進撃のグルメ(12)
進撃の巨人と孤独のグルメを合体させてみました。
ものすごく安易なつなぎ合わせをあんまり考えずに書いてみたので、まあ暇つぶしと思ってお付き合いください。
じゃあ始めます。
BGMは↓↓を参考
http://www.youtube.com/watch?v=OoaoK8b63C4
出来ればループで。
845年
ここはウォールマリア、シガンシナ区の壁の外。
今ここで人類の歴史の中の重要な1ページが始まろうとしていた。
「シガン・・・シナ・・・。
こんなところに来てしまった・・・」
「確かさっき悲鳴みたいな声が聞こえて、他の巨人がみんな北に向かったらこ俺もこっちに来てみた。
何度かこの壁には来たことがある。
壁の中には何か旨そうなものが隠されている気がする。
ただ、俺の力じゃ壁を超えることは出来ない。
今この壁の中に初めて入った」
その話は30分ほど前に遡る。
その巨人は他の巨人とともに壁の外にいた。
見た目はやや細身の12メートル級の巨人。
ただ、その巨人がほかの巨人と違っていたのは、未だに人間の意識と記憶を持っていることだった。
彼は壁が出来て100年前後、何も食べずに、ただの12メートル級の巨人として過ごしていた。
「俺は人間・・・だった・・・はずだ。
思い出すのも億劫なほど昔・・・俺は人間だった」
「いろんなものを食べた気がする。
どんな歯ごたえだったか、どんな味だったか、もう忘れてしまった」
「この体になってから・・・何も食べてない・・・しかもここしばらく・・・いや、しばらくって・・・
どれくらいだ?1年?2年?10年?いやそんなもんじゃないはずだ?もしかすると100年いや1000年くらい経ってるんじゃないか?」
「しかし・・・いくら歳を取っても・・・いくら腹が減っても・・・俺はなぜか死なない。
それが辛いとも思わない・・・ここはどこなんだろうか?」
「あの世で・・・地獄で・・・そうならば・・・もう俺は・・・美味しいものなんて食べられないのかな?
しかし・・・地獄に行くような悪いことしたかな?・・・。
俺はただの・・・個人営業の・・・輸入雑貨商だった・・・はずだ」
「ただ・・・とにかく俺は・・・俺の意識は、たぶん生きている。
ただ・・・身長が・・・10メートルくらいあるけどね」
「それにしても、この体があれば牛一頭丸ごとの焼肉とか食べられそうだな?
「ヤキニク!?」・・・そうだ!いつだか忘れたけど食べたよ!
川崎の八丁畷だ!
思い出したら、お腹がペコちゃんだ」
「あ~~~おなかが・・す・・い・・た」
・ポン
・・ポン
・・・ポン
遥かなな時間を超えて空腹感を思い出したこの巨人の前に、その空腹をよそに、彼よりさらに大きな巨人が現れた。
それは皮膚が無くて、丸出しの、人の筋肉をむき出したような・・・
「あれ?・・・あいつやけにデッカイなあ・・・。
あいつ・・・見たことないぞ?
なんだ?壁に寄り掛かるようにして・・・」
「壁の・・・扉のところを・・・蹴ったぁぁぁぁ!!」
「そして・・・ものすごい蒸気だ・・・あれ・・・超大型の・・・あいつ・・・消えちゃった?
なんだったんだ?あれ?」
超大型巨人が蹴った後にはそうあることが当然なように、大きな穴が開いた。
「あのでっかいのが開けた穴に、巨人たちが殺到している。まるで巨人の行列だ・・・」
「行列の先・・・この先には・・・きっとおいしいものがあるに違いない。しかし、行列っていうのはあんまり性に合わないな。
並ぶか?・・・やっぱりやめるか?・・・あっ!
「あ」・・という間に行列が大行列だ。そういえば吉祥寺のコロッケの行列・・・思い出してきたなあ・・・」
「とにかく・・・こういう時は・・・考えることを放棄して・・・反射的に並ぼう」
「何も食わなくなって何十年か何百年か判らないが、この壁の中には・・・食べ物の匂いがする」
これが30分前から今までの話だ。
「ようやく壁の中に入れた。
クンクン・・・なんか旨そうな匂いがする」
「なんだか・・・モーレツに・・・腹が減ってきたぞぉぉ!!
どこかに・・・食えるものはないか?・・・美味しいものはないか!?」
「いや、焦るんじゃない!落ち着け!そうだ・・・俺は腹が減っているだけなんだ」
「思い出せ!
俺は今・・・何腹なんだ?」
「お・・・目の前に人が歩いている。
これは・・・食べ物だ・・・いいにおいがする・・・気がする。
たぶん・・・こいつは・・・食べ物だ・・・」
「食べ方は・・・知らない・・・いや・・・知っている。
本能が・・・巨人の本能が・・・知っている」
彼は目の前を走って逃げる人間を摘んだ。
摘み上げ
自分の口に
運んだ
「なんだあ・・・ウマイ・・・ウマイぞ!
人間ってウマイのか!
これは盲点だった・・・
このウマさをしらなかったとは・・・ガァ~~ンだな」
人間のウマさを知った巨人は、次々に逃げ惑う人々を次々に摘んで口に入れた。
「こいつはどうだ!?どんな味だ!?凄い!どの人間も違う味だ・・・それにしても悲鳴なのか?うるさいな?
「キャ~~」これがうれしい悲鳴ってやつか?」
これはどうだ?こいつは?こっちのやつは!?
空いてくよぉ~~!!
食えば食うほどもっと食べたくなるぞぉぉ~~!!」
彼はが喚起しながら人間を捕食していたが、その間に被捕食者は着々と非難していた。
「あれ?いつの間にか人間がいなくなったぞ?」
「モ・・ウ・・タ・・ベ・・ラ・・レ・・ナ・・イ・・・」
「そう思うと何か怒りのような感情がこみあげてくる・・・。
あれ?・・・俺・・・人間食べてたなあ・・・
そういえば・・・俺・・・人間だったなあ・・・」
彼の中に一つの言葉が思い浮かんだ
「共食い?」
「いや、でも・・今俺巨人だし・・・まあいいか?それにしても・・・いくら食べても腹は減らない
この体になってずいぶん時間が経ってるけど・・・俺ってなんなんだっけ?そうか・・・そうそう巨人だったよ」
人間だったのは過去の遠い記憶だ・・・もはやその記憶が本当だったのかも判らない」
面白いは面白いんだが、恐ろしく悪趣味な面白さだなオイ
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