ミカサ「訓練に力を貸して欲しい」ベルトルト「えっ」(25)

ミカサ「私は、エレンを守りたい。守る。」

ミカサ「ので、その為には、強くなくてはいけない。もっと訓練が必要」

ミカサ「手伝って欲しい」

ベルトルト「……僕に?」

ミカサ「そう。貴方が、適任」

ベルトルト(……ミカサの戦闘力は驚異だ。正直、これ以上力を付けられるのは困る)

ベルトルト(断る?いや、下手な態度を取って不審に思われるのはまずい)

ベルトルト(効果が上がらないよう、あるいは対策を練れるように、協力するふりをするのが妥当か…?)

ミカサ「……」ジー

ベルトルト「あ…えぇと」

ベルトルト(……一先ず様子を見るか…内容によっては上手く誘導出来るかも知れない、……多分)

ベルトルト「……解った、僕に出来る事なら」

ミカサ「! ありがとう、嬉しい」

ベルトルト(笑った!?……こうして見ると普通の女の子なのになぁ)

ベルトルト「えぇと…それで、僕は何をすれば良いのかな?ミカサはどう言う訓練をしたいの?」

ミカサ「とても簡単。少しの間、抵抗せずにいて欲しい」

ベルトルト「…解った」
(痛い系…?だったらちょっと怖いな)

ミカサ「では始める」スッ

ベルトルト「……えっ!?」ヒョイッ

ベルトルト「みっ……ミカサ!?」

ミカサ「どうかした?」

ベルトルト「いや…え?何でお姫様抱っこ…?」

ミカサ「筋トレの類い」

ミカサ「エレンは抱えられる。アルミンも」

ミカサ「しかし非常事態が起こった場合、二人同時に抱えなければならないかも知れない」

ミカサ「そうなると、二人分の体重、更に装備等を含む重量を持てる必要がある」

ミカサ「ので、重い必要があった」

ベルトルト「?流石に僕もそこまで重くないよ?」

ミカサ「大丈夫。対策は既に出来ている。……そろそろ」

ガチャ

エレン「ミカサ、用事ってな…ん…」

アルミン「わ、エレン急に止まらないで…え」

ミカサ「エレン、アルミン。こっちへ来て」

エレン「…何やってんだお前…」

ミカサ「訓練をしている。二人とも、早くこっちへ」

エレン「いや、いやいやいや。訳わかんねぇよ。何の訓練だよ…ベルトルトも抵抗しろよ」

ベルトルト「あ、うん…その、協力するって言っちゃったから……」

アルミン「嫌な事は嫌って言わなきゃ駄目だよベルトルト…」

ベルトルト「いや…まさかこうなるとは…」

ミカサ「今日は限界に挑戦する。…ベルトルト、腹筋は丈夫?」

ベルトルト「え?まあ…それなりには」

ミカサ「良かった。アルミン、こちらへ来て、ベルトルトの上に乗って」

アルミン「えっ」

ベルトルト「えっ」

ミカサ「エレンは私の背中におぶさって」

エレン「いやだから訳わかんねぇって!」

ミカサ「おんぶが嫌ならエレンもベルトルトの上に…」

エレン「ベルトルト折れちゃうだろ!」

ベルトルト(あ、僕バーベルの棒役か…)

ベルトルト「……えーと…」

ベルトルト「アルミン、エレン、協力してくれるかな…」

アルミン「え、でも…」

ベルトルト「終わるまで解放してもらえなさそうだし……凄く恥ずかしいから早く終わらせたい…」

アルミン「あっ…うん…」

アルミン「じゃあ、えーと…ごめんねベルトルト」

ミカサ「大丈夫。ベルトルトは丈夫」

エレン「お前が言うとこじゃないだろ…」

アルミン「んしょ、っと…こ、これでいいのミカサ?」

ミカサ「うん」

アルミン「ベルトルト、大丈夫?」

ベルトルト「これくらいなら平気だよ」

ミカサ「ではエレン、私の背中に」

エレン「えぇー…マジでやんのかよ…」

ミカサ「早くしないとベルトルトが折れる」

エレン「お前さっき大丈夫っつった癖に…あーくそ」

エレン「よっ、と」ヒョイ

エレン「これで良いのか?」

ミカサ「良い。とても良い」

アルミン(あ)

ベルトルト(あ)

アルベル((……ミカサ幸せそう))

エレン「おい、これすげー恥ずかしいぞ…早く終わらせろよ」

ミカサ「すぐ終わるのでは訓練にならない。ので、暫くこのまま」

エレン「マジかよ…」

ベルトルト(…ミカサも女の子だなぁ…何か間違ってる気がしなくもないけど)

アルミン(昔と違って今はあんまりくっつけないもんね…)


アルミン「……ベルトルト、どのくらい平気そう?」

ベルトルト「……どうかな、少なくとも三十分は平気だと思うよ」

ミカサ「では三十分を目安にする」

エレン「マジかよ!?三十分もこのままとか恥ずかしすぎるだろ!」

アルミン「」チラッ

ベルトルト「」コクリ

アルミン「…エレン、手で支えて貰わず人の背中にしがみついているのは、結構色んな筋肉を使うよ。僕のこの体勢も結構バランス感覚が必要になるし、皆それぞれ訓練になると思うんだ。協力してあげたら?」

ベルトルト「僕もまあ、腹筋とか鍛えてると思えば平気だから」

ミカサ「!」

エレン「何だよお前らまで…あーもう、解ったよ、ミカサから落ちなきゃ良いんだろ」

ミカサ「…そう、だから、もっとしっかり掴まるべき」

エレン「解ったって…おい、あんま動くなよ」ギュー

ミカサ「戦闘中はそんなこと言っていられない。ので、少し歩く」

エレン「うおっ、落ちる落ちる!」ギュギュー

ミカサ「」ホクホク

アルミン「……ベルトルト、ごめんね」ポソポソ

ベルトルト「良いよ、気にしなくて」ポソポソ

エレン「おい、部屋からは出るなよミカサ。コニー辺りに見られたら何てからかわれるか…」ギュー

ミカサ「解った」シアワセ

ベルトルト(…あれ、何か当初の目的…………いや、何かもう良いや……)



この十分後、ジャンが泣きながら特に理由のない暴力でライナーを襲う。

女子力(物理)高いミカサさんとバーベルトルトさん書きたかっただけ。ありがとうございました。


せっかくだからこんな感じの短編をもっと書いてほしい
すごく見たい

>>14
そう言ってもらえるのは凄く嬉しいんだが、すまん、早くもネタギレなんだ。読んでくれてありがとう

*ちょっと思い付いたので後日談

*地の文がちょっと入る

*ベルミカのつもりは全くないが、そう見えるかも知れない。嫌な人はスルー願う

*シリアスくさい。ほのぼので終わりたい人は以下同文

では始める。

ミカサ「この間は、訓練に付き合ってもらって助かった」

ミカサ「ので、お礼をしたい」

ベルトルト「この間?…ああ、あれか。気にしないで良いよ」

ミカサ「私がお礼をしたい。ので、受け取って欲しい」スッ

ベルトルト「……手袋?」

ミカサ「……」ジー

ベルトルト「……解った、もらっておくよ。ありがとうミカサ」

ミカサ「うん」

ベルトルト(これから秋だからな…実用的だ。ミカサらしいな)

ミカサ「……」ジー

ベルトルト「…?どうかした?ミカサ」

ミカサ「……貴方は」

ミカサ「……時々、とても寒そうに見える」

ベルトルト「…寒そう?」

ミカサ「……上手く説明出来ない、けど」

ミカサ「私の感じる寒さと、……似ている気がした」

 呟くように言い、ミカサはそっと首に巻かれたマフラーに触れた。
 彼女のそのマフラーが、一体どう言う意味を持ち、どんな経緯で彼女の手元にあるのかを、ベルトルトは知らない。
 けれど、ミカサにとってそのマフラーがどれだけ大切で、特別なものなのか――それは、ほんの少し注意を向けて見れば、誰にでも解ることだった。

ミカサ「私は、救われた」

ミカサ「寒い時、温めてくれる人がいる」

ミカサ「……私から貰うのでは、意味がないかも知れない、けど」

ミカサ「……寒いのは、辛いから」

ベルトルト「……ミカサ…」

ベルトルト「……」

ベルトルト「ありがとう、ミカサ」

ミカサ「!」

ベルトルト「嬉しいよ。……大事に使わせて貰うね」

ミカサ「…うん」

ミカサ「……では、エレン達を待たせているので、もう行く」

ベルトルト「うん、じゃあね」

ミカサ「」タタタ

ベルトルト「……」

ベルトルト「…手袋」

ベルトルト「……あったかい、な」

 小さな苦笑を含む声は、柔らかい布に包まれた手の中にぽつりと落ちた。

因みにこの手袋受け渡しを遠目に見てしまったジャンがやっぱり特に理由のない暴力でライナーを襲う。

しかもどうせライナーに返り討ちにされるんだろうから
哀れさ二倍www

>>22
俺、ジャンが嫌いな訳じゃないんだぜ…?むしろ大好きなんだ。








だが不憫でこそ輝くキャラだと思っている(特にSS)。

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