エレン「花火大会?」(67)

即興SS。詰まったら誰かに投げるかも。




エレン「花火大会? なんだそれ」

ミカサ「知らないのはもったいない。今日は年に一度の収穫祭。今年は特に豊作だったから、お祝いのの花火を上げるとか」

サシャ「ここの兵舎の近くから見れるそうですね! 楽しみです!」

クリスタ「夕食が終わったら、みんなで外に出て花火見ようね!」

ミーナ「うん!」


マルコ「女の子たちがはしゃいでるね」

ベルトルト「華やかでいいよね」

エレン「なぁ、なんでそんな嬉しそうなんだお前ら?」

クリスタ「だって花火だよ? ぜっったいキレイだよ!」

サシャ「めったに見られないんですよ! 見なきゃ損です!」

ミーナ「夜空が色とりどりの光に染まるって、ロマンチックじゃない!」

ミカサ「そう。花火は音と光で人の心を動かす、とっても美しいもの。大切な人と見るべきもの」

ジャン「!」ピクッ

ライナー「!」ピクッ


エレン「大切な人?」

ミカサ「そう。だからエレン、私と花火を見よう。二人だけで」

エレン「何言ってるんだ。大切な人と見るんなら、アルミンもだろ?」

ミカサ「……エレン、そういう意味ではなくて」

エレン「は? んじゃどういう――あ、アルミン!」タタッ

ミカサ「あ……」シュン

ジャン「な、なぁミカサ、よかったら俺と花火」

ミカサ「ごめんなさい」

ジャン「」


アルミン「何? エレン」

エレン「今日の花火、ミカサと俺とアルミン、三人で見ようぜ!」

アルミン「え、うん、いいけど、急にどうしたの? 僕はてっきり、夕食終わったらみんなで外に出て見るのかと思ってたけど」

エレン「ミカサがさ、花火は大切な人と見るべきもの、って言ってたんだ」

アルミン「……なるほどね」

エレン「いいだろ? アルミン」

アルミン「うん。もちろんだよ」

アルミン(タイミング見計らって二人きりにしてあげよう)


クリスタ「ユミルーユミルー! 花火だって花火!」

ユミル「騒がしいな、ったく。そんなに楽しみか?」

クリスタ「もちろん!」キラキラ

ユミル「そんなにいいもんかねぇ」

クリスタ「ユミルも一緒に見ようよ! 絶対見たほうがいいよ!」

ユミル「あんまり気がすすまねぇが……クリスタが一緒ってんならな」

クリスタ「やったぁ!」


ライナー「クリスタ、ちょっといいか?」

クリスタ「えっ、ライナー? どうしたの?」

ライナー「ちょっとその」チラッ「話があってな」

ユミル「おいライナー、私の目の前でクリスタ連れ出すとはどういう了見だ」

クリスタ「もうユミルったら、そんなこと言わないの! わかった、いいよ」

ライナー(よし!)グッ


ベルトルト「……大切な人と見る、か」ボソッ

マルコ「ベルトルト?」

ベルトルト「い、いや、何でもない」

ベルトルト「……」


サシャ(大切な人と見る……)

コニー「サシャ? ぼーっとして、どうしたんだ?」

サシャ(大切な人……)

サシャ「コニー、一緒に花火を見ませんか?」


コニー「花火?」

サシャ「はい。とっても綺麗ですよ」

コニー「んー、あんま興味なかったけど……まぁいっか」

サシャ「ありがとうございます!」パアッ

コニー「そんなに嬉しいのか? 花火」

サシャ「えっ、あっ、えっと、はいっ!」

コニー「?」


アニ「……」テクテク

ベルトルト(! アニ……)

ベルトルト「あのさ、アニ」

アニ「……何?」

ベルトルト「アニは、花火に興味ないの?」

アニ「別に、ないかな」

ベルトルト「……」

アニ「もう行っていい? あんまり私たちが一緒にいるのも」

ベルトルト「アニ、花火見よう。一緒に」


アニ「……今私が言ったこと、聞こえなかった? あんまり私たちが一緒にいるのはまずいでしょ?」

ベルトルト「うん。だから、みんなに見つからないように、こっそりと」

アニ「こっそり?」

ベルトルト「うん。久しぶりに故郷の話がしたいんだ――二人で」

アニ「……」

アニ「わかった。いいよ」


ミーナ「マルコ、今日の花火、一緒に見ない?」

マルコ「えっ、僕とかい? うん、いいけど」

ミーナ(よし!)グッ


ハンナ「フランツ……」

フランツ「わかってるよハンナ。今夜ははずっと一緒だ」

ハンナ「嬉しい……」


ジャン「」


――――――
――――
―――

風呂るんでいったん切ります。あがったら再開。

ごめんその前にこれだけ


夕食後


クリスタ「ユミル、私食器片づけたらすぐ行くね!」

ユミル「おー、あとでな」スタスタ

ライナー「クリスタ、さっきの話なんだが……」

クリスタ「ごめんねライナー。さっきも言ったけど、ユミルと先に約束しちゃったから」

ライナー「頼む、ほんの少しの時間でいいんだ! 十分でいい! 俺と一緒に花火見てくれ!」


クリスタ「でも……」

ライナー「この通りだ!」バッ

クリスタ「……」

クリスタ「じゃあ、ちょっとだけね?」

ライナー「! ほ、ほんとか! ありがとうクリスタ!」


クリスタ「うん。頃合いを見てそっちに行くね」

ライナー「ああ! いくらでも待つ!」

ライナー(よっしゃああああああ!)ズダダダダ

クリスタ(うーん、でもうまくいくかな? ユミルきっと怪しむし)

クリスタ(あんなに期待させちゃって……悪いことしたかな)


女子寮


サシャ「そろそろ行きましょうか」

ミカサ「待ってサシャ、貴女、その格好のまま行くつもりなの?」

サシャ「え? そのつもり、でしたけど?」

ミーナ「甘い! 甘いよサシャ! 花火大会と言えば、外せないものがあるでしょ?」

サシャ「え、何ですか?」

ミーナ「浴衣よ浴衣!!」


ミカサ「サシャ、浴衣は持っていない?」

サシャ「いえ、持ってないです。あの、そんなに浴衣って大事ですか?」

ミーナ「当たり前じゃない! 華やかさが違うのよ!」

ミカサ「私の予備の浴衣を貸そう。サシャと私は身長が近いから」

ミーナ「アニは? 浴衣持ってる?」

アニ「持ってるわけないでしょ。そもそも興味もなかったんだから」

ミーナ「じゃあ私も二着持ってるから、一着貸してあげる!」

アニ「あのね……」ハァ


ガチャッ

クリスタ「わぁ、もうみんな浴衣着てるんだ! 私も着よっ!」

ユミル「よし、クリスタこっちこい。着させてやる」

クリスタ「あっ、着付けてくれるの? ありがと!」

ミカサ「ユミルも、浴衣を持っていないの?」

ユミル「浴衣ぁ? んなもん興味ないさ。クリスタが着てくれるんならそれでいい」

ミーナ「でも、ユミルだけ何もないなんてもったいないよ!」

ミカサ「……ならユミル、あなたにはこれを貸す」チャッ


ユミル「なんだこれ?」

ミカサ「これは簪。東洋の髪飾り」

サシャ「わぁ、綺麗ですね……」

ミカサ「私は髪短くしたから使えないけど、ユミルなら」

クリスタ「うん、きっと似合うよ! つけようユミル!」

ユミル「へぇ……まぁ、せっかくだしつけてみるか」


兵舎屋外


ガチャッ

ミカサ「待たせてごめん。二人とも」

エレン「おーやっと来た……え?」

アルミン「わぁ、浴衣着たんだねミカサ!」

ミカサ「うん。その……どう?」

アルミン「似合ってるよ! ね? エレン」

エレン「お、おう……」

ミカサ「エレン?」

エレン「い、行くぞっ」スタスタ

ミカサ「……」シュン


サシャ「えーと」キョロキョロ「あ、コニー!」

コニー「おー」

サシャ「お待たせしてすみません」

コニー「別にそんな待ってねぇよ」

サシャ「えと、あの……」

コニー「何かお前、珍しいカッコしてんな」

サシャ「そ、そうなんです! どう、ですか?」

コニー「んー、なんかいつもと違うせいか、目がチカチカすんな」

サシャ「えっ」ガーン

コニー「それよりちょっと移動しようぜ。このへんは人がいすぎるし」

サシャ「はい……」シュン


ミーナ「マルコ! お待たせ!」

マルコ「あぁ、ミーナ、全然待って……なっ!?」

ミーナ「どうしたの?」

マルコ「い、いや、その、それ……浴衣、だよね?」

ミーナ「そうよ。似合ってる?」

マルコ「えっ、と……」ダラダラ

マルコ(ちょっと丈が短すぎないか!? 柄も派手だし……)

ミーナ「むぅ。無言って傷つくんだけど」

マルコ「い、いや、似合ってる似合ってる! うん! でもとりあえずあまり人に見られないところに行こうか!」アセッ

ミーナ(きゃっ、ちょっと、これ脈アリなんじゃない?)ドキドキ

マルコ(帰りたい)


ユミル「よし、私たちも行くか」

クリスタ「うん!」

クリスタ(ライナーとの約束は、とりあえず後ででいいよね)

ユミル「いやーそれにしても、さすが私のクリスタだ。浴衣がよく似合ってる」

クリスタ「そ、そんなこと」テレッ「ユミルも似合ってるよ。ミカサから借りた簪」

ユミル「こんなものがあるなんてな。さすがの私も知らなかった」

クリスタ「さすがの、って?」

ユミル「あっ」ギクッ「な、なんでもない。とっとと行くぞ」

クリスタ「うん!」


アニ「……」

ベルトルト「あっ、浴衣着たんだ。似合ってるね」

アニ「どうも」

アニ(ミーナから借りたけど、こっちの浴衣はまともでよかった)

ベルトルト「そんなに他人行儀にしないでよ。今は僕たちだけだ」

アニ「……そうみたいだね」

ベルトルト「ちょっと、森の近くまで行ってみない?」

アニ「いいよ」


ヒュウウウウウ

ドォォン!

アルミン「あっ、始まったね!」

エレン「おぉ……すっげ」

ミカサ「とても綺麗……」

ドン! ドンドォン!

サシャ「わー! 綺麗ですねー!」

コニー「おぉ、思ったよりすげぇ! 音が腹に響く!」


ドン! パラパラパラ

ミーナ「きゃあー! 素敵ー!」

マルコ「えっと、あの……ミーナ、腕を強く組むの控えてもらいたいんだけど」

パラパラパラ…ドォォン!

クリスタ「わぁあ……!」

ユミル「へぇ……」


ピュウウウウ

ドォン!

ベルトルト「始まったね」

アニ「……」

ベルトルト「……ふふっ」

アニ「何?」

ベルトルト「久しぶりに、いつものアニの顔が見れたなー、って」

アニ「いつもの……私の顔?」


ベルトルト「ここに来てからの君は、あまり思ったことを素直に態度に出さなくなったからね」

アニ「……」

ベルトルト「それは任務のために仕方のないことではあるんだけれど……やっぱり少し、心配ではあった」

ベルトルト「君に無理をさせているのが、僕はとても心苦しくてね」

ベルトルト「僕らは確かにここにいる間は、自分の気持ちの思うがままに行動することはできない……けれど」

ベルトルト「こうして僕が隣にいる時くらいは、いつものアニでいて欲しいな」

アニ「……」

アニ「ありがとう……ベルトルト」


ドォォン!

コニー「おー! すげぇな花火って!」

サシャ「ふふっ、あんま興味ないって言ってたくせに、すっかり楽しんじゃってますね」

コニー「いやだってさ、ここまでとは思ってなくてよ!」

コニー「見にきといてよかったぜ。誘ってくれてありがとうな、サシャ!」ニカッ

サシャ「いっ、いえいえ! こちらこそ!」パアッ

コニー「いやぁ、思わず見入っちまってたぜ。ちょっと疲れちまった」ドサ

サシャ(あっ、コニーの手がこっちに……)


コニー「こうして寝そべって見るのも、なかなかいいな」

サシャ「……」

サシャ「私も、寝そべってみますかね」ドサ

コニー「おお、そうし――ろ?」

コニー(何だ? サシャの手が当たって……動いて)

ギュッ

コニー(え!?)

サシャ「コニー、花火見てて下さい」

サシャ(多分私の顔、真っ赤ですから)


ヒュウウウウウ

ドォン! ドンドォン!

エレン「……」

ミカサ「……」

アルミン(二人とも花火に夢中になってる……今が頃合いかな)ソロリ

ドォン! ドォン!

エレン「……」

ミカサ(……エレン、もうずっと一言も話さずに花火に夢中になってる)チラ

ドドドドドドン!! パラパラパラ…


エレン「おおおすげえ! おい見たかよ今の――」

ミカサ「うん。素晴らしかった」

エレン「……」

ミカサ「どうしたの?」

エレン「いや、まさか、こっち見てるとは思ってなくて……」

エレン「って、あれ? アルミンは?」

ミカサ「……トイレかも」

エレン「そ、そうか……」

ミカサ(アルミン、ありがとう)


ドドォン! パラパラパラ

ユミル「おー、なかなかのものだな」

クリスタ「きれーい……」

ユミル「何言ってんだ、クリスタの方が断然綺麗だっての」

クリスタ「もうユミルったら……あれ?」

ユミル「ん? どうした?」


クリスタ「ユミル……簪の飾りがないよ!」

ユミル「えっ!?」

クリスタ「ちょっと外させて……ほら!」

ユミル「んだと!? やべぇ、これミカサからの借り物なのに……」

クリスタ「探そう! あればもしかしたら直せるかも! 私も手伝うから!」ダッ

ユミル「すまねぇクリスタ!」バッ

ユミル(くそっ、なんてこった……!!)


ドン…ドン…ドォン!

アニ「……私、そろそろ帰ろうかな」

ベルトルト「最後まで見ないの?」

アニ「ちょっと疲れちゃってさ。休みたいんだ」

ベルトルト「そっか。送っていこうか?」

アニ「平気だよ。ありがとう」

アニ「……」


アニ「ベルトルト」

ベルトルト「何?」

アニ「今日は……ありがと」

ベルトルト「お礼を言うのは僕の方だよ。僕も、久しぶりに話せて楽しかった。とても」

ベルトルト「アニ、たまには今日みたいに、自分に素直になる時間を作ってね? これは僕からの、お願いだ」

アニ「……わかった。おやすみ、ベルトルト」

ベルトルト「おやすみ」

タッタッタッタッ…


ドォ…ン

コニー「サ、サシャ……?」

サシャ「コニー……あの……」

サシャ「……嫌なら、振りほどいてください」

サシャ「急にこんなことして、その……混乱するかと思うんですけど」

サシャ「でも私、ふざけてやってるわけじゃありません」

サシャ「その――私、コニーの、ことが……」

コニー「……」


ギュッ

サシャ「!」

コニー「……振りほどいたりなんか、しねぇよ」

サシャ「コニー……」チラッ

コニー「花火見てろ」プイッ

サシャ「――はいっ!」

ギュッ…


ドン…ドォン…

エレン「あ、あのさ、ミカサ」

ミカサ「何? エレン」

エレン「その……さっきはあんまちゃんと言えなかったけど」

ミカサ「?」

エレン「……浴衣、似合ってるよ」ボソッ


ミカサ「!」

エレン「でっでも、浴衣のときまでマフラー持ってんのはどうかと思うぜ?」

ミカサ「嬉しい」

エレン「夏っぽさが台無しなんだよ。せめてマフラーは置いてきてだな」

ミカサ「ありがとうエレン」

エレン「おい聞いてんのか?」

ミカサ「ありがとう……」ジワッ

エレン「……こんなことで泣くなよ、ったく」ナデナデ


アルミン(エレンとミカサ、うまくいってるかな?)テクテク

アルミン(うまくいってると、いいな)

アルミン(よし、兵舎に入るか)ガチャッ(あれ? あっちから来るのって)

アルミン「アニ?」

アニ「アルミン?」

アルミン「もう花火は見ないの?」

アニ「ちょっと疲れちゃってね。早く休もうかと思って。アルミンは?」

アルミン「まぁ、似たようなものかな? 一仕事終えて一段落ってところ」


ドォン! ドドドドドォン!

アルミン「わっ、すごいなぁ」

アニ「……」

アルミン「アニ、今すごく柔らかい表情してる」

アニ「え? 私が?」

アルミン「うん。自分じゃわからないかな?」

アニ「……」

アルミン「ねぇ、よかったらここで、もう少しだけ花火見ていかない? 僕もなんだか、見足りない気分なんだ」

アニ「……じゃあ、ちょっとだけ」


ドン! ドンドドォン!

ベルトルト(もうすぐ花火もクライマックスか……)

ガサガサガサ!!

ベルトルト「えっ!?」ビクッ「だ、誰!?」

ユミル「べ、ベルトル、さん……」

ベルトルト「ユミル? 何してるのさこんなところで。君はこっちには来てなかったはずじゃ」

ユミル「お願いだ! 助けてくれ!」ガシッ!

ベルトルト「え? え?」


ベルトルト「……はぁ、簪の飾りを、ね」

ユミル「頼む! クリスタも一緒に探してくれてるんだが、一向に見つからないんだ!」

ベルトルト「この暗さだからね……探すのは大変かもね」

ユミル「うぅ……」

ベルトルト「わかったよ。一緒に探そう」

ユミル「ほ、本当か!」パアア

ベルトルト「うん。僕はこっちの方探してるからね」

ユミル「ベルトルさん、恩に着る!」


マルコ「……」

ミーナ「素敵……ほんとに綺麗ね……」ウットリ

マルコ「あの、ミーナ……」

ミーナ「花火ってロマンチックよね……そう思わない?」

マルコ「えっと……腕を離してもらえないかなミーナ。胸当たってるし、いろいろきつくって」

ミーナ「もう! マルコってば、せっかくいいムードにしようと頑張ってるのにぃ!」プゥ

マルコ「……」


マルコ「ごめん、ミーナ。僕はもう帰るよ」スッ

ミーナ「え? ……どうして?」

マルコ「……あんまりこういうことは言いたくないんだけど」

マルコ「楽しくなかったから、かな」

ミーナ「……!!」

マルコ「ごめんね。また明日」


ミーナ「……」

ミーナ「っきぃいいい〜〜〜!!!」

トーマス「うお!? なんだ今の奇声!?」

ミーナ「きゃっ、えっ、トーマス?」

トーマス「ミーナ? 今のミーナか?」

ミーナ「うぅ……」

トーマス「どうしたんだよ……ってか、その前にお前のその服装こそどうしたんだよ」

ミーナ「トーマス……一人?」


トーマス「ああ。ナックとミリウスとさっきまで一緒だったんだが、二人とももう帰っちゃってな」

ミーナ「うぅう……」

トーマス「なぁ、ほんとにどうしたんだよ」

ミーナ「ドーマ゛ズぅう〜愚痴聞いでぇええ〜」ダバー

トーマス「は? おいちょっ、シャツに顔押し付けるな! 鼻水で濡れる!」



マルコ「……はぁ」

マルコ(ミーナには悪いけど、さすがにあれはちょっとな……)

ガサガサガサ

マルコ「うん?」

クリスタ「あれ? マルコ!」

マルコ「クリスタ? 何してるの?」

クリスタ「実は、ユミルの簪の飾りを探してて」


マルコ「簪の飾り? 落としたの?」

クリスタ「うん……ミカサから借りたもので、今二人で一生懸命探してるの。気が付いたらなくなっちゃってて」

マルコ「なるほど。じゃあ僕も手伝うよ。どんな形?」

クリスタ「えっ、でも、いいの?」

マルコ「構わないよ。人手が多い方がいいでしょ?」

クリスタ「う、うん! ありがとうマルコ!」


ベルトルト「……あ」

ユミル「え!?」

ベルトルト「違ってたらごめん。もしかして、これ?」チャッ

ユミル「あ……あった、あった! あったあああああ!!」

クリスタ「ユミル! 見つかったの!?」ガサッ

ユミル「こ、これ……」

クリスタ「ほんとだ! よかったねユミル!」

ユミル「でっでも、これが元通りにくっつくかどうか……」


マルコ「あぁこれ、留め具が少しゆるんでたみたいだね。大丈夫。留め具を直せばちゃんと元に戻るよ」

ユミル「ほ、本当か!」

ベルトルト「よかったねユミル」

ユミル「ああ!」


ドォォォォ…ン


クリスタ「わぁ……」

マルコ「今ので最後の花火だったみたいだね」

ユミル「……綺麗、だな」

ベルトルト「うん」


クリスタ「きっとみんなも、この花火を見たんだろうね」

ユミル「そうだな……」


マルコ「それじゃあ、そろそろ帰ろうか」

クリスタ「うん! 本当にありがとうね、マルコ」

マルコ「いや、僕は何もしてないよ」

ユミル「一番の功労者はベルトルさんだな。ありがとな」

ベルトルト「手分けして探したから無事見つかったんだ。僕が見つけたのは偶然だよ」

クリスタ「みんな、本当にお疲れ様!」ニコッ



クリスタ「あれ? 私、何か忘れているような……」



ライナー「……」

ジャン「……」

ライナー「なぁ、ジャン。俺たち一体、何やってるんだろうな……」

ジャン「……フッ」





終わり

意味のわからんレベルの雨のせいで隅田川花火大会が中止になっちゃったらしいので、テルテル坊主つくるような気持ちで書いてみました。あしたてんきになぁれ。

なんとか投げずに書ききりました。読んでくださった方ありがとうございました。

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