堂島「清澄高校麻雀部同窓会か…」 (110)

咲×牌王伝説ライオンスレです
咲本編の10年後くらいだと思います
堂島さんに変なキャラ付けされたくない方、咲キャラと他作品キャラの絡みを見たくない方はそっとじ推奨
>>1は凍牌はコンビニとかにあるやつしか読んだ事ありません。矛盾とかあっても気にしないで下さい
>>1は凍牌、及びライオンによく見られるちょっとグロい描写がかなり苦手です。そういうの期待してる方はすいません
文章下手くそです
麻雀描写なんてできません
見切り発進です
初のスレ立てです。至らぬところありましたら指摘して下さい


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1375190004

―――とある雀荘にて―――

堂島「ツモ、リーチ一発ツモ大三元。赤1裏2、8000・16000の90万オールだ」

モブA「そ…その手で立直!?」

モブB「勘弁してくれ…もうパンクだよ…」

モブC「なんて打ち方だ…まるで…」


ライオン……。



堂島「やっぱ上がるなら役満に限るな。達成感が違う」

斉藤「相変わらずだな、堂島」

堂島「まあな…っと、電話?」

斉藤「堂島、お前電話なんて持ってたんだな」


彼の名前は堂島。
下の名前は不明、苗字も偽名らしい。
ホストのような外見と、派手な麻雀が特徴の男。
ちょくちょく高レート雀荘や裏の麻雀大会などに姿を現し、狩りをするように点棒と金をもぎ取っていく。
その通り名以外ほとんどが謎に包まれた男だった。

の、だが…。


堂島「はいはい、こちら堂じ…」

母『京太郎!!あんた今どこほっつき歩いてんのよ!?』

堂島「げっ…」


先ほどまでの態度と一変、苦虫を噛み潰したような顔を見せる堂島。
それは彼とそれなりの付き合いがある斉藤も見た事がないものであった。


斉藤「おい、一体だれからの電話…」

堂島「すまん、ちょっと待っててくれ」


そう言うと彼は、電話片手に路地裏に消えて行った。

ふと遼太郎の方かとおもた

―――路地裏―――

堂島「んで、いきなりなんの用だよ、母さん」

母『いきなりも何も、今まで何回電話したと思ってんの! 電話はアクセサリーじゃないっての!』

堂島「わーったわーった、分かったからあんま耳元でがなり立てんなって」


対局が終わったばかりで油断してた。
電話なんてロクな奴からかかってこないってのに。


堂島「んで、本題は?」

母『この前咲ちゃんが家に来てね。清澄元麻雀部で同窓会するからあんたも誘いたいんだと』


久しぶりに聞く幼なじみの名前に、指先が少し跳ねる。
いや、名前自体は今でもよく聞く。
しかし、『宮永プロ』ではなく『咲ちゃん』という響きは、えらく懐かしく感じた。

堂島「…へぇ、またえらく懐かしい名前だなぁ」

母『あの娘はプロで稼いでるってのに、あんたときたら…』

堂島「うっせ、俺だって仕送りはちゃんとしてんだろ」

母『金額と振込時期がランダムでさえなければ文句は言わないわよ』

堂島「…うっせ。んで、それを俺に伝えたかったと」

母『そゆこと。長野に帰ってきたら家にも顔出しなさいよ?』

堂島「いや、そもそも出るつもりは…」

母『じゃ、場所と時間はメールで送るから』


そういうと、さっさと電話を切られてしまった。

いつも思うんだが、どうして母親ってのは電話かけてくる癖に要件はメールで送ってくるんだろう。
通話料とか気にしてるのだろうか。
そんなことを思っていると、メールが送られてきた。
中身を適当にみて、さっさと携帯をポケットに仕舞いこむ。
路地裏を出ると、斉藤さんが待っていた。


斉藤「意外と早かったじゃない。誰からだったんだ?」

堂島「誰だっていいじゃねえか。それよか麻雀だ麻雀」

斉藤「さっきあんだけ勝ったってのに、まだ打つのか」


別に麻雀が打ちたかったわけじゃない。
ただ、あの時に置いてきた忘れ物から目を逸らしたい一心で、俺は卓に着くのであった。

堂島「うっし、今日はこれくらいにしとくか」


斉藤に別れを告げ、帰宅する。
今は適当なアパートを借りているが、ここもいつまで使うかは分からない。
この辺で打ち始めてから結構経つ。
それでもあいつの話しが入って来ないってことは、この辺りにはいないのだろう。

俺は、ずっとこんな生活を続けている。
新しい縄張りを見つけては、俺という罠を張り、成果がなければ縄張りを変える。
全てはあいつともう一度麻雀を打つため。もう一度あいつと楽しむため。


堂島「っつーわけで、同窓会なんぞに出てる暇はねぇんだよ」


誰に言い聞かせるでもなく、一人呟く。
近辺の雀荘は喰い尽くした。
次はどこにいこう。
そんなことを考えながら、彼は夢の世界に落ちて行った。

…ずいぶん懐かしい夢をみた。

高校時代、まだ俺がズブのド素人だった頃。
まだ麻雀の右も左もわからなかった頃。

手を伸ばしても届かない奴らがいた。
牌に愛された奴らがいた。

それらを目の当たりにする度、力の差を思い知らされて。
俺なんかじゃ届かないって、叩きのめされて。

だから、勝てない現実から目を背けたくて、ただ雑用に勤しんだ。

俺が勝てないのはしょうがない。
だって、強くなれないのだから。

自分のことで頭がいっぱいな部長が悪い。
部長のフォローが出来ていない先輩が悪い。
初心者に優しくない同級生達が悪い。
俺の希望を踏みにじる、天才が悪い。

本当は知っていた、本当は気づいていた。

俺は麻雀から逃げていた。
俺はあいつらから逃げていた。
俺は現実から逃げていた。
俺は弱さから逃げていた。
俺は、自分自身から、逃げていた。

知りたくなかった、力の壁を。
否定したかった、力の差を。

その時の俺は、麻雀に、部員たちに、現実に、弱さに、自分自身に喰われていた。

そんな自分を、変えたかった。
強い自分に、なりたかった。

だから、髪を切り、高校を辞め、長野を飛び出して、当てもなく彷徨い続けた。

麻雀を一から学びなおし。
雀荘でひたすら打ち続け。
時にはケンカも繰り返し。

そして、あの男に、出会った。

目を覚ますと、見慣れた天井。
住居と呼ぶには素朴すぎる、俺の寝床。
先ほどの夢を思い返し、また横になる。

俺は強くなった。
もう、あの時の俺じゃない。
もう、俺は逃げたりしない。
麻雀から、あいつらから、現実から、弱さから、自分自身から
逃げてしまう自分は、右足の指とともに切り捨てたから。


堂島「灯台もと暗し、案外長野にいるかもしれねえしな」

堂島「…久しぶりに帰ってみるかね、我が故郷に」

堂島「その前に、交通費と宿泊費、あと土産代と参加費も稼がねえとな」


こうして俺は、再び雀荘へと繰り出すのであった。

ぐあぁ、レスつかねぇ…
一応今夜はここまでです

おつです~

期待しています
頑張ってな

これは期待したい
凍牌さえ知名度低いのにライオンはもっと知名度低いから仕方が無い

期待してる

わわっ、4つもレスついてる
期待に応えられるよう頑張りたいです

ちょっと質問なんですが、清澄麻雀部との会話シーンでは

堂島「○○○」

ってのと

京太郎「○○○」

と、どっちが読みやすいですかねぇ

気が向いたら教えてください

ライオン好きだわ
普通に堂島でいんじゃね?じゃないと紛らわしいと思う


この発想はなかった
あの男って誰だろ

>>16
原作で考えれば堂島を名乗るきっかけになった『本物の堂島』だけど、何処までクロスしてるか分からないな
ライオン原作イベントやってるかも不明だし

そもそも高校中退で家出同然のことしてるっぽいのに同窓会の連絡が来るってことは中退したのは全国出場後?
それとも咲の独断?

期待してるわ 
頑張れ

色々と説明不足でしたね
「あの男」は本物の堂島さんです。ここの京ちゃんの使えもしない足の指を持ってった人です
一応時系列は
全国大会→その年のうちに京ちゃん家出→一年くらい独学→堂島さんと遭遇
で、ライオン本編よりは前のつもりです
その辺も書いていけたらいいなと思います

では、ちょろっと投下します
ほとんどプロットもないまま書け次第投下してますので遅いですが、ご了承ください

京太郎=堂嶋か…なら堂嶋の方がいいですね。
…人間島の2回戦は、えげつなかったなあ。

―――居酒屋『人間島』―――

咲「あ、久さん、お久しぶりです」

久「ふふっ、久だけに?」

和「これで女子は全員揃いましたね」

優希「あとは京太郎だけだじぇー」

まこ「んで、結局京太郎とは連絡とれたんかいの?」


長野県のとある居酒屋。
その一室に現在、5人の女性がいた。
プロ雀士が三人、近所の喫茶店の店長が1人と、キャリアウーマンが1人。
彼女らにはある共通点がある。
数年前、麻雀でインターハイ初出場にして優勝という伝説を残した高校。
その時のメンバー5人、即ち清澄高校女子団体の優勝メンバーである。


咲「一応連絡はついたみたいです。参加もするって聞きました」

優希「まったく、あの犬はどこをほっつき歩いてるんだじぇ」


しかし、清澄高校にはもう一人、知られざる男子部員がいた。
幻の6人目である。
大きな大会への出場記録はなし。
主な仕事は雑用全般、男にしかできない力仕事から、麻雀とは一切関係ない料理まで幅広くこなす男。
その男を、5人は待っていた。

和「須賀君はまだ麻雀やってるんでしょうか」

まこ「京太郎には色々苦労させてきたからのう。今も麻雀を楽しんでくれていればいいんじゃが」

久「麻雀ねぇ。私はもう趣味の範囲でしかしてないから、今やったら優希にも負けそうね」

優希「ふふん、私は今もなお進化の途中なんだじぇ」


そんな話しをしていると、不意に襖が開く。
まだここにいない6人目の男の登場かと、みんなが目を見やる。


堂島「おっ、みんな揃ってんじゃねーか」


そこにいたのはホスト風の男。
一瞬、空気が凍りついた。

声にこそ出ていないが、「誰?」という感じだ。


堂島「ん? どうしたみんな、そんな鳩が猟銃喰らったような顔して」

優希「それ、間違えなく死んでるんだじぇ」

久「というか、貴方、もしかして…」



堂島「おう、もしかしなくても俺が堂島…じゃなかった、須賀京太郎だぜ」

再び凍りつく空気


咲「と…とりあえず座ってよ、京ちゃん」

堂島「お、おう。てかなんだよこの微妙な空気は。ちゃんと空気暖めといてくれよ」

優希「少なくともお前が来るまではあったかかったんだじぇ」

久「ま…まずは座りましょうよ、先に飲み物頼んじゃいましょ」


だが堂島、もとい京太郎は中々座ろうとしない。
というか、靴を脱ぐのを躊躇っているように見える。


和「? 足がどうかしたのですか?」

まこ「ほれ、早く座ってくれんと注文出来んじゃろが」

堂島「あ、あーーっ、あれは一体何だぁ!?」


そして突然正面の壁を指さす京太郎。
他の5人がそちらを振りむいたその時、彼は動いた。


久「? 和のポスターがどうしたの…ってあら?」

咲「うわっ、びっくりしたぁ…」

優希「お、おう、いつの間に」

堂島「いや、やっぱり和はアイドル扱いなんだなって驚いただけだ、はっはっは」


気がつくと、座敷で胡坐をかいている彼。
何事もなかったかのように、喋り出す。


堂島「さ、俺も座ったことだし、早くなにか頼もうぜ」

まこ「お…おう、そうじゃのう」

久「と、とりあえず最初は生でいいかしら?」

堂島「俺は構わねえぜ………ですよ」

咲「…京ちゃん、敬語使うの下手になった?」

和「というか今普通にタメ口でしたよね?」

堂島「うるせぇ、お前らも生でいいのか?」


同級生のなんとも言えない視線を受けながら、彼は呼び出しボタンを押した。

んにゃあ、頭の中の言葉が文章にできない
とりあえずはこの辺まで
もし文章がまとまれば夜にまた投下するかもです

人間島2回戦は寒気したけど最後の天和がかっこよすぎたので好きです

乙です


期待してる


このキャラ付はちょっと新しいと思った


京ちゃん元々若干チャラかったんだし、ホスト風になっててもそんな驚くなよww

高一で家出して(メンバーには)約10年間音信不通なんてヤーさんとかになっててもおかしくないんだし


見た目堂島さんならチャラいというか
目つきの悪さとかでガラ悪い方向になってるから心情は理解できると思った

白スーツ金髪とかどう考えてもやくざです本当にありがとうございました

思ってたより早く帰宅できたのでぼちぼち続き書いていきます

堂島さんと京ちゃん、似てるかと言えば正直微妙なんですが、やっぱり一番違うのは目付きだと思うんですよ
だからみんなは違和感を感じたんだと思います

久「では改めまして、清澄高校元麻雀部同窓会を始めたいと思います」

久「みんなグラスは持ったわね? それじゃあ音頭は…咲にとってもらおうかしら?」

咲「ふぇ!? そそそんなこといきなり言われても…」

堂島「カンパーイ」

久まこ優希和「「「「かんぱーーーーーーーーいっ!!!!」」」」

咲「ふえぇ…」


ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ、っという音が聞こえてきそうなほど豪快な飲み方をしているのは久と京太郎。
半分くらい飲んで料理の注文をし始めるまこ。
ビールは苦手ということでカクテルを頼んだ元一年生女子達は、最初の一口以降、手が止まっている。


堂島「っ、かーーーっ。うめぇ!! ビールなんて飲んだの久しぶりだぜ」

久「いい飲みっぷりじゃない、須賀君。もしかしてブタとかやってた?」


ブタ、つまりホストで酒飲んで場を盛り上げる担当。
ホストでまったく指名されなければこうなるらしい(実際どうなんかは知らん)


堂島「ブタどころかホストすらしたことねーよ。んなに俺の服装ってホストっぽいかねぇ」

久「その格好じゃ残念ながらホスト以外の職業って思いつかないわね。実際なにしてるの?」

堂島「実際に働いてるわけじゃねーからな、半分ニートみたいなもんだと思っといてくれ…です」

久「ありゃ、以外ね。須賀君の技能なら就職先はいっぱいあるでしょーに」


主に体力方面でね、と彼女はくすくす笑う。
そんな会話に割り込んできたのが、咲だ。

咲「ふふーん。そんなこと言っちゃっていいんですか? 京ちゃんが辞めたとき一番心配してたのは久さんだったくせに」

久「ちょっ、咲っ」

堂島「? そうなのか、以外だな」

咲「自分が雑用押し付けすぎたせいだーって、一時期は目の下のクマがすごかったんだから。ねぇ、久さん?」

久「そういう咲だって、須賀君捜しに行くっていって退部届まで準備してたじゃない」

咲「結局京ちゃんの両親に止められちゃいましたけどね。『あいつが選んだ道だから、今は見守っててくれ』って」


へぇ、それは予想外だ。
俺が家出ようとした時はあんなに反対してたってのに。
なんだかんだであの二人は俺の味方だったってわけか。
…せっかく長野に帰ってきたんだし、久しぶりに親孝行でもしますかね。


咲「で、結局どうだったの京ちゃん。出て行ったあと、大きなケガとかしなかった?」

堂島「…ノーコメントで」

久「それ、自白してるようなもんよ? 見たところ両手足はあるようだけど…」

優希「お、京太郎の話しか? 私たちにも聞かせるんだじぇ」

和「須賀君以外のみんなは定期的に連絡もとってますしね。須賀君には今までの分も話してもらわないと」

まこ「そうじゃのう。聞かせてくれんか? 学校辞めた後の経緯を」


気付けばみんなが俺の事を見ていた。
仕方ねえ、少しだけ聞かせてやるか。
俺の、須賀京太郎の、堂島の、武勇伝を。

まずは高校を辞めた後、髪の毛を切ったこと。
有り金全部使って目的地もなく長野を飛び出したこと。
独学で麻雀を勉強したこと、時には喧嘩もしたこと。

麻雀が強くなっていったこと
調子に乗っていたこと、その時には麻雀でほとんど負けなくなっていたこと。
麻雀と喧嘩の日々に明け暮れていたこと。
そして、あの男と麻雀を打って、負けたこと。

堂島「いい勝負したとは思うんだがなぁ。蓋を開けて見れば完敗だった」


賭け金がカラーコピーしたお札だったこと。
その男に麻雀をやめるか、『痛い目』を見るかを選ばされたこと。


久「い…痛い目って…?」

堂島「それを言わないためにぼかして言ってんだよ…です」

咲「無事だったの…?」

堂島「まぁ、ここに俺がいるってことは無事だったんだろうなぁ」


そのあとは適当にごまかしながら話した。
和がSOASOAいってたりもしていたが、その辺もキンクリ。
経緯はどうであれ、麻雀打ってただけだしなぁ。


優希「なんというか、世紀末に生きてるな」

まこ「よう生きてたな。そんな生き方して」


堂島「…さ、そんなことより飲もうぜ! お前らもなんか飲めよ」


その後は酒飲んだり飯食ったり。
これ以上俺の話題にならないよう、俺は精一杯場を盛り上げるのであった。

久「それじゃ、とりあえずここで解散ね。みんな気をつけて帰るのよ~」

和「久さん、もうみんな子供じゃありませんよ?」


それから4時間後、同窓会を称した飲み会は解散となった。


優希「京太郎~、私を家まで送ってくんだじぇ」

堂島「悪ぃな、車は家の近くの駐車場に置いてあんだ。歩いて帰れ」

咲「それ以前に飲酒運転だからダメだよ」

堂島「それ以前に無免許だから問題ない」

久ま咲優和「「「「「大問題だ!!!!!」」」」」


そうしてひとしきり笑って、それぞれ帰路についた。
部長はまこ先輩と、優希は和と、そして俺は、咲と。


咲「それにしても、京ちゃん見た目変わったよね。主に目付きが」

堂島「またそれか。つかお前は見た目まったく変わんねえな」

咲「女の子ですから」

堂島「いや関係…なくもねえのか。成長期がなんとかってやつか」


こうして二人きりで話すのは何年ぶりだろう。
ここ数年、社会的に危ない奴か、精神的に危ない奴か、色々危ない奴としか話した記憶がない。


咲「でも、圭なんて子、インターハイ出てたかなぁ。去年実況したときはいなかった気がするけど」

堂島「あぁ、あいつはそんな大会に出るような器じゃねえよ。二つの意味でな」

咲「むぅ、そんな大会とは聞き捨てなりませんな。京ちゃんなんて県予選で負けてたくせに」

堂島「あの時はあれで精一杯やってたつもりだったんだがなぁ。やっぱ色々ぬるかったんだろな」


苦い過去の思い出。
まだ俺が須賀京太郎だったころ。捕食される側だったころの話。
今になって思い返してみても、情けねぇ。


堂島「ただ、あの時はあの時で楽しかったとも思うな。なにも背負わず、ただ打ちたいように打ってた」

今の俺は、麻雀に自分の全てを賭けている。
それは裏を返すと、自分そのものを背負いながら生きているということ。
辛いと思ったことはない。
苦しいと思ったこともない。
ただ、俺には違う生き方もあったんだと、ふと思い出した。

咲「…京ちゃんは、今、楽しい?」


不意に、咲が呟く。


堂島「あぁ、楽しいぜ。麻雀を打つことが、これ以上なくな」

また文章が途切れたんで、ちょっと休みます
今日中に復活できるかは分からないです

ちょっとだけ書けました。
これだけ投下します

それからも色んなことを話した。
プロの話し、家族の話し、俺が辞めた後の話し、明日の予定。
そして、気付けば俺たちは咲の家の前まで来ていた。


咲「送ってくれてありがとうね、京ちゃん」

堂島「お前みたいなちんちくりん、一人で帰すわけにもいかねーだろ」

咲「あ、ひっどーい。私だってたまには傷つくんだよ?」

堂島「そりゃ申し訳ありませんでした、お姫様」

咲「なっ…」


懐かしい呼び方。
昔はこうやって馬鹿してはしゃいでたなぁ、と思い返す。
あ、今でも馬鹿はよくやってるわ。


咲「そういう不意打ちはずるいよー」

堂島「なに言ってんだか。さっさと家入んな、子供は寝る時間だぞ?」

咲「ふんだ。…おやすみ」

堂島「おう、おやすみ」


さて、後は家に帰ってこれを家族に渡すだけだ。


父さんは俺と同じ酒を飲めるのをずっと楽しみにしてたな。
母さんは俺が立派になって帰ってくると信じてくれてたな。


服装ばっちし、靴も高級品、酒は父さんの大好きだった麦焼酎。
さ、須賀京太郎、帰宅しますか。



この時、俺の後ろをつけていた影に、俺は気付かなかった。

だめだ、全然文章が出てこないの
安価スレのイッチとか本気で尊敬する
話し細かく刻んじゃってごめんなさい
次の投下がいつになるかは分かりませんが、そんなに長い話しにはならない予定なので、割と短いスパンで投下すると思います
あまり期待せずに待っていてもらえれば幸いです
それでは、おやすみなさい

おう、待ってやるよ

大学生もようやく夏休みです
なので、ちびちび投下していきたいと思います

あと近麻読んでたら、志名坂さんが新しい漫画書いてるじゃないですか!
果たして堂島さんは出てくるのか?
あとグロシーンはなしで(懇願)
…と思ったけど、一話目からバットとポン刀…こりゃだめだ

すいません
投下するって言った直後に、ちょっと野暮用が出来てしまいました
ちょっと後にまた投下します

それでは今度こそ投下します

10年ぶりに親と対面した翌日。
俺は便宜上本来の目的である人探しをすべく、適当な雀荘を探す。
まこ先輩の雀荘は…行かなくていいや、あそこノーレートだし。


堂島「打てるか?」

店長「あぁ、ちょうど今空いたところだよ」


卓に着こうとすると、ちょうどテレビが目につく。


TV『本日のゲストは宮永咲プロと原村プロです』

咲『ここここんにちは』

和『こんにちは、咲さんは少し落ち着いて下さい』

TV『仲良いですね。お二人は、高校時代同じチームメイトだったとのことですが、今でもプライベートでのお付き合いは?』

咲『そ、そうですね。今度も元チームメイト達で同窓会します』

和『まぁこの番組が放映される頃にはすでに過去の話しなんですけどね』

TV『ははは、それでは本題に入りましょう。さっそくこの牌譜をご覧ください』


なんとなく見ながら打っていると、雀荘の店長が声をかけてくる。


店長「この娘たち、長野出身の雀士なんだよ」

堂島「…へぇ」

店長「清澄高校、って知らないかな? 10年くらい前に女子団体が初出場でインターハイ制覇したって、話題になったんだけど」

堂島「聞いたことはあるな」

店長「まぁ一人だけ男子部員もいたらしいんだけど、その子はインターハイが終わった少しあとにやめちゃったらしいよ。あくまで噂だけどね」

堂島「そうか」

店長「やっぱ実力が違いすぎると居心地悪いのかねぇ。まだその子も麻雀やってるのかなぁ」

堂島「…もしそいつがまだ麻雀をやっているのなら、もう10年近く麻雀打ってることになるんだろ?」


ツモ、と口にする


堂島「なら…せめてこれくらいのアガリはできるようになってて欲しいもんだ」



店長「め…メンピン一発ツモに一通、ドラが3つと赤1…」

堂島「裏が…3つで、8000・16000」

モブD「うわぁ…えげつない」

モブE「まじかよ、見ない人だからてっきりカモかと思ったのに…」

堂島「ははっ。ところでこの辺で強いやつがいるって噂のある雀荘、もしくはここより高レートな雀荘しらねえか?」

店長「うーん、高レートはあんまり聞き覚えないけど、強い人が来るって雀荘なら一つ心当たりがあるよ」

堂島「マジか!? 教えてくれ!!」

店長「いつもいるわけじゃないよ? たまに来たら凄い噂になるけど」

堂島「構わねえ構わねえ、早く教えろ」

店長「まぁちょっと落ち着いて、簡単な地図でも書くから」


噂になるほど強いやつ、つまりあの男の可能性もある。
そんなことを思いながら店長が書いた地図を受け取る。


堂島「ありがとよ、んじゃ」

店長「あ、待ってくれ。名前を聞いてもいいかい? 君のような強い雀士を見たのは久しぶりだ」

堂島「おっと…俺の名前は堂島。近所のやつに自慢でもしてやってくれ。んじゃな!」

店長「あ、待ってくれ、まだ…」


店長が何か言おうとしていたが、こっちの用事はすべて終わった。
店の裏に止めといたポルシェに乗り、俺は地図の場所を目指した。




店長「…その店、ノーレートだよって、伝えなくてよかったのかな?」

まこ「お、いらっしゃ…おぉ、京太郎! 打ちにきてくれたんか」


手書きの地図をみて辿り着いた場所。
そこは麻雀喫茶『Roof-top』という雀荘であった。

いや、はっきり言おう。
そこはまぎれもなく、まこ先輩の雀荘であった。


堂島「じゃあ強いやつってのは…」


まこ「丁度いい。たった今プロがフリーになったところじゃ」

和「あら、須賀君。昨日ぶりですね」

優希「おぉー、やっぱり京太郎も打ちにきたか」

堂島「…やっぱお前らだよなぁ」


そりゃ雀荘にプロが二人も三人も来れば、噂にもなろう。
元々カツ丼大好きなプロが常連だった店だ。信憑性だってある。
逆に、あの男がノーレートの雀荘に来ることは考えにくい。
つまり…


堂島「とんだ無駄足だったってわけか」



まこ「なんじゃ、打っていかんのか?」

堂島「今は気分が乗らねえんだよ…です」

和「そうですか…残念です、咲さんも来ませんし」

優希「せっかく咲ちゃんとのどちゃんがテレビに出るから集まろうって言ってたのに。もう番組終わっちゃったじぇ」

堂島「…へぇ、昨日は久しぶりにまこ先輩のところ行くって楽しみにしてたけどなぁ」

和「もうすぐ久さんも来ますし、さっきから電話しているんですが…」


電話を取り出し、耳にあてる和。
しばらくコール音が聞こえていたが、電話に出る様子はない。


和「やっぱり咲さん、出ませんね。いつもなら3回くらい電話鳴らせば寝てても起きるのに」

優希「うーむ、一体何があったんだじぇ?」

まこ「ちと様子を見に行ってみるか?」



堂島「んじゃ俺が行ってくるわ。車あるし」

和「あ、それなら私も…」

堂島「もうすぐ部長も来るんだろ? 先に4人で打っといてくれよ」

優希「むぅ、じゃあ京太郎に任せるじぇ」

堂島「任された」


俺は扉を開け、店の前に置いていた車に乗り込み、咲の家に向かうのであった。

優希「おぉー、かっこいい車だじぇ」

和「ポルシェでしたっけ? 私も詳しいわけじゃないですけど…」

優希「その名前はなんか聞き覚えあるじょ」

まこ「…京太郎、確か免許持ってないとか言っとらんかったか?」

和ま優「「「………………」」」

和「…見なかったことにしましょう」

優希「知らぬが花、なんだじぇ…」

昨日ぶりに訪れる宮永家。
家の前に車を止め、インターホンを鳴らす。

返事はない。

もう一度ならす。

やはり返事はない。

試しに玄関の扉に手をかける。
なんの抵抗もなく開く扉。

ここまでくれば直感で分かる。
………これ、ダメなやつだ。

傘立てから二本、ビニール傘を手に取り、靴も脱がずに家に上がる。

廊下、誰もいない。

トイレ、誰もいない。

風呂場、誰もいない。

台所、誰もいない。

ビニール傘を一本捨て、フライパンに持ち替える。

リビング、誰もいない。

誰もいないが、異様な散らかり方が気になる。

和室、誰もいない。

階段、誰もいないっぽい。

フライパンで頭を庇いながら、上へ。

廊下、誰もいない。

和室、誰もいない。

トイレ、誰もいない。

『咲の部屋』、誰もいない。

『照の部屋』、誰もいない。

八畳間、誰もいない。

僅かな希望を込めてベランダを見るが、当然誰もいない。

庭を見渡すも、誰もいない。





……

………俺ノ後ロニ、誰カイル…

堂島「オラっ!」


振りかえると同時にビニール傘を思いっきり投げつける。
丁度鉄パイプを振りかぶっていた男の上半身にクリーンヒットした。


そのままフライパンを振りかぶり、防御しようとする男の顔面に膝を叩き込む。
蹴られた勢いのまま、尻もちをつく男。
こうなりゃもう負けはねえ、喧嘩は相手こかしゃあ勝ちだ。
もう一度フライパンを振りかぶると、相手が口を開く。


待ってくれと、殺さないでくれと。
こっちには人質もいると。外には仲間もいるぞと。
今は手を出していないが、お前が手を出せばどうなるか分からないと。


とりあえず振り上げたフライパンを下ろし、話しを聞くことにする。
外にいた奴も中の異変に気付いたらしく、俺の所へやってきたが、こっちにだって人質がいる。
まぁ、まずは話せ。お前らのことを。

聞いた話しをまとめると
・やっぱ咲は誘拐されてた
・誘拐犯たちの狙いは俺
・犯人はこいつら含め5人
・俺に対して、どこで買ったかもわからない恨みを持っている。どうやら麻雀関係らしい
・あくまで麻雀で恨みを晴らしたいらしい…そこ、ご都合主義とか言うな


ま、長野の綺麗すぎる空気の中でちょっと居心地悪かったところだ。
やっぱ俺には、こういうのが合ってるんだろう。


堂島「ごちゃごちゃした話しは後でいい。まずは俺を、咲の所へ連れてけ」

今日はこのくらいで。
やばい、もうすぐ話し終わっちゃう。
もうちょっと長くなるかなぁと思ってたんだけど、書いてみると文章って予想以上に少ないのね。
もし他にSS書くことがあったら、その時はちゃんと書き溜めしよう、そう思った。

もしまた頭に文章が浮かんできたら、今夜また投下するかもです。
可能性は限りなく0に近いで須賀。


咲に手を出すとは命知らずな……


ライオンスレとか俺得
近麻オリジナル置いてる店が近くにないんだよなぁ

おっつー
近麻コンビニ売ってね?

ラピュタのロボットがめっちゃ出てくるシーンのロボットの動きって、ホモォ…って感じですよね
あとシータは髪切った方が可愛いと思います。ムスカとは趣味が合いそうだ。

というわけで、ちょっとだけ投下しようかな。

堂島さんをチョイスとは…この>>1は良いセンスをしている

咲(こんにちは、宮永咲です)


咲(突然ですが私は今、監禁されています)


咲(今朝、急に押しかけた男の人たちに、誘拐されてしまったのです)


咲(幸いなのか、不運なのか、親は旅行中。お姉ちゃんも東京にいます)


咲(つまり、誘拐されたのは私一人です)


咲(はっきり言って、かなり怖いです。涙目です)


咲(こんなことになるんだったら、和ちゃんの家に泊めてもらうんだったよ~)


咲(でも、不思議と不安はありません)


咲(…だって)


咲(だって、私には…)




堂島「待たせたな、お姫様」




咲(金のたてがみを持った、王子様がいてくれるから)

堂島「ここに咲がいるのか」


男に連れられ、たどり着いたのは廃墟のような建物。
俺が長野にいたときはまだ普通のビルだった気もするが、時代の流れってやつか。


堂島「んで、咲はどこにいるんだよ」


廃墟の階段を上がりながら、男に問いかける。
だが男は、勝負が終わるまでは教えられないと、意地悪く笑うだけだ。
とりあえず、咲になにかあったらお前ら全員[ピーーー]と、釘だけ刺しておく。
勿論手を出してたら[ピーーー]。

階段を上がって案内されたのは、薄暗いフロア。
部屋の中央に置かれた雀卓には、すでに三人の男が座っている。
当然、空いてる最後の椅子が俺の席だろう。


堂島「? お前らは俺に恨みをもってるんだよなぁ?」


そうだ、と上家の男が言う。
対面、下家のやつらも憎しみを込めた目で睨んでくるのだが…

…まったく覚えがない。
というか覚えてない。

どうやら凍牌にもライオンにも取り上げられないような三下らしい。
そりゃこんな奴らには負けんわ。



ルールは赤ドラ4枚、多家和無し、アリアリ、ダブル役満無しの数え役満はあり。
多家和無しって部分が若干気になるが、特に問題のあるルールではない。
半荘一回の点数勝負。
俺がトップを取れば、咲を返してもらう。
逆に俺がトップを取れなかった場合、咲は返してもらえない。
金も指も賭けない、しかし大切なものを賭けた麻雀。


…思えば、自分以外の誰かの為に麻雀を打つのは初めてかもしれない。


何も背負わずに麻雀を打ってた高校時代。
後付けとはいえ、自分の指を賭けたあの男との闘牌。
それからは自分自身を、須賀京太郎を、堂島の名を背負って戦ってきた。


だが、今日は違う。

今だけは、この瞬間だけは、俺は、俺以外の、一人の女の為に戦う。

不利な条件、数の暴力、背後の男たちにより手も筒抜け。
ただ、それだけ。


堂島「んじゃ、始めるか」


男たちが、ニヤリと笑う。

運命の賽が、投げられた。

と、今夜はここまでです。
sagaがないのは仕様です。
仕様なんです。
決して忘れてたけど、見せ場だし投下しなおすのかっこ悪いとか、堂島さんってあんま格下相手に敵意(殺意?)を明確に表すキャラじゃないからこれでもあんま違和感ないし別にいいよねとか、牌王伝説ライオンは多少コメディ色を含んでるからこれも一つの演出ってことで上手く誤魔化せるだろうとか思ってるわけじゃないんですぅぅぅぅ。

あと4~5回の投下で完結しそうですね。
また暇を見つけては書いていくので、期待せずに待ってて下さい。

おつやでー

夜分遅くにすいません。
デート後特有の謎テンションで、筆が大分進んでしまいました。
なので一気に投下していっちゃいます。

ロン、という声が上がる。
上家が下家の牌を指して、手牌を倒す。

役は喰いタンのみ。
しかも捨てられたのは俺の当たり牌。

隠す気もない、チームプレイ。
俺の後ろにいる二人が待ちを三人に伝え、下家は当たり牌を抱えベタ降り。
対面と上家は当たり牌を抱えながら安手を作り、俺がツモる前に頭ハネで場を流す。

チャンタ系の役は下家が4・6を先に切ってくるため使えない。
字牌の単騎待ちやドラ単騎待ちも振り込みを誘う効果は期待できない。

まるで中二病が「俺、TUEEEEEEEEE!!」するために用意したかのような、過剰なピンチ。
和了れない、和了れない、和了れない

三人は俺に振り込むことなく、仲間内だけで和了を回し、俺に何もさせないつもりらしい。
勝負が半荘一回なのも、他家和が無しなのも、こうやって俺に反撃の機会を与えないためのものか。

ツモ、と対面の男が宣言する。
相変わらずの安手。
鳴きによる速度の違いも大きい。


どこかの偉い人が、鳴きってのは自分のツモ順以外でツモることと言っていた気がする。
確かに、欲しい牌が確定で鳴けるのであれば、それは一巡の内に三回ツモっているに等しい。
三人で打つからこそ出来る、合理的な戦略。
俺も一度だけ満貫をツモり和了ったが、それ以降和了はない。


堂島「…随分調子いいじゃねえか」


三人は、にやにやと笑い、戯言をのたまう。
卑怯とは言わせない、と。
これは勝つための一つの手段でしかない、と。
罠にかかったお前が悪いのだ。と。


堂島「卑怯とは言わねえよ、でもな…」


そう、確かにこれは何よりも分かりやすい合理的な作戦だ。
和了られる確率を極限まで減らし、和了る機会を可能な限り増やす。
だが、それが勝ちに直結するかといえば、否。
それはあくまで勝ち筋を作っているに過ぎない。
勝率を上げる事は、即ち勝てることではない。

そう、偉い人はこうも言っているのだ。


堂島「3人で囲めば勝てる…バカじゃねぇのか……?」

堂島「そういうこざかしさとは無関係のところになぁ…強者は存在するんだよ!」

なんてかっこつけてる間に南三局。

トップの上家とは31300点差。
親は対面、7700点しかないためこいつを飛ばされたら負けだ。

配牌は…全体的に筒子の下の方に寄っている。
5萬の赤と、字牌が少々。
ドラは4萬、残念ながら手には入っていない。
悪くない手だが、逆転には足りない。

普段の打ち方なら、筒子を集めて混一、一盃口あたりのおまけ役に裏ドラが乗ってハネ満から倍満くらいまで押し上げる手だが、今回は厳しい。
放銃が期待出来ない以上、俺がツモるしか勝つ方法はない。
しかし、倍満では逆転する前に対面がトんで終了。
ハネ満でもオーラスで2000点の手に振り込むだけで終了。

かといって安手で流しオーラスで逆転するのも難しい。
親番を二回とも安手で流されたのが響いている。

つまり、一番現実的な方法は、この手を役満に仕立て上げること。
普通に考えたら、間違いなく不可能なことだ。


だが、今の俺は負ける気がしなかった。
この配牌から導ける勝利のヴィジョンは、もう見えている。


堂島「さぁ、てめえらに見せてやるよ」


堂島の、ツモを。

信じられない光景だった。

ツモる、ツモる、ツモる。
まるで吸い寄せられるかのような筒子ツモ。
字牌を早々に処理した時点で、狙いは清一に絞られる。

そして同じように、ツモれない、ツモれない、ツモれない。
手が進まない。安手が作れない。
堂島の手は全て見えている。その上で、止まらない。

気付けば堂島の手は、筒子一色。
一筒3枚、二筒4枚、三筒4枚、四筒五筒が一枚ずつ。
1,4,5,6筒待ち。
そしてこの流れなら、堂島は必ずツモる。

だが、まだ勝つ手段は残されている。
この勝負は、堂島がトップにならなければいいだけの勝負。

一番怖いのは、堂島の役満ツモ。幸いまだあの手は、役満まで育ってはいない。
しかし奴は、あの手を役満にまで育てるつもりだろう。
手変わりを期待して立直をかけていないのが、その証拠。

ならば早い話し、堂島がトップを取れないように、先に振り込んでしまえばいい。
オーラス勝負は少し怖いが、こちらには一巡三回のツモがある。
点差は30000点以上、逆転はほぼ不可能。

一番理想的なのは、トビが視野に入っている対面の放銃。
だが、負けが確定する和了を堂島がするとは思えない。
そこで次に有効なのが、下家の放銃。
上家と違いまだ20000点以上ある下家の放銃であれば、堂島だって和了るだろう。
ハネ満でもトップとの点差は19000点以上。
つまりオーラスで倍満の出上がり、ハネ満ツモ、満貫直撃でもなお逆転出来ないということ。
なおかつ、仲間内での振り込みより先に和了らなければならないということ。
どれほど堂島のツモが太くとも、この条件をクリアするのは厳しいはずだ。
そして堂島のことだ。オーラスでも三倍満をツモ和了りできると思っているに違いない。
普段のお前なら可能だろう。だが、3対1のスピード勝負では、それはあまりにも荒唐無稽な話だ。


そして都合よく下家が一筒を引き当てる。
これを振り込めば、俺たちの勝ちだ。

上家の男が一筒を河に捨てる。
堂島が和了宣言をしたその瞬間、勝負が決まる。



そして、堂島が、口を開いた。




「――――槓っ!」



と。

堂島が宣言したのはロンではなく、カン。

すぐさま一筒を倒し、横につける。
そして堂島の新たなツモは、四筒。


堂島「さらに、カンっ!!」


二筒を倒し、新たなツモは、再び四筒。


堂島「もういっこ、カンだぁ!!!!」


三筒を倒し、嶺上牌に手を伸ばす。


堂島(お前は、これで全国の切符を掴んだんだよな)


堂島(なら、俺は…)


堂島「この嶺上牌とともに、お前の腕を掴んでいってやるよ!!」


その手に握られたのは、まるで花びらのような、赤い五筒。

「清一」


「対々」


「三暗刻」


「三槓子」


「赤1」


「嶺上開花」



堂島「五筒開花は…あってもなくても変わらねえか」




堂島「13翻で、数え役満だ」

というわけで、下手くそな麻雀描写でした。
相手の待ちはなんだとか、捨て牌三種の声だとか、そんな濃厚な描写は俺には無理です。
一応点数だけはメモしながら描書いたんで、ミスはなかったらいいなぁ(願望)
多分次の投下でラストかな?
色々ツッコミどころはあると思いますが、素人だからってことで許して下さい。
堂島さんがあんま喋ってないとか、堂島さんこんなに弱くねえだろとか。
本当は今日中に書ききるべきなんでしょうけど、明日は閃乱カグラのカードの大会があるので、寝ます。
おやすみなさい。

こら咲ちゃん運命感じちゃいますわ

良かった

咲さん「堂島って人私が倒しておいたから……だからもう頑張らなくていいんだよ京ちゃん……」なんてならなくて

おつ
堂島が嶺上しても普通に見える不思議

今夜も夜分遅くにこんばんわ。
今夜は投下はないのでsageで。
閃乱カグラの大会は交通費を行きの分しか準備できてないという正気を疑うようなミスがありまして、行けませんでした。
なので今日はずっと遊戯王とヴァイスしてました。
まぁこんな話はどうでもいいですね、二秒で忘れて下さい。

このSS、明日には終わらせられそうです。
かなり短く、内容も拙いSSですが、何人かレスしてくれた聖人のような方がいらっしゃいましたので、そのお礼にレス返しというものをしてみたいと思います。
「お前なに調子乗ってんの馬鹿なのお前のレス返しなんて求めてねえよ馬鹿」って方にはジャンピング土下座も辞さないです。

>>3
P4ですよね。なんとなく陽介と京ちゃんは気が合いそうなんて思ってます

>>11
あろがとうございます。期待に添えるラストが書けるようにあと一日だけ頑張ってみます

>>12
ありがとうごさいます。確かにどっちかっていったらマイナーですよね。>>1の中ではメジャーなイメージがありました。

>>13
ありがとうございます。期待に添えたものが提供できていたらうれしいです

>>15
質問に答えてくださってありがとうございます。ライオン面白いですよね

>>16
堂島さんは地味にポカやらかしたり抜けてたりするイメージがあったので、違和感はあまりないんじゃないかなぁと思ってやってみました

>>17
このレス、なんか色々先読みされてるんじゃないかと思ってびっくりしました。

>>18
ありがとうございます。期待されたものが出せていたのなら>>1も頑張れたということでしょう

>>21
質問に答えてくださってありがとうございます。>>1は痛みが想像できる系の描写はマジで無理です

>>26
乙って言ってもらえるのってすごくうれしいんですね。実際に体験するまで知りませんでした

>>27
ありがとうございます。期待されると歓喜と恐怖が同時に襲ってくるんですよね。いい体験です

>>28
もしかしたらキャラの描写が下手くそなだけかもしれません。違和感がなければいいのですが…

>>29
実際ヤーさんみたいなとこありますしね。椅子で人殴ったり

>>30
デスヨネー。そこが一番の違いですので

>>31
ほ…ホストですよー(小声)

>>43
ありがとうございます。一応早めの執筆は心がけるようにしました。

>>55
逆に咲ちゃんだから誘拐できたってのもあると思います。咲さん?誰ですかそれ

>>56
誰も書いてなかったので書いちゃいました。近麻は置いてある店とない店ありますよね

>>57
置いてあるコンビニが近くにあるとラッキーって感じですね

>>59
ありがとうございます。>>1の腕が堂島さんの魅力を消してなければいいのですが…

>>63
ありがとうございます。乙って言ってもらえるだけで元気になれます

>>72
むしろ運命を感じているのは京ちゃんかもしれないですね

>>73
咲さんコワイ…

>>74
咲ちゃんの嶺上牌が見えるのとは違って、堂島さんは見えなくても嶺上牌を強引に引き寄せるイメージですかね


長々と書いて申し訳ございません。
眠いので風呂入って寝ます。
頑張って明日完結させますので、期待せずに待ってて下さい。

こんにちはとこんばんはの中間くらいの時間に失礼します。
一応最後の分が書ききれましたので、投下していきます。
期待に添えるものかは分かりませんが、読んでやって下さい。

あい

その後、なんやかんやで男たちとドンパチを繰り広げ、咲のところに案内させる。
結局咲は上の階に監禁されていた。
咲の携帯から警察に連絡し、和にも電話をかける。
本来なら警察が来るまで待って事情聴取を受けるところだが、そうはいかない。
んなことしたら俺の無免許運転もバレちまう。
事情聴取やらなんやらは、少し未来の咲たちに丸投げするとしよう。

俺は急いで車に乗り、咲を乗せて『Roof-top』を目指す。
道中、話しかけるのが気まずかったので黙って運転していると、咲が口を開いた。

咲「京ちゃん…結局あの人たちはなんだったの?」

堂島「昔、俺に負けたやつららしい。覚えてねーけどな」

咲「…結構、ああいうことには巻き込まれたりするの?」

堂島「ああいうこと?」

咲「そういう、誘拐とか、危ないこと」

堂島「…あぁ、何度か経験はあるな。病院送りにされたこともある」


逆に病院送りにしたこともあるけどな、と笑ってみせるものの、咲の表情は暗い。

咲「…まだ、こういう生活を続けるの?」



堂島「……咲?」



咲「もうやめようよ、こんな危ない生活」

咲「せっかく長野に帰ってきたんだよ? やっと再開できたんだよ?」

咲「急に京ちゃんがいなくなってから、私ずっと寂しかったんだよ?」

咲「私だけじゃない。和ちゃんも優希ちゃんも久さんもまこさんも、みんなみんな心配してたんだよ?」

咲「今度京ちゃんに会ったら、京ちゃん一人に辛い思いをさせないように、みんなで京ちゃんを支えようって誓ったんだよ?」

咲「今まで同窓会した時も、いつも6名分で予約して、ずっと京ちゃんが来るの待ってたんだよ?」

咲「今回初めて京ちゃんが来てくれて、みんないつもよりはしゃいでた。和ちゃんのイッキ飲みなんて私初めて見たもん」

咲「麻雀だってすごく強くなったんでしょ? ううん、すごく強くなった」

咲「だって手牌を見せながら三対一でもトップ取っちゃうんだもん。そんなこと出来る人、プロでもめったにいないよ?」

咲「そうだ、プロ目指さない!? きっと今の京ちゃんならプロだって目じゃないよ!」

咲「もう私でも勝てないんじゃないかな? これじゃ今度から私が雑用係だね、なんちゃって…えへへ」

咲「…それなのにこんな危ない生活するのもったいないよ。せっかく強くなったのに、死んじゃったら元も子もないんだよ?」

咲「私は誘拐されたとき、すごく怖かった。京ちゃんだって、少しは怖いって思ったりするでしょ?」

咲「プロになろうよ。命なんか懸けなくても、命なんて賭けなくても麻雀打てるんだよ?」

咲「それに人探ししてるんでしょ? だったら有名になった方がいいよ!」

咲「昨日の居酒屋にも和ちゃんのポスター貼ってあったでしょ? まぁ、和ちゃんはちょっと例外かもしれないけど…」

咲「私だってテレビに出たりしてるし、プロになればそういう仕事もいっぱい入るよ?」

咲「きっとその『堂島さん』って人もテレビくらい見るでしょ? そしたら向こうからアプローチかけてくるかもしれないし」

咲「それに世間に顔が利くようになったら情報収集だって楽になるよ、きっと!!」

咲「それにね…それに…」

咲「…プロになれば…私と一緒にいられるよ?」

咲「京ちゃんは…私と一緒にいるの……いや?」

咲「私はもっと…京ちゃんと一緒にいたいよ?」

咲「もう絶対に京ちゃんに雑用を押し付けたりなんてしない。京ちゃんのこと、私が支えてあげるから」

咲「ご飯作ったり、朝起こしてあげたり、なんでもしてあげるから!」

咲「だから……もう危ないこと、しないでよ……心配…させないでよ…」


目に涙を溜めて、必死に言葉を紡ぐ咲。
10年間溜め続けた不安が、監禁された不安と重なって一気に溢れ出てきたようだ。

それでも…俺は…。

堂島「…悪ぃな、咲。お前が正しいのは分かる」


そう、咲は正しいのだろう。
俺は、間違っているのだろう。

プロになって、安定した生活を得て、名声を得て、目的を成す。
なにも間違っちゃいない、誰がどうみても正しい。


だが、俺はライオンだ。
俺は、須賀京太郎だ。
俺は、堂島だ。
俺は、俺だ。


例え間違っててもいい。
誰にも理解されなくてもいい。


俺は、俺の生き方を曲げたくない。
もしここで生き方を曲げてしまったら、今までの自分をも否定してしまいそうだから。


それが例え、破滅と隣り合わせの生き方だったとしても。
俺は、俺の生きた、俺の信じた道を行く。


堂島「だから俺は、お前らと同じ道は歩けねえ」

俺はそう言いきって、咲の方を見やる。
咲は、半泣きで、それでも頑張って笑顔を作って、言ってくれた。


咲「…ふふっ、やっぱり京ちゃんは強いね。麻雀がじゃなくて、心が」

堂島「あ? どういう意味だよそりゃ」

咲「あ、もちろん麻雀だって強いよ? でも、それ以上に京ちゃんは自我が強いねって意味」

堂島「…もしかして俺、馬鹿にされてんのか?」

咲「ち、違うよぅ。京ちゃんは芯が揺るがないっていうか、自分が正しいと思ったことを最後まで信じれるというか…」

堂島「………………」

咲「京ちゃんは、負けた時も、失敗した時も、上手くいかない時も、いつでも自分に誇りをもって生きれるんでしょ?」

堂島「………………」

咲「私にはそんな生き方できない。少なくとも、私は誇れない自分を変える為に高校をやめたりなんてできない」

堂島「………………」

咲「だから、臆病な私は、京ちゃんのような生き方に、少し憧れちゃう」


プライドの象徴のような。まるで、ライオンみたいな、ね。
と。



咲は、口にした。

堂島「…さ、着いたぞ」


ようやく『Roof-top』が見えてきた。
店の前には、清澄元麻雀部のメンツが並んでいるのが分かる。


咲「あ、ありがとう。京ちゃん」

堂島「どういたしまして」


店の前に車を止め、咲が車を降りようとする。


咲「あ、京ちゃん。そういえばもう一つだけ聞きたい事があったんだけど」

堂島「…なんだよ?」

咲「さっきの麻雀の最後の和了って、もしかして…」


なんだ、あれ見たのかよ。
思えば俺が咲の電話使って連絡とってる間、なんか咲がうろちょろしてたような気もするな。


堂島「まぁ、そういうことだよ」

咲「そういうことって?」

堂島「ほら、みんな待ってんぞ。早く声聞かせてやれよ」

咲「ちょっと、そういうことって一体…」


咲が言いきる前に、ドアが開けられる。
和や優希が待ちきれなくなって、外からドアを開けてきたようだ。


和「咲さん、怪我はありませんか?」

優希「咲ちゃん、怪我はないか?」


二人とも同じこと言ってやがる。
半ば強引に外に連れ出される咲に、俺はぼそっと呟いた。



「俺も、お前に憧れてたってことだよ…」

え?今何て?
そんなことを聞き返してくる咲を無視して、ドアを閉める。


堂島「また同窓会するようなら俺の親にでも伝えといてくれ。行けたら行くからよ」

咲「え? ちょっと、京ちゃん!?」

堂島「それじゃあな」


窓も閉め、車を走らせる。
咲たちのポカーンとした顔が、バックミラーに写っている。
そして、曲がり角を曲がってみんなが見えなくなった、車内で。


堂島「…一歩ずつ歩けば、亀でもなんとかなるもんよ」

堂島「ようやく追いついた。10年近くかかっちまったがな」

堂島「次はお前の番だ、堂島。首洗って、待ってやがれ!!」

こうして、長野で起こった二日間の出来ごとは、幕を下ろす。
この後、ライオンがどうなるかは、誰にも分からない。

もしかしたら、青年を新たな世界に導くかも知れない。
もしかしたら、狼と喰いあって、負けるかもしれない。
もしかしたら、骸と麻雀を打つかもしれない。
もしかしたら、コンビで卓を囲むかもしれない。
もしかしたら、鮫の水槽に入るかもしれない。
もしかしたら、過去の自分に出会うかもしれない。
もしかしたら、見知らぬ人々を、救い出すかもしれない。

だが、それはもし起こるとしても、きっとまた別のお話。


堂島の/
  /須賀京太郎の、過去と一区切りをつけるお話しは、ひとまずこれにて、おしまい。

くぅ~疲れま(ry
というわけで、一応これでこのSSは完結ということになります。
かなり短くなってしまいましたが、これが今の>>1の限界です。
意見や疑問、指摘などありましたらどんどん書き込んでください。
もしまたSSを書く機会がありましたら、参考にさせていただきますので。
そんなに読んでる人いないって?それもそうか。

html化依頼は明日か明後日に出すと思います。

乙乙ー
異色コラボで新鮮だったよ

乙ー
やっぱり堂島さんかっけー

小ネタ ~NGシーン集~

『つい、クセで』


彼の名前は堂島。
下の名前は不明、苗字も偽名らしい。
ホストのような外見と、派手な麻雀が特徴の男。
ちょくちょく高レート雀荘や裏の麻雀大会などに姿を現し、狩りをするように点棒と金をもぎ取っていく。
その通り名以外ほとんどが謎に包まれた男だった。

の、だが…。


堂島「はいはい、こちら堂じ…」

母『京太郎!!あんた今どこほっつき歩いてんのよ!?』

堂島「げっ…母ちゃん!?」

斉藤「……………」

堂島「……………」

斉藤「……………」

堂島「……今のは、忘れてくれ…」

斉藤「……おう」

『宥姉「あったかくない…」』



―――居酒屋『人間島』―――

咲「あ、久さん、お久しぶりです」

久「ふふっ、久だけに?」

咲和優ま「「「「……………………」」」」

久「えっ? ちょっ、なによその反応……」

堂島「おっ、みんな揃ってんじゃねーか……てなんだよこの微妙な空気は。ちゃんと空気暖めといてくれよ」

優希「久さんが戦犯なんだじぇ…」

『校長先生は長話がお好き』



久「では改めまして、清澄高校元麻雀部同窓会を始めたいと思います」

久「みんなグラスは持ったわね? それじゃあ音頭は…咲にとってもらおうかしら?」

咲「ふぇ!? そ、それでは不肖ながらこの宮永咲が音頭を取らせていただきたいと思います」

咲「え~っと、今回で通算8回目となりました、この清澄高校麻雀部同窓会」

咲「毎年このように集まる事ができるのも、私たち清澄高校の絆の深さあってこそだと思います」

咲「私は、麻雀でたくさんの絆を結びました」

咲「京ちゃんに連れられ、最初に麻雀部に入った時。和ちゃんに叱られ、もう一度麻雀を楽しもうって思った時。」

咲「お姉ちゃんや衣ちゃん、末原さんたちとも、麻雀のおかげで絆を広げたり、取り戻したりすることができました」

咲「あ、末原さんといえば、先日大阪で開かれた大会のついでに、姫松の練習風景を覗くことがあったんですよ」

咲「その時に末原さんが……」

堂島「……………」

咲「…………で、その時いくのんさんが絹さんに…………」

和「……………」

咲「…………だからセーラさんと洋榎さんが…………」

優希「……………」

咲「…………そこで怜さんとお姉ちゃんが…………」

まこ「……………」

咲「…………その時、豊音さんとすばらさんが…………」

久「…………先に、飲んどきましょうか」

和「そうですね」

堂島「カンパイ」

和優ま久「「「「カンパーイ」」」」



咲「…………というわけで結局成香と玄さんが涙目になってですね…………」

『送り狼ならぬ送りライオン』



咲「送ってくれてありがとうね、京ちゃん」

堂島「お前みたいなちんちくりん、一人で帰すわけにもいかねーだろ」

咲「あ、ひっどーい。私だってたまには傷つくんだよ?」

堂島「そりゃ申し訳ありませんでした、お姫様」

咲「なっ…」


懐かしい呼び方。
昔はこうやって馬鹿してはしゃいでたなぁ、と思い返す。
あ、今でも馬鹿はよくやってるわ。


咲「そういう不意打ちはずるいよー」

堂島「なに言ってんだか。さっさと家入んな、子供は寝る時間だぞ?」

咲「………ちなみに京ちゃんは、この後用事とかあるの?」

堂島「? いや、あとは帰るだけだが…」

咲「……………今日ね、家、私しかいないの」

堂島「………は?」

咲「お父さんとお母さんは旅行、お姉ちゃんはまだ東京にいるから」

堂島「え? はい?」

咲「京ちゃん。私もね、もう子供じゃないんだよ?」

堂島「それ、本気で言ってんのか?」

咲「……(無言でうなずく)」

堂島「………いいんだな? 咲」

咲「何? 京ちゃん」

堂島「…今夜は、寝かせねえぞ?」


その後、なんやかんやで二人は幸せなキスしてしゅーーーりょーーーっ!!!

>>92
実際だったら持ちネタというか、鉄板ネタっぽいよね>>部長の名前ネタ
複数回同窓会してるなら尚更

『咲ちゃん救出どころの騒ぎじゃありません。ここがクライマックス』



10年ぶりに親と対面した翌日。
俺は便宜上本来の目的である人探しをすべく、適当な雀荘を探す。
まこ先輩の雀荘は…行かなくていいや、あそこノーレートだし。


堂島「打てるか?」

店長「あぁ、ちょうど今空いたところだよ」


卓に着こうとすると、丁度正面の男と目が合う。


堂島「へぇ…低レートのくせに、随分なやつがいるじゃねえか」

店長「彼のせいでさっきまでその席に座ってた人は逃げちゃったよ」

堂島「おいあんた。なんて名前だ?」


「―――――傀と呼ばれています」


堂島「…面白ぇ。あんたに勝てれば、咲も照さんも、堂島も超えたようなもんだろ」

堂島「俺の名は堂島…いや、須賀京太郎だ」

堂島「―――――さぁ、喰いあおうぜ、人鬼!!」





流石のライオンも、妖怪相手はちょっとキツそう

『俺の中では部長は地味に弄られキャラ』



和「やっぱり咲さん、出ませんね。いつもなら3回くらい電話鳴らせば寝てても起きるのに」

優希「うーむ、一体何があったんだじぇ?」

まこ「ちと様子を見に行ってみるか?」



堂島「んじゃ俺が行ってくるわ。車あるし」

和「あ、それなら私も行きます」

堂島「和…」

優希「私もつれて行くんだじぇ」

堂島「優希…」

まこ「お前一人にかっこつけさせるわけにはいかんのう」

堂島「まこ先輩……よし、じゃあみんなで咲を助けにいくぜ!!!」

和優ま「「「おう!!!」」」




久「おまたせ~、遅れちゃってごめんなさ……って、誰もいない!?」

『のどペディア』



優希「おぉー、かっこいい車だじぇ」

和「ポルシェですね。ポルシェ911、世界のスポーツカー、スーパーカーの中でも数少ない、RRの駆動方式を基本としている車です。ポルシェ356の後継車で、狭かった後部座席を改善するためにホイールベースが延長されています。単純にポルシェ911といってもその型は多岐に渡り、あれは…」

『堂島さんだって男の子だからね、仕方ないね』



昨日ぶりに訪れる宮永家。
家の前に車を止め、インターホンを鳴らす。

返事はない。

もう一度ならす。

やはり返事はない。

試しに玄関の扉に手をかける。
なんの抵抗もなく開く扉。

ここまでくれば直感で分かる。
………これ、ダメなやつだ。

傘立てから二本、ビニール傘を手に取り、靴も脱がずに家に上がる。

廊下、誰もいない。

トイレ、誰もいない。

風呂場、誰もいない。

台所、誰もいない。

ビニール傘を一本捨て、フライパンに持ち替える。

リビング、誰もいない。

誰もいないが、異様な散らかり方が気になる。

和室、誰もいない。

階段、誰もいないっぽい。

フライパンで頭を庇いながら、上へ。

廊下、誰もいない。

和室、誰もいない。

トイレ、誰もいない。

『咲の部屋』、誰もいない。

『咲の部屋』、誰もいない。

『咲の部屋』、誰もいない。

『咲の部屋』、誰もいない。

『咲の部屋』、誰もいない。

念の為もう一度廊下、やっぱり誰もいない。


堂島「……失礼しまーす。タンスは…あった」

堂島「へぇ~、長野の女の子はパンツ穿かないって噂は本当だったのか」

堂島「…反対側には、照さんの部屋もあったよな」




なお、この物語はフィクションであり、長野に関する記述に明確な根拠はございませんので、予めご了承ください。

いや、長野じゃなくても女の子はパンツはかないと思うんだがあの世界…

『咲さんこわいです』



堂島「ここに咲がいるのか」


男に連れられ、たどり着いたのは廃墟のような建物。
俺が長野にいたときはまだ普通のビルだった気もするが、時代の流れってやつか。


堂島「んで、咲はどこにいるんだよ」


廃墟の階段を上がりながら、男に問いかける。
だが男は、勝負が終わるまでは教えられないと、意地悪く笑うだけだ。
とりあえず、咲になにかあったらお前ら全員[ピーーー]と、釘だけ刺しておく。
勿論手を出してたら[ピーーー]。

階段を上がって案内されたのは、薄暗いフロア。
部屋の中央に置かれた雀卓では、すでに三人の男と一人の女の子が麻雀を打っている。
いや、たった今一人逃げ出したから、正確には、打っていた、だ。


咲「あ、京ちゃんやっときた。もう待ちくたびれちゃったよ」

咲「この人たち弱すぎてさぁ。今の京ちゃんなら、私とだっていい勝負できるよね?」

堂島「またトラウマ植え付けて遊んでたのか、お前は」

咲「え~? 遊んでたわけじゃないよ? だいたい『もう責任払いはやめて下さい』なんていうのなら、そもそも振り込まなければいいだけなのにねぇ?」

堂島「…ま、そのおかげで俺もこの卓に混ざれるわけだ。その一点だけは感謝してやるよ」

咲「あ、席このままでいいの? その席、かなり冷めちゃってるよ?」

堂島「俺なりのハンデってやつだ。じゃねえと、残りの二人がかわいそうだろ?」

咲「それもそっか。じゃ、はじめよっ!」



咲「カン、カン、カン、カン、ツモ。四槓子四喜和」

堂島「ダブル役満はなしだっつの。お、ツモ。七対子。あと字一色」

咲「うわぁ、大七星じゃん。初めて見た。そんな珍しい役狙うなんて、もしかして舐めプ?」

堂島「俺は調子上げるときは七対子を作るんだよ」

咲「さっすが京ちゃん。私も久しぶりに本気出さないと負けちゃいそう」


咲「それカン、もいっこカン、さらにカン。ツモ、混一対々三槓子小三元役牌二つに嶺上開花ドラいっぱい。も~、京ちゃんでしょ。發隠し持ってるの。大三元狙ってたのに」

堂島「そういうお前だってさっき一筒四枚持ってたじゃねえか。カンしろよ」

咲「嶺上使いにとって槍槓国士ほどくやしいものはないからね。そこには敏感なんだよ」

堂島「ったく。お、天和、16000オール」

咲「あ、ずるい。さっきの地和といい、イカサマしてない?」

堂島「記念すべき20回目の天和なんだ。もっと祝ってくれよ」

咲「ちぇ、また二位か。やっぱトビなしでやらない?」

堂島「んなことしたら俺が天和で連荘しちまうかもしれねーぞ?」

咲「あ、また一人潰れちゃった。しょうがない、後ろで見てる君。入ってよ」

堂島「まさか咲を誘拐しときながら、自分だけ逃げたりはしねーよな?」

咲「やっぱり麻雀って」

咲・堂島「「楽しいよね(な)!!」」

おい誰か末原さんをお呼びして差し上げろ

と、いうわけで小ネタ集でした。
せめて100レスまでは行こうと思い、作ってみました。

それではhtml化依頼出してきます。
html化するまでは雑談なりご自由に使っちゃってください。

出してきました
なんとなく、レス返しでもしてみようかなと思います。

>>78
うぃ

>>88
ありがとうございます。咲とライオンを混ぜるのは>>1の腕では無理だったので、堂島さんにだけ出張してもらいました。

>>89
ありがとうございます。>>1の中での麻雀漫画かっこいい主人公三人衆はアカギ、堂島、積倉手数()だったりします。

>>95
まぁ、あくまでNGシーン集ですので。あとちょっとポンコツってる久さん可愛いってのもあります

>>100
長野以外でパンツ穿いてない描写あった娘がいたか、ちょっと思い出せなかったので。個人的に憧ちゃんにはクマ柄パンツが似合うと思います

>>102
やめたげてよぉ!!

どうでもいい話ですが、今読み返してて気付きました。
>>93の最後、成香さんだけ呼び捨てになってますね。
脳内で「成香さんと玄さんが涙目に」、もしくは「成香と玄が涙目に」のどちらかに変換しといて下さい。

もうすでにSSを書き終えた過去の遺産が何度も出しゃばってすいません
読み返してたらまたミスを発見したので訂正をば。

>>67
「上家と違いまだ20000点以上ある下家の放銃であれば、堂島だって和了るだろう。」
の「上家」を「対面」に読み変え。

「上家の男が一筒を河に捨てる。」
の「上家」を「下家」に読み変えてください。


どうでもいいけどこれ、下家の当たり牌見逃して上家の一筒をカンして責任払いの方がかっこよかったかなぁ。
まぁもう終わった話なんでどうでもいいですね。

ってそれじゃあ上家飛ばないから南4局入って咲ちゃんが最後の和了見つけられないジャン
世迷言でした、忘れて下さい

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom