十神「なんだいきなり」
苗木「ボクが最近はまってる曲がこのランキングの二位なんだよ!」
十神「それがどうした、お前の好きなものは常に一位だとでも言いたいのか」
苗木「それは違うよ! と言いたいけど、いつもは一位のものが一番好きだったからさ」
十神「つまり、初めて一位以外の物が好きになったのか?」
苗木「うん!」
十神「……そうか、それじゃあな」
苗木「うん、またね!」
十神「少し興味が沸いたから調べてみたら……」
十神「こんなランキングなんかで順位いじったところで高が知れてるのだがな、愚民共の考えることは分からんな」
十神「しかし」
十神「苗木の平凡さ、いや、能力と言っても良いかも知れないな」
十神「超高校級の平凡、フン、下らんが検証してみる価値はありそうだな」
十神「苗木、この食品はオレが作った会社の一つである十神フーズの製品だ」
苗木「へぇぇ、美味しそうなものばかりだね!」
十神「ここに30種類の製品がある、全て食え」
苗木「こ、この量全部は流石に……」
十神「貴様に拒否権や発言権を認めた覚えはないぞ」
苗木「もう……わかったよ……」
苗木「はむっ、んっ……あ、美味しい」
十神(一番売れている製品から手を付けたか、面白い)
苗木「ふぅ、次はこれを食べて見ようかな」
十神(わざと一位と二位を遠くに置いたのに、二番人気の製品を選ぶとはな)
十神(まあ見慣れているものから食っているのかも知れないしな……三位、四位、五位……)
苗木「はぁ、お腹が苦しい……次はランキングを作るんだっけ……ええと……」
十神(まさかとは思ったが、全てを人気順に食べるとはな……)
十神(書いているランキングも、人気順にどんどん埋まっていく)
十神(食品に関しては、正確か)
苗木「と、十神クン……ランキング、出来たよ……」
十神「そうか、それじゃあな」
苗木「えっ、ちょっと、まだランキング見てないよね!? 十神クーン!?」
苗木「なにこれ?」
十神「これはオレの会社の一つ、TOGAMI自動車の製品の写真だ」
苗木「……ランキングを決めろって?」
十神「ああ、早速取り掛かれ」
十神「今日はオレの会社の一つ、トガミソフトのゲームをやらせてやる」
苗木「……やれ、の間違いでしょ?」
十神「わかっているなら早くしろ」
苗木「……」
十神「検証した結果、面白いことが分かったぞ」
苗木「面白いこと?」
十神「お前が決めるランキングは、全てが人気ランキングと一致するということだ」
苗木「ぼ、ボクってそんなに平凡なんだ……」
十神「苗木、お前はただの平凡じゃない、超高校級の平凡だ」
苗木「えっと、意味がわからないんだけど……」
十神「オレはお前の能力を評価してやる」
苗木「あはは、平凡なのを評価されてもなぁ……」
十神「苗木、お前の幸運とやらは素晴らしい能力だ、何故ならばオレと出会うことが出来たのだからな」
苗木「あ、あはは……相変わらず尊大だなぁ」
十神「いつか、お前を雇うと言ったことがあったな」
苗木「うん、あったね」
十神「そうだな、5500万と言っていたな、訂正しよう」
苗木「訂正?」
十神「オレの誕生日に因んで、5億5000万出そう」
苗木「ごおくごせ……えぇっ!?」
十神「年俸5億5000万……プロ野球選手のトップがこのくらいだろうな」
苗木「ま、待ってよ十神クン、いくらなんでもそんな金額目茶苦茶過ぎるよ!」
十神「なんだ? 足りないのか、そうだな、それじゃあ――」苗木「ち、違うよ! 足りないとかじゃなくて!」
苗木「ボクみたいな、なんの取り柄もないのがいきなりそんなこと言われても……」
十神「前回は冗談だったが、今回は違う」
十神「苗木、お前はオレと共に来い、お前はオレが世界を取るのに使える人間だ」
苗木「ぼ、ボクは……」
十神「希望ヶ峰学園の奴らを集めて、そいつらと一生暮らしたくはないか?」
苗木「え?」
十神「あいつら全員集まるかは分からん、だがお前が説得すれば大体が集まるだろう」
十神「どうだ、悪い話じゃないだろう?」
苗木「……」
こうして希望ヶ峰学園78期生は十神財閥の提供の下、希望ヶ峰寄宿舎で生活するようになった。
希望ヶ峰寄宿舎と言っても、希望ヶ峰学園がそのまま含まれ、更には個々のニーズに応じた施設が追加されたものになっている。
舞園さんのボイストレーニングルームや、不二咲さんのコンピュータールーム、他にも大神さんの道場も敷地に含まれているとか。
十神クンって、本当に凄かったんだなぁ、そう思い知らされた気がする。
希望ヶ峰寄宿舎での生活は、学園生活の延長線上にあって、凄く楽しい。
学園の頃と違うのは、授業がなくなった代わりに、十神クンからこれとこれどっちが良い、だとかを聞かれるようになったことくらいかな?
それと、一つ、悩みが出来たんだけど、それは――
苗木「約10億9950万……」
苗木「一回豪遊してみたし、高いものもたくさん買ってみたけど、減る気配がない」
苗木「これから毎年預金額が増えるだろうし利息もあるし……こんな生活がずっと続いたら、一体いくらになるんだろう」
苗木「学園のみんなにプレゼントとかしてみたりもしたけど、どうしてもボクの感覚だから一万円にも満たないものばかりだし」
苗木「……こんな大金、使い道がなぁ」
苗木「ボクも、十神クンみたいにデイトレードなんかしちゃったりして!」
苗木「なんてね、ボクには無理だよなぁ」
苗木「あ、でも株主優待とかでコーラとか貰えば山田クンとか喜びそうだなぁ」
苗木「不二咲さんに、調べてもらおうかな?」
――こんな風に、お金の使い道が浮かばなくて、どうにか誰かを喜ばせられないかと考えてみている。
不二咲さんに相談したときにパソコンとか買おうかと聞いてみたら十神クンから既に支給されてるから間に合っているらしい。
みんな既に色々と整っているから、細かなもの位しかあげられないみたいだ。
学園の人以外にも目を向けたら、何か使い道が見つかるかな?
そんなことを考えながら、日々過ごしている。
とりあえずは
苗木「きっと、億万長者だし大富豪になったから」
苗木「やったよ十神クン、ボクは平凡じゃなくなったよ!」
おしまい
セレス「苗木君に借りた1億が5億になったので、2億にしてお返し致しますわ」
山田「苗木誠殿に頂いた印刷代で相当印刷出来て、全て完売しましたので印刷代と利益を返しますぞ」
葉隠「苗木っちに貰った水晶で一億稼いだから一割返すべ!」
苗木「ふ、増えても困るよ!」
不二咲「苗木君が買った株が軒並み右肩上がりですごい高くなってきてるよ!」
苗木「困るってば!」
でも苗木が平凡だっていうなら苗木が良いと思った曲は高い確率で色んな人に受け入れられるんじゃね?
>>68
???「苗木くん、聞いてください!!」
???「苗木くん、聞くよね、聞け」
なりかねないから怖い
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