モモ「あら?リトさんったら携帯を忘れていますわ」
モモ「リトさんには悪いですけど…中身を見ちゃいましょう!」
モモ「それじゃ早速メールを……ん?」
(送信メール一覧)
From:結城 梨斗
To:ナナ・アスタ・デビルーク
送信日時:今日 3:34
本文:
愛しいナナ!おはよー!チュッ(笑)
もう俺とナナは既に運命共同体となっておりますので、どうか最後までお付き合いください(笑)
明日の晩は抱っこして、腕枕して寝てあげるからね
ナナ!俺にもチュッは?(笑)
まだお風呂かな?一緒に入ろう! 今度ね!って…もう俺とナナは、何でもありでしょ?(笑)
また湯船に浸かって、ちょっと恥ずかしそうな顔のかわいいナナを見せてね! チュッ
モモ「なんやこれ…」
モモ「コレは教育やろなあ」
リト「おーい、帰ったぞー」
モモ「…」
リト「あれ…どうした?」
モモ「…」つメール
リト「あっ…(察し)」
モモ「やってしまいましたなあ」
リト「(ナナと風呂に入ったら)いかんのか?」
モモ「いいじゃん(いいじゃん)」
リト「せやろ」
モモ「せやな」
美柑「リトー、帰ってきたならちゃんと言って…二人とも何してんの?」
モモ「見てみ?」つメール
美柑「……まーたリトがやらかしたのか」
リト「女の子と風呂に入って何があかんのですか?」
モモ「せやせや」
美柑「いかんでしょ」
モモ「せやろか?」
美柑「絶対に許さない。顔も見たくない」
リト「おかしい。こんなことは許されない」
モモ「残念だが仕方ない」
春菜「結城君、忘れ物届けに……3人ともどうしたの?」
美柑「悪夢のような現実がそこには待っていました……」つメール
春菜「……これは大変なことやと思うよ」
リト「分かる人には分かる」
春菜「わかりません」
美柑「やっぱりリトってクソだわ」
モモ「お前らにはわからなくて結構」
春菜「幻滅しました。」
リト「(ここまで反感を買うとは)知らなかった」
美柑「バッカじゃなかろかルンバ」
ナナ「おーいリトー…って、そこで4人とも何やってんだ?」
春菜「やめてくださいよ! 殺すぞ。ムカつくんじゃ!」つメール
ナナ「……これは悪い夢です!これは悪い夢以外の何物でもなーい!!」
春菜「(結城君は)与えられねーわ」
モモ「怒ってる怒ってる(笑)」
リト「どうもすいません… 。でも、それを含めて“俺”やから…!」
春菜「頭を割って、中を見てみたい」
美柑「残念だが当然」
リト「(反論の余地)もうないじゃん…」
モモ「リトさん、何をそんなにヘコんどるんや(その目は優しかった)」
リト「(ララ達攻略に)切り替えていく」
モモ「朗報だね(ニッコリ」
リト「そら(ここまで嫌われたら)そう(好感度の高い女の子に流れる)よ」
美柑「論ずるに値しない」
モモ「それにしても(リトさんと風呂に入るなんて)すごいな、ナナ。どうやったんだ?」
ナナ(ちょっと間を置いて身を正し、澄ました顔をしながら)「いや、普通のことをやったまでです」
モモ「よかったね、おめでとう」
美柑「ファッキューナッナ」
ナナ「辛いです…ミンナが好きだから…」
春菜「アイドントライクナナサン」
モモ「ハーレムがバラバラじゃねえか」
リト「みんなちゃんと愛してるよ!」
春菜「やる気あんのか!」
ナナ「私は絶対勝つ!」
美柑「その言葉、信じていいんだな!?」
ナナ「私は絶対勝つ!」
全員「ナーナナーナ(大合唱)」
美柑「…って、騙されねえんだよこの野郎!」
ナナ「おお、もう…」
結城家で迎えた修羅場
結城リトが大失態、勢いでごまかそうとするも失敗だった
リビングに響くヒロインのため息、どこからか聞こえる「もうナナとは絶交だな」の声
無言で帰り始める女性達の中、ヒロインの一人ナナは独りソファーで泣いていた
地球で手にした栄冠、喜び、感動、そして何より信頼できるクラスメイト・・・
それを今の状況で得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいんだ・・・」ナナは悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、ナナはっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たいソファーの感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、戻って宿題をしなくちゃな」ナナは苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、ナナはふと気付いた
「あれ・・・?お客さんがいる・・・?」
ソファーから飛び出したナナが目にしたのは、外野席まで埋めつくさんばかりの観客だった
千切れそうなほどに旗が振られ、地鳴りのようにToLOVEるの主題歌が響いていた
どういうことか分からずに呆然とするナナの背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「ナナ、結婚式だ、早く行くぞ」声の方に振り返ったナナは目を疑った
「リ・・・リト?」 「なんだナナ、居眠りでもしてたのか?」
「み・・・美柑?」 「なんだナナ、今日から自分の妹になる人によそよそしくしやがって」
「モモ・・・」 ナナは半分パニックになりながらスコアボードを見上げた
1番:芽亜 2番:春菜 3番:ヤミ 4番:ララ 5番:モモ 6番:内川 7番:ナナ 8番:唯 9番:美柑
暫時、唖然としていたナナだったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
「勝てる・・・勝てるんだ!」
ペケからブーケを受け取り、式場へ全力疾走するナナ、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・
翌日、ベンチで冷たくなっている内川が発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った
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