ーー京子の部屋ーー


京子「んで、まずはなにをやるの？ (話が全く見えないけど……)」

綾乃「まずは一本目の矢ね」

京子「一本目の矢？ 全部で何本あるのさー？」

綾乃「三本よ」

京子「へぇ～ (なんだかよくわからないけど、丁度連休で暇だったから良いかー)」

綾乃「じゃあ一本目の矢……」

京子「……」

綾乃「大胆な親友緩和から始めるわよ！」

京子「親友緩和……？」

綾乃「そ、そうよ！」

京子「どういうことー？ 親友を緩和するって……」

綾乃「えぇっとじゃあまず……」

京子「うん？」

綾乃「い、今、自分の親友は誰かって聞かれたら、誰を答えるのよ？」

京子「親友？……やっぱ結衣かなぁ」

綾乃「そ、そうよね」

京子「それがどうかしたのかー？」

綾乃「いや……」

京子「綾乃はー？」

綾乃「わ、私は……多分……」

京子「うん？」

綾乃「ち、千歳になると思う」

京子「だよねー」

綾乃「……」

京子「んで、それをどうするのさー？ 緩和っていうのは」

綾乃「で、でさ」

京子「うん？」

綾乃「こうやって親友は誰？ってなった時に、基本的に一人しか挙げないのって」

京子「うん？」

綾乃「なんていうか……縛りがきついと思うのよ！」

京子「縛りがきつい？」

綾乃「ふ、二人くらい挙げられたって良いじゃない！」

京子「親友って呼べる範囲を広げるってことー？」

綾乃「そうよ！ それが一本目の矢」

京子「なるほどねー」

綾乃「……で、誰にするのよ」

京子「ん？」

綾乃「だから、もう一人親友を挙げるとしたら、誰にするのかって聞いてるのよ！｣ｶｧｯ

京子「あぁ」

綾乃「……｣ﾄﾞｷﾄﾞｷ

京子「うーん……」

綾乃「……｣ﾄﾞｷﾄﾞｷ

京子「あかりかな？」

綾乃「」

綾乃（まぁそうよね……当たり前よね……）

京子「あ、でもそうなると、ごらく部でちなつちゃんだけ入らなくなっちゃうから、ちなつちゃんも」

綾乃「……」

京子「別に三人でも構わないだろー？ 大胆な緩和なんだから」

綾乃「……う、うん」

京子「じゃあ今度から親友は誰か聞かれたら、ごらく部のみんなって答えるよー」

綾乃「……」

綾乃「ふぅ」

綾乃（……もちろん、こうなることはわかってたわ）

京子「親友の枠を増やすなんて、綾乃も面白いこと言うね～」

綾乃（対応策だって考えてあるんだから！）

京子「ちなつちゃんとも親友か～なんか照れるな～｣ｸﾈｸﾈ

綾乃「……待って」

京子「ん？」

綾乃「親友と後輩は別にするべきよ」

京子「親友と後輩は別？」

綾乃「そうよ」

京子「なんでー？」

綾乃「やっぱり、親友同士の会話に敬語が入るってのはおかしいじゃない？」

京子「そうかなー？」

綾乃「タメ口でお喋りし合うのが親友ってものでしょ！ だから後輩は抜きにしましょ」

京子「でもあかりはタメ口だよー？」

綾乃「赤座さんは、また別よ」

京子「別？」

綾乃「赤座さんは親友というより、妹って感じじゃない？ 」

京子「あぁ、そう言われてみれば……」

綾乃「だから親友とは別よ」