小萌先生「アカギちゃん、補習です」(526)
立てば書く
上条「ああ……また補習かよ……しかも『すけすけ見る見る』だなんて、いつ帰れるんだ……」
上条「このままじゃまた夕飯に遅れてインポッシブルに噛みつかれる……」
※すけ見る…目隠しポーカー、10連勝できるまで帰れない
アカギ「死ねば助かるのに」
上条「えっ」
上条「アンタ、誰だ? うちの学校の生徒じゃ……」
アカギ「赤木。赤木しげる」
上条「……高校生、か?」
アカギ「13」
上条「見えねえな……」
上条「アンタ、透視できるのか?」
アカギ「いや、全然」
上条「じゃあどうして、すけ見るを分かったようなことを……」
アカギ「気配」
上条「えっ」
アカギ「気配が死んでいた……。ただ帰りたいという欲に囚われて、勝つことが見えていない。あんたはただ、怯えている」
――このとき、上条にある予感
上条「頼む、俺の代わりに補習を受けてくれないか」
上条「感じるんだ、お前から。俺を家に帰してくれる実力、計り知れない容量……っ!」
アカギ、これを承諾……ッ!
小萌先生「あらら上条ちゃん? 補習に助っ人ですか? ずるいですよ~?」
上条「何とでも言ってください。今日こそは、5時前に帰ります」
補習が行われる生徒指導室……っ!
目の前に置かれた一つの長机、立ちはだかるロリ教師……っ!
アカギ「ククク……要はこいつからむしればいいんでしょう、上条さん……」
上条「ああ、頼んだぞアカギ。勝てば小萌先生がふぐ刺しを奢ってくれる」
アカギ「フフ……これは楽しめそうだ……」
小萌「勝手に私の財布から報酬をねじり出さないでほしいのです、上条ちゃん」
このとき、アカギは1分前に上条からすけ見るのルールを教わっただけで、役など一切知らない
ど素人以前の状態であったという
小萌「不公平、だとは思いませんか? アカギちゃん」
アカギ「?」
小萌「これで私が負ければふぐ刺し、アカギちゃんが負ければ上条ちゃんが居残りです」
小萌「あなただけ何のリスクもない……」
アカギ「何が、言いたい?」
小萌「補習一カ月です……っ!」
ざわ……
小萌「あなたがうちの学校の生徒じゃないことはお見通しです……っ! しかしそんなことは関係ない……っ! 学生にとって宝ともいうべき自由時間……っ! それをごっそりいただきます……っ! よろしいですね……っ!」
アカギ「フフ……同じならいい」
小萌「同じ?」
アカギ「ふぐ刺しなどいらない。俺が勝った時、あんたが1カ月サービス残業に応じるなら、それでいい」
小萌「く……っ!」
上条(やはりこいつできる……っ! すけ見る前にプレッシャーをかけて透視能力と勘を鈍らせる小萌先生の常套手段を、あっさり撥ね退けやがった……っ!)
アカギ「さ、始めましょうか。小萌先生」
小萌「ぐぐ……」
小萌から差し出されるアイマスク……っ!
アカギの視界を覆い隠す、巨大な黒……っ! 暗闇……っ!
この状態でのポーカーなど、通常の神経では考えられない……っ!
狂気の沙汰……っ!
構成を期すべく、トランプのシャッフルは上条
イカサマがないよう、小萌の目が光る……っ!
上条(俺にはイカサマをできるほどのテクもない……っ! 頼むぞ……っ! アカギ……っ!)
チェンジは1回
極めてオーソドックスなポーカーである
アカギに5枚、小萌に5枚。手札が配られる――
上条(麻雀なら盲牌で手牌までは分かる……っ! しかしこれはポーカー……っ! チェンジの枚数すら、普通では決められない……っ!)
アカギにアイマスクが授けられているがゆえの必然。小萌は余裕のばかりに手札を机に広げている
それは、上条の動揺を誘うものでもあった……っ!
上条(いきなりキング3枚にクイーン2枚のフルハウス形……っ!? なんて豪運……っ!)
小萌「ノーチェンジ、なのです」
アカギ「クク……」
上条(アカギの手は……)
覗き込む上条……そして、絶望……っ!
上条(ワンペアすらできていない……っ!)
アカギ「3枚チェンジだ……っ!」
アカギ、平凡な3枚チェンジ……っ!
上条(ワンペアはできていると踏んで、そこからスリーカード……あわよくばフルハウス狙いなんだろうが、残した2枚はバラバラ……っ!)
上条(だめだ……っ! やはり駄目……っ! 勝てるはずがない……っ! またインセクター羽賀に頭をガジられる……っ!)
ボロ……ボロ……
上条……っ! 涙……っ!
アカギが切ったのは、すべてスペードの 1 7 9……っ!
残されたのは、ハートの1と、クラブの3……っ!
上条(唯一の目だったフラッシュも消えた……っ!一敗目は確定的……っ!)
しかし次の瞬間、上条は目を疑う――
アカギがひきこんだ3枚
2 4 5 ……っ!
ストレート……っ!
上条(こいつ……この臭いを嗅ぎつけていたのか……? しかし、小萌先生の手はフルハウス……)
小萌、アカギに手が入ったことを察知
教師歴○×年、磨きに磨かれたポーカーの腕は、並みの博徒とは比べ物にならない
小萌(アカギちゃんにも大物手がはいったようですね……でも、キング・クイーンのフルハウスには勝てませんよ……?)
アカギ「クク……手ができたかどうかは分からねえが、これでどうだ?」
上条「くっ……!」
小萌「アカギちゃんはストレート……、よくできましたとほめてあげたいところですが……っ!」
小萌「フルハウスです……っ!」
アカギ、痛恨の一敗目……っ!
アカギ「あらら……」
上条「くっ……! アカギ、ここはやはり俺が……」
アカギ「何言ってんの、上条さん。勝負はここからでしょう」
上条「し、しかし」
小萌「そうですよ。途中で打ち手がかわって、どうするんですか……っ?」
アカギ「そうこなくちゃ。話がわかるぜ、ロリ先生」
小萌(しかし……このアカギちゃん、侮れない……っ!)
小萌(あのゴミ手からストレートを仕上げる嗅覚……っ! 引き……っ!)
小萌(まぎれもなく天性の博徒……っ!)
小萌(油断していると、危ないかもしれませんね……っ!)
二回戦目――
小萌(何の変哲もないワンペアですか……、そう上手くはいきませんね……っ!)
小萌(ここは普通に3枚チェンジを狙うところですが、相手はアカギちゃん……)
小萌「5枚チェンジです……っ!」
ざわ……
上条(馬鹿な……っ! 定石の3枚チェンジを破って、5枚……っ!? 理解不能……理解不能……)
アカギ「フフ……なるほどね……」
小萌が引いてきた手はブタ……っ! 最悪……っ! 底辺の配牌(札)……っ!
小萌「フフ……『オリ』を宣言します……っ! アカギちゃん……っ!」
上条「な、そんな手を……っ!」
※オリ……すけ見るにおける特殊ルール。通常のオリとは違い、連勝中の側のみが宣告できる
手札を晒し、引き分け以下だった場合、その勝負をノーゲームとできる。連続宣言は2度まで
小萌(この試合、あなたがどんな手を晒してもノーゲームは確定しているのですよ、アカギちゃん……っ!)
アカギ「フフ……安全を追った考えか……」
アカギ「凡夫、か」
狙いを察知したアカギ、ノーチェンジで手を晒す。
ワンペア……っ!
ノーゲーム……っ!
※『オリ』補則……オリたものの相手の手が自分より低かった場合、相手の勝利となる
三戦目……っ!
上条(相変わらずアカギに流れはない……っ! ワンペアすらない、ブタのゴミ手……っ!)
上条(勝利側(俗称:親)ならオリ宣言が有効だが、その権利は今、小萌先生……っ!)
上条(ダメだ……っ!)
小萌(ふふ~ん、今度はいい手が入りましたよ~)
小萌の手、ハートのフラッシュ……っ! イーシャンテン……っ!
小萌「一枚チェンジですっ!」
叩き出されるスペードの2……っ!
上条(頼む、ハートを引かないでくれえ……っ!)
しかし、不幸に好かれた上条の祈りは……無為に終わる……っ!
ハートのエース……!
上条、戦慄……っ!
ぐにゃあ……
一方(能力でパチンコの動きを操作すれば・・・!簡単に当たるだろぉ・・・!)
だが・・・「沼」・・・微動だにせず・・・・・・!
一方(どうなってやがる・・・?なんで・・・?なんで・・・?)
一条「お客様・・・どうなされましたか・・・?
一方「あァ・・・?おい・・・!どういうことだ・・・!これ・・・!」
一条「ああ・・・これですか・・・フフ・・・イカサマ防止のため・・・能力を打ち消すような作りになっております・・・
それが・・・ なにか・・・・・・?」
一方ぐにゃ~
思いつきでたてたのになんか長丁場になりそうでワロチ
アカギ「あらら…一発で入っちゃったよ」
一条「ちょ」
そしてアカギ……っ!
ハート467
ダイヤ K Q
上条(狙えるのは、またもストレート……っ!)
上条(しかし、ストレートではフラッシュに勝てない……っ!)
上条(フラッシュにせよ、絵札を中心に抱えた小萌先生のハートフラッシュには勝てない……っ!)
上条(8は使われているから……ハートの5と3を引きこんでのストレートフラッシュ……これしか勝ち目はない……っ!)
紙のように薄い確率……っ!
小萌(がぜん、面白くなってきましたね……)
生徒の前ということも忘れ、懐から取り出したタバコに火をつける小萌……っ!
狩人の表情……っ!
小萌(むしる……っ! 格の違いを見せてやるのです……っ!)
アカギ「上条さん」
上条「な、なんだアカギ」
アカギ「2枚チェンジ」
差し出される2枚の札。ダイヤの2枚……っ!
上条(ストレートフラッシュを狙うつもりなのかアカギ……っ? いくらなんでも、それは……っ!)
アカギ手札見えてないのにストレートフラッシュ狙うもくそもないんじゃ…
アカギに手渡される2枚のカード……っ! 一枚目は……っ!
ハートの5……っ!
上条(ここでこのカンチャンを埋めてくる……得体の知れない才気……やはりこいつ……)
上条(しかし、2枚目は……っ!)
天才といえど、実らず……っ!
スペードのクイーン……ッ! とどのつまり、アカギのこの手……っ! ブタ……っ!
ストレートフラッシュの眼前まで上り詰めた手が……無力……っ!
虫けら同然……っ! クズ手……っ!
上条(だめだ……)
ボロ…ボロ…
>>69
アカギさんがアイマスクくらいで封じ切れると思ってんの?
ぼろ……ぼろ……
アカギ「フフ……小萌先生、タバコを一本、もらえませんか?」
差し出されるアカギの右手……っ!
かすかにこわばる小萌の表情……っ!
小萌「博徒としては受けてあげたいところですが……教師として、アカギちゃんのためを思って断らせてもらうのです……っ!」
アカギ「へえ……じゃあ上条さん、タバコ持ってませんか?」
上条「え……っ? 俺はそんなもの……っ!」
アカギ「あらら……残念だ」
小萌「いいから手札をオープンするのです」
ざわ・・・・・ざわ・・・・
インデックス「学校から流れてくる異様なまでの魔力は一体・・・・・」
アカギ「クク……何ができてるかは分からねえが……」
アカギ「オープンだ……っ!」
一枚ずつ、机に並べられていくアカギの手札……っ!
ハートの4 5 6 7 ……っ!
最後の一枚……っ!
上条(ダメだ……っ! ラス札はスペードのクイーン……っ! ブタで終了……っ!)
掲げるラス札の側面、絵札特有の派手な模様が見える……っ!
上条(ああ……っ! クイーン……っ!)
しかし、場は凍りつく――
机に舞い降りた一枚は、ピエロ……っ! 踊る道化師……っ!
オールマイティのジョーカー……っ!
インデックス「次は殺気!?、一体何が起きてるの?」
小萌「ストレートフラッシュ!? ありえないのです!」
アカギ「へえ……? そんな役ができてたなんて、驚きだな……」
アカギ、一勝……っ!
しかし……っ!
上条(なぜ? あのピエロは……ジョーカーはどこから来たんだ……!?)
上条、混乱――
疑問の答えは、アカギの背後にあった……っ!
トランプの空き箱……っ! そこに入っていた、予備のジョーカーが消えている……っ!
考えもなしに上条が置いていたそれを、アカギは見破っていた……っ!
上条(こいつ……っ! なんて大胆なことを……っ!)
しかし、新たな疑問。
小萌ほどの博徒の目を、いかにしてアカギは破ったのか。
小萌(やってくれましたね……アカギちゃん……捨て札拾いに見せかけてのすり替え……)
そう、アカギがタバコを求めた時。小萌もイカサマに神経を張り巡らせていたのだ
しかしそれはジョーカーではなく、卓上の捨て札に対してであった……っ!
タバコに伸ばした手を捨て札の上で止めることにより、小萌の視線を釘付けにする……っ!
悪鬼の戦術……っ!
上条(あれ、消えた札はそういえばどこに……あ)
上条にタバコを要求した時の手……っ! それが、最後に触れた場所……っ!
卓下……っ!
上条、スペードのクイーンを回収……っ!
もしこの後、ジョーカー2枚が発覚しても……っ! それは単なるミスとしてすまされる……っ!
とどのつまり……バレなければ、証拠がなければイカサマでないのだ……っ!
小萌(フフ……私相手にサマを使ってくるとは、上等なのですよ。アカギちゃん)
アカギ「これで俺が親。フフ……、悪いが、一気にいかせてもらうぜ」
四回戦目……っ!
>>33
ワンペア出来てるじゃねぇか
>>104
マジだ、まあ気にすんな
上条(流れは……)
アカギの手、淀みのないスリーカード……っ!
上条(来ている……っ!)
流れを物にしたアカギはひるまない。決して手を曲げることなく、順当な2枚チェンジ。
親権を盾にし、小萌にオリすらさせない。
アイマスクをしていることなど微塵も感じさせない強さ。
アカギ「さて、これでどうだ?」
フォーカード……ラス札を引きこんだ、鬼の一手……っ!
対する小萌は、凡手……っ!
通常の人間は、流れに乗っても案外にそれを生かせない。
しかし、ことアカギに限ってそれはない。
流れに身を任せ、五・六・七回戦と快勝を続ける――
上条(やった……っ! これで今日は帰れる……っ! トキハインダストリーの歯から逃れられる……っ!)
小萌(上条ちゃんのあの緩んだ顔……っ! 気に入りません……っ!)
小萌(忘れていませんか……っ? これはあくまで『10連勝』を競う勝負なんですよ……っ?)
小萌(たとえ9連勝しようが、最後で負ければ無為……っ! それが……っ!)
すけすけ見る見る……っ!
小萌(ベテランの技、見せてあげるのですよ……っ!)
アカギには弱点がある……っ!
アイマスクをしているという事実……っ! 手札への感性がいくら優れていようとも、盲目に違いはない……っ!
イカサマへの対処は、当然のごとく……ゼロ……っ!
小萌(マークすべきは上条ちゃんの目のみ……節穴どうぜんなのです……っ!)
今、小萌が仕掛けようとしているイカサマ。それは、オールチェンジ。
5枚チェンジなどという生易しいものではない……っ!
自分の手札をすべて入れ替えるという、ポーカーにおける最強のイカサマ……っ!強力無比……っ!
小萌の取り出したタバコケース……っ! 二重構造、上条の死角……っ!
取り出した5枚……っ!
ロイヤルストレートフラッシュ……ッ!
小萌(このサマの危ないところは……相手が同じカードを持っていた時に発覚の危険性があるということ……っ!)
小萌(しかし……っ!)
上条が机の中心に5枚ずつカードを置く。アカギよりもさきに、音もなく小萌が手を伸ばす
自らの手札をとるように見えた手はわずかに前方へ滑り、しかし何の違和もなく手札を取り終える
小萌(アカギちゃん……受け取るのです……っ!)
小萌(私からの贈り物です……っ!)
アカギの手札……っ! それは……っ!
ロイヤルストレートフラッシュ……ッ!
この時小萌の手札……っ! アカギ・小萌がもともと貰うはずだった10枚を抱えている……っ!
しかし、立会人は白痴の上条……っ! 素早く回収し、卓下に5枚を隠せば何ら問題ない……っ!
小萌(さあ……っ? どうしますか……っ?)
アカギ「……」
アカギもこの手札の強力さは感じているはず。そして同時に、不信感を……っ!
小萌(私には……アカギちゃんがオリに回ろうと攻めに回ろうと、刺せる準備があるのです)
アカギに渡したのはダイヤのロイヤルストレートフラッシュ……っ!
そしてもう一組……っ!
小萌が隠し持つのは……っ!
格上……っ! スペードのロイヤルストレートフラッシュ……ッ!
ダイヤでロイヤルストレートフラッシュだと・・・
アカギがオリれば本来の手札を、勝負に来ればサマの手札を。
どちらに回ろうと刺せる……っ! 必殺の配置……っ!
小萌(まあ、もっとも)
小萌(ここまで乗ってきたいい流れ……っ! 断つのは容易くない……っ! 十中八九、オリない。勝負にくる……っ!)
小萌はスペードのロイヤルを構える。
アカギは勝負に来る、そう確信している……っ!
>>123
種類を問わないルールもあるんだよ
>>126
ロイヤルはスペードしか認めないってルールもある
上条(アカギの手……っ! なんて手だ……っ! しかし……)
上条(小萌先生がまだ手札を伏せたまま……っ! なぜ……っ!)
小萌(フフ……私の手札を見た上条ちゃんの反応がないのも、とっくにアカギちゃんなら気付いているでしょう……っ!)
小萌(もっと疑うのです……っ! そして私の手札に刺され……っ! 流れを失うのです……っ!)
小萌(毒水に溺れ……っ! 疑心暗鬼に陥り……っ! 敗北……っ!)
アカギ「ふう……参ったな」
書いててふと思ったんだけどこれ禁書である必要まったくないね
勝負に来る、そう思っていた小萌……っ! 半分までロイヤルに手をかけたその時……っ!
アカギ「オリだ」
アカギが手札を伏せたまま宣言する
上条(なっ……馬鹿な! ロイヤルストレートフラッシュだぞ! アカギ……っ! これでオリなんて……っ! もはや負けは確定……っ! 今までの連勝が……っ! 水泡……っ!)
ボロ……ボロ……
小萌(へえ……この流れを敢えて捨てますか、アカギちゃん)
小萌(その感性、ほめてあげましょう。ですが、かといって容赦はしないのです……っ!)
ロイヤルストレートフラッシュから手を引く小萌……っ!
小萌(アカギちゃんの手札はダイヤのロイヤルストレートフラッシュ……)
小萌(私の手札にダイヤ、かつロイヤルの構成札があれば、最悪無効を宣言されかねません……っ!)
小萌(私の元来の手札、アカギちゃんの元来の手札。これを探って、それらを含まない下等役を作ればいいだけの話……っ!)
小萌(見張りはアホの上条ちゃん……っ! 話にならぬ……っ!)
しかし、小萌に電流走る――
小萌(ちょっと待ってください……っ! なぜ、アカギちゃんはチェンジをしなかったのですか……?)
小萌(普通に考えれば、単純明快……っ! 見えていないから……っ!)
小萌(ですが、ここまできたアカギちゃんに限ってそれはない……っ! 当然、手札の怪しさも感じ取っているはず……っ!)
小萌(それなのに、敢えて手札をチェンジしなかった……っ?)
アカギ「ククク……どうしたんだい、先生」
小萌(考えられる可能性……っ! ロイヤルストレートフラッシュに何か別の札を仕込み、ブタにした……っ!)
小萌(もしくはもう一つ……っ!)
小萌(深読みした私がスペードのロイヤルストレートフラッシュで勝負し、自爆すること……っ!)
小萌(アカギちゃん、なんて真似を……っ!)
一転、追いつめられる小萌……っ!
小萌(普通に考えて、遥かに有力なのは、ブタにすること……っ!)
小萌(間違っても死なない……っ! 連勝確保……っ! 万全の保険……っ!)
小萌(ロイヤルにしても、悪戯に危険を増やすだけ……っ! 私がスペードのロイヤルを出さなければ、死……っ!)
この勝負、小萌にとってはひどく簡単なことのように思える。
とりあえず、何を出しても負けはしないのだ。連勝を増やすことにはならない、足止めとしては理想的……っ!
しかし、それはあくまで数字上のこと。
アカギ、小萌、両者ともに感じている。ここが勝負の分岐点だということを。
互いに顔を水に浸している……っ! ここでアカギが凌ぐか……っ! 小萌が刺すか……っ!
負けた方が、顔を上げざるを得ない……っ!
そして、勝負から逃げ出した者に……っ! 勝ち目は……っ! 勝利の女神は……っ! 微笑まない……っ!
小萌、10枚の手札を開く……っ!
至って普通……っ! スリーカードと……っ! ワンペア……っ!
小萌(考えるのです……アカギちゃんがどちらの選択をしたか……)
小萌(普通ならばどう考えてもブタ……っ! ですが……アカギちゃんなら……っ!)
やりかねない……っ!
熟考の末、小萌はついに5枚の手札を開く……っ!
上条「なっ……!」
ロイヤルストレートフラッシュ……ッ! スペード……ッ! アカギの格上……っ!
小萌(アカギちゃんの考えは読めています……っ!)
小萌(ブタでやりすごしたところで、勝負の波を変えるような事態にはならない……っ!)
小萌(ダイヤのストレートフラッシュでやりすごしてこそ、勝利を奪える……っ!)
小萌(ですが、それはあまりにリスクが大きい……っ!)
小萌(だから、万全の策で来るはずなのですよ……っ!)
小萌(私がスペードのロイヤルを出す……っ! ここまではアカギちゃんの予想通り……っ!)
小萌(そしてこの時点で、何がどう転ぼうと私がアカギちゃんを刺す可能性はなくなりました……っ!)
小萌(ブタとダイヤのロイヤル、どちらを出そうが、ノーゲームは確定です……)
小萌(ここまでは、アカギちゃんの計略に乗っかってあげた形……っ!)
小萌(私の狙いは……アカギちゃんに『ブタ』でやりすごさせること……っ! 流れを曲げ、妥協策で場をつぶすこと……っ!)
小萌(潮は引かざるを得ない……っ! 私に流れが来る……っ!)
小萌(そして、アカギちゃんの手は読み切っています……っ!)
アカギ「それじゃ、俺の手も開けるぜ」
小萌「待ってください。アカギちゃん」
アカギ「……?」
小萌「上条ちゃんが開けてもらえますか?」
小萌(あの場で最初からロイヤルを出すのは、リスクが大きすぎる……っ!)
小萌(私が手札を晒したあと、有無を言わせず開いてしまえばそれまでですから……っ!)
小萌(アカギちゃんの狙いは、『ブタ』を出しつつも、私の手札次第で伏せ札を入れ替えること……っ!)
小萌(つまり、今のアカギちゃんは、ロイヤルの構成札を一枚抱えている状態……っ!)
小萌(それを場に戻させは……しないのです……っ!)
アカギ「フフ……どうしてですか、先生」
小萌「アカギちゃんが警戒に値する生徒だと認めたということなのですよ……っ!」
アカギ「ククク……そういうことか」
上条「えーっと、何かよくわかんないけど、俺が開ければいいんだな?」
小萌(アカギちゃん……大人気ないと思うかもしれませんが、これが教師というものなのですよ……っ!)
小萌(思春期に増長しがちなガキどもの鼻っ柱を一度叩き折って、その後また大きく伸ばすのが教師の仕事なのです……っ!)
小萌(楽しかったですが、これで終わりなのです……っ!)
上条がカードをめくっていく。
現れるのは、ダイヤのロイヤルストレートの構成札。
10 J Q K
残るは一枚……っ!
小萌(エースはアカギちゃんの手の中……っ! 最後の一枚はデタラメな札……っ!)
アカギ「小萌先生……アンタは博打を誤解している……」
小萌「?」
アカギ「死ぬ時が来たら、ただ死ねばいい」
返される最後の一枚……っ! 見開かれる小萌の両眼……っ!
エース……ッ!
光り輝く、巨大なクリスタルの絵柄……っ! まごうことなき……っ! ロイヤルストレートフラッシュ……ッ!
小萌「ば、馬鹿な……っ! そんな……っ! どうして……っ!」
小萌の視界が歪む……っ! まるで、抜け出せぬ迷宮に閉じ込められたかのような……っ! 錯綜……っ!
小萌「私の読みが……外れた……っ? どうして……っ、勝ちを目指す人間なら誰だって……っ!」
アカギ「あんたの『勝ち』は生き残ることだ。所詮、保身のギャンブル……確実な勝利しか拾いに行かない。生きるために死すら厭わない不合理……それがギャンブル」
机に倒れ伏す小萌。同時、卓下に隠していた手札が音とともにこぼれおちる。
上条「……っ! 先生、これは……っ!」
アカギ「ククク……」
伝説の放課後は、終わった――
――いや、これがその始まり
上条「やった……っ! これで帰れる……っ! インターナショナルグローバリゼーションさんをどうにかできる……っ!」
ボロ……ボロ……
アカギ「……? 何を言ってるんだ? まだだ、まだ終わらない」
上条「えっ」
アカギ「今の小萌先生の負け分、一か月分の残業代。それに上条さんの一か月分の食費を上乗せして、もう一度」
アカギ「倍プッシュだ……っ!」
上条「やめろアカギ! 引き際を知ってくれ! 頼むから!」
黄泉川「まあいいじゃんよ、アカギ。それまでにしとくじゃん」
上条「えっ、いきなり何っすか黄泉川先生」
黄泉川「なあに、こういう機会は何度でもセッティングしてあげるじゃん」
上条「俺は絶対関わりあいたくないんですけど、マジでどうしたんですか」
アカギ「……ああ、分かった」
上条「誰か助けてくれ……この空気からの解放……誰でもいい……悪魔でも……っ!」
小萌「うう……っ ぐぐ……っ」
――闇に舞い降りた天才、赤木しげる
死すら恐れないその透明性。
学園都市がその名を知るのは、これから3日後……
さーて、ちょっと中断するか
続きを書くかは気分次第。本当はポーカーより麻雀が好きなんだよファック
途中で見抜かれてたけど銀と金が好きです。でも一番好きなのは天です。カイジは読んでないんだすまない
よし、麻雀のルールはわからんが続けろ
黒子&固法先輩のコンビ相手に麻雀とか考えてみたけど強すぎワロチ
捕手
次の展開考えてるからちょっと待っててくれ
×・・・っ!
○っ・・・!
って突っ込むのは野暮?
>>243
わかった、気をつける
日付が変わるまでには、多分
ただいま
結局能力者相手に勝つ方法が俺には思い浮かばなかったけど、とりあえず書き始めたらアカギなら何とかしてくれると思うんで始める
黄泉川「ククク……新しく居候を連れてきたじゃんっ……!」
打ち止め「あらあら今度も白髪さん、ってミサカはミサカは驚いてみたりっ……!」
一方通行(なンだコイツ……? 雰囲気が一般人じゃねェっ……!)
アカギ「フフ……よろしく」
黄泉川「じゃ、新入りパーティーでもやるじゃん。ふぐちりでもしてっ……! 炊飯器……っ!」
http://www.youtuberepeat.com/watch/?v=W774blibppU とりあえず推奨BGM
――翌日
トゥルル
黄泉川「もしもしっ……! こちら黄泉川じゃんっ……!」
黄泉川「何……っ!? もうそんな時期かっ……! 分かった、すぐ行くっ……!」
黄泉川「代打ちは今年も小萌先生……っ!? いや、それはキャンセルじゃん。もっといいのがいるじゃんっ……!」
一方通行「黄泉川の野郎ッ……! 何ブツクサ言ってやがンだっ……!」
黄泉川「アカギィ……!」
アカギ「フフ……言わなくても分かってますよ、黄泉川さん。俺を行かせようってんでしょう……?」
黄泉川「さすが、よくわかってるじゃん……っ!」
一方通行「おィてめェら、何の話をしてやがるっ……!」
黄泉川「ガキは留守番しとくといいじゃんっ……!」
一方通行「なぜだっ……! そのガキより俺のが年上のはず……っ! なぜ……っ!」
打ち止め「ミサカはミサカは外見年齢10歳前後……っ!」
黄泉川「出てくるじゃんっ……! 仕事じゃんっ……!」
上条「誰っすか…、って黄泉川先生っ……! アカギまでっ……? まさかまた俺に何かギャンブルをっ……?」
黄泉川「察しがいいじゃんっ……!」
上条「ダメだっ……! 上条さんは絶望的に引きが弱いんですっ……! ババ抜きでは100回やってババを残すっ……! そんな運命っ……! 不幸の結晶……っ! ギャンブルの才能、ゼロっ……!」
黄泉川「いいからさっさと来るじゃんっ……! 大事な試合があるじゃん……っ!」
上条「嫌だっ……! 家を離れるわけにはいかないっ……! 飢えたインコにっ……! 今度こそ殺られるっ……!」
黄泉川「インビジブルなら心配無用っ……! 元々の代打ちだった小萌託児所をすでに手配してあるじゃんっ……!」
上条「それならなおさらっ……! 俺は奴がいない休日を満喫したいっ……!」
黄泉川「勝利した場合っ……! 二十万っ……! これでどうだっ……!」
上条「承諾……っ! 上条さんはっ……! 承諾しますっ……! 金っ……! インファイトに隠して豪遊しても数カ月は残るっ……! 大金っ……!」
黄泉川「じゃあ、ここにサインを……っ!」
上条「是非もなく……っ! 上条当麻っ……!」
アカギ「人が悪いぜ黄泉川さん……」
上条「?」
黄泉川「契約成立っ……! おっと、言い忘れていたじゃんっ……! 負けたらっ……! 一年間丸丸っ……! 休日ヌキっ……! 放課後もっ……! すべてアンチスキルの手駒として強制労働じゃんっ……!」
上条「馬鹿な……っ! 聞いていないっ……! 俺はオリるっ……! ふざけるな……っ! 特売にも行けないっ……!」
黄泉川「逃げ道がある人間は戦わないじゃんっ……! 背を向けっ……! 逃げまどいっ……! 餌食っ……! ならば断つ、自らっ……! 背水の陣っ……!」
――電車内
上条「先生っ……! これからどこで、何をやるんですか……っ!」
黄泉川「十九学区のっ……! 廃ホテルじゃんっ……! そこで……っ! 奪い合うっ……! 学園都市からの援助金っ……! アンチスキルとっ……! ジャッジメントでっ……!」
アカギ「上条さん、麻雀のルールは知っているでしょうっ……?」
上条「え……っ? ああっ……! 土御門から、一応っ……!」
アカギ「フフ……なら、問題ないっ……!」
上条「馬鹿なっ……? まさか、麻雀っ……? 和了率0.00っ……! 放縦率8割オーバーの上条さんにっ……! 麻雀っ……?」
>>274
そんな表現あったけ?ドコ?
>>275
20万では割があわないんじゃね?
っ……!
が多すぎて読みづらいわw
黄泉川「ここの最上階じゃんっ……! 使うのは全自動卓……っ! 食いタンあり赤ナシっ……! 極めてオーソドックスな麻雀……っ!」
上条「おうちに帰りたいっ……!」
ボロ……ボロ……
アカギ「腹をくくりなよ、上条さん」
上条「うう……そうだよな……最悪、俺がずっとオリていればっ……! お前が勝ってくれればっ……!」
黄泉川「そうそう、相手は能力者で構成されたジャッジメントじゃん。当然、能力も使い放題じゃんっ……!」
上条「」
>>283
書いてても実は結構だるい。ちょっと減らすわ
――最上階
上条「馬鹿なっ…! お前がっ…! 代表だとっ? 白井っ…!」
黒子「あらあら、連戦連敗のアンチスキルさんの代表がどちら様かと思いきやっ……! 類人猿さんではございませんの?」
アカギ「知っているのか?」
上条「ああっ…! かなり高位のテレポーターっ……! 触れるだけで牌なんか簡単にすり替えてくるはずだっ…!」
黒子「フフ、そういうわけでしてよ」
黒子「ハンデに教えてさしあげますと、もう一人の打ち手…っ! 固法先輩は、透視能力がありますの」
上条「なんてこったっ…! 勝ち目なんか、ないじゃないかっ…!」
ボロ……ボロ……
アカギ「クク…能力がどうしたって…っ?」
上条「馬鹿なアカギっ…! なぜそんなに平然としているっ…! 俺たちは無能力者っ…! ヒラじゃとてもっ…! 現に今まで代打ちだった小萌先生だって負けて……っ!」
黒子「言い訳はうんざりですのっ…! さあ卓にっ…!」
黄泉川「勝負は東南戦っ…! 終了時、コンビの総得点が多い方の陣営が勝ちじゃんっ…! つまりっ…! 差し込みは無意味っ…! ロン和了りが理想的っ…!」
アカギ「下らねえ…っ! 能力だ…? 『自分だけの現実(パーソナルリアリティ)』だ…?」
アカギ「てめえの現実(リアル)をてめえで引き出せない奴なんか、所詮二流…っ!」
上条「アカギっ…! そんな精神論じゃないっ! 現実を見ろっ…! 圧倒的不利っ…! 勝機ゼロっ…! 無謀っ…!」
アカギ「ククク……」
――東一局(親:固法)
上条(8種8牌…っ! これが俺の運っ…! クズ手…っ! 伸びる気配も、和了への道も感じられないっ…!)
黄泉川(ハナからこっちのウニ坊主には期待してないじゃんっ…! 気にすべきは、アカギの手っ…!)
アカギ、タンピンドラ1の2シャンテン。リーチをかければ満貫に届く手(繰り上げ満貫採用ルール)
黄泉川(東一局は敵の親…っ! ツモっても十分な打撃じゃんっ…!)
アカギ、序盤2巡とムダヅモが続くが、3巡にイーシャンテンとなり、はや6巡でテンパイ。
メンタンピンドラ1、イ―ペーコー崩れの順子を含み、裏次第では跳ね満もある
一方、上条――捨て牌にオタ風の暗刻が2つ…っ! 完全に泥沼っ…! 迷走っ…!
上条(捨て牌がことごとくかぶりっ…! 手が進まないっ…! カスのままっ…!)
ボロ…ボロ…
アカギ「リーチっ…!」
淀みない即リー…っ! 3p切り、2-5p待ち
明らかなツモ狙いっ…! ミエミエの捨て牌っ…!
しかしアカギ、ハナからそこは気にしていない――っ!
上条(白井が嘘をついたとも思えない…っ! なら十中八九、見えているはず…っ!)
固法「……」
上条、4枚目の西を川に捨てる。国士の目は完全に消えた
固法(なるほど…っ! 完全にツモ狙いっ…! 2-5p待ちっ…!)
この時固法の手、未だ2シャンテン。しかも張ってもタンヤオのみ
いくら親とはいえ、突っ張るのは賢明でない。通常ならば回し、最悪親っかぶりも覚悟する局面
固法(それならっ…!)
固法、強気の4p切り――
裏スジに位置する4p、リーチ者に一発で切りだせる牌ではない
上条(アカギは当たらないっ……! やはり、見えているのかっ……!)
さらに――
固法(なんてこと……、次のツモ、一発で2pがきてるわ…っ!)
固法(白井さんっ…!)
黒子(合点ですのっ…!)
黒子のツモ順。平然とツモり、何のためらいもなくツモ切りする黒子
しかしアカギ、かすかに目を鋭くする
アカギ(なるほど……、今のか)
アカギのツモ、引いてきたのは2m…っ! あるべき2pの姿ではないっ…!
黒子(フフ…っ! 悪く思わないで欲しいのですわっ…! これが勝負っ…!)
このとき黒子、ヤマの2枚を同時にツモり、左手で手牌から一枚戻していた…っ!
黒子(ツモの上下を入れ替えるくらいなら造作もないことですわっ…! 左右はさすがに厳しいですがっ…! 下家の動きを封じるにはっ…! これで十分っ…!)
アカギ(フフ…こすい真似をする…)
アカギ、ツモ切り――そして
固法「ポン」
真の狙いが発揮される
むしろ聖杯でチンチロリン
>>337
やりそうwww
イリヤ「貴方の願いを叶えます」
アカギ「じゃあ……叶えるかどうか、ギャンブルで決めないか?」
イリヤ「なんと」
飛ばされる上条のツモ番
先の4p切りでイーシャンテンにたどりついていた固法は、今の鳴きでテンパイ…っ!
ここで黒子が差し込めば、リー棒1000点をものにし、連荘することができるっ…!
黒子(しかし…、そんな生ぬるいことはしませんのっ!)
固法の待ちはカン6s、これを右手に忍ばせた黒子は、先と同じ上下すり替えを行う――
アカギ(なるほど、こすい真似を)
アカギのツモは6s。回避不可、リーチ後の掴ませ…っ!
固法「ロン、タンヤオのみ」
東一局、親の食いタン――
ドラもからまないこの手、通常であれば考慮には値しない
しかし、上条を除くこの卓の全員は、この意味を深く捉えていた…っ!
固法(私たちは絶対に振り込まない。かつ、あなたはリーチできない…っ!)
黒子(不敗の陣形ですのっ…!)
アカギ「クク…」
上条 ボロ…ボロ…
黄泉川(このコンビ打ちが怖いじゃん…、どんな打ち手でも、屈服せざるを得ない…っ!)
黄泉川(すり替えだけなら、鳴いてツインテールに下ツモを持ってこさせれば凌げるが…っ!)
黄泉川(透視だけはどうしようもないじゃんっ…!)
――東一局、一本場っ…!
この局、一度振り込んだアカギに高波は訪れない
上条ほどの悪手ではないが、せいぜい2000や3900が見える程度
上条(また8種8牌っ…!) ボロ…ボロ…
固法の捨て牌、中張牌が序盤にも関わらずバラ切りされている
典型的、七対子気配
黄泉川(単騎待ちの七対子は掴ませにも適した役じゃんっ…! カラ切りを併用されればテンパイも読みにくいじゃんっ…!)
アカギ「ポン」
アカギ、動く
鳴きを入れ、黒子に下ツモを引かせる流れにする
上条(どうせリーチはかけられない…っ! 早和了がりを目指す気か? アカギっ…!?)
しかしここでアカギ、予想外の行動に出る
捨て牌を切るとき、わずかに牌を斜めにずらしたのである
黄泉川(あれは…っ! 事前に決めて置いたサイン…っ!)
そう、この場に向かう途中であらかじめ決めておいた通しの一つ
リーチをかけろ、アカギは上条にそう指示したのだ
上条(馬鹿なっ…! 俺は今ノーテンっ…! この場が流れたら俺のチョンボになる…っ!)
上条、混乱
上条(ええい…っ! 知るかっ…! いけっ…!)
上条「リーチ…っ!」
半ばヤケクソ気味に投げ出される1000点棒
しかし同時、場の空気が急変――
固法、なんと5p対子の2丁落とし。全牌が透けてみえる人間には、考えられない打ちまわし
黒子も同様、中張牌を連打し、戦う姿勢を崩し始めた…っ!
こうなれば利するのはアカギ一人…っ!
アカギ「ツモ……!」
リーヅモドラ1、子の30符3飜。1000、2000―
前局に失った2000を取り戻し、逆に1000点リード…っ!
上条(どうして…っ! なぜあのコンビは手を崩しっ…!)
その瞬間、上条に電流走る――!
上条(そうか、この右手っ…! これで隠されていた俺の手牌の右半分っ…! ここが奴らには見えていなかったのかっ…!
上条の手に宿る力、幻想殺し。彼が闘牌中のさなか牌に添えていた右手、これは透視のガードとなっていた…っ!
そして、相手側から見た上条の手牌半分っ…!
否が応にもっ…! 疑わざるを得ないっ…!
国士無双っ…!
…固法が場にあるヤオ九牌数えればテンパってるかなんて分k(ry
上条(なんてやつだ…っ! 一言も話していないのに…っ! 俺の幻想殺しの効力を見抜いていやがるっ…!)
上条(しかも、牌の一部が見えているという事実を利用し、それで相手を惑わせる…っ! 異端の戦術…っ!)
アカギ、幻想の国士ブラフ――
アカギ「ククク……さあ、東二局だ…っ!」
黒子(ぐ…っ! してやられましたわっ…! 本物の国士ならこの白髪がツモ和了はずありませんのっ…! 類人猿のツモ待ちっ…! つまり…ブラフ…っ!)
固法(国士でリーチには違和感があったけど……っ! そういうことだったのねっ…!)
>>366
ある程度気合いいれないと発動できないみたいだし、油断していたと思ってくれ
――東二局
上条(いいぞ…っ! 俺にしては来ているっ…! 10種10牌…っ!)
上条(本物の国士なんて馬鹿なことは目指さないっ…! これらを抱えっ…! 早い巡目からオリッ…!)
黄泉川(あのトンガリ坊主、逆の意味ですごい配牌じゃん…っ!)
この上条の和了不可の予感、半ば当たっていた
黒子(ほほう、これは…)
黒子の手、配牌で連風牌の東を4枚抱えた形。暗カンを入れれば、あっさり親満が見える手である
黒子、一巡目
オタ風の南切り。順当な一手
アカギ「ポン」
黒子(しま…っ!)
アカギの自風を一巡目からあっさり鳴かせてしまう痛恨のミス
加え、次のツモを下ツモにされてしまう。黒子のテレポートに対する牽制も兼ねた、一石二鳥の鳴き――
上条(俺のツモは……っ! ドラの2p…っ!)
上条(これは切れないっ…! おそらく、誰かがポンするっ…! 間違いないっ…!)
だが、上条の縮み切った手、これが裏目――
ドラ対子を抱えていたのは、何とアカギ
味方の満貫チャンスを、無為に潰す……っ! 逃げの一手っ…!
黄泉川(牌種の通しまではできていなかったじゃん…っ! 致命的っ…! これはっ…!)
駄目条さん泣きすぎワロタwwww
固法の手、暗刻一つに対子をいくつか抱えた形。決して早くはない
一巡目から役牌を鳴いたアカギがいる局面では、あまり好ましくないように思えるが…っ!
固法(手を盾に膨らませば三暗刻が見えるっ…!)
固法(アカギの手は南を鳴いたものの、まだ4シャンテン…っ! 悪形っ…! ただの牽制っ…!)
固法(この先数巡のツモにも、有効牌はないっ…!)
固法、あせらず三暗刻み狙い…っ!
やっべ、アカギの和了のとき一本場の300忘れてた
黒子(固法先輩が対子手を狙っていますわね…)
黒子(ドラを絡ませれば強力になるようですが…、ほとんどがアカギと類人猿の手の中っ…!)
黒子(しかし、この局面で鳴かせないということはっ…!)
黒子(通しが完璧ではないということですねっ…!)
同様に対子場の気配を感じた黒子も、手中の4対子を活かし、七対子に走る…っ!
黒子(わたくしのテレポート、ツモ上下すりかえだけとは思ってほしくありませんわね…っ!)
アカギの手中っ…! 一鳴きはしたものの…っ! ほぼバラバラっ…!
上条の配牌と比べても遜色がないほどの悪手っ…! クズ手っ…!
しかも、ムダヅモッ…! 有効牌が引けぬっ…!
鳴いて手を進めるにも、コンビには通しも効かずっ…! すでにオリ姿勢に入る始末っ…! 凡夫っ…!
場は中盤を迎える――
ドラ対子と役牌を抱えながらも金縛り状態が続くアカギ
ひたすら合わせ打ち、安牌を切り続ける上条
対照的に、ジャッジメント側のコンビは悠々と手を進める
固法はツモり三暗刻をすでにテンパイ
黒子は七対子のイーシャンテン。
黒子(ここでテンパイが理想的ですが……っ!)
七対子はイーシャンテンまでは楽でも、テンパイに達しにくい手。そう簡単に引けるものではない
固法の透視にも使用限界はある、先々まで見通してもらえば最善手もとれるが、ガス欠しては元も子もない
黒子(対子かぶりっ…!)
ミスにも思えるツモ。しかし、黒子はかすかに笑みを浮かべる
黒子(この白井黒子にとって対子かぶりはっ…! むしろ有効牌なのですよっ…!)
ツモを手中にしまい、不要牌を切りだす黒子
その手中、不要牌が2枚――っ!
河に手がふれるや、かぶっていた捨て牌が手中に舞い戻り、入れ替わりに不要牌が置かれるっ…! 死牌の蘇生っ…!
黒子「リーチ、ですのっ…!」
待ちは、ベタ降り気味の上条を狙う…っ! 場に2枚切れたっ…! 地獄待ちの北っ…!
アカギ「チー」
すかさずアカギ、反応。リーチ宣言牌を食い、イーシャンテンにまでもっていく
固法(それでどうするの…っ? コンビは早めのオリのせいでもう現物を持っていないっ…! 間違いなく、振るっ…! 一発消しにしかならないっ…!)
上条(くっ…! ダメだっ…! 現物がない…っ! 振るっ…! 振ってしまう…っ!)
ボロ…ボロ…
上条(一番安全そうな牌…そうだ…この北…場に2枚…っ! さすがにここはないはずっ…!)
固法(そうっ…! それっ…! 振りなさいっ…! 振ってっ…!)
黒子(終わりですのっ…!)
この時、黒子の手、単なるリーチ七対子のみ
しかし、固法の透視で判明した裏ドラも抱えている…っ! 手中に対子で抱えたドラっ…!
文句なしの親満っ…!
黒子(東の暗カンを見送って七対子にした甲斐がありましたわっ…!)
上条「ええいっ! いけえっ!」
放たれる、北っ…!
黒子「ロンッ…!」
上条、痛恨の親満放銃っ…!
黒子「やったっ…! にっくき類人猿からの直撃っ…! 12000っ…!」
歓喜っ…! 高らかに笑う黒子っ…!
しかし、一抹の不満っ…!
黒子(あの白髪の鳴きがなければ親っ跳の18000…っ! やりますわっ…!)
固法「これでまた私たちのリードっ…! 白井さんっ…! 一気にカタをっ…!」
アカギ「何を、言っている?」
黒子「何が、じゃありませんのっ…! あの類人猿が親満を放銃したっ…! 私たちが1万以上のリードっ…! 単なる事実ですのっ…!」
アカギ「ククク…嬢ちゃん。アンタ、麻雀のルールを覚えているのかっ…?」
黒子「何を馬鹿なっ…! そんなもの、覚えていないはずがっ…!」
この時上条、ある違和感――
上条「あ…あれ…、河が…」
黒子「河がどうかしましたのっ…?」
リーチ宣言牌を食われた黒子の捨て牌
テレポートで一度拾ったとはいえ、枚数にも並び方にもさしたる問題はない
しかし、上条が指差したその1枚に、黒子と固法は戦慄する――
北
黒子の待ち牌。ありえてはならないその牌が、黒子の河に存在している
黒子「馬鹿なっ! この私がフリテンリーチっ…? ましてや誤ロンっ…? 馬鹿なっ…」
上条(あの北は確かアカギの捨て牌にあったはず…まさか…っ!)
アカギ「ククク……」
そう、アカギの鳴きは単なる一発消しではなかった。
自分の河から拾った北を黒子の河の構成牌とすりかえ、フリテンにさしかえる強引な技――
アカギ「親のチョンボ…満貫払いだ…っ!」
上条「アカギィ!」
黄泉川「さすがじゃんっ…! アカギっ…!」
黒子「ぐぎぎ…っ! くっ…!」
黒子(なぜ…っ! なぜ気付きませんでしたのっ…! なんたる不注意っ…! 油断っ…!)
圧倒的不利の中、波に乗るアカギッ…!
伝説の昼は続くっ…!
,,-' _,,-''" "''- ,,_  ̄"''-,,__ ''--,,__
,,-''" ,, --''"ニ_―- _ ''-,,_ ゞ "-
て / ,,-",-''i|  ̄|i''-、 ヾ {
(" ./ i {;;;;;;;i| .|i;;;;;;) ,ノ ii
,, ( l, `'-i| |i;;-' ,,-'" _,,-"
"'-,, `-,,,,-'--''::: ̄:::::::''ニ;;-==,_____ '" _,,--''"
._,,-'ニ-''ニ--''" ̄.i| ̄ |i-----,, ̄`"''-;;::''-`-,,
,,-''::::二-''" .--i| .|i "- ;;:::`、
._,-"::::/  ̄"''--- i| |i ヽ::::i
.(:::::{:(i(____ i| .|i _,,-':/:::}
`''-,_ヽ:::::''- ,,__,,,, _______i| .|i--__,,----..--'''":::::ノ,,-'
"--;;;;;;;;;;;;;;;;;""''--;;i| .|i二;;;;;::---;;;;;;;::--''"~
 ̄ ̄"..i| .|i
.i| |i
i| |i
キタ━━━━━━━━━ i| (゚∀゚) .|i ━━━━━━━━━━!!!
.i| |i
.i| ,,-、 、 |i
i| ノ::::i:::トiヽ、_.|i
_,, i|/"ヽ/:iヽ!::::::::ノ:::::Λ::::ヽ|i__n、ト、
,,/^ヽ,-''":::i/::::::::/:::::|i/;;;;;;/::::;;;;ノ⌒ヽノ::::::::::::ヽ,_Λ
;;;;;;:::::;;;;;;;;;;:::::;;;;;;;;:::/;;;;;;:::::::::;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::;;:;;;;:::ヽ
というわけで中断
勝てる要素ゼロって思ってたけど書き始めたら意外とアカギがなんとかしてくれてワロスwww
乙、実に面白い
このアカギ13だよな・・・? いや、なんでもありません
天は四暗刻の扱いが異常にいい
四暗刻地獄待ち
四暗刻無限待ち
飛龍地斬四暗刻
無限待ちは原田には通用しなかったけど大多数の相手には有効すぎると思う
ho
そのときアカギに電撃走るっ・・・!だが無傷っ・・・!
美琴「そんな・・・・・・・直撃のはずなのにっ・・・!」
みたいな展開かと思ってたっ・・・!!
すまないっ・・・!
>>450
天の3巻でもう汗かいてる
天がアカギの差込みを阻止したとき
>>451
この時のアカギは若い時より劣化してたのかね・・・
むしろ駆け引きなら強くなりそうなもんだけど。
>>461
あれは鷲頭がやるべきこと
アカギがするべきことじゃなかった
>>462
若い時「死ねば助かるのに・・・」といった奴の行動とは思えないよな。
「お前が勝ったら俺が死ぬ!」って奴のために引き分けたんだから。
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