櫻子「だから明日学校いかない」
撫子「あんたなに言ってんの?」
櫻子「だって花子、明日学校休みでしょ?」
花子「それがどうしたし」
櫻子「なら一緒に遊びに行くしかない」
花子「意味わからんし」
撫子「休日に行けばいいでしょ」
櫻子「だって順番待ちじゃん」
花子「なんで櫻子と遊園地行くことになってるし」
櫻子「いや、お前と遊ぶ権利の順番」
花子「は?」
撫子「次は私。その次はひま子だっけ」
櫻子「姉ちゃん、三人で遊んでくれる?」
撫子「花子、どこ行きたい?」
櫻子「無視かい」
花子「……花子はなにもきいてないし」
撫子「櫻子、あんた伝えてなかったの?」
櫻子「かわいいから忘れてた。反省はしている」
撫子「かわいいから仕方ないね、許す」
花子「いや、花子は知らんし。認めないし」
櫻子「じゃあ次から始めよう、私からスタートね」
花子「だまれし」
花子「っていうか花子、すでに約束あるし」
櫻子「じゃあまた延びるの!?」
撫子「まぁ、花子優先だからね。しょうがないよ」
櫻子「ぐぬぬ……」
撫子「淑女協定だよ、諦めな」
櫻子「清く正しくか……つらい」
花子(だったら最初からやめろし)
向日葵「お邪魔します」
撫子「お、ひま子」
向日葵「お菓子つくったので、よろしければ」
櫻子「やったー!!」
向日葵「ふふ。あ、あと――」
花子「どうしたし?」
向日葵「花子ちゃんを抱っこさせて頂けたら……」
櫻子「お菓子に免じて許可する」
撫子「ひま子なら大歓迎だよ」
花子「花子の意志は?」
向日葵「そ、そうですよね。嫌よね……」
花子「え――あ、嫌じゃ…ないし」
向日葵「!! 花子ちゃんかわいい」ギュッ
花子「や、やめてし」
撫子「花子めっちゃかわいい」ナデナデ
花子「撫子お姉ちゃんまで……」
櫻子「花子こっちに来」
花子「黙れし」
櫻子「さみしい」
向日葵「ふぅ……お邪魔しましたわ」
櫻子「またお菓子持ってこい」
花子「ありがとうだし」
撫子「さて、時間も時間だし寝るとするか」
櫻子「花子は真ん中な」
花子「いや、あの――」
櫻子「おやすみー」
花子「いい加減、縄をほどけし」
花子「……っ、朝?」
花子「あれ、櫻子からメール――」
『生徒会の資料忘れた。チューしてやるから届けて』
花子「いや、花子は何一つ得しないし」
花子「忘れ物する方が悪いし。叱られろし」
花子「……」
花子「世話が焼けるし」
花子「櫻子は確かこのクラス……」
ちなつ「あなた……どこの子? 誰かの妹さん?」
花子「あ、えっと、大室櫻子は……」
ちなつ「大室――ああ、櫻子ちゃんの妹さんね。そういえば似てr」
花子「やめてし」
ちなつ「えっ」
花子「それで、櫻子はどこに……」
ちなつ「櫻子ちゃんならたぶん生徒会室にいるわよ」
花子「生徒会室?」
ちなつ「ああ、こっちよ。つれていってあげ――」グイッ
花子「ん?」
ちなつ「……」ジロッ
花子「!?」ビクッ
ちなつ「ちょっと、ごめんね」ギュッ
花子「ちょ――」
ちなつ「……うわこの子かわいい」
花子「は?」
ちなつ「めっちゃかわいい。結衣先輩との子どもに欲しい。ていうか産める気がする」
花子「あの、櫻子に届け物――」
ちなつ「はっ! 結衣先輩に見せに行かなきゃ! 家族写真撮らなきゃ!!」
花子「離してし!」
ちなつ「結衣先輩! 元気な女の子ですよぉぉぉぉ」
花子「おろして! 助けて!」
ちなつ「結衣先輩!」
結衣「えっ、誰その子!?」
ちなつ「私たちの愛の結晶です!」
結衣「?? ゴメン、よくわかんない」
京子「そんな……私とは遊び……」
結衣「お前も乗るな! それで、どうしたの?」
花子「さ、櫻子に……」
結衣「櫻子――もしかして大室さん?」
京子「なら生徒会室じゃないの? ここ二年の教室だよ」
ちなつ「この子は私たちの子です!」
結衣「……とりあえず生徒会室につれていってあげよ――」ギュッ
京子「――結衣?」
ちなつ「結衣先輩、どうかしましたか?」
結衣「……いや、別に」
京子「よし、京子ちゃんも抱っこしてあげよう」
花子「ひ、一人で歩けるし」
京子「遠慮するな――」ギュッ
結衣「どうした、京子?」
京子「うわこの子めっちゃかわいい」
ちなつ「ですよねー」
京子「え、結衣はなにも感じなかったの? こんなきゃわいいのに」
結衣「確かにかわいいけど、騒ぐほどは……」
京子「ああ、舌が肥えてるのね」
結衣「待て」
結衣「じゃあその子はお願いね」
京子「任せろ」
花子「あの、花子は一人で……」
京子「またあのお姉ちゃんに襲われるよ」
花子「ひっ!?」
ちなつ「きこえてますよ!」
京子「よし、じゃあ出発だ。しっかり掴まってね」
花子「……」ギュッ
京子「きゃわわ」
京子「それにしてもかわいいな。一家に一台って感じ」
花子(どことなく櫻子に似てるし)
京子「大室さんの妹さんだっけ?」
花子「は、はい……」
京子「なんかイメージが違うなぁ」
花子「えっ」
京子「あ、変な意味じゃないよ。いきなりゴメンね」
花子(喜ぶとこだったはず……)
京子「大室さん、元気一杯だからさ、落ち着いた妹さんだなぁって」
花子(……櫻子もたまには静かなときあるし)
京子「はい、とーちゃく!」
花子「あ、ありがとうだし」
京子「やっほー」ガチャ
大室「あ、歳納先輩」
京子「面会だよ!」
花子「……櫻子のアホ」
櫻子「おお! じゃあ約束のチューをさっそく」
花子「触んなし!」
櫻子「冷たい花子もかわいい」
花子「だまれし」
櫻子「まぁいいや、届けてくれてありがとな」
花子「……知らんし」
櫻子「ん? どうかしましたか、歳納先輩」
京子「……やっぱそっくりだ」
花子「に、似てないし!」
京子「妹さんと生徒会長」
花子「櫻子は!?」
櫻子「ん、なんか言った?」
花子「だまれし」
櫻子「さみしい」
京子「じゃあ私はごらく部にいくよ」
花子「ありがとうだし」
櫻子「花子もありがとな。帰っていいぞ」
花子「……すぐ終わるし?」
櫻子「たぶんな」
花子「下駄箱にいるし」
櫻子「私の膝の上でもいいぞ」
花子「さっさとしろし」
櫻子「さみしい」
櫻子「でも花子かわいい」
おわり
結衣「……」ガラッ
結衣「……か」
結衣「かわいいいいい!!」
結衣「なにあの子!? ぱねぇ!」
結衣「うわめっちゃかわいい、ヤバいヤバいヤバい」
結衣「よく耐えた私。でもめっちゃかわいかった!」
結衣「大室さんいいなぁぁぁぁ、私もまりちゃんが妹だったらなぁぁぁぁ」
あかり「……」
結衣「めっちゃかわ――え?」
あかり「あ、あかりはなにも見てないよぉ」
おわり
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