンだよ!?」

モノクマ「だからそれを今から説明するんじゃないか!おとなしく聞いてろバカチンが!」

モノクマ「ボクはね、テレビ見てる横で『このあとどうなんの?ねぇどーなんの?』って聞いてくる奴が大嫌いなんだよ!おとなしく見とけっつーの!」プンプン


十神「殺しを行なったクロは卒業可能、だがバレてはいけない・・・という部分だろう?」

モノクマ「ネタバレも大嫌い! でもまぁその通りなんだけどね」



モノクマ「これからオマエラには一定の捜査時間を設けたあと、『学級裁判』を行ってもらいます!!」


モノクマ「そこで議論を行いクロ、つまりコロシを行った犯人を話し合ってもらいます!」

モノクマ「正解ならクロだけがオシオキ、不正解ならクロ以外の全員がオシオキ! どぉ、簡単でしょ?」

モノクマ「ちなみにここでいうオシオキっていうのは、処刑のことだからね!」



石丸「こ、この中に、舞園君を殺した犯人がいるというのか・・・!?」

葉隠「ま、マジでか・・・?」


苗木「嘘だッ! お前が舞園さんを殺したんだろう!!」

モノクマ「疑り深いなぁ。ボクはそんなことしてないよ、断言する! この事件のクロは、必ず、絶対、オマエラの中にいるんだよ!!」ビシィ


モノクマ「あ、それとコレ。事件の詳細をまとめた『モノクマファイル』だよ! 君らの電子生徒手帳に送っとくね!」



十神「命を賭けた殺人ゲームというわけか・・・なるほど、面白いじゃないか」

苗木「ゲームだなんて・・・!」

横島「血も涙もねーのかテメー!」

セレス「起きてしまったものは仕方ありませんわ。あれこれ騒ぎ立てるより、順応したほうが建設的じゃありませんこと?」


霧切「・・・そうね。犯人を見つけなければ私達全員が処刑される・・・、喚いてる時間はないわ」

苗木「・・・っ」



モノクマ「物分りがよくて助かるよ! それじゃさっそく・・・」


江ノ島「勝手に話進めないでよ! アタシはやんないからね、犯人当てなんてジョーダンじゃない!」

モノクマ「んもー、何度も話の腰折らないでよ! いい加減怒るよ!?プンプン丸だよ!?」

江ノ島「上等だよ! フザケたことばっか言いやがって、ナメんじゃねーよ!」カツカツ

葉隠「お、おい、近づいたら危ねーべ!」



モノクマ「いてこましたらー!」トテトテ

江ノ島「このォ・・・!」


霧切「っ! いけない―――!」






横島「―――ヨコシマスライディイィイングッ!!」ズシャァ!


モノクマ「ほぇ!?」トバサレッ

江ノ島「へ!?」フミツケッ

横島「むぎゃんッ!」フマレッ



石丸「こ、これは!?」

山田「横島忠夫殿のロック○ンばりの滑り込みで!」

朝日奈「モノクマと位置が入れ替わって!」

葉隠「代わりに横島っちが踏まれたべ!」


桑田「なんだこの連携解説・・・」



江ノ島「ちょ、アンタ・・・横島、どういうつもりよ!?」グリグリ


横島「コ、コイツへの暴力は校則違反や・・・そしたらキミも・・・!」

江ノ島「はぁ!? そんなのカンケー・・・!」




横島「―――盾子ちゃんまで殺させるわけにはいかねーんだよッ!!」

江ノ島「っ・・・!」ビクッ




江ノ島(・・・この人、本気で私を助けようと・・・?)



横島「・・・おぉう、やっぱ黒か」

江ノ島「?」

横島「こら絶妙のアングルやでぇ・・・!」デヘデヘ


江ノ島「っ! 何覗いてんだこのスケベ!!」バキッ!!

横島「ありがとうございますッ!!」




モノクマ「あーあ、つまんないのー。せっかく見せしめができると思ったのにさー」トコトコ


モノクマ(・・・命拾いしたね、オネーチャン)ボソッ

江ノ島(・・・・・・え)




モノクマ「ではっチャッチャと捜査を開始してください! また学級裁判でお会いしましょう!」バイバイ



不二咲「ど、どうしたらいいのぉ・・・?」

セレス「ともかく、このモノクマファイルとやらを確認する必要がありますわね」ピピッ



セレス「死亡したのは舞園さやかさん。死因は腹部刺傷による失血死」

セレス「凶器は包丁。右手首に骨折アリ。死亡推定時刻は本日深夜1時半頃。殺害現場は―――」



セレス「―――苗木君、貴方の部屋となっていますわね?」

苗木「そ、それは・・・!」



大和田「てめーが犯人か!」

苗木「ち、違うよ、ボクじゃ・・・!」

桑田「うっせんだよ人殺し!」

石丸「ぬぐぐぅ・・・!」


苗木「は、話を聞いてよ・・・!」


葉隠「ヒエェエ・・・!」

朝日奈「ホントに、苗木が・・・?」

横島「苗木・・・」

苗木「いやキミはオカシイでしょ!? 横島クンは知ってるでしょ!?」



霧切「ここで話していてもどうにもならないわ。捜査を始めましょう」スタスタ

セレス「ですわね」カツカツ

十神「フン・・・」ツカツカ



ザワザワ・・・
 




苗木「ちょっとォっ、なんで横島クンまで慄いてるのさ!? 死亡推定時刻にボクと一緒にいたでしょ!?」

横島「悪い、ついその場のノリで・・・」ポリポリ


苗木「ふざけてる場合じゃないんだよ・・・!」

横島「わーってるよ、そのくらい・・・これでも真剣なんだ」

横島「ただ、芸風上シリアスが長続きしないだけだ」

苗木「余計にタチが悪いよ・・・」


横島「とにかく俺らもなんかしねーと・・・オマエ、下手すりゃこのまま犯人扱いだぜ」

苗木「2割くらいはキミのせいだと思うんだけど・・・」

横島「固まって動いても仕方ない、別行動だ!」ダダダ


苗木「・・・・・・不安だ」






 ―――校舎1F廊下―――


横島(苗木と別れて捜査を始めたはいいけど・・・どこにいっていいかサッパリだな)ノソノソ

横島(こーいう頭使う作業は美神さんとかピートとかの仕事だよなぁ・・・)


横島(文珠もまだできてねーし、俺に何ができるってんだ・・・?)




江ノ島「・・・あ」


横島「お、盾子ちゃん。なんか手掛かりとかあったか?」

江ノ島「・・・ないよ。てゆーか、まともに探す気ないし」

横島「なんでだ? 犯人見つけねーと俺らみんな打ち首だぞ?」

江ノ島「あんな奴に言うこと、まともに聞いてらんないっつーの・・・」


横島「そうかもしれんけど・・・あいつがヤベー奴ってのは確かやろ」

江ノ島「・・・」

横島「ま、なんでもいいから気が付いたら教えてくれや」




江ノ島「ねぇ・・・なんでアタシのこと助けたの?」

横島「へ?」


江ノ島「誰彼構わず助けられるわけじゃないじゃん、特にこんな場所じゃ・・・」


江ノ島「アンタだって自分の命が惜しいクチでしょ? わざわざ危険を冒してまで助けること・・・」




横島「わかっとらんなー盾子ちゃん!」


江ノ島「は?」



横島「俺は誰彼構わずなんて助けんぞ! 俺が助けるのは美女もしくは美少女だけだ!!」

横島「ヒロインを助けるのはヒーローの役目! ヒーローはモテる! だから俺はヒーローになる!! それだけだ!!」


江ノ島「いや、どうみてもアタシはヒロインなんて柄じゃないでしょ」

横島「んなこたないぞ! 盾子ちゃんは完全に俺のストライクゾーン、ヒロインど真ん中や!」

江ノ島「っ・・・」


横島「俺はこれ以上ヒロインを失うわけにはいかんのだ! じゃーなー!」スタタタ





江ノ島「・・・・・・・・・へんなやつ」





 ―――トラッシュルーム―――


横島「ゴミ捨て場か・・・初めて入ったな」


横島「鉄格子が邪魔で奥まで行けねーな・・・」ガシャガシャ

横島(焼却炉はボタン式・・・・・・栄光の手を伸ばせば押せないこともないけど、んな必要ねーしなぁ)


横島(・・・ん、なんだアレ? なんか布の切れっ端やらガラスみてーのが散らばってる・・・?)

横島(単なるゴミの残骸か?)


横島「・・・近づけねーんじゃ調べようがない、か」


―――ランドリー―――

 
葉隠「お、横島っちか!」

横島「・・・なんだ、モジャクレか」

葉隠「ハガクレだべ!」

横島「男の名前なんか知らんわ」

葉隠「相変わらずだなぁ横島っちは」


横島「テメーはこんなとこで何してんだ?」

葉隠「んー、探し物だべ」


横島「事件の手掛かりか?」

葉隠「んにゃ、俺の私物だべ」

横島「オメーも調べろこのタコ!!」バシン

葉隠「イテーベ!ヒデーべ!」



葉隠「俺にはこういう頭脳労働は性に合わないんだって」

横島「俺だってそーだっつーの!」

葉隠「だろうな、俺と同じ臭いがするべ」

横島「お前みたいな胡散くさハラマキと一緒にすんな!」

葉隠「まーまー怒んなって。占ってやるから見逃してくれ!」


横島「占い・・・? そーいや超高校級の“占い師”だったな、お前」

葉隠「んだべ! 金運・恋愛・健康・その他もろもろ、確実な未来をキッカリ3割の確率で的中させてみせんぞ!」



横島(3割か・・・微妙な数字やな。美神さんもたまに占いやってたけど、結構な頻度で当たってたよな・・・?)


横島(あ、でもあれはボンヤリとした指針しか視えんのか・・・・・・なら、こいつのキッカリ3割確実にってのは結構スゴイのか?)



葉隠「よしよし、横島っちの未来を占ってしんぜよう、だべ!」

横島「おい、まだやるっつってないだろが!」

葉隠「あ、ちなみに今回は特別に友達価格9万8千円でいいぞ。あとで振り込んどいてくれな!」

横島「金とんのかよ!!」



葉隠「んんん~っ、来たべ来たべ! インスピレーションが降りてきたべ!」



横島(聞いてたまるかっ! 料金が発生する前に逃げるっ!!)スタコラサッサ!








葉隠「ズバリ、『元カノが自分の子供になる』と出たべ!!」ビシィッ




葉隠「・・・ってアレ、横島っちは?」キョロキョロ

葉隠「まぁ、どうせハズレだからいっか! 横島っちにカノジョがいたとも思えんべ!」ケラケラ





 ―――事件現場(苗木の部屋)―――


横島「ったく、とんでもないヤローだ。あのウニヘッドめ・・・」



大神「む・・・横島か」
大和田「・・・おぅ」


横島「おろ、図体のデカイのが二人・・・なにしてんだ?」

大神「我らは現場の保全と監視を兼ねている・・・」

大和田「調べ物なんて力になれそうにねーからな」


横島「・・・あれ、苗木はいねーのか? ここに来てると思ったんだけど」

大神「先程入れ違いに出て行ったぞ」

大和田「あの女・・・霧切もな」


横島「響子ちゃんも?」



大神「なにやら入念に調べていたようだな・・・」

横島「調べ物とかが得意なクチなんかな?」

大和田「薄気味悪ぃったらないぜ・・・あの女、死体をベタベタ弄り回しやがってよぉ・・・」

大神「それだけ、事件解決に必死なのだろう・・・」



横島(いかにも頭脳担当っぽい響子ちゃんが調べ尽くしたんなら、もう新しい手掛かりなんてないか・・・?)


横島(・・・俺、やることなくねーか?)



大神「第一発見者は、確かお主だったな?」

横島「ん、ああ。正確には俺と苗木の二人だけど」


大和田「なんか気づいたこととかねぇのかよ?」

横島「気付くもなにも、発見した直後に召集かかったからなんもわかんねーよ」

大神「ならば、もう一度現場を見てみないか? 最初に入った時と印象が変わっていたら、そこにヒントがあるやもしれん・・・」


横島(思いっきり脳筋な見た目のくせに理路整然としている・・・・・・納得いかん)


大和田「グダグダやってねーでさっさと見て来いッ!」ドゲシッ

横島「グギャッ!? 見た目どーりの脳筋!!」






横島「・・・お、おじゃましまーす・・・」キイィ




 舞園「」





横島(うひぃ・・・! 美少女とはいえ、死体ってのは気味が悪いな・・・)


横島(えっと・・・死因は腹の包丁。右手の骨折に、その付近の金箔みたいなクズ・・・)

横島(ん? 背中の壁に・・・『11037』?)



横島(・・・・・・・・・さっぱりわからん)



横島(ダメだ・・・最初と印象が違うとこなんてどこにもないぞ・・・)


横島(やっぱ俺には、殺人事件の捜査なんて向いて――――)















   『  ごめん なさい  』











横島「―――ん?」









   『 ごめん なさい 』







横島(な、なんだ? どっかからか謝罪の念が・・・)







 『 ごめんなさい   ごめんなさい 』









横島(死体の方から・・・? でもさやかちゃんは死んで・・・)










舞園『・・・・ごめん、なさい・・・・・』 ボヤァ…




横島「」







横島「のわあああああああ!?」



大神「どうした横島!?」
大和田「なんだなんだ!?」


横島「さ、さやかちゃんが・・・」ユビサシ

大神「・・・? 舞園の死体がどうしたのだ?」


横島「いやだから、そこにさやかちゃんが・・・」

大和田「んなもん見りゃわかンだよ!! んだよ死体にビビっただけかよ紛らわしい・・・!」



横島(み、視えて・・・ないのか、コイツら・・・?)




横島(そ、そうか・・・霊体になったばっかで姿が安定してないから、霊感のある俺にしか見えねーのか・・・!)



舞園『ごめんなさい・・・・・・ごめんなさい・・・』



横島(うつむいて謝り続けてる・・・・・・)


横島(・・・それに・・・)




舞園『・・・ごめん、なさい・・・』ポロポロ


横島(・・・それに・・・泣いている・・・)



横島「・・・さやか、ちゃん?」


舞園『・・・ごめんなさい・・・』


横島「おーい・・・」


舞園『ごめんなさい・・・』


横島(・・・俺の声に気づかない・・・?)

横島(もしかして・・・塞ぎ込みすぎて、外界との感覚が薄れてるのか・・・?)


横島(・・・だったら!)



横島「さやかちゃんっ聞こえるか!? 俺だ、横島だ!!」

大神「どうしたのだ横島・・・!?」


横島「こっちを向いてくれさやかちゃん!! 誰に殺されたんだ!?」

大和田「気でも狂ったのかコイツ・・・!?」





舞園『ごめんなさい・・・・・・ごめんなさい・・・』



横島「俺がキミの仇をとってやる! だから教えてくれ、犯人は誰なんだ!?」

大神「いかんっ・・・、大和田、横島を抑えるぞ!」ガシッ
大和田「おいこらってめぇ、落ち着け!」ガシ



舞園『・・・ごめんなさい』



横島「なんで謝るんだよ!? どうしてこうなっちまったんだよ!?」



舞園『ごめんなさい・・・』



横島「さやかちゃんっ!!」
















舞園『――――・・・・・・苗木君・・・ごめんなさい・・・・・・』



横島「―――え?」







  ガッガガッ



《えー、そろそろ待ちくたびれたんで、始めちゃってイイッスか?》



《それでは皆さん、校舎1階の赤い扉にお入りください!》







《お待ちかねの―――学級裁判ですよ!!》









 ―――エレベーター前―――



大神「遅れてすまない」

大和田「おぅ・・・」


江ノ島「やっと来た、って・・・」



横島「・・・」ブラーン



山田「・・・なぜに横島忠夫殿は捕獲されたエイリアン状態なのでしょう?」

セレス「大方、舞園さんの下着でも物色して捕まったのでしょう」

朝日奈「こんな時に何考えてんの!? 横島サイッテー!!」


大神「朝日奈よ、それは違うぞ」

大和田「コイツ、舞園の死体の前でイキナリ喚き始めやがったんだよ。『返事しろ』だの『こっち向け』だのよォ・・・」

石丸「なんと、横島くんがか!?」

十神「現実を受け入れられず錯乱したか・・・凡人とは哀れだな」


大和田「まぁ、放送がかかったら急におとなしくなったんだけどな・・・」

不二咲「横島君・・・」

朝日奈「横島・・・」


十神「何時までもこんなで木偶に構っている暇はない、先に行くぞ」

腐川「わ、わたしもぉ・・・!」





 ドヤドヤ ワレモワレモ




霧切「苗木君。この事件、貴方の手で真実を突き止めなさい」

苗木「霧切、さん・・・?」

霧切「でないと、必ず後悔することになるわ」ツカツカ

苗木「・・・・・・」




横島(さやかちゃんは、泣きながら苗木に謝ってた・・・)


横島(苗木が犯人じゃないとするなら、あの涙の意味って・・・)



横島(・・・わかんねーことだらけだけど、やんなきゃなんねーことはわかる)




横島(―――女の子の涙だけは、なんとしても止めてみせるッ! GSの名に賭けてッ!!)



横島「・・・いくぞ苗木。必ず、真犯人を突き止めんぞ」

苗木「横島クン・・・」


横島「さやかちゃんの為にも・・・・・・絶対にだ!」

苗木「・・・うん・・・!」







苗木(――いよいよ、始まる――)


横島(――正真正銘、命懸けの――)



(――――学級裁判が――――!!)





本日分終わり

書き溜めがみるみる減っていくよ




投下再開

書き溜め使い切る気でいくよ




    学 級 裁 判


      開廷!




苗木「ここが、裁判場・・・」

横島「ここはちゃんと16人分席があるんだな」

モノクマ「うん、まあね」



モノクマ「それでは議論を開始してください!」



朝日奈「えっと・・・何から話せばいいのかな?」

霧切「難しく考える必要はないわ。気になった事や疑問点を一つずつ確認していけばいいのよ」


石丸「殺害されたのは舞園さやか君だ、間違いない!」

大和田「んなこととっくにわかってるっつーンだよ!」

腐川「は、犯人だって、わ、解りきってるわよ・・・!」

セレス「あら、それはどなたです?」

腐川「決まってんじゃない・・・な、苗木よ・・・!」


霧切「その根拠はあるのかしら」

腐川「じ、事件現場は苗木の部屋なのよ・・・【苗木以外に犯行は不可能】だわ・・・!!」


苗木「それは違うよ!」break!


腐川「な、何が違うのよ・・・【あたしがブスだから】否定するの・・・!?」


横島「それも違うぞ!」double break!


腐川「な、なんであたしを狙い撃ちすんのよ・・・!!」


横島「冬子ちゃんはブスじゃないぞ! 磨けば光る逸材だ、間違いない!」

腐川「う、ううそよ、そんなこと言って騙そうなんて、そうはいかないんだから・・・!」

横島「いやいやっおさげメガネも悪かないけど、髪下ろして身なりをちょっと変えれば劇的に・・・」

セレス「横島君の主張は後日適当なところで論議するとして、苗木君の意見がまだ途中でしてよ?」

山田「苗木誠殿は腐川冬子殿の容姿をどうお考えで?」

セレス「ソッチじゃねェんだよ黙ってろ腐れラードがァ!!」

山田「ブヒィ!!」


霧切「苗木君、気にせず貴方の意見を聞かせて」

苗木「う、うん・・・」

横島(セレスちゃん、気性が美神さんに似てるな)



苗木「昨日の夜は、舞園さんと僕の部屋を交換して過ごしたんだ。そしてボクは夜時間以降、部屋を一歩も出ていないんだよ」

腐川「そ、そんなの自己申告じゃない・・・」


苗木「事件が起こったのは今日の深夜1時半頃・・・・・・間違いないんだよな、モノクマ?」

モノクマ「モチコース! モノクマファイルに一切の偽りなしだよ!」


葉隠「犯行時刻がどうしたんだ?」

苗木「不可能なんだよ、ボクが犯行を行うのは。少なくとも午後11時から午前3時まで、ボクはずっと舞園さんの部屋にいたんだから」

十神「それをどうやって証明する気だ」



苗木「証人ならいるよ――――そうだよね、横島クン」



十神「横島だと・・・?」

大神「どういうことだ、苗木よ」


苗木「昨日の11時頃、ボクのいる部屋に横島クンが来たんだよ」

石丸「そんな時間に何をしようとしていたのだね!? 夜時間は出歩き禁止だろう!!」

横島「い、いやぁ、さやかちゃんがビデオの件で怯えてるんじゃねーかなーと思って、励ましにだなぁ・・・」ダラダラ

石丸「そうだったのか!! 横島君、キミは情に熱い人間だったのだな!!」

横島「あ、あたぼーよぉ! 人情家の忠さんたぁ俺のことだぜ!」


桑田「ぜってー違う理由だろ・・・」

葉隠「完全にエロ目的だべ」


山田「そしてそこで、既に部屋を交換していた苗木誠殿とエンカウントした・・・というわけですか」

横島「ああ。さやかちゃんはいないし苗木はいるしで非常にガッカリ・・・じゃないビックリしてなぁ」

苗木「そのあと、横島クンの監視の意味も含めて午前3時まで起きてたんだ。もちろん、ボクも横島クンも部屋からは出ていないよ」

横島「監視言うなや!・・・まぁ言ってることに間違いはないぞ。俺も苗木も3時までは互いに起きてんの確認してたし」


不二咲「じゃぁ、犯行時刻に一緒にいた二人には・・・」

江ノ島「完璧なアリバイがあるってことじゃん」

腐川「そ、そいつらが、きょ、共犯だって可能性もあるでしょ!」


十神「校則によれば、卒業できるのは実行犯であるクロのみ・・・共犯を行うメリットなど欠片もない」

セレス「あの横島君が、殿方である苗木君を意味もなく庇うとも思えませんしね」

横島「おおっ! 俺ってば信頼されとる!」

朝日奈「違う。絶対違う」


腐川「じゃあ犯人は、だ、誰なのよ・・・!」

十神「それを議論するんだろうが・・・少し黙れ口臭女」

腐川「」


霧切「・・・順に追って行きましょう。まずは凶器の話からよ」


石丸「凶器は腹部に刺さっていた包丁だな!」

不二咲「それって、厨房にあった物だよねぇ・・・?」

江ノ島「じゃあ厨房にいたヤツが持ち出したんでしょ?」

朝日奈「昨日厨房にいたのは、私とさくらちゃんだけど・・・」


横島「? さくらちゃんて?」カワイイコ?

大神「我だ」コワイイコ

横島「」ソウデシタ



朝日奈「・・・あ、でも、もうひとり厨房に来た人がいるよ」

大和田「あぁ? 誰だよ?」


朝日奈「・・・舞園ちゃん」

横島「・・・へ?」


朝日奈「厨房に来たのは、殺された舞園さやかちゃんだよ」



苗木「舞園さんが・・・どうして・・・」

横島「・・・他に来た奴はいなかったんか?」

大神「我と朝日奈は、夜時間までずっと食堂にいた。その間に厨房に脚を踏み入れた者は、我ら2人を除けば舞園だけだ」


山田「では包丁を持ち出したのは、必然的に舞園さやか殿ということに・・・」


江ノ島「オーガミと朝日奈のどっちかが持ち出した可能性はないの?」

大神「それはないな・・・」

朝日奈「私たちも、昨日は一緒の部屋で寝たんだ・・・。私が怖くなっちゃって、さくらちゃんに無理言って・・・」


十神「確定だな。包丁は舞園自身が持ち出したものだ」

苗木「ご・・・護身用だよ、きっと」

横島「つまり、さやかちゃんは自分で包丁を持ち出して、それを犯人に奪われて・・・殺された、と・・・」


セレス「そうなりますと容疑者は、夜時間中に行動を共にしていた苗木君と横島君、朝日奈さんと大神さん以外の誰か・・・ということになりますわね」

桑田「それでもまだ容疑者が10人以上残ってんじゃねーか」

山田「うわ・・・事件の容疑者、多すぎ?」




葉隠「じゃ、じゃあ次はどーすんだべ?」

霧切「なら今度は、事件現場について話し合ったらどうかしら」

石丸「現場となったのは苗木君の部屋だな!」

江ノ島(霧切→石丸の流れがテンプレート化してる・・・)


横島「あの部屋、やたらボロボロだったな・・・壁も床も刀傷だらけだったぞ」

大神「かなり激しい争いがあったようだな。落ちていた模擬刀にも傷がついていた」

横島「シャワールームのドアノブまでブッ壊れてたもんな」


不二咲「やっぱり、部屋に入ってきた犯人が壊したんだよね?」

大和田「まぁ壊すしかねぇだろうな。シャワールームに逃げ込んだ舞園が【鍵をかけちまった】んだからよ」


苗木「それは違うよ!」break!


大和田「あぁ?」



苗木「あのシャワールームに鍵なんてないんだよ。ただ建付が悪いだけなんだ」


朝日奈「え? だって女子の部屋のシャワーには鍵が・・・・・あ、現場は苗木の部屋だ!」

セレス「犯人が現場を舞園さんの部屋だと勘違いして壊したんですわね」


葉隠「ちょい待て、そもそもおかしくねーか? なんで犯人は苗木っちの部屋を舞園っちの部屋だと勘違いしたんだべ? 入る前に分かんだろ?」

石丸「それなら簡単だぞ! 部屋の扉にあるネームプレートが入れ替わっていたからだ!」

桑田「は? 誰が?何のために?」

石丸「そこまではわからない!」


霧切「誰が入れ替えを行ったか・・・苗木君、貴方は解るかしら」

苗木「・・・入れ替えたのは、部屋の交換を知っている人物に限られる・・・」

横島「俺は違うぞ?」

苗木「ボクでもない・・・・・・つまり・・・」



苗木「・・・舞園さん自身だ」



大和田「おいちょっと待てよ、ネームプレートまで入れ替えたら部屋交換した意味ねーじゃねーか」

山田「舞園さやか殿・・・ひょっとして、ドジっ子?」


不二咲「まるで、犯人に自分のいる部屋へ来て欲しいみたいな・・・」

霧切「その通りよ。彼女は、自ら犯人を部屋に招き入れたの」


横島(!?)


苗木「な、なに言ってるのさ・・・彼女は怯えていたんだよ!? そんな事するわけ・・・!」

霧切「これを見てもそう言える?」ピラ

苗木「これは・・・」



〈2人きりで話したいことがあります。5分後に、私の部屋に来てください〉

〈部屋を間違えないように、ちゃんと部屋のネームプレートを確認してくださいね〉

                   〈舞園さやか〉



霧切「苗木くんの部屋のメモ帳から浮かび上がった文面よ。これはあなたが書いたもの?」

苗木「・・・ちがう、よ」

セレス「舞園さんのサインもありますし、彼女が書いたものでほぼ間違いないでしょうね」




横島(・・・さやかちゃんは、最初から誰かを呼び出すために苗木の部屋を利用した・・・?)



石丸「舞園くんは自ら犯人を呼び出し、部屋に招き入れ、隠し持っていた包丁を奪われて刺殺された・・・そういうことになるな!」

葉隠「いや、その前に模擬刀の先制攻撃だべ!!」

十神「違うな。模擬刀の鞘に傷があっただろう、あれは包丁の攻撃を受けたときについたものだ」


十神「舞園が模擬刀を持っていたとは考えにくい。あのチープな造りの模擬刀は、持てば掌に金箔が付くはずだからな」

十神「そして骨折していた右手首に金粉が付着していた事から、そこに模擬刀の一撃を受けたと見て間違いないだろう」

十神「つまり先に包丁で襲い掛かったのは、殺された舞園本人。その後犯人の反撃を受け包丁を取りこぼした・・・そういうことだ」


葉隠(集中ロンパされたべ・・・)ションボリ



大神「舞園は被害者ではなく、本来は加害者になるはずであったということか・・・」


朝日奈「それじゃあ、部屋を交換したのは・・・」

十神「一連の計画を実行後、苗木に自身の罪を被せるためだろうな」

苗木「う、ウソだよ! そんなことあるわけ!」

十神「ここまで証拠が出ているんだ、否定するなら相応の根拠を示してみろ」

苗木「・・・っ」


朝日奈「で・・・でも、舞園ちゃんの計画が成功したとしても、苗木が喋っちゃったら全部バレちゃうよ?」

十神「お人好しの苗木のことだ、舞園を易々と切り捨てられるとも思えん。舞園もそれ見越して、苗木に話を持ちかけたのだろうさ」

腐川「た、たとえバラしたとしても、冴えない苗木と人気アイドルの主張が食い違ったら、い、一体、ど、どちらを信じるかしらねぇ・・・!」



横島「・・・・・・」







舞園『・・・・・・苗木君・・・ごめんなさい・・・・・・』




横島(・・・・・・こういう意味・・・だったのか)


横島(あの『ごめんなさい』は、自分の計画に巻き込んだ苗木に対する懺悔だったんだ・・・)

横島(そして・・・・・・自身の行いを心の奥底から後悔して・・・・・・今も泣き続けてる・・・)

横島(苦しんでたんだ・・・・・・脱出と、殺人との葛藤に・・・苗木を騙すことに・・・・・・)

横島(悩んで、苦しんで・・・その迷いが、決定的な過ちを躊躇わせた・・・)


横島(・・・・・・結果、逆に犯人に殺されてしまった・・・・・・)


横島(・・・・・っ・・・・)



不二咲「・・・横島君、どうかしたの・・・?」

横島「っ、・・・なんでもないよ」




横島(いかん、柄にもなくシリアスになっちまった。シリアスな俺なんて需要ないっちゅーに)


横島(今は犯人を見つけることに集中や)




葉隠「舞園っちの計画はなんとなくわかったけど・・・、結局犯人は誰なんだべ?」

江ノ島「まだ見当もついてないじゃん。どーすんのよ?」


山田「マズイですぞ! このままでは拙者らは全員処刑でござる!?」

桑田「るっせんだよブーデー! 【手掛かりが無い】んじゃどうにもできねーだろが!」


苗木「っ! それは違うよ!」break!


桑田「んだよ!?」

苗木「まだ舞園さんの残したダイイングメッセージがある・・・!」



セレス「壁面に記された『11037』という数列ですわね?」


大神「それは本当に舞園が残したものなのか・・・?」

苗木「それは間違いないはずだよ。彼女の左手の人差し指に血液が付着してたからね」

石丸「右手首を骨折したために左手を使わざるを得なかったのだな!」


葉隠「そのシャイニングメッセージを解けば一発逆転なんだな!」

朝日奈「輝かしてどーすんのよ」


大和田「だがよぉ、『11037』になんの意味があるってんだ?」

石丸「うーむ、日付とも時間ともとれないな」

江ノ島「・・・なんかの暗号じゃん? エニグマとか、『トラトラトラ』みたいな」



不二咲「法則性のある意味は見いだせないんだけど・・・」

山田「拙者はお手上げでござる。いくら首をひねってもわけわかめゆえ」

桑田「オメーに首なんかねーだろピザ野郎が」



横島(現場でも考えたけど・・・やっぱりわかんねぇ)


横島(山田じゃねーけど、俺なんかがいくら首やら頭やらひねったって解るわけ・・・)



横島(・・・ん? 首を、ひねる・・・?)



横島(・・・ひねる、ヒネル・・・捻る・・・まわして・・・回転・・・・・・)





横島「・・・・・・ああっ! そうか解った!!」



朝日奈「ウソ!? まさかの横島!?」

葉隠「わかったんか横島っち!?」


横島「捻るんだよ! 文字を回転させるんだ!!」

セレス「回転、ですか?」




横島「そうだ、このままじゃ意味は通らないけど・・・!」

霧切「気づいたようね・・・そう、この文字列を・・・」

横島「『3』の部分を90度回転させれば!」


霧切「・・・え?」



横島「『3』は『ω』になる・・・そしてこれは、ひらがなの『ん』に見えなくもない!!」


霧切「・・・・・・え?」



横島「そして『0』が『O〈オー〉』だとするならば、この数列は『1、1、O、ω、7』・・・!」




横島「―――そうッ、『い、い、お、ん、な』!!」


横島「つまりッ! 犯人は『イイ女』なんやッ!!!」ロンパァッ!



霧切「」ポカーン



葉隠「ま、マジでかぁ!?」

朝日奈「え、え? ホントにそんな内容なの?」


山田「うむむ、ならばその『ω』を『ん』と読ませる技法―――それすなわち、ギャル文字!」

山田「イイ女で、ギャル・・・これらに合致する人物といえば・・・!」


山田「ズバリ、江ノ島盾子殿しかおりませんですぞ!!」バーロー!


江ノ島「・・・はぁ!!?」


石丸「もしや、最初の時点で犯人探しを頑なに拒絶したのは・・・そういうことなのか!?」

江ノ島「ちょ、アンタそれ本気で言ってんの!?」

葉隠「江ノ島っちが全ての黒幕だったんだべ! 俺の占いは3割当たる!」


江ノ島「ちょっと横島ッ、なにこの流れ!!?」

横島「いや、俺はイイ女と言っただけで・・・あれぇ?」

十神「いい加減その頭の悪い会話は止めろ! 俺を頭痛で殺す気か!」



セレス「舞園さんが死の間際にそんなおバカな伝言を残すわけが無いでしょう」

大神「『3』だけを回転させる意味も見受けられぬな・・・・・・」


大和田「ンだよ散々引っ張りやがってそんなオチかよ!?」

桑田「またフリダシだなー」

石丸「よし、多数決で決めよう!」



苗木(・・・いや、これって・・・!)



苗木「・・・ちょっと待って! やっぱりそうなんだ!」

朝日奈「やっぱりって、何が?」

苗木「横島クンの考え方は正しかったんだよ!」

葉隠「イイ女犯人説がか?」

苗木「いや、そっちじゃなくて・・・文字を回転させるって方だよ」


霧切「気づいたのね、苗木君・・・」ホッ



苗木「1文字だけ90度回転させるんじゃない・・・、文字列全体を180度回転させるんだよ」

苗木「舞園さんは背中の壁に後ろ手で文字を書いたから、上下左右反転した形になってしまったんだ」


苗木「だから、この『11037』をひっくり返すと・・・」



   『LEON』



苗木「これ、キミの名前だよね――――――桑田怜恩クン」



桑田「は、はぁ? 何言ってんだよオマエ・・・んなもん偶然そうなっただけだろ!? そんな曖昧な血文字なんて、決定的な証拠とは呼べねーはずだ!!」

桑田「こじ付けだけで俺を犯人扱いするってのか!? アホも休み休み言いやがれっこのアホ!!」


桑田「アホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホォ!!!!」


葉隠「休み休み言ってねーべ・・・」



霧切「ならどうして貴方は証拠を処分しようとしたのかしら?」

桑田「あ゛ぁんッ!?」


苗木「トラッシュルームには、血のついたシャツの切れ端と、割れたガラス玉の残骸が散らばっていたんだ・・・」

苗木「あれは、鉄格子の隙間からガラス玉を投げ入れて、焼却炉のスイッチを押した証拠じゃないかな」

苗木「そして焼却炉を作動させて、丸めた証拠品も一緒に投げ込んだ・・・・・・切れ端は、その時偶然焼け落ちたものなんだ」


横島(ゴミじゃなかったのか・・・)

葉隠(・・・あり? そのガラス玉って、もしかして俺の水晶玉・・・?)



苗木「そんなことが可能なのは、犯人が『超高校級の“野球選手”』だったから・・・・・・違う?」



桑田「全っ然ちげーんだよッこのアホ!! 掃除当番のヤツが焼却炉を使ったに決まってんだろクソボケがァ!!」


苗木「掃除当番なら鍵があるから鉄格子の中にも入れるし、わざわざガラス玉を使う必要なんかないんだよ!」


桑田「ふザケルな! 俺は犯人なんかじゃねえ!! そんな推理ウソっぱちだ! このアホカス!!」



桑田「【証拠がない以上全部テメーのデッチ上げだ!! 絶対認めねーぞこのウンコタレ野郎ッ!!】」



苗木「―――なら、キミの工具セットを見せてよ」





桑田「・・・・・・はひ?」



苗木「シャワールームのドアノブは、工具を使って外された形跡があったんだ」


苗木「現場の工具セットは未開封の状態だった・・・当然だよね、犯人はそこがボクの部屋だなんて知らなかったんだから」


苗木「工具セットが配られていたのは、個室のない横島クンを除く男子全員・・・」


苗木「聞いて回ってみたら、今までで工具セット使う機会なんてなかったらしいんだ。もちろん、みんな未開封だよ」




苗木「もし、桑田クンが犯人なら―――キミの工具セットは開封された状態のはずなんだッ!!」break!! Complete!!





桑田「・・・ぁ、あ・・・・・・ぁあ・・・」









横島「・・・どうなんだよ、桑田。使ったのか、工具セット・・・」

十神「使ったのなら、何時何処でどんな用途に使用したか答えてみろ」

霧切「言っておくけど・・・失くした、なんて言い訳は無しよ」






桑田「    ア    ポ   ?  」












モノクマ「―――えー、議論の結論も出たようなので、そろそろいいかなー?」

モノクマ「ではっ最終投票タイムと参りましょうかね!」

モノクマ「オマエラ、お手元のスイッチで投票してくださーーーい!!」




―――
――






モノクマ「―――ハイッ、だーいせーかーーい!!」

モノクマ「今回の事件、舞園さやかさんを殺したクロは、桑田怜恩君でしたーーーッ!!」



苗木「桑田クン・・・・・・」

横島「・・・」

石丸「なん、という・・・ことを・・・」

大和田「なんでこんなことしやがったテメェ!!」




桑田「・・・・・・しかた、ねぇじゃんかよ」


桑田「俺だって・・・殺されそうになって・・・それで・・・」


桑田「たまたま、俺が狙われて・・・たまたま・・・・・・っ!」


桑田「お前らだって!! 一歩間違ってたらこうなってたんだッ!!」バンッ


桑田「俺は自分を守っただけだ!! それが悪いってのかよッ!!」




横島「―――許せなかったのか?」


桑田「ぇ・・・」


横島「お前だって、さやかちゃんに気があったんだろ? だったら、許してやりゃよかったじゃねーか」

桑田「許すって・・・殺されかけたんだぞ!? それを・・・!」

横島「でも、殺されなかったろ」

桑田「っ・・・ぅ・・・」


セレス「誰しも貴方のように女性に寛容なわけではありませんわよ、横島君?」

横島「・・・」



セレス「・・・ですが桑田クン、貴方には何度もチャンスがあったことは事実です。殺人を犯さずに引き返すチャンスが」

セレス「しかし貴方は、シャワールームをこじ開ける際にワザワザ自分部屋まで工具を取りに戻っています」

セレス「これでは正当防衛どころか過剰防衛にも値しませんわね」


セレス「貴方には明確な殺意があったのですから」


桑田「ぅ・・・ぁぅ・・・・・・」



モノクマ「いやぁ~おもしろいねぇ~。たかだか人間関係を煽っただけでこの始末とはねぇ~」

モノクマ「最近のゆとりはキレると何するかわかったもんじゃないね。こわいわー、バーチャル世代こわいわー」




苗木「・・・・・・おまえの」


モノクマ「はにゃ?」


苗木「おまえの、せいじゃないか・・・!」


苗木「あのDVDがなければ・・・こんなことにはならなかった・・・!」


苗木「桑田クンを追い込んだのも・・・!」

苗木「舞園さんが追い詰められたのも・・・ッ!!」


苗木「―――全部、全部オマエのせいじゃないかッ!!!」


モノクマ「心外だなぁ。ボクは親切で教えてあげたんだよ? 外の様子が知りたいだろうと思ってさ」

モノクマ「それで勝手に錯乱して、勝手に死んじゃっただけじゃん?」


苗木「この・・・ッ!!」



霧切「やめておきなさい」ガシッ

苗木「っ!」

霧切「本気で彼女の敵を討ちたいなら、ね」

苗木「・・・っ」


モノクマ「なんだ来ないのか、このチキンめ!」

モノクマ「なっさけないねぇ、アイドルにコロッと騙された挙句、またオンナノコに諭されちゃうなんて」


モノクマ「舞園さんも天国でせせら笑ってるね! プギャーってさ!!」



横島「――おい」

モノクマ「ん?」




横島「いつかその顔、真っ二つにブった斬ってやるからな・・・ッ」ギロ


モノクマ「・・・へぇー。いいよ? やれるもんならね」








モノクマ「さーて、みんな待ってることだし、おっぱじめるとしますか!」




モノクマ「スペシャルな――――オシオキターーーーイムッ!!!!」








―――
――









 ―――横島の部屋(トイレ)―――




横島「・・・」




横島(・・・・・・桑田が処刑された)


横島(オシオキの名は、『千本ノック』)


横島(貼り付けにされて、何百球もの野球ボールを全身に浴びせられた)


横島(文字通り、血だるまの最期だった)


横島(・・・・・・)




横島「あれくらいで死ぬのはオカシイ、と考えてしまう自分がオソロシイ・・・」ナレッテコワイ




横島(もし、アイツがさやかちゃんを許してやれていれば、今とは違う結果が生まれてたのか?)

横島(そのままさやかちゃんがアイツになびいてたのかも・・・・・・そんなんぜってー許さんが)


横島(でも・・・そんな未来もあったかもしれねぇ。桑田も、さやかちゃんも、笑って生きていられる未来が)




横島「・・・ん」ピクッ

横島「・・・」


横島「はぁっ!」キィィン



  “ ○ キンッ



横島「・・・今頃出来やがったか」コロコロ

横島(シリアスが続いたせいか、霊力の溜まりも遅かったな・・・)





横島「―――さーて、文珠もできたことだし、さっさとココからオサラバするか!」


横島「なんて文字籠めるかな・・・“脱”か? “移”か?」

横島「それとも“爆”でエントランスぶっ壊して・・・」


横島「・・・あー・・・」


横島「・・・・・」





横島「・・・その前に、まだやること残っとったな」







 ―――苗木の部屋―――




苗木「・・・」





霧切『彼女は迷ってたんだと思う。人を殺すこと・・・貴方を騙すことに』

霧切『だから死の間際に、どうすれば苗木君を助けられるかを考え、あのダイイングメッセージを残した』

霧切『私はそう推理するわ』






苗木(・・・引き摺っていくって決めたけど・・・・・・なんとなく、しこりが残るな・・・)


苗木(もう、確かめ様のないことなのに・・・)




 < ガチャ


苗木「・・・?」


横島「邪魔すんぞ」パタン

苗木「横島クン・・・?」


横島「鍵くらい掛けとけよ、無用心やぞ」

苗木「昨日は鍵こじ開けて入ってきたくせに・・・」



横島「・・・事件の痕がサッパリ消えとるな」キョロキョロ

苗木「モノクマの仕業かもね・・・舞園さんの死体も、なくなってたよ・・・」

横島「・・・そっか」


苗木「なにか用事、かな。事件のことなら、今日はもう・・・」

横島「男に用なんかあるかっての。俺は女のためにしか時間を裂かんぞ」

苗木「じゃあ、なんで・・・」


横島「今言ったろ。女のコに会いに来たんだよ」

苗木「・・・え?」


横島「お前も来い」ガチャ

苗木「え、そこ・・・シャワールーム・・・?」



横島「・・・んっ」ガチャッガチャチャ


横島「・・・・この・・くぉのッ!」ガチャガチャガシャッ!!


苗木「・・・立て付けは悪いままなんだよ」

横島「えぇいっ、ココも直しとけよどうせなら!!」



 ―――シャワールーム―――



苗木「えっと、女の子に会いに来たって・・・」

横島「ああ、言ったな」

苗木「それって、舞園さんに・・・? でも、もう死体は・・・」


横島「・・・いや、まだ居る」

苗木「へ?」


横島「お前にも会わせてやるよ」キィィン キンッ


苗木(・・・ビー玉?)



横島「彼女にはきっと、お前の言葉が必要だ」ポイッ






       『 現 』    カッッ!!








苗木「うわっ、まぶし・・・なにを・・・!」





『 ――――ごめんなさい 』





苗木「・・・え、今のって――――」






舞園『ごめんなさい・・・』ボゥ…



苗木「――――ッッ!!?」




苗木「うわあああっ!!?」ガタタッ


舞園『ごめ・・・え・・・?』カオアゲ


横島(お、こっちに気づいた)




苗木「ま・・・まい、ぞの、さん・・・!?」パクパク


舞園『・・・え・・・苗木、くん・・・なんで・・・』


苗木「ナンデ・・・なんで舞園さんが・・・死んだはずじゃ・・・!」

舞園『あの・・・はい、死にました・・・・・・え・・・、私が、見えてるんですか・・・?』


横島「よーやくこっち向いてくれたなぁ、さやかちゃん」

舞園『横島、君・・・? アナタ、一体なにを・・・』


苗木「え、どういうこと、なんで・・・立体映像かなにか・・・?」

横島「正真正銘、舞園さやかちゃん本人だよ。幽霊だけどな」

舞園『ユーレイ・・・あ、ホントですね。浮いてますね』フヨフヨ


苗木「」アゼン




・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・





舞園『―――じゃあ、横島君のおかげで、魂だけの私が姿が見えるようになったんですね・・・?』

横島「そ。俺の霊能――文珠のチカラでな」


苗木「霊障トラブルの専門家って・・・冗談じゃなかったんだ・・・」

横島「やっぱ信じてなかったかテメー・・・!」ピキピキ

苗木(信じろって方が無茶だよ・・・)


舞園『不思議なことがあるんですね・・・こんなの生まれて初めてです・・・』


苗木(・・・ツッコまないでおこう)





舞園『・・・苗木君、ごめんなさい』


苗木「え・・・」



舞園『私は自分が助かるために、アナタを利用しました・・・・・・』

苗木「それは・・・」


舞園『最低ですよね・・・・・信じてくれた人を裏切って、人を殺そうとして、おまけにその罪をかぶせようとしたんですから・・・・・・』

苗木「・・・」


舞園『そこまでしてアイドルに戻ろうとして・・・自分の居場所に、しがみついて・・・・・・』


舞園『苗木君まで騙して、陥れようとして・・・』



舞園『これは、酬いなんです・・・・・・死んで当然なんです・・・私なんて・・・・・・』




苗木「それは違うっ!!」



苗木「あんな映像を見せられなければ、キミがこんなに追い詰められることなんてなかったんだ!」

苗木「精神を追い込んで、弱みに付け込む・・・心の闇を嬲る、あんなやり方で・・・!」


苗木「舞園さんは利用されただけだ! モノクマに、この学園の黒幕に!」


苗木「真に憎むべきなのは、こんな状況を作り出した黒幕だけなんだっ!! だからッ!!」




苗木「だからっ・・・死んで当然なんて、そんな悲しいこと・・・言わないでよ・・・!」



舞園『なえぎ、くん・・・』



横島「苗木を騙したこと・・・ずっと迷って、悩んで、そんで後悔してたんだろ? だから、死んでからもずっと泣いてたんだよな・・・?」

横島「だったらさ、もう懺悔は十分だよ。生前の罪に死んでからも苦しむなんて・・・そんなの辛すぎるだろ?」


横島「自分で許せないってんなら、俺が許す。誰にも文句なんて言わせねーよ」




横島「だからさっ、笑ってくれよ。女の子には笑顔が一番似合うんだからさ!」



舞園『よこしま、くん・・・・・・』




舞園『なんで・・・どうして二人とも・・・そこまで・・・・・・』



「「キミと、約束したからね」」



苗木「『なにがあっても、ずっとキミの味方でいる』ってさ」

横島「『さやかちゃんのこと、全力で応援してやる』ってな」







舞園『・・・う、ぁ・・・』ポロポロ

舞園『・・・ぁぁあ・・・!』ボロボロ




横島「あー、もう泣かんで・・・な?」


舞園『ごめん、なさい・・・!』


苗木「大丈夫だから、ね?」


舞園『ごめん・・なさい・・・これで、最後だから・・・』





舞園『・・・・・あり、がとぉ・・・!』ボロボロ






舞園『恥ずかしいところ、見られちゃいましたね・・・』

苗木「気にしなくて平気だよ」


横島「女の子の恥ずかしいところなら喜んで見たいぞ!」

舞園『横島君、デリカシーって知ってますか?』ニコ

横島「ああっ、笑顔がワイのグラスハートに突き刺さる!?」


苗木「ハハハ・・・」





 ボヤァ…




苗木「っ! 舞園さんの姿が、だんだん薄く・・・!」


舞園『・・・時間切れ、みたいですね』

苗木「そんな・・・」


舞園『横島君、ありがとうございました。おかげで、最後に思い残すことなくいけそうです』

横島「・・・・・・」



舞園『苗木君、私を許してくれてありがとう・・・でも、優しすぎるのは良くないですよ? また私みたいな娘に騙されちゃいますからね』

苗木「なるべく気をつけるよ・・・」

横島「なに言ってんだ、男は女に騙されんのが仕事だろ」

苗木「思い切りが良すぎるよ」


舞園『ふふっ・・・』









舞園『・・・さようなら。ずっと、空から見守ってますから・・・――――』







  スゥゥ…







苗木「・・・必ず、ココから脱出してみせるよ・・・だから・・・」



苗木「・・・天国から見守っててね、舞園さん・・・―――」












横島「いや・・・さやかちゃん、まだそこに居るけど」

苗木「えっいるの!!?」


舞園『』イルヨ



苗木「ホントにいるの・・・? 声も姿も見えないんだけど・・・」

横島「ルーキーの幽霊なんてそんなもんだ。さっきまでのは俺の能力で姿を『現』してただけだし」



苗木「え、でも、今ってなんかスゥって消えて・・・さらば雲の上へ的な感じじゃ・・・」

舞園『・・・私も、完全に成仏する流れかと思って・・・それっぽいセリフ言っちゃって・・・・・・なんかすごい恥ずかしい・・・///』カァ



横島「どーも文珠の影響で霊格が完全に安定しちまったみてーだなぁ、こりゃ」

舞園『私、どうなったんですか・・・?』

横島「とりあえず・・・駆け出しユーレイから地縛霊にランクアップしたんじゃねーかな?」

舞園『それってランク上がってるんでしょうか・・・』


苗木(自爆レイ・・・?)



横島「どうせならこのままレベル上げてさ、幽霊アイドルとして再デビューしちまえばいいんじゃないか?」

舞園『まだ私、アイドル続けられるんですか!?』

横島「おうっ大丈夫だ、前例もある! アイドル業界ならちょっとしたコネもあるから、俺がマネージメントしてやるぞ!」

舞園『はいっ、よろしくお願いします横島君!』

横島「ちがうっ! 俺のことはコーチ、もしくはプロデューサーと呼べ!」

舞園『はいっコーチ!!』



ヤイノヤイノ



苗木(・・・傍から見てると、横島クンが一人で喋ってるようにしか見えない)


苗木(・・・なんだかしっちゃかめっちゃかだなぁ)





苗木(でも、舞園さんが嬉しそうな感じみたいだし・・・いいかな)

舞園『ハイっとても嬉しいですよ!』



苗木「・・・なんだろ、いま心を読まれた気がする」




舞園『読みましたよ。だって私―――』











    『エスパーで、ゴーストですから』ニコッ










 第一章   シンデモイキラレル


       END    




 生き残りメンバー:14人

 死に残りメンバー:1人



              TO BE CONTINUE




投下終了

やべ、最後スペル間違えた。DがないよDが。
書き溜め全部なくなっちゃったよ。

しばらく待っててね




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