イチロー「ここは…どこだ…?」(1000)
イチロー「ここはどこだ…?」
広い草原の中央、そこに1人の男が立ち尽くしていた。
イチロー「確か俺はいつもの様にセフィコ・フィールドに向かって…」
イチロー「クッ…思い出そうとすると頭が痛む…」
イチロー「それにしても・・・ここはどこだ?」
周りを見回す
目視できる範囲には何もない
広がる草原
イチロー「なんなんだ一体・・・」
イチロー「ん?」
男の足元には無造作に放り出されたように木製の黒いバットと外野手用のグローブ、そして硬式の野球ボールが5、6個転がっていた。
イチロー「バットにグローブ…二つとも俺のだ」
イチロー「それに・・・」
イチロー「何故俺はユニフォームを着ているんだ!?」
男は白を基調としたユニフォームを身に纏っていた
胸元には英語でシアトルマリナーズと刺繍されてある
イチロー「…とにかくここがどこか確認しないと」
男は歩き出す―――
…シュッ!
イチロー「―――ッ!」
男の左斜めそこから一本の弓矢が翔んでくる。
イチロー「くっ…ッ!」
男はとっさに持っていたバットを振い弓矢を弾いた
イチロー「誰だッ!!!」
ザザッ…
恐らく人なのだろうそれは男を仕留めそこなったのを確認し逃げていく
イチロー「待て…ッ!」
男は走る
速い、男は風を切り裂くような速さで逃走する者に迫る
距離はすぐさま縮まる
イチロー「待てって…ッ」
イチロー「言ってるだろうがッ!!!」
圧倒的な速さで迫り、足元目掛けてスライディング
「うわっ!」
そう悲鳴をあげ逃げていた者は勢いよく転倒する
ガシッ
男はすぐさま上から肩を押さえ付ける
イチロー「お前っ…!」
イチロー「!?」
「ううっ…」
イチロー「(女…!?しかもまだ子供…)」
「放せよっ!!糞っ!!」
イチロー「どうして俺に弓矢を放った?」
イチロー「ここはどこなんだ!!!」
「な、なにいってんのアンタ」
「とにかく放してよっ!」
イチロー「…わかった」
男は少女を押さえ付けていた手を放す
少女は立ち上がると
「アンタこそ何者?こんなところでしかもなんだい?それ?変な着物だし」
イチロー「着物?」
よく見ると少女は浴衣のような服を着ていた
イチロー「君は日本人…だよな?ここはアメリカじゃないのか?」
少女「…にほん?あめりか??なにをいってるのかわからないよ」
イチロー「…じゃあ質問を変えよう。何故俺に弓矢を放った?」
少女「山賊かと思ったんだよわたしの村も何度も襲われてるから…」
イチロー「(山賊?村?一体…)」
イチロー「俺は山賊じゃないし怪しい者でもない」
少女「じゃあなんなのさ」
イチロー「メジャーリーガーだ」
少女「めじやーりー…?」
イチロー「とにかく」
イチロー「君の村に案内してくれないかな」
少女「まってくれよ!そのめじやーなんとかってのはなんなんだい?」
イチロー「村に」
イチロー「案内してくれ」
男はそれ以上の質問を拒むかのように表情を変えず少女を見つめた。
少女「ゾクッ…わ、わかったよ…」
まるで喉元に鋭利な刃物を当てられているかのような
そんな恐怖を一瞬、少女は感じた
イチロー「ありがとうじゃあ行こうか」
イチロー「おっと!いけないいけない!バットとグローブとボールを忘れてた」
イチロー「村は近いのかい?」
男と少女は歩いていた
片や野球のユニフォーム、片や浴衣のような服装の2人が草原を歩く
奇妙な光景だった
少女「うん、まあそんなに遠くはないよ」
少女「でもうちの村にきてどうするんだい?小さな村だしなにもないよ?」
イチロー「…今はとにかくなんでもいいから情報が欲しいんだ。俺も少し混乱していてねなにせ気付いたらこんなところに立ってたんだから」
イチロー「ユニフォームでね」
少女「へーそりゃあ不思議だねー狐にでも化かされたんじゃない?」
イチロー「狐・・・ね」
少女「んでさーその黒い棒はなんなんだい?刀かい?」
イチロー「ああ、これは『バット』っていうんだ
まあ、野球選手にとっちゃ刀みたいなものかな…」
少女「やっぱ刀なのか!すげー見たことないよこんな刀!もしかしてアンタお偉いお侍さんかい?」
イチロー「サムライか…ああ、そうだな俺はサムライと呼ばれていたこともあったよ」
少女「やっぱりそうなんだ!それなのに私あんなことしてしまって…」
イチロー「いや、君も悪気があったわけじゃないんだから仕方がないことさ」
イチロー「変な格好してる俺も悪い」
少女「なんかアンタはほかのお侍さんとは違うね」
少女「…優しい」
イチロー「おっ!あれが村かい?やっと見えてきた」
少女「う、うん」
イチロー「そういえば」
イチロー「君、名前は?」
少女「えっ?名前かい?私の名前は…」
少女「『ゆみこ』だよっ」
イチロー「!?」
イチロー「偶然…なのか…?」
イチロー「偶然さ」
名前を言った途端今まで無表情だった顔に明らかな動揺が走った
ゆみこ「?」
ゆみこ「どうしたんだい?まあよく変な名前って言われるけどさっ」
イチロー「い、いやなんでもない」
イチロー「とてもかわいい名前だ」
ゆみこ「へへっありがと!」
ゆみこ「そんなこと言われたの初めてだよっな、なんか照れるなー」
ゆみこ「アンタの名前もきいていいかい?」
イチロー「俺は…」
イチロー「鈴木…いや違うな」
イチロー「俺の名前はイチローだ」
ゆみこ「いちろー…ふふっアンタも変な名前だねっ!」
イチロー「そうだな…ハハッほんとに変な名前だ」
ゆみこ「やっと笑った!ずっと辛そうな顔だったから」
ゆみこ「よかった」
イチロー「ああ、俺も久しぶりに笑ったような気がする…」
イチロー「笑うのも悪くない」
イチロー「ここ、か」
ゆみこ「…そうだよここが私の村」
一言で言えば廃村だった。畑は荒果て、家も壊れ、家の外で座り込む村人は少なくはなかった
イチロー「これは…」
ゆみこ「言ったでしょ山賊に襲われたって」
ゆみこ「…村人も半分以上が殺された」
ゆみこ「許せない…ッッ」
少女は悔しそうに拳を握り、俯いた
「ゆみこっ!」
女の声
ゆみこ「かあちゃん!」
ゆ母「アンタどこ行ってたんだい!心配させて!」
ゆみこ「あー狩りに行ってたんだよ」
ゆみこ「兎でも捕ろうと思ってさ」
イチロー「(兎…)」
ゆ母「で、兎は?」
ゆみこ「う、兎はとれなかったけど…この人!凄い人を連れて帰ってきたよ!」
視線が集まる
ゆみこの母親だけではなく村中の視線
イチローに注がれる
ゆ母「アンタは・・・随分と変な格好だね」
イチロー「俺は…」
ゆみこ「イチローはね!お侍さんなんだって!しかも物凄く強いんだよ!弓矢も避けたしさっ!」
ゆ母「お侍…!?弓矢ってアンタ…」
ゆみこ「へへへ…間違ってこの人狙っちゃって…」
ゆ母「!?」
ゆみこの言葉を聞き母親や村人達の顔が青ざめる
ガバッ!
ゆ母「ど、どうか許してください!娘の命だけは!!!」
イチロー「どうかお立ちください。俺は全く気にしていませんしどうこうするつもりもない」
ゆ母「よりにもよってお侍様に弓矢を・・・」
ゆみこ「大丈夫だってば!イチローは優しいんだよ?」
バチィッ
ゆみこの頬に平手打ちが炸裂する
ゆ母「アンタはわかってるのかい!?タダでさえ村はこんな状態なのにこれ以上なんかあったらこの村はもうお終いなんだよッ!」
イチロー「まあまあお母さん抑えて抑えて」
ゆみこ「…ごめんなさい」
少女の目には涙が浮かんでいた
イチロー「ところで、この村で一番偉い人は誰ですか?」
男は村人達に向けてこう問うた
「オラです」
若い男が名乗りを上げた
村人の多くが老人や子供ばかりの中、この体格のいい青年は目立った
イチローの身長も高いがこの青年はさらにそれを上回る高さだった
青年「オラです」
イチロー「あなたが村長?村長にしては随分若いが・・・」
青年「ええオラが村長ですだ」
青年「前の村長や村の若い衆は山賊に殺されてしまっただ。んでオラが今村長やってんです」
青年「ササキといいますだ」
イチロー「ササキ…!?」
イチロー「偶然、か…」
イチロー「山賊とはどんな奴等なんですか?」
ササキ「山賊はぁ…思い出すだけでも小便チビりそうだぁ…」
イチロー「・・・」
ササキ「恐ろしい奴等だぁ…たった9、10人ぐらいでこの村の若い衆さみんな殺してしまった。うちの若い衆は腕っ節の強い奴ばっかだったのにいとも簡単に…」
ササキ「そ、その中でもとくに恐ろしいやつがいたんだぁ…」
イチロー「恐ろしいやつ?」
ササキ「そうだぁ…すんげ恐ろしい男だぁ」
ササキ「まるで竜巻だったんだぁ…
物凄い怪力で鉄球さぶんまわして殺しまくるんだよぉ」
ササキ「オ、オラ隠れながらみてたんだけど怖くて怖くて糞尿垂れ流しちまったんだぁ…」
ゆみこ「そいつ」
ゆみこ「また来るって言ってたんだ!」
―――ここはどこだ?
ガバッ!
「起きたかの?」
派手な服装の老人が男に語りかける
「あなたは…」
老人「ワシは徳川、徳川家康じゃ」
家康「そちの名はなんと申す?」
男「僕は…」
男「僕は松井です」
家康「まつい…ほほおかしな名前じゃのう」
松井「ちょっと待て!徳川家康?」
松井「これはドッキリかなにかですか?」
家康「どっきり?なんじゃそれは」
松井「ふざけないでください!僕はこれから試合があるんです!なんなんですかこれは!」
家康「死合・・・とな!?」
やっぱキツいからにしこりはやめるわ
イチローだけにする
イチロー「また来る…!?何の為にだ?もう奪う物は無い筈だ」
ゆみこ「わからない…けど確かにアイツはそう言ったんだ!」
ササキ「んだ」
ゆみこ「イチロー・・・お願いこの村を守って!」
ササキ「オ、オラからもお願いしますだぁ!」
イチロー「わけがわからない」
イチロー「これはなんなんだ?誰かの悪ふざけか?」
イチロー「いや確かにこれは現実だ夢なんかじゃない」
イチロー「ならやるしかないのか・・・」
イチロー「勝負だ!室伏!!」
室伏「勝負だ!イチロー!!」
こうして世界は砕け、大きな爆発が起こり、新たな世界が誕生しました
これがビッグバンです
ブンッ…ブンッ…ブンッ…
男は素振りを忘れない野球を始めてからずっとバットを振り続けていた
それは決して無駄ではなかった
努力による裏付けからくる正確な技術
これこそが男が信念とする野球だった
人は彼を野球の神、天才と呼ぶが
彼の真の才能、それは努力の才能であった
イチロー「外角低めっ!」ブンッ
イチロー「ふぅ…レフト前へのスリーベースか…」
イチロー「俺もまだまだだな」
ゆみこ「イチロー!ごはんー!」
イチロー「ああ、今行くよ」
男は思う
何故だろうアメリカにいた頃と変わらないような気がする、と
イチロー「そういえばマリナーズは大丈夫だろうか?俺が試合をサボるなんて監督もチームメイトも思っていなかっただろうな…」
イチロー「まあ俺が居ようが居まいがどっちにしろ負けるんだがな」
―――朝
ブンッ…ブンッ…ブンッ…
ゆみこ「また刀振ってる」
ササキ「そりゃあ毎日稽古しなきゃお侍さんでも腕が鈍るんだよぅ」
男が村に止まってもう三日たっていた
山賊がくる気配はまだ、ない
イチロー「やはり素振りだけじゃだめだな…」
イチロー「ササキさん!」
ササキ「オラ?」
イチロー「ササキさんピッチャーをやってくれませんか?」
ササキ「ぴっちぃー?」
イチロー「この球を俺に向かって思いっきり投げるんです」
ササキ「投げるって!?そんなこったらしたら危ないだよぉ~!」
イチロー「いいからはやく」
>>194
村長の伝家の宝刀来るぞwwwww
ササキ「んならいきますだぁー!」
イチロー「はい」
ササキ「ほれっ!」
ボールはゆるやかに弧を描き男の前で落ちる
イチロー「ササキさん」
イチロー「本気でやってください」
ササキ「だ、だども…」
イチロー「俺を山賊だと思って殺す気で投げるんですよ!」
ササキ「山賊…」
ササキ「わ、わかっただぁ」
,,ィVノ⌒ヽゝヾ、
、}` ミ,,_彡,_.ノノノ /
ヽ ,,ィ'" ヽ7
|/ ( ......, l ,......)
|| ヽ・フ ヽ・フ(
(6| ー', 、_,)、ー/ いくだよ、イチローさん!
/ ̄\!. ´ヒニニニン |
,r┤ ト、. ` '⌒ ' (__
l, \_/ ヽ 、_____ 〉 `ヽ
|, 、____( ̄ l 、 l
ヽ, 、__)`/ BayStars }_|
ヽ、__)__ノ l |
| 22 / |
ササキ「いくだぁー!」
ササキ「うおりゃああああああああああああああ死ねやああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」
ビシュッ!
巨漢から投げ出されたボールは勢いよく男に目掛けて直線を描く
イチロー「…素人にしては速いな」
イチロー「だがっ」
イチロー「打ちごろだっ!!」
卓越したバットコントロールでデットボールコースの球の軌道をバットに重ねる―――
イチロー「シッ!」
重ねる―――
イチロー「!?」
だがそこにボールはなかった
ドガッ!
イチロー「グフっ」
ボールはバットの遙か下
イチローの足に直撃していた
ケンジとハセガワまだー?
ササキ「!?イチロー様ぁあぁあ!!!大丈夫ですかぁ?」
ササキ「すすすすすすいませんだぁ!!!!オ、オラなんてことを!!!」
イチロー「大丈夫だ。それよりさっきのは?」
ササキ「わからないんだぁー必死で投げたら勝手に…」
イチロー「ボールを、ボールをどう握っていたんだ?」
ササキ「た、確かこうだったかなぁ」
イチロー「!?」
イチロー「なるほど…名は体を表す・・・か」
それは紛れも無い
昔男が見せて貰った大魔神のフォークの握りであった
すいませんバイト行ってきます
すんません5時には終わると思うんで
ほしゅありがとう!まだたってるとわw
夜―――
山には男達の人影があった。
その中でも特に1人人間離れした筋肉を身に纏う男がいた。
「おい!お前ら!行くぞ!」
「好きなだけ殺してこいや!」
リーダーらしきその男達の叫びと共に周りにいた男達も雄叫びをあげる。
…ジョロジョロジョロ
イチロー「ブルッ…ふぅー夜は冷えるなぁ」
―おおおおおおおん…
イチロー「ん?」
イチロー「狼…かな」
ゆみこ「イチロー…」
物陰から少女
イチロー「ん?なんだい?」
ゆみこ「イチローは…これからどうするの?もし山賊がこなかったら…」
イチロー「・・・」
イチロー「とりあえずもう寝よう」
ゆみこ「うんっ」
イチロー「(ま、来ないに越したことはないんだがな)」
目を閉じるが色々な事が男の中で錯綜する、眠れない
イチロー「(だが、今はこの村と、この少女を守ることが)」
少女の寝顔を仰ぎ見る。少女はどこか、アメリカに残してきた妻の面影があった。
イチロー「(唯一俺がすべきことだ)」
男は深い眠りに落ちていく
ガサガサ…っ
月に照らされた人影が蠢く
軍隊のような精密な動きではない
それはまるで飢えた獣のように、檻から放たれた獣のように
山を駆ける
―――村は夜の静寂に満ちていた。
「ふあぁ~」
「なあ」
「ん?」
「山賊なんかこないんじゃないか?」
「たしかに、あいつらには来る意味がないもんなぁ」
見張り台には2人の男がいた
いずれも初老の影が見える
この見張りは男、イチローが提案した物だった。
――――
イチロー「必ず見張りをおいてください。なにかあればこの鐘を。いいですね?」
――――
「大体あんの男はほんとにお侍様なんかねぇ、あんな変な格好したお侍様なんか見たことねぇぞ」
「んだなぁ、オラも怪しいと思ってたんだ」
「それにあのおと…ドシュッ…」
「ん?どうしたんだ?」
振り向く
「あ、あ あ あ」
男の額には深く弓矢が突き刺さっていた
ドサッ…
「う、うわあああああああああ!!!!!」
カンカン!カンカン!!カンカン!
男は悲鳴をあげながら鐘を鳴らす
それと同時
武装した男達が草影から飛び出す
「オラァ!」
1人が斧を振り降ろし
「ぎゃああああああ!!!」
まるで西瓜を割る様に村人の頭を割った
「オラァ続けぇ!!!」
静寂とした村に飢えた獣が駆け巡る
―――男、イチローはすでに目を覚ましていた。
イチロー「鐘の音ッ…!?」
ゆみこ「イチロー!!!」
イチロー「ゆみこ、村人を起こすんだ。弓を持って『鷹』につかせろ!」
ゆみこ「う、うんっ!」
「オラァ!」ドガァッ!
戸を蹴破る、
「!?誰も居ねえっ!」
「こっちもだ!」
「ここもだ!」
山賊達は村の家を順々に襲っていたがその中に人は居なかった
「どういうこだっ!」
「落ち着けっお前らァ!!!」
リーダーらしき男が怒号を飛ばす
「あそこだッ!あそこに違いねえッ!!!」
男が指を差す、それは村の外れ
他の家より一際大きい村長の家に灯が灯っていた
男達は一気にその家に向う
「おい」
リーダーの男が手下の1人呼び止める
「『それ』を」
「へ、へい」
手下はそれを手渡した
1m半程の鎖の先に鉄球がついた獲物
男はそれを手にとり
―――ニヤリと笑った
ドガァッ!!!
村長の家を数人で蹴破る
――が
「誰も居ねえぇぞッ!」
男達は誰も居ない家の中から出る
―――瞬間
ドガッ
「ぐえっ」
山賊の1人の顔面に岩の塊がめり込んでいた
「「「!?」」」
「おいっどうした!?」
「お、おい!上ッ!上だ!!!」
―――屋根の上
1人の巨漢が鬼の形相で佇んでいた
両手には円く削られた岩
「んだァ!!!!!」
それを男が投げつける
ドガッ「グッ…ァ」
また1人
倒れる
ササキ「やっ、やっただ!」
巨漢は次々と用意していた岩を投的する
「くっ…弓だ!弓を放てぇ!」
男達が弓を構える
ササキ「ひ、ひいぃ!」
「撃っ・・・!」
ヒュンッ!
ドサッ…
「な、なんだ!!!」
ガサガサ…!
両脇の草むら
弓を構えた村人達が躍り出る
イチロー「構えっ!」
イチロー「射ッ!」
弓の雨が降り注ぐ
「う、うわあああああああああ!!!!!!!!!!」
ヒュンッ!ヒュンッ!
ドシュゥッ…!
ドサッ
次々と男達が倒れる
「ひぃいぃっ!お、お頭ァ!!!」
逃げた数人かがその男に駆け寄る
頭「フンッ…」ドガッァ
リーダーの男は駆け寄ってきた男を殴る
その身体は宙を浮き吹き飛ばされた
頭「―――あまり騒ぐな」
頭「俺は今、猛烈に怒っているッ!!!」
ジャラッ…
ササキが鬼だというのならこの男は鬼神
その圧倒的な威圧感は正に不動明王を思わせる。
ササキ「どうだあぁあ!!!ざ、ざまぁ!ざまぁみやがれぇえ!!!」
ゆみこ「イチロー!追い討ちをっ!」
イチロー「いや、待て。あの男、ササキが化け物と言っていた・・・」
頭「村人を一か所に集め、村自体を使った陽動・・・か」
頭「おもしろいじゃねぇか…」
ジャラッジャラッ
男は手に持っていた鉄球を両手で掴み
上を向いて回し始めた
ブンッ…ブンッ…ブンッ…
空気を切り裂く音
ブンッ…!ブンッ…!!ブンッ…!!!
ソレは徐々に遠心力を増す
ブンッ…!!!!!ブンッ…!!!!!
男は身体を逸しながら鉄球を回し出す
夜の村にその音のみが増す
男、イチローは一種の恐怖を感じていた
その雰囲気もさることながらその怪力
手に持つ鉄球は一つではない
数十個の鉄球が勢いをつけ回転しだしていた
男は思う。それはまるで禍々しい渦、全てを巻込み喰い尽くす竜巻だと
イチロー「構えろっ!」
イチロー「射ッ!」
数十の弓矢が男に向って疾る
ガガガガガッ!!!
それは全て―――
イチロー「っ!?」
竜巻な弾き飛ばされる
ミスっちった
竜巻な×竜巻に○
ササキ「んだぁあ!!!」
ササキが岩を投げ付ける
だがそれは砕かれる
ササキ「がはっ・・・」
一つの鉄球がササキに直撃していた
「うわああぁっ!!!」
ササキは吹き飛ばされ屋根から転げ落ちる
イチロー「ササキさんッ!」
ゆみこ「村長っ!!!」
ドサッ
吹き飛ばされ、転げ落ちたササキは呻き声をあげる
だがすぐに動かなくなった
「うわあああああああああ!!!!!!!!!!」
ドガッ! ドガッ!
幾つかの鉄球が村人に襲いくる
イチロー「みんな!」
イチロー「離れるんだッ!」
ゆみこ「い、イチロー…」
イチロー「・・・ッ逃げろッ!」
イチロー「俺が」
イチロー「俺が奴を止めるッ」
今日からマ王はじまた
ザッ…
男は武器を持つ
弓や刃物ではない
それは野球選手としての武器
バットを手に取り
回転を続ける男の前に飛び出した
「・・・」
ブンッ…!!!ブンッ…!!ブンッ…!ブンッ…
回転が失われていく
風がやみ
男が姿を表す
頭「…お前かっ!この指揮をとっていたのは」
頭「貴様は…何者だ?」
男は問い掛けた
イチロー「俺は…」
イチロー「俺はメジャーリーガーイチローだ!!!」
,..-‐''''""""""''‐-、._
,.r'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`ヽ、.,
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r'';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;L、,
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,l;;;;;;;/ `ヽ,;;;;;;;;゙、
i;;;;/ `i;;;;;;;;;゙,
l';;;{ ,.r=ニ=、 ‐==ニヽ、 {;;;;;;;;;;)
l;;;;;l ,i'' ,..,,_ ,,,.....,,_ ヽ' ゙i;;;;;;;ノ
〉;;;i ! ,.ィ=エッ`‐ ,' ', ィ‐=ニェヽ,_' l;;;;/
r‐ヽ "、.,__,,,‐'' ノ ゙、 `‐--' ゙r'"i
i、j i::: ノ ヽ l/ ノ
ヽヘ ,. '{,.‐、 ,.‐、j`ヽ i6,'
゙i,} ,' ....::::::,`´,:::::::... `、 }i 違うよ!イチロー
i ゙ ,.-‐'''‐-‐'''‐-、 l,j メウイジャールウィーグだよ
'l, `ヽ=ニ=‐'" }
i i´
゙、 ,/、
,ヽ `ヽ、.,,______,,....‐'"´ ,.ノl `ヽ、
,.‐'"/`ト、, ,..r'" l
‐'' / iヘ‐ニ--、..,,,___,...、-‐‐''",,..、'"l'
頭「メジャーリーガー?だかなんだしらねえがここまでやってくれたんだ」
頭「覚悟はできてるんだろうなぁ!!!」
イチロー「お前こそ何故こんなことをッ!」
頭「何故かだと?ハハハッ理由もなにもねぇ!殺したかったから殺しただけさ」
イチロー「貴様は…」
バットを握る
片手には硬式ボール
イチロー「許さんッ!」
鉄球振るって、イチローと同等の能力ってだけで
室伏とは言ってないぞ
頭「ほぉぅ…なにをしてくれるのかねぇぇ!!!」
イチロー「!?」
地を蹴ると同時、弾丸の様な速さでイチローに迫る
頭「ッッッ!!!」
鉄球を―――
頭「うおらアァアァアァアァアァア!!!!!」
―――振り降ろす
ドガァッ…
地面が抉りとられる
頭「なっ!?」
そこにイチローの姿はなかった
ヒュンッ…!
風を斬る音
頭「ぬっッ!?」
男の胸部に
鋼鉄の球が打ち込まれる
イチロー「―――ッ!」
男は一瞬の隙を見逃さない
疾風の如く詰め寄る
―――首筋に振り降ろす
ドガッ…
跪く、男
イチロー「・・・ッ」
頭「くくくっ…いい腕だが」
頭「俺には及ばない」
跪くイチローの肩には落下した鉄球が直撃していた
イチローが…
頭との死闘で瀕死のイチロー
↓
昏睡状態で夢の中
↓
仰木さん「久しぶりやな…1杯やってくか?」
↓
イチロー「もう少し待っててください…それに僕は飲むより浴びる方が好きなんですよ
戦い抜いた仲間達とね」
―――そのとき、一つの白球が頭に直撃した
ドグッ
頭「な、なにものだ?」
「一人でいい恰好させませんよ。」
イチロー「!?」
城島「セカンド送球が間に合って良かったです」
イチロー「くっ…!」
頭「終わりだ」
頭「くたばれえぇえ!!!!!!!!!!」
数十の鉄球を横薙に振るう
イチロー「ぐっ・・・」
バットで受け止める
イチロー「あああっッ…!!!!!」
バットごとへし折られ男は吹き飛ばされた
頭「その棒で直撃を避けたか…だがもう立てまい」
頭「中々に楽しめたぜぇ」
ヒュンッ!
ドガァッ…!!!
頭「ぐあっ…っ」
男の手の甲に直撃する
岩
ササキ「さ、させないだぁ…」
そこには仕留めた筈のその男が
立っていた
頭「ッッッ!!!」
頭「この…ッ」
頭「死に損ないがアッッ!!!」
叫ぶと同時、大砲から砲弾が放たれる
ササキ「んだぁああああああああ!!!!!!!!!!」
避けない
もう一つの大砲からも岩が放たれる
だが放たれた岩の軌道は男の上当たらない軌道
頭「ハッ!どこ狙ってやがる!」
スッ
頭「なっ!?」
イチロー「落ちるんだよ…」
イチロー「これがフォークだッッ!」
シュッ
軌道を下に変えたボールはまるで意思をもった雷のように男に落ちた
岩は男の顔に迫り
グシャアッ…
頭「うがああああああッ!!!!!」
左目を潰した
にしこり
トニイ
男、イチローは落ちていた鉄球を掴む
イチロー「ハアアアッ!!!」
振る
「―――待てッッッッ!!!!!!!―――」
耳を突き抜ける声
イチローの動きが止まる
ザッザザッ…
鎧に身を包んだ兵士達を引き連れた男
「そこまでだ」
男が近付く
「そこまでだ」
「その男を抑えろッ!」
男は山賊の頭を指さし兵士達に命令した
「あの男には前から捕縛命令がだされていた」
男がイチローに近付く
「大丈夫ですか?」
その顔を見た途端イチローは驚愕した
イチロー「松井・・・君?」
イチロー「松井君ッ!俺だよイチローだよ!」
「・・・僕は松井ではありません」
「僕の名前は・・・長嶋です」
イチロー「な、なにいってんだよ!」
ゆみこ「村長ッッッッ!!!」
逃げていた村人達が村長、ササキに駆け寄る
イチロー「…ッ!」
イチローも急いでササキに駆け寄る
イチロー「…ッ」
ササキは鉄球を頭に受け顔の半分を潰されていた
ゆみこ「村長ッ村長ぉお~!」
少女は泣き崩れる
イチロー「糞ッ…!」
イチロー「俺の…俺のせいで!」
長嶋「(イチローさん・・・)」
長嶋「(今はまだ話すわけには…)」
長嶋「すいません…僕が来るのがもう少し早ければ」
ガシッ
イチローが男を掴む
イチロー「あの男を…」
イチロー「あの男を俺に殺させろッ!」
ゾクッ…
その顔を見て長嶋は寒気を感じた
この男がこんな目をするなんて、と
長嶋「…落ち着いてください」
長嶋「そんなことは…イチローさんらしくありません」
イチロー「!?」
イチロー「やはり君は…」
長嶋「今は…今はまだ話すことはできません」
頭「やってくれたな……獣武装形体!!」
また獣武装形態かwwwwww
イチロー「山賊め…もうゆるさん!」
イチロー「獣形態武装!!!」
イチローの体がみるみる変化していく
イチロー「頭め…もう許さん!」
イチロー「獣武装形態!」
イチローの体がみるみる獣になっていく!
こんなんだっけ
わくわくさん
後釣りwwwwww
長嶋「連れていけ」
命令する
抑えつけていた兵士達が男を立たせる
イチロー「(おかしい…なぜ抵抗しない)」
イチローが疑問を感じた瞬間だった
頭「うおらあっ!!!」
押さえ付けていた兵士の1人をその怪力で持ちあげ振り回す
兵士「う、うわあああああああああ!!!!!」
頭「らあッ!!!」
勢いのままに男は長嶋とイチローに向って兵士投げた
長嶋「くっ…!!!」兵士と共に長嶋は吹き飛ばされる
イチロー「松井君ッ!」
ザザザザッッ
兵士を投げた男はほかの兵士をなぎ倒すと山に向って走った、逃げてゆく
長嶋「くっ…イチローさん!これを!」
男の手から一本の刀が投げられた
イチロー「まかせろ」刀を掴むと男は傷付いた身体を奮い起こし
駆ける
「あたま」が鉄球振り回してるのが想像できんw
>>670
オプーナだよきっと
あらすじはここまで!
近日発売
イチロー原作「僕の好きな野球」
-完-
頭「畜生ッ…情けねぇ」
こんな屈辱を受けたのは始めてだ
左目は潰されたうえに敵前逃亡
情けない
サザザザザッ…
頭「!?追ってこれるわけがねぇ…俺の足に――!!」
男は思い出す
あの男
速さだけでいえば確実に―――
背後から感じる威圧感
闇の中から追ってくる
それは確実に迫り来る
駆ける
駆ける
駆ける―ッ
全ての力を振り絞りメジャーリーグを震撼させたといわれる神速の如くスピードで男に迫る
左腕は動かない
だが今のイチローには片手で十分であった
鞘から刀を抜くと
更にスピードを上げた
イチロー「―――視えたッ」
闇夜の中でも逃げる男が微かに目視できる距離までイチローは迫っていた
頭「むちゃくちゃだぜおい…」
無理もない
この男も常人の何倍も足が速いのだ
それをあんなに離れた距離からそれも負傷した状態で追い付くなど誰が想像できただろうか
イチロー「この距離なら」
ザッ
腕をテイクバックし―――
イチロー「届くッ!」
急停止し右手に持っていた刀を全身を使って投げる
刀は夜の月に光りながら
男に迫る
そろそろ限界なので寝ます
―――直線を描き銀色の刃が疾る
頭「くっ…」
男は必死で走るが
ドスッ
それは男の左足に突き刺さる
頭「ぐああッ!」
男が身体を支えきれず地に転がり
イチローが駆け寄る
イチロー「ハアハア…逃がさない」
頭「ぐ…テメェは化物か!!!」
イチロー「フッ…お前だけには言われたくない言葉だな」
とりあえず山賊編終わらせる
>>704
無理を言ったようだ・・・すまん
頭「・・・殺せ」
頭「俺の負けだ」
そう言うと男は片目を閉じ、刺さった刀を抜いてイチローへ放り投げた
イチロー「・・・」
イチローは刀を手に取り振り被る
―そして刀が振り降ろされた
ザンッ…
頭「どういうつもりだ?」
刀は男の首を僅かに逸れ
地に突き刺さっていた
>>705イチロー「やっぱ中途半端はダメだよな」
第二部
イチロー「ここはどこだ…?」
広い草原の中央、そこに1人の男が立ち尽くしていた。
イチロー「確か俺はいつもの様に立川市民会館に向かって…」
イチロー「クッ…思い出そうとすると頭が痛む…」
イチロー「それにしても・・・ここはどこだ?」
周りを見回す
目視できる範囲には何もない
広がる草原
イチロー「なんなんだ一体・・・」
イチロー「ん?」
男の足元には無造作に放り出されたようにTOA製の黒いワイヤレスマイクと興行用のねじり鉢巻、そしてゴム長靴が5、6個転がっていた。
イチロー「生憎、俺は人殺しにはなりたくないもんでね」
イチロー「人殺しはドラマで十分だ」
ザザザザザッ…
兵士達の足音が聞こえてくる
ようやく追い付いたようだ
イチロー「罪は償って貰う死刑になればそれまでだ」
バキッ
顎に強烈なアッパー
イチロー「これはササキの分だ」
強烈な一撃で顎を殴られ脳が揺さぶられる
頭「あ―――」ドサッ
気絶した
長嶋「イチローさん!」
兵士を引き連れて駆け寄る
長嶋「大丈夫ですか?」
イチロー「ああ、それより村人達は?」
長嶋「大丈夫です残りの山賊達は捕まえてあります。」
長嶋「重症の者もいますが多分助かるでしょう」
長嶋「死人は三人だけしかいません」
イチロー「三人…か」
ササキの顔が頭に浮かぶ
イチロー「とりあえず村に戻ろう」
村に戻ると村人達が死んだ者達を運んでいた
ゆみこ「イチロー!」
少女が駆け寄り勢いよく男に抱きついた
イチロー「おっと」
ゆみこ「心配させないでよ…イチローぉ」
イチロー「・・・すまない」
男はそっと少女を抱き締めた
イチロー「ササキは俺のせいで・・・」
ゆみこ「そんなことないよ…」
ゆみこ「村長はイチローを助ることができてよかったと思ってる筈だよ!」
ゆみこ「笑ってたから…」
長嶋「君、イチローさんの腕の手当てをしたいからちょっといいかな」
いつの間にか横に長嶋が立っていた
長嶋「お邪魔でしたか?」
―――翌日
村に残った兵士達と村人は壊された家などを直す作業を始めていた
イチローはゆみこの家で身を休めていた
折れた筈の左腕は一晩寝ただけで何事もなかったかのように元どうりなっていた
イチロー「おかしい・・・あれだけの事があったのに疲労すら無くなっている」
イチロー「一体…」
コンコン
ガラッ
長嶋「少しいいですか?イチローさん」
長嶋もこの村に残っていた
イチロー「ああ、俺も話たいと思っていたんだ」
がんばれー
イチロー「君は本当は松井君なんだろ?」
男は問い掛けた
長嶋「・・・すいません」
長嶋「僕はたしかに松井でした」
イチロー「でした?」
長嶋「…イチローさんは何故ここにいるんですか?」
イチロー「俺はいつものように球場に車に乗って向っていて気付いたらここに…」
つい4、5日前までの事を振り返る
イチロー「まだこれが現実なのかも信じられない」
松井「やはりそうですか…」
松井「僕も一年前に球場に向っている途中でここにきて…」
そこでイチローがある疑問を感じた
イチロー「一か月前…?おかしいな俺がここにくる前確かに君はいた筈だ」
イチロー「ニュースで見たんだ。確かレッドソックス戦で5打数5安打3HRだった筈だ」
長嶋「!?」
長嶋「…僕もここにくる前日、レッドソックス戦でその記録を…」
長嶋「日付はいつだったんですか?イチローさんがここにきた日は?」
イチロー「…確か200X年の4月14日…だったかな」
松井「やはり・・・」
松井「僕がここに来た日と同じ・・・」
もうほとんど頭が寝てるのでここらでやめときます
いつの間にか松井になってたw
キャッチャー
弁
獣
イチロー「つまり俺達がここにくる直前までは2人共同じ時間にいたってことか」
松井「そうなりますね」
イチロー「だとしたら俺は11ヵ月遅れてここに来たことになるわけだ」
松井「ですね」
イチロー「まあ」
イチロー「そんなことはどうでもいいんだ」
ズズッ…
イチローがお茶を啜る
イチロー「問題はこれからどうするか、だろ?」
松井「ええ、そのことなんですけど」
松井「僕がつかえている人に会ってもらいたいんです」
イチロー「つかえてる…君を拾った人か」
男は大きな顔をイチローに向けて
無言で頷く
イチロー「誰なんだそれは」
イチロー「君の今の立場を見る限り相当な人物なんだろうけど」
松井「ええ」
松井「イチローさんも知っている筈です」
イチロー「俺が?」
松井「徳川…徳川家康です」
イチロー「なるほど」
松井「…驚かないんですね」
松井は意外なイチローの冷静な反応に少しガッカリする
と同時にさすがだと感じた
イチロー「まあ、ここにきてから驚かされることばかりだからね」
イチロー「もう慣れたよ」
そしてイチローは一つの確信を得る
イチロー「ということはやはりここは昔の日本なのか?」
松井「ええ、僕も最初はそう思いました」
イチロー「?」
―――思っていた?
松井「確かにこの世界は僕らが学校で習った昔の日本と酷似しています。―ですがここにきて一年、その史実と食い違う所が幾つもあるんです。」
イチロー「ほぅ…」
イチロー「歴史の真実が間違っていたのか、それとも似ているが全く違う世界なのか…」
松井「ご名答」
松井「まあとにかく元の世界に戻る方法もわからないわけですし一緒に行動したほうが無難だと思うんですよ」
松井「いつまでもこの村に止まっていてもしかたないでしょう?幸運なことに家康様はとても良い人です。」
イチロー「だが、しかし…」
男は村人達に自分がいながら死人を出してしまったことの責任を感じていた。
イチロー「俺は…」
イチロー「…俺はこの村の人を、ササキさんを死なせてしまった…」
ガタッ!
ゆみこ「行きなよイチロー!」
勢いよく戸が開けられるとそこには辛辣な表情の少女が居た
ゆみこ「馬鹿ッ!なんでイチローのせいになるんだよ!イチローはこの村を救ってくれたじゃないかっ!」
イチロー「・・・だが」
ゆみこ「・・・これ」
少女は手に持っていた風呂敷をイチローに手渡す
形からして棒状の何かだとわかる
イチロー「これは…!?」
それは荒削りだが優しく丁寧に削ったのだろう。しっかりと形状を保っている
イチロー「…バット?」
イチローはそれを手に取り
グリップを握り締める
イチロー「・・・!?」
それは不思議にしっくりときた。まるでイチローを待っていたかのように
重すぎず軽すぎずイチローにとって理想的なバットだった
ゆみこ「それは村長がイチローのために造ったんだよ」
ゆみこ「お礼がしたいけどこの村にはなにもねぇからって…」
さすがにパート化はめんどくさくなったのかね?
ごめんなさい書いてたら眠ってちゃてた
>>909
無理しないでいいんだぜww
次スレ立てるんだったらイチローをスレタイに入れてくれると嬉しい
パー速に立てたほうがいい?
んーどうしようかな
とりあえず明日VIPに立ててみる
家康「イチローめ…もうゆるさん!」
家康「獣形態武装!!!」
家康の体がみるみる変化していく!!
獣形態武装って何が元ネタだよ
最初に見たのは何か看守の奴だったけど
/, ヽ \
,'., `、ヽ,
//-─'''''''─-、,!. ', _,,,..-‐''''",二ニ‐-、
_,,,.-''" ._ `ヽ!,,.-‐'''" ,','
|,. _ i'"::::::L,,,!::`i__,,i''''ヽ, ヽ、 ,r'
く (::::::L,,/::;'::::;':::;:::::::;':::::::::::;':L,,,,_\ ,r'
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`|:::::;::| !;;oソノ ./\:::/リ
|::::::;::| !ー、_,' `''" /:';:::::`! >>928
|:::::::;::|. 'ー ./:;;:-''"`\ 初出はここか。そもそも元ネタがあるのかこれは?
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