横島忠夫「シンデレラガールズって……なんすかそれ?」 (102)

横島「ゼハァーッ……ゼハァーッ…………」

美神「なにやってんのよ横島クン。おいてくわよ?」

横島「ちょ、ちょっと待ってくださいよ! 荷物が重くって……」

美神「ったく、仕方ないわねー。買い出しにどうしても付き添いたいっていうからオッケーしてあげたのに」

横島(お、おかしい……! いっしょにショッピングで、服が見たいっていうからもっと、もっとこう……きゃっきゃうふふんな………)

   美神『ねぇ横島クン……この下着、どっちが似合うと思う……?』

   美神『お願い、着させて――』


横島「いいですともーっ!!」

美神「やめんか阿呆ーー!!」

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横島(クソッ………最近の美神さんは冷たい気がする………)

横島(……俺だって、俺だってっ………もっと……)


美神「横島くーん。パフェ食べる?」

横島「えっ、あーんしてくれるんですか!? やったー!!」

美神「…………」

横島「あ、いや………冗談っす、はい………」

美神「ったく………あ、奢ってね」

横島「そんなこったろうと思ったよどちくしょーっ!!」




ちひろ(あら………? 今の気配………)

ちひろ(ふふふ、面白そう♪)

――――

――

横島「また……財布が……」


横島(今日の晩飯は……半額弁当にすっかなぁ………)

横島(ギリッギリ……カップ麺より栄養があって、安くなるライン……売れ残れ、生き残っててくれ………頼むっ……!)


ちひろ「すみませーん。そのおかた、よろしいですか?」

横島「はぁ…卵も最近は高いし…………せちがれぇよぉ………」

ちひろ「あのー」

横島「……はい? え、俺っすか?」

ちひろ「はい。あなたは――」

横島(なんだこれ!? 知らない美人、逆ナン? いや、まさか美人局――!)


横島「わしは金なんて持っとらんのじゃぁ! 貧乏学生なめんなーっ!!」

 ダダダダダダダダ………

ちひろ「あ、ちょっ………むぅ、しまったしまった。ちゃんとアポをとるべきでしたか……」

ちひろ「ではさっそく電話を………ケータイ取り出しポパピプペー」

― 翌朝 ―

横島(昨日は思わず逃げちまったが………あれはひょっとしたら愚作だったんじゃないか?)

横島(ひょっとしたら過去の事件で俺に惚れた人だったかもしれないのに……)

横島(それでもって、俺をヘッドハンティングに……!)

横島「………財布が軽いぜ、ちくしょー」

横島「それにしても朝から呼び出しなんて珍しいなぁ……美神さーん」

  ガチャッ

ちひろ「はぁい♪」

横島「」

横島「な、ななん、なぜ!?」

ちひろ「貴方にどうしても会いたくって……探してしまいました♪」

横島「――――!!」


横島(どうしても会いたい……だと……!?)

横島(……………)

横島(まさか、俺なんかやらかした………?)

横島(もしくは、あることないこと含めて美神さんに吹き込んで俺から金を……)


横島「ち、チクショーっ!むしられる前に揉んでやらぁーっ!!」

美神「やめろって言ってるでしょうがド阿呆ーーっ!!」ドゴォッ

横島「ぎゃんっ!」

――――

――


横島「………アイドル事務所?」

ちひろ「はい。CGプロモーション事務員、千川ちひろと申します♪」

美神「横島クンにはその――」

横島「お、俺がアイドルっすか? え、ピートの野郎じゃなくって!? マジで!? モテる!?」

 グイッ

美神「話は最後まで聞くこと。いいわね?」

横島「は、はい」

ちひろ「……続けても大丈夫ですか?」

美神「ええ………どこまで聞いたっけ」

ちひろ「……昨日、街中を歩いていて。そこの人……横島さんを見かけました♪」

横島「は、はぁ。ども」

ちひろ「その時とても……そうですね。この業界的にいうとティンと来たってやつが、ありまして」

ちひろ「ぜひ、わが社のプロデューサーとして働いて欲しいと思ったんです♪」

おキヌ「ぷろでゅーさー、ですか……あ、お茶どうぞー」

ちひろ「どうもありがとうございます。美味しいですねー」

おキヌ「本当ですか? よかったぁ……」

美神「………一応、横島クンはうちのバイトでしょ? だから伺い立てに来たってわけ」

横島「なるほど………」

美神「だけど、こっちの業界の仕事はいろいろとあるし。荷物持ちとして横島クンが必要な時もあるのよ」

ちひろ「ええ、それは重々承知しています……」

ちひろ「日本一のゴーストスイーパー、美神令子さんの荷物持ち………兼助手の横島忠夫さんが安い男だなんて、私も思いません!」

美神「そう。じゃあどうするのよ」

ちひろ「聞くところによると、ほぼ毎日出社しているらしいですね」

美神「まあそうね………横島くんも大概ヒマよね」

ちひろ「そこで、彼の出社時間と日数を私が買い取ろうと思うんです。どうでしょう?」

美神「買うってね、私だって都合が――」

ちひろ「まぁまぁ。これぐらいで」カタカタ…ターンッ

美神「」ブハッ

美神「………え、いいの? マジで?」

ちひろ「もう少し色つけましょうか。彼の1時間をこれぐらいで買いますから、手の空いた時にわが社へよこしてくださるだけでも構いません」

美神「………横島クン!」

横島「は、はい!」

美神「社会勉強よ。頑張りなさい!!」

横島「はいっ!!」

おキヌ(美神さんの目が¥マークになって、横島さんの目がなんか血走ってる……)

ちひろ「もちろんわが社で働いている時間はお給料も出しますよー」

横島「マジっすか」

ちひろ「時給――520円です!」

横島「のった!」

ちひろ「やった♪」


横島(アイドルとしりあえる→仲良くなる→『個人撮影会……あなただけのステージだよ……?』……完璧だ……俺の春……!)


ちひろ「本当はお二人のことを誘いたくもあるんですけれど……それはプロデューサーさんにお任せしますから」

おキヌ「横島さんがぷろでゅーさーさんじゃないんですか?」

ちひろ「わが社には1人、既にいるんです。でも流石に少々手が回らなくなってきまして……そこに、ね?」

おキヌ「そうなんですかー………誘うって?」

ちひろ「アイドルです。とくにあなたは………と、余計なことはいいですかね。美神さん、横島さんをわが社まで借りていっても?」

美神「え? まぁ今日は依頼もないし……緊急の用件があったら呼び出してもいいかしら?」

ちひろ「ありがとうございます。それでは書類はこちら……横島さーん」

横島「はいっ、なんでしょーかっ!!」

ちひろ「うちの事務所まで、ご案内します。こっちへどうぞ」

横島「あいあいさーっ!」


美神「しかし、CGプロモーションってどこかで聞いたような――」


ちひろ「手を貸してくださいね、はいぎゅーっ」

横島「は、はい! なんならもっと!」

ちひろ「――転送♪」

 シュンッ

おキヌ「美神さん、横島さんが消えました!」

美神「………あっ」

― 事務所 ―

横島「ぎゅっと………あれ? どこだここ……」

ちひろ「直通の回線を開いておいたんです。帰るときや緊急での呼び出しもあるかもしれませんしねー」

横島「えっ」

ちひろ「あれ、どうしました?」

横島「………最近の芸能界って、そういうのは普通なんすか?」

ちひろ「ええ、夢の国のネズミさんもこれと同じ技術でいろんな国を渡ってるんですから」

横島「へー………」

ちひろ「さて、まずは――」

横島「っておかしいだろうが! まさか罠だったのか!? お、俺をどうする気だ!」

ちひろ「……む、そんなに怖がらないでくださいよ」

横島「乱暴する気だろっ! エロ同人みたいに!! エロ同人みたいに!!!」

ちひろ「しませんってば、いいじゃないですか移動手段ぐらいどうだって……アイドルの子、みたくないんですか?」

横島「見たいけどそれとこれとは話が別じゃー!」

ちひろ「うーむ、まいりましたね……あっ」

??「あれー、ちひろさんどうしたの? なにが……あっ」


横島(か、かわいいねーちゃん! ツインテールにフリフリ衣装……アイドル!?)

横島(年は俺よりうえか、同じぐらいか? ハッ、いかん。うろたえてる場合じゃない!!)



横島「――やぁ。はじめまして」キリッ

??「ひょっとして、ちひろさんがいってた新しいプロジューシャ……プロニュ、プロ………んもうっ!」

横島「僕は横島忠夫。好きに呼んでくれ」キリッ

??「そう? じゃあ、忠夫くん♪」ニコッ

横島(かわええ)

横島「……ハッ!? いかん、誤魔化されんぞ! ちょっと可愛いねーちゃんがいるからなんだ!」

ちひろ「ダメですよ。契約は成立してるんですから……ねぇ?」

??「そうだよー、ウソつきはダメなんだよ?」

横島「ウソってなぁ……いや、でも」

??「……忠夫くん、ぷろじゅーすするの、嫌なの?」ギュッ…

横島「ひょっ!?」


横島(な、涙目で、だきつっ………これは、アレだ。間違いなくハニートラップってやつ!)

横島(きっと怖いお兄さんが出てきてボッコボコにされてしまうんや!! そんなことになるなんて俺は、俺はっ!!)


横島「嫌なんかじゃない! プロデュースでもなんでもやってやる!!」

??「わ、やったぁ♪」

ちひろ「………うふふ♪」

横島「もうこうなりゃヤケじゃあ! 俺は自重なんかしんぞーっ!!」

??「あ、そうだ。忠夫くんが自己紹介したんだからあたしもしなきゃだよね?」

横島「そりゃそうだ……俺だってお姉さんと仲良く……!」

??「マジカルチェーンジ♪」ピカッ

横島「――!?」



??「――ふぅ。よしっ!」
ttp://i.imgur.com/RgOllzD.jpg


横島「こど、も………?」

??「むむっ、子供じゃないもん!」

千佳「千佳は、ラブリーチカだもんっ!!」

横島「………え、なんすかこれ」

ちひろ「その子は横山千佳ちゃん。9歳です♪」

千佳「千佳だよっ。よろしくね、忠夫くん!」

横島「……はい?」

ちひろ「千佳ちゃんは魔女の家系……魔法少女なんですよ。ねー?」

千佳「ねー♪」

横島「……………」

ちひろ「あれ、どうしました?」

横島「どうしましたって、そりゃこっちのセリフじゃーっ!!」ガシャーンッ

ちひろ「あーれーっ」

横山千佳(9)
ttp://i.imgur.com/mkzuVF1.jpg
ttp://i.imgur.com/DZGaQ7R.jpg

ちひろ「ぐすん、ひどいですよぉ」

横島「ひどいってどっちがだ! こんなところにいられるか、俺は美神さんのところに帰るぞっ!」

ちひろ「ダメですってば。さっき自分で了承したじゃないですか」

横島「だ、だけどこんな……」

千佳「………ダメ、なの?」

横島「ぐっ………うぅ、まぁ……どういうことなのかぐらいは……」

ちひろ「わぁ、ありがとうございます。横島さんはいいプロデューサーになれそうですね♪」

横島(すっげぇ利用されてる気がする……でも流石に子供を振り払ってっていうのは良心が痛む……!)

ちひろ「わが社はCGプロモーション……シンデレラガールたちに魔法をかけて、世の中へ羽ばたかせるのが目的です♪」

横島「シンデレラガール……?」

ちひろ「ええ。ご存じないですか、シンデレラ?」

横島「いや、読んだことぐらいはありますけど……」

ちひろ「それなら、話が早い……この事務所は灰被りの隠れ家!」


ちひろ「我が事務所のアイドルたちは、みんな人間じゃありませんっ!!」

横島「なんやて!!!??」

横島「い、いや。だって……」

ちひろ「あ。何人か『例外』はいますけれど……プロデューサーさんとか」

横島「そんなところで俺になにをしろっていうんすか!?」

ちひろ「だから、言ったじゃないですか。魔法をかけて、世の中へ羽ばたかせるって」

横島「…………」プルプル……

ちひろ「あれ、横島さん?」

横島「ふざけんなーっ! わしゃただの人なんやー!! 死にたくないんやーっ!!!」

ちひろ「あぁっ、落ち着いて! 千佳ちゃん!」

千佳「あ、うんっ! 【おやすみなさい】してっ!」ピカッ

横島「な、んぐっ、んご………zzz……」

ちひろ「むむ、明かすタイミングを間違えましたかね……まぁ、大丈夫でしょう。たぶん♪」

千佳「………だいじょーぶかな?」

ちひろ「大丈夫、大丈夫♪ ちゃんと雇用主さんの許可はいただきましたから」



美神「…………まぁ、大丈夫でしょ。横島クン頑丈だし」

おキヌ「なんのことかわからないですけど、そうなんですか?」

美神「そうそう。億にひとつも間違いは起きっこないしね! あははは……」

勢いで立てた
PがGS美神側スカウトとかネタもなくはないから適当に書いてくの

――――

――

美神『横島クン……』ピトッ…

横島『み、みみみ美神さん!?』

美神『今日は帰りたくないの……ダメかしら?』

横島『そんなことありません! 俺、俺はっ!』

美神『そう……嬉しいわ……』

横島『ウッヒョー! マジっすか! ついに俺も――っ!』ハッ

横島『………いや、待て。この唐突な展開にセリフの二重括弧……間違いなく夢オチのパターン……!』

美神『横島クン……?』ウルッ…

横島『えぇい夢オチ上等じゃーっ! 美神さんにくっつけるんだったかまわーんっ!!』


横島「うおおおぉぉぉぉ!! みかみすゎぁーんっ!!!!」 ピョーンッ!



   もふっ

横島「………もふ?」

  もふ          もふ
       もふ          もふ


横島「………」

??「おきやがりましたか?」

横島「………」

??「あれれ? まだおねむでごぜーますか? それなら仁奈ひつじを数えるとおやすみできるですよ」

横島「……西条のヤロウに捕まっちまうのか? 俺……・…」

??「??」

横島「………そうか、俺は確かアイドル事務所に誘われて……」

   もふ  もふ

横島「かわいいねーちゃんかと思ったら本当は子供だったって言われ………」

     もふ    もふ

横島「帰ろうとしたら、急な睡魔に―――ハッ!?」

??「どうしやがりましたか?」

横島(この子供も………妖怪なのかっ……!?)

??「どうしやがったんですか?」

横島(………しかし珍妙なしゃべり方だな。小さいし、まるきり子供にしか見えん……!)

  もふ……     もふ……

??「さてはモフりたりねーですね? もっともふもふしやがってもかまわねーでやがりますよ」

横島「ハッ!? む、無自覚にタッチし続けてただと……!? お、俺はっ……俺はこんな子供にっ……!」

  もふ もふ    もふ もふ

横島「……あ、すっげーやーらかい。なんだこれ……またねむく………」

仁奈「仁奈ひつじは『おやすみなさい』のパワーでごぜーますよ?」


市原仁奈(9)
ttp://i.imgur.com/iUHR1Ct.jpg

横島「………」

ちひろ「あら、起きたみたいですね。おはようございます……仁奈ちゃんも見ててくれてありがとう♪」

仁奈「これぐれーどーってことねーですよ。仁奈のお仕事でごぜーます!」

横島「ん………ハッ!? あぁっ!」

ちひろ「おはようございます、横島さん♪」

横島「あ、あんた! どういうことだ! 俺はかわいいねーちゃんたちと仲良くなったり無人島にいっしょに流されたり禁断のラブロマンスできるんじゃなかったのか!!」

ちひろ「そんなこと言いましたっけ?」

横島「アイドルのプロデューサーってのはそういうもんだろーがーっ!! チクショーッ!」

仁奈「泣いてやがるんですか?」

ちひろ「あらあら、大変……」

横島「ひ、ひとごとみたいに……」

ちひろ「でも、大丈夫! 隠してることはあって嘘はついてませんから!」

横島「あ゙ぁん!?」

ちひろ「確かにちょーっと人間じゃないですけれど、うちの子たちはみーんな可愛いですよ? ねー仁奈ちゃん」

仁奈「おねーさんたちはきれーでごぜーますね」

横島「……だ、だけど人じゃないんだろ?」

ちひろ「中身がどうなってるかわかんないのなんて人も妖怪も魔族も神族もいっしょですよ、いっしょ」

横島「………」

ちひろ「ゴーストスイーパーって職業自体、人間離れしてますし。それでも綺麗な人はいっぱいいるでしょう?」

横島「むむむ、一理あるようなないような」

ちひろ「もー、じゃあ……」

 ガチャッ

奏「ちひろさん? 新しい衣装のサイズがあわないんだけど」

美波「ま、待って……いろいろ出ちゃうっ……」

奏「別にいいじゃない、男なんてプロデューサーぐらいしか……あら?」


横島「ねーちゃんやーっ!!!!」ピョーンッ!!

美波「きゃあああぁぁぁっ!?」

奏「―――」

ちひろ「あっ」



速水奏(17)
ttp://i.imgur.com/KHREBv2.jpg
ttp://i.imgur.com/0oXxBeo.jpg
新田美波(19)
ttp://i.imgur.com/kBdu5ej.jpg
ttp://i.imgur.com/GaHsu2X.jpg

奏「………」 スッ…  

横島(ねーちゃんねーちゃん! きれーなねーちゃん!! ……ん、なんだ? 手をこっちに――)

  ズキュゥゥゥゥゥン!

横島「は、れ? ちからが………」ガクンッ


奏「あ。吸いすぎたかも………ちひろさん、誰これ?」

美波「だ、大丈夫ですか……?」

ちひろ「あぁ、新しいプロデューサー候補の方ですよー」

奏「なるほど………でも、人間には――」

美波「あの、しっかり………っ!?」

横島「ひ、ひざまくっ………らっ!」ドクンッ…

奏「――ッウソ、3日は立てない量は『吸った』わよ!?」

横島「ハァーッ……ハァーッ……! ちちが……ちちが……」

ちひろ「うん、やっぱり私の見込みはあってたみたいですね……いいタフネスです!」

横島「ちちが、そこにあるんや! うごけぇぇぇ!! 俺の身体ぁあああああああ!!!!」グァッ!

美波「ひぃっ!?」 ビクゥッ

ちひろ「はい、そこまで。おさわりはダメですよー」

横島「いややー!! さわるんやー!!!」

奏「……呆れた。本当に人間?」

美波「あの、大丈夫ですか……?」

横島「エグッ……グスッ……ちちがぁ……しりがぁ……」

ちひろ「…………美波ちゃん、とりあえず毒になってしまうので服を着替えてきてもらえますか?」

美波「あっ……す、すみません。着替えてきます……」

横島「あぁっ、そんな! 待って!」

ちひろ「もう。説明してあげますから……仁奈ちゃんも美波ちゃんのお着替えを手伝ってあげてね」

仁奈「りょーかいですよ!」ピョンッ

 トテテテテテ……


ちひろ「で、どこから説明しましょうか」

横島「あの色っぽいねーちゃんのスリーサイズは!?」

ちひろ「あらー、そこから聞いちゃいますか。あの子は新田美波……人間でいう19歳ですね」

横島「ほほう! で、スリーサイズは!!」

ちひろ「………」

奏「………ねぇ、アナタ?」

横島「はい!」

奏「本当に人間………よね?」

横島「ゴーストスイーパーっす!!」

奏「ゴーストスイーパー………道理で潤沢な……いや、でも……」

横島「……あっ、さっきのはなんなのかって聞いていいっすか?」

奏「私? そうね、アレは私のチカラ……生命力とか、吸えるんだけど……」

横島「………ど、どこから?」

奏「どこからでも………まぁ、吸いだしやすい形状の場所の方がいいけどね。ここ、とか……」

横島「ぜひともーっ!!」

ちひろ「はいストーップ」ガシッ

横島「いややー!! 吸うんやー!!」

まとめて書く時間がないの、離席


それぞれの正体って明かした方がいいかしら
ある程度は考えているけれど、人外っぽい描写だけでも平気?

連投失礼

>>51
不快にならない程度ならいいんじゃない?つーか個人的には正体は全員明かしてほしいな

再開

>>53
それじゃあ、明かしていく方向で

けど、流石に全アイドルに対応する妖怪ひっぱってくるのは無理があるので一部創作が混じるよ
理屈は作中でちひろさんが説明すると思うから許して

――――

――

横島「………」プラーン…

奏「……ねぇ、流石に吸いすぎじゃないかしら。そろそろ命が危ないと思うんだけど」

ちひろ「大丈夫ですよ、ねぇ?」

横島「じ………しぬ゙……・…!」

ちひろ「ほら、だいじょーぶって」

横島「いっとらんわー!!」

奏「あら、本当。平気そうね」

横島「そう見えるんか!! 俺のこのカッピカピの腕をみても同じことがいえるんかー!!」

ちひろ「お話が終わったら戻してあげますから。ね?」

 ガチャッ…

美波「あの、着替えてきましたけれど……」

仁奈「今度は仁奈おーかみでごぜーますよー! がおー!」

横島「!」ムクッ

奏「……そろそろ私お腹いっぱいなんだけど」

ちひろ「うんうん、タフなのはいいことですからね」

ちひろ「えーっと、どこまで説明しましたっけ……我が事務所の所属アイドルたちは人間じゃない、ってことは言いましたよね」

横島「そ、そうだそうだ! どういうことだ!」

ちひろ「だけど全員可愛いからいいじゃないですか、って私が言って」

横島「うんうん、そこまでは聞いたぞ」

ちひろ「横島さんが『わーい! それじゃあオイラ張り切って働いちゃうぜ!』って答えたところまででしたっけ?」

横島「言ってねぇ! オラそんなこと言ってねぇぞ!?」

ちひろ「あらー」

奏「ちひろさん、話が進まないんじゃない?」

ちひろ「あぁ、はいはい。すみません、こういうリアクションが新鮮で……それじゃあ真面目にいきますね」キリッ

横島「お、おう……」

ちひろ「我が事務所は人間じゃない子、ハーフや魔族、妖怪、魔物などが人間社会に溶け込むために訓練をしたり交流したりするための場です」

横島「アイドル事務所っていうのは……?」

ちひろ「それは社長の趣味です」

美波「そうだったんですか……!?」

横島「……いや、所属アイドルもソレ知らなかったってどうなんだ?」

ちひろ「だってー、その方が面白そうで……おっと、話がそれそうですね。とにかく、そういう場なんです」

横島「それで、なんで俺がここにスカウトを……? 人外の相手ができるっていうならそれこそ美神さんのほうが……」

ちひろ「うーん、あえていうなら『将来性』ってヤツでしょうか……あと、面白そうだったので」

横島「そんな理屈で!」

ちひろ「でも可愛い子たちと仲良くなれますよ?」

横島「それには一理あるけど! くそうっ!」

仁奈「泣いてるんでごぜーますか?」

奏「板挟みってやつね」

ちひろ「まぁ、本当に無理だと思ったら言ってください。どの子も、基本的にすっごくいい子ばかりですから」

横島「………丸め込みにかかられてる気がする……!」

美波「あの、えーっと……横島、さん?」

横島「ハイ、なんでしょうかお嬢さん」キリッ

美波「私たちは、確かに人間ではないんですけれど……仲良くはなりたいなと思ってまして……」グッ…

横島(………っ! み、見えっ………)

美波「……ダメ、でしょうか?」

横島「仲良く!!! します!!!! できることなら個人的にも!!!」

美波「あ、あの……?」

奏「これは親切で言ってるんだけど、手を放した方がいいわよ……その状態で美波に吸われたらどうなるか」

横島「えっ」

ちひろ「美波ちゃん、割と高位のサキュバスですからねー」

横島「サキュバス………淫魔!? マジで!!?」

美波「あ、そ、そうです……」カァ…

横島(こんな清純そうな子が………あ、だけどなんかエロい……)

ちひろ「人間に育てられたので貞操観念ができちゃってるあたりがいいですよねー」

美波「そ、そんなこと言われても! そういうことは好きな人としかっ!」

奏「まぁ、だから私が面倒見て……そういう行為抜きで精気が抜けるように特訓したりとかはしたんだけど……」

横島「余計なことをっ!!」

仁奈「何のお話なのかさっぱりでごぜーます……」

ちひろ「あらいけない。仁奈ちゃんは忠夫おにーさんのおひざにいきましょーねー」

仁奈「おひざでごぜーますか?」

横島「へ?」

ちひろ「まだ話の途中ですから。モフモフしながら落ち着いてください」

仁奈「モフりやがりてーですか? しかたねーですね、ふふん……仁奈ひつじにもどるですよ」ポンッ

横島「………」モフモフ…

仁奈「どうでごぜーますか? もふもふしてやがりますか?」

横島「……なんか、心が穏やかになってる気がする」モフモフ…

ちひろ「さて、そういうわけで我が事務所は割と人手不足なんですよ。主にスタッフ側で」

横島「はぁ」

ちひろ「なので、ちょっと人間じゃないけど可愛い子と交流しつつ、アイドルとして高みを目指してほしいんです!」

横島「……アイドルを目指す意味は?」

ちひろ「社会進出のためだったり……純粋に、夢と目標を持っている子もいますよ。芸能界っていうのはとても懐が深いので♪」

横島「なら……とりあえず、オッケーしますよ。もうどうにでもなれだ!」

ちひろ「わー、ありがとうございます♪」

横島「………どっちにしろ美神さんのところに帰っても蹴りだされる気がするし」ボソッ

仁奈「せちがれー世の中でごぜーますね」

ちひろ「それじゃあ改めて自己紹介を……奏ちゃん、お願いできますか?」

奏「……私から? そうね……速水奏よ。山地乳っていう妖怪なんだけれど、知ってる?」

横島「いや、知らない……なんじゃそりゃ?」

奏「ま、そうでしょうね。簡単に言えば……ナイショでキスをする妖怪、かしら」クスッ

横島「………」

奏「キスをしているところを誰かに見つかると、その相手の寿命は延びて……見つからなければ、命を丸ごと持ち帰る」

奏「持ち帰ってからのヒミツは山奥で……なんて、そんな性質だったらしいけど。ま、いまどきそうはいかないわ」

横島「それがなんだってアイドルに……?」

奏「私、ハーフだから。キス以外でも吸えるのよ……さっきみたいにね。だけど昔はこれがヘタクソでね」

奏「……好きな男の子なんて、作れなかったわ。怖かったの」

奏「そうやって考えてたらプロデューサーに会って……」

横島「プロデューサー? それって人間だっていう……」

ちひろ「あの人、やたらと人間じゃない人との遭遇率が高いんですよねー。私も把握しきれてない卵や悩んでる子をひっぱってきちゃうんですよ」

奏「えぇ、なかなか刺激的な出会いだったわ……ふふっ」

奏「それに、やっぱりキスが一番吸いやすいのよね。出力の練習もしたかったしスカウトされた感じよ」

横島「なるほどなー………俺と特訓、とか……ダメ?」

奏「あら、してみる? 本気のキスは人間相手にしたことないんだけど」

横島「ぜひ!!」

奏「………いや、死ぬわよ?」

横島「美人なねーちゃんとキスできるんなら本望………!」

ちひろ「はーいそこまでですよー」ベリッ

横島「いやぁぁー! キスするのーっ!!」

仁奈「ほーら、おちついてくだせー」モフー

横島「お、ぉぉ……また眠く……」

ちひろ「本当に眠っちゃうといけませんから、そこらへんでいいですよー。仁奈ちゃん」

仁奈「はーい!」

横島「……ん、んん。その子は?」

ちひろ「市原仁奈ちゃん、です。若い子ですね」

仁奈「仁奈ひつじはまだまだ青いらしーですよ。でもひつじは白なのでやがります」

ちひろ「ふふ……民間伝承。都市伝説。そういうものはまだまだ若いですけれど……将来大妖怪と化す可能性も大いにあるわけで」

ちひろ「仁奈ちゃんの『ひつじ』は睡眠導入の数え羊から来た、まだ無名の妖怪です♪」

仁奈「ちひろおねーさんが名前をくださりやがったのです!」

横島「数え羊って……あの「羊が一匹、羊が二匹」ってやつですか?」

ちひろ「そうそう、それです。SHEEPとSLEEPのごろ合わせなので日本人には効果がないはずなのに、子供のころから教え続けられる……」

ちひろ「要するに、『信仰』されるってことですね。その結果として、力がうまれたというわけです」

仁奈「えっへん!」

横島(………そういう意味だったのか、知らんかった……)

ちひろ「そして、美波ちゃんは人間に育てられたサキュバス」

美波「パパが、優しくしてくれたので……」

横島「パパ……!?」

ちひろ「お父さんですよ。お父さん。育ての親御さんです」

横島(………もう、その響きがなんか犯罪チックに聞こえるのは何故だ……!?)

ちひろ「とても失礼なことを考えているようですが、そういう感じですね」

横島「……あ、そういえば千川さんはどうなんですか?」

ちひろ「……私、ですか?」ニコッ

横島「………!?」ゾクゾクッ

ちひろ「聞きたいですか?」

横島「イ、イエ。結構です………」

ちひろ「ふふ、そうですか♪ ヒミツにしておきますね」

横島(なんだ今の寒気……!?)

ちひろ「さて、ここまでの話を聞いていただいたうえでお伺いします」

ちひろ「アイドルのプロデューサー、していただけませんか?」

横島(………人間じゃない、でも可愛い。でも人間じゃ……幽霊ならおキヌちゃんもいるし、小竜姫様だって人間じゃないし)

横島「……やります」

ちひろ「あら、ありがとうございます♪」

横島(美神さんのところでバイトしてた時よりヒドい目にもあわないだろ!

>>66 ミスったの



ちひろ「さて、ここまでの話を聞いていただいたうえでお伺いします」

ちひろ「アイドルのプロデューサー、していただけませんか?」

横島(………人間じゃない、でも可愛い。でも人間じゃ……幽霊ならおキヌちゃんもいるし、小竜姫様だって人間じゃないし)

ちひろ「多少仲良くなるうちにスキンシップをしても我が事務所は見逃しますよー」

横島「やります!」

ちひろ「あら、ありがとうございます♪」

横島(まぁ、美神さんのところでバイトしてた時よりヒドい目にもあわないだろ! それに綺麗なねーちゃんもいっぱいいるみたいだし、ヤレる……!)

ちひろ「それじゃあ担当アイドル候補の子たちに会いましょうか。美波ちゃん、奏ちゃんはお仕事の方へ……下で留美さんが待っていると思うから」

美波「わかりました。それじゃあ、また……」

奏「またね………無事だったら」ボソッ

横島「うはははー! ねーちゃん! 俺のアイドル!! どんな子かなー!」

ガチャッ

ちひろ「みなさーん、新しいプロデューサー候補の方ですよー」

横島「どうも、僕は横島忠夫! 気軽に名前で呼んでくれてもいいんだよ!」キリッ




千枝「ふ、ふーん。あ、あん……あなたが、千枝のプロデューサー? わ、わるくない……かな……?」

雪美「…………」

薫「わぁ、ぷろでゅーさー!? かおるたちのこと見てくれる人ー!」

千佳「あ、忠夫くんだー!」

桃華「あら、先ほどの話に出ていた方ですの? わたくしたちのプロデュースをしてくださるということかしら」


横島「」

仁奈「仁奈も仲間でごぜーますよ!」

佐々木千枝(11)
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佐城雪美(10)
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龍崎薫(9)
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櫻井桃華(12)
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今日はここまで

あけましておめでとう
ゆっくり書いてくの

横島「え、いや……え?」

ちひろ「さぁ、仲良くしてあげてくださいね♪」

横島「いや、ちょっとまっ――」

薫「ぷろでゅーさーさんっ! かおるだよーっ! よろしくおねがいしまー☆」ペコッ

横島「あ、どうもどうも」

雪美「……佐城………雪美………」

横島「雪美ちゃんね………うんうん……」


横島「ってちっがうっ! 話が違うじゃ――」

千佳「忠夫くん、ちひろさんいっちゃったよ?」

横島「」ピキッ

横島「いや……いやいや……」

千枝「大丈夫ですか……?」

横島「なんか俺、見事に騙されてる気がする……畜生、西条のヤロウにお世話になる気はねぇんだぞ……!」ブツブツ…

千枝「あの……」

横島「あぁん!?」

千枝「ひっ」

横島「あっ、ご、ごめん。違う、違うんだ……違うから、タイム。泣かないで、ね?」

千枝「は、はい……」

横島「うん、いい子だ……えーっと、うん……君は……」

千枝「佐々木千枝、です……えっと、優しくしてください……ね……?」

横島「うっ!?」ドキッ

横島(な、なんじゃこりゃ。心臓が……俺にロリ趣味はねぇぞ!?)

桃華「………本当に大丈夫なのかしら」

横島「……君は?」

桃華「櫻井桃華、ですわ。一応このユニットのリーダーということになっております」

横島「リーダーか……へぇー……」

桃華「わたくしとしては、現状でも問題ないと思っていますけれど」

横島「お、おう」

千枝「桃華ちゃん……」

桃華「どうせ、ただの人間にわたくしたちの面倒が見れるはずありませんもの。ちひろさんが何を考えているかは知りませんけれど」

横島(あれ、俺バカにされてる?)

桃華「そもそも、ここに押し込められたのだってどうせ厄介払いですわ……家の名に、傷をつけないようにするためだけの」

横島(だけどまぁ、そうだよなぁ。わけわかんないまんま押し付けられたわけだし、俺に需要はそもそもないわけで)

千佳「桃華ちゃんっ!」

桃華「……失礼、失言でしたわね。あなたの覚悟のほどはいかがなのかしら?」

横島(あれ……割とマジで詰んでる……? 気に入られなかったら、ヤバい……?)

桃華「……あの?」

横島「はいっ! すみません、がんばりますっ!!」

桃華「はい?」

横島「へっへっへ、お任せくださいよお嬢様方。おいらっちはりきっちゃいますぜ」

桃華「………その態度は余裕かしら。それとも、バカにしていますの?」

横島「へ?」

桃華「まぁ、どちらにしろ構いませんわ。せいぜい足掻きなさい……人間」

千佳「も、桃華ちゃんどこいくのー!?」

桃華「別に、用事を思い出しただけですわ。失礼します」

 
          スタスタスタ…  ガチャッ  


横島「な、なんだったんだ……?」

仁奈「桃華はパパとママに会えねーからさびしーっていつも言ってるんでごぜーますよ」

横島「お、おう?」

>>83
仁奈→桃華は呼び捨てじゃなくて「おねーさん」ですよ



仁奈「仁奈はもともとパパもママもいねーですけど、桃華おねーさんは……」

横島「……なんかあったのか?」

仁奈「せんぞがえりだって言ってやがりました。そのせいで、家の名前に傷がつくからって外に出られなかったそうでごぜーます」

横島「んなっ!? 外にって、まだ子供だろ!?」

仁奈「……だから、仁奈たちとも最初は仲良くしてくれなかったんでごぜーます」

雪美「……そう…………」

千枝「だけど、最近は楽しいって……いっしょにがんばろーって言ってたんです。なのに……」

横島(ほへー……見た目は子供なのに、しっかりしてんだなぁ……)

横島(……家の外に出せないって、なにがあったんだろう)

横島(俺、気に入られなきゃクビ切られたりすんのかな)

横島(でも無理やり担当きめたのはちひろさんだし俺は悪く……!)


千枝「あの、横島さん」

横島「ん、どうした?」

千枝「桃華ちゃんのこと、怒らないでください……千枝、仲良くなってほしいんです……」

横島「あ、ぁー、うん。考えとくから……」

横島(とりあえず不仲を理由にすれば担当替えだってできるはず……そのほうがお互い損しないしな!)

千枝「ほんとうですかっ!?」パァァ…

横島「うぐっ!?」ズキッ

横島(な、なんだ……? この胸の高鳴りは……)

千枝「あっ…だ、大丈夫ですか? 千枝、また……」ウルッ

横島「うぐあぁぁぁ!?」

横島(ヤ、ヤバい。なんだかわからんがヤバい! お、俺は幼児趣味なんぞないんだ。そうだ、理性だ。理性を取り戻せ!)


横島「ちちしりふとももちちしりふとももみかみさんみかみさんみかみさん………」

千佳「忠夫くんが壊れた!!」

仁奈「千枝おねーさん……」

千枝「ち、千枝はこんなことできないよ……?」

ちひろ「いい加減にしなさい」パシーン

横島「ハッ!? ここは?」

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