竜児「転入してきた、高須竜児です」(448)
あらすじ
インコ「りゅ、りゅうじ、転入生、あみ、かわいい、きたむら、アッー!、たいが、こえぇぇぇぇぇぇ!」
昼休み
竜児「……文化祭?」
北村「そうだ、来月の月末に行われるから今週からみんなで準備なんだ」
竜児「で、うちのクラスは何をやるんだ?」
北村「人形劇だ、その名も『崖っぷちのゆり』!内容は……」
竜児「……北村、皆まで言わなくても何となくわかるぞ」
北村「ちなみに後夜祭にはミスコンがあるんだが、うちのクラスの代表は亜美だ」
竜児「川嶋か……あいつならきっと優勝するだろうな」
北村「あと、俺も後夜祭は司会を務めるんだ……高須もきっと驚くだろうから楽しみにしといてくれ!」
竜児「おう、楽しみにしとくぜ」
北村「じゃあ、俺は生徒会の用事があるから放課後の大道具の打ち合わせの時に!」
竜児「……ジュースでも買いに行くか」
亜美「いらっしゃいませ~」
竜児「おう……何、やってんだ?」
亜美「自販機にアフレコ、亜美ちゃんのかわいい声が入った自販機なら何本でも買いたくなるでしょ?」
竜児「……」
亜美「ちょっと、そこで無反応とかありえないんですけど~!」
竜児「ってか、自販機の間に挟まってるなんて相変わらず変な奴だな……」
亜美「いいでしょ別に……落ち着くのよ、ここ」
竜児「……そういえば北村から文化祭の話聞いたぞ、うちのクラスは人形劇やるらしいな」
亜美「そう、最初は亜美ちゃんのトークショーだったんだけど独s……ゆりちゃん先生が強引に人形劇にね」
竜児「……それで人形劇の内容があんな悲惨なものになったのか……」
亜美「祐作と春田君はそれでも頑張って面白いものにしようとしてるみたいだけど……」
亜美「まぁ、亜美ちゃんのトークショーの方が100倍楽しいし盛り上がるわよね」
hou?
転校してきた意味がわからんが続けろ
竜児「……大した自信だな」
亜美「そ・れ・よ・り!後夜祭の事は祐作から聞かなかったの?」
竜児「あぁ、ミスコン出るんだってな……頑張れって言わなくても川嶋は勝つだろうけど、頑張れよ」
亜美「……え?」
竜児「じゃ、俺は先に戻ってるからな」
すいません、規制に巻き込まれました
なんかこのスレ俺がいっぱいいるなw
俺もニコ動でハレ晴レダンスを見てハルヒに興味をもって、ハルヒを見たらとことんハマってしまい
続けて、らき☆すた、ひぐらしと見て今はCLANNADとひぐらし解を見てるからなw
完全にアニヲタだわww
>>9
…それ、本気でいったのか?「眼」あるなら示せ…
本当なら俺の中に眠る『闇』を解き放つが――――
亜美「……」
亜美(……もしや間接的に亜美ちゃんの事をかわいいって言ってくれた?)
亜美「……今日にでもこの前食べ損ねた夕食、食べ行ってみようかな?」
夜
竜児「ただいま」
竜児(……見た事のない靴だな、誰か来てるのか?)
泰子「おかえり~、竜ちゃ~ん!今日はぁ~、竜ちゃんにぃ~、サプライズゲストがいるんだよぉ~!」
大河「……おっそいのよ、この鈍犬」
竜児「……おう!?」
泰子「もぉ~、竜ちゃ~ん!何で言ってくれなかったのぉ~?大河ちゃんに聞いたよぉ~!」
竜児「……何を?」
泰子「この前~、やっちゃんが居ない時にぃ~、大河ちゃん達が遊びに来てくれたんでしょ~?」
泰子「その時にぃ~、はしゃぎ過ぎちゃってぇ~、ガラスと壁壊しちゃったからってぇ~」
泰子「大河ちゃんがぁ~、業者さんを呼んでくれてぇ~、ガラスと壁直してくれたんだよぉ~?」
竜児「……ホントか、逢坂?」
大河「この前は私の勘違いでああいう事態になったんだもの……それ位当たり前でしょ?」
竜児「逢坂……」
泰子「だから竜ちゃ~ん、やっちゃんねぇ~、今日の夕飯はぁ~、大河ちゃんもお誘いしたの!」
竜児「……わかった、すぐ作るからちょっと待っててくれ」
大河「……アンタ、ホントに人間が食べれる物作れんでしょうね?」
泰子「大河ちゃ~ん、竜ちゃんのご飯はすっごく美味しいんだよぉ!」
>>30
ラグってもしや俺が持ってますか?
月末になるって言ってたのに早かったな
wktk
泰子「竜ちゃん、大河ちゃん、行ってくるねぇ~!」
竜児「おう」
大河「……驚いたわ」
竜児「何がだ?」
大河「アンタみたいな能面顔が……こんな美味しい料理を作れるなんて夢にも思わなかったわ」
竜児「……あのな、能面呼ばわりはやめろ。俺だって傷つくんだぞ?」
大河「それと……やっちゃんからアンタみたいなのが生まれてきたのにも驚いたわ」
竜児「逢坂……もう一度言うが俺だって傷つくんだぞ?」
大河「でも、あそこにいるブサ鳥とアンタはそっくりね……ホントかわいさのかけらもない鳥ね」
竜児「……ひでぇ、おう、ペットショップ言ってやれ!」
インコ「氷吐カネーヨ!」
>>23
昨日の放送見たら居ても立ってもいられなくなって立てようとしたらこの時間になりましたorz
大河「……鳥が……喋った?」
竜児「おう!インコちゃんよく出来たぞ!さすが我が家のインコちゃんだ!」
大河「……飼い主と一緒でせめて一芸を極めようとしたのね、同情するわ」
竜児「……一芸って、俺は家事全般は一応得意な方だ!」
大河「……アンタ根暗なのかと思ってたけど、結構うるさい奴なのね」
竜児「おう……そんな風に思われてたのか……」
あれ受験終わった?
支援
亜美「……はぁ、亜美ちゃん超凡ミス」
亜美「……メアド聞いてなかったのすっかり忘れてたなんて最悪」
亜美「……突然押し掛けるのってやっぱ悪いかな?」
亜美「……でも、高須君ならきっと……よし!行くぞ、川嶋亜美!」
大河「さて……私そろそろ帰るね、あんま長居してもしょうがないし」
竜児「そうか、なら家まで送ってくぞ?」
大河「いい、隣なんだから平気よ」
竜児「……わかった、気をつけて帰れよ」
大河「うん、じゃあね」
竜児「逢坂大河か……この前はマジで殺されると思ったけど……」
竜児「案外良い奴なのかもしんないな……」
竜児「おっと、洗い物洗い物」
ピンポーン
竜児「はーい」
ピンポーン
竜児「今行きまーす!……今度は誰だ?」
ガチャ
竜児「……逢坂?」
大河「……ごめん、もう少しだけここに居させて!」
竜児「……どうしたんだ一体?」
大河「……」
竜児「……わかった、わけは聞かねぇ。好きなだけいろ」
大河「……ありがとう」
大河「……」
竜児(何があったんだ、逢坂の奴……?)
大河「高須、竜児……」
竜児「……おう!?」
大河「だっけ、アンタ?……見かけによらず案外良い奴ね」
竜児「……なんだ、急に?」
大河「……!」
竜児「……次から次へと、今度は誰だ?」
大河「……ダメ」
竜児「……え?何か言ったか?」
大河「ダメ!開けないで!」
ガチャ
亜美「……あれ、逢坂さん?」
大河「……ばかちー?」
竜児「……どうしたんだ川嶋?こんな遅くに?」
亜美「……あっれぇー?もしかしてお取り込み中だった??じゃあ、亜美ちゃんお邪魔虫になっちゃったね!」
亜美「……バイバイ!」
竜児「おい、川嶋!」
大河「待って、ばかちー!」
亜美「……何、逢坂さん?亜美ちゃん、2人がそんな関係だったなんて知らなかっただけなんだよ?」
大河「違う!ばかちー!」
竜児「川嶋、それはお前の勘違いだ!逢坂は……」
亜美「高須君は黙ってて!」
竜児「……おう」
亜美「あんだけ祐作祐作言ってたのに急に高須君にターゲット変えちゃって……亜美ちゃんショックだな~」
大河「本当に違うの……ばかちー誤解してる!私は……」
亜美「私は……何よ?」
大河「……私は……コイツに……高須君に……匿ってもらってるの」
亜美「……え?」
竜児「……匿ってるのか、俺?」
待ってました
支援
まぁ出来れば前スレのも貼って欲しかったが
亜美「……高須君、どういうこと?」
竜児「え……あ……その……」
大河「最後まで聞いてばかちー!コイツには理由言ってなかったの!」
亜美「……何で理由も言わずに匿ってもらってたのよ?」
大河「……マンションの前に父親が居たの」
>>52
やっぱ前の奴も貼っといた方がよかったですよね……残ってるには残ってるんですけど……
亜美「え……」
竜児「……?」
大河「ばかちーには前に言ったよね、私の家族のこと?」
亜美「……うん」
大河「……会いたくなかったから逃げて来たの」
大河「でも、ちょっと前まではここに居たのも本当なの!この前壊したガラスとかの事で来てたの!」
大河「だから、ばかちー信じ……」
亜美「ゴメンね……大河……!」
大河「……ありがとう、ばかちー」
竜児「……待て、俺は完全に着いていけてないぞ」
亜美「高須君……聞かないであげて」
大河「……いいの、ばかちー……アンタにも迷惑かけたからちゃんと話すわ」
竜児「……そうだったのか、ってか川嶋だけじゃなく逢坂も一人暮らしだったとはな」
大河「うん、だからよく私がばかちーの家に泊まり行ってるんだ」
亜美「私が転入して来たばっかの時は……あ、その前にファミレスで祐作と一緒に会ってるんだけどね」
亜美「すごい仲悪かったっていうか……いがみ合ってたのよね、私達?」
大河「うん、ばかちーの事ただの性悪女だと思ってたもん」
亜美「ちょっと、アンタねぇ……」
>>59
ありがとうございます!
大河「でも、ばかちーも一人暮らしだって知って……理由は違うけどなんか親近感湧いたの」
亜美「それで仲良くなったっていうか……ね?」
大河「今は私の事でばかちーが知らない事は多分ないぐらいなの」
竜児「そうだったのか……でも、お前らクラスじゃお互い別々の奴と一緒にいるよな?」
大河「みのりんは1年の頃からずっと仲良くしてくれてたの、離れるなんて出来ない!」
亜美「私も最初に仲良くなったのは麻耶ちゃんと菜々子ちゃんだし……」
亜美「それに週に1、2回泊まりに来る奴とずっと一緒に居たら話のネタもなくなるっつーの」
竜児「そっか……で、川嶋は何でうちに来たんだ?」
亜美「忘れてた~!この前、結局高須君の夕食食べ損ねたから今日こそはと思って来たの!」
竜児「あのなぁ……うちに毎回おかずの余りがストックされてると思うな」
亜美「えぇ~、今日はないの~!?」
大河「……そう言えば私もなんかお腹減ってきたわ」
竜児「……しゃーねぇ、コンビニでアイス買ってきてやる。今日はそれで我慢しろ」
竜児「……あと、途中で逢坂の親父さんがまだ居るのかも確認してきてやるよ」
亜美「高須君……じゃあ私バニラね!」
大河「私チョコ!」
竜児「おう、じゃあ俺鍵持ってくから絶対家から出るなよ?」
亜美「うん、わかった。いってらっしゃ~い!」
竜児「おう」
大河「……ねぇ、ばかちー」
亜美「何?」
大河「……アイツ、優しいね」
亜美「……うん」
朝
竜児「行ってきます」
竜児「……よう」
大河「……」
竜児「……昨日はよく眠れたか?」
大河「……ありがとう」
竜児「……え?」
大河「昨日はありがとうって言ってるの!じゃあまた後で!」
とりあえず区切れがいいんでここで飯食ってきます
こちらの不手際で前のログを貼っとかなかったりと前回見て下さった方にも今回初めて見て頂いたにもご迷惑をかけてしまいすいませんでした。
今回の終了目標が文化祭まで何ですが……まぁ、こちらは頑張って行きたいと思います
再開します
昼休み
竜児「トイレトイレっと……あれは逢坂?」
竜児「一緒にいるのは……確か櫛枝だったな」
竜児(……逢坂なんか表情が暗いな、何話してるんだろう?)
竜児「……北村が待ってるし戻るか」
阿部「やらn
北村「遅いぞ、高須ー!俺は腹がペコペコだ!」
竜児「……おう、すまねぇ」
能登「高須、俺も一緒していいか?」
竜児「おう、えっと……」
能登「能登久光、よろしくな高須」
竜児「おう、よろしく」
春田「え、能登っち高須君と食うの?」
能登「うん、春田も来いよー!」
竜児「……」
春田(高須君マジ怖ぇー……まだ初日のこと覚えてんのかな?)
竜児「……春田」
春田「は、はひっ!」
何も言わず止まってしまってすいません、ちょっとトラブってそれに対処してました
北村「春田、怖がることないぞ!高須は良い奴だ!」
能登「亜美ちゃんも見た目によらず良い人って言ってただろ?」
竜児(川嶋が……?)
春田「そうだけどさー、俺初日に高っちゃんに失礼な事言っちゃったし……」
竜児「おう、気にしてないから」
春田「おぉ!高っちゃんありがとー!」
北村「よし!今日は高須の親睦会も兼ねてみんなで風呂に行こう!裸で語り合うぞ!」
竜児「いや、それは……」
能登「北村またそれかよー!」
春田「ハッハハー!」
竜児(本当に川嶋の奴、俺がクラスに早く馴染めるようにしてくれてるのか……)
夜
竜児「結局北村達と風呂に行ったけど……ああいうのもたまには悪くないな」
竜児「あれ……あの車確か昨日の……」
竜児(……逢坂!?)
竜児(……親父さんとは会いたくないって言ってたのにどうして?)
竜児(……でも、俺がああだこうだ言うことでもないしここは見なかったことにしよう)
だから前スレのurlくらい貼りなさいよこの駄犬
大河「……おい」
竜児「あ……よ、よう……こんな所で何やってんだ?」
大河「……アンタ今見てたわよね?」
竜児「……何のことだ?」
大河「お願い!ばかちーには言わないで!」
竜児「……え?」
>>90
>>59
大河「実は昨日の件、本当は約束してたの……」
竜児「……」
大河「で、今日みのりんに言われたの……何で約束をすっぽかしたんだって……」
大河「あのクソジジイ卑怯者よ……先にみのりんを押さえとくなんて」
大河「だから、今日はみのりんの為に行ったの!でも、ばかちーは昨日の事があるから知ったら怒ると思う……」
竜児「……わかった、川嶋には黙っといてやる」
大河「……本当?」
竜児「……でも、行きたくないなら行きたくないと親父さんにハッキリ言えよ」
竜児「……友達を言い訳にして会うのはやめとけ……じゃあまた明日な」
大河「……」
大河「……アンタなんかに……何がわかるのよ……」
文化祭1週間前
亜美「どういう事!実乃梨ちゃん!」
櫛枝「どうもこうもないよ、あーみん!何がおかしいって言うのさ!?」
ザワザワ
ザワザワ
亜美「逢坂さんと逢坂さんのお父さん会わせてたんでしょ!?何でそんなことするの!」
櫛枝「何でって大河にとってそれがいいからに決まってるじゃん!」
亜美「何でアンタが大河の幸せを勝手に決め付けてるのよ!おかしいわよ!」
櫛枝「お前だって大河がどれほど寂しい思いをしてきたか知らないだろ!?だから、そんなこと言えるんだ!」
大河「やめて!ばかちー!みのりん!」
北村「何か騒がしいな?学級委員の俺が数分離れるだけで大騒ぎとは……高須急ごう!」
竜児「……おう!」
木原「あぁー!まるおー!どこ行ってたのよ!?」
香椎「亜美ちゃんと実乃梨ちゃんが大変なのー!こっち来てー!」
北村「どうしたどうした!?何があったって……」
亜美「……大体この前逢坂さん言ったよね?お父さんに会いたくないから逃げてきたって?」
大河「……ばかちー!?」
櫛枝「……本当なの、大河?」
亜美「ホントだよ、実乃……」
櫛枝「てめぇには聞いてないんだよ!……大河、どうなの?」
大河「……みのりん……ごめん……私……」
櫛枝「……何だよそれ……大河の為に……良かれと思ってやってたのに……私馬鹿みたいじゃん……」
大河「……みのりん……そんなことないよ……」
北村「おい!亜美に櫛枝!それから逢坂!一体何があったん……」
櫛枝「ごめん……今日は帰るよ」
大河「みのりん!」
亜美「……」
北村「高須、俺は櫛枝を追ってくるから逢坂を頼む!」
竜児「川嶋はどうするんだよ?」
北村「亜美なら多分大丈夫だ!任せるぞ、高須!」
竜児「……お、おう」
竜児(多分って……川嶋はそれでいいのかよ……?)
香椎「亜美ちゃん大丈夫ー?」
木原「もう!まるおったら酷いよ!亜美ちゃんなら大丈夫とか言っちゃっ……」
亜美「ごめん……ちょっと1人にさせて……」
木原「あ、亜美ちゃん……?」
香椎「……」
竜児「大丈夫か、逢坂……?」
大河「……アンタの言うとおりね、私のせいで2人は喧嘩になった……」
大河「私が中途半端な事してたからいけないんだ……私が……」
竜児「……過ぎた事をいつまでも言ってたってしょうがねぇ」
大河「……」
竜児「ミスをしたならその分だけ挽回すればいいんだ……ほら、櫛枝を追って来い!」
大河「でも……ばかちーが……」
竜児「川嶋の事なら大丈夫だ、俺が行って逢坂が話す機会を作ってやる……だから、な?」
大河「うん……わかった!行ってくる!」
竜児「おう!」
竜児「……さて、そう啖呵を切ったはいいけどどうしようか……」
夜
竜児「……結局今の今まで川嶋に切り出せなかったわけか、情けねぇ」
竜児「ああ言ったからには今日中に川嶋と話をつけなきゃいけない……大体俺も川嶋に秘密にしたんだ……」
竜児「……とりあえず連絡だ!携帯携帯……あれ、メールが着てる?」
竜児「相手は……クソッ!何でもっと早く気付かなかったんだ!俺は!」
春田「今夜……河原で待ってる」
ハァ…ハァ…
竜児「川嶋っ!」
亜美「高須君……来てくれないのかと思った……」
竜児「……すまねぇ、メールに気付いてなかった!」
亜美「……でも、メールに気づいて走って来てくれたんだ?」
竜児「……おう」
亜美「……ありがとう」
竜児「川嶋……俺は先にお前に謝んなきゃならない!俺は……俺は逢坂が親父さんと会ってたのを知ってた!」
亜美「……」
竜児「逢坂を言い訳にするわけじゃないけど……アイツが川嶋だけには言わないでくれって言ったから……」
竜児「俺は今日までお前に話さなかった……本当にすまねぇ……」
亜美「……私も何となく気づいていたのよ」
亜美「大河がね……最近ずっと家に来なかったのよ……」
亜美「だから、あの娘が何か隠し事してるってのはすぐに気づいたの……」
竜児「……」
亜美「その分実乃梨ちゃんと話す時間が学校でも長いな、って思って……それで嫉妬したんだ、きっと……」
亜美「だから、今日あんな事になった……実乃梨ちゃんも傷つけたし、大河も傷つけた……もう最悪よね、私?」
竜児「……最悪なんかじゃねぇよ」
亜美「……え?」
竜児「……もし今日川嶋があんな事を言わなかったらあの2人は傷つかなかったかもしれねぇ」
亜美「……」
竜児「……でも!あそこであの時川嶋が叫ばなかったら、誰も川嶋の痛みには気づかなかった!」
この竜児、中身は当麻じゃなかろーか
竜児「……少なくとも俺は川嶋が叫んでくれたおかげで気づいたんだ」
亜美「高須君……」
竜児「1人で抱え込むなよ……俺達は仲間なんだろ?」
亜美「高須君……っ!」
竜児「よし……じゃあまず逢坂と仲直りだ」
亜美「うん……頑張るね……私」
それが竜児が聞いた亜美の最後の言葉だった
ピンポーン
大河「……はい」
竜児「開けてくれ、用がある」
大河「……」
ウィーン
竜児「……開いたぞ、川嶋」
亜美「……本当に大丈夫かしら?」
亜美「大河……すごい落ち込んでそうだった……」
竜児「大丈夫だ……川嶋なら上手くやれる」
亜美「……ありがとう」
竜児「……あった、この部屋だ」
ピンポーン
竜児「……」
亜美「……来ない……やっぱ私に会いたくないんだ……」
竜児「そんなことはねぇよ……逢坂ー!いるよなー!」
ガチャ
竜児「あれ……鍵空いてるぞ……!」
竜児「……何だ、この臭い……それに真っ暗だ……」
亜美「わからない……大河、私の家に来てばっかりで自分の家には入れてくれなかったもの……」
竜児「そうなのか……」
竜児「……おーい、逢坂!居るんだろう、返事してくれー!」
大河死亡?
亜美「……きゃっ!」
竜児「どうした、川嶋!?」
亜美「何かに躓いたみたい……」
竜児「携帯で足下照らした方がいいぞ、ほら……」
亜美「……いやぁぁぁぁぁぁぁ!」
バーロー「じっちゃんの名にかけて!」
パァァァァ
大河「……それは5年前の誕生日プレゼント、その当時の私より一回り小さいくらいのフランス人形」
亜美「……大河?」
大河「あの忌々しいクソジジイがくれたもの……ママと離婚してからは私は日頃のストレスをぶつける相手」
竜児「……逢坂?」
大河「この家もそう……あのクソジジイが私にあてがったドールハウスみたいな物……」
大河「……遊び終わって片付けられないで放置された玩具みたいでしょ?」
亜美「……どうしたのよ、大河?」
大河「……ない……で……」
竜児「……え?」
大河「聞かないで!」
大河「何も見てない!何も聞いてない!今日あった事は全部夢なんだ!だから……だから……!」
亜美「……大河!どうしたのよ!ねぇ!」
竜児「……川嶋……逢坂の持ってるキャンドル皿……」
亜美「……何よ!こんなと……え?」
竜児「……何で白いローソクなのに……蝋が赤いんだよ……」
竜児「川嶋!電気探してくれ!」
亜美「う……うん!大河、どこら辺にあるの!?」
大河「すぐそこだよばかちー……キャンドルは嫌いだった?」
亜美「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!スイッチ……スイッチ……あった!」
ピカァァァ
亜美「大河?……何やってるのよ、アンタ……」
竜児「……川嶋!救急車呼ぶぞ!」
大河「ばかちー……何慌ててるの?……今日起きた事は全部夢なんだよ?」
大河「ばかちーとも喧嘩してない……みのりんとも喧嘩してない……それに……」
亜美「話さなくていいよ……大河……!」
大河「北村君が……北村がみのりんとキスなんて……してないんだから……」
病院
竜児「……俺のせいだ、今考えたら北村が真っ先に櫛枝の所に行ったのは櫛枝が好きだからだったんだ……」
亜美「……違う……私のせい……私が実乃梨ちゃんに喧嘩を仕掛けたのがそもそも悪いの……」
竜児「川嶋は悪くねぇ!」
亜美「……!」ビクン
竜児「……すまねぇ、大きな声出して」
医者「……逢坂大河さんの付き添いの方ですか?」
医者「ご臨終デスwww」
竜児「はい……」
亜美「大河の!大河の容態は!?」
医者「命に別状はありません、倒れられたのも少し出血量が多かった為の貧血だったと思います」
医者「ただ、患部の方ですが……簡単に説明すると手の平の貫通した位置が悪かったんで後遺症は残ると思います」
医者「それで……逢坂さんのご両親は……?」
竜児「逢坂は一人暮らししてるんです、それと俺達親御さんの連絡先知らなくて……」
医者「わかりました、ならこちらで連絡しておきます」
竜児「……ありがとうございます」
亜美「……結局大河はお父さんと会わなきゃいけないのね」
竜児「……おう」
亜美「私が何もしなくても大河はお父さんと会う運命だった……」
亜美「私が余計な事をしたから大河はもっと悲惨な状況でお父さんと会わなきゃいけなくなった……」
亜美「私って要らない存在なのね……」
竜児「……そんなこと言ったら俺はもっと要らない存在だ」
竜児「……北村達にこの事は話すか?」
亜美「……話さない……話してあげない……」
亜美「原因を作ったのは私達……でも、原因はアイツ達……大河は優しい娘だから2人に嘘をつくわ」
竜児「……」
亜美「だから、2人は事実を知らないまま日々を過ごさせればいいわ……それで……」
亜美「……それで最高のシチュエーションで2人に真実を告げるの……深い絶望の淵に私が突き落とすの……」
竜児「川嶋……」
亜美「高須君はもう共犯者だよ?……だって私達は仲間、同じ異分子同士だもの」
竜児「……ここを右に行けば川嶋の家、左に行けば俺の家のわけだが……どうする?」
亜美「……今日は1人では居たくない」
竜児「……俺もだ」
夕飯食べてきます
再開します
朝
北村「おはよう、高須」
竜児「おう……おはよう」
北村「どうした、元気ないな?」
竜児「ちょっと寝不足なんだ……」
竜児(北村が逢坂を狂わせた原因なのか……俺には未だに信じられない)
北村「そうか、体調管理には気をつけろよ……高須、ちょっと相談があるんだが昼休みいいか?……」
竜児「……あぁ、もちろんだ」
昼休み 屋上
竜児「……こんな所に呼び出してどうしたんだ?」
北村「あぁ……実は俺好きな人がいるんだ」
竜児「な……」
竜児(北村……なんで今俺にその話題を振ってきたんだ?)
竜児(いや……この機会を利用して逢坂の話の信憑性を確認出来るぞ)
竜児(逢坂を信じれない訳じゃない……でも俺は北村も信じたい気持ちがあるんだ!)
竜児「おう……誰なんだ?」
北村「……櫛枝だ」
竜児(櫛枝……1つ確信に近づいたのか)
竜児「櫛枝か……どんな所が好きなんだ?」
北村「櫛枝の真っ直ぐな所に惚れたんだ……なんか尋問みたいになってるな」
竜児「そんなことはないぞ」
北村「それで……まだ大事な事を言ってないんだが……」
北村「それがだな……昨日追って行った櫛枝の泣き顔がとても愛しくて……」
北村「……キスをしてしまったんだ」
竜児(な……逢坂の言ってた事は本当だったのか……でも、北村は何故俺にそれを告白したんだ?)
竜児(まさか、逢坂が見てたのに気づいてたとか……もう少し探る必要があるな)
北村「高須……聞いてるか……?」
竜児「あぁ……ちょっとびっくりしただけだ」
北村「そうか、すまない……で、どう思う?俺は櫛枝に嫌われてしまったかな?」
竜児(川嶋は最高のシチュエーションで突き落とすって言っていたな……)
竜児(俺もそれに完全に賛成したわけじゃないが……今は持ち上げとくか)
竜児「……櫛枝はどんな反応だったんだ?」
北村「……不思議そうな表情をしていた、状況に戸惑っていたのかもしんない」
竜児「なんだ、拒絶はされてないのか?なら、可能性は全然あると思う」
北村「……本当か?」
竜児「あぁ、本当だ……」
北村「そうか……ありがとうな高須、俺はお前とはこれからもいい友達でいたいぞ!」
竜児「恥ずかしいこと言うなよ……!」
竜児(北村はクロか……でも、こいつは自分の気持ちに正直になったまでか……羨ましいな)
放課後
櫛枝「おう、たっかす君!」
竜児「……櫛枝、どうしたんだ?」
櫛枝「私これから買い出しなんだけどさ、良かったら一緒に行かないかい?」
竜児(これは……櫛枝の北村に対する思いを知るチャンスだな)
竜児「……あぁ、いいぞ」
亜美「あれは高須君と……!」
亜美「あの女……大河を傷つけといて次は高須君を……許せない」
亜美「でも、ダメ……まだ時期尚早よ。それに……」
亜美「高須君は私の共犯者……絶対に裏切らない仲間……何も心配することはない」
>>217
「;:丶、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:_;:}
ト、;:;:;:丶、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:_;:;: --―;:''"´;:_」
{::ト、:;:;:;:;:;:` '' ー―――;:;: '' "´;:;:;:;:;:;:;:;:;:;_ ,.ィ彡!
l::l 丶、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:_,. -r==ニ二三三 }
',:i r- 、、` ' ―――― '' "´ ,ィ彡三三三三三/、
|| ヾ三) ,ィ三ミヲ `丶三三三三三ん',
lj ゙' ― '′ ヾ三三三ミ/ )}
| , --:.:、:.. .:.:.:.:..:.:... 三三三ツ ) /
| fr‐t-、ヽ. .:.:. '",二ニ、、 三三シ,rく /
l 丶‐三' ノ :ヾイ、弋::ノ`:.:. 三シ r'‐' / わかっておるな?
', ゙'ー-‐' イ: : 丶三-‐'":.:.:.. 三! ,' /
', /.: ミツ/ー'′
', ,ィ/ : .:'^ヽ、.. jソ,ト、
',.:/.:.,{、: .: ,ノ 丶:::.. -、 ,ハ l、
ヽ .i:, ヽ、__, イ _`゙ヾ ノ / ,l l:ヽ
,.ゝ、ト=、ェェェェ=テアヽ } ,/ l l:.:(丶、
_r/ /:.`i ヽヾェェシ/ ゙' / ,' ,':.:.:`ヾヽ
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一 '' "´ ',ヽ丶:.:.:ヽ、 ⌒ ,r'" / /:.:.:.:.:.:.:ノ,ノ | ``丶、
ヽ丶丶、:.:.ゝ、 ___,. イ / /:.:..:.:.:.,ィシ′ |
`丶、 ``"二ユ、_,.,____/__,/;: -‐ '" /
すいません>>1です。
これまで読んで下さった方々並びに保守して下さった方本当にありがとうございます。昨日はとらドラ!見たままの勢いで書いてたんで寝てなくて……結果こんな長く間を開けてしまいました。
それで今すぐ書くべきなんですが、用事があるんで17時くらいまではちょっと書くことが出来ません。自分の中では話は出来上がってるんで、落としてもらってもまたこちらの方で立てて完成させるつもりです。
ので、落ちた場合次立てる時に前スレを貼る方法を知りたいのですが……一応今回貼ってあった前スレURLは確保したんですが、これって次回貼ってもまた飛べますかね?
そんなことより>>217zipで
コピペ乙
何やってんだよwww
お前らガタガタうるせえな
俺が欲しいのは>>217のzipだけなんだよ
>>217のzip
ttp://alkn.net/mini/?up=42816
パスは「基本」な
ほぁ
〈::::::::::::::::::::`丶、/_:_:_:_:_:_:::::::::::::::::::::::::::
/ミ了`ー- 、::::::/:::::::::::::::::::::::: ̄:::::`::::―‐
lミミ (三シ`‐--- ___:::::::::::::::::
lミシ ,. ヾ三) }三三三
fi7 . " `、 : _ _ ヾ三ミ三
| ! ' 、==z、ヽ|: , '" 丶 `}ミミミ
|i| ` `二彡/ 、ー==、、: |ミミミ
lリ _/ `二ニ`` |ミミ/
,. ''´ ̄ ̄ ̄`ヾ!:、 f´'′ :^ヽ ,.lミ/
/ l ` :r '´`^'、__,.-、ノヽ、 ,. " }シ
/ _,. -‐ '゙´ヽ { 、-- 、:.:__ ヽ... ' /}\
___/ _,. -‐ ''"´ /,ハ ヾ`ヾエエェェェ>- , 'ノ ハ、
_,. - '"´ //'´ ,. -, {{( ヽ `丶`二ニ´ /´ | |
,. '´ / / i //ヽヽ、 ,ヘ , '´ //
'´ / / 、ヾ、 \\| ヽ、 ,. -,:'´ //
/ / /ヽ、``ー`、_`丶>---_彡'"´ //
/ / / ` ‐- 、` ‐--`ニ==----――'´/
高須竜児「ブーメランテリオス!」
逢坂大河「タイガー...アパカッ!」
どかーん
竜児「うっぎゃぁああああ!!!」
ドッシャァア...
お待たせいたしました、再開します
櫛枝「いやぁ~、高須君とこうやって二人きりになって話すのは初めてだね」
竜児「おう、そうだな」
櫛枝「そういえば今日大河休みだったね……高須君何か知らない?」
竜児(櫛枝……何故俺にそれを聞いてきたんだ?こいつ逢坂に関して何か感付いてるんじゃ……)
竜児「何も知らねぇ……何で俺に聞いてきたんだ?逢坂の事なら櫛枝の方が知ってるだろう?」
おかえりなさいませ!
櫛枝「そんなことないよ、今はあーみんの方が大河の事をよくわかってるしそれに高須君だって……」
竜児「……俺だって?」
櫛枝「……おっと、今のは失言だ!忘れておくんなまし!」
竜児(櫛枝今俺に何かを隠した?……こいつ本当に大河に関して感付いてるのかもしれねぇ)
櫛枝「いや、大河がこの前言ってたんだよ!竜……あ、高須君は料理がすごく上手だって!」
竜児「……本当か?」
櫛枝「それで大河と高須君の家は近いし、もしかしたら大河が頻繁に通ってるのかなって思ったんだ!」
竜児「そんなことはねぇ……逢坂が家に来たのは二回だけだし飯もまだ一回しか食って行ってねぇよ」
竜児「……ってか、さっき一瞬俺の事を名前で呼ぼうとしたよな?」
櫛枝「……」
竜児「……櫛枝、どうなんだ?」
櫛枝「……今日はつくづく口がスベるなぁ……高須君、オイラ降参だ!もう全部話すよ!」
竜児「……おう、頼む」
竜児(……何を話すのかはわかんねぇが、この状況なら上手く櫛枝の口を割らせられるな)
櫛枝「大河の話にね、最近よく出てくるんだよ……高須君がさ」
竜児「……は?」
櫛枝なんかダイッキライ!
櫛枝「竜児は優しい、竜児は料理が上手い、竜児は顔は能面だけど心は仏だ、とか……」
竜児「……それ全部逢坂が言ったのか?ってか、名前で呼んだのも……」
櫛枝「うん……大河が口癖みたいに竜児竜児言うから移ったって感じかな?で、変な話なんだけどさ……」
櫛枝「私妬いてるんよ、レズなのかな?……あーみんに取られるのも嫌だし、高須君に取られるのも嫌なんだ」
竜児(何を言ってるだコイツは……!?)
トゥルルルルルトゥルルルルル
竜児「……」
櫛枝「高須君、電話鳴ってるよ?」
竜児「え?……あぁ、すまん。出るぞ」
竜児(川嶋か……こんな時に何のようだ?)
櫛枝「ドードー」
竜児「もしもし?…………わかった、すぐ行く!」
櫛枝「……どうしたんだい、高須君?」
竜児「あ……母親!母親が倒れたんだ!だから病院に行って来る!」
櫛枝「本当かい!?なら、早く行くんだ!」
竜児「すまねぇ……じゃあな、櫛枝!」
櫛枝「うん、また明日!」
櫛枝「……高須君、その目は嘘をついてる目だよ……みのりんにはバレバレだ」
病院
竜児「……川嶋!」
亜美「高須君!?……随分早かったわね」
竜児「あぁ……で、どこにいるんだ?」
亜美「今ちょっと病室を見に行くって……高須君、どうなるのかな?」
竜児「……わかんねぇ」
亜美「高須君……あの人よ」
竜児「……どうも」
親父「君が高須竜児君かい?初めまして、逢坂大河の父です」
親父「今回は君たち2人が大河を見つけてくれたおかげで大事に至らなかったみたいで……本当にありがとう」
竜児「あ、いや……」
親父「こんな事があってしまっては僕は大河を家に連れ戻さなきゃいけない」
竜児「……そうですよね」
竜児(逢坂はあんな事を言ってたけど……やっぱり家族なんだよな、娘があんな事になったら心配だよな)
面白いけど、間開きすぎじゃね?
親父「……つもりだったんだけどね、実はそれが出来ないんだ」
亜美「……え?」
親父「僕の仕事の都合でね……こんな事件を起こした娘を手元へ置くのは信頼関係に繋がるって判断されたんだ」
親父「でも、君たち2人がいるなら大河も大丈夫な気がするよ……だから君たちに任せたいんだ」
親父「もちろんそれなりの報酬は用意する、こんな大切な事を任せるんだからね」
竜児「……は?」
>>284
すいません、昨日の後半でストックしてあった分はがなくなってしまって……
チッ……しょうがねえな。
支援してやンよ
親父「どうだろう、とりあえず月に10万くらいでいいかな?あと、悪いけど銀行だけは指定させて……」
竜児「……違う」
親父「どうしたんだい、高須君?……あ、もっと金額は高い方がよかったかな?」
親父「そうだよね、君たちに苦労をかけさせるんだから……25万くらいは欲しいかな?」
竜児「……そんな話をしてんじゃないんだよ!何なんだよ、アンタ!?」
竜児「仕事の都合で逢坂が邪魔だから他人に押し付ける……そんなこと親がしていいのかよ!?」
オレなら喜んでやる。グェッヘッヘ!
親父「……大河を任せられるのがそんなに嫌だったかい?わかった、なら今回の話は破綻って事で……」
竜児「だから違うって言ってるだろう!俺達は金が欲しくて逢坂の面倒を見るわけじゃねぇんだよ!」
竜児「逢坂が……逢坂が大切だから俺達は逢坂と一緒にいるんだ!」
亜美「高須君!落ち着いて!」
竜児「……川嶋っ!?」
亜美「ちょっと冷静になって……ここ病院よ?」
竜児「……すまねぇ」
亜美「……って、事で交渉は決裂です。でも、おじさん?大河の事は心配しないで下さい」
亜美「大河は私達が責任持って預かるんで……ってか、もう大河の前に一生現われないでください」
亜美「大体亜美ちゃん超売れっ子モデルなんで、お金になんか困ってませんから」
親父「……」
竜児「……もう帰って下さい、次に貴方が何か言ったら俺は貴方を殴りかねません」
親父「僕には君たちが理解出来ない……大河を任せるよ、それじゃあ」
竜児「川嶋……」
亜美「何、高須君?」
竜児「俺は今日にこやかにキレる奴を初めて見たぞ……」
亜美「あんなバカ……相手にするだけ無駄なの、わかる?高須君?」
竜児「……そうだよな、他の患者さんに迷惑かけちまった」
亜美「ねぇ……大河の病室に行こう?」
竜児「……おう」
大河「あ!ばかちー!それに竜児!」
竜児「よぉ、逢坂」
竜児(今名前で呼んだ……櫛枝の話は本当だったのか)
亜美「大河、調子はどう?」
亜美(……何で今高須君を名前で呼んだの?)
大河「うん、もう大丈夫!手もほら!」
ブンブン
竜児「おう!そんな動かすんでじゃねぇ!」
亜美「ホントよ……アンタあんなに心配かけさせて……」
大河「うん、もう大丈夫!手もほら!」
ブンブン ポロリ
竜児「あ」
大河「へへへ、ごめんごめん!でも、しばらくしたら多分木刀も持てるしもう大丈夫だよ!」
竜児「……逢坂?」
亜美「……大河、アンタなんか無理してる。何があったのよ?」
大河「……さすがばかちー!いつもガラスの仮面を被ってるだけあるね!」
亜美「当たり前でしょ、アンタ下手なのよ……で、何があったの?」
大河「……さっきね、あの忌々しいクソジジイが来たの」
大河「……単刀直入に言うとね、私捨てられたの」
大河「……家に連れ戻したいけど、仕事の邪魔だから無理だって」
大河「……まぁ、あんな親こっちから捨ててやりたかったくらいだからせいせいしてるんだけどね!」
竜児「……」
竜児(こいつなんでこんな笑ってられるんだよ……なんでこんな強がってられるんだよ……)
竜児(逢坂が今までどんな寂しい思いをしてきたかはわからない……けど、これからはそんな思いは……!)
亜美「大河!」
大河「おっと、ばかちー痛いよ!……あれ、なんでばかちー泣いてるの?」
亜美「……アンタが泣かないから……代わりに泣いてんのよ……」
大河「ばかちー……ありがとう……」
亜美(大河は私が守ってく……絶対手放さない……)
3日後 朝
大河「みーのーりーぬっ!」
ガバッ
櫛枝「たいがぁ!?もうどうしたんだよ!メール送っても返事くれないし!もう心配したんだよ!?」
大河「ごめんごめんみのりん……これ見て!」
櫛枝「大河……その包帯……」
大河「慣れないことはするんじゃないね、ハンバーグ作ろうとしたんだけど肉じゃなくて手を焼いちゃったの」
櫛枝「大丈夫なの!?もう何やってんよ……しゃーねぇ!授業寝ないで大河の為に綺麗なノート取ってやる!」
大河「本当!?みのりんありがとう!」
亜美「……」
亜美(大河やっぱり嘘をつくのね……櫛枝実乃梨、アンタは今は真実を知らなくていいの……)
亜美(私がアンタに真実を伝えるの……私がアンタを絶望の淵に突き落とすの……)
木原「亜美ちゃん、どうしたの?具合でも悪いの?」
亜美「ううん、何でもないよ……何でも……」
香椎「……」
夕飯食べてきます
再開します
北村「逢坂!どうしたんだ、その手は?」
大河「北村君!へへ、ドジしちゃって火傷しちゃったの……」
北村「そうか、気を付けろよ……おはよう、櫛枝!」
櫛枝「やぁ、北村君!どうしたんたい、眼鏡が曇ってるぞ?」
北村「いや……何でもない、何でもないぞ!」
竜児(……逢坂は2人に対していつも通り、北村は櫛枝に対してやや緊張気味だな……)
竜児(だけど、櫛枝はどうだ?俺にあんな事言っといて逢坂とはいつもと変わんない感じだし……)
竜児(北村に対しても同じだ……まるで何もなかったみたいだ……)
竜児「……ポーカーフェイスなのか?」
亜美「うん?何が?」
竜児「おう、川嶋……居たのか」
亜美「居て当たり前でしょ?亜美ちゃんの席あるんだし……それに麻耶達と居ても気が気でしょうがないのよ」
竜児「そりゃそうだ……あの不思議な構図に気づいてるのは俺達だけだからな」
亜美「で、誰がポーカーフェイスなのよ?……大河なら相当無理してるわよ」
竜児「そうだな……」
亜美「……いつか話してくれる?」
竜児「……え?」
亜美「高須君、そんな顔だけど案外顔に出やすいのよ?知らなかった?」
竜児「おう……鏡の前に立つと驚くからな」
亜美「何それ、全然笑えないんですけど」
竜児「……いつか話す」
亜美「なら、いいわ……共犯者は裏切らないもの」
昼休み
北村「……はぁ」
春田「おーい、大先生?」
能登「……高須、北村どうしちゃったわけ?」
高須「……俺にもわかんねぇ」
春田「大先生、もしかして失恋でもしたー?」
高須(春田……!この大バカ野郎!北村を刺激するな!)
北村「……しとらん!断じてしとらんぞ!余は失恋などしとらーん!」
能登「北村!?」
高須(……危ねぇ、逢坂と櫛枝はいないか)
木原「……え!?まるお失恋したの!?」
香椎「やっぱり相手は会長かな……亜美ちゃん知らない?」
亜美「……祐作が誰と恋してるとか亜美ちゃん興味ないからわかんないな~」
亜美(あの女振ったのかよ……それともアイツ、大河の気持ちに気づいてて断ったの?)
亜美(……どっちにしても祐作にキスさせた時点でアイツが原因なのは変わらない)
香椎「……」
昼休み 屋上
大河「どうしたの、みのりん?こんな所で話があるなんて……」
櫛枝「大河、私は大河が大好きだよ……だから、だからこそうやむやにしちゃいけない事がある……」
大河「……みのりん、どうしたの急に?」
櫛枝「アンタ、今日変だよ!今朝も笑ってるように見えたけど全然笑ってない!ねぇ、何を隠してるの!?」
大河「……みのりん、最後まで話を聞いてくれる?」
櫛枝「当たり前だよ!さぁ、大河……私に話しておくれ」
大河「実はね……」
大河「ダメ!……やっぱ言えない……」
櫛枝「……どうして?やっぱこの前の事怒ってるんだよね?」
櫛枝「この前は私が悪かった!大河がお父さん嫌いなのに無理に合わせたりして本当にごめん!」
大河「……」
櫛枝「本当は今朝一番で謝りたかったんだけど大河が急に抱きついて来たし……」
櫛枝「手のケガもあったから少し動転してどうすればいいのかわからなかったんだ……本当にごめん!」
大河「みのりん……」
櫛枝「もう大河が傷つくような事は絶対しない!神にだって誓う!だから……」
櫛枝「だから私に隠し事をしないでくれ……大河の話を聞かしてくれ……」
大河「みのりん……私ね……」
放課後
北村「おーい、大道具……今日は解散だー」
能登「結局今日はずっとこんな感じだったな……春田、お前のせいだぞ!」
春田「えぇー!俺!?確かに大先生のhurtを傷つけたのは俺かもしんないけどさー……」
能登「春田……この前よりは成長したな、けどお前は無理に英語を使うな」
高須「hurtじゃなくてheartだな……」
春田「ありー?そうだっけー?」
ガラガラッ
高須「……櫛枝?」
櫛枝「北村君、話があるの!ちょっと来て!」
能登「櫛枝ー、今日の北村話になんないぞー」
北村「……わかった、今行く」
春田「あり?大先生復活?」
高須(櫛枝の耳にさっきの話が入ったのか……マズイぞ……)
高須(帰るフリしてさりげなく様子を……)
竜児「じゃあ、俺か……」
香椎「高須君」
竜児「おう……えっと、香椎だよな?」
香椎「あんまり話した事ないのに覚えてくれたんだー、嬉しいかもー」
竜児「……どうしたんだ、何か用でもあるのか?」
香椎「うん、用があるから来てくれるかしら?」
竜児(……ここで断るのも変だよな?)
竜児「……おう」
春田「……あり?今日ってそういう日?」
竜児「何の用だ、一体?」
香椎「高須君なんか不機嫌?」
竜児「……そんなことはねぇ」
竜児(早く香椎との用を済ませて北村達の様子を見たいんだが……)
香椎「ふふふ、そんな怖い表情しないでよー?あのね、亜美ちゃんの事なんだけどね……」
竜児「川嶋?……川嶋がどうかしたんだ?」
香椎「高須君は知らないだろうけど、亜美ちゃん2学期になってから大分変わったんだよねー」
竜児「そうなのか……」
竜児(こいつ何で2人っきりで川嶋の話題を……?)
香椎「うん、単純に亜美ちゃんがクラスに来てからしばらく経ったってのもあるだろうし……」
香椎「逢坂さんと仲良くなったってのもあると思うんだよねー……」
香椎「でも、一番の変化は高須君が来た事だと私は思うのー」
竜児「……俺?」
香椎「1学期の亜美ちゃんはどんな時も明るかったの」
香椎「それが2学期になってからは時々暗い表情をしたり隠しきれてない……」
香椎「高須君……これ、どういう意味かわかる?」
竜児「……わかんねぇ」
香椎「そう……鈍い男って嫌われちゃうかもね」
竜児「……あぁ、何の事だかさっぱりだ」
香椎「私の用はそれだけだから……もう北村君の所行ってもいいよ?」
竜児「……香椎は鋭い女だな」
香椎「ふふふ、女の子はみんな敏感なんだからね」
竜児「……じゃあ」
竜児「……川嶋が暗い?そりゃ、逢坂が理由だろうな」
竜児「香椎は何かに気付いてるのかと思ったけど……そんなことはなかったな」
竜児「……北村達は見失ったか、帰るか」
文化祭当日
北村「よーし、みんな!今日は張り切っていくぞ!」
竜児「……北村随分と元気になったな」
春田「あり?高っちゃん知らないの?遅れてるー!」
能登「北村、櫛枝と付き合い始めたらしいぞ……部内カップルで同じクラスだからもうみんな知ってるぞ」
竜児「……本当か!?」
竜児(何があったんだ一体……?)
昼休み
北村「午前の部は大反響だったな!この調子で午後の部も頑張るぞー!」
おー!
大河「竜児!ばかちーと3人でお店回ろうよ!なんか美味しいもん食べたい!」
亜美「ちょっと引っ張んないでよ、逢坂さん……」
竜児「おう……なら行くか!」
大河「私あれ食べたい!」
亜美「りんご飴?亜美ちゃんパース」
竜児「俺もいいや」
大河「えーっ!なら、私並んでくるから待ってて!」
亜美「はいはい」
竜児「おう、落とすなよ」
竜児「……川嶋、聞いたか?」
亜美「……何?」
竜児「北村と櫛枝が付き合ったって話だ……俺には信じられねぇ」
亜美「高須君もそう思った?……私もそうなのよ」
亜美「あの2人が付き合うのは私のプランにとっては最高のシナリオ……なのに何か違和感を感じるの」
竜児「だよな……北村はここ数日すごいテンション高かったが櫛枝はそうでもない……これが引っ掛かる」
亜美「あの子……何考えてるのかしら?……大河が戻って来るわ、この話はまた後で」
竜児「おう」
大河「ふぅ……お腹いっぱいだわ」
竜児「逢坂、口にチョコ着いてるぞ」
大河「え?どこどこ?」
亜美「ちょっとじっとしてなさい、とってあげるから……ほら、とれた」
大河「わっ……もう、そんくらい自分でとるよ!」
亜美「いいのよ、お子様なんだから甘えてれば……亜美ちゃんトイレ行ってくるけど、行く?」
大河「ううん、ここで待ってる」
亜美「じゃあ、高須君と一緒にここに居てね」
竜児「おう」
>>1に質問なんだけど全部で何部作までいくの?
大河「ばかちーは行ったね……竜児、ちょっと耳貸しなさい」
竜児「……耳は貸せねぇな」
大河「……次つまんない事言ったらぶっ飛ばすわよ?」
竜児「おう、怖ぇ怖ぇ……で、なんだ?」
大河「驚きなさい!私北村君に特別にミスター大橋の内容教えてもらったのよ!」
竜児「ほう、そりゃすげぇな……で、何をやるんだ?」
大河「それがね……福男レースだって!」
竜児「……福男レース?」
>>359
あと多分2です、原作6巻の内容飛ばして7で一つ8と9ちょびっとで一つで考えています
大河「そう、福男レース……竜児、アンタそれに出なさい!」
竜児「はぁ?何で俺が……」
大河「ミスター大橋はミス大橋と後夜祭でダンス……つまりばかちーと踊るのよ!」
竜児「川嶋がミス確定なのはいいとして……俺ダンスなんて出来ないぞ?」
大河「アンタが踊れようが踊れまいがどうでもいいのよ……大事なのは他の奴に踊らせない事なの!」
大河「ホントは私が出て踊りたいんだけど……男じゃないしこの手じゃ無理だわ」
大河「だから私の代わりにアンタがばかちーと踊って欲しいの……お願いだわ、竜児」
竜児「逢坂……」
亜美「お待たせー!」
大河「ばかちー随分遅かったわね、もしかして……」
亜美「言わんでいいわ!」
竜児「逢坂……さっきの願い、しかと受けた」
亜美「あれぇ~、2人してコソコソと何の話かしら?」
大河「ばかちーには秘密だよ!……ヤダ!もうこんな時間!2人とも早く戻ろ!北村君に怒られちゃう!」
亜美「こら、待ちなさい大河!」
竜児(逢坂がそれで喜ぶっていうなら……この勝負絶対に負けられねぇ!)
亜美「高須君、置いてくよ~?」
竜児「……おう!」
体育館
北村「これよりー!今年度のミス大橋を行いたいと思います!」
北村「今年も司会を務めさせて頂きます!お馴染みの北村祐作です!」
能登「いいぞ、北村ー!」
春田「大先生期待してるよー!」
大河「北村君、今年はどんな衣装なんだろう?」
竜児「去年も何かやったのか、北村?」
大河「うん、去年はハリーポッターのコスプレしてたの!」
竜児「そうか……」
竜児(……とても失恋した男の事じゃないように話すな……そんだけ意識してるって事か)
櫛枝「……」
能登「お、幕が開いたぞ!」
春田「今年は何やるんだー?」
ザワザワ
ザワザワ
竜児「おう……!」
北村「皆さんこんにちわー!早速、ミス大橋の候補者を紹介してきたいと思います!」
大河「竜児……あれって葉っp……」
竜児「逢坂……言っちゃダメだ……言ったら負けな気がする」
大河「……そういえば次ばかちーね!」
竜児「おう、そうだったな……まぁ、アイツが負ける事はないだろうな」
北村「……それでは次がラストになります!エントリーNo.7番、川嶋亜美さんどうぞー!」
能登「亜美ちゃーん!」
春田「亜美ちゃ……すんげぇー……」
ザワザワ
ザワザワ
大河「……ヤダ、ばかちーすごく綺麗!竜児もそう思うでしょ!?」
竜児「……おう」
竜児(何だあれ……川嶋すげぇ色っぽいっていうか……ドキドキする……)
北村「川嶋さん、一言お願いします」
亜美「……祐作最っ低ー!そんなカッコで私の前に立つんじゃねぇーよ!」
オォォォォォォォ!
能登「……美しい」
春田「……俺も言葉責めにあいてぇー」
北村「……今年のミス大橋は……エントリーNo.7番、川嶋亜美さんに決定しましたー!」
亜美「みんな~!ありがとう~!」
能登「亜美ちゃーん!」
春田「亜美ちゃん最高ー!」
兄貴「ミスコンが終わった途端で悪いが……これからミスター大橋の説明をさせてもらう!」
兄貴「今年のミスター大橋は……」
兄貴「福男レースだぁぁぁぁ!ミスター大橋には今年のミス大橋と後夜祭にダンスを踊ってもらう!」
亜美「……え?」
オォォォォォォ!
校庭
能登「高須……お前も出るのか?」
高須「……おう」
春田「能登っち出るのー?」
能登「当たり前だろー!」
高須「春田、お前出なくていいぞ」
春田「もちろん!……って、あれ?」
能登「高須、一人減ったな」
竜児「おう、一人減ったな」
春田「俺も出るってばー!」
櫛枝「大河……!」
大河「みのりん!そういえば今日全然会わなかったよね!寂しかったよ、みのりーん!」
櫛枝「大河……本当にあれでいいの?……私には……」
大河「……みのりんもう忘れちゃったの?」
櫛枝「……違う!違うよ大河!……ただ……ううん……なんでもない……ごめん……」
大河「……みのりんも一緒に見よ、福男レース!」
櫛枝「……うん」
亜美「……せめて前日には説明するもんじゃないの、こういうのって?」
北村「すまん、亜美!こればっかりはトップシークレットだったんでな!」
亜美「もういいけど……アンタは最近出来た彼女さんの所にでも行ってきたら?」
亜美(高須君出てくれてないかな……?)
北村「……な、何でそれを知ってるんだ!」
亜美「アンタもうバレバレよ……少なくとも2-Cは全員知ってるんじゃない?……麻耶なんか泣いて泣いて」
北村「……うん?木原がどうしたって?そうだ、亜美に相談したいんだが……」
亜美「……なんでもない!もうあっち行って!」
亜美(大河があまりにも普通に接するから私までそうしなきゃいけないじゃない……でも、これも大河の為ね)
兄貴「おめぇら!準備はいいかぁ!」
オッー!
兄貴「準備体操はすんだかぁ!」
オッー!
兄貴「靴ひもはしっかり結んだかぁ!」
オッー!
兄貴「準備はいいみてぇだな……ケガはすんじゃねぇぞ!行くぞぉぉぉ!」
兄貴「よぉぉぉぉい!どぉぉぉぉぉん!!」
竜児「うぉぉぉぉぉ!」
何だ、アイツ!? 超怖ぇ! 逃げろ!
竜児「うぉぉぉぉぉ!」
助けてぇ! やめてくれぇ! 命だけはっ!
竜児「うぉぉぉぉぉ!」
竜児(……何で俺はこんなに一生懸命走ってるんだ?)
竜児(逢坂の為?……確かに最初はそうだった……)
竜児(あの世の中の不幸を一身に背負ったような……心の弱い逢坂を助けてやりたかったんだ……)
竜児(でも今は……今は俺の為に走ってる……)
竜児(川嶋と踊りたいから……ここに来て、最初に俺を認めてくれた川嶋の事が好きだから……!)
竜児(……アイツは俺を共犯者だと思ってる……)
竜児(……でも、あれは偶然の不幸だ!……北村が幸せを手に入れた代償をたまたま逢坂が背負っただけだ!)
竜児(……なのに、逢坂の為だからって故意に不幸を起こすのはやっぱり間違えてる!)
竜児(……だから、俺は言う!このレースに勝って!この思いを!そして川嶋にそんな事はさせねぇんだ!)
兄貴「一番最初にグラウンドに戻ってきたのは……!」
大河「竜児!」
北村「高須!」
亜美「高須……君!?」
竜児「うぉぉぉぉぉ!」
………
……
…
スパン
後夜祭
香椎「能登くーん、春田くーん、私達と踊らない?」
木原「……ちょっと!私はいいよ、菜々子!」
香椎「だーめ、ちょうど2対2なんだから……ね?」
能登「よーし、木原!俺と踊ろうぜ!」
木原「え、ちょっと!能登!」
香椎「じゃあ春田君、私と踊ろうか?」
春田「は~い、菜々子さまぁ~!」
北村「櫛枝……どうしたんだ、こんな所で?」
櫛枝「いや……ちょっとね……」
北村「櫛枝……俺と踊ってくれ!」
櫛枝「北村君……ごめん……今は……」
大河「みのりん、踊ってきなよ!」
櫛枝「大河……!」
北村「おう、逢坂!……お前は踊らないのか?」
大河「うん、この手だしちょっと無理なんだ……ほら、みのりん!早く行ってきな!」
櫛枝「大河……わかった……北村君、踊ろう」
北村「櫛枝!よし、じゃあ向こうに行こう!」
大河「……そう、それでいいの」
竜児「川嶋!」
亜美「高須君……!」
竜児「やっと見つけた……どこ行ってたんだよ……」
亜美「ちょっと化粧直し……どっかのミスター大橋があまりにも遅かったからねぇ?」
竜児「悪かったな……あのさ、川嶋……」
亜美「……何?」
竜児「あの……俺と……さい……」
亜美「何?亜美ちゃん聞こえなーい!」
竜児「……俺と踊って下さい!」
亜美「うん……喜んで……!」
亜美「ほら、もっとこっち近づいてよ……手握って?」
竜児「お、おう……」
亜美「……何緊張してんのよ、高須君?もしかしてダンスとか初めて?」
竜児「あぁ……」
亜美「しょうがないな……私がリードしてあげるから、しっかり着いてきてね!」
竜児「……おう!」
亜美「……そう……そう……上手よ、高須君……」
竜児「なぁ、川嶋……話があるんだ……」
大河「……本当に楽しい、私はもうずっと独りじゃないもの……」
大河「みのりんと北村君はみのりん次第……でも、みのりんも時期に諦めるわ」
大河「だって……この手の傷は自分のせいだって知っちゃったんだもん……」
大河「みのりんは絶対に裏切らない……私の言うことを絶対聞いてくれる……」
大河「北村君も直に知るわ……おそらくばかちーが告げるの……そして……私の所に来るの……」
亜美「え?……何、高須君?」
竜児「川嶋、前に俺と川嶋は共犯者だって言ったよな……?」
亜美「うん……それで……?」
竜児「逢坂の為に櫛枝と北村を絶望の淵へ突き落とすって……そんなことはやめよう」
亜美「……え?」
竜児「北村だって櫛枝だっ逢坂を不幸にする為にあんな事をしたんじゃない……」
竜児「たまたまアイツらの幸せを得る為の行動が逢坂の不幸に繋がってただけなんだ……」
竜児「逢坂の不幸は俺達が肩代わりしてやる……それでいいじゃないか?……何も川嶋が汚れる必要はない」
亜美「……何言ってるの、高須君?」
大河「……ばかちーと竜児もきっと上手くいく」
大河「ばかちーはもう私のもの……家に来た時にはもうほとんど決まってたけどこの前の病院で確信した……」
大河「ばかちーは絶対に私から離れない……絶対、何があっても私を裏切らない……」
大河「問題は竜児……アイツもこの前の病院でほとんど落ちたと思うけど……何かが引っ掛かるの……」
大河「……でも……きっと竜児も私のものになる……」
大河「……誰かを手に入れる為に誰かを犠牲にする必要なんてないの」
大河「ばかちーもみのりんも北村君も竜児も……みんなみんな私のものになるんだから……」
亜美「大河は……大河はどうするのよ!親友に好きな男奪われて!心を痛めて自分を傷つけて!」
亜美「挙げ句に親にまで捨てられたのよ!……それでもあの娘は私達が笑えるように心を殺してる!」
亜美「そんな娘を……そんな娘を完全に救えると高須君は思ってるの!?」
竜児「……当たり前だ!これ以上誰も傷つかなくて済む方法は必ずある!」
亜美「……私には見つけられない……だから私は原因になったアイツらに罰を与える……」
竜児「川嶋……!」
亜美「……大河を置いて幸せになろうとしたから罰が当たったんだ」
亜美「もう私達仲間じゃないね……これからは私1人でどうにかする……さようなら、高須君……」
竜児「待て、川嶋!……何でわかってくれないんだ……川嶋……!」
end
>>429
乙。纏めさせて頂いてもいいっすか?前回含め
皆さん、お疲れさまでした。楽しんで頂けたでしょうか?今回は最初に前スレ用意してなかったり、色々あって投下のリズムがまばらだったりと皆さんに大変迷惑をおかけしました。
とらドラ!の原作もアニメももう少しで終わってしまいますが、自分も一ファンとして楽しみながら最後までこれを書き切りたいと思ってます。
では、また次の機会に。
>>433
纏めてもらえるなんて嬉しい限りです!是非お願いします!
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