エルヴィン「今日も一日」ヅラ「頑張りますか!」(16)

※最新話までのネタばれあり。
※ゆっくり進行すると思います。

エルヴィン「今日は新兵を勧誘する日だからな。」

ヅラ「うん。」フワフワ

エルヴィン「いつもよりイケメン度二割増しで頼むぞ。」

ヅラ「合点!」フワフワ

ヅラ(皆さんは九十九神なるものを御存知だろうか?)

ヅラ(簡単に説明しちゃうと古いものや長年使われてきたものなんかに霊がのり移って人格を持ったもののことだね。)

ヅラ(僕はエルヴィン団長のヅラで九十九神なんだ。)

ヅラ(エルヴィン団長とは今年で十年近くの付き合いになるね。)

ヅラ(十年たらずで僕がただのヅラから九十九神のヅラにスピード昇格出来たのはエルヴィン団長の思い入れの強さによるところが大きいかな。)

ヅラ(エルヴィン団長は本当に僕のことを大事にしてくれてるんだ。)

ヅラ(もちろん僕だってエルヴィン団長を思う気持ちは負けてないけどね。)

エルヴィン「じゃあ、行こうか。新兵に会いに。持ち場についてくれ。」

ヅラ「うん!」ピタッ

―新兵勧誘―

エルヴィン「――以上で調査兵団への勧誘を終了する。」

ヅラ(よし、次だな。ハモるのは。)

エルヴィン・ヅラ「「調査兵団に入団する者はその場に残ってくれ!」」

ザワ…ザワザワ……

ペトラ(何だか…最後の声すごくイケメンじゃなかった?)

オルオ(何か最後の方だけイケメン度が増した気がするぞ。二割くらい…。)

ペトラ・オルオ((調査兵団に入ろう!!))

―エルヴィンの部屋―

エルヴィン「今日の新兵勧誘のときのハモりは良かったぞ。」

ヅラ「うん。正直僕も今までの中では群を抜いていたと思ってる。」フワフワ

エルヴィン「やはりそうか。おかげで新兵の人数も前年の二割増しだ。」

ヅラ「そっか。やったね。」フワフワ

エルヴィン「だが…この中で何人の者が五年後も生き残っているのだろう…。」

ヅラ「そうだね。…正直、僕はまだ兵士の死に慣れないよ。」フワフワ

エルヴィン「当たり前だ。兵士の死に慣れてしまっては兵士失格だ。」

ヅラ「でも、乗り越えていかなきゃいけない…。君のヅラになって以来、迎えた新兵、送った新兵…数え切れない。」フワフワ

エルヴィン「ああ。全て私の責任だ。」

ヅラ「ごめんよ。責めているわけじゃないんだ。君の責任は僕の責任でもある。」フワフワ

エルヴィン「……ああ。」

ヅラ「………」フワフワ

エルヴィン「新兵の初陣の際はしっかりつかまっていてくれよ。威厳に関わるからな、私の。」

ヅラ「もちろんだよ。死んでも君の頭から離れない。」フワフワ

エルヴィン「頼りにしている。」

ヅラ「じゃあ今日もお風呂に入りながらハモりの練習だね。」フワフワ

エルヴィン「ああ。たまにはパート交換でもしてみようか。」

―事務処理中・エルヴィンの部屋―

エルヴィン「………」カリカリ…

ヅラ「………」フワフワ

エルヴィン「………」ペラ…

ヅラ「………」フワフワ

エルヴィン「………」カリカリ…

ヅラ(やっぱり、エルヴィン団長はかっこいいなあ。事務仕事してるのを見るの飽きないや。)フワフワ

ヅラ(まあ、戦闘中は僕は頭の上だから、事務仕事しかエルヴィン団長の仕事見たことないけどね。)フワフワ

コンコン…

エルヴィン・ヅラ「「!!」」

ヅラ(誰か来た!早く!頭に!!)シュバッ

ガチャッ

ヅラ(何?もう扉を開いただと!?まだエルヴィン団長は返事してないぞ!?)

ヅラ(きっと、リヴァイさんだ。あの人、ちょっと無礼なところあるから。)

リヴァイ「おい、エルヴィン。来週の壁外調査の件で…」

ヅラ(やっぱり。リヴァイさんだった!)

エルヴィン「ああ。何だ。」

リヴァイ「………」ジイー…

ヅラ(急いではりついたから違和感があるのかな………。)

リヴァイ「エルヴィン。その、頭……。」

エルヴィン「私の頭がどうかしたか?」

リヴァイ「髪が伸びてきたな。そろそろ散髪した方が良いんじゃないか?」

エルヴィン・ヅラ((!!?))

エルヴィン「あ、ああそうだな壁外調査の日までには散髪に行こう。」

リヴァイ「ああ。それで来週の件なんだが……」

ヅラ(伸びてるって……そんなわけない。)

ヅラ(リヴァイさんやっぱり気付いちゃったのかなあ?)

ヅラ(どうしよう、これでエルヴィン団長が自宅警備員になったりしたら……。)

ヅラ(僕の責任だよ………。)

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