足洗寮のアイドルたち。 (26)

モバマス×足洗邸の住人たち。のクロスSSです。

足洗邸。側からは福太郎しか出ない予定なのでご了承を。

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拝啓
おじいさん、おばあさん、お元気ですか。
早いもので東京に出てきてもう八年ホドになります。

つい先日、住み慣れたアパートが取り壊しになり路頭に彷徨っていたところをスカウトされ、今日からこの「足洗寮」に住むアイドルたちが所属する「足洗プロダクション」でプロデューサーをすることになりました。

プロデューサーが具体的に何をする人なのかはよく知りませんが、住居が提供されると聞いて喜んで飛びついてしまいました。


――――足洗寮――――


田村福太郎「ここかぁ、足洗寮……」


シンデレラガールズプロジェクト傘下のプロダクションは大抵変わったアイドルが多いそうなのですが、ここも噂に違わず変わり者ばかりの所でした。


???「おはようにゃ!」

福太郎「あ、おはようございます。今日からプロデューサーになりま。田村・福太郎っス」ペコリ

前川みく「あ! みくたちのプロデューサーチャンにゃ!? みくはこの足洗寮の寮長の前川・みくにゃ。よろしくにゃ!」


寮長が猫キャラでした。


みく「まあ、みくがここに来たのは昨日からだけどね。寮長がいなかったから引き受けたのにゃ」

福太郎「はー、そら大変ですねぇ」

みく「そうでもないにゃ」


猫キャラである彼女にマタタビを嗅がせるとどうなるか気になったのですが、酒ではないにせよ未成年を酔わせるのはどうかと思ったのでやめました。


福太郎「やっぱ魚好きなんすか?」

みく「お魚はキライにゃ!」


魚は食べないそうです。


――――足洗寮・玄関先――――


みく「とりあえず部屋まで案内するにゃー」


まあ、寮長が猫キャラなので住人がマトモなワケもなく……


みく「あそこでバイク弄ってるのが五号室の拓海チャンにゃ。元暴走族だから怒ると怖いのにゃ」


どうみても現役バリバリです。


向井拓海「あっ! 晶葉の奴また勝手に弄りやがったな!」ダダダッ

拓海「おい晶葉! いねぇのか!」ドンドン!

ウサーウサー

拓海「こらウサミンロボ! 放せ! やめろっつってんだ……んあぁっ!」


ウサミンロボとやらに何をされたのか凄く気になります。


――――足洗寮・一階――――


みく「拓海チャン! 拓海チャン!」

拓海「はぁ、はぁ…… あ?」

みく「今日からみくたちのプロデューサーになる田村・福太郎チャンにゃ!」

福太郎「どうも、田村・福太郎っス。よろしゅう」

拓海「プロデューサーだか何だか知らねーが、アタシはアイドルとかチャラチャラしたのはやんねーから」


この子は結構手がかかりそうです。ってかアイドルやる気ないのに何でここに住んでるんでしょう。


みく「あ、そうにゃ。二号室は入らない方がいいにゃ」

福太郎「何かあるんスか?」

みく「キノコがいっぱい生えてて胞子が舞ってるのにゃ。吸って害があるかどうかは分かんないけど一応気を付けるにゃ」

福太郎「あ、はい」キノコて...



でもいつか入ることになると思いマス。


みく「一階の子はみんなお出かけしてるから先に二階の案内をするにゃ」

......フヒッ

福太郎「? 今何か言いました?」

みく「何も言ってないにゃ」


――――足洗寮・二階――――


みく「ここが七号室にゃ」コンコン

みく「あれ、紗南チャンいないのかにゃー?」ガチャガチャ

福太郎「留守ですか?」

みく「中でゲームしてるはずなんだけど……」

トットット...

???「ん? みくちゃん、その人誰っスか?」

みく「あ、比奈チャン! この人がプロデューサーチャンにゃ!」

荒木比奈「あー、そういえば今日来るって言ってましたっけ。六号室の荒木っス。よろしくお願いしまス」

福太郎「田村・福太郎っス。よろしゅうに」

みく「比奈チャンはよく漫画を描いてるのにゃ」

比奈「まあ趣味レベルっスけどね」


俺も絵を描くのでちょっと気になります。


みく「八号室はまだ誰も住んでないのにゃ」

福太郎「じゃあ後は一階の一から四号室の子やね」

みく「あ、四号室は欠番にゃ。代わりに寮長室があって、そこにみくが住んでるにゃ」

比奈「三号室は誰も居ないんで一、二号室っスね」

みく「一号室は晶葉チャンで、二号室は、えっと……キノコ?」

比奈「キノコっスね……そうだみくちゃん、事務所はもう案内したんスか?」

みく「……そう言えばまだだったにゃ。それじゃ、事務所にレッツゴーにゃ!」


――――事務所――――


みく「あっちが仮眠室で、こっちが更衣室。あとそっちが給湯室で……どっちが田村チャンの部屋にゃ?」

福太郎「知りません」


事務所、寮の隣でした。プレハブ小屋みたいな物だと覚悟してましたが、意外と居心地はよさそうです。


みく「あそこにあるのが田村チャンのデスクにゃ。書類とか契約書とかが入ってるらしいから見ておいてねってさ」

福太郎「了解っス」

みく「それじゃみくは今から行くところがあるから失礼するのにゃ。これからよろしくにゃー」

福太郎「ああ、お手柔らかに」

バタン

福太郎「書類、ねぇ。……うわ、これ全部読まなアカンの?」

福太郎「ん、“プロデューサーの心得”? 一つ、アイドルには手を出さないこと……まあ、せやろな。なになに、次は……」


――――数時間後――――


福太郎「……書類にも一通り目ぇ通したし今日はもう休もか」バサ

福太郎「あっちが仮眠室で、こっちが更衣室。そっちが給湯室やから……ここやな、俺の部屋……ん?」ガチャ

???「ふふふ、今回もまた私が一番乗りのようだな」

???「あー! またボンビー憑いた!」


俺の部屋には既に女の子が二人いました。最近のプロダクションはプロデューサーの部屋に座敷童を憑けるのが流行りなんでしょうか。


福太郎「えっと……キミら、何してんの?」

???「んー? 何ってゲームだよ……って誰!?」

福太郎「……このやり取りもちょっと慣れてきたなぁ」

???「もしや君はみくが今日来ると言っていたプロデューサーか?」

福太郎「そうそう、田村・福太郎言います。よろしゅう」

三好紗南「あたしは三好・紗南。よろしくね、福太郎さんっ!」

池袋晶葉「私は池袋・晶葉。自分で言うのも何だが天才少女だ、よろしく」

福太郎「……で、何でキミら此処におんの?」

紗南「いやー、ここは寮と違って広いし寛げるからね。よくゲームしに来てるんだ」

福太郎「ああ、うん、分かったからとりあえず終わらせて寮帰ろか。もう暗なってきとるし俺も眠いし、な?」

晶葉「もうそんな時間か、ゲームに夢中で時間を忘れていたよ」

紗南「片付けるからちょっと待っててねー」カチャカチャ

晶葉「どうせ明日もやりに来るんだからこのままでもいいんじゃないか?」

福太郎「とりあえず片付けて持って帰ろな。ここ俺の部屋やさかい」

紗南&晶葉「はーい」


紗南「そんじゃ明日からよろしくねー!」

福太郎「気ぃ付けて帰りや、すぐ隣やけど」

晶葉「気が向いたら私の部屋に来るといい。過去の発明を披露しよう」

福太郎「あ、ああ。また今度な」

バタン

福太郎「……せや、明日みくちゃんに寮に住んでる子らの名簿貰っとかんと」


猫キャラ、元暴走族、漫画家(趣味)、天才(自称)、ゲーマーとイロモノ揃いのプロダクションですが、負けないようにプロデュースしてみようと思います。


そんなカンジでそれなりに元気です。

おじいさん、おばあさん、お体に気を付けていつまでも長生きしてください。


――――――孫より。

と、一区切り付いたんで今回はここまでです。

きりのいいとこまで書けたよー

ゆっくり投下していきます


――――事務所――――


田村福太郎「えっと…… これで全員集まったか?」

前川みく「まだ比奈チャンが来てないにゃ」

福太郎「おっと、せやったな」

向井拓海「プロデューサーなら所属してるアイドルの数くらい把握しとけよ…… まさか名前すら憶えてねぇなんてことはないよな?」

福太郎「スマンスマン。荒木比奈、池袋晶葉、前川みく、三好紗南、そんで向井拓海が俺の担当するアイドルや」

向井拓海「ばっ、アタシはまだアイドルやるなんて言ってねぇだろ!」

三好紗南「ねえねえ福太郎さん、あたし部屋に戻って今日発売したゲームやりたいんだけど」ピコピコ

福太郎「あのー、ここって何の事務所でしたっけ……?」

池袋晶葉「ここは足洗プロダクション。アイドル事務所だよ」カチャカチャ ウサー

タッタッタッ...

福太郎「分かっとるからちょっと静かにしとこな。……ん?」

バタンッ

荒木比奈「すみません、遅れました!」


          第二幕 足洗プロの人々。


拝啓
みなさん、御元気ですか。

今週から新しい生活が始まり、初めて足洗プロの全員と事務所で顔を合わせました。


みく「比奈チャン遅いにゃ!」

拓海「ったく、寮の中じゃアンタが一番年上なんだからしっかりしろよな」

比奈「あ、いやぁ…… 面目ないっス」ペコリ

紗南「遅いよ比奈さんー。何やってたのさ」ピコピコ

比奈「いやー、ネームやってたら寝落ちしちゃったんスよ」

福太郎「あっれぇ…… 俺アイドル事務所って聞いとってんけど聞き間違いやったかなぁ……」

晶葉「……君の言いたいことはよく分かったよ」

拓海「で、こんなトコに集めてどうしたんだ?」

福太郎「ああ、それはやな……」

バタンッ

???「すみません、遅くなりました!」


福太郎「あの……どちら様で?」

???「はぁ、はぁ、はぁ…… あれ、連絡来てませんでした?」

福太郎「連絡……? はぁ、特に何も来てなかったような……」

みく「福太郎チャン、福太郎チャン」クイクイ

福太郎「ん、なんやみくちゃん?」

みく「今朝渡した封筒じゃないのかにゃ?」ボソボソ

福太郎「あぁ! あれか! スンマセン、ちょっと待っとって貰ってええですか」

???「は、はい……?」

ガサゴソ アッタ、コレヤ!

福太郎「えっと、千川・ちひろさん……ですね?」

千川ちひろ「はい。今日からこの足洗プロダクションで事務員をさせていただく千川・ちひろです! よろしくお願いします」ニコッ

福太郎「よろしゅうに」

拓海「もう話戻してもいいか?」イライラ

比奈「まあまあ拓海ちゃん、落ち着くっスよ」


紗南「ヒマだし部屋からゲーム持ってこよっか」

晶葉「ああ、前の続きをしよう!」

福太郎「そこの二人ちょっと待とか。……そうそう、みんなをここに集めた理由やけど」

福太郎「初日は軽ぅ挨拶しただけやったからな。ちゃんと挨拶しとこ思て」

拓海「なんだ、そう言うコトかよ」

比奈「律儀な人っスねぇ」

福太郎「まあそう言わんと。俺は田村・福太郎。なんやアヤシイおにーさんにスカウトされてプロデューサーなりました」

比奈「アヤシイおにーさんって……」

紗南「あたし達をスカウトした……」

みく「P頭の……」

晶葉「彼だろうな」

拓海「間違いねぇ」

ちひろ「またあの人ですか……」

福太郎「な、なんやみんな同じ人間にスカウトされたんかいな」


ちひろ「多分私がちょっと前に居た事務所でプロデューサーやってた人ですよ、その人。妙にしつこくありませんでしたか?」

福太郎「俺はすぐ引き受けたからよぉ分からんけど、ものっそい剣幕で『君にはアイドルをトップへ導く才能がある!』て捲し立てられましたね」

ちひろ「まさか引退してからプロデューサーもスカウトするようになったとは……」

紗南「ゲーセンの格ゲーで対戦しながらスカウトされたよ。けっこう強かった!」

みく「猫カフェでスカウトされたにゃ。滅茶苦茶猫チャンたちに引っかかれてたよ」

晶葉「一週間ほど自室のスクラップの山に籠城されたな。……よし、いいぞ」ウサー

拓海「バイクでトバしてる所を一ヶ月くらい並走された。自転車で」

比奈「三年間コミケで誰よりも先にサークルのスペースに来て口説かれたっス。あ、ちゃんと本は買ってってくれましたよ」

福太郎「……ちひろさん」

ちひろ「はい?」

福太郎「俺らをスカウトした人って妖怪か何かなん?」

ちひろ「れっきとした人間ですよ。……多分」


福太郎「まあそれはさておきや!」パンッ

福太郎「俺もプロデューサーとしてやれることはやってみるさかい、みんなもちょっとだけアイドルやってみてくれや! プロデュースする相手がおらんなってまうとここ追い出されてまうかもしれんからな!」

拓海「仕方ねぇ、そこまで言うなら……ってアンタの為かよ!?」

福太郎「ははは!」

拓海「笑い事じゃねぇ!」

比奈「ふふっ、漫才みたいでスね」

紗南「福太郎さんって面白い人だね!」

晶葉「ウサミンロボ二号を作る費用を稼ぐためにも少しやってみるかな」

みく「みくはトップアイドルを目指すよっ!」

ちひろ「決まりですね! 足洗プロ一丸となって頑張りましょう!」グッ

紗南&みく「おー!」

拓海「なっ!? アタシはまだやるって決めたワケじゃ……」

福太郎「おーっ!」

拓海「テメッ、福太郎! 人の話を聞けぇっ!」

比奈「おー……っス」ボソ

晶葉「おや、比奈もこういうのにはノるタイプだったのか?」ニヤニヤ

比奈「き、聞いてたんスか晶葉ちゃん!?」


てなカンジでボクは楽しくやっています。
でも、便りが途絶えたらアイドルが全員居なくなったと思ってください。

――――――福太郎より。


         第二幕 足洗プロの人々。 閉幕

今回はここまで。
次もまたこのくらい期間開きそうですし一旦HTML化してもらいますわ

それと比奈ちゃん欲しいんでもっとブルーエリアのアイドル放流してください! 何でもしますから!

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