エレン「進撃の人生ゲーム?」(98)
アルミン(10)「うん!おじいちゃんが買ってきてくれたんだ!」
ミカサ(10)「人生ゲーム…?」
エレン「へえ、どんなゲームなんだ?」
アルミン「そうだね、双六をちょっと複雑にした感じかな?」
エレン「複雑?単なる双六じゃないのか?」
アルミン「簡単に言うと、色んなイベントをこなしながらお金を貯めて、ゴールの段階で一番お金を持ってた人の勝ちって感じかな」
エレン「色んなイベント?」
アルミン「そう。仕事に就いたり、ギャンブルをしたり、結婚・出産したり…」
ミカサ「エレンと結婚出来るの?」
アルミン「い、いやプレーヤー同士じゃなくて、あくまでゲームの中のキャラクターとだけど…」
ミカサ「そうなの…」ショボン
エレン「でもこの結婚する相手のカード、似顔絵とか特徴まで書いてあって面白いな」
アルミン「ね、細かいよね。しかも結婚する相手によって特典とかイベントが違うみたいだから、結婚相手選びも大事だよ」
エレン「おい、見ろよ。この完全無欠系女子、ミカサに似てないか?」
アルミン「ははは、確かに!」
ミカサ「エレンは結婚する時、この女の子を選ぶと良い」
エレン「あとこの頭脳系男子ってアルミン似てないか?」
アルミン「そういうエレンも、この駆逐系男子と似てるよ」
ミカサ「決まった。私の結婚相手は決まった」
アルミン「他にも色々あるね、格闘系女子、女神系女子、芋系女子…」
エレン「あははは!芋系女子ってなんだよ。結婚すると、定期的に食費として金を徴収されるって!こんな奴と結婚するかよ」
エレン「その女はだめ。その女はエレンを幸せにできない。出来るのは完全無欠系女子だけだと思う」
アルミン「男のカードもいっぱいあるね。筋肉系男子、巨人系男子、坊主系男子、馬面系男子…」
エレン「うわぁ、この馬面系男子、性格の悪さがにじみ出てるな」
ミカサ「本当。近寄らないでほしい顔してる。まぁ私には駆逐系男子、もといエレンとしか結婚する気はないけど…」
アルミン「さぁ、そろそろ始めようか。細かいルールはやりながら確認していこう」
アルミン「運の要素も強いけど、それなりに戦略性もあるみたいだから、普通の双六より面白いと思うよ!」
エレミカ「せんりゃくせい?」
アルミン「ああ、ごめんごめん。まあいいや、とりあえずやってみようか」
アルミン「さ、この荷馬車がコマになるよ」
エレン「へぇ、結構手の込んだ作りだな!」
ミカサ「かわいい」
エレン「俺はこの白馬のにしよう!これが一番かっけぇ!」
ミカサ「私はこの黒毛」
アルミン「じゃあ僕はこの栗毛のにしようかな」
アルミン「じゃあ2500ずつお金を配るね」
エレン「これが最初の資金になるんだな!」
ミカサ「エレン、無駄遣いしないように」
エレン「わかってるよ!」
ミカサ「わかってない。エレンはお金があるとすぐ使ってしまう」
エレン「ゲームの時までうるせぇな!」
アルミン「まぁまぁ。このゲーム、有効な使い方ならドンドン使った方が、最終的には何倍にもなって返ってくることもあるから、そこも頭の使いどこだね」
アルミン「と、いうことでここで早速お金を使うポイントなんだけど…」
エレン「おっ!早速か。なんだなんだ?」
ミカサ「良い妻は良いお金の使い方をするとカルラおばさんが言ってた」
アルミン「ここでは、荷馬車保険カードを買うかどうかだね」
アルミン「このカードを持ってれば荷馬車に事故があった時、修理費がかからなくてすむよ」
エレン「事故〜?そんなの頻繁に起こるかぁ?」
ミカサ「私は買わない。そんな事故、事前に私が防いでみせる」
アルミン「ミカサ…これはゲームだから、ミカサの力は関係ないんだけどね…」
エレン「でも俺は一応買っとこうかな!」
ミカサ「また無駄使いしてる。私が守ってあげるのに…」
エレン「うるせぇなぁ、お前に守ってもらう必要はねぇよ」
アルミン「ほらほらエレン、落ち着いて。よし、スタート前の準備は終わったし、始めようか」
アルミン「ミカサ、エレン、僕の順番だね」
アルミン「そしたらこのボードに付いてるルーレットを回して、1〜10の出た数だけ進むんだよ」
ミカサ「エレンと結婚して、野球チームができるくらい子供を作る」
エレン「おい、勝手に俺を登場させるのやめろよな」
ミカサ「エレン、照れなくてもいい」
エレン「照れてねぇ!」
アルミン「あ〜もう、いいから早く始めようよ」
ミカサ「わかった、ごめんなさいアルミン。えい」
カラカラカラ
『3』
ミカサ「いち、に、さん。何か書いてある」
アルミン「え〜と…」
『訓練兵団入団。お祝いとして1000もらう』
ミカサ「これはお金がもらえるの?」
アルミン「そうみたい。良かったね、ミカサ」
ミカサ「やった」
エレン「ちぇ、いいなぁ」
アルミン「なるほどね、まずは訓練兵団からスタートするんだ。訓練期間が終わったら職業を選んだり、結婚したり出来るようにならるんだね」
エレン「よしっ!俺は絶対に調査兵団に入ってやるぞ!」
ミカサ「エレン、調査兵団に入るのはダメっておばさんが言ってた」
エレン「うるせぇなぁ、いいだろ別に!しかもこれゲームなんだから更に関係ないし。もういい、ルーレット回すぞ」
カラカラカラ
『9』
エレン「やった!一気に進めるぜ。よし、この調子で俺が一番でゴールしてやる」
ミカサ「一番にゴールしてもお金が少なくては勝てない」
エレン「へっ、金も一番稼いでやるよ!見てろよ〜」
ミカサ(はっ、私のために稼いでやるって言ってくれたの!?もしや、これはプロポーズというもの…///)
ミカサ「エレン、嬉しい…。でも私たちはまだ子どもだから、正式な結婚はもう少しあと。でも正式じゃなければ、今すぐでも夫婦にはなれる///」テレテレ
エレン「い〜ち、にぃ〜、さぁん…」
エレン「…はぁち、きゅう!」
アルミン「何々…」
『姿勢制御訓練に失格。訓練兵団を去ることに。ふりだしに戻る』
アルミン「あっ…」
エレン「なんだよこれ!俺はそんなヘマしないぞ!」
アルミン「ま、まぁまぁ、ゲームだからね、エレン」
エレン「くそぅ、一回分損じゃねぇか…」
ミカサ「エレンだけ帰すわけにはいかない。エレンが戻るなら私も戻る」
アルミン「ちょ、ちょっとミカサ、そんなルールないから!まだ序盤だし、このくらいの遅れは全然平気だよ。さ、次は僕だ」
カラカラカラ
『5』
アルミン「…よん、ごっ。なんて書いてあるかなぁ」
『成績の悪い同期に勉強を教える。お礼に500もらうが、疲労のため一回休み』
アルミン「えぇ〜…なんか微妙ぉ…。まぁお金もらえたからまだいいのかな…」
エレン「アルミンは頭がいいし、教えるのもうまいから、訓練兵になったら実際にありそうな話だな」
アルミン「ははは、ありがと。そんな日がくるのかなぁ」
ミカサ「まずはグリシャおじさんと、カルラおばさんに報告をしよう。あと子供の作り方を私は知らないから、あとで二人に聞かないと…///」
エレン「おい、ミカサ。お前の番だぞ!」
ミカサ「はっ!エレン」
エレン「何ぼーっとしてんだよ。後がつかえるだろ。早くしろよ」
ミカサ「ごめんなさい、エレン(今はとりあえずゲームに集中しよう)」
カラカラカラ
『8』
ミカサ「…しぃち、はぁち。なんて書いてあるかな」
『訓練でトップになる。報奨金として、2000もらう』
ミカサ「やった」
アルミン「すごいね、ミカサ!着々と稼いでるね」
ミカサ「良い妻はお金を稼ぐこともできる」
エレン「あぁ、なんだよ〜、お前ツイてやがんなぁ…くそ、俺だって」
カラカラカラ
すいません、ID変わってますが、1です。
今夜はもう少しだけ載せます。
『2』
エレン「うわぁ、2かよ〜。ふりだしに戻ってるのに…。まぁいいや、とりあえずイベント次第だな」
『食いしん坊の同期にたかられる。500払う』
エレン「うわぁ!なんだよこれ!ムカつく」
ミカサ「気にしすぎないで。エレンからお金をむしり取ったその輩は、私が責任をもって削ぐ」
アルミン「ははは、エレンなかなかついてないね。でもこれもゲームの醍醐味だよ、さ!次は僕…あ、一回休みだ…」ショボン
〜そんなこんなで〜
アルミン「さ、いよいよ訓練兵団の期間が終わりに近づいてきたね」
アルミン「そろそろ就職ゾーンだ。ミカサが一番近いね。次に僕、エレンの順」
エレン「くそぅ、あんまり大きい数が出なかった」
アルミン「ミカサはお金も順調に稼いでるし、ルーレットの出目もいいね。現状で頭一つ抜き出てるってとこかな」
ミカサ「アルミン、就職マスなんだけど、これは止まったマスの職業に必ず就かないといけないの?」
アルミン「いや、そんなことないよ。その職業が気に入らないならやめることもできる」
アルミン「就く職業によって給金はもちろん、イベントも違ったりするみたいだから、職業選びは大事だよ」
アルミン「ただ、職を決めずに就職ゾーンをすぎると強制的に『開拓民』になってしまう」
エレン「開拓民はダメなのか?」
アルミン「ダメじゃないけど、毎回ルーレットで給金を決めるから、もらえる金額が読めない。しかもその額も少ないから、極力他の職に就くべきだね」
エレン「なるほど…よ〜し、俺も早く職に就きたいな。ミカサ、早くルーレット回せよ」
ミカサ「わかった」
カラカラカラ
『4』
ミカサ「…さぁん、しぃ。さぁ、何だろう?」
『憲兵団に入る?』
ミカサ「憲兵団…」
アルミン「憲兵団はいい職だよ。給金も高いし、イベントのリスクも少ない。やめる理由は特にないと思うよ」
ミカサ「エレンは調査兵団を目指すの?」
エレン「あぁ、もちろんだ!」
ミカサ「そう……じゃあ私も調査兵団を目指す」
アルミン「ミ、ミカサいいのかい?次にあまり大きい数字を出しちゃうと開拓民になっちゃうよ?」
ミカサ「大丈夫。次に2を出せばいいだけ。何の問題もない」
エレン「お前、無理して俺に合わせるなよ。面白くないだろ。…まあいいや回すぞ」
カラカラカラ
『8』
エレン「お!大きい数字だ。調査兵団だといいな!」
ミカサ「エレン、私も調査兵団を目指す。私たちはいつも一緒」
エレン「まぁお前がそれでいいならいいけどよ(マス通り過ぎて、こいつが開拓民になれば追いつくチャンスだ)」
ミカサ(はっ!一緒にいるのを認めてくれた!)
ミカサ「エレンの強い気持ちは、本当に私を暖かくする。ずっと一緒にいようね、エレン///」
エレン「い〜ち、にぃ〜、さぁん…」
エレン「…はちっ!あ〜、ちょっと就職ゾーンに届かなかったか。でもこの次には行けそうだな。とりあえずイベントだ」
『卒業打ち上げの時、ライバルと喧嘩。怪我をさせ、治療費として1000払う』
エレン「うがぁ!なんだよそれ!こんなのばっかじゃないか」
アルミン「エレン、これでお金がなくなったよ。まぁ次に就職できれば、すぐ給金が出るから大丈夫だと思うけど」
ミカサ「弱いくせにエレンからお金をせしめるとはなんて不届きな奴。きっと馬面で性格の悪い、いやらしい奴に違いない」
〜とある街〜
ジャン(10)「はっくしょん!」
ジャン「あ〜、なんだいきなりくしゃみが…」
ジャン「あ、もしかして、俺の未来の嫁さんが俺の噂をしてるのかな?…なんてな」ウヘヘヘ
ミカサ「急に寒気が…」ゾクッ
アルミン「だ、大丈夫かい? さぁ、次は僕だね」
カラカラカラ
『8』
アルミン「よし、この数字なら僕も就職マスに止まれそうだぞ」
アルミン「……はぁち。さ、何の職かな?」
『技工部に入る?』
アルミン「技工部かぁ、堅実な職業みたいだなぁ」
エレン「アルミンが技工部かぁ、アルミン頭いいし、すごいもの発明できそうだな!」
ミカサ「アルミンには正解を導く力がある。ので、人類にとって役に立つものを創り出せると思う」
アルミン「二人とも、ありがとう。よし!僕は技工部に入るよ」
アルミン「職が決まったら自動的に最初の給金マスに移動するんだね」
アルミン「わ、結構な額がもらえたよ。ここから一気に出入りする金額が上がるみたいだね」
エレン「じゃあ、まだまだ挽回可能だな!」
ミカサ「次は私…。2、私は何としても2を出さなくてはならない」
カラカラカラ
『10』
ミカサ「」
アルミン「ミ、ミカサ…」
エレン「あははは!一気に進んじゃって開拓民だな、ミカサ。憲兵団に入っとけば良かったのに」
アルミン「エレン、ミカサはエレンのことを思って憲兵団に入らなかったんだよ?そんな言い方はないんじゃないかな?」
エレン「そんなこと言ったって知らねぇよ、こいつが勝手にやったことだしさ」
アルミン「そうだけど!」
ミカサ「いい、アルミンありがとう。私が勝手にやったこと…エレンは間違ったことは言ってない」
アルミン「ミカサ…」
ミカサ「さ、アルミン。お給金のマスに移動した。ルーレットを回せばいいの?」
アルミン「う、うん。ルーレットを回してその出目の1000倍の額がもらえる。ただ…」
ミカサ「私はやる!開拓民史上、誰よりも稼いで見せる!」
カラカラカラ
『10』
ミカサ「やった…私は勝った…」
エレン「すげぇ!ということは10000もらえるってことか?」
アルミン「…」
ミカサ「良き妻はいかなる状況でも、最高のパフォーマンスを見せる」
アルミン「そうじゃない…」
ミカサ「え?」
アルミン「そうじゃないんだ、ミカサ…」
ミカサ「どうしたのアルミン?なんでそんな悲しそうな顔をしてるの?」
アルミン「開拓民はルーレットの出目の1000倍の金額をもらうことが出来る」
ミカサ「それはさっき聞いた。だから私に10000頂戴」
アルミン「ただし……8、9、10が出た場合、その回の給金はもらえない…」
ミカサ「え?」
エレン「ってことは、今回ミカサは一文ももらえないってことか?」
ミカサ「うそ…」
アルミン「嘘じゃないんだ、ミカサ。これが…現実だよ」
ミカサ「」
アルミン「ミカサ…」
ミカサ「……いや、こんなことで私は負けない!」
ミカサ「きっとこのゲームの性質上、転職のチャンスがあるに違いない!アルミン、違う?」
アルミン「…!そうだよ、ミカサ!あともう一回、転職のチャンスがある」
ミカサ「やはり…私はそのチャンスをつかんで、次こそ調査兵団に入る!」
エレン「うわぁ、開拓民ひどいなぁ、俺も気をつけよっと」
エレン「よ〜し、俺は絶対に調査兵団に入るぞ!調査兵団のマスは……7だな。7出すぞ〜」
カラカラカラ
『5』
エレン「あぁ、なんだよ〜!少し足りなかった。まぁいいや、とりあえず何の職だろう?」
『憲兵団に入る?』
アルミン(なんだと…?)
エレン「憲兵団かぁ〜」
アルミン「エレン……君はどうすべきかわかっているね?」
エレン「あぁ、アルミン!大丈夫だ」
アルミン「そう、良かった(さすがのエレンもここはわかるか…)」
エレン「俺は憲兵団に入る!」
アルミン「ばかやろうっ!」
ミカサ「」チーン
エレン「なんだよアルミン!急に叫ぶなよ、びっくりするだろ?」
アルミン「あぁエレン…君はなんてエレンなんだ」
エレン「何わけわかんないこと言ってんだよ」
アルミン「エレン、何故君は憲兵団に入ったんだい?」
エレン「え?だって開拓民やだもん」
アルミン「ミカサは君のために憲兵団に入らなかったんだよ?」
エレン「そんなの知らねぇよ。憲兵団、待遇いいんだろ?なのにそれを選ばなかったミカサが悪いし、何より俺勝ちたいもん」
アルミン「そう…なんだけど…(くそ、エレンのくせに正論を)」
ミカサ「いい、アルミン。エレンが私のような目に合わなかったなら、それだけでいい…」トオイメ
アルミン「ミカサ…なんて健気なんだ」ホロリ
エレン「よし!給金マスに移動移動」ウキウキ
今日はここまでになります。
明日の午前中、おそらく10時すぎくらいから再開予定です。
よろしくお願いします。
1です。
再開していきます。
〜そんなこんなで〜
アルミン「さぁ、もう少しでみんな結婚マスに着くね。このマスは強制ストップマスだからピッタリ止まらなくても大丈夫だよ。この次のターン辺りでみんな到着かな?」
ミカサ「とうとうこの時がきた…待っててね、エレン」
アルミン(良かった…ここに来てようやくミカサが元気になった)
エレン「ところでアルミン。これ、先に着いた奴から結婚相手選んでいくのか?」
アルミン「そうだね、人気のある相手ほど競合になるから、早く着くにこしたことはないよ」
アルミン「最も今回は三人だし、競合と言っても僕とエレンだけだけどね」
エレン「でもアルミンが先に着いたら一人は確実に取られちゃうんだろ?じゃあ先に着かねぇとな!負けねぇぞ」
ミカサ(エレン、私を選ぶためにこんなに必死になって…とても嬉しい///)チラッ
アルミン(大丈夫だよ、ミカサ。完全無欠系女子は選ばない)グッ
ミカサ(さすがアルミン、わかってくれた。これで微かに残っていた不安は消えた。エレン、私たちの間にもう何も問題はない!存分に私を選らんで)
アルミン(というかこんなミカサの前で、完全無欠系女子を選ぶことなんてできないよ)
アルミン(ま、そもそも僕は初めから女神系女子狙いだし。となると問題なのは…)チラッ
エレン「さぁ、誰を選ぼうかなぁ」
アルミン(あのスカポンタンが誰を選ぶかだ。まったく読めない。完全無欠系女子を選べばミカサも僕も最高だけど、僕には奴を誘導できる気がしない…)
アルミン(とすれば、僕は女神系女子と確実に結婚するためには、なんとしても先に着かなくてはならない)
ミカサ「アルミン、ルーレットを回していい?もう待てない」
アルミン「あ、あぁ、ごめんよ。回してくれ」
カラカラカラ
『ストップ!結婚マス』
1です。
更新遅くなってすいません。
再開します。
ミカサ「エレーン!」
エレン「なんだよ、うるせぇな」
アルミン「ははは、良かったね、ミカサ。はい、これ駆逐系男子カード」
ミカサ「あぁ、エレン…ずっと一緒だよ」
アルミン「さ、ここでは結婚と同時に家を買うことができるよ。家は最後、資産として計算できるんだ」
ミカサ「二人の愛の巣!」
エレン「そっか、選ぶ家によって最後にもらえる金額が違うんだな。これはちゃんと選ばないと」
アルミン「とは言っても正直、ミカサは持っているお金が少ないから、この一番小さい家がギリギリだけど…」
ミカサ「構わない。愛があれば、狭いながらも楽しい我が家」
アルミン「じゃあこの家に旗を立てるね」
ミカサ「あぁ、私とエレンの家……え?早く入ろうって?もうエレン、そんなに慌てない。私たちの愛の巣は逃げないから。何?ミカサ、愛してる?……エレン!」ウットリ
エレン「一人言、激しい奴だな。まあいいや。よ〜し、俺の番だ。5以上出せば結婚マスに到着だな」
アルミン(4以下だ、出でよ4以下…神よ、あのスカポンタンに報いを…)
カラカラカラ
『4』
アルミン「イエスッ!」
エレン「うおっ!なんだよアルミン、感じ悪いな」
アルミン「あぁ、ごめんごめん…(よしよしよ〜し!まずは第一段階クリア!)」
エレン「なんだよ〜、直前で足踏みだよ。で、イベントはなんだ?」
『結婚指輪を買う。30000払う』
エレン「げっ!指輪とかいらねぇ〜。しかも高ぇし」
ミカサ「はっ!現実のエレンが私のために指輪を買ってる……ゲームの中のエレンも優しいけど、現実のエレンも優しい…私はどうしたら」アタフタ
アルミン「よし、次は僕だね…(3以上だせば女神と結婚だ)」
カラカラカラ
『6』
アルミン「イエスッ!」
エレン「わっ!なんだよアルミン、びっくりするだろ!」
『ストップ!結婚マス』
アルミン「あぁ〜、どうしようかなぁ、特に相手考えてなかったなぁ、まいったなぁ(やった!女神と結婚だ!ウヘヘ)」
エレン「先越されちゃったな。アルミン、早く決めろよ」
アルミン「え?早くしろって?もうエレンはせっかちだなぁ。う〜ん…ホント、誰でもいいんだけど」
アルミン「あ、今たまたま目に入ったから、え〜とこの、め、がみ系?じゃあ、この女神系女子にしようかな。ホント誰でもいいんだけどさ、ははっ」
エレン「やっと決めたか。ほらよ、アルミン。女神系のカードだ」
アルミン「あぁ、ありがとう(やった〜!女神と結婚だ!よくやったぞ、アルミン・アルレルト)」
ミカサ「おめでとう、アルミン。幸せになれるといいね。さ、ここからは私は一人じゃない。エレンと二人の人生…///」
アルミン「ここからは、結婚相手ごとに違ったイベントが起こるマスが増えてくるよ。マスに書いてある数字とカードに書いてある数字が連動してるみたいだね」
カラカラカラ
『7』
ミカサ「ラッキーセブン。幸先の良い数字。あぁ私たちを祝福してくれているかのよう」
アルミン「あ、結婚イベントマスみたいだね」
ミカサ「マスの番号のイベントは何だろう…」
『夫が他の女と歩いているところを偶然目撃!ショックで一回休み』
ミカサ「……エレン?何してるの?」
エレン「ばか!ゲームの相手がだろ。お前、目怖えよ!」
アルミン「あ、駆逐系男子の特徴がカードに書いてある」
『……駆逐系男子は、そのひたむきさと鈍感さゆえにか、何故か女性にモテる。そのため、マイナスイベントは女性に関するものが多い』
ミカサ「……エ、エレンは素敵…なので、女性にモテるのはしょうがない…」フーッフーッ
アルミン「ミ、ミカサ、よく我慢したね」
エレン「いちいちうるせぇなぁ、よし俺だな!」
カラカラカラ
『ストップ!結婚マス』
ミカサ「はい、エレン。私のカード」
エレン「なんだよ!まだ何も言ってないだろ!」
ミカサ「恥ずかしがらなくていい。はい、私のカード」
アルミン(あぁ…この先の展開が僕には読めるよ…)キリキリ
エレン「俺が選ぶのはその女じゃねぇよ!」
ミカサ「え?」
エレン「だからその女じゃないって」
アルミン「追い打ちやめて!」
ミカサ「」ブクブクブク
アルミン「あぁ、ミカサが泡を吐いてる」
エレン「俺はこの格闘系女子にするぜ!」
アルミン「なんということだ…」
ミカサ「なんで、エレン!なんでそんな女狐みたいな女を選ぶの!?」
エレン「うるせぇなぁ、誰選んだって良いだろ」
ミカサ「ダメ。絶対にダメ。ちゃんと理由を教えて」
エレン「うるせぇな、これだよ」
『……格闘系女子を妻にしていると、肉弾戦イベントでマイナスの結果になりにくい』
エレン「こいつと結婚すると格闘術が鍛えらるってことだろ?俺、強くなりたいし」
ミカサ「ふ、そんなこと…私も強い。すごく強い。ので、エレンに格闘術を教えるどころか、守ることができる」
エレン「女に守ってもらうのなんか嫌だよ」
ミカサ「そ、そんな」ガガーン
エレン「それに『気が強く冷たい女と思われがちだが、実は乙女チックでかわいい一面も?』ってのが気になったんだよな」ボソッ
〜とある村〜
アニ(10)「…へくちっ」
ベルトルト(10)「大丈夫かい、アニ?」
ライナー(10)「風邪か?」
アニ(10)「ん〜、大丈夫」
ベルトルト「もし風邪なら無理しちゃいけないよ?」
アニ「うん」
ライナー「風邪じゃないとなると、もしかしたら噂かもな?」ニヤニヤ
アニ「うわさ?」
ライナー「あぁ、いきなりくしゃみすると、誰かに噂されてるって言い伝えがあるんだ」
アニ「噂ねぇ(私の噂かぁ、誰かする人いるかな?)
ライナー「もしかしたら、どこかの男がお前のことを話してるのかもしれないぞ?」ニヤニヤ
アニ「は、何それ(お、男の子が!?…はっ!ももも、もしかして!未来の旦那様が、私のこと思ってくれてたり……なんてねっ///)」ハズカシッ
ベルトルト「アニ、顔赤いよ?やっぱり風邪じゃないの?」
アニ「違うよ、大丈夫(あぁ〜、そんなこと考えてたらドキドキしてきた!どんな人かなっ!私の未来の旦那様はどんな人かなっ!素敵な人だといいなぁ〜)」ニコニコ
〜そんなこんなで〜
ミカサ「……」
アルミン(まずい…ミカサがまったく喋らなくなった)
アルミン(結婚イベントマスに止まる度、何故かエレン…もとい駆逐系男子の浮気未遂イベントばかり…)
アルミン(そして給金マスでは、小さい数字、もしくは大きすぎる数字、どちらか極端な出目ばかりでお金も貯まらない)
アルミン(あげくの果てに…)
エレン「いやぁ、子どもがたくさん生まれて荷馬車に乗りきらないな」
アルミン(エレンは何故だか子沢山。幸せな家庭を築いている。そしてその反面…)
ミカサ「ふふふ…エレンと二人っきりの時間がたくさんで嬉しい」トオイメ
アルミン(ミカサには何故か子どもができない…)
アルミン(このままじゃミカサが病んでしまう……あっ!あそこは)
アルミン「ミ、ミカサ!転職ゾーンが近づいて来たよ!」
ミカサ「……え?転職できるの?」
アルミン「そうだ、とうとう開拓民生活に終止符を打つ時がきたよ!」
ミカサ「あぁ、やっと…長かった…」ホロリ
ミカサ「エレン。エレンは転職するつもり?」
エレン「あぁ、憲兵団も飽きてきたし、俺はやっぱ調査兵団だな!」
ミカサ「そう、わかった。じゃあ私も調査兵団を目指す」
エレン「お前、職にこだわらず、とりあえず何でもいいから職変えた方がいいぞ」
アルミン(確かに…)
ミカサ「いい。私とエレンはいつも一緒。さぁ、私は調査兵団を目指す!」
カラカラカラ
カラカラカラ
『6』
ミカサ「調査兵団に入る!」
『アイドルになる?』
ミカサ「」
アルミン「ミ、ミカサ、アイドルは給金良いし、イベントも良いの多いよ?」
ミカサ「……私は調査兵団を目指す」
エレン「あ〜ぁ、知らないぞ」
ミカサ「大丈夫。今度こそ私は勝つ」
アルミン(う〜ん、まぁ幸い、まだ憲兵団と調査兵団、両方のマスが残ってるから、エレンが調査兵団になっても、もしくは憲兵団のままでいても、なんとか対応はできるか…)
エレン「よし!次は俺だな。このターンで一気に転職ゾーンまでいくのは、ちょっときついか?」
カラカラカラ
『8』
エレン「あ、ギリギリいけるか?いけないか?」
『医者になる?』
アルミン「エレン…医者はやめておいた方がいいんじゃないかな?」
エレン「何でだよ?」
アルミン「(ミカサのためだよ!)う〜ん、エレンは兵士の方が似合ってると思うよ?」
エレン「まぁ確かになぁ…調査兵団になるチャンスもまだあるからな」
アルミン「そうだよ!エレン兵士になるべきさ」
エレン「そうかぁ〜」
アルミン「そうだよ!」
エレン「でもやっぱ医者になるわ」
アルミン「ばかやろう!」
ミカサ「」チーン
アルミン「なんで?なんでだよ、エレン」
エレン「え?だって、父さんと同じ仕事だし、給金ももっと良くなるし」
アルミン(くそぅ…また正論だし)
ミカサ「」
アルミン(あぁ…ミカサはもう医者マスを通りすぎている。これでもう今回のゲームでエレンと同じ職になるチャンスはない)
アルミン(こうなったら、ミカサがまともな職につくことを祈ろう。さすがにもう同じ職につくのは諦めただろう)
エレン「俺のことはいいからよ、ほら、アルミンの番だぞ」
アルミン「僕は転職しなくていいや。堅実にいくよ」
カラカラカラ
『5』
アルミン「さ、何のマスかな?お、職業イベントマスだ」
『新しい武器を発明した。臨時ボーナスとして50000もらう』
エレン「お!良かったな。着々と稼いでるなぁ」
アルミン「ははは、ありがと(なんか二人に比べ、僕はいたって普通、特に山もなく谷もないプレーだな。まぁ、女神系の奥さんがいるだけで幸せだけど、うへへ)」
エレン「どうしたアルミン?キモイぞ?ほら、次はミカサだろ。今度こそちゃんとした職につくんだぞ」
ミカサ「エ、エレン!……ありがとう。こんな私を支えてくれるあなたは本当に暖かい。あなたのためにも今度はちゃんとした職につく」
アルミン(まぁ、こうなったのは、エレンのせいでもあるんだけどね)
カラカラカラ
『10』
アルミン(転職ゾーン越えたー!)
ミカサ「」
エレン「ははは!お前、畑耕すの好きだなぁ」ケラケラ
〜そんなこんなで〜
ミカサ「」
アルミン(あぁ、徐々に終わりに近づいてきているけど、なんて長いんだ…早く終わって欲しい…)
アルミン(ただ、ミカサはさすがだ。開拓民にも関わらず、着実にお金を稼いできている。職さえちゃんと決めていれば間違いなくトップだっただろう…相変わらず子どもはできないけど…)
アルミン(ただ、今後の展開次第ではまだトップの可能性はある。せめてゲームで勝って少しでも元気を取り戻して欲しい)
カラカラカラ
エレン「よ〜し、俺のマスはなんだ?」
『玉突き事故、荷馬車が大破する。本人と前後5マスにいるプレーヤーは修理費として200000払う。ただし、荷馬車保険を持っている人は払わなくて良い』
エレン「げっ!なんだこのマス…200000!やべぇよ…あ、でも荷馬車保険?確かにそんなの一番初めに買ってたような……あ!あった、おぉ〜良かった。これで払わないですむ」
アルミン(終盤にも関わらず、僕らは固まった位置にいた……そのため僕もこの被害に巻きこまれた…)
アルミン(しかし、僕はエレンと同様、荷馬車保険を買っていた。だから被害はゼロだ。しかし、買ってない人間が一人……前後5マスから外れていればいいが)
アルミン(いち…に…さん…し……、いち…に…さん…し……、いち…に…)
アルミン(ダメだ!何度数えても、4マスしか離れていない!着々とお金を貯めていたとはいえ、200000もの金額を彼女は払えるのか?)
ミカサ「アルミン?」
アルミン「(ドキッ!)な、なんだい?ミカサ?」
ミカサ「私、エレンから4マスしか離れていなかったから、事故に巻き込まれてしまった。まったくエレンはおっちょこちょい。でもエレンに怪我がなくて本当に良かった…」
アルミン「(をーい!完全魂が抜けてるよ!)あ、あぁ…そうなんだ」
ミカサ「私、荷馬車保険買ってなかったからお金払わなくちゃ…」
アルミン「あぁ、そう…だったね」
ミカサ「でもごめんなさい、アルミン。私160000しか持っていないの?足りない分はどうしたらいい?」
アルミン(あぁ。この160000、細かいお札がたくさんあるよ。なんて切ないんだ……開拓民のミカサが必死に貯めたお金だ…)
アルミン(それをあの死に急ぎ子沢山野郎がくだらない事故を起こしたせいで……)
エレン「そうか、ミカサ保険買ってなかったんだな。ごめんな」
ミカサ「いや、エレンは悪くない。事故を甘く見ていた私が悪い」
エレン「まぁ、確かにな。俺が買う時、無駄遣いとか言ってたもんな。結果的に俺が正しかったわけだ」
ミカサ「」ショボン
アルミン「(をいをい、事故を起こしたお前が何を得意がってるんだ?……いや、これもゲームの醍醐味か。エレンが不正をしたわけじゃない。しょうがないんだ)ミカサ?」
ミカサ「な、なに?」フラフラ
アルミン「(うわ…めちゃくちゃ弱ってる…)あ、あのね、足りない分はこの約束手形っていうのを持つんだ」
ミカサ「約束手形?」
アルミン「そう…まぁ…なんというのか…借金、だね」
ミカサ「わ、私はとうとう借金持ちになってしまった」ガガーン
アルミン「そ、そうだけど、まだ逆転のチャンスはあるよ!ここからは最後のラストスパートってことでお金の出入りが、更に高額になるから」
ミカサ「…頑張る」
カラカラカラ
『3』
ミカサ「子どもが欲しい…子どもさえいれば…」
『離婚イベントマス!』
ミカサ「な!何、これは?」
アルミン「な、なんだろう?(うわぁ…嫌な予感しかしない…)」キリキリ
『離婚の危機!ルーレットを回し、1〜3だったら離婚、4〜7だったら離婚回避、8〜10だったら雨降って地固まる、子どもを授かる』
エレン「雨降って地固まるってなんだ?離婚の危機なのに、なんで子どもができるんだ?」
アルミン「さ、さぁ僕も子どもだからわからないや、ははは(みょ、妙に生々しいな…)」
ミカサ「小さい数字を出したらエレンと離婚…もう私にはエレンしかいない、もしエレンまでいなくなったら…」ガクガク
ミカサ「…いや!裏を返せば、エレンとの子どもができるチャンス!私は勝つ!勝って子どもを生む!」
アルミン(すごいなミカサ、こんな状況になってもまだ前向きなのか)
カラカラカラ
『2』
ミカサ「いや…いや…!エレーン!行かないでぇ!」ウワーン!
エレン「うわ、号泣じゃねぇか…」
ミカサ「あぁ、なんで行ってしまうの、エレン!?私何かした?悪いところあったら治すから!」ウワーンウワーン!
アルミン(最悪だ…何ということに…。ミカサは最後の希望を失った……もう彼女は立ち直れないか……いや!)
アルミン(エレンなら!エレンならミカサを立ち直らすことができる。頼むエレン!ミカサを救ってくれ)
エレン「ミカサ……」
ミカサ「うっうっ……エレン…」グスグス
エレン「あのさ」
ミカサ「なに?エレン」グスグス
エレン「お前、家も返さなきゃいけないらしいぞ?ほら『離婚の場合、住んでいる家を返す』って書いてある」
ミカサ「」コポォ
アルミン「ミカサーッ!」
〜そして遂に〜
ミカサ「あぁ…エレン、エレン…幸せだね、うふふ」ゲンカクー
アルミン(とうとうゴールだ。しかも奇しくも、みんなほぼ同時ゴール。こんなに足並みが揃っているのに何故結果だけがこんなことに……)
エレン「よし、最後の清算だよな!アルミン、どうすればいいんだ?」
アルミン「う、うん…家とか家族とかをボーナス金として加えていって、その総額が一番だった人が優勝だよ」
アルミン「でも最後に、人生一番の賭けっていう勝負を受けることができる」
エレン「やる!」
アルミン「えぇ!?ルールも聞かないのに?」
エレン「あぁ、勝負は受けてなんぼだ!俺は勝つぜ!」
アルミン(あぁ、エレンはすごいな。普通清算してももしかしたら優勝できるかもしれないのに…)
アルミン(この勇気ばっかりは逆立ちしても絶対に勝てないなぁ。あぁ、このパワーのわずかでもミカサへの思いやりに向けてくれればいいのに…ってかやっぱバカだなぁ)
エレン「ほら、アルミン、どうすればいいんだ?」
アルミン「うん、簡単だよ。賭け金は全額。8〜10が出れば賭け金が3倍になる。ただそれ以外が出たらすべて没収で、そのまま開拓地行き、真のゴールである内地にはいけなくなるよ。ホントにやる?」
エレン「へっ!やるに決まってんだろ!賭けに勝ってぶっちぎりで優勝してやる。で、アルミンはどうするんだ?」
アルミン「あぁ、僕はやめておくよ(エレンが賭けに勝てばエレンが優勝。負ければ僕が優勝)」チラ
ミカサ「エレン、すごいね。私たちの子どもだけで野球の試合が成立する、ふふふ」ゲンガクー
アルミン(ははは、ってかもう結果とかどうでもいいや)
エレン「よし!ルーレットまわすぞ!」
カラカラカラ
『7』
アルミン「あぁ!惜しいっ!」
エレン「うがぁ!くそっ…負けた。俺は最後の最後で勝負に負けちまった。情けねぇ…」
エレン「あぁ、悔しいなぁ、ちくしょう…」
ミカサ「……はっ!……エレン!?どうしたの?なんでそんなに悲しい顔してるの?」
エレン「あぁ…ミカサ、俺最後の勝負に負けちまったんだ。はぁぁ、俺はなんて詰めが甘いんだ、なんて弱いんだ…」
ミカサ「そんなことない!エレンは弱くない!何度も私を救ってくれた」
エレン「でもよ、俺は今や負け犬だ…ははは、情けなすぎて笑えてくるぜ」
アルミン(あぁ〜なんでゲームでこんな空気になるんだ…面倒くさい)
ミカサ「…わかった!私がエレンの仇を打つ」
エレン「ミカサ……」
ミカサ「私は何度もエレンに救ってもらった。今度は私の番」
ミカサ「さぁ、アルミン!私もその勝負を受ける!」
アルミン「……」
ミカサ「アルミン?早くその勝負のルールを教えて」
アルミン「ミカサは…できないんだ…」
ミカサ「え…?」
アルミン「ミカサは最後の勝負が…できないんだ…」
ミカサ「な、なんで!?なんでできないの!?」
アルミン「ミカサは……借金してるから…家とかの資産もないし、しかも……」
アルミン「…か、家族もいないから最後の清算ボーナスはない…。借金でゴールした人は、無条件で開拓地行き…。最後の賭けはできないんだよ…」
ミカサ「…」プルプル
ミカサ「…うわ〜んっ!」ドバーッ
ミカサ「アルミンの鬼っ!アルミンが私には家族がいないって言ったっ!」
アルミン「ち、違うよ、ミカサ!ご、ごめん、そんなつもりで言ったんじゃないよ!これはゲームだから!ミカサ、泣かないで(うわぁ、僕一位なったのに、全然嬉しくない)」
エレン「そういやそうだな。これはゲームなんだから、そんな熱くなる必要ないぞ」
ミカサ「それに…それに…ゲームのエレンはいなくなってしまうし、現実のエレンは冷たいし、あんなに頑張ったのに、お金はまったくないし…」グスグス
エレン「それは色々選択を間違えたお前が悪いんだろ」
アルミン(確かに…それは一理ある…)
ミカサ「何でエレンはいなくなってしまったの?どうして?どうして?」ベソベソ
エレン「あ?ここに俺はいるだろ!わけわかんないこと言うな!いい加減にしないと怒るぞ」
ミカサ「もう怒ってるぅ〜!うわ〜ん!」ドバーッ
エレン「怒ってない!」
ミカサ「グスッ、こんな残酷なゲームがこの世に存在するなんて…」ズビズバー
アルミン「あぁ、ごめんよミカサ!僕がこんなゲームを持ってきたばかりに……(僕か?僕が悪いのか?)」
エレン「アルミンは悪くないだろ、何言ってんだミカサ!アルミン、謝る必要はないぞ」
ミカサ「また怒った〜」ビエーン
アルミン(…あぁ、カオスだ……)
ミカサ(まただ…)ズキズキ
ミカサ(またこの痛みだ…)ズキズキ
ミカサ(あぁ、この世は残酷だ…)ズキズキ
ミカサ(大事なものを奪っていく…)ズキズキ
『戦え!』
ミカサ(え?戦う…?何と?)
『戦え!』
ミカサ(敵と?私の敵…)
ミカサ(……アルミン?)
アルミン(な、なんだ!うつむいているミカサから禍々しいオーラが…)ゾクゾクゾク
『戦え!』
ミカサ(違う!アルミンは友達。確かに今日のアルミンは意地悪だけど、大切な友達…ならば)チラ
ルーレット
『戦え!』
ミカサ(私をこんな残酷な世界に導いたのは、このルーレット…)
『戦わなくては勝てない!』
ミカサ(戦う…)
カラカラカラ
アルミン「ミ、ミカサ?(うわぁ…とうとうおかしくなった。あぁ、やっぱりこんなゲームを持ってきたのが間違いだったのか…)」
ミカサ(戦う)
カラカラカラ
ミカサ(戦う)
カラカラカラ
ミカサ(戦う)
カラカラカラ
エレン「お、おい、ミカサ、大丈夫か?」
ミカサ(戦わなくては勝てない!)カッ
ミカサ(その時…)
ミカサ「10」 ボソッ
エレアル「え?」
カラカラカラ
『10』
ミカサ(私は…)
ミカサ「5」ボソッ
アルミン「ま、まさか…!」
カラカラカラ
『5』
ミカサ(ルーレットの出目を)
ミカサ「……1!」
カラカラカラ
『1』
エレン「お、おい!アルミン、こいつまさか…」
アルミン「う、うん…もしかして…」
ミカサ(完全に支配することができるようになった)
ミカサ「もう一回やりましょう」ニコリ
カラカラカラ
おわり
以上になります。
SS三作目です。
一作目…エレン「俺の誕生日?」
二作目…エレン「友達ができない」アニ「友達が欲しい」
もし良ければ、こちらもご覧下さい。
読んでくれた方、コメントくれた方、ありがとうございました。
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