京太郎「北緯35度」 (106)


高校を卒業した私は東京の大学へ進学を希望し、希望通り東京の大学に進学した。

高校生の時に麻雀の全国大会で上京して以来、吉野(こきょう)にはない『何か』が東京(ここ)には

あるのではないか、と思ったからだ。

だけど現実は厳しいもので初めての一人暮らしと、慌ただしい東京の生活リズムに、私は悪戦苦闘する毎日を送っていた。

悲しいかなこの頃は『何か』を探すどころではなかった。


だけど…それでもそんな東京と大学と一人暮らしに、徐々に慣れ始めた頃のあの日。

私の目に予想だにしないモノが映る。


まさかこんなところで――――――――


私は驚き何故か胸が高鳴っている自分に気付くのと同時に、何かしらの運命じみたモノを感じずにはいられなかった。


 

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特に深い間柄でもなく、会ったのは数える程…それも共通の友人を通して且つ、あいさつ程度しかしていなかった。


それでも実は私は密かにそのヒトの事が気になっていたし、もう一度、どこかで逢ってみたいと思っていた。


現実的に考えてそんな機会はある訳ないと思っていたし、そんなドラマチックな物語なんてありえないと思っていた。


でも――――――


今、私の視界にはその人がはっきりと映っている―――――


これは…神さまが私に与えてくれた『何か』なのか?


私はそんな何処か乙女チックな思いに駆られながら、半ば無意識にそのヒトに声を掛けていた。



その人の名は――――――――



 


大学のキャンパス。


憧「あのっ。ちょっといいですか」

?「えっ?ああ、いいけど……」

憧「もしかしてあなた、清澄高校のマネージャ-だった……」

?「ん……まぁマネージャーではないかな。清澄にはいたけど」

憧「やっぱり……あの…和と同じチームだった須賀さんですよね!」

京太郎「ああ。そうだよ。新子さん」

憧「えっ!?私の事覚えてたんですか?」


京太郎「そりゃあ。高校麻雀の有名人だし。和の友達で他の子たちと、大会が終わった時に逢ってた時、俺もいたし……」

京太郎「それに新子さんが、この大学の麻雀部に所属してるのも知ってるよ」

憧「そうなんですか……」

京太郎「でも、新子さんこそ、よく俺の事なんて覚えてたな。あの時は挨拶くらいしかしてなかったし……」

京太郎「それに清澄じゃモブみたいな感じだったのに」はは…

憧「そっそんな事は……それに…その…私物覚え良い方だから……」

京太郎「はは…そうなんだ」



憧(ホントはあの時、気になってそれとなく和に…この人の事を聞いてたんだけど……//////)


 


京太郎「ん?どうかした?」

憧「!?ううん…何でもないよ!//////」ふりふり

京太郎「そっか……じゃあ―――――」くるっ

憧「あの…須賀さん!」

京太郎「ん?まだ何か?」

憧「あの…も…もし時間があったら、ソコでもう少しお話していきませんか?その…和の事とかいろいろ聞いてみたいですし…………」あせあせ

京太郎「いいけど…ちょうど次の講義待ちだったし」

憧「じゃあ―――――――」



私はこの時、吉野から遠く離れたこの東京の地で、探していた大切な『何か』を掴み掛けた様な気がした―――――


  


憧「えっ須賀さんも麻雀部だったんですか?」

京太郎「ははっ知らないのも無理はないよ。殆ど幽霊みたいなもんだし、どっちかって言うと新聞部の方に力入れてるし」

憧「新聞部?」

京太郎「ああ。ちょっと色々考える事があって入ったんだけど、正直言って覚える事が多くて大変だけど、何だかんだ言って面白いんだ」

憧「ふぅん……」

京太郎「それに…実を言うと新子さんの事も、その新聞の特集記事で知ったし・……」

憧「そうなんだ……」


京太郎「あっそうそう。同じ阿知賀出身の松実さんの事も知ってるよ。あの人の入ってきた代から急に強くなったって話だし」


 



憧「宥姉の事も……」

京太郎「ああ。まぁ知ってるとは思うけど、今、女子麻雀部は結構注目されてんだぜ。何たって他の部を押しのけて特集記事を組まれるくらいだしな」

憧「まぁ…そうね。それに今年は私も入ってきたことだし、これから女子麻雀部は黄金時代を迎える事になるからね」

京太郎「おっ言うじゃないか。まぁ…あの阿知賀出身だし、言うだけの事はあるか……その分、俺や男子はさっぱりだしな……」

憧「須賀君が今から頑張ればいいじゃない?清澄だって相当実績あるし」

京太郎「俺?俺は…はっきり言って弱い。それに実績だって女子だけだし」きっぱり

憧「ふふ…そんなきっぱり言わなくてもいいじゃない」

京太郎「フッ…事実だからな」キチッ

憧「もうっ須賀君たら」

京太郎「ははは……」


京太郎(…………あれ?そういや、いつの間にか新子さんの口調が変わって…ってま、いいか同い年だし)


  


憧「それに私の事知ってるなら、ちょっとくらい声を掛けてくれたっていいんじゃない?知らない仲じゃないんだし」

京太郎「知らない仲って言っても、あいさつ程度で殆ど話した事もないし、俺の事なんかもうとっくに忘れてると思ってたし」

憧「そんな事ないわよ……じゃあ――――――」

京太郎「?」


憧「何かの縁で一緒の大学なんだし。これからはお互いに親睦を深めていこうよ―――――」



私はこの時、不思議なくらい積極的な自分に戸惑いを覚えながら、言い様のない期待感に心を躍らせている自分を感じていた―――――


 


憧「ねえ、このお店のパンケーキが美味しいって評判みたいなんだけど、一緒に行ってくれないかな?」

京太郎「パンケーキ?何で男の俺が……まあ嫌いじゃないけどな」


憧「欲しい家電があるんだけど、よく分からないから一緒に行って見てくれないかな?」

京太郎「とか言って、俺を荷物持ちにする気なんだろ?」

憧「エヘヘ…バレた?」ぺろ


憧「ねぇ今度――――――――」


あれから私は事あるごとに彼を誘う様になった。


私が誘うと、彼はいつも一瞬…何故か申し訳なさそうな表情(かお)浮かべながら、それでもいつも…と言う訳じゃないけど、よく私の誘いに付き合ってくれた。


彼自身からは殆ど誘ってはくれる事はなくて、学食のレディースランチを私に頼ませる時くらいだけど、私はそれでもよかった。

いつの間にか私は…彼と一緒に居る時が一番ドキドキして楽しくて……。


これが幸せ……と言うのだろうか?とにかく私はどこか温かくふわふわとした、幸福感に包み込まれていた……。


 



そんなある日の事―――――


とあるデパートの婦人服売り場。


京太郎「言っとくけど、残念ながら俺にはお前の服を選べる様なセンスなんてないからな?まっそれなのにホイホイつられていく俺も俺だけど」

憧「ふふ…そんな事言って、ホントは私と一緒に居られて嬉しいんじゃないの?」

京太郎「言ってろ?」

憧「ふふふ…」


憧「ねぇこれなんかどうかな?」

京太郎「ん?いいんじゃないか」

憧「もうっいい加減な事言って……」

京太郎「そう言われて―――――」

憧「じゃあこれは?//////」すっ

京太郎「いいんじゃ―――――!?」ぶっ

京太郎「おまっそれってパンツじゃないか!?なんてもん見せんだよ!」

憧「だって京太郎君がちゃんと見てくれないんだもん。それに…さっきなんかいつの間にか、どっかに行っちゃうし……」

京太郎「だからって……だから何度も言ってけど、俺にはセンスなんモンはねぇし……それに」

憧「それに?」


京太郎「そういうのって普通は、彼氏に見てもらうもんだろ?俺はお前の彼氏じゃないしな」


憧「―――――――そう…だね…………」



 


京太郎「ん?どうしたんだ急に黙り込んで?」

憧「え?ううん…何でもないよ……」


京太郎「ならいいけど……あっそうだ。ほいコレやるよ」すっ

憧「えっ?」どきっ…

憧「あの…これって……髪留め?」

京太郎「お前、髪留めてる事が多いだろ?だからまぁ…これなんかお前に似合うかなって思ってさ」

憧「コレを私に?あっ!もしかして…さっき居なくなったのって……」

京太郎「ははっ俺流サプライズってやつだよ?って別に大したモンでもないし、俺が選んだやつだから、お前の好みじゃないかも
しれないけど」

憧「――――――ううん…そんな事ないよ…嬉しい……」ぎゅっ…


京太郎「ん、どうした?泣くほどうれしかったか?」はは



 



憧「…………うん…」こく
じわ…

京太郎「おいおいそんなにしおらしくなって、お前らしくないぞ?……ってお前もしかして泣いて……?」

憧「……………………ばか…これくらいで泣く訳ないじゃない……」ごしごし

京太郎「そりゃそうだよな。お前がこんなんで泣くタマじゃないよな」

すっ…
憧「…………もうっ京太郎君たら…私だって普通にか弱い女の子なんだからね?」

京太郎「そうだよな……ちょっと言い過ぎたか。ごめんな」ぺこ


憧「でも…そうだよね。確かにこんなのって私らしくないよね……でもちょっとだけ嬉しかったから――――」

京太郎「?」



憧「よし!プレゼントしてくれたお礼に憧さんがゴハンを奢ってあげる!」ニコッ



  

夜に再開します


とあるイタリアレストラン。


憧「―――――じゃあ…今日はお疲れさまという事で・……かんぱーい!」

かちゃん

京太郎「乾杯……はいいけれど、本当にいいのか?奢って貰っちゃって」


憧「いいのいいの。今日は付き合ってもらったし。プレゼントもくれたしね」にこにこ

京太郎「いや…別に大したもんじゃないけどな」

憧「それに私。今…気分がサイコーにいいから!」

京太郎「そ…そうか。それならいいんだけどな」


京太郎「でも太っ腹だな。と言うか、今日だけで結構な金を使ってる気がするけど、大丈夫なのか?」

憧「大丈夫、大丈夫。言ってもここチェーン店だし。それに私、塾の講師とかしてるから。結構、割がいいんだ…あのバイト」

京太郎「まぁ…うちの大学に入れたぐらいだから、頭いいんだろうけど……塾か……俺には無理っぽいな……」うーむ…

憧「何言ってるのよ。アンタだって私と同じ大学じゃない」

京太郎「まぁ俺の場合は色々あってさ…お前と違って俺はそれ程頭が良い訳じゃないから。受験勉強だって死ぬ程やったし……」

憧「ふぅん……色々って何か理由でもあるの?」

京太郎「それは――――まっ……いいじゃねーかそんな事は。大した理由でもないし。今日は楽しく飲んで食べようぜ」

憧「…………うん。そうだね」


 



憧「うふふー。ワインも料理もおいしーね!」にこにこ
こくこく

京太郎「お…おう」

京太郎(それにしてもこの新子さんえらくゴキゲンだな。そんなに俺からのプレゼントが嬉しかったのか……?)はっ…


京太郎(…………まさかコイツ俺の事を―――――)ちら


憧「?」ん

京太郎(いや…まさか……でも、もしそうだとしても俺は――――――――)


憧「ん?どうしたの京太郎君?いきなりそんな顔して?」

京太郎「いっいや何でもn――――――」


ピロピロリ――――



 


京太郎「ん?」
すっ

京太郎「!!」


京太郎(………………マジかよ……よりによってこんな時に―――――)


憧「どうしたの?そんな怖い顔して?私はいいから、早く電話に出て上げなさいよ」

京太郎「………………スマン。じゃあちょっと失礼な」すっ
すたすた


憧「あっ――――別に席なんて立たなくてもいいのに……」

憧「……………………」じ……


京太郎「――――…――……――――」


憧(店の隅でまじめな顔して話してる……何か弁解してるみたい……)

憧(………………………)


 


―――


京太郎「ああゴメン。いま終わったから」


憧「ね…ねぇ……今の電話…………もしかして彼女からだった?」ドキドキ…


京太郎「!!ばっか。そっそんなんじゃねぇy――――――」


憧「――――――――!!」
ばっ!!


京太郎(新子がすごい形相で、いきなり立ち上がってきた!?)



 


憧「えいっ!ちょっと見せなさいよ!!」くいっ

京太郎「ちょっ何すんだよ!?」

憧「――――――――」はっ…


憧「ふふ…ゴメンね冗談d―――――」
ピッ

憧(えっ!?)

京太郎(あっ!!)



憧「こ…この待ち受け画面に映ってるのって、もしかして………………宮永さん?」


 



京太郎「………………」

憧「ど…どういうことなのコレ……?宮永さんと付き合ってるって事!?」

京太郎「…………………」

憧「どうして黙ってるの?やっぱり二人は付き合って―――――」


京太郎「―――――ああ。そうだよ。俺は咲と付き合ってるよ」


憧「――――――!!じゃ…じゃあ……どうして今まで隠してたのよ!」

京太郎「隠してなんかねーよ。ただ、別にお前に言う必要もなかっただけだ」

憧「!!必要ないって何よ!!!」

京太郎「何よって……お前…何怒って――――」


憧「怒ってなんかない!ただ。今まで言ってくれなかったのが赦せないだけ!!」



 


京太郎「赦せないって……別に俺が誰と付き合っていようがいまいが、お前には関係ない事だろ?」

憧「!!」

京太郎「なぁ…もうこの話はもういいだろ?別に俺と咲の話なんて聞いても面白くないし……飲みなおそうぜ―――――」


憧「――――――話して」


京太郎「え?」


憧「京太郎君と宮永さんの事を話してと言ってるの!詰まらなくても何でもいいから!!」


京太郎「………どうしてもか?」

憧「…………………」コクン


京太郎「…………………」はぁ…



京太郎「――――――分ったよ。そこまで言うなら話してやるよ。俺と咲は――――――」


 



――――。


憧「…………ふぅん…そういう事だったんだ」

京太郎「ふぅん…って……そういう反応されるの分ってから言いたくなかったんだけど」はぁ


憧「つまり宮永さんが、東京のプロチームのスカウトを受けた時に、急に好きになって告白したと……」

京太郎「いや…なんかこの時の咲が眩しく見えて、急に意識する様になって、ダメ元で告白したんだよ……」

憧「そしたら宮永さんがOKして、付き合う事になったと」

京太郎「まさか本当にOKしてくれるとは、思わなかったんだけどな。あん時はすっげえ嬉しくて、舞い上がってたんだけどな……」

憧「…………それで東京のチームに往く宮永さんについて行く為に、東京の大学に進学しようと思ったんだ」

京太郎「……ああ。ただ東京の大学なら何処でも訳じゃなくて、プロであるアイツに少しでも釣り合える様になりたくて……」

憧「それでウチの大学を選んだんだ?」

京太郎「そうだよ。ここマスコミ関係も強くてさ、卒業したら麻雀誌の編集記者になって、いつかアイツの記事を書く事が出来たらって思って……」

憧「じゃあ新聞部に入ったのも……」


京太郎「ああ。その為にだよ。そうする事でちょっとでもアイツに近づけるかもしれないと思って、入学前から入部するって決めてたんだ」


 


憧「それで頑張って合格して、夢と希望に満ちた東京生活の始まりと思っていたら……」

京太郎「アイツ…土壇場でプロ入りの話を蹴って、地元の大学に進学するって言い出したんだよ。それで俺にも同じ地元の大学を受けてほしいって……」

憧「そう言えば宮永さんって……あの時すごい期待されてたのに、土壇場でプロ入りを拒否したって新聞にも書かれてた気がする……」

京太郎「ああ。急にプロになるのが怖くなったって言うんだよ。あん時は本当にショックだったよ……」

憧「そうなんだ……」

京太郎「もう…あん時は色んな感情がぐちゃぐやに混ざった様な正に『うわー』って言う感じになって…………」

憧「…………だからか…でもそんなアンタはそんな宮永さんのお願いを蹴って、アンタは東京(こっち)に来て、宮永さんは地元に残って遠距離恋愛を始めたと」

京太郎「ここ受かる為にホントに死ぬほど勉強したしな……それにもう、麻雀の編集記者になるって目標もあったし……」

憧「なるほどね……それでいつの間にか、疎遠になっちゃたんだ?」

京太郎「疎遠って…まぁ…ぶっちゃけ確かにあんまり逢ってないし、連絡もそんなに取ってないのは事実だけどさ……」

憧「…………………」



京太郎「…………………」

京太郎(…………だけど正直…俺はどうしたいんだ?俺は咲の事を―――――――)モヤ…



 



憧(…………………………うん)ぐっ!


京太郎(くそっ!なんかモヤモヤする!早く帰って寝ちまいてー!!)

京太郎「なあ新子、今日はもう帰ろう―――――」


憧「ねぇ京太郎君………」

京太郎「ん?」

憧「何かイライラしてない?」

京太郎「…………まぁな。だから今日は―――――」


憧「だったらさ―――――――」




憧「ストレス解消に、今からカラオケ行かない?―――――――」




 

取り敢えず今回はここまでです
前にこれに似た設定のお話が有ったと思いますが
それは書いている人が同じだからです
ちょっと書きたい事があって書き始めたのですが
お話を考える能力がないので同じ様なお話になってしまいました。
済みません。という事で
改めて同じ人が書いているという事でご容赦ください

少し長くなってしまいましたがそういう事ですので
よろしくお願い申し上げます

それでは


カラオケ店。


京太郎「~~~~~~~――――♪」


憧「どう。少しはスッキリした?モヤモヤした時は大きな声を出すのが一番だし」

京太郎「…………まぁな……」

京太郎(でも根本的な解決にはなんねーだけどな……)


京太郎「それより…次お前だろ」

憧「うん」すっ


~~~~~~~♪


京太郎「ん?『Grip!』?どっかで聴いたことあるな……」

憧「うん。昔…好きだったアニメの曲なんだけど……」

京太郎「!!ああっ思い出した。そういや俺もちょっと視てたわ」



憧「――――藍色に散らばる―――――♪」


―――
――



 



憧「――――――むせかえるような リアルな日常♪」



憧「大切なヒトはアナタ―――――♪」



京太郎(えっ!?歌詞が違う?)びくっ


憧「目の前のヒトに抱く 堪え切れない 恋慕の想い―――――♪」すっ
すとん――――


京太郎(!?俺の隣りに座った)



 



憧「さわって――――♪/////////」すっ
さわさわ…



京太郎「うぉ!!!!?おまっナニを―――――///////」ドキッ!!



憧「つかんで―――――♪////////」
きゅっ!



京太郎「うっ!!!?////////」



憧「私の想いきっちり伝えよう――――――♪」



 
憧「最後に 笑うため 私の想いきっちり伝えよう―――――♪」


 

 



憧(/////////////////////は…恥ずかしかった……でも――――――)


京太郎「――――――――――――/////////」


憧(私のキモチは伝わった……のかな……////////)クニクニ…


京太郎「――――あ…新子……わ…私の想い……ってお前、もしかしてホントに俺の事を?///////」はぁはぁ

憧「もしかして……じゃないでしょ?もうとっくに気づいてたんじゃないの?私がアンタの事を好きなんじゃないかって?////////」にぎにぎ

京太郎「そ…それにしたって、コレは…かなりはしたないんじゃ――――///////」うぉふっ

憧「ハシタナイ…ってコレの事?///////」
くにくにぃ

京太郎「うっ!?//////」びくびくんっ

憧「だって…思い切ってコレくらいのコトしないと、伝えられそうになかったんだもん//////」かぁぁ


京太郎「……って。思いっ切り過ぎだろ!!」



 


憧「ねぇ…京太郎君……」

京太郎「何だよ?」



憧「京太郎君はハシタナイ女の子はキライ?」



京太郎「えっ!?///////」ドキッ!


憧「確かに私は…はしたない女のコ……でもそれは京太郎君の前でだけ何だからね―――――」

京太郎「新子……」

憧「その人の事が好きで好きで、どうしようもないから、どんな事をしても振り向いてほしいから―――――」

京太郎「…………………」



 



憧「だから私は好きなヒトの前でだけ…ハシタナイ女のコになるの・……/////////」

憧「それでも…京太郎君は、私みたいな…はしたない女のコはキライ?」じっ…


京太郎「~~~~~~~……――――――ッッッ!!キライなんかじゃねぇよ――――――」
がばっ!


京太郎「むしろ大好きだよ!!!」
だきっ!


憧「嬉しい……私の想い届いたんだ……」じわ…
ぎゅっ…


憧「ねぇ京太郎君………………」ドキドキ…




憧「私の家……………こっから近いんだ――――――――――」



 

 



憧さんの部屋。


朝「ちゅんちゅん」


憧「ふふ…朝になっちゃったね……」

京太郎「…………ああ」

憧「私たち……ついに一線…越えちゃったんだね……///////」

京太郎「…………ああ」

憧「でも…嬉しい……京太郎君と結ばれる事が出来て、ホント嬉しい……」

京太郎「新子……」

憧「……………憧って呼んで」じ…

京太郎「…………憧……」

憧「えへへ…アリガト」にこ


憧「ねぇ京太郎君――――ううん…京太郎」

京太郎「ん……」

憧「後悔してる?私とこんなカンケイになって……」

京太郎「ばか…そんな事…後悔してるなんて言える訳ないだろ?」

憧「そうだよね……言える訳ないか……ふふ…京太郎はやっぱり優しいね……」

京太郎「…………俺は…ぜんぜん優しくなんかねぇよ……」

憧「そんな事ない。京太郎は優しいよ……」

京太郎「……………」

憧「…………ねぇ…じゃあ…だったら―――――」




憧「私のこと好き?」



 


京太郎「……………………ああ」

憧「宮永さんよりも?」じ…

京太郎「…………………」

憧「……ゴメンね…今のはイジワルだったね……いいんだ…今はそれでも…………」

京太郎「憧……」


憧「京太郎……大好き―――――」
ぎゅっ…


憧「……………………」ぎゅう…


京太郎「…………………」


 



憧(そう…今はまだそれでもいい…………)



憧(でも…私はこの人の事が好き!彼女がいたとしても関係ない!)


憧(欲しいモノがあるのなら全力で掴み取り、掴んだら決して離したらダメなのに、そうしなかった宮永さんが悪いんだから!!!)


憧(そうよ!好きで好きでどうしようもないんだから、もう…なりふりなんて構っていられない。どう思われても、何を言われても構わない!)


憧(誰にも渡したくない……たとえそれが他の誰かから奪う事になったとしても――――――)


憧(だから私は……いつか…いつか絶対にこの人を――――――)



憧(この人の全てを掴み獲ってみせるんだから――――――――――)



 

今日はここまで

と言うか実を言うとこのカラオケ屋さんに下りのネタを書きたかっただけのお話なので
現状この先のお話は全くと言っていい程に考えていません
正直に言って折角ここまで書いたので続きを書きたい気持ちはありますが
もし書けなかったら済みません

どうなるにせよ取り敢えずここまで読んで頂き

ありがとうございました

それでは


おまけ。



それからも俺と憧のそんな関係が続いていた。

周りからはもう公認のカップルの様に扱われ、俺はそれを肯定も否定もする事はしなかった。


俺には『 宮永 咲 』と云う名の彼女がいる―――――。


でも…それでも少しづつでも間違いなく新子に……憧に惹かれていく自分がいる事も、否定する事はできなかった。



俺は年末に実家に帰り、そこで咲と久しぶりに会った。


 



だけどその二日後には吉野に向い、そこで憧と会って…そのまま二人で一緒に東京に戻ったりした。


俺は……どうしたらいいのか、どうしたいのか、分らないままでいた。


こんな事をしている自分に対して嫌悪に近い感情を抱き、こんな事じゃダメだと思いながら――――


それでも現実には憧が俺の隣りに…触れられるところにいる。


そして…そう思う度に俺は何かしらの安心感と充足感に、満たされていく自分に気付いてしまっていた。





俺はやっぱり憧の事を――――――。




そんな事を思い始めていた、春先の事だった。



 



俺は日課である新聞各紙の流し読みをしていた時だった。


京太郎「……う…うそだろ?…………アイツ俺には何も――――――」


スポーツ紙の中頃に書かれたその記事を見た瞬間。俺は言い様のない強い衝撃を受ける。




『元インターハイチャンピオン 宮永 咲   
 東京のプロ麻雀チームに電撃入団!!』



京太郎(咲がプロに転向した!?)



京太郎(そ…そんな事…俺はアイツから何にも聞いて……でも…やっと――――――)



俺の固まりかけていた意志がこの時、音を立てて粉々に砕けて落ちていくのを感じていた……。





おまけのおしまい。


 


こんな感じのお話の展開を考えていましたが
この先がどうにも書けそうになく
恥ずかしながら既にこれ以上ないくらい
グダグダになってしまったので
これで一応完結という事にさせて頂きます


ありがとうございました。


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