憧「Sizumons;Gate 深山幽谷のインカーネーション」 (60)

憧(決勝戦で何を悟ったのか…突如しずは姿を消した)

憧(何の手がかりも得られずじまいだったが、あたしはしずを捜し求めた)

憧(それと並行して、勉学を突き詰めていった)

憧(決勝戦から苦節10数年、その結果あたしが行き着いたのがDメール)

憧(過去改変を重ねて、あたしは世界線シズモンズ・ゲートへと辿り着いた)

憧(阿智賀は優勝こそしなかったようだけど、しずは消えていなかった。そして…)

穏乃「おはよう、憧!」

憧「おはよう…しず」

憧(最後にDメールを送信した後、気づくと隣にはしずがいた)

憧(どうやらこの世界線ではあたしとしずは同棲してるみたい)

穏乃「もう時間だから私は先に行くね」

穏乃「朝ごはん、ちゃんと食べて行くんだよ!」

憧「わかってるって」

憧(とりあえずオフィスの場所は特定したけど…)

憧(名前からすると、化学系企業?)

憧(あっ、これ美味しいな)

憧(早めに出るか)

憧(電車でおよそ1時間)

憧(どうやらオフィスは大阪にあるらしい)

憧(さて、ここかな)

憧(とりあえず受け付けで聞いてみようか…)

セーラ「おはようさん、珍しく早いな!」

憧「えっ、江口セーラ!」

セーラ「なんややかましいな…って江口さんやろ!」

憧「あっ、ごめんなさい」

セーラ「なんか様子がおかしいな…もしかして記憶喪失とか?」

憧「そうなのよ!」

セーラ「うそっ!ボケたつもりやったのに」

憧「だから色々、覚えてなくて…」

セーラ「さよか…ほな着いてきてや」

セーラ「…てなわけで、記憶喪失らしいわ」

フナQ「えっと、簡易テストを行った結果…精神状態は正常と出ましたけど」

憧「あはは…」

泉「なにか隠してるんとちゃいますか?」

憧「話すと長くなるので、終業後に説明させてもらいます」

セーラ「それで業務内容についても忘れたとか言うんやなかろうな」

憧「それが…えっと…」

セーラ「付き合いきれんわ…」

怜「まあまあ、そこらへんで」

セーラ「怜!」

竜華「今日は調子がええらしいんよ」

怜「新子さんはうちの優秀な社員や」

怜「これまでの貢献度からすれば今回の件なんて問題にならん」

怜「今回は大目に見たろうや」

フナQ「それについては概ね賛成しますけど…業務内容の再説明はする気ないですからね」

竜華「じゃあ泉やな、頼むで!」

泉「ええっー、私ですか…」

竜華「頼んだで」

泉「はい…」

穏乃「灼さん、お久しぶりです!」

灼「なんのよう?」

穏乃「奈良地域森林保安委員会の件です」

灼「ああ、ごくろうさま」

灼「でもうちは協力する気はないと…」

穏乃「今日は、別件ですよ」

穏乃「なんと赤土先生じゃなかった…赤土プロが委員会の理事に選ばれまして」

灼「ハルちゃんが!?じゃあうちも…」

穏乃「ええ!?いいんですか?」

灼「まあ、気が変わったっていうか…」

憧「へえ、すごい設備ね…これは研究がはかどりそうだ」

泉「ほんとに記憶喪失なんか?」

憧「ちょっと違うけど、大体は…」

泉「わからないことがあったらまた聞いてな」

憧「ありがとう」

セーラ「それで、記憶喪失やったっけ?」

憧「うん、話せば長くなるんだけど……」

フナQ「なるほど…でもにわかには信じがたい話やなー」

泉「えっと…阿智賀は優勝してましたよね」

憧「えっ!?」

怜「あんたが三年の時やったな…」

竜華「私、映像持ってるで!」

憧「見せてくれませんか?」

竜華「ええでー、まず先峰が高鴨穏乃ちゃんや」

憧「しずが先鋒!?」

竜華「で、次峰がメガネの子で…」

竜華「これが中堅の岡橋初音ちゃんや」

憧「初瀬に似てる…」

竜華「で、副将にあんたが来て…」

竜華「なんと…」

竜華「大将の松実玄ちゃんや!」

憧「玄!?え…留年したの!?」

セーラ「あー、ちょっとええか」

憧「なんですか?」

セーラ「別に今はタメでもかまわんで」

憧「なによ?」

セーラ「それで、穏乃との関係についてはわかってるんか?」

憧「あ…わかんないや」

竜華「それはまずいでー」

竜華「怜は、誕生日を忘れたら怒るし」

竜華「初膝枕記念日を忘れても怒るし」

竜華「結婚記念日を忘れたときなんかは思い出したくもないわ」

怜「なに言ってんねん、あれは竜華が悪い」

竜華「そんな感じやから、しっかり確認しとかんと痛い目みるで」

憧「そうはいってもなあ…」

フナQ「聞きづらいわな」

憧「はい…」

セーラ「ったく…意気地のない奴やなー」

憧「うるさいわね」

憧「でも…ほんとにどうしようかな…」

憧「せっかくここまで来たってのに…喧嘩別れなんて洒落にならないよ…」

怜「困ってるようやし、うちの会社の結束力を高める機会かもしれんし」

竜華「うちらで新子さんのアシストしたるで!」

竜華「名づけて『オペレーション・シズアコfeat.千里山』や!」

憧「うわ…」

怜「ないわー」

セーラ「せやな」

竜華「ええーっ!?」

憧「ただいまー」

穏乃「おかえり、憧」

憧「もう遅いのに…」

穏乃「夕飯できてるよ」

憧「あっ…ごめん、食べてきちゃった」

穏乃「そっか…じゃあ、お風呂沸いてるから入ってきたら」

憧「ありがと」

憧「しずは…もう寝てるか」

穏乃「…」

憧「えっ…YES?」

憧「これって…」

憧(いや、しずは寝てるのよね…)

憧「おやすみ、しず」

憧「zzz」

穏乃「寝ちゃったか…」

穏乃「憧、おはよう!」

穏乃「あ、書置き…」

穏乃「もう行っちゃったのか…仕事熱心だな」

穏乃「きっと行く末が心配なんだろうな…私がお金にならない仕事してるせいで」

穏乃「ごめんね憧…」

憧「というわけで手帳とかを持ってきたのよ」

怜「穏乃ちゃんの?」

憧「いや、あたしのだけど…」

セーラ「うーん…これはヘタレやな」

フナQ「そうですね」

憧「だって、人のものを勝手に持ち出すのは…」

泉「それはそうですけど、場合が場合ですからね」

憧「ともかくこの手帳に手がかりがあるかもしれないし…」

セーラ「なになに…これはひどいヘタレっぷりやな」

憧「うわー、読むなー!」

穏乃「玄さん、ごぶさたしてます!」

玄「あっ、穏乃ちゃん!」

穏乃「今日はどうして?」

玄「旅館の関係でちょっとね」

穏乃「そうなんですか」

玄「ちょっとお茶でもどうかな?」

穏乃「いいですね」

玄「穏乃ちゃんは最近どう?」

穏乃「憧と同棲を始めたんですよ!って、これ言いましたか?」

玄「聞いてないよー。っていうことはゆくゆくは…」

穏乃「結婚ですか?まあそのつもりですけど…」

玄「なにかあるのかな?」

穏乃「最近、憧がなんか冷たくて…」

玄「憧ちゃんが?」

穏乃「はい…」

玄「だから憧ちゃんが本当は結婚を望んでないんじゃないかって…そう思ってるのかな?」

穏乃「そうなんです…」

玄「心配いらないと思うよ」

穏乃「そうですか?」

玄「多分、穏乃ちゃんの為にがんばってるんだよ」

穏乃「え?」

玄「金銭面の問題も大きいでしょ、だから心を鬼にして頑張ってるんだよ」

穏乃「やっぱり…私、憧に迷惑かけてばかりだ…」

玄「でも、憧ちゃんと相談して決めたことなんでしょ?」

穏乃「そうですね、ありがとうございます。元気が出てきました!」

玄「どういたしまして」

憧「もしもし、しず?」

穏乃「憧、どうしたの?」

憧「今日も遅くなりそうなんで夕飯いらないや」

穏乃「わかった、お仕事頑張ってね!」

憧「うん、じゃあね」

穏乃「憧は…もう出掛けてるか」

穏乃「今日は雨か…」

穏乃「憧が頑張ってるんだもん、私も頑張らなくちゃね」

穏乃「行ってきます…」

竜華「調子はどう?」

憧「以前のあたしを知らないからなんとも言えないけど…どうですか?」

竜華「こっちに来てる報告書からすると、ノルマは十分に達成しとるな」

竜華「そのまま頑張ってくれる?」

憧「わかりました」

宥「あら、穏乃ちゃん」

穏乃「宥さん!昨日、玄さんに会いましたよ」

宥「聞いてるよ。何してるの?」

穏乃「仕事がひと段落着いたので、ちょっと休憩中です」

宥「山の保全活動だっけ」

穏乃「そうです」

宥「大変だね…」

穏乃「でも、憧の方が大変そうで…」

宥「玄ちゃんからも聞いたけど、あまり思いつめちゃだめだよ…」

穏乃「そうですよね…」

宥「最近、二人の時間が取れてないんじゃないの?」

穏乃「お互い忙しくて…」

宥「それはよくないと思うよ」

穏乃「どうすればいいんでしょうか…」

宥「休日でも、どこか出掛けてみたらどうかな?」

穏乃「考えてみます…」

憧「どうしよ…」

セーラ「どうしたんや?」

憧「こんなメールが…」

セーラ「なになに…明日はなんの日だか覚えてる?」

泉「これはまずいですね…」

竜華「間違えたらひどいことになるで、気をつけや」

憧「まてよ…明日は休日だから、その名称を…」

怜「大丈夫か?」

憧「どうでしょう…ところで」

フナQ「携帯鳴ってるで」

憧「うわっ…怒ってるよ」

セーラ「ふざけないで、か…」

怜「これ、怒ってるんか?」

竜華「まだまだ序の口やと思うけど…」

泉「それは先輩方の場合ですよ…」

憧「しずから電話…ちょっと出てくる!」

憧「もしもし、しず…」

穏乃「ねえ、憧…明日は何の日か覚えてる?」

憧「えっと…」

穏乃「もしかして本当に覚えてないの?」

憧「しずと付き合いだした日とか…」

穏乃「ちがうよ…明日は、私と憧がはじめて会った日だよ…」

憧「うそっ…ごめーん、素で忘れてたー」

穏乃「…」

憧「あの…怒ってるよね…」

穏乃「別に…じゃあ付き合いだした日のことは覚えてるの?」

憧「えっと、その…あー、あれでしょあれ…」

穏乃「やっぱり覚えてないんだ…」

憧「ごめん…」

穏乃「やっぱり私、憧にとって迷惑なんだよね…」

憧「そんなことないって…」

穏乃「私、出てくね…今までありがとう…さよなら!」

憧「待ってしず!切れちゃった…」

憧「…というわけで有給休暇を頂けないでしょうか」

セーラ「えー、おなかが減ったら戻ってくるって」

憧「それはあんたの場合でしょ!しずはああ見えて繊細なのよ!」

セーラ「その言い方だと、俺はがさつってことにならんか」

憧「ええ、そうよ!悪い?」

セーラ「生意気なやつ…」

竜華「まあまあ…落ち着いて二人とも…」

怜「有給の件は構わんよ。今はそう忙しい時期でもないしな」

憧「ありがとうございます」

怜「そのかわり、全部片付いたら報告してな」

憧「はい」

フナQ「こういう場合に妻がいる場所の統計データ持ってますんで、送っておきますわ」

泉「がんばって下さい」

セーラ「はやく帰って来いよ」

憧「みんな…ありがと」

憧「とはいったものの…」

憧「しずの実家、あたしの実家、阿智賀、山…」

憧「どこにもしずはいなかった」

憧「携帯も通じないし、もうどうしたらいいのかな…」

憧「罰なのかな…過去に逆らってしずを追い求めた」

憧「もう一回だけ山を探してみようかな」

憧「それで見つからなかったら…」

穏乃「もう帰れ、って言われちゃったよ…」

穏乃「あの時はかっとし過ぎちゃったな…」

穏乃「憧はあきれてるかな…それとも私のことを探してるかな…」

穏乃「もう携帯のバッテリー残量も少ないし、帰ったら充電しないと」

穏乃「あっ、夕飯どうしよ…まあ冷凍食品が残ってたし、レンジでチンして、それでなんとかなるかな」

憧「やっぱりいないよね…」

憧「ここ、小さいときにしずと来たことがあったっけ…」

憧「分かっちゃった…もう私はこの世に存在してはいけない存在なんだ」

憧「和に言わせればそんなオカルトありえませんって言うだろうし、あたしもそう思ってたけど…」

憧「いざ、倫理に背くとそうも言ってられなかったな…」

憧「さよなら、しず…愛してるよ」

憧「最後にしずに送っておこうかな…」

憧「昔、書き留めたけど結局送れなかったラブレターやポエム…」

憧「全件送信にして…じゃあね、しず」

憧「痛たたた…」

憧「あれ、あたし…なんで生きてるの?」

憧「っていうか、ここどこよ…」

憧「マンションの屋上?」

憧「うーん、なんか気分冷めちゃったし帰ってみようかな…」

憧「ただいまー」

穏乃「おかえり!おめでとう憧!」

憧「なにが?っていうかなんでここに…」

穏乃「なにを言ってるのかよく分からないけど…優勝おめでとう!」

憧「へっ?」

穏乃「まあまあ、とりあえず手を洗ってきなって」

憧「うん…」

憧「うわっ…すごいご馳走ね!」

穏乃「日本人初の優勝なんでしょ。ほんとにすごいよ憧!」

憧「あの…なに言ってるのか分かんない…」

穏乃「記憶喪失とか?」

憧「しず、あのね…」

穏乃「なに?」

憧「信じられないかもしれないけど……」

穏乃「そっか、大変だったんだね…」

憧「うん、前回に至っては崖から飛び降りまでしちゃって…」

穏乃「ああ、なんとなく思い出してきたよ…和の家に居候してたんだ」

憧「和の家に?」

穏乃「うん…まあ追い出されちゃったけどね…」

憧「それで?」

穏乃「家に帰って冷凍食品を解凍してたらレンジがバチバチ言いはじめて…あれ?」

憧「ああ…そういうことだったのね」

穏乃「?」

憧「しずもすごいじゃん…ほら、最近ここらも山が少なくなったでしょ」

穏乃「残念だよね…」

憧「前の世界線では、沢山残ってたのよ」

穏乃「へー、そうなんだ…いいなー」

憧「それはしずの功績なのよ」

穏乃「えっ、私の!?」

憧「皮肉にも、山がなくなってマンションが建ったおかげであたしは助かったんだよね」

穏乃「そっか、憧が無事でよかったよ」

憧「最初の世界線で、なんでしずが居なくなったのかは覚えてる?」

穏乃「禅寺で修行をしてたような…」

憧「あはは、しずらしいや」

穏乃「時折さびしくなって実家に戻ってみたりして…」

穏乃「憧は海外に飛んだって聞いて余計に寂しくなったりして…」

憧「そうだったんだ…」

穏乃「憧が私のことを探してくれてたなんてね…うれしいや」

憧「いつだって探してるわよ…しずったらすぐどっかに行って戻ってきやしないんだから」

穏乃「ありがとう、憧」

憧「どういたしまして」

穏乃「ねえ、憧…キスしてくれないかな」

憧「い、いきなりなによ…」

穏乃「だめかな…」

憧「わ、わかったわよ…」

穏乃「キス止まりか…憧ってやっぱり…」

憧「それ以上言わないでよ…」

穏乃「そんなところも好きだよ」

憧「全く調子いいんだから…」

穏乃「本当だってば」

憧「分かってるって…」

セーラ「へー、そんなことが…ってなんで俺らにそんな話するねん!」

憧「だって、全部終わったら話せって言ってたから…」

セーラ「そもそも、お前はうちの社員じゃないやん…」

竜華「うちらも負けてへんで!怜、あの話してもええか?」

怜「だめにきまってるやろ」

竜華「先週のことなんやけどな……」

憧「あはは…」

憧「そういえば、前の世界線で過去に送られたメールってどうなったんだろ…」

穏乃「憧の気持ちのつまったメールのこと?」

憧「あああ…なんであんなもの送ったかな…」

穏乃「決勝前半戦が終わって、落ち込んでた私の元にあのメールが届いてさ…」

憧「奇跡ね…」

穏乃「それに励まされて、アコスパワーで優勝したんだよ!」

憧「またまた変なことを…」

穏乃「本当だってばー」

憧「新子憧です、よろしくね」

生徒一同「あ゙ご゙ぢ゙ゃ゙ん゙だ゙ア゙ア゙ァ゙゙ァ゙ア゙」

憧「えっ、なにこれ…」

穏乃「私の生徒だよ」

憧「それは分かってるって…」

生徒A「それ、ロンです」

憧「あっちゃー…」

生徒B「憧ちゃんってテレビだとあんなに強いのに…なんか弱くない?」

憧「あはは…」

穏乃「本番に強いタイプなんだよ」

憧(しず、ナイスフォロー!)

穏乃「もう時間だね、みんな気をつけてね!」

生徒一同「さようなら!」

憧「はあ、しんどいわー」

穏乃「私の鍛えてる生徒だもん、なかなか強いでしょ」

憧「プロ復帰なんてできるのかな…ここ数年は麻雀なんてやってなかったし」

穏乃「大丈夫だって、っとそろそろかな」

憧「なにが?」

玄「穏乃ちゃん、憧ちゃん、おひさしぶりです!」

宥「玄ちゃんとも久しぶりだね」

玄「お姉ちゃんも来てくれたの!?」

宥「うん…力になれればいいな」

憧「玄、宥姉!」

晴絵「真打は最後に華麗に登場!」

灼「まだ私がいるんだけど…」

憧「ハルエ、灼!」

穏乃「旧阿智賀女子メンバー揃い踏みですね!」

晴絵「さあ、始めようか!」

一同「はい!」

終わりと始まりのツモオール

穏乃「さあ、第一試合の準備はオッケーだよね?」

生徒5「もちろんです!」

生徒3「シャツ出てるよ…」

生徒5「今度こそ、大丈夫です!」

穏乃「よーし、今年こそ優勝するぞ!」

生徒一同「おー!」

初瀬「実況は私、岡橋初瀬と」

憧「解説は新子憧でお送りしまーす」

初瀬「えっと…そのサングラスはなんですか?」

憧「よくぞ聞いてくれた!試合前にしずとプールに行ってきたのよ」

初瀬「えっ…阿智賀女子の監督とですか?インハイ前にそれはまずくないですか?」

憧「もちろん生徒たちも一緒だよ」

初瀬「えっと…気を取り直して、新子プロの注目するチームなどはございますか?」

憧「阿智賀女子かな」

初瀬「それ以外でお願いできますか」

憧「うーん…第二シードの千里山とかかな」

初瀬「何故ですか?」

憧「去年、阿智賀が打ち負けたからだけど」

初瀬「あの…このプロ、チェンジで」

憧「怖いから真顔で言わないでよ…ちゃんとするってば」

初瀬「はあ…なんでこの人の解説が人気あるんでしょうか…」

憧「きっと穏憧がブームなんだよ」

憧「あっ…負けて落ち込んでるしずを宥めるあたし…いいかもね」

生徒4「あんなこと言ってるけど…」

穏乃「憧ったら//」

初瀬『先峰戦に出場する選手は指定の対局室に集まって下さい』

憧『席決めは早いもの勝ちだよー』

穏乃「先峰戦、頼んだよ!」

生徒2「がんばってね…」

生徒3「あんなやつ気にせず、どーんとやっちゃえ!」

生徒5「先輩、頑張ってください!」

生徒1「行ってまいります!」

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