レナス「またお前か」キュウべぇ「久しぶり」 (68)


【注意】

先ずは、このSSがまどか☆マギガとヴァルキリープロファイルのクロスオーバーです。
VPは、レナスが主神なってそれなりに時間が経ったオリジナル設定です。

まどマギの設定は、特に弄ってません。

もしかすれば百合要素が入ることになります。


上記のことで納得できない方は、退出をお勧めします。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1363935037

人が居ない真夜中の路地裏で一人の戦乙女が、その銀色の髪を靡かせる。

極東の島国、日本。四季の美しい国であり、今でも新しいものと古きものが同居する少し変わった国だ。

本来であれば主神オーディンの死後、その座を受け継いだレナスが足を運ぶような場所ではない。
 
戦乙女であった時とは違い彼女は、世界中で死んでいった戦士の魂を導かなくともよいのだ。

ならばなぜ、主神となったレナスが日本に居るのかというと、目の前の不気味な存在を地球から排除するためである。

「またお前か。侵略者」

凛として、反論を許さない硬い声に白くてふわりとした尾が揺れた。

「久しぶりだねレナス。まさか僕を追ってここまで来たのかい?」

頭の中に直接響いてくる無機質な声にレナスは、この地球外生命体の本質を見た気がした。

外見は、白く猫のようでありながら懸け離れ瞳は宝石のように赤く、街灯の光りを反射している。


「貴様など世界に溢れかえって居るだろう。一つ一つ潰したところで意味が無いのは、千年前から理解している」

「もうそんなになるのか。君と出会ったの。と言っても直ぐに殺されたけど」

「そして別固体が新たに出てくる。それの繰り返しだ。私は、貴様を潰しに来たわけじゃない」

蒼穹の鎧を纏った神は、心が存在しない地球外生命体に背を向ける。

足元に落ちていた黒いモノを拾い上げた。

「そろそろキュウべぇって呼んでくれないかい?」

「その媚びる技術も千年の間に身に付けたのか?」

呆れたように問いただせば、白い生き物は尻尾を揺らしながら答える。

「統計上だと有効だからね。君には、効果が無いようだけど」

「お前達の尺度で測れるほど小さくなったつもりはない」

指で摘めるくらいの球体に針状の物が貫通したような不思議な形の物を懐に仕舞うとレナスは、話を切り上げる。

「出来れば二度と会いたくないのだがな」

「残念だな。それじゃ、最後に————僕と契約して魔法少女になってよ」

この千年近い時間の中で、何度その言葉を聴き、何度拒否してきただろう。思い返すことは、最早不可能の領域だ。

レナスは、キュウべぇの誘い文句が来る前に真っ白な羽根を羽ばたかせ夜空へと舞い上がった。

いかに宇宙の生命体であっても自由に空を飛ぶ事は、できないようである。

女神が目の前から消え去って後、キュウべぇも路地裏の闇に帰っていった。


区切りがいいので一旦終了します。

それでは、また。

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