末原「だれにも勝てねぇ!」漫「先輩!!」 (114)

ID:lj24LDdQ0

 全国大会 2回戦会場にて

みさき『試合終了です』

咲「おつかれさまです!」ペッコリン

みさき『ベスト4に進むのは清澄高校と姫松高校です』

姉帯「うわあああああん!負けちゃったよおおおおおおお!」

野依『おわり……!!』=3=3

霞「終わっちゃったわ」ヤレヤレ

末原「うう……」カタカタ

みさき『清澄の勢いは凄いですね』

野依『まんてん!』プンスコ!

咲「またみんなで麻雀しようね!」ググッ!

姉帯「うん……!」グジュ

末原「うぐ……」 カタカタ

   姫松高校控室にて

末原「すみません……」カタカタ

洋榎「なに暗い顔してんねん!」

由子「そうなのよー!気にすること無いのよー!」

末原「うぐ……」ポロポロ

絹恵「宮永さんが凄すぎただけですよ!」

漫「あんな化けもんうちでも勝てませんって」

末原「すみません……すみません……」ポロポロ

洋榎「謝らなくたってええってホンマに!」

由子「恭子の涙は見たくないのよー!」

末原「くそお……」ポロポロ

漫「先輩……」

     ガチャン

赤坂「全部嘘さ~そんなもんさ~夏の恋はまぼろし~♪」

末原「……」

洋榎「面倒くさいのが来よったで!」

赤坂「どうしたん末原ちゃ~んそげぇな悲しい顔しよって!」

由子「なんか喋り方が変なのよー……」

末原「な、なんでもありません……」グジュ

赤坂「ああわかったで!好きな子に振られたんじゃろ!いくのんにはわかるんじゃーい!」

漫「なんで広島弁……」

洋榎「カープが調子ええからって調子に乗ってるんやろ」フン

赤坂「末原ちゃ~ん夏の恋はまやかしやで~」

末原「失恋とかそんなんやありません……」

赤坂「じゃあなんや?もしかして好きな子がス×××マニアなのがショックやったん?」

洋榎「そんな汚いこと言うのやめんかい!」

赤坂「そうやで漫ちゃんそんな趣味アブノーマルやからやめたほうがええで」

漫「うちそんな趣味してませんって!」

末原「……」グジュ

洋榎「ああもう面倒くさいで!恭子は宮永咲に負けたのがショックで落ち込んでるんや!」

赤坂「ああそんなことかいな、そんな末原ちゃんが宮永咲ちゃんに勝てるわけないやーん」

末原「うぐ……」

絹恵「そ、そんなこと分からないやないですか!今回は負けましたが次は勝てるか……」

赤坂「ムリムリムリ~嗚呼~ムリムリムリ~♪末原ちゃんが宮永ちゃんに勝つなんてムリムリムリ~やで~♪」

由子「恭子をバカにしないでよー!」

赤坂「バカにしてないんやん事実を言ってるまでやで~」

漫「事実ですか……」

赤坂「そうやで~あの子は化け物や、そやしただの人間の末原ちゃんには太刀打ちできないんやで~」

末原「ただの人間……」

赤阪「せやで~、早く人間国宝になりた~い!」

漫「それ国宝は要らないですよ……」

末原「……」

洋榎「恭子……」

末原「すみません……わたし大将から降ろさせてください……」

洋榎「!!なに言うてるんや恭子!」

絹恵「そうですよ先輩!」

末原「わ、わたしもう……大将を担う資格なんて無いんです……」ポロポロ

由子「そんなこと無いのよー!恭子はやれるのよー!」

末原「無理です……だってわたしはただの人間ですし……」ポロポロ

赤阪「別にええやん人間でも、漫ちゃんみたいなダメ人間より全然上等やで~」

漫「代行に言われたないですよ!」

末原「……」

赤阪「でもなぁ末原ちゃん」

末原「はい……」

赤阪「ひとつだけあるんよ、あの子に勝てる方法が……!」

末原「え……」

末原「あ、あるんですか!宮永に勝つ方法があるんですか!」

赤阪「あるで~それもとってもおきの方法や」

末原「まさかそんな……宮永に勝つ方法が存在するなんて……」

洋榎「恭子!これは全部ウソやで!全部このオバハンのまやかしや!」

赤阪「ノンノンノーン!いくのーんは嘘なんか吐かへんで~」

由子「存在自体が嘘なのよー!」

末原「……」

絹恵「先輩!」

赤阪「どうするんや末原ちゃん!いくのんの秘密特訓に付き合うん?付き合わへん?」

末原「い、行きます!!」

漫「先輩!」

赤阪「けって~い!これで末原ちゃんはスーパー末原ちゃんに生まれ変わるんやで~!」

洋榎「ホンマにええんか恭子……」

末原「良いんですこれで……!宮永に勝てるんだったらなんだってやります……!」

赤阪「イヒヒヒヒ……!」

  そして夜の街

末原「……」トコトコ

赤阪「お・も・て・で・ろ!表出ろコノヤロー!ナーンチャッテ!」トコトコ

末原「……」トコトコ

赤阪「イヒヒヒヒヒ!!!」

末原「元気ですね代行は……」

赤阪「当たり前や~ん!いくのんは日本の元気印やで~」ニカァ!

末原「……」

赤阪「元気無いな~末原ちゃんは~、いくのんが元気注入してやるで~」ギュー!

末原「や、やめてください顔近付けないでくだざいよ……!」

赤阪「ええやないかええやないか~♪」

末原「変態ですかまったく……!」

子犬「わんわんわんわんわん!!!!」

末原「うわっ!!犬や!!」ヒョイ!

赤阪「イヒヒヒヒ!!ただの子犬やでそれ~!」

末原「ハァハァ……なんだ子犬ですか……」

赤阪「子犬の遠吠えさえも劇的に聞こえてしまうなんてよっぽど宮永さんが怖かったんやな~」

末原「すみません……」

赤阪「まぁあの子は魔物やからな~イヒヒ!」

末原「……」

赤阪「でもなぁ末原ちゃん、高校を出たらあの子以上の魔物がいっぱいいるんやで」

末原「ホ、ホンマですかそれ……」

赤阪「ホンマやで、日本の麻雀界は魑魅魍魎が跋扈してるんや、もちろんいくのんもその中の一人やで~」

末原「これ以上強い人がこの世にいるなんて……ホンマやろか……だったらマズイで……」

赤阪「イヒヒ!ほな行くで~」

末原「はい……」

  トコトコ・・・ トコトコ・・・

  トコトコ・・・ トコトコ・・・

末原「ふぅ……」

赤阪「引き返さない~急にとまれない~♪」

末原「あの代行……」

赤阪「なんや末次ちゃん?」

末原「末原です、あのわたしをいったいどこに連れて行こうとしてるんですか……」

赤阪「それはやな~、いくのんの穴や!」

末原「いくのんの穴?!」

赤阪「せやで~虎の穴のいくのんバージョンや!そこで末原ちゃんを変身させるで!」

末原「変身ですか……」

赤阪「あぁ!末原ちゃんいまいくのんの穴って聞いてエロいこと考えたやろ!」

末原「か、考えてませんよ!」

赤阪「この助平原ちゃん!今度から末原ちゃんは助平原ちゃんやで~」

末原「だから考えてませんって……」

赤阪「あ!あそこやで!あそこがいくのんの穴や!」

末原「え?!あれですか!」

赤阪「せやで~あれがいくのんホールやで~」

末原「でもこれ……」

赤阪「イヒヒ!やっぱエロいトコやと期待してたやろ!そうはイカのキンケードやで!」

末原「だからいやらしいこと考えてませんって!あの代行これって……」

赤阪「どうや立派やろ~」

末原「立派って言われても……これただの井戸ですやん……」

そう赤阪が言ういくのんの穴とはなんの変哲の無い井戸のことだった……

赤阪「そうやで~いくのんの井戸やで~」

末原「なんでこんな都会の真ん中に井戸が……」

赤阪「いまは空前の井戸ムーブなんやで、東京人はみんな井戸を掘りまくってるんやで~」

末原「そんな嘘でしょ絶対……」

赤阪「うっそぴゅーん!!」

末原「リアクション古すぎますって……」

末原「え?!あれですか!」

赤阪「せやで~あれがいくのんホールやで~」

末原「でもこれ……」

赤阪「イヒヒ!やっぱエロいトコやと期待してたやろ!そうはイカのキンケードやで!」

末原「だからいやらしいこと考えてませんって!あの代行これって……」

赤阪「どうや立派やろ~」

末原「立派って言われても……これただの井戸ですやん……」

そう赤阪が言ういくのんの穴とはなんの変哲の無い井戸のことだった……

赤阪「そうやで~いくのんの井戸やで~」

末原「なんでこんな都会の真ん中に井戸が……」

赤阪「いまは空前の井戸ブームなんやで、東京人はみんな井戸を掘りまくってるんやで~」

末原「それ嘘でしょ絶対……」

赤阪「うっそぴゅーん!!」

末原「リアクション古すぎますって……」

末原「で、この井戸何なんですか」

赤阪「ええやろこの井戸、こそこそ話するにはぴったりなんやで」

末原「代行とコソコソ話なんかしたくありませんよ……」

赤阪「善野ちゃんの秘密とか知りたくないん?」

末原「!!知りたい!知りたいです!ぜひお願いします!」

赤阪「じゃあ井戸に顔を突っ込んでや」

末原「はい……!」グイ

赤阪「実は善野ちゃんはな……」ボソッ

末原「はい……!」ドキドキ

赤阪「善野ちゃん、エアロビクスが趣味なんやで……」

末原「え……」

赤阪「エアロスミスやないでエアロビクスやで~」

末原「いや分かってますけど……うーん……」

赤阪「どうや?すっごい秘密やろ!」

末原「いやそのあの……微妙」   赤阪「がっびーん!!」

末原「だからリアクションが古すぎますって……」

赤阪「末原ちゃんに微妙だなんて言われるなんて……穴があるなら入りた……てあぁ!!」

「◎」←井戸

赤阪「そこに井戸あるやーん!イヒヒヒヒヒ!!!」グイ!

末原「……」

赤阪「だれかァァァァァァァァ!!!!」

末原「アホらし、わたし帰りますよ」

赤阪「ああもういけずやなすえは……あれ?なんやろあれ?」

末原「どうしましたか代行」

赤阪「なんか井戸の奥になんかあるんや……なんやろあれ……」

末原「なにかある?」グイ

赤阪「奥の方になんかあるんや、ほらあそこや……!」

末原「なにも見えませんけど……暗くて見えへんですって……」グイイ!

赤阪「……」

末原「あの代行なにもおかしなことありませんけど、気のせいやないですか」

赤阪「……」

末原「この大勢めっちゃきついねん……代行なにも」

と、その時……!!

赤阪「どりゃ!!」

末原「うわああ!!」

なんと赤阪が末原を井戸に突き落としたのだ……!

末原「どうしましたか代行」

赤阪「なんか井戸の奥になんかあるんや……なんやろあれ……」

末原「なにかある?」グイ

赤阪「奥の方になんかあるんや、ほらあそこや……!」

末原「なにも見えませんけど……暗くて見えへんですって……」グイイ!

赤阪「……」

末原「あの代行なにもおかしなことありませんけど、気のせいやないですか」

赤阪「……」

末原「この体勢めっちゃきついねん……代行なにも」

と、その時……!!

赤阪「どりゃ!!」

末原「うわああ!!」

なんと赤阪が末原を井戸に突き落としたのだ……!

 ギニヤアアアアアアアアアア・・・・・・・・・

赤阪「いってらっしゃいやで末原ちゃん……イヒヒヒヒヒヒ……」

    そして準決勝当日 副将戦後

洋榎「ナイスや絹!あの道産子をけちょんけちょんにしてやったな!」

由子「凄いのよー!」

絹恵「えへへ……」

漫「まぁダヴァンには歯が立たなかったみたいやけどね」

洋榎「アホたれ!爆発したからって良い気なったらあかんで!」

漫「良い気なんかなってませんよ、だってこれがうちの実力って奴ですしね」キリッ!

由子「鼻が伸びまくってるのよー……」

漫「たしかにうちには華がありますね」

洋榎「そのハナとちゃうで!」

絹恵「そんなことより末原先輩は……」

洋榎「それが……」

由子「まだなのよー……」

絹恵「そんな……」

洋榎「ああもうどこに行ったんやホンマに!」

漫「どこに行ったんでしょうかあの二人は……」

由子「高崎山に行ったと聞いたのよー」

洋榎「なにしに行くねんそんなトコに……」

漫「万が一二人が戻らへんならまたうちが行ってもいいんでっせ」キリッ!

洋榎「漫はちょっと黙っとき……!」ビキビキ

由子「そもそも漫ちゃんも極道さんには手も足も出て無かったのよー」

漫「えへへ……そうでした……」エヘヘ

洋榎「なにがえへへやねん!もう!」

絹恵「先輩大丈夫やろか……」

   ガチャン

赤阪「おまんたせいたしましたで~」

洋榎「オバハン!!」

赤阪「アカサカさんが帰ってきた!あの勇者アカサカさんが帰ってきたでー!」

由子「いままでなにしてたのよー!」

絹恵「もう帰って来ないんやないか心配やったんですからね!」

漫「心配で吐くかと思いましたよ……」

赤阪「やっぱそういう趣味してるやん」

漫「だからしてませんって!」

赤阪「そうやな、ス×××にゲロは含まないんやな」

洋榎「せやからそんなバッチィ話はよさんかい!」

由子「そんなことより恭子はどこなのよー!」

赤阪「いまから来るで~」

  ザッ・・・ザッ・・・ザッ・・・・

絹恵「先輩……」

   ガチャン

洋榎「な……!」

絹恵「せ、先輩?!」

由子「の、のよー!!」

漫「先輩!?」

赤阪「これが宮永ちゃんを倒すべく誕生したマジック末原ちゃんやで~」

そこでみんなが見たものは……

末原「ワイは猿や!!プロ雀士猿や!!!」

猿みたいな容貌をし服がボロボロの末原恭子の姿だった……!

末原「プロ雀士猿やァァァァ!!!」

漫「猿や……」

末原「ワイは猿やァァァァァ!!!」

洋榎「……」

赤阪「イヒヒヒヒヒ!!!どうや強そうやろ!驚いてなにも言えんやろ!」

由子「呆れてあいた口がふさがらないのよー……」

末原「ウキキィ!!」

絹恵「ああ……」クラッ

洋榎「絹大丈夫かいな!」

絹恵「先輩が猿に……」

末原「猿やない!プロ雀士猿や!!」

漫「いやプロやないでしょ先輩は……」

末原「キシャー!!!」

漫「ひぃ!!」

赤阪「イヒヒヒヒヒヒ!!」

洋榎「なんやねんもう……」

末原「ウキ!ウキキキィ!!」

絹恵「……」

末原「ウッキー!!!」

漫「ごっつただの猿ですよねアレ……」

赤阪「猿ちゃうで~プロ雀士猿やで~」

末原「ウキウキウキィ!!」

洋榎「どう見たってただのエテ公やろ!」

赤阪「ただのお猿さんちゃうで!ほら末原ちゃんスプーンや!」

末原「ウッキー!!」モグモグ

赤阪「ほら見てや~ちゃんとスプーン使ってご飯食べてるで~これはただの猿ちゃうで~」

漫「オリバーくんですやんそれ……」

末原「プロ雀士猿やァァ!!」

末原「ワイはプロ雀士猿やァァァァ!!」

漫「さっきからそれしか言ってへんやないか!」

赤阪「イヒヒヒヒ!」

絹恵「せめてゴリラにしてくればよかったのに……」

スタッフ「そろそろ時間ですので姫松さん準備してください」

赤阪「さぁ末原ちゃん!イッツショータイムのハジマリや!新末原ちゃんを世間に知らしめるんや!」

末原「ウキー!」

由子「笑い者になるだけなのよー……」

末原「ウキキキキィィィィィィィ!!!!」スタタタタタッ!

洋榎「四足歩行早っ!!」

漫「ホンマにただの猿やな……」

赤阪「ミスターXからの刺客たちを倒すんや!」

  廊下にて

ダヴァン「頑張ってくだサイネ」 辻垣内「ドンパチ起こしてこい」

ネリー「ネリーいっぱい頑張るよ!!」 ハオ「ん?なんかこっち来るよ」

 スタタタタタッ!!!!

末原「キキィー!!キキィー!!」

 スタタタタタッ!!!!

ダヴァン「なんデスカ……アレハ……」

末原「ウッキーーーー!!」

明華「お猿さん」

末原「ウッキッキー!!!」

ネリー「アハハハハハ!!!見て見てあれ!ジャパニーズモンキーだよ!
    ガイトさんガイトさん!!あれジャパニーズモンキー!!ジャパニーズモンキー!ジャパニーズモンモンキッキー!!」

 ドゴム!!

ネリー「かは……」

辻垣内「日本人バカにしてるのか……!」ギロリ

  準決勝会場にて

恒子『この悲しみはどうすりゃいいの~誰が僕を救ってくれるの~♪』

健夜『CM明けに急に歌わないでよ!視聴者みんなびっくりしてるよ!』

恒子『いや~CM中すこやんとカラオケ行く話で盛り上がりましてね~』

健夜『ちょっとやめてよ……聞かれたくないからCM中に話したのに……』

恒子『ちなみに小鍛冶プロの十八番は大黒摩季で「夏が来る」だそうです、なんかリアルですね!』

健夜『うるさい!!』

恒子『ちなみにわたしがさっき歌ったのはユニコーンの曲ですけど、小鍛冶プロはユニコーンに会うことができますか?』

健夜『きゅ、急になに言うかな……ユニコーンなんて空想上の生き物だからいるわけないよ……』

恒子『いたとしたらの話ですよ!あんなの馬に羽をつけときゃいいんですって!』

健夜『それじゃペガサスだよ……まぁ居たら会えるんじゃないの食べられるわけじゃないし……』

恒子『会えるんですかなるほど……』ニヤニヤ

健夜『なにニヤニヤしてるのさ……意味わからないよ……』

恒子『会うときは一緒に会いましょうね!では準決勝大将戦のスタートです!』

健夜『ほんと大迷惑だよ……』

恒子『さぁ選手の紹介でぇす!まずは臨海女子のネリー・ヴィルサラーゼだァァァァァ!!!』

ネリー「前が見えない……」

健夜『顔がへっこんですよ……』

恒子『続きましては北からの使者!今日も見る者を凍えさす麻雀は出来るのか!?
   南北海道代表!有珠山高校の岩舘揺杏だァァァァァァァァァァ!!!!』

揺杏「どうもユアン・マクレガー!じゃなかった!岩舘揺杏です!!よろしく!!」

健夜『隠れた逸材ですよ彼女は、北海道はまだまだわからないことが多いです』

恒子『じゃがバタが食べたいですね!さては次はもちろんこの高校!現在トップの清澄・宮永咲だァァァァァ!!!!』

咲「よろしくお願いします」ペッコリーン

健夜『今日もこの前の勢いが続けば決勝進出は確実でしょうね』

恒子『そしてそしてそして!姫松高校の大将はもちろんこの人!名門姫松のコンピューターこと末原恭子!!』

末原「ウキウキウッキー!!!」

健夜『なんか雰囲気変わったなぁ末原さん……』

末原「ウッキー!」

揺杏「うわぁ猿じゃん!なまら面白い!」

健夜『どう見たって猿だよねあれ……』

恒子『え?なに言ってるんですか小鍛冶プロ?普通の末原さんじゃないですか……』

健夜『そうかな……お猿さんに見えるけど……』チラッ

末原「モグモグモグ」クッチャクッチャ

揺杏「きゃはは!バナナ食べてる!なまらウケる!」

健夜『やっぱ猿だよねぇ!あそこに猿居るよねぇ!』

恒子『だからどこに猿が居るんですか……もういい加減試合が始まりますよ……真面目にやってくださいよ……』

健夜『こーこちゃんに言われたくないよ!』

末原「ウッキー!!」

恒子『さぁ試合の始まりです!』

ネリー「てい!」カチャ

揺杏「ねむろ!」カチャ

末原「ウキ!!」ドギャ

咲「えい!」カチャ

恒子『ゲームスタート!さぁ決勝に進出するのはどこの2校だ!』

ネリー「てい!」カチャ

健夜『ネリーさんようやく顔が元に戻ったみたいだね』

揺杏「おたる!」カチャ

健夜『有珠山は現在最下位ですが上位との差はわずかなので逆転の大いにありますね』

末原「ウキッ!」ドギャ

健夜『姫松……はいいや』

恒子『姫松は現在3位、ここから巻き返しなるか!』

咲「えい!」カチャ

末原「ウキ!」ドギャ

健夜『どう見たって猿だよねアレ……』

恒子『え?麻雀界から去るんですか?!サルだけにね!』

健夜『う!ププププ!!!サルだけに去るだなんてベタすぎるよ!!ププププ!!!!』

恒子『え?面白かったんですか?』

健夜『ウケてなん……か……アハハハハ!!もうダメ!アハハハハハ!!!』

恒子『こ、小鍛冶プロ……』

健夜『アハハハハハ!!お腹痛い!お腹が痛いよぉ!!アハハハハ!!!!』ジタバタ

恒子『まさかあんなのでウケるとは思いませんでした、すこやんはほっといて試合を見ましょう』

ネリー「リーチだよ!!」カチャ!

恒子『おーっと最初のリーチはネリーだァァァァァ!!!』

健夜『アハハハハハハハハ!!!!!!』

末原「……」

ネリー「ファイト一発が来るよ!」

恒子『さァ魔法使いネリーのマジックがさく裂するか!』 健夜『アッハッハッハ!!』ゲラゲラ

末原「……」

揺杏「もう和了しちゃうの早いなぁ」 咲(さすがネリーちゃんだなぁ)カチャ

ネリー「カモン!!」カチャ

ネリー(一発キタ!!)

恒子『キターーーーー!!!!』

ネリー「わんだふる!ツ……」チラッ

ネリーが和了を宣言しようとしたその時……!ネリーは末原のほうをチラリと見てしまった……!

末原「!!」

そして目があってしまったのだ……!

末原「キシャー!!!」

ネリー「え……」

 ガブリ!!!

ネリー「ギニヤアアアアアア!!!!」

恒子『おーっと末原御乱心!いきなりネリーに噛みついたぞぉぉぉ!!』

末原「キーーーッ!!!」

ネリー「痛い痛い!!痛いよやめてよ!!!」

咲「末原さんダメだよ!噛んじゃダメ!」

揺杏「離せコラ!」バンバン!

末原「ハシェミアーン!!」

恒子『噛みつき攻撃さく裂だァァァ!!!』

健夜『ほらやっぱ猿だよ!モンキーだよ!』

恒子『あ、復活してる』

ネリー「痛いよぉ!足噛まないでよぉ……」ポロポロ

揺杏「目を合わせるからダメなんだよ、猿はね、目を合わせたら噛んでくるんだよ」

ネリー「日本の猿怖いよぉ……」ポロポロ

末原「キシャー!!」ガブガブ!

   姫松高校控室にて

末原『ウキィィィ!!!』ガブリ!

ネリー『バラダ!!』

赤阪「イヒヒヒヒ!!噛みつきよったで!イヒヒヒヒ!!」

洋榎「ホンマに猿やないか!」

由子「痛そうなのよー……」

漫「あれじゃ区役所に駆除されますって……」

絹恵「先輩……」

末原『キシャー!』

洋榎「やいオバハン!あれやとただの暴力やろ!なんとかせんかい!」

漫「あのうち止めてきます!」

赤阪「大丈夫やって」

絹恵「なにが大丈夫なんですか!」

赤阪「別に止めにいかんでもやめさせる方法ならあるで」

由子「止める方法……?」

洋榎「どうやって止めさすんや!」

赤阪「これを使うんや……!」サッ

赤阪郁乃がポケットから取り出したのは小さなリモコンだった

漫「テレビ消して見なかったことにするんですか……」

赤阪「ちゃうで~ぽちっとな!」ポチッ

赤阪がボタンを押したその刹那……!

末原『!!』

恒子『おーっと末原が噛みつきをやめたぞ!』

末原『うがががが!!痛い!痛い!!頭がァァ!!』

健夜『急に頭を抱えて悶え出したよ……』

洋榎「な、なんや……なにが始まったんや……」

末原『ごめんなさい!ごめんなさい!!』ジタバタ

絹恵「代行!いったい末原先輩になにをしたんですか!」

赤阪「罰や」

由子「罰?!」

赤阪「せやで、悪いことをしたらお仕置きが必要や
   そやしいけないことをしたら躾として頭に巻いてるリングがギューッとしまるようになってるんや」

末原『ボス!ボスぅぅぅ!!!』ジタバタ

漫「西遊記やないか……」

赤阪「許してもらうにはもちろん」

末原『反省』スタッ

恒子『おーっとあれは反省のポーズだ!』

赤阪「これでお仕置きはお終いや」ポチッ

末原『うき……』

絹恵「やっぱ猿やな……」

  準決勝会場にて

ネリー「ううう……」

咲「大丈夫?」

ネリー「大丈夫……赤チン塗っとけば治る……」

末原「うきき……」

恒子『一悶着は終了したみたいですね」

ネリー「……は!そうだよ!ネリーのツモは?」

揺杏「え?なにそれ?」カチャ

恒子『無情にも闘牌は進んでいたァァァ!!』

健夜『ただのツモ切りになっちゃったね』

ネリー「そんなー……ハァ……」カチャ

揺杏「あ、それロンね」スタタタッ

ネリー「クレオ!」

恒子『おーっとネリーが振り込んだァァァァ!!!』

ネリー「おかしいよ!こんなのっておかしいよ!」

ネリー「やられたらやり返す!倍返しだよぉ!!」カチャ

揺杏「きたひろしま!」カチャ

末原「ウッキャウッキャー!」ドギャ

咲「えい!」カチャ

恒子『さぁ試合が全く読めない!果たして勝つのは誰だ!』

健夜『読みたくもないよこんな試合……』

揺杏「えべつ!」カチャ

揺杏(有効牌キタ!なまら調子良いなわたし!)

恒子『早くもイーシャンテンだ岩舘揺杏!』

末原「ウキキ!」ドギャ

健夜『おさる……末原さんももうイーシャンテンですよ』

恒子『お互い譲らす!果たしてこの局を制すのは誰だ!』

揺杏「ゆうばり!」カチャ

揺杏(イエス!テンパイだ!)

恒子『先にテンパったのは岩舘ユアーンだ!』

揺杏「へっへーん!先にリーチしちゃうよ!リーチ!」カチャン!

恒子『さぁこれで試合が面白くなってきたぞ!』

末原「……」 揺杏「いっぱつ~いっぱつ~♪」

健夜『遅かれ早かれ岩舘さんが和了るよこの局は』

末原「うきー!」カチャ

恒子『おーっと末原もテンパったぞ!』

末原「……」

健夜『でもダメこーこちゃん』 恒子『え?あ、そうか!ここでテンパイにするには岩舘の和了牌を捨てなくていけない!』

末原「リーチ!!」スッ

恒子『末原放銃だァァァァ!!!』

揺杏「よし!!」

誰もがここで末原が振り込みをするだろうと思った……が、しかし……!

末原「ウキャアアアアアアアア!!!」ドギャ!!

末原は牌を思いっきり卓に叩きつけたのだ……!

揺杏「ロ……」

揺杏がロンをしようとする……が

揺杏「え……」

咲「なにこれ……」

ネリー「スゲノ……」

恒子『おーっとなんだこれはァァァァァ!!』

末原「ウキキィ!!」

末原はなにをしたのか……!そう末原がしたこととは……

恒子『牌が凄い勢いで会場の中を跳ね返りまくっています!』

そう……思いっきり卓に叩きつけ牌を跳ね返らせたのだ……!
跳ね返った牌は勢いを落とすことなく天井、床、壁を行ったり来たりしているのだ……!

  ギャンギャンギャンギャンギャンギャンギャン!!!!

末原「秘技!卓がえしじゃーーい!!!」

揺杏「これじゃなにを捨てたのかが分からないよ……」

恒子『なんという技を使うんだ末原恭子!!』

末原「ウキィ!!」

健夜『あれって牌捨てたことになるの?』 恒子『まぁなるんじゃないですか』

揺杏「早く勢いが無くなれば……」

末原「残念やったな!ワイの卓がえしは最低でも2時間は続くで!あれはワイしか取ることは出きんのや!」

揺杏「そんな……」 ネリー(普通に喋れるじゃん……)

恒子『さぁ気を取り直して再開再開!』

健夜『ちょっとヤクルトの悪口はやめてよ!!』 恒子『最下位じゃないですから……』

揺杏「ちぇ……」カチャ

末原「ロンじゃーい!」

揺杏「キリノ!」

恒子『おーっと岩舘が振り込んでしまったァァァ!!!』

末原「ホンイツドラドラドラ!ハネ満じゃーい!!」 揺杏「そ、そんなぁ……」

恒子『ハネ満直撃!これで姫松が2位に浮上です!』

末原「ウキャキャキャキャ!!」パンパンパン!

恒子『末原も手を叩いて喜んでますよ』 健夜『手の叩き方が思いっきりチンパンジーだよアレ!』

 その後も末原の快進撃は続いた……

ネリー「それロ……」  末原「ウキキキィィィ!!!」ドギャ!!

恒子『おーっとまた牌を叩きつけたぞ!!』

  ギャンギャンギャンギャンギャンギャンギャン!!!!

末原「卓がえしじゃーい!!」

ネリー「これじゃロン出来ないよぉ……」

秘技・卓がえし……!誰もこれには太刀打ちができない……!

揺杏「ロ……」  末原「キキーッ!!」ドギャ!!

揺杏「うぐ……」

恒子『また卓がえしがさく裂だァァァァ!!!』

末原「ワイは猿やァァァ!!プロ雀士猿やァァァァァ!!!」

チョンボが怖くて誰もロンができなのだ……

健夜『誰が当たって砕けろで行けばいいのに……』

しかしその卓がえし……意外なところでもろくも崩れ去る運命だった……!

スタッフ「えーっと……」

末原「……」

スタッフ「もうこれ以上アレやったら卓が壊れるからやめろな」

そう……卓がえしのやりすぎで卓にひびが入ってしまったのだ……!

スタッフ「次やったら弁償してもらうからな」

そしてスタッフから怒られたのである……

恒子『これ以上やると卓に穴が開くからストップが掛かりましたね』

健夜『牌も壊れちゃうよ』

末原「嫌じゃーい!!卓がえしはまたやる……」

 ギュイイイイイン!!!

末原「頭がぁ!頭がァァァァ!!!」ジタバタ

恒子『また悶え出したァァァァ!!!』

末原「反省」スタッ

ネリー「これでまともに麻雀ができるよ!」 揺杏「そうだねー」

末原「……」ニヤリ

 カチャ・・・カチャ・・・カチャ・・・

恒子『さぁ大将戦も中盤に入りました!』

健夜『現在トップは清澄、それを姫松、臨海女子、有珠山の順で追っています』

恒子『いったいこの試合はどうなるんだァァァァ!!』

ネリー「てい!」カチャ

揺杏「とどほっけ!」カチャ

末原「カニこのやろー!!」ドギャ

咲「えい!」カチャ

健夜『やっと普通の麻雀になってきたね』

ネリー(ふふふん、牌叩きができない末原さんなんてただの猿だね)

揺杏(北海道には猿がいないから楽しいな~)

末原「……」

 カチャ・・・カチャ・・・カチャ・・・

ネリー「リーチだよ!」カチャン!

恒子『おーっとネリーがリーチだァァァァ!!』

健夜『流れがネリーちゃんに行ってるね』

揺杏「ここですかさずなまらリーチ!!」カチャン!

恒子『おーっとなんと岩舘揺杏も追っかけリーチだァァァ!!!』

健夜『一気に場が動いてきたね』

末原「ウキキィ!」カチャ

恒子『末原もイーシャンテン!さぁ面白くなってきた!』

健夜『でも末原さんの手牌にネリーさんと岩舘さんの和了牌はちらほらあるね』

恒子『まさに地雷原だ末原!あの技はもう使えない!どうしのぐ!』

末原「……」

ネリー(早く振り込め早く振り込め~) 揺杏(カモ~ン)

末原「クククク……」

ネリー「「!!」」揺杏

恒子『末原が不敵な笑みを浮かべています!』

末原「ワイは……ワイは……」

ネリー「ワ、ワイは……?」

末原「ワイは猿やァァァァァ!!」ブチブチブチ!

なんと末原はいきなり自分の髪をむしったのだ……!

揺杏「な……!」

恒子『どうした末原ァァァ!!気でも狂ったかァァァァ!!』

健夜『違う!あれはきっと!』

末原「ふぅ!!」

そして末原は抜いた髪の毛を吹いたのだ……!すると……!

ミニ末原1「いえーい!」

ミニ末原2「うっきー!」

ちゃんと髪の毛が小さい末原になったのだ……!

ミニ末原3「ウッキッキッキー!!!」 ミニ末原4「飛びだしゃいい~」

恒子『どうしたことだ!小さな末原がいっぱいだァァァ!!』

健夜『西遊記じゃん……』

ネリー「に、忍者だよこれ……」

ミニ末原5「キシャー!」

末原「ククク……」

揺杏「い、いっぱい末原さんを増やしてどうする気なの!」

末原「こうするんじゃ!」

ミニ末原1「てい!」 ネリー「ああ!こいつネリーの手牌見てるよ!」

ミニ末原2「とりゃ!」 揺杏「ああん揺杏の手牌見ないでぇ!」

ミニ末原5「ごにょごにょ」 末原「なるほど……そういう待ちかいな……」

そう……末原は分身たちに相手の手牌を覗かせているのだ……!

末原「これでもう振りこまへんで!!」

ネリー「卑怯すぎるよ!!」

恒子『分身なんかたいそれたことやりながらやってることはセコイですね……』

健夜『アレ完全にルール違反でしょ!反則だよ反則!』

恒子『まぁ元は髪の毛ですし良いんじゃないですか……』

末原「これでワイの振り込みは無しじゃーい!」

ネリー「おかしいよこれって……日本は魔境だよ……」カチャ

揺杏「北海道に帰りたい……」カチャ

末原「ウキキ!それロンじゃーい!」

揺杏「え……」

末原「ジュンチャンリャンペーコードラドラ!倍満じゃ!!」

揺杏「そんな……」グニャー

恒子『振り込んでしまったー!』

ネリー「こんなんじゃ絶対に勝てないよ……」

末原「ウキキ!」

咲「……」

  カチャ・・・カチャ・・・

ミニ末原4「スエスエ!牌を見せんかい!」 ネリー「やめてよ!」

ミニ末原4「じゃかわしい!」ガブリ! ネリー「マスシマ!」

ミニ末原1「牌を見せろや~」 揺杏「見せるわけないやろこの変態!」

ミニ末原1「そのパイちゃうわ!」

咲「……」

ミニ末原5「牌を見せろ!キキー!」

咲「うん良いよ」ニコニコ ミニ末原「素直なのは良いことだ!ウキキィ!」

咲「……」ニコニコ

恒子『さぁ末原の独壇場は続くのかァァァ!!』

ミニ末原5「宮永は中とイーソーのシャボ待ちです」ボソ

末原「うむ」

咲「……」ニヤリ

末原「ウキキキ!!!」ドギャ

咲「フフ~ン」カチャ

ネリー「てい!」

ミニ末原2「あ!テンパったな!」

ネリー「言うな!!」

ミニ末原3「牌を寝かしたって無駄だぞお!」カチャカチャカチャカチャカチャ!

揺杏「人の手牌をかきまぜないで!」

恒子『まさにやりたい放題ですね!』 健夜『なんとなくグレムリンを思い出すな……』

末原「これはワイの勝利やァ!!」ドギャ

と、そこで末原は中をツモる、それは咲の和了牌である

末原(おっとっとこれは宮永の和了牌やな)

咲「……」

末原(まぁここは無理するのはやめたほうがええな、まだまだ先は長いんや)カチャ

と、そこで末原は安牌であるイーピンを切った、が、しかし……!

咲「それロンだよ!」 末原「え……」

恒子『おーっと末原が今日初めて振り込んだァァァァ!!!』

健夜『宮永さんも今日初めての和了だね』

末原「な、なぜ……」

咲「中チャンタドラドラ、満貫だよぉ」

末原「イーウーピン待ちやないかバカたれ!!」パチコン!

ミニ末原5「ギニヤ!!」

咲「……」ニヤニヤ

末原「ウキキィ!次じゃ次!いまのはちょっとした間違いじゃ!!」

咲「ふふ~ん」

なぜ、末原は咲の待ちを知っていたハズなのに振り込んだのか……

咲「……」カチャカチャ

そう……咲はミニ末原に嘘の待ちを見せていたのだ……!

ミニ末原5「おっかしいな……ウキキ……」

ミニ末原が見た手牌はこうだ 中中1s1s北北北1m2m3m7m8m9m○○○

一見、中とイーソーのシャボ待ち……しかし違う……!
ミニ末原は待ちだけしか見ていなかった……手牌全部は見てはいなかったのだ……左手で牌を隠していたのに気付かなかったのだ……!
実際の手牌はこうである

中中1s1s北北北1m2m3m7m8m9m2p3p中

そう中とイーソーのシャボ待ちなどではなくイーウーピン待ち……!
咲は巧みに本当の待ちを左手で隠していたのだ……!
あまりにも単純……!されど強力……!

咲(むしろなんでみんな思いつかないんだろう……)

末原「なんで間違えたんや……」

いつもの末原だったらこの咲のあまりにも初歩的な罠に気付いていたであろう……!

末原「まぁいいや!ウッキッキッキッキー!!!」

が、今はただの猿……所詮は猿……猿の脳みそなどちっぽけなのだ……!!

末原「絶対次は大丈夫や!ワイは猿や!!」

咲「そうだね末原さんはおさるさんだよぉ」ニコニコ

ミニ末原が見た手牌はこうだ 中中1s1s北北北1m2m3m7m8m9m○○○

一見、中とイーソーのシャボ待ち……しかし違う……!
ミニ末原は待ちだけしか見ていなかった……手牌全部は見てはいなかったのだ……左手で牌を隠していたのに気付かなかったのだ……!
実際の手牌はこうである

中中1s1s北北北1m2m3m7m8m9m2p3p中

そう中とイーソーのシャボ待ちなどではなくイースーピン待ち……!
咲は巧みに本当の待ちを左手で隠していたのだ……!
あまりにも単純……!されど強力……!

咲(むしろなんでみんな思いつかないんだろう……)

末原「なんで間違えたんや……」

いつもの末原だったらこの咲のあまりにも初歩的な罠に気付いていたであろう……!

末原「まぁいいや!ウッキッキッキッキー!!!」

が、今はただの猿……所詮は猿……猿の脳みそなどちっぽけなのだ……!!

末原「絶対次は大丈夫や!ワイは猿や!!」

咲「そうだね末原さんはおさるさんだよぉ」ニコニコ

その後も末原は振り込み続ける……!

咲「ロン!白ドラホンイツ!ハネ満!」

末原「な……!」

恒子『おーっと末原!またもや振り込んでしまった!』

末原「なぜや……!待ちを完全に知ってるハズやのに……!」

咲の罠に気付かない……!そのために振り込み続ける……!

咲「ローン!マンガーン!」

末原「うぐぐ……」

健夜『どうしたんだろうねいったい……』

猿っ……!猿っ……!猿っ……!猿は間違いに気づけない……!

末原「ウキキキキ!!!」パチコン!

ミニ末原2「ワンチョペ!!」

末原「どいつもこいつも使えんやつや!それでもワイの分身か!!」

咲「ふふ~ん」ニコニコ

末原(こうなったら分身には頼らん!ワイの力だけで現状を打破や!)

ネリー「てい!」カチャ

揺杏「おくじり!」カチャ

末原「ワイは猿や!」ドギャ

咲「えい!」カチャ

恒子『さぁ試合も大詰め!果たして勝者誰になるのか!』

健夜『凄い試合だね……色んな意味で……』

末原「ワイは猿……ウキ!」ドギャ

恒子『おーっと末原!ここでテンパった!』

健夜『分身の力を借りなくても出来るじゃん』

が、しかし……

末原(でもこの中は生牌や……宮永にカンされるかもしれん……)

咲「ふふ~ん」

末原「弁償ぐらいいくらだってするわい!ここは卓がえしや!」ドギャ!!

ところが……

恒子『あーっと!!』

健夜『あちゃ~……』

ネリー「ひぃ!」

揺杏「あ~あやっちゃったか~」

末原「ムキィ!!」

あまりも卓がえしをやりすぎたためについに麻雀卓に穴が開いてしまったのだ……
そして牌は跳ね返らずに穴に入ってしまった……

末原「あ!やばい!」サッ!

このままでは咲にカンされてしまう……そう思った末原は穴に手を突っ込んだ……

末原「ひぐぅ!ひぐぅ!ひぐぅ!」

ネリー「どうしたの末原さん」

末原「手、手が……手が抜けない……」

手が抜け出せなくなってしまったのだ……

恒子『末原ァァァァァ!!!穴から手が抜けなくなってしまったぞ!!』

末原「どうしよう!どうしよう!」

咲「……」

末原「抜けない……!手が抜けない……!」 揺杏「お猿ちゃん……」

末原「手が……手が……」ポロポロ ネリー「大変だよ!レスキュー呼ばないと危ないよ!!」

末原「誰が助けてぇ!ウキキキキ!!」ポロポロ

咲「末原さん」 末原「な、何……」

咲「握ってるものを離したら手が抜けると思うよ!」

末原「え!あ!ホンマや!」ヒョイ!

ネリー「良かったね末原さん!」

末原「良かった……手が抜けて良かった……」

 コロコロ…

咲「あ、それカン」

末原「え」

恒子『宮永のカンカン牧場がやってきたァァァァァ!!!』

末原「待ってや!それはちょっと話が違うやろ!」

咲「もいっこ!カン!!」

健夜『終わったね』

ネリー「ワオ……」

末原「なんで……そんな……」

咲「もいっこカンしちゃうよ!」

恒子『サンカンツだァァァァァァ!!!!』

末原「お願いや!堪忍してや!」

咲「さらにさらに……!カン!!!」

揺杏「スーカンツ……」ゴクリ

末原「キシャーーー!!!!」

恒子『そして……!』

咲「ツモ!スーカンツ小四喜大三元!トリプル役満だよ!」

恒子『トリプル役満だァァァァ!!!末原サヨナラァァァァァ!!!!』

恒子『宮永のカンカン牧場がやってきたァァァァァ!!!』

末原「待ってや!それはちょっと話が違うやろ!」

咲「もいっこ!カン!!」

健夜『終わったね』

ネリー「ワオ……」

末原「なんで……そんな……」

咲「もいっこカンしちゃうよ!」

恒子『サンカンツだァァァァァァ!!!!』

末原「お願いや!堪忍してや!」

咲「さらにさらに……!カン!!!」

揺杏「スーカンツ……」ゴクリ

末原「キシャーーー!!!!」

恒子『そして……!』

咲「ツモ!スーカンツ字一色大三元!トリプル役満だよ!」

恒子『トリプル役満だァァァァ!!!末原サヨナラァァァァァ!!!!』

末原「そ、そんな……」カタカタ

恒子『しあいしゅうりょおおおおおお!!!!勝者は清澄高校と臨海女子だァァァァ!!!』

咲「お疲れ様でした!」ペッコリン

末原「そんな……アホなことが……」

健夜『とことん猿だったね……』

ネリー「ガイトさんに褒められる!キョーダイブンってのになれるよ!!」

揺杏「普通の麻雀させてよもう!」プンプン!

末原「ううう……」カタカタ

咲「末原さんお疲れ!」

末原「お、お疲れ様です……」カタカタ

咲「今日は楽しかったよ!また一緒に麻雀やろうね!」

末原「あ、あの……」

咲「ん?」

  廊下にて

絹恵「ハァハァ!」スタタタタッ!

洋榎「待ってや恭子!」

絹恵「先輩!先輩に早く……!」

漫「愛宕さんは足速いで……」スタタタタッ

赤坂「いくのんは手が早いで~」

由子「シャーラップなのよー!」

絹恵「先輩!先輩!先輩!」

洋榎「恭子が心配なのはわかるけど速過ぎやろ……」

絹恵「先輩!」スタタタター!

絹恵たちは会場に到着する

絹恵「え!先輩!」

絹恵がそこで見たのは……!

末原「ボス!ボス!ボス!」 咲「くすぐったいよ末原さ~ん」

そこには咲とべったりくっ付いている末原恭子が居たのだった……

絹恵「先輩……」

末原「ボス!毛づくろいしましょ!」

咲「ええ~恥ずかしいよぉ~」

漫「なんで宮永に懐いてるんや……」

由子「のよー……」

洋榎「ははーんあれやな、宮永咲をボス猿と認めたんやな」

末原「ほらスカート脱いで!」グイグイ

咲「ダメだよ末原さ~ん」

絹恵「心配して損したで……!」

赤坂「イヒヒヒヒヒ!!完全に猿やん!末原ちゃん面白すぎ!イヒヒヒヒヒ!!!」

末原「キシャーーーーー!!!」

    ガブリ!!!!

赤坂「ギニヤ!!」

こうして末原たちの夏は終わったのであった……

   数年後……

漫「ハァ……ハァ……」

ザック・・・ザック・・・ザック・・・

漫「ハァ……ハァ……」

ザック・・・ザック・・・ザック・・・

漫「ハァ……ハァ……暑い……あぢー……」

ザック・・・ザック・・・ザック・・・

漫「なんでうちが……こんな砂漠なんか歩かないけないんや……」

漫はいま砂漠を歩いているのだ

漫「あぐぐ……喉が渇いて死にそうや……」

咲「大丈夫ですか沙悟浄?疲れたなら休憩にしましょうか?」

漫「誰が沙悟浄やねん!うちは河童とちゃうわ!」

末原「三蔵法師様に向かってその口の訊き方はなんや!」パチコン!

漫「ギニヤ!!」

末原「ガンダーラまでまだまだや!さっさと歩かんかい!」

そう末原たちはガンダーラを目指して旅をしているのだ……!

漫「ガンダーラだかダンカンだか知りませんけどね!うちはガンダーラなんか行きたくないんや!」

末原「悟りを開きたくないんか!」

漫「うちが開きたいのは鯵だけや!あとうちがなんで河童なんや!」

末原「河童やなくて沙悟浄や!どう見たって頭が沙悟浄やろ!」

漫「デコがピカピカしてるだけですやん!河童は頭のてっぺんがピカピカなんや!」

深堀「まぁまぁ喧嘩しないで……落ち着いて……」

漫「落ち着いていられるかいな!てかお前だれやねん!」

末原「猪八戒やないかどう見たって」

漫「どうだってええわ!ああもう帰りたい!早くうちに帰りたい……」

咲「ガンダーラが私たちの故郷なのです、さぁ早く行きましょう」

末原「愛のままに~わがままに~♪」 漫「なんやねんもう……」

果たして末原たちはガンダーラへと辿りつけるのか……旅はまだまだ続く……

       末原「だれにも勝てねぇ!」漫「先輩!!」        カン

以上ですお
スレ立ててくれた人読んでくれた人ダンケシェーン

寝るお

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