若林「イキ、ガミ・・?」(899)

今日も夜遅くまで収録があって、家に帰れたのはもう明け方だった。

疲れでふらふらしつつ、早く安息の地へ足を踏み入れようと鍵を開けようとした、その時。
ドアに何か貼り付けてあることに気づく。

若林「なんだこれ・・?」

それを剥がし、家の中へ入る。

若林「宅急便の不在届かなんかか?」

今はもう明け方4時だ。
電話しても意味ないだろう。

何より疲れたし明日も朝から仕事が入ってるから寝ることにした。


若林「ん・・」

カーテンから差し込む光で目を覚ます。
重たい体を起して時計を見る。
8時か。

ここんとこ睡眠時間が4時間だったり5時間だったり。
5時間取れればいいほうかな。
まあ仕事をたくさんもらえてるってことだから嬉しい悲鳴なんだけど。

いつものように身支度をしようとして、ふと気づいた。
昨日の不在届。

もうやってるかな?
俺はとりあえず電話することにした。

数回のコールの後、繋がった。

「はい、国繁サービスセンターです。」

俺は耳を疑った。
いや、疑いたかった。

若林「こ、くはん・・?」

「はい。どういったご用件でしょうか。」

血の気が引くってこういうことを言うのかな。
力が入らない。
電話の向こうでやけに歯切れの良い女の人が何か言ってるけど全く耳に入ってこない。

「もしもし?もしもし?」



俺に届けられる予定だったものは

「イキガミ」

だった。

-----死亡予定時刻まであと19時間56分




ああ、早く準備しなきゃ
遅刻しちゃうよ
スタッフさんに怒られちゃうかな

そんなことより俺死ぬんだって
あと何時間だ?
19時間くらいか?
今日何本仕事入ってるっけ
全部終わるころには死んでるな

期待

何で俺?
やっと売れてきてこれからだっていうのに
あの貧乏生活からやっと脱出出来たのに

ラジオも決まってさ
あわよくばテレビでの冠番組とか持っちゃったりするのかなあなんて
思うじゃん
やっぱ芸人としては
何で俺?

何で?なんでなんでなんでなんで

若林「う、」

慌ててトイレへ駆け込む。

>>6誰も見てないかと思ってた。ありがとう。

若林「おえっ、えっ、うっ」

若林「うっ…ううっ…ああ…」

若林「ああああ…!」

涙とゲロで顔ぐちゃぐちゃ。
なんだよ。
死ぬってなんだよ。
意味分んねえよ。


スタッフ「若林さん遅いですね」

マネージャー「すみません、ちょっと連絡取ってみます」

prrrrr…

prrrrr…

マネージャー「出ない…」

春日「どうかした?」

マネージャー「若林君電話出ないんだよね…何も無かったらいいけど」

春日「寝坊でしょうよ。きっと」

rrrr…

prrr プツッ

電話鳴ってたな
マネージャーだろうな
ああ、行かなきゃ
たくさんの人に迷惑掛けることになる

…準備しなきゃ

俺はとりあえずこの涙とゲロまみれの顔を洗うことにした。
テレビに出るんだから。
芸人なんだから、俺は。

のちのち突っ込まれそうだから補足
イキガミの原作では18歳から22歳までが対象だけど、今回は関係なしってことで
あと今猛烈に腹下してるので投下スピードは遅いです

ちょ、言ってるそばからちょっとトイレ行ってくる
まさかこんなに見てくれているとは思わなんだ…



マネージャー「こりゃ遅刻かな…まずいなあ…家に行ってみようかな…」

若林「すみません!遅れました!」

マネージャー「若林君!」

若林「すみません、寝坊しました」

マネージャー「ほら早く準備して!」

若林「はい!」

なんとか間に合った。
俺は胸をなで下ろす。
ふと春日と目が合う。

春日「遅いぞ」

若林「悪ぃ」

春日「おい」

若林「あ?」

春日「目腫れてないか?」

これは今日寝れないフラグ
投下遅くても待ってるぜ

支援

どきっ。
ほんとに心臓って音鳴るんだな。

若林「気のせいだよバカ。」

春日「そうか。まあ無理はしなさんなよ。」

何気ない優しさが胸をさす。
こいつは昔からそうだ。
バカみたいに優しいんだ。
絶対俺を責めない。

思えばこいつとは長い付き合いだな。
中2からだもんな。

今日で最後、か。

俺が死んだらこいつはどうするんだろう?
「春日」としてピンでやってくのかな?
こいつだったらピンでも人気は出るだろうな。
でもキャラ芸は長く持たねーんだぞ。
それとも新しい相方探すかな?
こいつポンコツだけどだれかもらってくれるのかな?
誰ももらってくれないよ。こんなポンコツ。
やっぱり俺だけだな、お前みたいなのと組めるのは。
俺以外と組むなんて許さないからな。

春日「若林?」

若林「え、あ」

春日「どっかいってたぞ、今」

若林「どっかってどこだよ」

春日「んー、」

若林「アドリブ利かねえな!」

今日の一本目の収録は滞りなく終わった。
相変わらず春日ばっかだったけど。


----死亡予定時刻まであと17時間20分


マネージャー「今日はあと4本収録だね。次の収録までしばらく時間があるから休憩してて」

若林「あ、きょ、今日って何時に終わる?」

いかん。
声が上ずってしまった。
平静を装え。

マネージャー「終わるのはそうだな…4時くらいかな?」

4時。
俺が死ぬ時間じゃねーか。
心臓が早くなる。
死ぬんだ、俺。

若林「そっか。」

マネージャー「?どうかした?」

若林「何でもないよ。ちょっとその辺散策してくるわ。」



あー!バカみたいにいい天気だ!
俺は春日みたいに声を掛けられることが少ないから、こんな風に散歩出来る訳だ。

どんなに気を紛らわしても、「死」が頭から離れない。
当然だ。
死んだこともないしな。
どうなるんだろう?
俺が死んでもこの世界は変わらない。
なんだそれ。さみしいなおい。



アイドル「そうなんですよおー、でねー…」

はっはっはっはっ!


笑わなきゃ。
笑えるか。
死ぬんだぞ俺。
何でお前ら笑ってんだ。
何で俺は死ぬんだ。
何でだよ。
何でだよ。
何でだよ。
何でだよ。

春日「若林?」

小声で呼ばれハッ、とする。

春日「気分悪いのか?」

若林「何でもねえよ。ほら、カメラに抜かれるから前向いて笑ってろよ」

春日「でもお前」

若林「いいから」

お前はこれから一人で頑張らなきゃいけないんだから。

うっかり口に出してしまいそうになった。



-------死亡予定時刻まであと13時間38分


サトミツ「おー!ドリーちゃん!」

次の現場ではどきどきキャンプと一緒だった。
なんだか無性に泣きそうになってしまった。

ずっと一緒に頑張ってたもんな。
お互いやっと日の目見ることが出来て。
これからだったのに、な。

サトミツ「?若林君元気ない?」

若林「そんなことねえよ」

春日「そうなんだよ、若林今日ずっとこんな感じで」

サトミツ「何かあった?」

俺、今日死ぬんだ。

言った方が楽になるかな?
言えるわけないけど。

友達も一緒の現場はやっぱり楽しかった。
大御所ばっかだったからな。

------死亡予定時刻まであと10時間32分

サトミツ「このあとまた収録?」

若林「ああ。どきキャンは?」

サトミツ「今日はこれで終わりだわ。やっぱ忙しいなードリーちゃん」

若林「嫌味くさいなー」

サトミツ「まあ嫌味だけど」

若林「なんだよそれ」

佐藤君の横っぱらを小突く。

サトミツ「ほんじゃ行くわ」

あ。
何か言わなきゃ。
これ、最後だ。

若林「佐藤君」

サトミツ「ん?」

佐藤君が振り向く。
何でだろう。
感謝の気持ちしか出てこないわ。
こんな俺といっつも一緒にいてくれて。
一緒に遊んでくれて。

もっと遊んだりしてさあ、馬鹿みたいな話をしてさあ。
…したかったなあ。

サトミツ「どした?」




若林「…もう岸君とけんかすんじゃねーぞ!次はもう解散だぞ!」

佐藤「わーってるよ!」

ありがとうな、佐藤君。

そのあとの収録ではもう考えるのはやめることにした。
今、この瞬間を生きる。
少しでも良い、刻みつけるんだ、俺が生きてた証を。
春日はいつも通りだった。
うん。安心する。

------死亡予定時刻まであと5時間13分

なんだこれディスプレイ壊れてんじゃねーの
文字が滲んで読みづらいわ

楽屋に戻って、夜ごはん。
時計は23時を回っていた。

春日「何だ、食べないのか?」

口いっぱいにものつめてしゃべんじゃねーよバカが。

若林「んー」

春日「そうか」

そういうとまた口にごはんを詰め込む春日。
思わず噴き出しそうになる。

若林「なー春日?」

春日「ん?」

若林「次の収録って漫才やるんだよな?」

春日「うん」

若林「何のネタやる?」

春日「んー」

若林「お前に聞いた俺がバカだったわ」

もう無理だ……
誰かまとめか保守頼んだぜ

これが最後の漫才だ。
もう最後かあ。
俺もっと60とか70になってもやるつもりだったんだけどなあ。

若林「んー、ちょっとネタ合わせしてみるか」

春日「そうだな」

若林「ネタはとりあえずいつもやってるデートでいいか」

春日「そうだな」

やけに素直だな、おい。
おなかいっぱいだからご機嫌なのか。

若林「はいどーもー、オードリーというものなんですけど」

そうそう、こうやって俺が最初に出てきてさ、お前はあとからのろのろやってくんだ。
俺が出てきたときより歓声が上がるのがむかついてたけど、最近慣れてきたんだよな。

若林「若林、春日でやっておりますけどもね、今日も漫才を始めさせて頂きたいと思うんですけども」

春日「始めんのかよ!」

若林「何で叩かれたのかわからないんですけども」

春日「ヘェッ!」

俺トゥースとヘッ嫌いなんだけどな。
みんな好きだからしょうがない。

ああ、楽しいな。
お客さんがいてさ、みんな俺とお前を見てるんだ。
そんで笑ってくれるんだ。
こんな楽しいことないよ。

M-1次こそ取りたかったな。
悪ぃな春日。
でも絶対俺以外のやつと取ったりするなよ。
殴るからな。
殴れるさ。死んだことないから分かんないけど。

俺と春日で、取りたかったな。



春日「若林・・?」

気づいたら俺は泣いていた。
うわ、最悪だ。

作り話だってわかってても泣けちゃうんだな
名作なんだもの

若林「あー何でもねえ、何でもねえんだよ」

春日「いやいや、何かあるでしょ」

近寄んな馬鹿。
涙が止まらなくなるだろうが。

ああ、死にたくないんだ俺。
まだ漫才やりたいんだ。

若林「っく、うっ、」

春日「大丈夫か?」






若林「なあ、お前お笑いやらない?」

春日「はい?」

前の席の中学から一緒の奴に話かける。

春日「何で俺なの?」

若林「うーん、何かお前なんだよ」

春日「なんだそれ」

若林「俺らきっとうまくいくよ。な?」

春日「お笑いって何か不安定な職業でしょ?」

中々しぶといなこいつ。
まあ分かるんだけどな。言いたいことは。

でもお前なんだ。
何でって言われても分からねえけど、お前何だよ。


俺は大学に進学したあとも誘い続けた。
NSCに行くだろうと思ってたのは俺だけだったようで、春日はあっさり進学した。
俺も焦って大学へ。

若林「な!やろう!」

春日「中々諦めんなあ…」

オードリーssのまとめサイトってないのかな?
検索のしかたが悪いのか見つからない

そのあとも何度も誘い続けた。
それはもう何度も。

そして何とか説得して、事務所も決まって、コンビ名も決まった。
ナイスミドル。
俺がボケで春日が突っ込みで。

がむしゃらだったな。あの時期。
オンバトは連続で落ちるし。テレビの仕事なんてめっきり来ないし。
春日はポンコツって言われるし。

言い出しっぺの俺が解散するっつってな。
それなのにお前から引き留めたんだよな。1000円札持って。追っかけてきて。
あん時のお前の顔はなかなか笑える顔だったよ。

んでオードリーに改名してな。
テレビ出るようになって。
M-1準優勝して。

あのクズみたいな俺達がだよ?
奇跡だよ本当に。

これからなんだよ、俺達。
中2から願い続けた夢がさ、叶い始めてるんだよ。

ごめんな?春日。
俺もう死んじゃうんだって。




春日「落ち着いたか?」

若林「…悪ぃ」

俺は春日に買ってきてもらったコーヒーをすする。
こいつがおごってくれるなんて珍しいな。

ちょ…
そろそろ限界が…

明日仕事が終わるのが5時だからそれから書いちゃいかんかね…
最後はちゃんと終わらせたい…

保守は自分で出来る限りして、落ちたらまた立てるよ

>>1
\応援してまーす/


>>92
http://blog.livedoor.jp/kyaaaas/
鋭意製作中
需要とかしらない

>>102
朝の?
夜の?

>>104
夜だよ

じゃあおやすみ…眠い…

>>1乙!
続きも期待してるぜ!

昼からの保守は任せろ!

>>103
超期待してる
本当にありがとう

>>92
>>103になさそうで俺が持ってるやつはこれだけだ


涼宮春日「トゥーーーーーーーーーース!!」
http://blog.m.livedoor.jp/myselfishdqn/c.cgi?id=50653379
オードリメイデン
http://slpy.blog65.fc2.com/blog-entry-1675.html
涼宮春日の憂鬱
http://hebiya.blog40.fc2.com/blog-entry-7942.html
「春日さんとやってて辛くないすか?」
http://blog.m.livedoor.jp/goldennews/c.cgi?id=51223730
ハルヒ「春日ワールド行ってくる」
http://blog.m.livedoor.jp/minnanohimatubushi/c?guid=ON&type=more&id=1030015
春日「日大二中出身、涼宮春日。ただのツッコミには興味がないぞ」
http://blog.m.livedoor.jp/minnanohimatubushi/c?guid=ON&type=more&id=1040107
春日「マリオか。とても良い名前だな」
http://blog.m.livedoor.jp/minnanohimatubushi/c?guid=ON&type=more&id=1019955
春日「ジャイアンか。良い名前だな」
http://blog.m.livedoor.jp/minnanohimatubushi/c?guid=ON&type=more&id=1025341

>>117
4つ目以降のやつ、全部ライブドアニュースに飛ぶんだが

>>118
あ、携帯用に変換されてるからかな
ごめん
これで見れるかな


「春日さんとやってて辛くないすか?」
http://blog.m.livedoor.jp/goldennews/archives/51223730.html

ハルヒ「春日ワールド行ってくる」
http://blog.m.livedoor.jp/minnanohimatubushi/archives/1030015.html

春日「日大二中出身、涼宮春日。ただのツッコミには興味がないぞ」
http://blog.m.livedoor.jp/minnanohimatubushi/archives/1040107.html

春日「マリオか。とても良い名前だな」
http://blog.m.livedoor.jp/minnanohimatubushi/archives/1019955.html

春日「ジャイアンか。良い名前だな」
http://blog.m.livedoor.jp/minnanohimatubushi/archives/1025341.html

若林「mixiで新しい相方探すぞ」
春日「おいそれ本気で言ってんのか」
若林「本気で思うほどお前の・・・」


・・・・・・・ザワザワ

ネタ飛んだ?

みたいな感じでよろ

>>119
ごめん、上のレスだけど
アドレス中の.m全部抜いてくれ

無駄にレス消費してすまん

ほしゅ

まだか?待ってる

>>103のまとめに期待するしかないか
ドッキリのやつも入れてほしいな

イキガミってゆずっぽい話あったよな

使い道たくさんってこと

オードリーってボケとツッコミじゃないんだな。
春日とプロデューサーなんだな。

携帯から>>1ですよ
今昼休憩

保守ありがとう
自分で保守すると言いながら仕事中は携帯もパソコンも触れないんだった

しかしオードリーは愛されてるなあ

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

優しく温厚
イケメン(長瀬、谷原、山P)
前髪下ろすと松ケン
輝くスター
愛のつまった鳩胸
可愛し紳士
溢れ出るセクシーさ(セックスシンボル)
さらさらな黒髪
色素の薄いブラウンの瞳
美しい鼻
綺麗なピンクの唇
愛しいボツボツ
悩殺ボイス
意外と繊細な心
赤面症
噛み噛み
プリップリできめ細かいおしり
気持ち溢れたカマ口調
緊張すると増えるまばたき
きゅんきゅんくる流し目
時折見える心の闇
酔っ払ったふにゃ笑顔
動揺からのくるくる

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


春日は天使(*´д`*)

>>192
保守は任せて仕事がんがれ
そんでまた夜楽しませてくれ

オードリーはもちろん愛してるが>>1も愛してるぜ!

>>188
知らないのがある!
ありがとう!

保守なんだな

昭和のハンサムだよな

イキガミ立ち読みしかしたことないけど、1巻のバンドのヤツと英語教師のが好き

>>207

途中送信スマソ

>>207
あれゆずっぽいよな?
もしくはコブクロ

落ちる~

いろいろSS読みあさったけど
若林「3年前は楽しかったなぁ」が今のところ一番面白かった
>>1の続きも楽しみだ

>>218
嬉しいこと言ってくれるじゃないの
保守

>>221
次回作期待してる

ヘップバーンが好きとか そんな理由?

>>231
ありがたい
他にも書いたけどあんまいい出来にならなかった

>>236
社長に「お前ら華がないから改名しる!オードリーなんてどうだ」と言われて改名した

wktk

>>97より続き

春日「本当にどうしたんだ?今日は何かおかしいぞ」

若林「情緒不安定なんだよ」

春日はいまいち納得してない顔で俺を見る。
これ以上は言えないって。

若林「本番まであとどんくらい時間ある?」

春日「んー、あと30分くらいか?」

若林「ちょっと顔洗ってくるわ。こんな顔じゃ出らんねえし」

>>1お帰り!
支援支援!

トイレへ向かう誰もいない通路で、俺は自分の手を見てみる。
震えてらあ。
だっせえ。
怖いんだ、死ぬのが。

あと5時間後くらいには死んでんだ、俺。

何で今生きてんのかもよく分かんなくなってきたわ。

鏡の向こうには目の周りは泣きすぎて腫れてるわ、鼻は赤いわで、ぶっさいくな自分が映っていた。
テレビに出るやつの顔じゃねーよこれ。
思わず噴き出す。

蛇口を捻って、水を出す。
冷たい。
こんな些細なことで生きてるってことを実感する。
手に水をためて顔を洗う。
何度も、何度も。

蛇口を止めて、顔を拭く。
鏡の向こうの俺はさっきよりましな顔になっていた。

若林「…よし。」




若林「ただいまー」

ドアを開けると春日の姿。

若林「待たせたな」

春日はこっちを向こうとしない。
いつもなら律儀に返すくせに。

若林「春日?どうした?」

全く反応しない春日に、少し苛立ちを覚える。

若林「おい春日!返事し

春日「若林」

体はまだ向こうを向いたまま、名前を呼ばれる。

なぜか嫌な予感がした。

春日のあまり深く聞いたりしつこく心配を表に出したりしない雰囲気が、リアルでいい

ああもう期待期待期待wwwww

若林「なんだ?」

やっとこっちへ向けられた顔。
笑顔が一つもなかった。

春日「これは、何だ?」

春日の手にあるもの。
それは俺に届けられたイキガミだった。

心臓をものすごい力で締め付けられるような感覚が俺を襲う。

うまく言葉が出ない。

若林「な、んで、それ」

春日「お前のカバンの中から見えたんだ。」

そんな。
こんな早くバレるなんて。

若林「お、お前何勝手に見てんだよ」

春日「そんなことはどうでもいいだろう」

あ、怒ってる。
あの温厚な春日が。
俺に怒ったことが滅多にない、春日が。

春日「何ですぐに言わなかったんだ?」

若林「だ、って」

春日「何でそんな大事なことずっと黙ってた?」

若林「それは、」

春日「何で」



春日「…何でお前なんだ?」

春日の声が震えている。
泣いてるのか?

若林「春日」

春日「…っくそ!!!!!」

壁を思い切りなぐる。
ぜってーいてーよ、それ。

いてーよ。
いてーよ春日。

そんな春日を見る俺はびっくりするぐらい冷静だった。

若林「なあ春日」

春日はうつむいたままだ。
俺は続ける。

若林「次の漫才が最後の漫才になると思うんだ。」

春日「…最後とか言うんじゃねえよ!!」

若林「だから!」

春日はびく、と肩を揺らす。

若林「だからさ、全力でやりてーんだよ。」

春日「若林…」

春日…。・゚・(ノД`)・゚・。

若林「お前バカだからさ、すぐ態度に出て噛みまくるだろ?だからやだったんだよなー言うの。」

精一杯いつもの俺っぽく振るまう。
春日はうつむいたままだ。

若林「噛むならまだいい方かもな。もっとひどい滑りかたするじゃん。お前って。」

なあ春日。

若林「余計なことしたら殺すからな!お前!」

なあ春日。
早くいつもみたいに笑ってくれよ。
お前の笑顔でどれだけ救われてきたか知らないだろ?
なあ。
早く笑ってよ春日。

うう…涙腺が

♪キセキ/GReeeeeeeeeeeeeN

若林「だから」

若林「やり遂げてほしいんだ。最後まで。」

春日はやっとこっちを見る。
わっ、ひっでえ顔してんぞ。お前。

春日「若ばや…」

若林「分かったか豚野郎!」

春日「いてっ」

俺はいつも叩き慣れてるこめかみを思いっきり叩く。
痛がってら。そりゃすげー痛くしたもん。

ちなみに脳内で流れてるのはこの曲
イキガミの挿入歌
ttp://www.youtube.com/watch?v=DKbXlodHT3U

>>294-295
あの歌へた王決定戦を見て、若林の中に「音程」という概念がないことを悟った

ノック音が響いた。

スタッフ「間もなく本番でーす」

ああ、来たな。
俺は覚悟を決める。

若林「ほら、行くぞ」

俺は景気づけに春日の尻を思い切り蹴り上げた。
春日は「おおぅ!」とか情けねー声を出していてそれがたまらなくおもしろかった。

ありがとうな、春日。
俺の最後のわがまま、聞いてくれよ。

-------死亡予定時刻まであと4時間21分



人生最後の番組出演は、たくさんの芸人が出てきてネタを披露する、という今流行りのあれだ。
なんとまあ知ってか知らずか俺たちはトリを務めさせてもらうことになっている。

たくさんの芸人がネタを披露する。
みんなおもしろいなあ。

ふと隣の春日が気になって、顔を覗いてみる。
がっつり目が合ってしまった。
思わずビンタをくらわす。

春日「震えてるぞ」

若林「あ?」

春日「手」

本当だ。
覚悟決めたはずなんだけどな。

日テレにオードリーが!!

サプライズ始まった

あ、サプライズやってんだった!
みんなサプライズand飯休憩ってことで!

まさか若林今日で最後じゃ…

>>332
いやあああああああ(´;ω;`)

これが最後の仕事か・・・

そういう春日も震えてるじゃねーか。
なんでお前が怖がるんだよ。バーカ。
お前はいつもみたいに堂々と胸張ってりゃいいんだよ。

じゃないと俺が安心できないだろうが。



-----死亡予定時刻まであと1時間45分

きたあwww

着々と収録が進む。
嫌でも鼓動が速くなる。
2時間弱か。
収録が終わるのがあと1時間くらいかな。
残りはどうやって過ごそうかなあ。

あの殺風景な家で一人で?
ああ寂しいなそれは。

春日の家で?
あんなボロアパートで死ぬなんて絶対やだな。

そっかー。死ぬのかあ。俺。

ニュースとか新聞とかで取り上げられるかな?
取り上げられても「オードリー春日の相方死亡!」とか、
「春日じゃない方死亡!」だろうな。
俺は若林だっつの。ふざけんな。

春日は泣いてくれるかな?
泣いてくれるといいな。
中2からの付き合いだもんな。
泣かなかったら承知しねえからな。

葬式にはケイダッシュ芸人がいっぱい来るんだろうな。笑える。
あ、でも単独にもこねーからなあ後輩とか。
さすがに葬式には来てくれるかな。
バカ騒ぎしてるのを棺桶から見守ってやるよ。

あー俺も騒ぎてえなあとか思うんだろうな。
もう一回くらいみんなでバカやりたかったな。

最近忙しくてめっきりだったもんな。
顔すら見てねえや。

次会えるのは何十年後?
60で死ぬとして30年?
長いなあ。
まあ春日は80くらいまで生きるだろうからな。

仕方ないから待っててやるよ。
お前の相方は俺しかいないしな。

あれ?
画面が見えねえ…くそっ

俺以外と組んだりすんなよな。

-------死亡予定時刻まであと1時間20分

スタッフ「それではオードリーさん、スタンバイお願いします!」

とうとう来たって感じだな。
震えはまだ止まらない。
春日を見やる。

やっぱり目が合った。

若林「ほら、いつものキャラ作れよ」

春日「…ああ」

若林「ウィ、だろ」

春日「…ウィ」

そうだ。
お前はそれでいいんだよ。

わかばやし しなないで (´;ω;`)

ネタは「コンビ愛」をやることにした。
死ぬ間際にお互いを褒めあうんだ。
最高にバカみたいだろ。

まあネタの中で俺はまともに褒められないんだが。

春日「なあ若林」

若林「なんだよ」

春日「泣いたら申し訳ない」

思わぬ発言に噴き出す。

若林「…泣いたらまじで殺すからな」

春日「…ウィ」

スタッフ「じゃあオードリーさん、次の音楽が鳴ったら出てください!」



さあ。



やりきるんだ。



これが俺の人生の全てだから。



全てだったから。

そろそろ佳境かな……
支援

追いついちゃった (´;ω;`) 支援

若林「はいどーもー!よろしくお願いしまーす!」

やりきるんだ。


------死亡予定時刻まであと1時間10分

若林「僕ね、この間本読んでたんですよね」

春日「お前字読めんのかよ!」

若林「読めるよお前、どんな風に見てんだよお前…
あのね、人づきあいが良くなる方法っていう本をね読んでたんですよ。
お前人づきあいが良くなる方法って分かる?」

春日「ひとづきあいがよくなるほーほー?」

若林「分かんないんだったらいいや。
人づきあいが良くなる方法、人を褒めるっていう…いつまで見てんだよお前!」

ああ、お客さん笑ってる。
こういう最期もいいな。

若林「俺ね、人褒めるの苦手なんですよね」

春日「俺は大得意だぞ」

若林「ああ、じゃあ試しに俺のこと褒めてみてよ」

春日「お前は褒めるとこいっぱいあるからな。」

若林「やめろよお前人前だぞ」

春日「こいつはねーあのー」

ここで詰まるんだ。
ガチで良いとこねーみてーだな。
まあネタ作ってるの俺なんだけどね。

春日「こいつはね、いいやつなんですよ。」

若林「広いな、おい」

春日「それにね意地っ張りで」

ん?
そんなセリフあったか?

春日「何でも一人で抱え込むし」

んん?
ないない、こんなセリフ。
しかも褒めてないし。

あ、もう、ダメだ…

涙腺ダム崩壊

あああああ泣けてくる

春日「すぐ怒るし」

おい、

春日「すぐ殴るし」

おいおい春日さん、

春日「人が嫌がること大好きだし」

春日さん得意のアドリブですか。

若林「あの春日さん褒めてくださ


春日「そんな若林が俺にとっては最高の相方だ!!」




バカじゃねえの。
会場ドン引きじゃん。



俺もバカだけどな。
涙が止まんねえんだ。

俺も涙が止まんねぇよ

若林「…俺だってなあ、」

春日「おう!!」

若林「お前みたいな気持ち悪いテクノカットで!」

春日「おう!!!」

若林「鳩胸で!」

春日「おう!!」

若林「ドケチで!」

春日「おう!!」

若林「不潔で!」

春日「おう!!」

俺の息子も泣いてる(´;ω;`)

不覚にも目からトゥースが出てきた

何やってんだ俺達。
二人して涙と鼻水でぐちゃぐちゃんなって。

若林「熟女好きで!」

春日「おう!!」

若林「バカみ、みたいに優しくて!」

春日「おう!!」

見てみろ。
他の芸人とかお客さんとかぽかーんとしちゃってるよ。

でも、

若林「おっ、俺すげーわがまま、なのに怒んなくて!」

春日「おう!!」

でも一番伝えたいんだ。

若林「っく、うっ、そんなお前とコンビ組めて!」




若林「本当に幸せだったよ!!!!!!!」

ううわああぁぁぁあああ

オードリーの漫才動画見ながら読んでると
破壊力抜群です・・・・・ (´;ω;`)

>>443
つべにあるオードリー×キセキのMADを見るんだ

>>448
若林が音痴なのしかないぞ

言えた。
ははっ、春日超きたねえ顔で笑ってやんの。
やっぱお前は笑顔が似合うよ。

あれ?何だこれ、立ちくらみか?
いや、死ぬ、のか?
いやだ、まだ死ねないよ、だって漫才終わって無いもん。
こんなとこで死ねないよ。
いやだ、いやだ…!

おいついたけど、あんまりおもしろくねえな。
おもしろくねえよ。もっと感動的な要素入れろよ。こんなんじゃ全然泣けねえぞ。
どれもこれも中途半端。それこそオードリーの漫才みたいに中途半端だな。
りかいに苦しむよ。こんなので感動したとか面白いとか言う奴がいるんだからな。
いまのVIPのハードルの低さがまるわかり。
最低とは言わんけど、とりあえず面白くないとだけ言っておく。
これじゃほんとにオードリーだから。
うえを目指して書いてみろよ。カスが。

>>449
オードリーⅡってやつ
>>458
最高だよな

>>1よ、号泣の準備はできているぞ





「…ばやし」

ん…?

「…かばやし」

か、すが…?

「若林」

あれ?ここ天国だよな?

あ、俺日頃の行い悪いから地獄かな

「若林!」

そこには見慣れた顔が俺の名前を呼んでいた。
あれ?俺まだ死んでない?

時計を見ると3:40分だった。
ああ、あと20分か。

若林「ここは…」

春日「局の医務室だよ。お前途中でぶっ倒れたんだ」

若林「あー…」

あーあ。
漫才途中で終わっちゃったんだ。
最悪だな。

!!

何かあれで死ねなかったのも逆に恥ずかしいものがあるな。
でも目の前のこのテクノカットに心底安心してる俺がいた。

春日「あと何分?」

若林「20分。」

春日「…そうか」

おいおい、そんなシュンとすんなよ。
湿っぽくなるだろ。

若林「なあ春日」

春日「ん?」

若林「さっきの言葉に嘘は無いからな」

春日「無論、俺もだ」

コチ、コチ、コチ

やけに静かな医務室に、無情にも時計の針の音が響く。
おいおい、黙り込むなよ春日。
何か喋ってくれよ。

外はまだ薄暗かった。
何でこんな真夜中に設定したんだろうなー。
もっと日の光を浴びて死にたかったよ。

あと10分。

そうだ。

やり残したことがあるじゃんか。

若林「なあ春日、」

春日「ん?」

若林「漫才を、今度こそ最後までやりきりたいんだ。」

春日は一瞬目を丸くして驚いていたが、すぐにいつもの目尻に皺を寄せる感じの、笑顔で答えてくれた。


春日「…ウィ。」

医務室で何やってんだろ。
とか、考える余地もなかった。

若林、

と、

春日、

これだけで漫才は出来るんだ。

スタンドマイクもでかい会場もいらない。

二人で作り出す会話、間、これだけでいいんだ。

俺はそれだけの世界にたまらなく魅力を感じてきた。

いつの間にか生きがいになっていた。

頭の中にオフコースの「さよなら」が流れてる(´;ω;`)

M-1を取るためにやってるわけじゃない。

いや、欲しくない訳じゃない。
自分たちのしたいようにして、その先にM-1優勝、があればいいなあって話。

きれいごとだって笑われるだろうけど。

本当なんだ。
一生漫才っていうのはそういうことなんだよ。

春日も同じ気持ちかなあ?

ああそうだよ
その通りだよ
若林…

春日「なんなら椅子で来ちゃってもいいんだぞ」

若林「椅子でいくほど嫌いじゃねえよ」

「へへへへー!」



M-1優勝もいらないかもしれない。
こうやってさ、二人でずっと漫才やってたら幸せなんだよ。

ずっと。

やりたかったなあ。

若林「いつお前の中でスターになったんだよ!」

春日「出会った頃からスターだよ!」

若林「悪い気はしねえな!」


なあ、春日。

春日「おい、どうしても俺と一緒に住まないっていうのか?」

若林「どうしてもっていうなら住んでやってもいいよ」

本当にさ、

若林「へへへー」

春日「うれしいぃいい」

若林「泣くのかよ!いいかげんにしろ」

本当に、

コチッ 

コチッ

コチッ



若林「ありがとうございました!」



コチッ






午前4:00

若林正恭死亡

…えっ?




---------



あ、あれ若林かな。
煙になってる。

空は気持ちいですか?
なんてな。

「春日君」

春日「あ、おばさん…この度はご愁傷様です」

「最後まであの子といてくれてありがとうね。」

春日「いえ」

焼かれたか…

おばさん、すっかりやつれてる。
当然だ。
自分より先に息子が死んだんだ。
なんて言っていいか、正直分からない。

「あのね、正恭の遺品を整理してたんだけどね。」

春日「ええ」

「これは、春日君に持っていてもらいたいの」

そういって手渡されたもの。
ネタ帳、通称「フリートークなのだ~」。

春日「いいんですか?」

「当然よ。あなたにしか渡せないもの。」


俺は家に帰ってからぱらぱらとめくってみた。
しっかしよく書き込んであるなあ。
俺が知らない内に。

ネタの基本的なセリフから、俺がアドリブするであろう箇所まで。
それはもう事細かに。

いつも俺のうちでネタ合わせしたっけ。
こたつが狭いだの寒いだの文句ぶーぶー垂れながら。
じゃあここでやんなきゃいいのに、とか言うとすーぐ怒るんだから。

ぱらぱらと読み進めると、最後のページになったことに気づく。
他のごちゃごちゃと書きこまれているページとは異なって、すっきりしたページだった。

春日「春日、へ…?」





春日へ。

本当に…死んだのか…


これ読んでる頃には俺はもう死んでるかな。

これからお前は一人で芸能界の荒波を超えて行かなきゃいけない。
だから俺がアドバイスしてやる。ありがたく思えよ。

お前は本当にポンコツだ。
だけどな、周りの言うことなんか気にしなくていい。
お前はそのままでいろ。分かったな。

ただ時々入る意味不明なアドリブだけはやめろ。
あれでどれだけ俺が迷惑したか知ってるか!?


あと、ドケチネタはみんな飽きてきてるぞ。
他のネタ探せ。

お前はトークの能力が皆無だからなあ。
それが一番心配だわ。

あんまり上から行くと先輩に可愛がってもらえねーぞ。
気をつけろよ。


俺がいないとお前は本当ダメだからなあ。
心配だわ。

天国から見守ってやっからしっかりしろよ。

んで早くこっちでまた漫才やろうな!
他の相方なんて連れてきてみろ!
地獄に落としてやるからな!


まあ色々書いたけどさ、
お前には感謝してんだからな。

無理やり誘ったことを今でも申し訳ないと思ってるし。

俺、お前を幸せにすることが出来たかな?

俺はお前と出会えて本当に良かったと思ってる。


じゃ、そろそろ終わるよ。
久しぶりに手紙なんて書いたわ(笑)

じゃあな。

若林より

若林の優しさに涙



読み終えた俺は、それはもう、息が出来ないくらいに、

泣いていた。


幸せにすることが出来たかって?

それはもう幸せだったよ。

俺はお前を幸せに出来ていたんだな?

やばい目からトゥースが

>>637
お前のせいで「優しいトゥース」思い出しちまったじゃねーかwwwww

春日「っかばやし…っ!」

感謝したいのは、こっちだよ。




桜が散って、夏がもうすぐそこまで来ている、そんな季節だった。





終わり

長々すまんかった
本当に大好きなんだこの二人
不謹慎すぎたなスマソ
でもそれぐらい一生漫才やって欲しいっていう願いを込めたってことで

いちおつ
よければ好きな芸人教えれ

おもしろかった!!
おつ!!!

>>659
オードリー
どきキャン
ラーメンズ
バナナマン
ラバーガール
ジャルジャル

もっといるけどとりあえず

>>1
激しく乙!
今度はもっとまとめて書いて欲しいな
でも感動したよ
ありがとう

支援and保守本当にありがとう

今度何か書く機会があったらまとめるということを学習したよ…
ほんと申し訳ない

ちょっとスレ残ってるから、若ちゃん幸せverとか書こうか?
しかしドッキリくらいしか…wwwwwwwwwwwww

ラーメンズ小林で書いてみてくれ

>>684
あの二人か…難しいなwwwwww

ラバーガールでやってほしいな

お腹は何とか治ったよwwwwwwww
昨日は滝のように出たがwwwwww

ケツはもう痛くて死にそうだがなwwwww

~若ちゃん幸せver~

今日も夜遅くまで収録があって、家に帰れたのはもう明け方だった。

疲れでふらふらしつつ、早く安息の地へ足を踏み入れようと鍵を開けようとした、その時。
ドアに何か貼り付けてあることに気づく。

若林「なんだこれ・・?」

えっ 寝ようとおもったら続きwww
嬉しいがw

それを剥がし、家の中へ入る。

若林「宅急便の不在届かなんかか?」

今はもう明け方4時だ。
電話しても意味ないだろう。

何より疲れたし明日も朝から仕事が入ってるから寝ることにした。

若林「ん・・」

カーテンから差し込む光で目を覚ます。
重たい体を起して時計を見る。
12時だ。
もう一度いう。12時だ。
仕事は9時からだ。俺、オワタ。

どうしようもないので、とりあえず電話することにした。
どこにって?
あの不在届だよ。
マネに電話したら超怒られるだろうが。

携帯に入ってる何十件というマネからの不在着信を見て見ぬふりして、
俺は電話をかけた。

春日「『めだつハンカチーフ』?」

数回のコールの後、繋がった。

「はい、国繁サービスセンターです。」

俺は耳を疑った。
いや、疑いたかった。

若林「こ、くはん・・?」

「はい。どういったご用件でしょうか。」

血の気が引くってこういうことを言うのかな。
力が入らない。
電話の向こうでやけに歯切れの良い女の人が何か言ってるけど全く耳に入ってこない。

「もしもし?もしもし?」


耳に入って…あれ?
この声は…

中学時代の同級生だった。

若林「おおwwww久し振りwwwww」

「ひwwwwwさwwwwwしwwwwwwぶwwwwwwりwwwwwwww」

若林「元気だった?wwwwwww」

「元気元気wwwwwwwwもう一児の母親だよwwwww」

若林「まwwwwwwじwwwwでwwwwww」


それはもう盛り上がった。
1時間ぐらい話したかな?
電話代やべえと思ってとりあえず切った。
あれ?なんで電話したんだっけ?

あ!!!!!

数回のコールの後、繋がった。

「はい、国繁サービスセンターです。」

俺は耳を疑った。
いややっぱり疑ってない。
だっさっき超話したし。

若林「俺俺、俺だよ」

「ちょwwwww俺俺詐欺じゃんwwwwwww」

若林「違うからwwwww声で大体分かるだろうがwwwww」

「さすがに分かるってwwwwwwwwだってもう一児の母親なんだよwwwww」

若林「関係ねえだろwwwwwwwwww」

盛り上がった。
超盛り上がった。
今回は短めに30分で。
さっき一杯しゃべったしね。
あれ?何で電話したん

あ!!!!!!!!!!!!

数回のコールの…

「はい、国繁サービスセンターです。」

若林「はええwwwwwww」

「だって暇なんだもんwwwwwwwwww」

若林「あ、そうだ!大事なこと忘れてたんだった、国繁ってあの国繁だよね?」

「そうだよ。…え!?まさか若林君とこに来たの!!?」

若林「そうなんだよー不在届あってさー。」


「いやいやいや、ありえないって!あ!」

若林「どうした?」

「それ間違いだわwwwwwwwwごめんwwwwwww」

若林「ブフッwwwwwwwwww間違っちゃダメでしょこれはwwww」

盛り上がった。
何かもう安心感で盛り上げた。
2時間ぐらいしゃべった。

俺って超不謹慎だな…
俺じゃない誰かにいくんだからな…
何か悪いことしたな…

溜息をつきながら携帯を見てみる。
着信が鬼のように入っていた。
このマネに届けばいいのに…

ああ俺は最低な人間だ。
とりあえず見て見ぬふりをして、掃除をすることにした。

あ、この話は全然短いから気楽に読んでねー

フラグバレバレだけど続けるわ…

部屋が超綺麗になった。
もうぴっかぴか。
若ちゃんご満悦。

携帯はまだ鳴ってる。
うるせえな…
って佐藤君じゃん!

若林「もしもし!」

サトミツ「ご飯食べに行かない?」

若林「行く!」


夜も9時を回ったところで帰宅。
佐藤君は相変わらず便器の話ばっかしてきてウザかった。

携帯を見る。
もう着信は無かった。
ちょっと申し訳ないような腹立たしいような、腹立たしいような気分でテレビを付ける。

生放送に春日が出ていた。
今超すべった。うける(笑)

テレビを見ながらうとうとしてきた。
明日も早いし、もう寝よう。

おやすみ。



春日「はー疲れた…結局若林来なかったし…」

疲れでふらふらしつつ、早く安息の地へ足を踏み入れようと鍵を開けようとした、その時。
ドアに何か貼り付けてあることに気づく。

春日「なんだこれ・・?」




若ちゃん は 幸せver 終わり

途中でフラグがばれて心が折れました><

ラーメンズもすっごい好きだよ
機会があれば書こうかな
Tower取れなかったけどTEXTは行ったよ

こっちはあくまでギャグと受け止めて頂きたいwwww

面白かった!
ありがとう

>>1はオードリー以外はコントする芸人が好きなんだね
個人的にはラーメンズとバナナマンのSSが見たい

>>779
基本的にはシュール系コントが好きだったんだけど、オードリーで考えを180度変えられた
それぐらいの衝撃があった

みんなも乙
こんなスレに付き合ってくれて

一応今度何か書くときの目印にでもなればってことで酉付けてみた

>>790
叩かれるしキモいからやめろ
それでも馴れ合いたがる特定厨(笑)はわんさか沸くと思うがな

こっちのが萌えアニメっぽくて良いかな

お腹はもう治ったんでwwwww
心配かけてスマソwwwwwwwww

>>790
それはつけなくていいです
鳥付けてSS書いてる奴見るとネームバリューで支持率上げようとしてるようにしか見えない

>>794
>>797
把握

>>1は初SS?
今までに書いたやつあるのかな
とにかく乙

>>799
初だよ
もっと精進します
色々反省点も見えたし

ここんとこ毎日のようにオードリーをテレビで観れて幸せだ…

来たら終わって始まって終わってた
>>1おトゥース!
楽しませてもらったぜ!

じゃあほんとにみんなありがとう!
良い夢見ろよ!

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