照「......ヤンデレ?」 (145)

通販荒川  
 
「アナタもヤンデレを体験してみませんか?」


「この商品を飲むだけで普通の恋に飽きてしまった方も
 刺激的な昼ドラを楽しめるでしょう!」

「使い方は様々で、相手に使い束縛されるも良し」

「自分と相手に使用し相互依存も可能な商品です!」


 

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「今なら特別にサンプルを無料で提供し、ご注文いただいた
 次の日の朝にはお届けいたします」

「実際に愛用者の方々の声をお聞きください。」

奈良県在住 M・Yさん
「この商品のおかげでいつもクールだった彼女が
 あったかくなりました!」

福岡県在住 T・Hさん
「この商品は本当にすごいんよ。これのおかげで恋人の
 嫉妬が高めらて常に縛られるようになって...もう..最高ばい!!!」

長野県在住 S・Kさん
「本当にこの商品には感謝してもしきれません!
 今までは高嶺の花だったある執事さんが俺とお付き合いしてくれました...
毎日が本当に幸せです!!!」

「いかがだったでしょうか?これでアナタの生活も紅色に!!」

「ご注文は通販荒川まで」

 照「...面白そう」
 
 照「でもヤンデレって何だろう?」
 
 照「......」 ウーン
 
 照「まあいいや、取りあえず注文して菫にでも聞いてみよう」

 照「...寝よ」
 
 照「......」

 アラフォーじゃないよ!メールだよ!(健夜ボイス)

携帯 パカッ

 
 

 照「......」
 
 照「...またか」 ハァ

 照「一日で着信履歴が96件、メールが147件...」

 照「しかも誰からか分からない上にアドレスを変えても
   きりがない。」
 
 照「もう疲れる...めんどくさい」

 照「もういいや...さっさと寝て忘れよう...」

 照「......」zzz

監視カメラ ジィ〜〜
 ?「あっ、寝ちゃった...本当に可愛い寝顔だなぁ〜
   私の前でもいつもそうしてくれるといいのに...」
 
 ?「......それにしてもどこの害虫かなぁ?私のもの
   に手を出そうとしてるのは...?」 ギリッ

 ?「それ相応の報いを受けさせなきゃ駄目だよね...フフッ」

 照「ウーン...淡...そこはダメッ...」

 照「アッ...アッ...///」

 ?「」
 
 ?「......」ブツッ!!!

 照「...あぁ、ケーキが崩れちゃった...」 ムニャムニャ

 照「......」 zzz

翌朝
配達デース、こちらに判子お願いしまーす。
ありゃっしたー。

 照「本当にもう届いた」
 
 照「最近の通販会社はスゴい」
 
 照「あっ...プチプチが入ってる...」

 照「......」 プチップチッ
 
 照「楽しい...」

一時間経過

 照「全部キレイに潰した」 スッキリ

 照「それよりも中身はっと...」 ゴソゴソ

 照「液体が入った瓶三本と説明書?」
 
 照「......」 ドレドレ


説明書
「この度は通販荒川をご利用いただき真にありがとうございます。」

「ご注文のサンプルの使い方ですが、相手に飲ませるだけで効果が
 30分以内に現れます。」

「効き目は個人差があるため正確ではありませんが、約一ヶ月間持続します。」

「これでアナタもお手軽にドロドロの関係を作り出せるでしょう!!!」

「※他人に使用する場合はなるべく特定の個人だけとし、同姓との会話など誤解される
 ことは避けることを推奨します。」

「当社は商品から生じる事故、事件などの責任は負いかねますのでご了承ください。」
 
「なお、すでに商品を使用している状態の方に使用されますと興奮状態に陥る可能性が
 非常に高いので、お止めください。」

「安心を提供し続ける通販荒川でした」

 照「......」 フーム
 
 照「使ってみようかな、淡とかどうなるか見てみたい。」 ワクワク

お姉さんが着信をお知らせするぞ☆(はやり(28)ボイス)

携帯 パカッ
 
 照「......」
 
 照「もしもし」

 咲『おはよう、お姉ちゃん』
 
 咲『......なんか元気なさそうだけど大丈夫?』
 
 照「そんなことはない、私はいつも元気」
 
 咲『...それなら良いけど...』

 咲『何かあったら私にいつでも相談してね』

 咲『私も力になるから』
 
 照「...咲」 ジーン

 咲『でもやっぱりお姉ちゃんが心配だな...』

 照「咲は心配しすぎ...私はもう大人だから心配はいらない」
 
 咲『...大人だったらもう少し家事とか出来ても良いんじゃないのかなぁ?』

 照「それは言わない約束。それに私にはそういうのは向いてない。」

 咲『もう〜そんなことばっか言ってるとお嫁さんがお姉ちゃんの所に来ないよ!』
 
 照「私はそれでも構わない。......咲がいるからね」
 
 咲『......エッ?』

 照「咲は家事も出来て、性格もどこか変な所があるわけでもない。」
 
 咲『(も、もしかして今のって告白!?やったついにお姉ちゃんと一緒に...)』

 照「それに咲が誰かと結婚するまで面倒を見てもらって、その後は
   私は家事が出来るお嫁さんをもらえば良い...咲?」

 咲『フフッ...子供は何人が良いかな...お姉ちゃんと私の子供だから麻雀に強くて可愛い子なんだろうなぁ...』 ニヤニヤ

 照「...咲?...聞こえてる?」

 咲『エヘヘ..ごめんお姉ちゃん聞いてなかった』

 咲『あっ、そうだ!今度遊びに行って良いかな?』
  
 照「勿論、いつでもおいで」

 咲『うん!じゃあ私は部活だからもう切るね』

 照「うん、また今度」

 咲『じゃあね』

ツーツー

 

 照「(咲は昔と変わらないな)」 フフッ
 
 照「(いつもこんな私のことを気にかけてくれている)」

 照「(本当に良い妹を持った...)」 シミジミ

 照「(...でも毎日電話してくるのは大変じゃないのかな?)」

 照「(あっ...)」
 
 照「......遅刻だ...」 ガクッ

虎姫 部室内
 
 照「おはよう」

 菫「あぁ...おはよう...」 携帯 ジィ〜

 照「...あれ?今日は菫しかいないの?」

 菫「今日は尭深は休み、誠子は尭深の様子を見に行くとかで先に帰った。」 ジィ〜

 菫「それと淡は掃除当番で遅れるみたいだな。」 ニヤニヤ

 照「......(これは淡に試すチャンスか...)」

 照「(...しかし...)」

 照「ねぇ...菫」

 菫「何だ、今忙しいんだ。」

 照「...何してるの?」

 菫「見て分からないのか」

 照「携帯持ってニヤニヤしてる」

 照「分かる方がおかしい」

 菫「しょうがないな教えてやる、私は今な...」

 菫「宥を観察してるんだ」 ドヤッ

 照「」

 
 

 菫「宥は私の目から見ても本当に可愛くて守ってやりたくなるような存在だ」

 菫「それにあの格好、本人は寒がりだからあれだけ着込んでいると言っているが」

 菫「本当は誰かに近くにいてほしいという心の表れに違いない」

 菫「勿論、誰でも良いというわけではない。真に彼女を愛しているものにしか出来ないだろう」

 菫「しかし、それを理解していないドブネズミ共が宥に群がっているのもまた事実」 ギリッ

 菫「だから私はそんな輩から宥を守るため常に有を観察してるんだ」

 照「」

 照「......」ハァッ

 照「そんなことよりも聞きたいことがある」

 菫「そんな事とは何だ、さっきも言ったように私は今忙しいんだ。」

 照「......」

 照「...親友の相談にも乗れないなんて宥さんはどう思うかな?」

 菫「......何ッ...?」

 照「今の菫はとても冷たい人に感じる」

 照「寒がりな宥さんにはあわないように思う」

 菫「......」ブツブツ

 照「だから私の相談に乗るべき...菫?」


 

眠い いったん寝る 
 
更新は今日の夜にでも


 菫「ありえない、ありえない。宥に嫌われる?そんなことアッテイイイハアズガナイ、ダッテ
   宥は将来は私のお嫁さんになって誰にもじゃまされずに2人きりでスゴスンダ...。
   そして宥と一緒に幸せな家庭を築かなければナラナイ...。あぁ...ソウダ子供は2人が良いかな...
   名前もフタリからとった名前にして...」 ブツブツ

 照「」

 照「...ハイハイ、そこまで」

 菫「フフッ...宥..今日はずっと君の体にシャープシュートだな...何だいきなり」

 照「菫のお嫁さん自慢はいつも聞いてるからもういい」 ヤレヤレ

 照「それよりも私の質問に答えてほしい」

 菫「質問?そういえばそんな事言ってたな」

 照「そう、それでヤンデレ......」

 淡「おっはよーーーーー!!!!」 ドア バーン!!

 照「」 菫「」 ビクッ!!

 菫「...その入り方は止めろといつも言ってるだろ!」

 淡「菫は細かいこと気にしすぎだよ、そうだよねテルー?」

 照「いや、だから..ヤン...」

 菫「ほう...2人とも、私に喧嘩を売っているんだな?」 ゴゴゴゴゴ

 淡「キャーッ!菫が怒った!助けてテルー!」 ギュッ

 照「ヤ...」

 菫「そうか、お前たちとは少し話す必要がありそうだな...」

 淡「えぇーめんどくさい...」

 照「」

二時間後

 菫「ふぅ...とりあえず今日はこれまでにしておいてやる」 フン

 淡「全く菫はいつも説教が長いんだよね」 ブツブツ

 菫「何か言ったか」ギロッ

 淡「の、喉乾いちゃった!テルー何か飲み物持ってない?」

 照「......液体状のものならあるけど...」 ハイ

 淡「真っ赤だね〜トマトジュース?」 ヘーッ

 照「いや...通販でもらったサンプル...」

 淡「それじゃあいただきまーす」 ゴクゴク

 淡「...まっず!!何これ!?人間が飲むものじゃないよ!!」

 照「えっ、そんな酷いの...?」

 淡「もう最悪だね!菫も飲んでみてよ」

 菫「そんなの聞いた後で飲めるとお前はそう思ってるんだな?」

 淡「菫なら大丈夫だって...ほら!」 ハイ
 
 菫「まあ...一口だけなら」 ゴク

 菫「......ん?」

  

 照「もう淡でいいや、ねぇ淡」

 淡「ん〜?どうしたのテル?」

 照「ヤンデ...」

 菫「......」 ガタッ!!

 照「!?」 淡「!?」

 菫「宥宥宥宥宥宥」

 菫「フフフッ今迎えに行くからな...宥宥宥宥..今度こそ私しか見れないように...」 ドア ガチャ バタン

 照「」 淡「」

 淡「...どこ行っちゃったのかな?」

 照「...あれはもうほっとこう、元気であれば私は構わない」

 淡「そうだね!最近ちょっと変だけど菫だもんね!...それよりもこの後はどうしよっか?」

 照「今日はもう2人しかいないし淡は先に帰っていいよ」

 淡「...テルーは何するの?」

 照「私は少し図書室で調べたいことがある」

 淡「なら私も一緒にいる!!」

 照「でももう遅い時間だし...」 ウーン

 淡「...テルーは私と一緒にいるのはイヤなの...?」 ウルウル

 照「そんなことはない...淡は私の大切な...」

 淡「大切な...?」

携帯 アラフォーじゃないよ!着信だよ!(健夜ボイス)

 照「...」

 照「ちょっとごめんね」

 淡「.....」

 照「ハイ、もしもし」

 咲『お姉ちゃん、今大丈夫?』

 照「うん、どうしたの?」

 淡「......」

 咲『お姉ちゃんの家に明日行っても良いかな...?』

 照「わたしは構わないけど、何かあった?」

 咲『......』

 照「...分かった明日おいで、お母さんが出張でいないからたいしたものは何もないけど」

 淡「......!?」

  

 咲『うん!...それで話は変わるんだけど...』

 照「?」


 咲『今隣にいるの...ダレ???』

 照「...よく分かったね、ほら咲とインハイで戦った大星淡って覚えてる?」

 咲『あぁ...あの...』

 照「それで今、淡と一緒に...」

 淡「ねぇ...テルー...」 ギュッ

 照「ん?どうしたの...?」

 淡「......」 チュッ

 咲『!?!?』

 照「...もう、今電話中だからそういうのはダメ」

 咲『』

 淡「だって〜テルーがずっと構ってくれないんだもん!」 ムスッ

 照「全く...後でちゃんと構うから...咲...待たせてごめんね」

 咲『......』 ブツブツ

 照「...咲?」

ブチッ ツーツー

 照「...切れちゃった」

 淡「電話は終わったの〜?」 ギュッ

 照「一応だけど...」

 照「それよりも淡...いきなり人の頬にキスするのはダメだっていつも言ってる」 ムッ

 淡「わかってるよ、好きな人とじゃないとダメって言うんでしょ?」

 照「そう...分かってるなら私はこれ以上は言わない....」

 淡「(そんなのあたりまえじゃん...私だって好きな人じゃないとキスなんてしないのに...)」

 淡「(テルは何時になったら好きだって事に気付いてくれるのかな...?)」

 照「それじゃあ淡...私はここで」

 淡「あっ!待ってテル!!...さっきの続きは...?」

 照「さっきの?...あぁ淡は私の大切な...」

 淡「......」 ゴクッ

 照「...後輩だからね」

 照「淡はいつも頑張ってると思う。最近は私にも負けるだけじゃなくなってきたし...
   伸びしろもある...淡?」

 淡「」

 
 淡「.....」 ハァッ 
 
 照「どうしてため息?」 アレ?


 淡「自分の胸に聞いてみたら!!」

 照「ご、ごめんね?怒らせちゃったら謝るし何でもするから...」 アセアセ

 淡「......」

 淡「...今、何でもするって言ったよね...?」 ニヤ

 照「わ、私の出来る範囲でお願いします...」 ビクッ

 淡「それじゃあしばらく休みだからテルーの家に泊めて!!」

 照「...私の家に?」

 照「別に良いけど...咲も来ると思うけど大丈夫?」

 淡「私は全然問題ないよ!なんてったって高校100年生だからね!!」 ドン!!

 照「...じゃあ私は食事作れないから、どこか食べにいこうか」 スルー

 淡「も〜無視しないでよ!...あれ調べ物はもういいの?」

 照「別に他の日でも調べられるから...」

 淡「そうなんだ〜...じゃあ今日はテルーの家でお泊まりだ!!」 ワーイ

 照「それは良いけど服とかはどうするの?」
 
 淡「それはもちろんテルーのを貸してください!」

 照「私ので良いの?サイズ合わないかもしれないけど...」 ウーン

 淡「全然OK!何の問題もなし!!」

 

 

 淡「(むしろてるーのが良いな)」

 淡「(けど咲も一緒かー...)」

 淡「(何だろう、テルと2人きりじゃないと思うとなんだかモヤモヤする...)」

 淡「(それどころか...咲を邪魔だと思ってる?)」

 淡「......」 ウーン

 照「どうしたの淡、体調でも悪いの?」

 淡「あ...アハハ、何でもないよ!」

 淡「それより早く行こう!」 グイッ
 
 照「分かったから引っ張らないで」 フフッ
 

メール?知らんけど (咏ボイス)
 
携帯 パカッ

 照「......」

 照「(...またか)」

 照「(いつのまにかメールがまた96件も溜まってる)」 ハァ

 淡「どうしたのテルー?」

 照「...夕飯をどこで食べようか考えてただけ」 

 淡「フーン...ねぇテル?」

 照「どうしたの?」

 淡「私...隠し事は嫌いだからね」

 照「...何も隠してなんかいない」 ドキッ!

 淡「まぁ、良いけど...テルは私が見てるからなんの心配もいらないよ」 ニコッ

 照「」 ゾクッ

 淡「ん〜お腹減ったね!テルー早くご飯食べに行こーよ!」

 照「あ...あぁ..行こうか」

 淡「......] フンフフーン

 


 

 照「(気のせいかな...今淡が恐ろしく感じた...)」

 照「(なんというか...首筋にナイフを当てられてる感じ?)」

 照「(...そういえば淡にはサンプルを飲ませてたな)」

 照「(もしかしてその効果のせい...?)」

 照「......」 ジイッ〜〜

 淡「......♪」 テクテク

 照「(...特に変わった様子は見られないし...)」 

 照「(私の考えすぎか...結局ヤンデレというのはよく分からなかったけど
    そんな大したものでもないか...)」

 淡「えへへっ...テルー..」 ギュッ
  
 照「ほらちゃんと前を向いてないと転ぶよ」 ナデナデ

 照「(...やっぱりいつもの淡だな..甘えたがりの可愛い後輩...)」

 淡「(テル...好き好き好き好き好き好き好き好き好好き好き好き好き好き
    好き好き好き好き...本当にいい香り..離れたくない)」 ギュッ

 照「淡..ちょっと痛い...淡?」

 淡「(この感触...やわらかいなぁ..それにとても暖かくて包まれてる感じ..)」 ウトウト

 淡「(でも、テルといられるのも後僅か...それまでにテルに...この気持ちを..)」 ウトウト 

 淡「......」 zzz

 照「淡...あれ?もしかして寝ちゃった?」 

 照「......どうしようご飯..お腹減った...」 グーッ  
 

 

少し前の清澄高校 

壁 ガン!!

 咲「......」 ハァハァ

 咲「...ふざけるな」 ギリッ

 咲「ダレの許可をもらってお姉ちゃん近付いてるんだ...」 ガン!!

 咲「アアアアアアァ!!!!クソッッ!!!」 ガン!!

 咲「あのクソ豚が!!!汚らしい体でお姉ちゃんに触れるだけでなくキスまでするなんて!!」 ガン!!

 咲「ふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるな....」 ガン!!

 咲「...完全に油断してたよ...お姉ちゃんは凄くモテるってことを忘れてたよ...」 ハァァ

 咲「...何とかしないと...どうしようかな?...今までみたいに裏から手をまわすべきか..それとも」 ブツブツ

 咲「ふぅ、少し考えてたら落ち着いてきた...」

タッタッタ タッタッタ

 和「咲さーん!」 フリフリ

 咲「...和ちゃん...」

 和「お義姉さんとの電話を切ったかと思えばいきなり部室を飛び出してどうしたんですか...?」 ハァハァ

 咲「......」

 和「...はっ!?まさかお義姉さんに何か酷いことでも言われたんですか?」

 和「そうと決まったらお義姉さんに報復する用意を...」 ブツブツ

 
   

 

 咲「待って!お姉ちゃんは悪くないの...」

 咲「ただ私が驚いちゃっただけだから...」

 和「咲さん..」
 
 咲「心配かけてごめんね?部室に戻ろっか」

 和「...咲さん...何があっても私はあなたの味方ですからね」 キラキラ

 咲「和ちゃん...うん!!ありがとう」

 咲「和ちゃんは本当に最高のお友達だね!」 ニコッ

 和「えぇ、では部室に戻りましょうか。みんなも心配してますから」 テクテク

 
 

 和「(チッ、まだお友達ですか...まぁ時間はたくさんあります。ゆっくりと
    私色に染めあげていけば...)」 ブツブツ

 咲「あっ、そうだ!和ちゃん」 クルッ

 和「そのためにもまずは姉のほうを...はい、何ですか?」
 
 咲「...お姉ちゃんのに手を出したら...分かってるよね?」 ニコッ

 和「」 ゾクゾクッ

 咲「じゃあ先に部室に戻ってみんなに謝ってくるね」 タッタッタ

 和「」

 和「......」

 和「Sな咲さんも...良い...」 ウットリ

 

 咲「(皆には悪いことしちゃったな...)」 テクテク

 咲「(でもどうしてあのくらいのことを抑えられなかったんだろう?)」 テクテク

 咲「(いつもだったらもう少し冷静になってゴミを掃除する手だてを考えてるのに...)」 テクテク

 咲「(京ちゃんにもらったあの不味いジュースを飲んでから少し変な気がする...)」 テクテク

 咲「(...それにしてもあっちの家に仕掛けてある監視カメラが何故か壊れてたからお姉ちゃん守ってあげられなかった...)」 ギリッ

 咲「(妹失格だなぁ...もっと頑張らないと!)」 ハァッ

 咲「(それにはまず、今日の部活を終わらせてすぐにお姉ちゃんの家に行かないと...)」

部室ドア ガチャ

 咲「皆...さっきはいきなり飛び出してすみませんでした...」 ペコッ

 久「あら、もう大丈夫なの?」

 京「部長、それはないですよ。皆心配してたんですから」

 

 優希「そうだじぇ、さっきはいきなり飛び出して心配したじぇ」

 咲「ごめんなさい...少し考えごとしたくなっちゃって...」

 久「でも毎回電話する度にああなっちゃうんじゃねぇ...何かそうならないようにできないかしら?」

 咲「はい...」

 咲「今度お姉ちゃんに会えば解決すると思います」

 優希「咲ちゃんのお姉さんに?」

 久「フフッ...そう言うことね」 ニヤニヤ
 
 京「部長はどういう事かわかったんすか?」

 久「咲は今とても重い病気にかかってるわね」

 久「しかも病院とかじゃ治せないような...」

 優希「えぇーーー!?咲ちゃん大丈夫なのかじぇ?」

 久「話は最後まで聞きなさい。そうね咲の言うとおりあなたの
   お姉さんである宮永照に会えば解決するでしょうね」

 久「...逆に言えば宮永照に会わないと何時まで経っても治らないわね」

 咲「......」

 久「...だから今すぐ宮永照の所にでも行きなさい」

 咲「...部活の練習に出なくても良いんですか?」



 久「部活の練習よりも可愛い後輩の悩み事を解決するのが先よ」 フフッ

 咲「......」 ウーン

 久「...しょうがないわね、これは部長命令よ」

 咲「...分かりました私、今からお姉ちゃんの所に行ってきます!」

 京「それならこれ飲んでけよ」 ハイ

 咲「ありが...京ちゃん..これさっきの不味いジュースじゃないの?」 ジトッ

 京「さっきのとは色が違うだろ?そう疑うなって」 ホレッ

 咲「それなら...」 ゴクッ
 
 咲「......」

 久「」 京「」 優希「」 ニヤニヤ

 咲「...アハッ♪」

 咲「アハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!」

 咲「それじゃあ失礼します!!!!」 ダッ

部室ドア バーン!!!

タッタッタッ タッタッタッ

...あっ咲さんこんどはどこに...    ゴミ掃除ダヨッ!!

 

 

 

 京「」 ポカーン
 
 優希「」 ポカーン

 久「...頑張りなさい...咲..」 フフッ

 久「あっ、そうだ須賀君、ちょっと良いかしら?」

 京「...えっ、何ですか?」

 久「さっき咲に飲ませてたジュース、私にもくれないかしら?」

 京「いや、別に構いませんけど...飲むんですか?」

 久「アハハ、私が飲むわけないじゃない」 ケラケラ

 久「私に風越の知り合いがいるんだけどその娘に飲ませて反応を見たいだけ」 クスッ

 京「何だ、そんなことなら...はいどうぞ、と言ってももう1本しかありませんけど...」

 京「あっ、そうだ..一応説明書も付けておきますね」 ガサガサ
 
 久「至れり尽くせりね..ありがとう、須賀君」

 京「お役に立てて光栄です...」

須賀君、私です (ハギヨシボイス)

 優希「......」ビクッ

 久「...あら、どうやら恋人からのお誘いかしら?」 ニヤニヤ

 京「ぶ、部長〜!からかわないでくださいよ...」 テレッ

 久「須賀君も今日はもう先にあがって良いわよ」

 京「い、良いんですか?それじゃあお言葉に甘えて...」 イソイソ

タッタッタッ あっ、ハギヨシさん? どうしたんですか...

ええっ! 結婚してほしい!?

 久「...行ったわよ、優希」

 優希「......」 ポロポロ

 久「私の胸を貸してあげるから好きにしなさい」 ハイ

 優希「......」 ギュッ

 久「...須賀君も罪作りね、こんないい子を泣かせるなんて...そう思わない、まこ?」

 まこ「......」zzz

 まこ「...はっ!?ついにワシの出番か!?」

 久「......」 ハァ

 久「(いい結果を期待してるわよ...咲)」

東京 宮永家
 
 照「......」 ハァハァ

 淡「......」zzz

 照「...ようやく家に着いた...」 ハァハァ

 照「まさか淡をおんぶしてかえるはめになるなんて...」

 照「...淡、すこし痩せた方が良い..」 ボソッ

 淡「.....はっくしゅん!...」zzz

 照「...まずは寝かせるか」 

照部屋 ガチャ

 照「それじゃあ布団に寝かせてっと...」 ヨイショ

 淡「......ウーン」zzz

 照「......」 ジィ〜

 淡「....テル...」 zzz

 照「(...私の名前..?)」 フフッ

 淡「...置いていかないで...」 ウーン

 照「(...苦しんでる?悪夢かな、こう言うときは...)」 なでなで

 淡「......」 ニコッ

 照「(...懐かしいな。昔もこんな事あったなぁ)」 フフッ

  

過去 宮永家

 照「...」zzz

 咲「...」

 咲「...う、うぅ..」

 照「...ん?」

 照「...咲..起きてるの?」 ムニャムニャ

 咲「...うぅ、やめ..いやぁ..」 ウーン

 照「...咲?」

 咲「助けて...助けて..」 ウーン

 照「さ、咲が苦しんでる..なんとかしないと...」

 咲「...お姉ちゃん..お姉ちゃん...」 ツゥー

 照「な、泣いた!?えぇーっと、えぇーっと...」 アタフタ

 照「...寝てるから大丈夫かな...?」

 照「......」 チュッ

 咲「...お姉ちゃん...」 ニコッ
 
 照「...やっぱり恥ずかしい///」

 照「///...もう寝よう...」 モゾモゾ

 照「おやすみなさい...咲...」

 咲「......」

 照「......」 zzz

 咲「...お姉ちゃん?」 オーイ


 

 咲「...寝てるね..」

 咲「あぁ、お姉ちゃんの唇、暖かかったなぁ」 ウットリ

 咲「私が小さい頃は起きてるときもしてくれたのに...」

 咲「最近じゃあお姉ちゃんが恥ずかしがってしてくれなくなっちゃったけど...」

 咲「ふふっ...作戦成功かな?」 ニヤッ

 照「...咲..」 zzz

 咲「あっ!今、私の名前!?」

 咲「...お姉ちゃん..寝てるときも私のことを考えてくれてるなんて...///」

 咲「あぁ...お姉ちゃんのこと見てたら..なんかだか体が...」 モジモジ

 照「...もう..食べられない..」 ムニャムニャ

 咲「...やっぱり今はお預けかな..でもその代わりに..」

 咲「......」 おでこチュッ

 照「......」 zzz

 咲「いつかはお姉ちゃんとたくさんキスができる関係になれたらなぁ...」

 咲「じゃあ私も寝ようかな..あぁ..お姉ちゃん..良い香り...」 ウットリ

 咲「それじゃあおやすみなさい。お姉ちゃん」 ギュッ
 
 照「......」 zzz ギュッ

 咲「......」 zzz

現在 宮永家

 照「......あのころは私も若かった...」 しみじみ

 照「......」 グゥ〜

 照「...お腹すいた..確か冷蔵庫に食べかけのプリンがあったかな..」 ゴソゴソ

 照「...あれ...ない?」

 照「...確かに今日の朝に入れたはずなのに...」 ウーン

メール?ないない ノーウェイ ノーウェイ (良子ボイス)

 照「......」 ビクッ

 照「(この時間帯ということはまたあの電話かな...?)」 ハァ

携帯 パカッ

 照「...あれ?咲だ、どうしたんだろう...」 ピッ
 
 照「はい、もしもし」

 咲『オネエチャン!今ソッチニ向カッテルカラ!』

 照「...咲?」

 咲「アハ..アハはハハはハハはハハハハッハハはハはハハハッハハはハハハっハハ
   アハッハハハハハハハハハハハハはハハハハハハハハハハハッハハハハハハハ!!!!!」
   

 照「.....!?」 ビクッ

 咲『ハハハッハハハ...ドウシテ...ソンナニ怯エテイルノ?』

 咲『ソウカ...アノ女ニ騙サレテルンダネ...安心シテ...オネエチャンハ私ガ守ルカラ...』

 ?「......」 コソッ

 照「咲!しっかりして、正気に戻って!!」

 咲『アァ...可哀想ナオネエチャン...アノ女ニ脅サレテルンダヨネ?大丈夫...私ガ..イツモミタイニ片付ケルカラ...』

 照「......(落ち着け...咲に何かあったことは間違いない..)」

 ?「......」 ソロッ

 照「......(問題はそれをどうするかだ..咲は正気を失っている..そして今から来ると言うことは...)」

 ?「......」 ソロッ

 照「......(まずは淡の安全確保を優先して...)」




 ?「照さん♪」 ニコッ



 照「...えっ?...」 クルッ

 ?「おやすみなさい」 ガン!!

 照「ウッ!?」

 照「(...どうして..ここに...)」

 




 



 

 照「......玄..」

 照「......」 バタッ

 照「......」

 玄「...照さんがいけないんですよ、私の愛のこもったメールや電話を無視するんですから...」 フフッ

 咲『...オネエチャン!どうしたの、オネエチャ...』

 玄「...妹さんですか..すこしうるさいですね..」 バキッ!!

携帯 「」

 玄「...さあ照さん...行きましょうか..私達の家に...」 ヨイショ

 照「......」

 玄「今は菫さんとお姉ちゃんもいますけど、すぐに慣れますよ...」 ニコニコ

 玄「...お姉ちゃんには感謝しないと..勇気が湧くジュースを貰ったおかげでここまで積極的になれたんだから..」

 

 玄「あぁ照さんがこんなにも近くに...もうカメラ越しから見てるだけじゃなくて良いんだよね..」 ニコニコ

 玄「...あっ、大切なことを忘れてた!!も〜恥ずかしいところを照さんに見られちゃいました///」

 玄「照さんはこれから私やお姉ちゃんたちと暮らすんですから、もうこの家...」



 玄「要らないですよね!」 ニコッ

 

 照「......」

 玄「...返事がない..ということは私に委ねてくれるんですね!」

 玄「お任せあれ!!」 フン!

 玄「このために灯油も持ってきてあるんですよ〜」 ドバドバ

 照「......」

 玄「...♪」 ドバドバ

 玄「...準備完了です!では3...2...1...ファイヤーーー!!!」 カチッ!!

パチッ パチパチ

 玄「...あれ?そんなに燃えない?」 はて?

 玄「おかしいなぁ...憧ちゃん家で試したときは爆発までしたのに...」 ブツブツ

 玄「...あっ!これ灯油じゃなくてサラダ油だ!」

 玄「エヘヘッ///間違えちゃった」 テヘッ

 照「......」

 玄「なにか代わりになるものはないかなぁ...」 ウーン

 玄「そうだ...タコ足配線は火事のもとって学校で習ったことがあるから...」 あっ!

 玄「だからタコさんを焼けばいいんだね!」 ピコーン!

冷蔵庫 

 玄「タコさん♪タコさん♪どこなのだ〜」 ゴソゴソ

 玄「.....」 ゴソゴソ

 玄「......」

 玄「...無いよぅ...」 ウルッ

 玄「ど...どうしよう..これじゃあ照さんに良いところを見せられない...」 ウルウル

 玄「......何か他の案は...足音..誰か来る...か、隠れなきゃ」 カクレ

 淡「......テルどこにいるのー...テル!?」 テクテク

 照「......」

 淡「ど、どうしたのテル!しっかりして!」 ユサユサ

 照「......」

 

  

 淡「た、たしかこういう時は救急車を呼んで、それから...人工呼吸...」

 玄「!?」

 淡「い、良いよね?これは治療行為だし、けっしてやましい気持ちでやるわけじゃあ...」 

 照「......」 

 淡「......テル...好き...」  

 淡「......んっ..」 チュッ

 照「....んん..んっ...」 

 玄「」

 淡「(...何これ..気持ちよすぎて..おかしくなりそう...)」

 玄「...」 ユラリ

 淡「(...もっと..欲しい..テル..)」 チュッー

 玄「....」 スッ

 淡「...ぷはぁ!...あっ..テルとの唇に糸が..///」 タラー

 淡「...こ、こんな事してる場合じゃなくて!救急車を呼ばないと...」 スクッ

 玄「......」 トントン

 淡「えっ?誰...」

 玄「どいてください!!」 ガン!!

 淡「...うぐっ..」 バタッ

 玄「この!!調子に乗って!!」 ガン!!

 淡「...ぐ..あぅ..」

 淡「...テ..ル..」

 玄「照さんの名をあなたなんかが呼ばないで!」 ガン!!

 淡「......」

 玄「......」 ハァハァ

 照「......」

 玄「......」

 玄「...この人を...助けたいんですよね?」照さん...?」 ニヤ

 照「......」 フラッ

 照「...淡にはこれ以上手を出さないで」 キッ

 玄「なら取引をしませんか?...まずはこの手錠をつけてください」 ジャラ

 照「......」 カシャン

 玄「...意外と素直ですね..もっと暴れると思ったのに...」

 照「...暴れたとしても淡を連れて逃げるのは難しい。それなら生存確率が上がる方を選ぶだけ...」

 玄「...本当にこの人が大切なんですね...」

 照「淡は...大切な後輩だから...」

 玄「...まぁ、そういう事にしておきます..どうせ私のことしか考えられなくなりますから」 ニコッ

 照「......」 ゾクッ

 玄「それじゃあ行きましょうか..あぁその前に..」 ガン!!

 照「......ツッ!?」 バタッ

 照「......」 

 玄「いくら手錠をしてるとはいえ危ないですからね...ごめんなさい..」 ヨイショ

 玄「移動は車になりますけど我慢してください」 なでなで

 淡「......」

 玄「...確かに取引はすると言ったけど..必ず守るとは言ってないからね」 ニコッ

 玄「...あなたにはもう用はないから..サヨウナラ」

カチッ シュボ!
 
パチ...パチ..

 玄「...それじゃあ松実館へ出発進行です!」 オー!

 照「......」

ブロロ

オイ!家が燃えてるぞ!誰か消防に連絡しろ!

翌日

TV NEWS

「昨夜未明、東京都で家屋一棟が全焼する火災がありました」

「けが人は女子高校生(16)一人でした」

「女子高生は肺に多くの煙を吸い込んでいたため病院に搬送され、現在意識不明の重傷です」

「なお、女子高生とは別にインハイチャンピオンとして有名な宮永照さん(18)の行方が
 分からなくなっていることから」

「警察は女子高生の体調が回復しだい事情を聞く方針です。」

「次のNEWSです最近巷で話題のヤンデ...」

ブツッ

病室

 咲「......」

 淡「......」 zzz

 咲「...起きてるんでしょ?」

 淡「...なにか用?私これでも病人なんだよね〜...だから帰って...」

 咲「......」 ガシッ

 淡「...痛いんですけどー...」

 咲「お姉ちゃんはどこ」 ギロッ

 淡「......知らない」

 咲「ふざけないで!!」

病院ではお静かにお願いします!

 咲「あっ..ごめんなさい...」 ペコッ

 淡「......」 クスクス

 咲「...何で笑ってるのかな..?」 ゴゴゴゴゴ

 淡「だって咲はおとなしそうな印象なのにテルが絡むと別人なんだもん」 アハハ

 咲「......」

 咲「...それよりもお姉ちゃんはどこ?知ってるんでしょ?」

 淡「本当に知らないんだってばー...あっ、そう言えば...」

 咲「何か思い出したの!?」 ガタッ!!

病院ではお静かに!!

 咲「......」 

 淡「一応思い出したことがあるけど...教えるには条件がある」

 咲「...何かな?」

 淡「咲はテルのことどう思ってるの?」

 咲「...それはもちろん大切なお姉ちゃんとして...」

 淡「ならこの話は終わり。帰っていいよ」 ヒラヒラ

 咲「どうして!!今この間にもお姉ちゃんは...」

 淡「それ、テルのことを姉としてか見てないんでしょ?私は違う...心の底からテルを愛してる」

 咲「......!?」
 
 淡「今は私はただの後輩としか見られてないけど、大丈夫。本当に好きになって貰う自信はあるからね!」 バーン!

 咲「だからもう一度聞くよ...咲はどうなの?」

 咲「わ、私は...まずはこの件が終わったらお姉ちゃんに抱きついてからお姉ちゃん分と香りを約10分間堪能して、お姉ちゃん
   が恥ずかしがってるところを私の脳内フォルダにとくと焼き付けたいなぁ。そうしたら次は家に手を繋ぎながら帰るんだけど
   お姉ちゃんの手の感触を味わって、しばらくは手を洗わないようにしないと...その後家に帰ったらお姉ちゃんは料理が出来ないから
   お姉ちゃんの大好物を作ってあげて..お姉ちゃんに咲の料理は美味しいねってほめて貰って////あぁお姉ちゃん...それでねお姉ちゃん
   が料理のお礼に何かしてくれるって言うからお姉ちゃんの方から抱きついて!とかお願いしたいなぁ...。最初は断られるだろうけど
   私が少し泣きまねをすればお姉ちゃんはやってくれるからね...本当にお姉ちゃんは昔から誰にでも優しくて一歩でもお姉ちゃんが
   外にでるとみんな狙ってくるほど綺麗だし...」 ペラペラ

 淡「」 

 

 淡「...ストーップ!!もう咲の気持ちは充分伝わったから!」

 咲「...それで教会でお姉ちゃんが私に言うんだ...咲、私のお嫁さんになってくれ...フフッ恥ずかしいよお姉ちゃん...///
   ......あれ?もういいの?」

 淡「」 コクコク

 咲「...それじゃあお姉ちゃんはどこに...」

 淡「...私も犯人に殴られて意識がもうろうとしてたから詳しくは覚えてないけど...奈良県にいるはず」

 咲「奈良だね!分かった、ありがとう!お大事にね!」 ガタッ

 淡「」 ガシッ

 咲「...まだ何か?」

 淡「私も行く!!」

 咲「...は?」

 淡「咲だけズルい!私だってテルに会いたいのに!」

 咲「...何言ってるかよく分からないんだけど、私は暇じゃないから...」

 淡「おーねーがーいー!!つーれーてっーてー!!」 ガシッ

 咲「えぇー....」

 淡「...そうだ!私を連れてったらメリットがあるよ!」

 咲「...例えば?」

 

 淡「...場を盛り上げることができます!」 バーン!

 咲「じゃあね淡ちゃん、お姉ちゃんとの結婚式には呼ぶから」 スクッ

 淡「待ってってば!...そういえば咲ってさぁ...」 

 淡「極度の方向音痴でしょ?」 ニヤ

 咲「......!?」

 淡「前にテルから聞いたんだよね〜、「私の妹は迷子になりやすいから心配」って」 キリッ

 咲「もう...お姉ちゃん...///」 テレッ

 淡「と言うわけでさ私が必要でしょ!」

 咲「.....早く用意しないと置いてくからね」 フイッ

 淡「了解、了解〜!...これから友達としてよろしくね、咲」

 咲「...友達?」

 淡「そうそう、私達は恋敵というけどさ、協力しあうんだし、その方が良いでしょ!」 ニコニコ

 咲「..良いけど.. お姉ちゃんは渡さないからね...」 ゴゴゴゴゴ

 淡「上等!叩きつぶしてあげるよ!」 ゴゴゴゴゴ

 咲「...それはひとまず置いておくとして、淡ちゃん...」

 淡「ん?どうしたの〜?」

 咲「奈良のどこにお姉ちゃんがいるか知ってるの?」

 淡「....」
 
 咲「......」

 淡「...か、数撃ちゃ当たるよ」 (震え声)

 咲「......」 ハァ

 咲「(のろのろしているわけにはいかない...こうしている間にもお姉ちゃんは苦しんでるんだから)」

 咲「(...それにしても..私のお姉ちゃんを汚そうとしてるゴミはどこのどいつかな?)」

 咲「(いつもだったら腕の2、3本は貰うけど今回の件に関しては許容できないなぁ...)」

 咲「(どうせ今回も自分こそはお姉ちゃんにとってふさわしい人間だと勘違いした女の仕業
    だろうけど...それは大きな間違い)」

 咲「(お姉ちゃんは誰も近づけないような数少ない選ばれた側の人間なんだ...そんなお姉ちゃんに
    吊り合うのは昔からお姉ちゃんのことだけを考えて行動してきた私しかいないはず..それ
    を無視して私とお姉ちゃんだけの領域に踏み込んできたんだからそれ相応の報いを受けさせ
    ないとね...)」

 咲「(...お姉ちゃん..今、助けに行くからね...今度はこんな間違いが起こらないようにお姉ちゃんには
    誰がふさわしいか分からせてやらないとね...)」

 咲「...淡ちゃん!頑張ろうね!」

 淡「勿論だよ!そうと決まればGO!GO!」

 咲「(...今頃、お姉ちゃん..何してるのかなぁ...)」

松実館 玄の部屋

 照「......」

 玄「ほら照さん、お口を開けてください、ご飯が食べられませんよ?」 アーン

 照「...ならこの手錠を外して欲しい...そうすれば自分で食べられる」

 玄「それは駄目です!外しちゃったら照さん逃げるつもりですよね?」
 
 照「......」

 玄「でもこのままだと照さんがお腹すかせちゃうしなぁ...」 ウーン

 玄「...!」 ピコーン!

 玄「いい方法がありました!ちょっと待ってくださいね...」 モグモグ

 照「...何をして..」

 玄「......んっ...」 チュッ

 照「!?」

 

 

 玄「ちゅ…れろ…んっ…」

 照「んんっ...やめ...ふぁ...」

 玄「(こうすれば照さんもご飯が食べられて、私も得する...一石二鳥だね!)」 チュー

 照「…ぁ…んく...」

 玄「んむ…ちゅ……ぷは」

 照「......な、何してるの...」 ヘナヘナ

 玄「照さんが食べてくれないからです!お腹が空いてると体にも悪いんですよ..じゃあもう一度...」

 照「わ、分かった!食べるからあれはもういい...///」

 玄「そうですか...残念だなぁ..ではお口を...」 アーン

 照「......」 モグモグ

 玄「......どうですか味のほうは?」

 

 照「(さっきはあんなことされて味がよく分からなかったけど..これは...)」 モグモグ

 照「...とても美味しいと思う。私好みの味付け」

 玄「...本当ですか!良かったぁ...照さんに気に入ってもらえるように練習してたんですよ!」 パァア

 照「うん...本当に美味しい...玄は良いお嫁さんになれる..」 モグモグ

 玄「///もう...照さんってば...」 テレッ

 照「......」 アーン

 玄「...あぁ、もう一度ですね。はい♪アーン...」

 照「(どうにか気をそらすことが出来た...)」 モグモグ

 照「(しかしこのまま閉じ込められているわけにはいかない...なんとかして脱出しないと...)」 モグモグ

 玄「あぁ...照さんがこんなにも近くに..ずっとこのまま...」 ウットリ

玄ちゃーん!お仕事手伝ってー!

 玄「は、はい!!ただいま!!」

 玄「それじゃあ照さん♪私のお仕事が終わるまで待っててくださいね。あとそれと...」 ゴソゴソ

 玄「手錠の代わりにこの首輪を付けて貰います!」 スチャ

 照「......」 カチャカチャ

 玄「...これで良し!ずっとお部屋に居るのも退屈でしょうから少し館内を歩き回ってても良いですよ」

 照「...私が逃げるとは考えないの?」

 玄「そこの所はご安心を!その首輪は家の電力を自動で吸収するから電池切れはなくて、その上に館内から
   指定された範囲をでると...ドカン!!ってことになるから気を付けてくださいね♪」

 照「......」 ゾォ〜

 玄「あとはなるべく隣のお部屋は見ないようにしてくださいね。お姉ちゃんのわんちゃんがいますから」

 玄「では失礼」 チュッ

タッタッタッ タッタッタッ

玄ちゃん遅いよ〜

ごめーんお姉ちゃーん


 

 照「...」 ハァ

 照「(自力で脱出するのは難しそうだな...しばらくは足止めか)」 ふぅ

 照「...疲れた..癒されたい...」

 照「そうだ...隣の部屋に犬が居るって言ってた...」 ヨッコイショ

 照「玄は見ちゃ駄目って言ってたけど...少しぐらいなら...」 テクテク

 照「どんな犬かな...可愛らしいビーグルとか良いな..」 ワクワク

 照「それじゃあ...ご対面...」 ガラッ

 菫「あぁ///宥!もっと私をしつけてくれ!!」 わんわん

 照「」

 菫「宥、宥...もう...私は..ん?」

 照「」

 菫「...なんだお前もここに来てたのか...」 ムクッ

 照「」

 菫「全く..宥かと思ってやったのにお前だとはな...」 クゥーン

 照「...どうやら私は夢を見てるみたい」

 照「あのクソ真面目な菫がこんな事するわけない...」

 菫「おい、照」

 照「そうだ...一回寝よう。そうすれば今までのはすべて夢で...」

 菫「無視するんじゃない」 ぽかっ

 照「..痛い...」 ウルッ

 菫「私を無視するからだろうが」

 照「...そう言えばどうして菫は犬耳としっぽをつけてここにいるの?」

 菫「...愚問だな。宥あるところに私あり、私あるところに宥がある...自然の摂理だな」 

 照「......」

 菫「まぁ簡単に言うと、今私は宥に飼われているんだ」 ドヤッ

 照「..そう...なんだ...」 ヒキッ

 

 菫「あぁ、前と違って好きな人と一緒にいられる毎日がとても楽しいよ...お前にはそういうひとはいないのか?」

 照「...私には興味ないから...」

 菫「そうか?もったいない。お前は顔は良いんだからモテるだろうに」

 照「そんなことない、生まれてからこの方そんな浮ついた話、私には転がってこなかったから。」

 菫「ほぉ...そんなこともあるんだな...ところで..」

 宥「...楽しそうだね?菫ちゃん...」 ゴゴゴゴゴ

 菫「」 照「」 ビクッ

 

 宥「せっかく菫ちゃんが寂しがってると思って、仕事を抜け出してきたのに...菫ちゃんは何やってるのかな...?」

 菫「ち、違うんだ!話を聞いてくれ!!」

 宥「...聞いてくれじゃなくて聞いてくださいじゃないのかな...?」

 宥「...菫」

 菫「...!?」 ゾクゾク

 宥「あなたは誰のわんちゃんかな...?」

 菫「は、はい...ご主人様です」 ゾクゾク

 宥「じゃあ分かるよね?ご主人様以外に尻尾を振るような駄犬は...お仕置きだね♪」

 菫「は、はいぃ...///」

 宥「まずは地下室に行ってから始めようね」

 菫「や、優しくしてください...///」

 宥「もちろん。私だって菫をいたぶる趣味はないから」

 宥「それじゃあ私はお仕置きの用意をするから菫は先に地下に行ってて」

 菫「わかりました!お待ちしてます、ご主人様!」

タッタッタッ タッタッタッ

 照「」

 照「(...見ていない..私はなにも見ていない..友人がわんわんプレイをしているところなんて知らない...)」
 
 宥「...照ちゃん..」

 照「......」 ビクッ

 宥「照ちゃんは玄のわんちゃんだからあんまり心配かけさせちゃ、めっ!だよ」

 照「...はい」 ビクビク

 宥「それと...私はあんまりわんちゃん同士がじゃれ合うのは好きじゃないから...」

 宥「気を付けてね?」 ゴゴゴゴゴ

 照「」 コクコク

 宥「それと一番大切な事なんだけど..」

 照「は、はい...何でしょうか..」 ビクビク

 宥「...玄ちゃんは照ちゃんを無理矢理連れてきたみたいだけど、本当に照ちゃんを好きみたいなの...だから...」

 照「...それは分からない」
 
 宥「......」 シュン

 照「...でも..」

 照「答えを今すぐ出すことは出来ないけど...善処する」

 宥「.....」 パァア

 照「玄は私の目から見ても本当に良い子だと思う」

 宥「......」

 照「だから...しばらくは考えさせて欲しい..ワガママでごめんなさい」 ペコ

 宥「...照ちゃん..ありがとう...」 グスッ

 照「...さぁ、うるさい犬が待ってるだろうから...行ってあげて」

 宥「...うん!ありがとう、照ちゃん」 フリフリ

タッタッタッ タッタッタッ

 照「...玄が私のことが...好き..か」

 照「(いまいち実感が湧かない、こんな私のどこを気に入ったんだろう?)」

 照「(...しかし...善処するとは言ったけど..ど...どうしよう...?)」

 照「(正直私はあんまり恋とかに興味がない...今まで経験したことないし...)」

 照「(もし断ったらどうなるだろうか...)」

ポワポワ

 照『ごめんなさい、私は一緒にはなれない...』

 玄『...私を愛してくれないんですね?...わかりました、では私と一緒に新しい世界に行きましょう!
   大丈夫、痛いのは一瞬ですから...』

ザクッ!!

 照『うぐっ!!...』

 照『......』 バタッ

 照『』

 玄『大丈夫、今逝きますから...あっちでも永遠に一緒に..』

ザクッ!!

 玄『...ツッ...』

 玄『......照さん..』 ギュッ

 玄『』

 照「...無理だ..詰んでる..」 カタカタ

 玄「何が詰んでるんですか?」 ヒョコ

 照「...!?...何でもない..それよりどうしたの、お仕事は?」

 玄「エヘヘ...照さんがどうしてるか気になって来ちゃいました」 テヘッ

 照「...そう言えば玄は私のどこが気に入って何時から私のことが好きなの?」

 玄「...照さんの?もちろん全部です!香りから骨まで愛してますよ!」

 照「///...そ、そう言う事じゃなくて」 アタフタ

 玄「あっ!ごめんなさい!私まだお仕事が残ってるので行ってきますね」

 照「ちょ...待って...」

 玄「それじゃあ照さーん!また後でー!」 フリフリ

タッタッタッ タッタッタッ

 照「...聞けなかった...」 ハァ

 照「しょうがない...後で聞こう...」

 照「......暇だ..ちょっと館内でも歩こう..」 スクッ

 照「......」 テクテク

シロ!...もう逃げないでね...   ...ダルッ

 照「......」 テクテク

池田ァ!私の嫁になれ!!   嫌だしぃ!!

 照「......」 テクテク

怜怜怜怜怜怜怜...また別の女に膝枕させて!!   竜華怖っ!キャラ違うやん!

 照「......何だここ...」

 照「...私だけ違う世界に来たみたい...」

 照「...ん?ここの部屋だけ開いてる...?」 どれどれ

 哩「ほれ、えらい縛っちゃる」(ほれ、強く縛ってやる)

 姫子「部長!愛してからましゅ...いぁ、えらい強く!」(部長!愛してます...もっと強く!)

 哩「ふふふ、これがらまだまだ強くしてからやる...簡単には終わらされんがら...」
   (ふふふ、これからまだまだ強くしてやる...簡単には終わらせない...)

 照「」

 照「......」 ピシャ!

 照「......」 テクテク

玄部屋

 照「......」 もぞもぞ

 照「......」

 玄「照さーん!ようやくお仕事終わりました〜!...なんで隅っこで体育座りしてるんですか?」

 照「......ちょっと気持ち悪い物見ちゃったから...」 オェ

 玄「だ、大丈夫ですか!?横になった方が良いんじゃあ...」 オロオロ

 照「...もう大丈夫...それよりどうしたの?」
 
 玄「はい...晩ご飯まで時間があるから...一緒にお風呂に入りませんか?」

 照「......お風呂?」

カポーン  

 玄「どこかおカユイところはありませんか〜?」 ゴシゴシ
 
 照「......(私は何をしているのだろう...)」 ジャラジャラ

 玄「それにしても...照さんのおもち...綺麗ですね...」

 玄「......」 ペロッ

 照「ひゃ...な、何してるの///」

 玄「あっ...ごめんなさい。私おもちを見ると抑えられなくて...」 シュン

 照「お、怒ってないから...しょんぼりしないで..」 アタフタ

 玄「...本当に優しいですね..照さんは..」 

 照「......さっきの話の続きだけど、どうして私だったの?」

 玄「......多分一目惚れってやつ...だと思います」

 照「一目惚れ?」

 玄「いえ、違いますね...正直に言うといつから照さんの事が好きになったか分からないんです...」

 玄「最初にお会いしたときか、菫さんに連れられてこの松実館に来たときか、照さんとお話している
   時に時折見せるその柔らかい笑顔を見たときからなのか...」

 照「......」

 玄「私は思うんです...いつ好きになったかじゃなくて、どれくらい愛しているのかが大切だと...」

 玄「だから改めて言います。照さんを何よりも愛しています。私自身を捧げても良いぐらいに...」

 照「......玄」

 玄「ご、ごめんなさい!なんだか恥ずかしい事言っちゃいましたね」 テレッ

 玄「それじゃあ私は晩ご飯を作ってるので先に出てますね!照さんはもうすこしゆっくりしていて下さい」 ザバァ

 照「......」

 玄「......たとえ照さんが逃げようと考えていても大丈夫です。獲物を捕まえるのも楽しいと思いますから」 ニコッ

 照「......」 ゾクッ

 玄「それじゃあごゆっくり〜」 ガラガラ ピシャ

 照「......」

 照「...どうすれば良いの...」ガクッ

 玄「...さっきはああ言ったのは良いけど、出来ればずっと私と一緒にいてほしいなぁ...」

 玄「照さんのあの笑顔が誰かに向けられると考えただけで...」 ギリッ

 玄「そうならないためにも照さんと一緒にここに住んで幸せな家庭を...」

電気 フッ...

 玄「あれ?電気が消えちゃった?どうしたんだろう...」

 

ドカーン!! パラパラ...

 淡「...本当にここで合ってるの〜?」
 
 咲「間違いないよ...私のお姉ちゃんはここにいる...」

 玄「あ..貴方たちは!!」

 淡「...あっ!その馬鹿っぽい声!私を殴った犯人!!」

 咲「へぇ...この人が...」 ゴゴゴゴゴ

 玄「な、何のようですか!お帰り下さい!!」

 淡「それがそうもいかないんだよね〜..テルは...どこ?」 ゴォ

 玄「し、し、知りません!照さんはここにはいません!」

 咲「...ならしょうがないね...その牛のように肥えた体に聞くしかないね..」 ゴォオ

 淡「えぇ〜めんどくさーい...でも今回は別..テルがかかってるからね...」 ゴォオ

 玄「ひ、ヒイィ」 カタカタ

 照「さっきから暗くて騒がしいけど、どうしたの...あっ..咲、それに淡...」

 咲「お姉ちゃん!」

 淡「テル!」

ギュッ

 咲「お姉ちゃん!お姉ちゃん!...会いたかった..」 スリスリ

 淡「ごめんね、テル...私を庇ってこんな事になって...」 スリスリ

 照「ち、ちょっと2人とも...今手錠で動けないし、濡れちゃうから...///」

 咲「...あぁ、ごめんね(お姉ちゃんの裸、お姉ちゃんの裸、お姉ちゃんの裸///)」

 淡「濡れちゃうならしょうがないね...(テルの裸、テルの裸、テルの裸///)」

 照「じゃあ着替えるからちょっと待っててね...玄、手伝って」

 玄「ごめんなさい、ごめんなさい...えっ!?わたしにですか?」

 照「この手錠を一回外して...じゃないと着替えられない...」
 
 玄「ふふん!わかりました、お任せあれ!!」 カチャカチャ

 照「ふぅ..やっと取れたじゃあ少し待ってて...」


着替え終了

 照「それで2人ともどうしたの?わざわざこんな所まで」

 淡「そうだ!テルを助けに来たんだよ!」

 咲「この手錠、邪魔だから取っちゃおうか」 ブチブチ!!

 照「...2人ともありがとう...」 ギュッ

 咲「///」
 
 淡「///」
 
 照「でも私にはやるべき事が残ってる...だからまだ帰れない」

 淡「やるべき事?それって何?」

 照「...まだ玄に告白の返事を返してない。だから2人には悪いけど先に...」

 咲「...は?それってどういうこと?」 

 咲「...クソクソクソ!!雌牛に先を越された!!!」 ガン!!

 咲「それで!!お姉ちゃんはどうする気なの!!」 ズイッ

 

 照「わ、わたしは玄に返事を返そうと思ってるから咲には言えな...」 ビクッ

 淡「玄ってこれ〜?」 ひょい

 玄「...い、命ばかりはお助けを...」 カタカタ

 照「淡!!玄を降ろしてあげて!」

 淡「...ふーん..こんなのが良いんだ...」 ドサッ

 照「玄?大丈夫?」

 玄「あっ...照さん...大丈夫です..」 ギュッ

 咲「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
   殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す」 ゴゴゴゴゴ

 淡「アハハ...大した度胸だね...良いサンドバックになりそう...」 ゴゴゴゴゴ

 玄「照さん...好き...」 ウットリ

 照「...ここじゃあ話にならないから場所を移そうか...」 ハァ

松実館 狂宴の間

 照「それで玄...告白の返事だけど...」

 玄「は、はい...」 ブルブル

 咲「......」 ゴクッ

 淡「......」 ゴクッ

 照「......ごめんなさい」 ペコッ

 玄「」

 咲「アッハハハハハ!!」 バンバン

 淡「アハハハ!!笑わせないでよ!...」 バンバン

 照「...理由は私は玄の事をやっぱりそういう対象として見れないから...ごめんなさい」

 玄「照さんに振られた、照さんに振られた、照さんに振られた、照さんに振られた、
   照さんに振られた、照さんに振られた、照さんに振られた...」 ブツブツ

 咲「ヒャッハッハッハッハッハッハッハッ!!!」 ゲラゲラ

 淡「いやぁ〜良い見せ物だね!楽しかった!じゃあテル帰ろっか!」

 照「...まだダメ...淡にも返事を返すから...」

 淡「...テル!ついに私の気持ちに...」 キラキラ

 

 



 照「...ごめんなさい」 



 淡「......えっ?」

 玄「......」 ブツブツ

 照「淡は本当に可愛くて魅力的だと言うことは分かってる...けれどやっぱり淡も私のそういう対象として見れないから
   ...ごめんなさい」 ペコッ

 淡「テル...そんな...嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘....」 ブツブツ

 咲「アハハッハハ!2人とも良いざまだね!やっぱり主人公は最後に勝つんだよ!お姉ちゃんは
   もちろん私を...」

 


 照「ごめんなさい」 ペコッ

 淡「......」 ブツブツ

 玄「......」 ブツブツ

 咲「......は?」

 照「咲...私たちは姉妹..そういう関係は誰も幸せにならない..だから...」

 咲「......」 ブツブツ

 照「...ごめんなさい」

シーン

 照「(どうしよう...かなり気まずい..でも間違った選択はしていない...みんなには酷いこと言ったけど、
    私は恋とかよく分からない...)」

 照「(それではこの中の誰かと付き合ったとしてもいずれかは関係が歪み両者とも傷ついてしまう..)」

 照「(だからこれが今取れる最善の選択)」

 咲「......」

 淡「......」

 玄「......」 




 咲「......アハ、アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ
    ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ
    ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!」 ゲラゲラ

 淡「テルテルテルテルテルテルテルテルテルテルテルテルテルテルテルテルテルテル
   テルテルテルテルテルテルテルテルテルテルテルテルテルテルテルテル.......」 ブツブツ

 玄「信じてたのに信じてたのに信じてたのに信じてたのに信じてたのに信じてたのに
   信じてたのに信じてたのに信じてたのに信じてたのに信じてたのに...」 ブツブツ

 
 照「」 ビクッ

 咲「アハハ...お姉ちゃんは優しいね...ここで私と付き合っちゃうとほかの2人が傷ついちゃうもんね...ふふふ」

 照「......な、何をいって...」 ビクビク

 淡「何言ってるのさ〜咲、テルは私を選んでくれたんだよ!勘違いは程々にね!」 アハハ

 照「......淡」 ビクビク

 玄「...さっきも言いましたよね...私は獲物を追うのも楽しそうだって...これは照さんからの試練ですね!
   必ずや乗り越えて見せます!」

 照「......あ、貴方たち..全員狂ってる...おかしい...」 ビクビク

 咲「...そんなの昔からだよ..」 フフッ

 淡「狂ってるは狂ってるでも...」 アハハ

 玄「照さん狂いですから!!」 バーン!

 

 淡「それじゃあテルは私の物だよね〜なんてたってキスまでした仲だしね!」

 咲「...あ゛?」

 玄「...死にたいのかな?」

 淡「まだキスもしたことのないガキは帰りなよ...テルは私がいるから」

 咲「何を言い出すかと思えば...くだらない。お姉ちゃんにキスしたことだってあるし、
   お姉ちゃんの大好物、好きな本、週に何回してるか、お姉ちゃんの生理周期を把握
   してる私に勝てると思うの?」

 玄「2人ともまだまだお子ちゃまですね...私なんて照さんのおもちを吸わせてもらいました!
   だから私こそが照さんにふさわしいんです!!」 ゴゴゴゴゴ

 咲「...殺す...」 ゴォオ

 淡「...ちょっと調子に乗りすぎたね...」 ゴォオ 

 照「......(...甘かった..全員にお断りすれば大丈夫だと思ったのに...三人とも私の想像を遙かに越えていた...)」

 照「(私では手に負えない...三人が争ってる中逃げるなら...今しかない!)」 ダッ

 咲「...アハハ!しぶといゴミだね!早く死んでよ!!」 ブン!!

 照「......」 コソッ
 
 淡「そんな遅い攻撃当たるわけないじゃん!!...お返し!!」 ブン!!

 照「......」 ガララ

 玄「ふん!!旅館仕事で鍛えた私にそんなの効かないのだ!!」 ブン!!

ギャーギャー!! ギャーギャー!!

ドカッ バキッ!! メキョ!!  グチャア!!








その後、私は命からがら松実館を脱出した。だが東京に戻ってみると私の家は焼け落ち、親もいなくなっていて

行方不明となっていた...。名乗り出ようかどうか迷った私はこのまま姿を消すことを選んだ。

失う物は多かったがあの三人に見つかるよりは幾分かはましなはずに違いない...。

三年後
電気屋 TV

「決まったーー!」

「今大会の覇者は宮永プロだー!それに続いて同チームの大星プロ、松実プロが上位を独占という異例の快挙を達成しました!!」

 照「......」 テクテク

 
 照「(あの後、姿を消した私はあの三人に見つからないようにどこかに定住するわけでもなく色々な所を転々としてきた。)」

 照「(そのかいもあってか未だに見つからないでいる...そして生きるために各所の雀荘に通い、金を搾り取るという昔の私からは
     考えられないような生活を送っている...)」

 照「(けれど私は毎日がとても充実している。これが菫が言っていた楽しい日々だろうか...)」

 照「(話は変わるが菫は宥さんと結婚して現在のホテル業界にヤンデレ館という一つの旋風を巻き起こして
    連日大賑わいだそうだ..それに噂によるとあの健夜プロも愛用しているとかで有名だという。)」

 照「(そして問題の咲たちは何を考えているか分からないが、あるチームに三人同時に入団し、今一番有名な
    三人組はと聞かれると誰もが必ずあの三人の名前を挙げるほど有名でテレビ番組に出演するほどになった。)」

 照「(...もしかしたら私を諦めて麻雀に専念する事に決めたのか?それだったら私も彼女たちを応援しようと思う...)」

 照「......」 グゥ〜

 照「......お腹すいた...とりあえず腹ごしらえ...」

からんからん
 
いらっしゃいませ〜 こちらへどうぞ!

 照「(結構混んでるな...テレビが付いてるせい?)」

 店員「ご注文はお決まりでしょうか?」

 照「あっ、はい...これとこれ...後これで」

 店員「はい...注文は以上で...少々お待ち下さい...」 スタスタ

 照「......ふぅ」

 照「......」 チラッ

TV 牌のお姉さんの食べ歩き道中

 はやり『は〜い画面の前の大きなお友達のみんな!牌のお姉さんのはやりだよ☆』 キラッ

 はやり『今日はなんと!生放送でお送りしま〜す』

 はやり『ゲストは今話題の三人組!宮永プロ、大星プロ、松実プロでーす、パチパチ☆』

 咲『よろしくお願いします』 ペコッ

 淡『みんな、よろしく〜』

 玄『お任せあれ!!』

 照「......」

 はやり『じゃあさっそく食べ歩きを始めるぞ☆』

 咲『あのすみません..ちょっと良いですか?』

 はやり『ん?咲ちゃんはもう行きたいお店が決まったのかな?』

 咲『いえ、そうじゃなくて...電話してきてもいいですか?』

 はやり『もう〜しょうがないね...早く帰ってくるんだぞ☆』

 咲『すみません...失礼します!』 タタッ

 店員「お待たせいたしました...以上でよろしいですか?」

 照「はい。大丈夫です」 もぐもぐ

 店員「ではごゆっくり...」

>>1ですがどうやら多くの人が不快感を感じるみたいですね...もう書くのは止めたほうが良いですか?

 照「......」  もぐもぐ

 淡『それにしても咲遅いね〜...どこまで行ったんだろう?』

 玄『迷子になってないかが心配ですね...一回咲ちゃんが迷子になったら大変ですから...』

 はやり『ふふふ...三人とも仲良しなんだね☆』

 淡『こう見えても昔はみんな仲悪かったんだけどね〜』

 はやり『嘘☆そんな風には見えないぞ☆』

 玄『実はある目的のために...』 ムグッ

 淡『アハハハハハ!本当に咲遅いね〜!』

着信か...(秋一郎ボイス)

 照「......」

 照「......もしもし」

 ?「......」

 照「......誰?」

ブツッ ツーツー

 照「...イタズラ電話?」

タッタッタッ タッタッタッ

 咲『...ごめんなさーい!』 ハァハァ

 はやり『もう〜咲ちゃん!お姉さん待たされすぎてお腹ペコペコだぞ☆』 

 照「......」 もぐもぐ

 淡『じゃあはやりもお腹空かせてるみたいだし行こうか!!』

 玄『咲ちゃん...見つかった?』

 咲『......』 コクッ

 はやり『お、良いお店を見つけたのかな?さすがは咲ちゃんだぞ☆』

 咲『...こっちです』 テクテク

 淡『......』 テクテク

 玄『......』 テクテク

 はやり『よ〜し!お姉さんたくさん食べちゃうぞ☆』

 咲『...着きました..このお店です』

 照「...どこかで見たようなお店...」

からんからん

いらっしゃいませ...み、宮永プロ!?それに大星プロに松実プロ、牌のお姉さんまで!!

ザワザワ 見ろよ本物の宮永プロだぜ... 玄ちゃーんこっちむいてー!! 淡ちゃん!笑ってー!!

ザワザワ  ザワザワ

 照「......どうしてここに...」

 はやり「綺麗なお店だね、あっ、私たちが映ってるぞ☆」 キラッ

 咲「...どうですか、さっき電話してるときに見つけたんですけど良いお店だと思ったので...」

 淡「良いセンスしてるね〜...おっ、これ美味しそう!」 ジュル

 玄「フッフッフッ...旅館で鍛えられた私の舌が光るときですね!」 フフン

 照「......マズいマズいマズい...見つかったらどんな目に遭わされるか分からない...」

 照「ここはトイレに行ってやり過ごそう...」 ガタッ

 咲「......」 ピポパ プルルルル

携帯 ブーッ ブーッ

 照「......」 ビクッ

 照「.........もしもし.....」 カタカタ







 咲『「見ーつけた♪.....お姉ちゃん」』 ニコッ

 
 
 

 照「......」 ポロッ

携帯 ガシャン!!

 咲「ようやく見つけた...お姉ちゃん...」 テクテク

 照「......」 カタカタ

 淡「...テルに認めてもらうためにずっと頑張ってきたんだよ...どうかな...」 テクテク

 照「......」 ズサッ

 玄「ふふふ、怖がらなくても良いんですよ...照さん...優しくしますから..」 テクテク

 照「......」 ペタン

 咲「......もう絶対に離さないから...覚悟してね?」 ギュッ

 淡「みんな〜紹介するよ!!私たちの婚約者の...」

 玄「宮永照さんです!!!」

ザワザワ ザワザワ

聞いたか? あの宮永照!? 行方不明だったあの? まさか一妻多妻をお目にかかれるとは...

ザワザワ ザワザワ

 はやり「なんだそういうことだったんだね♪お姉さんからも祝福するぞ☆」

 照「......」 カタカタ

 咲「とりあえずお姉ちゃんも一緒にこの番組に参加しても良いですか?」 ギュッ

 はやり「もちろん!これで視聴率もうなぎ登りだぞ☆」
 
 淡「テル、テル、テル」 ギュッ

 玄「照さん...好き」 チュッ

 
おぉ〜 ヒューヒュー 熱いなぁ 良かった良かった

 咲「......よかったね、お姉ちゃん...いまここにいる人たちや番組を見てくれてる人達に紹介できて...」

 咲「...これでもう...ニゲラレナイネ♪」 ニコッ

 照「......」 ポロポロ

 はやり「泣くほど嬉しかったんだね、お姉さんも感激だぞ☆」

 淡「」 玄「」 ニコニコ

 照「(どこで私は間違えてしまったのか...興味本位でサンプルを注文したとき、三人の告白を断ったとき...)」

 照「(思い出せばきりがないがこれだけは言える...あのサンプルはきっかけに過ぎなかった...遅かれ早かれこうなっていただろう)」

 照「...ようやく分かった...これが..ヤンデレ?」 ポロポロ

 咲「これからはこの四人で暮らすんだよ...一緒に結婚生活を楽しもうよ!」 ニコッ


終わり





これで終了です...これを読んで気分を害された方々には本当に申し訳ないです...反省します。

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