加蓮「特別な日だから」 (10)
加蓮「ウェディングドレス!? なにそれ、やってみたい!」
P「おいおい、そんなに興奮するなよ」
加蓮「するに決まってるじゃん! 女の子にとって憧れなんだから! ああ、夢みたい……」
P「落ち着けって」
加蓮「あ……、えと、今のなし。忘れて、お願いだから」
P「分かった、分かったから顔上げろ。とにかく今度のウェディングドレスの撮影は加蓮と茜と桃華に任せる。どんなドレスがいい?」
加蓮「……純白、かな」
P「了解。先方に伝えとくよ」
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P「でもそんなに喜んでくれるなんてな。この仕事取ってきた甲斐があるってもんだ」
加蓮「……Pさんさ、私が虚弱体質だったの知ってるでしょ?」
P「え? あ、ああ」
加蓮「何回も入退院繰り返してさ。もう死ぬんじゃないかーってくらい辛い時もあったんだ」
P「……」
加蓮「だからたまにドラマとかで観る結婚式がすごく羨ましくて。私もこんな綺麗なドレス着てみたいなーって……。あはは、相手もいないのに何考えてたんだろね私。でも、すっごく憧れたの」
P「……そっか」
加蓮「そんな憧れのドレスが、例え撮影のためでも着れるんだよ? そりゃ私だって喜ぶよ」
P「だから純白か?」
加蓮「そ。オーソドックスだけど、一番印象に残ってるのがそれだから」
P「せっかくだし何着か着ていいんだぞ?」
加蓮「いーの。大体、結婚式前にウェディングドレス着ると婚期が遅れちゃうらしいし。いっぱい着て遅れちゃったら相手見つからないまま終わっちゃうかもしれないじゃん?」
P「加蓮ならいい旦那さんが見付かるさ」
加蓮「ま、真顔でそんな恥ずかしい事言わないでよ……」
P「本心だから仕方ないさ」
加蓮「……ばーか。女たらし」
P「失礼な」
加蓮「ふふっ、本心だから仕方ない」
P「やかましい。ほら、話はそれだけだから早くレッスン行ってこい。凛と奈緒が待ってるぞ」
加蓮「分かってますよー。じゃあPさん、よろしくね!」
P「任せとけ」
ピポパ
P「……あ、お世話になります。ええ、今度の撮影での加蓮の衣装なんですが、はい。色は純白で。あと頼みたいことがあるんですが――」
………
…
撮影前日
加蓮「すごーい、かわいいドレス! ほらPさん、どう?」
P「ああ、加蓮にぴったりだな」
加蓮「ふふ、お世話でも嬉しい! このドレスに合わせるならやっぱり髪はアップかな。ネイルは、うーん……」
P「せっかく純白のドレスなんだし派手なのは合わないだろ。そのままでいいんじゃないか?」
加蓮「そう……だね。うん、そうする。気取らないありのままの私を撮ってほしいし」
P「いい心掛けだ」
加蓮「でもさ、本当にこれ似合うかな? 私でよかったのかな?」
P「なに弱気なこと言ってるんだよ。似合うに決まってるし、加蓮じゃなきゃダメだ。いいな?」
加蓮「……あはは、ありがと」
P「まったく、マリッジブルーになった娘を持つ父親の心境が分かった気がしたよ」
加蓮「あ、ひどい! Pさんみたいな父親欲しくないし!」
P「ひでぇ」
加蓮「だ、だってPさんが父親じゃ……結婚出来ないじゃん」ボソッ
P「なんだって?」
加蓮「なんでもなーいーっ! ほら、茜さんや桃華ちゃんの様子も見に行くんでしょ! 早く行きなさい!」グイグイ
P「ちょ、分かったから押すなって」
眠いから明日書こう…。
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