絹旗「おにーちゃん♪」

上条「さーいあいっ♪」


こんなカンジかと思ったら

俺「クククこの俺を呼び出すとは…生意気だな？絹旗」

絹旗「ご…ごめんなさい」

麦野「ちょっと」

俺「……なんだ？」

麦野「あなた、絹旗に慕って貰ってるんでしょ？その態度はないんじゃない？」

俺「……」

俺「……レベル5風情が」

麦野「……あん…？」ｶﾞﾀｯ

フレンダ「ちょ…麦野…」ﾔﾒﾅﾖ

麦野「止めるな。こいつはこの私を愚弄しやがったんだ」

麦野「“話し合い”だよ、“話し合い”」

俺「……」

絹旗「麦野、やめてください。お願いです」ﾍﾟｺﾘ

麦野「……」

麦野「……フン、仕方ないわね」

俺「お前の身のためだしな」

麦野「……お」

麦野「宣戦布告と捉えていいのよね」ﾌﾟｯﾁｰﾝ

俺「やるのか」

麦野「そちらさんから仕掛けたんでしょ？」

俺「フッ。何故俺がレベル5を下に見ているか」

俺「その理由(わけ)を見せてやろう」ｽｯ

絹旗（まずいッ！兄さんの“アレ”が始まる…！）

麦野「手加減なしｄ」

シュンッ　ドゴォッ！！

麦野「ッ！？！？」ｶﾊｯ

俺「造作もない」ﾌﾝ

フレンダ「麦野ー！！」

麦野「ぐッ……おお…！？」ﾊｧﾊｧ

絹旗「麦野！……兄さん超やり過ぎです！！」

俺「力の順位を教えてやったまでだ」



滝壺（……）

滝壺（この人の力……レベル6…？）

・・・

麦野「……で、何者なのよ？アイツ」ｲﾗｲﾗ

フレンダ「そうよ！結局、アイツとはどういう風に知り合った訳よ！？」

絹旗「ええ、兄さんとのなれ初めは超あの時でした…」

・・・・・

受付「お一人ですか？」

絹旗「はい、超一人です」

受付「席はどうされますか？」

絹旗「自由席で」

受付「わかりました」


絹旗「ふぅ、超楽しみにしてたこのB級映画…」

絹旗「どんなものか、超お手並み拝見といきます！」

ヴィーーー…

絹旗「超始まりました…」


絹旗「……」


絹旗「……なるほど」


絹旗「……あはは」


絹旗「……ぐすっ」


絹旗「……ふう。これは中々の超良作でした」

絹旗「しかし今日も一人。もはや学園都市にB級やC級の映画好きは私だけなんでしょうか…」

絹旗「……ん？他の座席に超誰かがいます…」


？「……」


絹旗「上映は超終わったというのに…すいませーん、もう上映終了ですよー」


？「……」


絹旗「反応、超無しですね」ﾊｧ

絹旗「……」ｽﾀｽﾀ　←近づく

絹旗「……起きてますかー」

？「」

絹旗「……お、おーい」

？「」

絹旗「……」

絹旗「……し、死んでる」

絹旗「どうすれば…」

絹旗「……いや、放っておいたら清掃員とかが勝手に超気づきますよね」

絹旗「で、でも後から疑いでもかけられたら暗部の立場超ないですし…」

絹旗「どうしようどうしよう」

？「」

？「む」ﾊﾟﾁｯ

絹旗「！」

？「よぉ」

絹旗「ようって……あ、あなた今確かに死んで……！？」

？「そうだな」

絹旗「そうだなって……じゃあ何で今超生きてるんですか！？」

？「……さっきは死んでいた。今は生きている。それだけの事実さ」

絹旗「……超意味がわからないです」

？「さて、行くか」ﾑｸﾘ

絹旗「え、どこに」

？「この世の果て」

絹旗「は、はぁ？」

？「サラバだ少女」ｽﾏｲﾙ

シュンッ

絹旗「ちょ…」

絹旗「……」

絹旗「超不思議です」

・・・・・

絹旗「ということが先日超ありまして」

フレンダ「でもその人本当に死んでたの？」

絹旗「はい。超土気色で超冷たくて超瞳孔開いてて」

麦野「確かにそれは死体の特徴よね」

滝壺「生き返った、ってこと？」

絹旗「それはその後日の話で超分かるんですけど」

滝壺「その後に何かあったの？」

絹旗「そうなんです！その一週間後なんですけど…」

・・・・・

電話の女『じゃあよろしくねー☆』ﾋﾟｯ

絹旗「はぁ、何で私だけ超めんどくさい任務与えられるんですか」ｽﾀｽﾀ

絹旗「……超この路地裏ですね」


黒服A「……」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

黒服B「……」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ


絹旗「超いました、今回の標的(ターゲット)」

絹旗「超そこまでですよアンタら」ｻﾞｯ

黒服A「！？見つかったか！撃てぇ！」ﾊﾞﾝ!ﾊﾞﾝ!

絹旗「はぁ…」ﾎﾟｽｯﾎﾟｽｯ

黒服B「なにッ！銃が効かない…！？」ﾊﾞﾝ!ﾊﾞﾝ!

絹旗「あまり暗部を…」ﾀﾞｯ

絹旗「なめンじゃねェ！」窒素回し蹴り

黒服A「ぶがッ！？」ｸﾞｼｬｱ
黒服B「ベッぐ！！」ｸﾞｼｬｱ

黒服AB「」ﾁｰﾝ

絹旗「超任務完了です」


？「いやー見事なお手並みで」ﾊﾟﾁﾊﾟﾁ

絹旗「……？」

？「いつぞやの少女だよね」ｽﾀｽﾀ

絹旗「あ、あなたは…」

？「初めに…と言っても厳密には初めましてではないが、まぁ名乗っておこう」

俺「俺の名前は俺。よろしく」

絹旗「よろしくって…あなた超何者何ですか、殺しを見ても動揺しないし」

絹旗「……そもそもあなたはあの映画館の席で超死んでいたはずです」

俺「言ったろう。死んでた、しかし今は生きてると」

絹旗「意味がわかりません。超どういうことですか？」

俺「過去など存在しないということさ」

絹旗「……？」

俺「今現在を持って過去など存在しない。過程が現在を構成するだけだ」

俺「過去が存在するという考えも、現在を構成する過程から何かを読み取る人間独自の考え方であり、」

俺「もう終わったものは即ち、生物でいう、死と同様のニュアンスで語られる」

俺「つまり、俺は“死んでいた”が、今現在俺は“生きている”」

俺「死んでいた事実が既に過去のことならば、その事実は生物でいう死に当たる」

俺「つまり、現在“生きている”俺にとって死んでいた事実などあってないようなものだということさ」

絹旗「超うんちくですね」

絹旗「超どうでもいいこと喋ってないで、何で生き返ったか話してくださいよ」

俺「……フッ、気の強いお嬢ちゃんだ…」

俺「ならば教えてやるが…後悔するなよ」ｽｯ

絹旗「え？」

シュンッ　ドゴォッ！！

絹旗「」ｶﾊｯ

俺「死ね」

ドゴォッ！！　ドシャアッ！！
ブチャッ！！
グチャアッ！！
ベチャア…！

・・・・・

麦野「おい！それって…！」

絹旗「まぁ、はい。私はあの時兄さんに殺されました」

フレンダ「嘘！絹旗は今ちゃんとここにいるじゃない！」

滝壺「きぬはた、悪い冗談はいけない」ﾒｯ

絹旗「まーまー、何で殺された私が超生きてるか説明しますから」

・・・・・

ブチャラッ
グチョッ

俺「こんなもんか」ﾌｩ

俺「オラっ、“逝く”んじゃあない」ｶﾞｼｯ

俺「形を成せ、“絹旗最愛”」ﾊﾟｧ

？？「…ｳﾞ…ｳﾞ…」

絹？「…ん…あ」

絹旗「……う」

絹旗「……ぁれ…？」

絹旗「……超何が起こったんですか…」

俺「気がついたか、“亡者”」

絹旗「……え？」

肉片「」


絹旗「……あれ、は……あの服は…ぁ…あの髪の毛の色は……ッ！！」

俺「そうだ。お前の死体だ」

絹旗「うﾞぅっ……ぉおﾞっ…！？」ｵｴｯ

絹旗「……！？」

俺「吐けないだろう」

俺「当たり前だ。現在のお前は“生きていない”のだからな」

絹旗「……超…どういうことですか…」

俺「お前は俺が殺した。そして天に向かうお前の魂だけを『霊体』として実体化させた」

絹旗「……『霊体』…」

絹旗「なぜこんなことを…」

俺「俺がなぜ生き返ったのか、知りたいのだろう。教えてやると言っているんだ」

絹旗「……」

絹旗は死体見るの慣れてるから>>1はアニメしか見てなさそう

>>54
新約まで読み込んでますが。
12才の女の子が自分のグチャグチャ死体見たらさすがにショック受けるだろって思ったんだけど違うか

俺「まずは…そうだな、輪廻転生は知っているか？」

絹旗「超うろ覚えですけど、あの世に行って生き返って…とかぐらいしか」

俺「まぁ土台が分かってるならそれでいい」

俺「俺はわざと死ぬことができる」

絹旗「え？」

俺「」ﾊﾞﾀｯ

絹旗「ちょ…！？」

？「……う…ぬぅ…」ﾓﾜﾓﾜ

俺「くう」ｼｭｳ

俺「どうだ。俺も『霊体』になったぞ」

俺(死体)「」ﾁｰﾝ

絹旗「とりあえず信じます」

俺「ちなみに『魂』と『霊体』は似て異なる。『魂』は肉体が死ぬとそこから抜ける思念の塊のようなものだ」

俺「ただのオカルトな物質だから意思を持たない。意思を持たないから自分で動くことがないので形を持たずにただ漂う」

俺「俺はその魂に、『意思』と『形』を形成する“キッカケ”を与えることができる」

絹旗「キッカケ？」

俺「ああ。そのキッカケを与えると魂は個々が生前に保有する意思と形を取り戻す。正しくは“思い出す”といった感じに近いが」

俺「そして肉体を持たぬままに“命”を形作る存在が、俺たちの今の状態…」

絹旗「……『霊体』、ですか」

俺「そういうことだ」

俺「話を戻すが、俺は自由に肉体を捨てることができる。そして輪廻転生を自在に行うことができる」

俺「通常の輪廻転生はこの世界だけでやりくりされるが、俺はこの世界とは別のパターンの世界にも行ける」

絹旗「別のパターンの……超もしかしてパラレルワールドってやつですか？」

俺「ああ。平行世界(パラレルワールド)はある分岐点から別れた、別の可能性の“現在”だ」

絹旗「でもそれが何だっていうんです？」

俺「一緒に来い。別の“現在”を体験させてやる」

絹旗「！」

俺「君と出会わないまま過ごす可能性の現在もある中で、俺は今君と出会う可能性の現在にいる」

俺「何かの縁…何てものはそれぞれの可能性を行き来する俺にとって無いようなものだが、」

俺「君にとっては違うだろう。どうだ、体験してみるか」

絹旗「……」

絹旗「……私は」

絹旗「……」

俺「“この現在”が満足なら行かない方が賢明だがな。知りすぎるのは大きな足枷になる」

絹旗「……行きます」

絹旗（一つだけ、超気になることがある）

俺「そうか。ではまずは霊体から魂に戻る。自分を見失うなよ」

絹旗「超わかりました」

俺「ふんッ」ﾊﾟｧ

絹旗「ッぐ…！」ﾊﾟｧ

グオオオオォーー…！！

スゥ…

絹旗「……ん、ここは…」

俺「着いたぞ。ここが“霊界”だ」


魂「」ﾌﾜﾌﾜ
幽霊「あﾞァぁ」ﾌﾗﾌﾗ


絹旗「……確かに超霊界名に恥じないとこですね」

俺「意思を持たない魂のまま霊界に来た奴はみんなあんな感じになる」

絹旗「あの魂はこの後どうなるんですか？」

俺「霊界へ来た順に審判によって行き先を天国か地獄かに振り分けられるのさ。そして天国組と地獄組、各々で順に通常の転生が行われる」

俺「天国と地獄に分けられるのは…まぁ、転生までの待ち時間を生前の行いの褒美か反省に使うためといった感じだな」

絹旗「私は超確実に地獄ですね」

俺「ちなみに、通常の転生は、魂を“新たな魂の器”としてデータを書き換えられる」

俺「その魂の器が新たな生命に当てられたとき、初めて器は魂として機能し始める。ゲーム機に当てられたメモリーカードと同じようなものだな」

俺「そして、通常の転生とは違う輪廻転生はそのサイクルを無視して新たな生命を形作ることができる」

俺「自由に新たな生命の歴史を刻むことができる」

絹旗「え？……も、もとの体は？」

俺「良い質問だ。その質問の答えが俺があの時生き返ったことの真実になる」

俺「平行世界(パラレルワールド)とは、可能性によって分断されそれぞれが異なる過程を保有した“現在”だ」

俺「俺にとっての平行世界(パラレルワールド)には全ての世界において『俺』が存在している。違う歴史は各々の世界の『俺』がどう行動したかによって作られた副産物に過ぎない」

俺「そしてこの俺が平行世界(パラレルワールド)のどれかに行ったとき、この俺はその世界の『俺』の枠組みにカッチリはまる」

俺「しかし、この俺がその世界の『俺』にはまってしまったら、もといた世界の俺はどうなるか。平行世界(パラレルワールド)に渡るためにもといた世界では肉体を捨てているので、もといた世界の『俺』は死んでいることになる」

絹旗「じゃああの時は他の平行世界から超戻ってきたってことだったんですね」

俺「まぁ、お前の感覚でいうとそういうことだ」

絹旗「じゃあ私ももとの世界に戻るとなると肉体も超もとに戻るということですか？」

俺「そういうことだ。肉体は死んでいても、そこがもともとお前の魂の宿る肉体のいた世界なら魂に対応した肉体が用意される」

絹旗「へぇ…超不思議なもんですね」

これで最後に

誰か「ところで名前は？」

俺「上条当麻」

ってやれば丸く収まるのか

俺「……そろそろ行くか」

絹旗「輪廻転生、ですか」

俺「ああ。……あ、それと、他の世界の自分にはまった瞬間、“その世界における自分”の知識が一気に追加されるから気を付けろよ」

絹旗「新しい知識ですか…超了解です」

俺「あと、行くのはお前の平行世界(パラレルワールド)だ。最悪、俺とお前が出会えなくなる可能性もある。だから待ち合わせ場所を決めておこう」

絹旗「じゃあ、あの映画館なんて超どうですか？」

俺「まぁそれでいい」

俺「……さてと、そろそろ行くが…」

俺「……」

絹旗「……？」

俺「……もとの世界でのお前は随分、生活が充実して楽しそうに見えた」

俺「……それでも体験したい、『もしもの世界』とは何だ…？」

絹旗「……っ」

絹旗「……」

絹旗「……私の…」

絹旗「……私が体験したい世界は」

絹旗「……両親が私を『置き去り(チャイルドエラー)』にしなかった世界です」

俺「なるほどな、では行くぞ…！」ﾊﾟｧ

絹旗「んぐっ！」ﾊﾟｧ

グイイイイインッ

……ぃ


……さ……ぃ！


絹旗「」

……あい…！

絹旗「」

「最愛っ！」

絹旗「……はっ…！？」

？？「もぉ～何ボーッとしてんのー？ｗ」

絹旗「え？えと、その…」

絹旗（……超誰ですかこの女、私と同い年くらいみたいですけど。それにここは…）

絹旗「……ぐッ！？」ｽﾞｷﾝ!

？？「ちょ！どうしたの最愛！頭痛いの！？」ﾀﾞｯ

絹旗（ぐっ…！超馴れ馴れしいですこの女……って待って、これは…知識がなだれ込んでくる…）

絹旗（……そうか、この女、）

絹旗「……私の友達なんだ…」

友達「えっ？」

絹旗「……いえ、超何でもないです。ちょっと頭痛くなっただけでもう治りました」

友達「そ、そう？なら良かった～」ﾎｯ

絹旗「あはは…」

絹旗（友達……仲間…じゃなくて、私の、“友達”…）