ベルトルト「キマシタワー?」(109)
※キス程度の百合描写あり
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ベルトルト「……って、何?」
ライナー「知らん、なんだその言葉」
ベルトルト「さっきの対人格闘で、隣にいた組の人たちが何度か言ってた」
ライナー「俺は聞かなかったぞ」
ベルトルト「君が教官に呼ばれて離脱してた間のことだからね」
ライナー「心当たりはないのか?」
ベルトルト「僕は何も……あ、女の子同士の組ばかり見て言ってたかな」
ライナー「ならその中に好きな女でもいたんだろう。ほら、飯食いに行くぞ」
ベルトルト「……そうなのかなぁ」
―食堂
ベルトルト(アニどこだろう……いた!)パアッ
ミーナ「今日のパン、一段とパサパサしてない?」
アニ「訓練兵が贅沢言ってられないでしょ」
ミーナ「そうだけど、これは乾きすぎだよ」
ベルトルト(ミーナと食べてるんだね。最近すごく仲良くなったなぁ)チラチラ
ベルトルト(仲良くなりすぎるのは心配だけど……)チラッ
アニ「……確かにね。こんなにこぼして」パフパフ
ミーナ「わぁ、すっごいついてた。取ってくれてありがと」
アニ「胸元にパン屑くっつけた奴と一緒に歩きたくないから」
ベルトルト(アニ、意外と面倒見いいんだよね。小さいときは僕に対してお姉さんぶってて可愛かったな)チラチラ
ミーナ「アニはきれいに食べるよねぇ」
アニ「普通だよ。……おさげにもくっついてる。どんな食べ方してるのさ」スッ
ミーナ「……こうやってアニに優しくしてもらえるなら、毎日乾いたパンでもいいかも」
アニ「……バカ」
ミーナ「えへへ」
ベルトルト()ホワン
ベルトルト(あ、あれ?何、今の幸せな感じ……ずっと二人を見ていたいというか……)
ベルトルト(でもじっと見てたら気づかれるよな、うん。食事に集中しよう)
ベルトルト(……)チラッ
ライナー(いつもに増してチラ見回数が多いなこいつ)モグモグ
ライナー(どうせアニを見ているんだろう)チラ
ライナー(……ああ、成程。アニが構うミーナに嫉妬しているのか)
ライナー「ベルトルト、お前は心配しすぎだ」ハハ
ベルトルト「……いきなり何?」
――兵舎 廊下 夕方
ライナー「夕飯もあの固いパンだと思うか?体使う訓練の後ならあれでも美味く感じそうだが……」
ベルトルト「……やっぱりない」
ライナー「どうした?」
ベルトルト「ごめん、座学の教室に忘れ物しちゃったみたいだ。夕飯は先行ってて」
ライナー「分かった。あまり遅れるなよ」
一旦ここまで、続きは夜投下
今更だけどキャラ崩壊注意です CPはアニミーナとユミクリが出るはず
ベルトルト(まだ教室開いてるといいなぁ。掃除当番が帰ってたら教官室まで行かなきゃならない……そうなったら夕飯遅れそうだ)テクテク
ベルトルト(……アニたちは夕飯も一緒に食べるのかな)
(「アニに優しくしてもらえるなら……」「……バカ」)
ベルトルト(昼の二人はなんか、雰囲気が違った。友達同士じゃなくて、もっと、こう……深い仲みたいな)
ベルトルト(……ミーナ、アニのこと好きなのかな。分かりづらかったけど、アニも満更じゃない顔してたな……)
ベルトルト(……無いよね、女の子同士だし。あれくらい、ユミルとクリスタもするじゃないか。女の子には普通のことなんだ、きっと)テクテク
――教室前
「~~~~~~」
ベルトルト(人の声。よかった、まだ掃除当番が居て。鍵は開いてるな……って、あれは)
ベルトルト(アニとミーナ。当番だったんだ……)
ベルトルト(っ……変に意識するからおかしいんだよ。すぐ忘れ物取って出ちゃおう――)
手を掛けようとした扉の上部、そこに嵌ったガラスから見えた光景に彼は思わず息を呑んだ。
夕日の差す教室で、二人の少女は手をとり見つめあっている。
逆光に照らされて表情はよく読めなかったものの、シルエットの唇が動いていることから何か話しているのがわかった。
次第に動きが減り、やがて停止したそれが近づき、重なる。
友人同士のじゃれあいなどという雰囲気ではない、二人だけの空間がそこに生成される。
時間にして僅かに一秒ほどの出来事だが、青年に衝撃を与えるには十分過ぎた。
唇が離れたのを合図にしてその場にへたりこむ。
ベルトルト(……あはは、初恋がこんな終わり方するなんて思っても無かったな。割り込めないよあんなの)
ベルトルト(……アニ、ミーナとキス、してた……友達同士じゃなかったんだ。好き合ってるんだ)
ベルトルト(……でも、思ってたより辛くない。アニが他の男の人と付き合ってる夢見たときは死ぬほど落ち込んだのに。女の子同士だから?)
ベルトルト(変な感じだ。頭がフワフワする……これ以上見るのが辛いような、もっと見たいような)
ベルトルト(……これ、昼食のときも思ったな。二人をもっと見ていたいって……)
ユミル「ベルトルさん?何してんだ、そんなトコで」
ベルトルト「!」ビクッ
ユミル「ここの当番ってアニとミーナだろ。出待ちでもしてんのかぁ?」ニヤニヤ
ベルトルト「違うよ。忘れ物取りに来たんだけど、仲良さそうに話してるから入りづらくて。君こそなんでここに?」
ユミル「教官に運悪く捕まってな、あいつらが遅いから見てくるように仰せつかりまして」チラ…
ベルトルト「そうなんだ」
ユミル「……この中入りづらいってんなら、取りに行ってやろうか?何忘れたんだ」
ベルトルト「ペンだよ、黒い軸の」
ユミル「はいよ」
ガチャ バタン
ユミル「……ほら。これだろ?」
ベルトルト「ありがとう。珍しいね、君が一人なんて。いつもクリスタと一緒にいるかと思った」
ユミル「たまたま一人でいるときに捕まったんだ……私はもう行くな、愛しのクリスタが寂しがって拗ねるからよ」ニッ
ベルトルト「! ……う、うん。じゃあね」
ベルトルト(「愛しのクリスタ」……あんなことの後だから動揺したけど、ユミルはいつも言ってるじゃないか)
ベルトルト(急かされたってことは二人もすぐ出てくるだろうし、さっさと戻ってご飯食べよう)
――食堂 夜
ライナー「思ったよりかかったな。見つからなかったのか?」
ベルトルト「いや、忘れ物ならあったよ」
ライナー「そうか?……なんか元気ないぞお前」
ベルトルト「なんでもないよ」モグモグ
アニ「フゥ、やっと終わった……」
ミーナ「ちょっと怒られちゃったね」
ベルトルト「」モグモグ
ライナー(珍しくアニの方を見ないな。いつもならチラチラチラチラ見てるのに)
アニ「……時間過ぎてたの分からなかったから。迂闊だったよ」
ミーナ「……うん、夢中になりすぎてたかも。ごめんねアニ」
ベルトルト「!」ビクッ
ベルトルト(夢中になるって……あれだよな。アニと話してて、見詰め合って……)チラ
ライナー(始まった。どうしたんだこいつは)
サシャ「そんなにお喋りが弾んだんですか?ミーナはともかく、アニもなんて珍しいですねー」ヒョコ
ミーナ「! そ、そう!お喋りが楽しくって、つい。ね、アニ」アセアセ
アニ「そうだね」モグモグ
サシャ「ミーナ、急に話しかけて驚かせちゃいました?すみませんね」
ミーナ「ううん、平気だよ」
サシャ「そうですか、ならよかったです」トコトコ
コニー、ソノパンイタダケマセンカ ゼッタイヤラネー
アニ「焦りすぎだよ、あれじゃ詮索してくれって言ってるようなもの。サシャだからよかったけど」モグモグ
ミーナ「ごめん……ねえアニ、今日寝るときなんだけど……」ヒッソリ
ベルトルト(内緒話してる、本当に二人の空間だな。入り込む余地が無い)
ベルトルト(……いや、入り込む必要がないんだ。あれは彼女たち二人の世界で、誰かが入り込んだらすぐに失われる)
ベルトルト(……あれ?何考えてるんだ僕は。なんだ二人の世界って)チラッ
ミーナ「……ど、どうかな……?」
アニ「いいよ。……楽しみにしてる」ボソッ
ミーナ「!」カアァ
アニ「顔真っ赤」モグモグ
ミーナ「……アニのせいだもん」
ベルトルト()フワッ
――男子寮 部屋
ライナー「今日もよく見てたな。見すぎると好きだってのがばれるぞ」
ベルトルト「……ライナー、そのことなんだけど」ヒソヒソ
ライナー「どうした真剣な顔して」
ベルトルト「これは誰にも言わないでもらいたいんだ」
ライナー「分かった、約束しよう」
ベルトルト「……アニはミーナと恋人同士みたいだ」
ライナー「」
ライナー「ベルトルトお前、疲れてるんだよ。早めに風呂入ってゆっくりしろ」
ベルトルト「本当なんだって!見たんだ」
ライナー「そうか……好きな女をまさか女子に取られるとはな……お前もさぞショックだろう」
ベルトルト「……それがさ、はじめはショックだったけど」
ライナー「うん?」
ベルトルト「落ち着いて考えると胸がときめくんだ。なんでかは分からないけど――」キュン
ライナー「……それはあれか、二人まとめて好きになったとか、そういうのか」
ベルトルト「……は?」
ライナー「ん?」
ベルトルト「何言ってるんだライナー、あの空間に僕、いや男なんて必要ないだろ」
ライナー「……ベ、ベルトルト?」
ベルトルト「君は清らかで澄んだ湖に汚泥を投げ込んでも平気な人間なのかい?」
ライナー「汚泥って、まさかこの場合お前を指すのか?」
ベルトルト「そうだよ。彼女たち二人だけの空間は誰にも穢されるべきじゃないと思う」
ライナー(こいつ、どんなショックを受けたんだ……)
ベルトルト「ライナー聞いてる?」
投下ここまで 百合より男同士の会話のほうが多かった
投下できてなかった、>>22の次はこれが入ります
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ベルトルト(またこの幸せ感だ……間違いない、僕は彼女たちを見てこれを得ている)
ベルトルト(そして理解したよ。あの空間に僕は、いや男は入る必要がないってことを)チラリ
ベルトルト(……なんで女の子同士でいちゃいちゃしてるの見てときめいてるかは分かんないけど、それは確かだ)ウン
エレン「なあ、なんでベルトルトはずっとパン持ったままで食べようとしないんだ?」
アルミン「食事中断してから目線しか動いてないよね、ちょっと怖いよ……」
ライナー「今日のあいつは俺にも分からん……」
ベルトルトやマルコは素質あると思うんだ
ちょっとだけ投下
>>6のライナーの台詞「いつにもまして」が「いつもに」になってるけどミスタイプです
ライナー「あ、ああ、聞いてる聞いてる……じゃあお前、アニのことは諦めるのか?」
ベルトルト「うん。ミーナと幸せになってくれればそれでいい」ニコ
ライナー(……幸せになってくれ、か。アニ想いが変な方向に行っちまったんだな)
ライナー(可哀想に、自分を汚泥呼ばわりするほど追い詰められていたのか)ジー
ベルトルト(僕は彼女らを見ると幸せだけど、彼女らの幸せに僕は必要ない)
ベルトルト(見守ろう。二人の邪魔を決してしないように、遠くから空気のように)ホワホワ
ライナー「……ベルトルト、お前には休息が必要だ。風呂行くぞ」
ベルトルト「? うん」
――男風呂
キャッキャ ヤダー ウフフ
「女風呂の声だけ聞こえるって生殺しだよな……」
「どっかから見えるんじゃねーか?」
「やめとけよ、この前覗きで営倉送りになった奴いるって話だぜ」
マジカヨー マジダッテ
エレン「下らない話してんなアイツら」
ジャン「全くだ、覗きなんざ惨めにならないのかね」
エレン「へぇ……お前もまともなこと言うんだな」
ジャン「俺を何だと思ってんだテメェは!」ザバッ
アルミン「まあまあ、お風呂でくらい落ち着いてよ」
ベルトルト「ジャンの言う通りだよ。あそこは男が立ち入るべき空間じゃない、必要ないんだ」
ライナー(……「必要ない」か、傷は深いな)
マルコ(正論だけど、ベルトルト変わった言い回しするなあ?)
コニー「女子声でけーよなー」チャプチャプ
――数十分後 女子寮 部屋
クリスタ「駄目だよ、そんな乱暴に拭いちゃ。髪は女の命っていうじゃない」
ユミル「これでいいんだよ私は」
クリスタ「私がよくないの!」
ユミル「ふーん……ならクリスタが拭いてくれよ、私の命ってやつを」ニヤ
クリスタ「いいよ、タオル貸して」
ミーナ「……アニ、夕食のとき話したこと覚えてる?」
アニ「うん、忘れてないよ……寝るときでしょ?せっかちだね」クス
ミーナ「だって考えるとドキドキしちゃって」
アニ「自分で言い出したくせに」
ミーナ「うー……」
まぁたまに、男同士(BL)なのに百合くさいのとかあるよな
逆に女同士(GL)なのに薔薇くさいのもあるし
…あんま理解してくれるやついないけど
サシャ「……」
ミカサ「……」
サシャ「皆さん仲がいいですよね」
ミカサ「本当に」コクリ
サシャ「……というか恋人なんでしたっけ。言われたときは衝撃でしたけどなんだかんだ慣れましたね」
ミカサ「うん。もう大抵のことでは驚かない」
サシャ「ミカサは気になる人がいたりするんですか?」
ミカサ「エレンは心配で目が離せない、アルミンも」
サシャ「ああ……ミカサはそうですよね」
ミカサ「サシャは?」
サシャ「私も今は色気より食い気ですねー」アハハ
ミカサ「だと思った」
イチャイチャ キャッキャ
ミカサ「……あと十分」チラ
サシャ「……消灯ですか、声かけづらいです」
ここまで
>>29 黒髪で真面目そうな雰囲気がそう見せるんですかね
素晴らしい
ミカサシャはどうなんだこれ
――十分後
サシャ「あの、皆さん。そろそろ灯り消してもよろしいですか?」
クリスタ「うん、お願い。おやすみなさい」
サシャ「はい。また明日」
フッ
アニ「……まだ?」
ミーナ「ちょっと待って、深呼吸……よし、来て」
アニ「はい」ギュ
ミーナ「……あったかい」
アニ「変わり者だね、抱き枕になりたいなんて。普通逆じゃない?」
ミーナ「これでいいの」
ユミル(…………例の事、明日探ってみるか……)
クリスタ「むぅ……ユミル、考え事に熱中しすぎだよ。こっち見て」
ユミル「ああ、ごめんよ私のクリスタ。ちゃんと傍にいるから安心しろ」
クリスタ「ふふ、私もユミルの傍にいる」
サシャ(まだいちゃいちゃしとるんかい……寝よ)ポフ
ミカサ(……zzz……)
――同時刻 男子寮
マルコ「皆いいかい、消灯するよ」
フッ…
ベルトルト(……よく考えたら)バフ
ベルトルト(女の子同士がいちゃついてるのをただ見るのが好きです、なんてどうしようもなく変態っぽくないか?)
ベルトルト(絶対賛同できないけど、ライナーが言ったみたいに間に入りたいって思うのが普通なんじゃ)
ベルトルト(でも無理。性的な対象にしたくないんだよ。ただただ見ていたいだけで)
ベルトルト(あー、夜は駄目だな。色々考え込みすぎる……)ムー
ツンツン
アルミン「ベルトルト、ベルトルト。顔上げて」ツンツン
ベルトルト「どうしたの、アルミン?」ムク
アルミン「枕うつぶせで使うと窒息しちゃうよ。仰向けで寝たほうがいい」
ベルトルト「ありがとう、おやすみなさい」クル
アルミン「おやすみー」
ベルトルト(……そうだ、アルミンなら何か知ってるかも)チラ
アルミン「」スヤスヤ
ベルトルト(いや、さすがに相談できないだろ。こんないい子に変態的な話なんて……)
ベルトルト(……どうしようかな……)グルン
――翌日 夕食後自由時間 図書室
ベルトルト(人に頼れないとなると、やっぱりここだろうな。どの棚探せばいいんだろ?)
ガラッ
ユミル「……」
ベルトルト(ユミル。図書室とか来るタイプだったんだ……)
ユミル「」スタスタ
ベルトルト(!? 何で近づいてくるの!?)
ユミル「ベルトルさん、今いい?」
ベルトルト「な、何か用?」ビクビク
ユミル「なんか悩んでるみたいだから、相談にのってやろうかなって」ニコッ
ベルトルト「悩み?ごめんね、そんな風に見えたかな。でも大丈夫……」
ユミル「昨日の今頃、座学教室」ボソッ
ベルトルト「」ギクッ
ユミル「単刀直入に言う、あそこで何を見た?」
ベルトルト「……何のことかな」
ユミル「あの教室の中にあんたは何を見たのか聞いてる」
ベルトルト「……忘れ物を取ってきてくれたことには感謝してるけど、答える義理は」
ユミル「なら質問を変えよう。昨日キスしてたのは誰だった?それを見てどう思った?」
ベルトルト「君がそれを知りたがる訳は?」
ユミル「質問に対して質問で答えるのはよくないなぁ」
ベルトルト(……逃げられそうにないか。適当に嘘を混ぜた話で納得させよう)
ベルトルト「昨日は……」
――二十分後
ユミル「それで、あんたは好きだった女を女に持ってかれて何かに目覚めたと」
ベルトルト(け、結局ほとんど吐いちゃったよ……ユミルの誘導尋問上手すぎて怖い。本当に17歳?)
ベルトルト「」ハッ
ベルトルト「……ユミル、一つお願いがあるんだけど」
ユミル「お願い?」
ベルトルト「これを知ったからって彼女たちのことをバカにしたり、噂を広めたりしないでほしい。僕のせいで辛い思いをさせるのは嫌だ」
ユミル「……それなら心配いらねえよ。私もクリスタと付き合ってるから、同じ穴の狢だ」
ベルトルト「君も?じゃれあいでやってると思ってたんだけど、本気だったんだ」
ユミル「傷つくな、私は本気でクリスタを愛してるぞ?」
ベルトルト「ごめん……じゃあ僕のことを軽蔑しただろう?君たちみたいな女の子を見てるのが好きなんて
ユミル「いや別に」
ベルトルト「えっ」
ユミル「あんたのそれは百合好きだよ、たまにいる性癖だから心配しなくていい」
ベルトルト「百合?」
ユミル「……マジで何も知らないのか。女同士の恋愛を百合って呼ぶんだ」
ベルトルト「そうなんだ、綺麗な名前だね」
ユミル「いくつか考え方の違いはあるけど……例えば、あいつらのことズリネタにはするのか?」
ベルトルト「ズッ……!? ……女の子がそういうこと言うべきじゃないと思うな」
ユミル「解決のために答えろよ。どうなんだって訊いてるだろ」
ベルトルト「……しないよ。あの世界を穢したくない、さっきも言ったけど僕の存在だって認識されたくないんだ」
ユミル「ああ、一番安全でめんどくさいタイプか。二人だけの世界を見ていたいっていうの」
ベルトルト「……僕の質問にも答えてくれ。君があんなに知りたがった訳は?」
ユミル「あんたがロクでもない奴だった場合に、同室の秘密を守るため……ってのがキレイごとだな」
ユミル「私個人としては同好の士っぽかったから、聞いてみようと思っただけだ」
ベルトルト「同好?……君は女の子が好きで、百合も好きってこと?それだけ?」
ユミル「ああ」
ベルトルト「よかった、僕はてっきり脅迫とか恐ろしい目に遭うかと……」フー
ユミル「ベルトルさんの中の私はどんな奴だよ」アハハ
ガラッ
クリスタ「……ユミル」
投下ここまで
>>43 ミカサシャはこんな感じでゆるいテンションのお友達です
ユミル「……クリスタ」
クリスタ「もう、探したんだから。お風呂の時間だよ?戻らなきゃ」ニコ
ユミル「ごめんな、もうちょっと待っててくれるか?あとほーんの少しで済むから」
クリスタ「……やっぱり、男の子の方が好き?」
ユミル「へ?」
クリスタ「私が一緒がいたいって困らせるから、仕方なく付き合ってくれてるの?」
ユミル「おい、何言い出すんだ」
ベルトルト「クリスタ、僕はユミルとそんな関係じゃないよ? 君たちの間に入ろうなんて思ってないから安心して」アセ
クリスタ「……」ジイ
ベルトルト(男側に言われても信用できない、って顔だな。どうやって誤解を解こう……)アセアセ
ユミル「」スクッ
ベルトルト(あ)
すいません>>59-60こっちに差し替えで
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ユミル「……クリスタ」
クリスタ「もう、探したんだから。お風呂の時間だよ?戻らなきゃ」ニコ
ユミル「ごめんな、もうちょっと待っててくれるか?あとほーんの少しで済むから」
クリスタ「……やっぱり、男の子の方が好き?」
ユミル「へ?」
クリスタ「私が一緒にいたいって困らせるから、仕方なく付き合ってくれてるの?」
ユミル「おい、何言い出すんだ」
ベルトルト「クリスタ、僕はユミルとそんな関係じゃないよ? 君たちの間に入ろうなんて思ってないから安心して」アセ
クリスタ「…………」ジイ
ベルトルト(男側に言われても信用できない、って顔だな。どうやって誤解を解こう……)アセアセ
ユミル「」スクッ
ベルトルト(あ)
ユミル「クリスタ」
クリスタ「……」
ユミル「私はお前にしか恋はしない、っていつも言ってるだろ?」ナデナデ
クリスタ「知ってる……でも不安になっちゃうよ、ユミルのこと大好きだもん」
クリスタ「いつも不安なの、ユミルが私なんかよりずっといい人に取られちゃうかもしれないって」
クリスタ「そんなこと考えて嫌な子だって思ってるけど、誰にも取られたくない。傍にいてほしい」
クリスタ「っ、だからっ……」ポロポロ
ユミル「クリスタ」ズイ
クリスタ「」ピクッ
ユミル「不安にさせて悪かったな」ギュッ
クリスタ「……ううん、私が悪いの……わがまま言ってごめんなさい」
ユミル「お前が私に謝ることなんてないだろ。好きで仕方ないからやきもち妬いたんだもんな?」
クリスタ「……そうだよ」ギュッ
クリスタ「」ギュー
ユミル「よしよし」ナデナデ
ベルトルト(うんうん、仲直りできてよかったね。仲良しが一番だよ)ホワホワ
ベルトルト(……間男疑惑がかかった割に僕空気だな)
ベルトルト(…………)チラ
ベルトルト(恋人に裏切られたと錯覚した少女は大粒の涙を澪した。
瞬間、ユミルが普段見せている人を喰った態度は鳴りを潜め、真摯にその腕へと愛しい女の子を納める。
数個の言葉を交わした後にクリスタも華奢な腕で抱き返し、涙を見られまいとするかのように恋人の胸へと顔を寄せた。
柔らかくも確かなその抱擁は彼女らの愛の形そのものを顕すようで「ベルトルさん」
ベルトルト「はい!」
ベルトルト(……百合小説が勝手に生成されてた、何だこの現象)
クリスタ(……何で敬語?)キョトン
ユミル「これ貸してやるから読め、いまのあんたが必要としてるものだ」
ベルトルト「本?ありがとう」
ユミル「じゃあ私たちは寮帰るから」
クリスタ「じゃあね……ベルトルト、ごめんね。誤解して怒ったりして」
ベルトルト「大丈夫、気にしてないよ。君たちが仲直りできてよかった」ニコ
クリスタ「うん、ありがとう。また明日」
ガチャ パタン
ベルトルト(手繋いで帰ってた)ホンワリ
ベルトルト「何だろこの本。二冊あるけど」ペラ
ベルトルト(一冊目は百合小説みたいだ。「ウォール・マリア様がみてる」……陥落前に書かれたものだろうか)
ベルトルト(町娘ローゼと内地貴族の令嬢シーナの密やかな交流……壁の名前そのまま使って、よく発禁にならなかったな)
ベルトルト(二冊目は近代文学史?この、栞の挟まったページを読めってこと?)
ベルトルト「……とりあえず帰ってお風呂入ろうかな、上がってからゆっくり読もう」
――廊下
クリスタ「あっ!」
ユミル「どうした?」
クリスタ「図書室で抱き合ったの、ベルトルトに見られてたよね?どうしよう……」カアァ
ユミル「いいじゃないか、私のことがどれだけ好きか見せ付けてやったと思えば」ニヤニヤ
クリスタ「も、もう、ユミルのバカ!」
ユミル「そのバカが大好きなのはクリスタだろ?」
クリスタ「~~~~ばかっ!」カァッ
ユミル「ハハ、風呂入る前からのぼせたみたいになってるぞ」
今日の分はここまで
何この幸せ空間
――女子寮 部屋
ミカサ「……ふー」
サシャ「サッパリしましたね、お風呂はいいものです!」
ミカサ「うん、訓練の後は格別」
ガチャ イチャイチャ
サシャ「……女子同士で恋人になっているの、男子たちは知っているんでしょうか」ストン
ミカサ「どうだろう、エレンは知らないと思うけど」ストン
サシャ「エレンは知らないでしょうね、興味もなさそうです」
ミカサ「……同性愛というのは」
サシャ「はい?」
ミカサ「閉じた空間に同年代で集まって、異性との接触が少ない暮らしをしてると発生しやすいと聞いたことがある」
サシャ「へー、まさにココですね。異性とはちょくちょく会ってますけど」
ミカサ「そう、だから私は心配。エレンとアルミンが万が一男に取られてしまったら……」グッ…
サシャ「それは大丈夫ですよ、ミカサがついてるんですから。……あ、男同士といえば」
ミカサ「うん」
サシャ「ライナーとベルトルトができてるんじゃないかって噂、一時期ありましたよね」
ミカサ「そうなの、初耳……でもベルトルトはアニの方ばかりチラチラ見ている」
サシャ「あれ、アニ本人は気づいてないようですけどね」
ミカサ「たとえ気づいても、アニはミーナと恋人同士だから……叶わぬ恋」フゥ
サシャ「クリスタのこと好きな男子もそうですね、叶わぬ恋です」フーッ
――同時刻 男子寮 部屋
ベルトルト(お風呂あがったし、ユミルに借りた本読むか……まずは量の少ない文学史から)ペラ
ベルトルト(えっと、栞のページ……「少女小説」?)
『……百合文化は貴族の子女向けに書かれた少女小説に端を発し、時代が下ると共にその裾野を広げてきた』
『とりわけその裾野を広げたのが「ウォール・マリア様がみてる」であり、少女文化であった百合に男性の愛好家を爆発的に増やした』
ベルトルト(ああ、小説のほうはそれで貸してくれたのかな)ペラ
『…………最後に愛好家諸君に言っておきたいことがある、現実の少女に百合を感じたとしても心に秘めておけ』
『決して本人たちの前で声に出して「百合!」「キマシタワー」などと騒ぎ立ててはならない、百合は密やかに愛でるべきものである。 終』
ベルトルト(それは分かるし賛同するけど、この本文学史って割りには私情入れすぎだろ)パタム
ベルトルト(……あと「キマシタワー」って結局何?)
一旦ここまで 次からはアニミーナのターン
>>70 ユミクリは愛を深め、ベルトルトは百合萌えできる誰も損しない空間です
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