苗木「はぁ、わかったよ……」ｽｯ

舞園「あ、先っちょが赤いですね。苗木くんが王様ですね｣

苗木「そうなんだ、命令……するの？」

舞園「はい！ちなみに私は1番でした！」

苗木「それでも命令する相手は舞園さん限定になっちゃうんだけど」

舞園「まぁ、その辺りはいいじゃないですか。どうぞ王様」

苗木「えっと……じゃあ1番が」

舞園「……」

苗木「……」ﾁﾗｯ

舞園「……」ﾆｺﾆｺ

苗木「……王様と手を繋ぐ、で」

舞園「……はぁ、わかってましたけど苗木くんですもんね」

苗木「え！？ご、ごめん舞園さん……そんなにイヤだった？」

舞園「違いますよ！……次はもうちょっと冒険した命令でも大丈夫ですからね？」ｷﾞｭｯ

舞園「それじゃあ次いきましょう」

苗木「あの、苗木さん手を繋いだまま……」

舞園「命令ですから、次の命令までこうしてます。どうぞ」ｽｯ

苗木「う、うん…………今度は１番だ」

舞園「では私が王様ですね！」

苗木「それじゃあ、えっと王様？女王様？」

舞園「どちらでもいいですよ、女王様もなんかこう悪くない響きですが」

苗木「あはは、でも舞園さんはお姫様って感じだよね。命令をお願いします」

舞園「抱いてください」

苗木「」ﾌﾞｰｯ

舞園「ふふ、王様の命令は絶対ですからね」

苗木「えと、抱きしめればいいんだよね……？」

舞園「……そうですけど、他に何があるんですか？」ｷｮﾄﾝ

苗木「なっ、なんでもないよ……それでは、失礼します」ｽｯ

苗木「こ、これでいい？」

舞園「……そんな恐る恐るしないでください、傷ついちゃいます」

苗木「ごっごめんそんなつもりじゃ！」

舞園「わかってます。でもちゃんと抱きしめてください、命令なんですから」

苗木「……うん。これでいい？」ｷﾞｭｯ

舞園「っ！はい、その調子でお願いします」

苗木「……」

舞園「……」ｷﾞｭｯ

苗木「……舞園さん、いつまで抱きしめてればいいの？」

舞園「……もう少しだけ、このまま抱きしめてください……」






霧切「苗木くん、失礼するわね」ｶﾞﾁｬｯ

朝日奈「苗木ー！皆でプール……なにやってんの」

大神「ふむ、どうやら邪魔をしてしまったようだな」

という夢を見たんだ

苗木「という夢を見たんだ」

葉隠「なんて羨ましい！俺なら夢精確定だべ！」

苗木「あはは、舞園さんを抱いた感覚がまだ残ってるような気がするよ」

山田「……苗木殿」

山田「夢を夢で終わらせて良いのですかな？」

苗木「！」

山田「僕は三次元に興味は有りませんが……苗木殿がどうしてもというのなら、級友のよしみに協力してあげても良いですぞ」

苗木「本当！？ 心強いよ！」

葉隠「しゃーねー、俺も協力してやるよ」

苗木「二人とも……ありがとう！」

苗木「それで僕はどうやったら舞園さんを抱けるの？」

山田「それは無理ですな」

葉隠「だな。苗木っちには男としての魅力がねーべ」

苗木「えっ」

山田「ただし……夢を再現することなら出来ますぞ」

苗木「？？？ ワケが分からないよ。どうすればいいの？」

山田「それはですな……」

山田「僕たちで王様ゲームをすれば良いだけのこと！！！」

苗木「え？ ゔぁ？？？」

葉隠「さ、やるべやるべ。俺の髪の毛の三割は内部に王様ゲーム用の棒が入ってんだ」

葉隠「夢の再現だから二人きりじゃなきゃな。俺は棒係に徹するべ」

山田「恩に着ますぞ葉隠廉比呂殿。では僕が舞園さやか役というわけですな」

苗木「？？？」

山田「さ、苗木殿、棒を引いて」

苗木「いや……それは違う……と思う……よ？」

葉隠「いいからやれって！このために自前の髪の毛抜いてやったんだぞ！」

葉隠「使わないんならこの髪の毛代の5万円は払ってもらうべ！」

苗木「」

俺も、あ、これは違うな、って思いました。