男「俺の楽器がデレない」(177)

トロンボーン「気持ち悪い」

男「ねぇ、せめて触るくらいは……」

トロンボーン「イケメンじゃなきゃやだ」

男「でも試奏させてくれたし」

トロンボーン「あれ営業顏だから。いい響きさせないとウチのメーカーの品格に関わるし」

男「その響きに惚れたんだけど」

トロンボーン「チェンジで」

男「でも君のメーカーの他の楽器あんまりいい音しなかったんだけど」

トロンボーン「鏡見てからそのセリフ吐きなさいよ」

男「」

トロンボーン「メーカーごとに顔の好みの決まってるけど、あんた見事にウチのメーカーと正反対のルックスじゃない」

男「」

トロンボーン「大体ウチのメーカーのユーザーの顔と、あんたの顔見比べてみなさいよ。月とスッポンもおこがましいレベルじゃない」

トロンボーン「あんた○○の方がいいんじゃない?あそこあんたみたいなの好きな物好きが多いことで有名よ」

男「金払った後でいうそれ?」

トロンボーン「あ~あ。なんでこんなやつに買われちゃったかなウチ」

男「でも買ったからには使わないわけには……」

トロンボーン「やだ」

男「」

男(いつからかだっけ)

男(楽器の声が聞こえるようになったのって)

・・・
・・

ノリで書いたけどメッチャノリだったからどうしようか迷い中

~第一音楽室~
男「なんだこれ……」

男(放課後になり、いつもの通りクラブにきたはずなのに……)

男(音楽室の扉を抜けると……)

男(カオスであった)

あ、俺トロンボーンしかやったことないから、色々知識が偏ってる

男(確かにウチは大所帯だけど)

男「こんなに声が聞こえるのは流石におかしい」

---
クラリネット「そのリード調子悪いよ……?本当にそのリードで大丈夫……?」

モブ女「よし!このリードは演奏会用にしとこ!」

クラリネット「ふぇぇ……」

---
男「……」

男(なんか楽器が喋ってるっぽく聞こえるのは気のせいだろうか)

フルート「~♪……」

フルート「ちょっとB♭が低めに響いてるわね」

モブ「なんかピッチ悪く聞こえるなぁ……チューナーチューナー」

フルート「そうそう、低いわよ。早く直してよ」

ファゴット「長年ワシはここにいるが……お前、下手くそじゃのう」

モブ「初めてまだ一月、もっと上手くならないと……」

ファゴット「……向上心の高さは5本の指にはいるかのう…将来が楽しみじゃわい」



男「……」

男(……間違いない)

男(楽器が喋ってる……)

ちょっと先考えるわ

とりあえずgdgdやってみるわ


~合奏~
男(どうやら俺は楽器の声が聞こえるようになったらしい)

男「で、だ」

男(同じ楽器でも個性があるようだ)

男(トロンボーンにほど近いチューバそれぞれ個性的だ)

チューバ1「やはりブンブンとバンドを支えるのが一番でござる」

チューバ2「は?低音のメロディに命かけた方がカッケェだろ」

チューバ1「お主は何もわかっていないな。ウンパーの魅力を少しもわかっていない」

チューバ2「もうウンパーウンパーは飽きたんだよ。これだから吹奏チューバは……」

チューバ1「……抜け!チューバ2!今こそ決着をつける時だ!」

チューバ2「はーいチューニング管抜きまーす」

チューバ1(ゴゴゴゴゴゴゴゴ)

チューバ2(ドドドドドドドド)

チューバ3「どっちも大切だと思うんだけどな……」

…コ
男(3、お前が正しいと俺は思うぞ)
…トコ

顧問「男!」

男「!は、はい!」

顧問「今どこの練習をしていた?」

男「……わかりません」

顧問「……」ハァ

バン!!

顧問「やる気がないなら合奏にでるな!」

男「すみません」

顧問「次やったら合奏をやめる。いいな?」

男「……はい。すみません」


男(聞こえるようになってから合奏に集中できない)

~合奏後~

男「はぁ……」

?「先輩!」

男「ああ、後輩。お疲れ」

後輩「お疲れ様です!今日は散々でしたね」

男「ははっ、ボーッとしてたらね。寝てないだけマシだよ」

後輩「もう!しっかりして下さいよ!」

男「悪い悪い」ハハッ

後輩「明日のパート練はしっかりして下さいね?」

男「りょ~かい」

後輩「じゃ、私楽器片付けますので」

男(後輩の楽器は……)

後輩トロンボーン「後輩ちゃん……もう僕をしまってしまうのかい?もう少し僕と愛のハーモニーを共に奏でようよ……」

後輩トロンボーン「ああ、もうお別れなんて……明日まで後輩ちゃんの顔が見られないなんて、世界から音楽がなくなってしまうも同義だよ……ああ後輩ち」バタン!

後輩「よし、終わり!では先輩!失礼します!」

男「ああお疲れ様、また明日」

男(後輩の楽器は後輩が大好きである……が、少し性格に難がある)

早く冒頭のトロンボーンちゃん出したい……

とりあえずここまで

さて少しだけ更新しようかな

なんとか音楽知識皆無でも理解できるように頑張るわ
吹奏にしたのは>>1のみを書くスレでそんな話題があったから

書き溜めとか全くないからどう転がるかは書いてからのお楽しみ

?「はぁ~疲れた。男、拭いて。後いつものもよろしく」

男「はいはい。でも先に唾抜きますよ」

?「勿論。あ、先にスライドからお願いね」

男(彼女は旧トロンボーン。俺がこの学校に来てから使っている、いわば学校の備品だ。声が聞こえるようになってから彼女が女性だと分かったの)

旧トロンボーン「あ~すっきりした~。あ、ちょっと拭き残しあるわよ?」

男「え?どこですか?」

旧トロンボーン「ほら、今右手で触ってるそこから少し先の……、そうそうそこそこ」

男「ああここですか。……っと。次はオイルやっときますね」

旧トロンボーン「おねが~い」

男(彼女は俺よりも長くこの学校にいるので、とりあえず敬語を使っている)

男(そして様々な先輩に使い込まれているため、あちこちが古くなっている)

旧トロンボーン「なんか今失礼なこと考えなかった?」

男「いいえそんな滅相もございませんよええホント」

男(その為、年や楽器の見た目に関わることには敏感である)

男(それでも流石はベテラン。一緒に吹いていてとても助かるのも事実である)

とりあえずここまで。
眠さには勝てない

少しだけでも目指せ毎日更新

男(ある時は……)
------

~ある日の練習中~
♪~
男「どうですか?」

旧トロンボーン「ちょっとノイズが入ってるわね。もっと丁寧に唇を振動させて」

男「う~んこうですか?」
♪~

旧トロンボーン「体に力入れてない?変に意識し過ぎ」

♪~
旧トロンボーン「あ、今の結構いい感じ。でもピッチが不安定よ」

男「え?本当ですか?」

旧トロンボーン「まだまだ甘いわよ。その程度で私を使いこなせると思ったら大間違いよ」

男「はい……」

-------
男(俺の個人レッスンをしてくれる)

男(またある時は)

-------
~ある日の合奏~
旧トロンボーン「あ、この曲懐かしい。昔やったのよねこれ」

男「本当ですか?」

旧トロンボーン「嘘ついても仕方ないじゃない。あ、この曲ね、練習番号1の終わりの方のハーモニーがとりにくいのよ」

男「それは……ここですか?」

旧トロンボーン「そうそう、そこはホルンとチューバをよく聴けば対応できた筈だから、よく耳を使ってね」

男「了解です」メモメモ

旧トロンボーン「それとこのフレーズは顧問ちゃんの癖でこう歌うはずだから、4拍目を意識してフレーズを持っていくといいかもね」

男「はい」

旧トロンボーン「あとここの転調は……」

--------
男(曲のポイントを的確に教えてくれる)

今日はここまでなんだ
すまない

聞きたいのだが
少しずつでも毎日と、ある程度溜めてから10レス分くらい更新と
どっちがいいだろうか?

とりあえず今は行き当たりばったりで頑張る
始めます

男(彼女は俺にとって先生であり、頼れる先輩だった)

男(ちょうど先輩が引退して、新体制になった頃だったから、不安だった俺に様々なアドバイスをくれた)

--------
~パート練習~
♪~
男「はいちょっと止まって」

男「え~と……」

男(旧トロンボーンさん、今のとこどうでした?)ヒソヒソ

旧トロンボーン「ちょっとスコア(全部の楽器の楽譜が書かれてる楽譜)見せて……ふーん。まず、バストロンボーンがチューバと同じ動きしてるから、割としっかりめに吹いて、チューバの芯になる感じで」

男「バストロ、チューバと同じだから、芯になる感じでしっかりめに」

友「うい」

バストロンボーン「うはwwwwwやったるwwwwwビンビンやったるwwwww」

旧トロンボーン「バストロンボーンうっさい」

バストロンボーン「はいwwwwサーセンwwww」

男(友は俺と同期のバストロンボーン奏者。寡黙な男だけど、技術とセンスは信頼できる職人気質。バストロンボーンは……まあいいや)

男(旧トロンボーンさん、テナーは……)ヒソヒソ

旧トロンボーン「ああゴメン。え~とテナーは……」

--------
男(最初は頼ってばかりだったな)

~ある日のクラブ終了後~
男「今日もありがとうございました。いつもすみません」

旧トロンボーン「……」

男「旧トロンボーンさん?」

旧トロンボーン「あ、ううんなんでもないよ。ちょっと考え事してたの」

男「考え事……ですか?」

旧トロンボーン「ううん気にしないで。それよりもちょっとローターの動きが悪いからオイルちょっと多めでお願いね」

男「あ、はい」

旧トロンボーン(そろそろ……かな?)

~それから数日後のパート練習~
男(旧トロンボーンさん、今のどう思いました?)ヒソヒソ

旧トロンボーン「男はどう思った?」

男(私……ですか?そうですね、ちょっとフレーズの取り方が不自然な印象を受けましたね。私ならここを目指してフレーズを持っていって、その後収めるのを3拍目まで我慢してスッと収める感じですかね)

旧トロンボーン「ならそう伝えなさい」

男(え?)ヒソヒソ

旧トロンボーン「あなたがそう感じたなら、そうしなさい」

男「……え~とここのフレーズ何だけど……」

旧トロンボーン(……うん。もう大丈夫)

~とある練習中~
旧トロンボーン「男」

男「はい?」

旧トロンボーン「ちょっと話、いい?」

男「?ええいいですよ」



男「……え?」

旧トロンボーン「だから、私を次の世代に引継いで、あなたは新しいパートナーを見つけなさい」

男「それは……どういう……」

旧トロンボーン「男は今後も音楽を続ける気はあるの?」

男「……ええ、今後もトロンボーンを吹いていたいですね」

旧トロンボーン「私は学校の備品、あなたは今後もトロンボーンを吹いていきたいなら、必然的に私以外のトロンボーンを使う必要があるのは理解できる?」

男「……ええ、でも」

旧トロンボーン「でもじゃない!」

男「っ」

旧トロンボーン「っ……ごめん。大きな声を出すことなかったね」

旧トロンボーン「私はね、男は私よりももっといいトロンボーンに出会えると思うの」

旧トロンボーン「男はもっと上手くなれる。私が保証するわ。といってもただの学校の備品だけどね」

男「旧トロンボーンさん……」

旧トロンボーン「だから……私よりももっといいパートナーを探しなさい」

旧トロンボーン「私の仕事は、ここで買われてからずっと『基礎力をつけて送り出す』こと。男はもう基礎力を十分付けたと私は判断してるの」

旧トロンボーン「だから……ね?」

男「……はい」






旧トロンボーン(……今までは淡々と作業をこなしてたけれど、話ができるってだけで……ここまで辛いなんてね……)

旧トロンボーン(今まで引退していった子たちの涙を理解してたつもりだったけど、こんな気持ちだったのかしら……)

旧トロンボーン(……ううん。私の仕事は次世代を育てること。こんなことで気落ちしてたら男に申し訳ない)





旧トロンボーン(頑張れ。男)

今日はここまで

今更ながら、少しだけ補足
喋る楽器としての名詞は半角カナ、単なる楽器を指す場合は全角カナ

今回では
バストロンボーン=楽器としてのバストロンボーン
バストロンボーン=うはwwwwwwww
的な?


ローターは少し誤解をうけかねないので補足
http://i.imgur.com/TKtYJUL.jpg
今回「トロンボーン」と単純に呼称する場合、このトロンボーンを指してるんだが、ローター(ロータリー)は無駄に巻き巻きしてる部分にある丸い部分

とりあえず、あると便利なものという認識でおk

アレはオイル差さないと動きが悪くなる

決してピンク色のアレではないからな

やっと過去編終わり
何か質問、意見があればどうぞ

ようやく次回からトロンボーンちゃんをだせる

まあ細かい所ことは対して気にしなくても平気だけど、ちょっとトロンボーンの構造について説明するわ

いらん人はさっさと飛ばしておk
本編には対して関わりがないから

http://i.imgur.com/hsFJYoB.jpg
前回言ったローターはこの部分
左手の親指で操作して、迂回管を経由させて音を変えられる
これがある事で演奏が楽になったり、通常より低い音が出せるようになる
ただし、重くなる

http://i.imgur.com/r2wPW6E.jpg
この部分がトロンボーンの特徴であるスライド

スライドは外管と内管で構成されてる。
ギターとかのフレットみたいな目印はないけど、大体の目安で近い方から1~7のポジションが割り当てられてる
滑らかさが非常に重要だから、スライドが凹む=演奏不可を意味する、非常にデリケートなパーツ

ちなみに、7を超えると抜ける
大体身長175位ないと全てのポジションを網羅することは大変だけど、演奏できないことはない
そんな時には紐付けて、長さを補う

ちなみに、腕が短い女の子がプルプルしながら遠いポジションを出そうとするのは中々萌える

http://i.imgur.com/8NmlHhX.jpg
この部分はマウスピース
ボクシングとかのアレとは別物
金管楽器には必ず付いてる

木管楽器にもマウスピースがあるけど、金管のとはちょっと構造が異なる

金管はリコーダーみたいに
息を入れる→音が出る
みたいにはなってなくて、唇をブルブル震わせてその振動が音になってる
いい音を出す人はこれを鳴らすのが上手い

http://i.imgur.com/r62Qb7N.jpg
これはチューニング管って俗にいう部分
ここを抜いたり差したりすることでチューニングする
抜くと低く、差すと高くなる
暑いと音が高くなるから、夏は冷房とかがなければメッチャ抜く

あ、性的な意味じゃなくて


では始めます

旧トロンボーン「私と同じメーカーを買う?」

男「はい。やはり使い慣れてるメーカーがいいと思うので」

旧トロンボーン「うーん……大変かもよ?」

男「はい?」

旧トロンボーン「私がいうのもなんだけど、私のメーカーは割と癖が強いのよ……」

男「旧トロンボーンさんを見てる限り、そうは思いませんが……」

旧トロンボーン「私は学校の備品として長年色々な人とパートナーになってきたからよ。私だって最初は癖が強かったんだから」

男「でも、他のメーカーは興味がないので……」

旧トロンボーン「あら嬉しい事言ってくれるじゃない」


旧トロンボーン「まあ、いい楽器に出会えることを祈ってるわ」

~☆☆楽器~
男「あの~□□で、この位の価格帯のトロンボーンってありますか?」

店員「□□ですか?少々お待ちください」


男(親に購入を許してもらえて良かった)

男(土下座のお願いを一週間したからな……まあ当然か、安い買い物じゃないからな)


男(それにしても……)

ホルン1「なあなあそこのお嬢ちゃん!俺どうよ?いい音出すぜ~?」

ホルン2「お前はもう少し節操をだな……お、あの子スカート短いぜ?」

ホルン′s「マジ?!」


トランペット1「僕は怖いトランペットじゃないよ」プルプル

トランペット2「そんな弱気でどうする!トランペットたるもの目立ってナンボだ!ほらもっと声を張れ!」

トランペット3「でもお前売れ残りだよな」

トランペット2「なっ……お前だって売れ残りじゃないか!」

ユーフォニウム1「そんなにギラギラしなくてもねぇ~」

ユーフォニウム2「ねぇ~」


チューバ1「やっぱりフロントピストンがいいなぁ」

チューバ2「最近使う人多いしな。あ、あの人プロの▽△じゃね?」

チューバ1「お、ホントだ」


男(あ、ホントだ。N交響楽団の▽△さんだ)

男(楽器もプロは把握してるんだな)

男(それにしても……)

ワイノワイノ
ガヤガヤ
ギャッハッハッハ

男(……うるせぇ)

店員「お待たせしました。□□でお望みの価格帯ですと、こちらとこちらがございます」

男「じゃ何本か試奏できますか?」

店員「では試奏室へご案内します」

~試奏室~
店員「現在在庫がこちらが3本、こちらが2本となっております」

男「じゃ、少し試奏させてもらいます」


男(さて、どんな楽器《ひと》なんだろ)

次回からトロンボーンちゃんを出すと言ったな?

あれば嘘だ


すみませんそこまで行きつきませんでした
長々とトロンボーンの解説ドヤ顔でやってすみません

あ、チューバのとこでフロントピストンと書いたけど、ググったらフロントアクションだった
ダメだなエロいこと考えながらやるとミスるな
フロントアクションがなんなのか知りたかったらググってくれ

今日はここまで

ヒソヒソヒソヒソ

ガチャ
シン…

店員「現在在庫がこちらが3本、こちらが2本となっております」

男「じゃ、少し試奏させてもらいます」


始めます

男「じゃ、少し席を外してもらってもいいですか?ちょっと一人で吹き比べたいんです」

店員「かしこまりました。ではごゆっくり」

ガチャ

バタン

男「……やあ、初めまして」

トロンボーン「……この人楽器に話しかけてるわよ」

トロンボーン2「大丈夫かしら……」

トロンボーン3「さあ?僕には分からないけどね」

トロンボーン4「……zzz」

トロンボーン5「4、起きて」

男「頭が弱いとか思ってるかもしれないかもしれないけど、俺は楽器の声が聞こえるんだ」

トロンボーン「どう思う?」

トロンボーン3「何か聞いてみたら?」





トロンボーン「……本当に私たちの声が聞こえるの?」


男「ああ、しっかり聞こえてる」


------
男(俺たちの出会いは、確かこんな感じであった)

今日はこれだけなんだすまない
IOSでTOPが出て、懐かしすぎてやってたら少なくなっちまった
早くダオスに会いたい

ではまた次回

神娘(ボソッ

>>63
やめろ
俺が悪かったやめて下さい

トロンボーン「……そう、じゃ……」



トロンボーン1235「「「「いらっしゃいませ!
!」」」

男「!」ビクッ




トロンボーン4「……んぅ……zzz」

トロンボーン5「4、いい加減に起きなさい。お客様よ」


始めます

トロンボーン5「□□社のトロンボーンは初めて?」

男「いや、今学校で使ってるのが□□の楽器だ」

トロンボーン5「そう、じゃ私達の特徴は大体把握してると考えていいわね?」

男「その認識で大丈夫」

トロンボーン2「あ、私達はこう見えてもプロに選定して頂いてるわ」

トロンボーン3「そう、だから僕らの品質については心配はいらないと思う」

男「え~と確認だけど、君から3君……だっけ?君達がトラディショナルラップで、4さんと5さんがオープンラップでいいのかな?」

トロンボーン「そう、見ての通り私達がトラディショナルで、4と5はオープンよ」

トロンボーン5「まあ、一応違いはあるけど、好み次第ね」

男「えっと、4さんはどうしたのかな?」

トロンボーン5「あー……4はちょっと寝起きが悪くて……でも普段はもう少ししっかりしてるわよ」

トロンボーン3「まあ、素でも無口だけどね」

トロンボーン「『好きな人にはたまらない音を出す』って言ってたわね」

トロンボーン2「ああ、私達を選定してくれた方ね」

トロンボーン「で、あなたはどんなジャンルがお好み?」

男「俺は吹奏楽をやってるんだけど」

トロンボーン5「ま、そうだろうね」

トロンボーン2「この5人は吹奏楽やオーケストラ向けだもんね」


トロンボーン4「……その気になればジャズとかだってできるもん……」

トロンボーン「あ、4起きた?」

トロンボーン4「……zzz」

トロンボーン3「……寝たな」

男(……同じ型でも大分個性が出るな)

男(旧トロンボーンがいうほどの癖はないみたいだけど)



トロンボーン「まあ、百聞は一奏に如かずってね。そろそろ楽器吹かないと店員さんが不信がるわよ」

男「あ、そうか。じゃ試奏させてもらおうかな」



・・


・・・・

男「ふぅ、5~2は終わったか」

トロンボーン「最後は私ね」

男「よろしく」

トロンボーン「こちらこそ」


トロンボーン4「……おはよう……」

トロンボーン5「……流石に吹かれたら起きるわよね」

男「……ふぅ……」

トロンボーン「まあ、こんなもんかしら」

男「ああ、ありがとう」


男(さて、流石プロの選定品。楽器ごとの固有ピッチのブレは少ない)

男(だけど一本一本個性があって、どれもいい個性を持ってる)

男(正直とても迷う……)

男(……でも)

男「よし、決めた」


男「俺は、君を選ぶよ。トロンボーン」

今日はここまで

ちょっとトロンボーンについて補足

>男「え~と確認だけど、君から3君……だっけ?君達がトラディショナルラップで、4さんと5さんがオープンラップでいいのかな?」

>トロンボーン「そう、見ての通り私達がトラディショナルで、4と5はオープンよ」

トロンボーンには、「巻き方」によって異なる呼び名が与えられてて、本文中にも登場した「トラディショナルラップ」と「オープンラップ」が存在する

巻き方が違うと吹いた時の感覚がちょっと違う

トラディショナルはこれ
http://i.imgur.com/rcTLS4q.jpg
伝統的に使われる巻き方で、深みと表現力がある
最近再評価されてる

オープンはこれ
http://i.imgur.com/KTRE4IQ.jpg
見た目の通りストレートな吹奏感。押した時と押さない時の吹き心地が近い

あ、押すってのは、前に説明したローターのことな

>男(さて、流石プロの選定品。楽器ごとの固有ピッチのブレは少ない)

ベースとかギターとか木管がどうなのかわからんが、金管は個体ごとにピッチが異なる

要するに、楽器によっては音痴な楽器もあるわけだ

今はどうだか分からんが、中国の楽器は音痴だった
ヤマハは流石

ちなみに俺が使ってる楽器トラディショナルで、固有のピッチはあんまり良いとは言えないけど、響きは凄く気に入ってる

トロンボーンには用途によって管の太さとかが全然違う
今回は吹奏楽やオーケストラ用を使ったけど、ジャズ用とかもある

すげーどうでもいいけど4ちゃんかわいい

今日はここまで

・・・
・・


男(で、今に至るワケだが……)

トロンボーン「なに?こっち見ないでよ」




男「俺の楽器がデレない」




男(えっ、てかツンしかないんだけど)

始めます

~クラブの時間~
男「これが俺の新しい楽器だ」ガチャ

トロンボーン「眩し!もっとそっと開けなさいよ!」

後輩「おおーーー!!これが男先輩の新しい楽器ですかー!」

友「……ふむ。男、後で吹かせて」

男「ああいいぞ」

トロンボーン「あら、あの人ちょっとイケメンじゃない。ちょっと、もっと近づけなさい」

男「……友、今吹いていいぞ」

友「いや、後でいい」

男「だとよ」

トロンボーン「あら残念。ま、後で吹いて貰うからいいわ」

男「それにしても、お前友みたいな顔が好みなんだな」

トロンボーン「あんたよりは少なくともタイプよ」

男「全く可愛くないなお前」

トロンボーン「あんたに媚びても仕方ないでしょ」

男(こいつッ……!)

後輩トロンボーン「おや?何やら可愛らしいお嬢さんが来たね。どうだい?僕と熱いデュエットでも奏でないかい?」

トロンボーン「お褒めに預かり光栄よ。でも軽い男と付き合う気はサラサラないの」

後輩トロンボーン「おおぅそれは残念。でもそんな君も可愛いよ☆」

男「お前は女なら誰でもいいのか?」

後輩トロンボーン「失敬な!まるで節操なしみたいに言うのはやめて欲しいな」

トロンボーン「あら、節操なしなの?」

後輩トロンボーン「トロンボーンちゃん!そんなことはないよ!僕は君を見た瞬間に…」

後輩「男先輩?何私の楽器を見つめてるんですか?」

男「あ、ああ後輩。いや、改めて見るといい楽器だな~と……」

後輩「もちろんです!私の相棒ですから!では私は先に練習行きますね」

後輩トロンボーン「後輩ちゃん!僕の運命の人!さあ今日も一緒にとろけるユニゾンを……」

トロンボーン「……節操なしね」

男「だろ?」

トロンボーン「悔しいけどあんたの言う通りね」




バストロンボーン「ちょwwwwwwwwww俺無視しないでwwwwwwwww」

トロンボーン「……ねぇ、触れたくなかったけど、こいつなに?」

男「ああ……こいつはお前曰くイケメンのあいつの相棒だよ」

トロンボーン「嘘……」

バストロンボーン「おまwwwwwwヒドスwwwww俺やる時はwwwwwやる香具師だぞwwwwwwwww」

トロンボーン「あーゴメンコイツ無理」

男「不本意だが俺もだ」

友「どうした?」

男「ああ、友。コイツってやっぱり使いやすい?」


友「いや」

バストロンボーン「ちょwwwwwwwwww」

友「だがそれがいい」

男「そんなもんか?」

友「そんなもんだ」

バストロンボーン「それwwwwwフォローしてなくねwwwwww?」

友「先行ってる」

男「おう、俺もすぐ行く」

男「とまあ、お前と今後一緒にやってくヤツを紹介したわけだが」



トロンボーン「……やっぱりあんたとペアとかゴメンだわ」

男「奇遇だな、俺もお前とやってく自信がないわ」

とまあ再紹介と仲が険悪になった所で今日はここまで


ぶっちゃけよう
かなり迷走してる

男「さて、あれから結構日が経つが」

男「俺とトロンボーンは相変わらずだ」

~個人練習時間~
トロンボーン「い~や~だ~」

男「諦めろ。俺は下手になりたくない。練習したいんだよ」

トロンボーン「い~や~」

男「フッ、悔しかったら手足でも生やして拒んでみろ」

トロンボーン「ぐぅ……これほど楽器として生を受けたことを後悔した日はないわ」

男「お前は黙って俺に使われてろ」

トロンボーン「やめろ~!」

♪~~

トロンボーン「下手くそ!下手くそ!」

♪~~
トロンボーン「ああもう!あんたの顔が近くにあるだけで気分が悪くなるのよ!」

♪~~

トロンボーン「やめろ~~~!下手くそ~~!!」

♪~~

トロンボーン「くそ……こうなったら……」

♪々〆=8々○→

男「?!」

トロンボーン「ふぅ、やっとやめたか」

男「てめぇ!何しやがった!」ヒソヒソ


友「おい」

男「あ、ああ友か」

友「どうした、お前らしくない」


友「あんなに音痴なんて、チューニングちゃんとしたのか?」

バストロンボーン「うはwwwwwwトロンボーンちゃんひでぇwwwwww」

トロンボーン「あら、友じゃない。ねぇ、ちょっと私を吹かない?」

バストロンボーン「ちょwwwwwww無視wwwwww」

男「あ、ああちょっとチューニングが悪いみたいだ」

男「ちょっとお前吹いてみてくれないか?」

友「いいのか?」

男「ああ、ちょっと確認したいからな」

♪~~

友「……うん」

友「流石お前が選んだ楽器だ。いい音が鳴る」

友「各倍音の音も正確だ」

男「お、おう。サンキュ」

友「ただ、やっぱり俺はバストロの方が性に合う。ほれ、返す」

男「おう、練習頑張れよ」

友「お前もな」

トロンボーン「流石私の見込んだ男、見る目があるわ」

男「あのバストロを選んだやつだがな」

トロンボーン「それはそれ」

男「てめぇ、わざと倍音をズラしやがったな」

トロンボーン「なんのこと?」

男「上のA♭の列があんなに低くなるはずがねぇ。それにFの列があんなに高くなるわけがない」

男「俺が試奏した時も、さっき友が吹いた時も、そんなことはなかった」

男「つまりお前が何かしたとしか考えられん」

トロンボーン「ごめーとー。よく分かったわねー」

男「お前……!」

トロンボーン「あんたが私を吹かなければいいこと話よ」

男「お前、本当かわいくないな」

トロンボーン「前にも言ったでしょ」



トロンボーン「あんたに媚びるつもりはさらさらないわ」

……皆様遅くなったことをお詫びします
正直もうこのままエタるのも悪くないと思ってたけども

支援されたからには頑張ります。

さて、今回も幾つか専門的な言葉を出したので説明をば。
まあ、アマチュアの説明だから、間違ってたら笑ってくれ

または教えてくださいお願いします。

>友「各倍音の音も正確だ」

トロンボーンには7つのポジションしかないわけで。
後は倍音を変えることで上から下までコントロールするんだ。

基音はB♭、そこから上にF、B♭、D、F、A♭、B♭、C……と続く。
上に行けば行くほど音の間隔が狭くなるから、コントロールが難しくなる傾向にある。

ちなみに、大抵の金管楽器はこれと同じ倍音を持ってる。

で、この謎のABCの表記は、音楽やってる人にとっては割とごく当たり前に出てくるもの。

要はドレミ。
わざわざ言い換える理由は、楽器ごとにドレミが違う場合があるから。
これは個人的な意見だけど。

例えばトランペット、俗にいうラッパは、特殊な楽器でない限り基音はB♭(ピアノではシ♭)になって、一番簡単に出せる音だし、チューニングでもこの音を使う場合が殆ど。
大抵の金管楽器はこれで、一般に出しやすい音を取って、B♭管って言われたりする。

そして厄介なのが楽譜。
楽譜でピアノではドの位置が、トランペットではシ♭に変わってるんだ。
だから、トランペットにとってドはシ♭っていう謎の現象が発生する。

一般に出しやすい基音をドって呼ぶって方が分かりやすいか。

フルートとかはC管だからド=実音ド
トランペットはB♭管だからド=実音シ♭
ってな感じ。


一応補足しておくと
ドレミファソラシドはCDEFGABCの並び
ドがAじゃなくて、ラがAだからな。

でもそうなると、いざ「(実音)ドを出して」っていうと、楽器によってバラバラになっちゃう!って困ったことになるのは想像つくと思う。
そこでB♭とかCとかを使う。

原則的に、B♭とかCとかは実音表記だから、ある程度覚えれば統一できる。

要は共通言語。

ドが欲しい時には「C出して」っていえば、みんな実音でドを出してくれるってわけ。

だからこそ英語表記が必要になってくる。
吹奏楽ではね。他はわからん。どうなんだろ。


ちなみにトロンボーンは二つの流派に分かれる。
B♭管だからド=B♭の人と、低い音の楽譜はヘ音記号って言って、ルール上実音表記が原則だからド=Cの人。
紛らわしいったらありゃしない。

ちなみに俺はド=C

>男「上のA♭の列があんなに低くなるはずがねぇ。それにFの列があんなに高くなるわけがない」

これは楽器の特性かな。
どんなにいい楽器でも、A♭の列はやや低めになるし、Fの列はやや高めになる。

だった気がする。

いい楽器ほどこの狂いが少なくて、演奏が楽になる。

逆に悪い楽器はこれが良くなかったりする。


今回はトロンボーンちゃんがわざとその狂いを誇張させたわけだ。

今日はここで終わり
長い解説とかイラネって奴は言ってくれ

これからは何とか来るようにするけど、前みたいに毎日更新は無理かも。

~休日の練習日の午前~
男「じゃ、パート練習は10:30から。それまでは個人でいいか?」

友「俺は構わない」

後輩「あ~私少し係の仕事があるので、できれば10:45がいいです」

男「友はそれで構わないか……ってもう練習してるし……後で言っとくよ」

後輩「ありがとうございます!では!」

後輩トロンボーン「ああ、後輩ちゃん……僕を置いて仕事に行くなんて……せめて君のそばで……」

トロンボーン「アンタそれ気持ち悪いわよ」

後輩トロンボーン「僕は溢れる愛を述べてるだけさ」

男「……よし、俺も個人練習するか」

トロンボーン「アンタと二人きりなんて嫌」

男「じゃ後輩トロンボーンの後輩への愛の囁きを延々と聞きながら」

トロンボーン「私のストレスがマッハになるからやめて本当に」

男「友の練習を邪魔するのは後で無口が三割増しになるから、消去法で二人きりだな」

トロンボーン「ぐぬぬ」

♪~~

男「……よし……最近お前アレやらないな」

トロンボーン「なによ口開かないでよ」

男「アレだよほら、音を無理矢理歪めるアレ」

トロンボーン「アレね、見てるよりも疲れるのよ。アンタに吹かれるのは癪だけど、その度にやるのは割に合わないだけ」

男「俺としてもその方が有難い」

♪~~~

~~10:30~~
友「男」

男「ん?どうした?」

友「パート練習は?」

男「あ、悪い。後輩が係の仕事だから、少し伸ばした」

バストロンボーン「ちょwwwwwwそういうことはwwwwwwwww早めにプリーズwwwwwwwww」

友「そうか……男」

男「おう?どうした?」

友「最近どうした?お前の音には少し違和感がある」

男「お、おおそうか。まだかって間もないからかもな」

友「そうか」

男(しばらくして、予定通りパート練習が行われた)

男(後輩はまだ技術的にたどたどしさがあるが、徐々によくなってきている)

男(友は安心感のある職人のような演奏で、こちらの要望にもすぐに対応してくれた)

男(そして、トロンボーンは変わらずこちらに心を開こうとしないが、最低限のことはこなしてくれた)

男(それだけは有難い。できればもう少しだけ周りと協調してくれると嬉しいのだが……)

~~昼時~~
男「っともうこんな時間か、じゃ午前の練習はおしまい。飯にしよう」

男「おーいもう入っていいぞ~」

後輩友「はーい!後輩!ご飯ご飯!」

男(後輩友。元気印のトランペッターだが、残念ながらお世辞にも上手いとは言えないのがなぁ……)

男「友、飯食いいこうぜ」

友「おう」



トロンボーン「ふう、やっと終わった……って」

トロンボーン「ちょっと男!少し唾残ってるわよ!ちゃんと抜きなさい!」

男「あ~友少し待ってくれ。唾抜き忘れた」

友「おう」

トロンボーン「全く……」

トロンボーン「さて、休憩休憩」




後輩トロンボーン「ちょっといいかい、トロンボーンちゃん」

バストロンボーン「ちょっとお話しようぜwwwwwww」

毎度遅れてすまん。

今日はここまで。

~~昼時~~
後輩「今日もパート練で男先輩からさ~……」

後輩友「私も先輩から~……」


トロンボーン「で、話って何よ?手短にお願い。私少し休みたいの」

後輩トロンボーン「君のベルは変わらずに綺麗だね。一緒にデュエットでも」

バストロンボーン「おまwwwww」

トロンボーン「ナンパなら他所でやって。じゃ」

バストロンボーン「いやいやいやwwwwwwナンパなら俺がいる意味wwwwwwww」

トロンボーン「じゃなんなのよ」

後輩トロンボーン「いや失礼。レディに対する礼儀みたいなものだから。そんなにイライラしては音が悪くなるよ」

バストロンボーン「誰のせいだよwwwwww」

後輩「え~また~?」

後輩友「いーじゃんちょっとだけ~」



後輩トロンボーン「で、本題なんだけど」


後輩トロンボーン「君は男君が嫌いなのかい?」
トロンボーン「嫌いよ」



バストロンボーン「うはwwwwww即wwwww答wwwww」

後輩「今日の合奏大丈夫?」

後輩友「うっ……それは……」


後輩トロンボーン「やっぱりそうなんだね」

バストロンボーン「実はツンデ
トロンボーン「ふざけないで」

バストロンボーン「最後まで言わせろwwwwwww」

トロンボーン「で、それだけ?」

後輩トロンボーン「まさか。……単刀直入に言わせてもらうけど」

後輩トロンボーン「はっきりいって迷惑なんだ」

トロンボーン「はぁ?」

後輩トロンボーン「君は男に心を開こうとしないから、男君が君に合わせることに苦心してるようだ。無意識だろうけど」

トロンボーン「だからなによ」

後輩トロンボーン「だから、君の音が三人で混ざらないんだ」

バストロンボーン「ほらwwwwww俺達wwwww男といる時間がお前より長いだろwwwww?」

バストロンボーン「男がwwwww音の混ざりをwwwww意識しないwwwwwわけがないwwwww」

後輩トロンボーン「男君は君の音をコントロールすることで精一杯みたいだ」

後輩「なんか最近男先輩苦労してるみたいで……」

後輩友「へぇ~」


トロンボーン「ふぅん……だから?」

後輩トロンボーン「君の音からは、後輩ちゃんや友君に対する配慮が全く感じられない」

後輩トロンボーン「君の音ばかりでてしまって、パートしてのバランスが崩れてしまってるんだ」

バストロンボーン「つまりwwwwww空気嫁wwwwwww」



トロンボーン「ふぅん……なんで私が配慮しなきゃいけないの?」

後輩トロンボーン「……なに?」

バストロンボーン「wwwwwww」

後輩友「どうすればアソコ吹ける?」

後輩「トロンボーンに聞かないでよ……」


トロンボーン「だってあなた達は私を引き立てるのが仕事でしょ?」

トロンボーン「私は目立って当然よ」

トロンボーン「それに私を引き立てようとせず、コントロールしようとする男が下手くそなんじゃないの?」


後輩トロンボーン「……それは聞き捨てならないな。男君の実力は僕はよく知ってる」

後輩トロンボーン「彼の頑張りもね」

後輩トロンボーン「僕らは所詮ただの楽器。プレイヤーに使ってもらわなければただの鉄くずだ」

後輩トロンボーン「そんな心構えだから君は売れ残ってたんじゃないのかい?」

トロンボーン「あなた……ッ!」


バストロンボーン(うはwwwww俺空気wwwwww)

後輩友「あ、もうこんな時間!じゃ!

後輩「また後でね~」


後輩トロンボーン「とにかく、少しは配慮して欲しい」

後輩トロンボーン「それと男君に対する考えも改めて欲しい」

後輩トロンボーン「君のせいで男君が大変な思いするのは見るに耐えない」

トロンボーン「ふん」

バストロンボーン「おい」

トロンボーン「!」

バストロンボーン「話聞いてのんのかよ」

トロンボーン「な、なによ」

バストロンボーン「話聞いてんのかっつてんの」

男「あ~食った食った」

友「うむ」


後輩トロンボーン「おっと話はここまでのようだ」

バストロンボーン「うはwwwwwwおkwwwwww」

トロンボーン「……」

男「ん?どうした?」

後輩トロンボーン「いやなんでもないよ男君」

男「そうか。おーい後輩、友、合奏の準備しに行こうぜ」

後輩「はーい!」

友「おう」

トロンボーン(……なによ)

今日はここまで

ちなみに楽器ごとに癖はあっても、メーカーが同じだと音はまとまりやすいみたい

三人は三人で楽器メーカーはバラバラの設定

ここまでのあらすじ

男はある日楽器の声が聞こえるようになった。

先輩がいなくなり不安になっていた所だったが、自身が使う旧トロンボーンの声を頼りに腕を磨く。
確実に技術をつけていく男をみて、旧トロンボーンは男との決別を決意。

男は新しいトロンボーンを買うも、トロンボーンは男のことが嫌いであった。
そんな折、後輩のトロンボーンである後輩トロンボーンと、友のトロンボーンであるバストロンボーンが、トロンボーンの男に対する態度で激おこぷんぷん丸。

あらすじここまで

男(なにやらトロンボーンの様子がおかしい)

男(午後から始まる合奏大丈夫かな……)

~~昼過ぎ、チューニング~~
男「おいトロンボーン、どうした」

トロンボーン「ううん……なんでも……」

男(……おかしい、普段なら『なによ、喋らないでよ』とか、更に加えて『気持ち悪い』がオマケが付くはずなのに……)

コンサートマスター「次、トロンボーンチューニングね」

B♭~~

男「!」

男(音程をいじらないのはありがたいが、響きが……)

男(全くない……)

コンサートマスター「うーんちょっと混ざらないな……ちょっとバストロから重ねて」

B♭~~

後輩「先輩どうしました?なんか音の調子悪そうですよ?」

男「いやなんでもない。ほら、次お前の番だぞ」

後輩「あ、は、はい!」

B♭~~

男(ここは俺がなんとかする……!)

B♭~~

男(ぐ……ひ、響かない!)

男(だが……)

男(響かせてみせる!)

トロンボーン「……」

~~合奏~~
男(結局響きは戻らなかった……)

男(一体どうしたんだ……トロンボーン)

ガラッ
顧問「はいやろう」

♪~~

顧問「違う違う。そうじゃない……メロディだけで」

男(なんとか乗り切れてる)

♪~~

顧問「メロディはもっとこう♪~~って歌って欲しいな。57小節の3拍目を目指して、その後Cをまで少しずつ収めていく感じで。もう一回、クラリネットだけで」

♪~~

男(今のところは大丈夫)

顧問「次、サックス」

♪~~

男(ただ、次のフレーズは……)

顧問「じゃ次は~低音グループか……ここできるのか?」

男(隠せない)

顧問「まずはこのフレーズを担当してるパート全部で」

男(なんとかしないと……)

♪~~

男(ックソ!スライドの動きも悪い!響かない!)

顧問「だははは!ダメダメじゃないか!チューバやってみろ」

男(なんでこんな風になったのか、わからないけど)

男(今日の所はなんとか乗り切る……!)

チューバ1「拙者、難しいパッセージは苦手でござる……」

チューバ2「は!これだからブンブンやってるだけのやつは!見てろ!」

♪~~

顧問「おっ、惜しいな」

チューバ2「ドヤァ……」

顧問「だけど誤魔化しが見えるぞ」

チューバ1「片腹痛いわこのドヤ顔」

チューバ2「てめぇ程じゃねえけどな」

チューバ3「♪~~」

顧問「よし、お前はいいな」

チューバ1、2「」

チューバ3「」ドヤァ

♪~~

顧問「お前もしっかり練習しておけよ」

男(次か……)

顧問「次、トロンボーン。まずは……バスからいこうか」

バストロンボーン「うはwwwwwwやったるwwwww」

♪~~

顧問「流石友。いつも通りの職人技だな」

友「うす」

顧問「次」

後輩トロンボーン「後輩ちゃんの最高のプレイを引き出してみせる!」

♪~~

顧問「まだまだリズムが甘いぞ。もっと練習しておけ」

後輩「はい……」

後輩トロンボーン「ああそんな顔をしないでくれ!ああ!自分に手があれば後輩ちゃんをそんな顔にしてしまった自分のベルを叩いてry」

顧問「次」

男(来た……)

トロンボーン「……」

顧問「やってみろ」

年内にと言ったな?
あれは嘘だ


すまぬ……すまぬ……

今日はここまで

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