長友「一体何なんだよこれ！！ ここはどこなんだ！？」

本田「そんなん知らん。ここからも出れんみたいや」

長友「出れない？」

長谷部「このデカイ扉がビクともしないんだ。それにアレを見ろ」

長友「アレって監視カメラに…………銃！？ いや、でもヤットさんのFKなら壊せる！！」

遠藤「無茶言うなや。キヨの方ができるんじゃね」

清武「いや無理ですって。圭佑さんの無回転ならあるいは……」

本田「そもそもボールあらへん」

　

ザック『オマエラ、今すぐ体育館集合！！！』


ﾌﾞﾂｯ


長友「……体育館？」

柿谷「日本語ペラペラっすねザック」

川島「おい篤人はどこだ？」

吉田「アイツまだ眠いって教室で寝てたな……起こしてくるわ」

岡崎「とにかく行ってみようぜ体育館」

本田「せやな」

　

【体育館】


ザック「オマエラにはこれからコロシアイをしてもらいます」


長友「……え？」

本田「はぁ！？ なんでや俺まだビッグクラブ行ってへんのに！！！」

真司「俺もこのままだと戦力外になるわ！！」

今野「ガンバもまだJ2なのに……」

長谷部「落ち着けみんな。まずは監督の話をよく聞こう」


ザック「うんうん、さすがキャプテン。今シーズン6分しか出てなくても心は整っているね。ニュルンベルクなら出られるのかな？」


長谷部「ぐっ……！！」

吉田「いや俺なんか１分も出てないし……」

ザック「お前はぶっちゃけもういらねえんだよ！！ おっと、話が逸れちゃったね」

ザック「最近オマエラ負けすぎ！！ これはボクのせいじゃないよ！！
　　　　　例えモウリーニョでもオマエラ程度が世界で勝てるようになんてできるはずないんだよ！！」

大迫（ていうか俺は海外組に混ざるの始めてなんだけど……）

豪徳（ならもっと使ってくれよ）

本田「……まぁ、確かにその通りや。個の力が全然足らへん」

ザック「そこでボクは考えた。まずオマエラはメンタルがダメだ。というわけで」


ザック「このコロシアイ学園生活に参加してもらう事にしました！！」

長友「いや意味分かんねえって！」

ザック「うるさいうるさい、監督の言うことに口出しするな！！
　　　　　長友！！ お前はサイドバックでもサイドハーフでも３バックでも４バックでも左でも右でも何でも言われた通りやってればいいんだよ！！」

長谷部「いくら監督命令でも殺し合いなんてできません！！」

ザック「お前もうるさい朋子！！ 分かった分かった、動機が必要なんだな？」


ザック「じゃあルール発表！ 誰かを殺すまでオマエラはここから出られません！！」


「「！！！！！！！」」


ザック「うぷぷ、オマエラなら分かるよね？ 長いことクラブから離れているとどうなるか！！ 戻った時オマエラの居場所はなくなっているよ！！」

香川「そんな事あらへん！！ フェライニはCH使うし、あんな脳筋サッカーでCL勝てるはずがないんや！！ モイーズはクソ！！！！！」

吉田「おいウッチーなにぼーっとしてんだ！！ お前CLあるだろ！！！」

内田「まぁ……たまには休むのもいいんじゃない。ねみー」

長友「くっそ、おい圭佑！ お前も何か言って…………圭佑？」


ｶﾞﾀｶﾞﾀ……


本田「あかん……俺はCLで活躍して就活せえへんと……移籍が……移籍が…………！！！」ｶﾞｸｶﾞｸ

長友「おい圭佑しっかりしろよ！！！」

本田「うるせえ！！！！！！！」

ﾄﾞﾝｯ!!!

長友「うわっ……け、圭佑……？」

本田「お前に俺の何が分かるんや！！ 自分はビッグクラブに居るからって俺の事見下してんやろ！！！」

長友「ち、違う！！ そんな事思ってない！！」

本田「前にもフィーゴとカッサーノと一緒に写ってる写真アップしやがって……いい加減にせえ！！！」

香川「CSKAだって良いクラブや！ それに圭佑は主力として出られるやん！！ ほら、クラブランキングも……」

本田「黙れ黙れええええええええええええええ」

長谷部「おい落ち着け圭佑！！」


ザック「うぷぷぷぷぷぷ、面白くなってきたね。それじゃ、詳しいルールを説明しておこうか。
　　　　　誰かを殺したら、その後に学級裁判っていうのを開いてみんなの投票で犯人を決めます」

ザック「それで当たっていたら犯人だけオシオキ、外れていたら犯人以外をみんなオシオキで犯人だけ脱出。簡単でしょ？」


清武「オシオキって……なんや……」

ザック「それはもちろん、処刑だよ！」

大迫「はんぱねえ！！！！！」

川島「そもそも誰かを殺すなんてするわけないだろ！！」


本田「俺は……やれるで……？」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ


長友「圭佑！！ 冗談でもそんな事言うな！！！」

本田「はは……ははは…………」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

香川「圭佑……お前……」


ザック「それではオマエラ、より良い学園生活を！！」

　

【夜　長友の部屋】


長友「まさか圭佑の奴があんなに追い詰められてたなんて……そういえばこの前ミラノダービー楽しみだなってメールも送っちまった」

長友「いや、いくらなんでも人殺しまでやるはずがない。何考えてんだ俺」


ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ


長友「ん……誰だこんな時間に」ｶﾞﾁｬ

香川「ゆ、佑都……ちょっといいか？」

長友「真司？ はは、お前よく人の部屋来るよな」

香川「少し……話があるんや」

長友「話？ ていうかどうした顔真っ青だぞ？」

香川「大丈夫や……部屋入れてくれるか？」

長友「お、おう……」

ｽﾀｽﾀ

長友「それで、話ってのは？」

　

香川「佑都……今晩部屋を交換してくれ」


長友「部屋を交換？ ゴキブリでも出たん？」

香川「違うんや……実はさっき部屋に居たら誰かがガチャガチャドアを開けようとしてきたんや。
　　　　しばらくしてから出てみたら誰も居ないし、俺、それで…………」

長友「怖くなった……か。けど呼び鈴も鳴らさずにいきなりドアってのは確かにおかしいな」

香川「頼む佑都！ お前だけが頼りなんや！！」

長友「……分かった。替わるよ。危ないしな」

香川「ありがとな佑都！！」


【香川の部屋】


長友（ここが真司の部屋……俺のとこと何も変わらないな）

長友（誰かがまたドアを開けようとしてきたら、すぐ開けよう。もしいきなり攻撃してきても体幹で避けられる自信はある）

長友「…………くそっ！！」


長友（何考えてんだ俺……誰かが襲ってくるなんてあるわけねえだろ……！！）

　

【次の日の朝　食堂】


長友（結局あの後誰も真司の部屋には来なかった。何だったんだ？）

長友（この中に……居るんだよな……）

長谷部「ん、どうした佑都？ ほら、コーヒー飲め」ｺﾄ

長友「あ、ども……」

長友（いくら何でも長谷部さんはないよな……）

香川「佑都……おはよう」

長友「お、真司。昨日は大丈夫だったか？」

香川「……何の事や」

長友「え？ いや何の事って……」


長谷部「よし、みんな揃った…………ん、圭佑は？」

吉田「ウッチーより遅いなんて珍しいな」

内田「うっせー、俺だってたまには早く来るっての」

長谷部「仕方ないな、俺が呼んでくる」

今野「あ、でも！」

長谷部「ん？」

今野「いや……一人じゃその……さ」

豪徳「確かに圭佑さん昨日結構危ない事言ってましたしね……」

大迫「本田さん怖かったっす」

長谷部「はは、なーに言ってんだ。あの時は少し気が立っていただけだ。圭佑はそんな事しないよ」

遠藤「……分かった。じゃあ俺もついていく。それならいいやろ？」

岡崎「なんか……嫌な感じだな。信頼も何もねえ」

長友「あぁ……けどこの状況だし仕方ねえのかもな……」

　

数分後


長谷部「圭佑……居ないぞ」

「「えっ！？」」

遠藤「ったく、どこ行ったんやあいつ」

清武「け、結構やばくないすか？」

長谷部「みんなで手分けして探すしかないな。悪い、手伝ってくれ」


長友（それからみんなで圭佑を探した。でも圭佑はどこにも居なかった……）


一時間後


長谷部「……ザック！！」

ザック「ん、呼んだ？」

長谷部「圭佑はどこに居るんだ！！ お前なら知っているだろ！！」

ザック「うぷぷぷぷ、確かに知ってるけど言う訳にはいかないなぁ。大体、ボクのせいじゃないし」

長谷部「ふざけるな！！！ お前以外に誰が」


香川「まだ探していない所あるで」


長友「真司？」

香川「みんなの個室や。居るとしたらもうそこしかあらへん」

清武「俺達の個室？ いやでも何でそんな所に！！」

豪徳「もしかして……俺らを待ちぶせして……」

川島「そんな事言うなよ！！」

内田「永嗣さんもよく似たような事するじゃん」

香川「じゃあ皆で一つ一つの部屋を確認していけばいいんや」

長谷部「…………分かった。確かにもう可能性はそこしかない」


長友（それから真司の提案通りにみんなでそれぞれの個室を回っていった）

長友（そして）

　

　

長谷部「次は佑都の部屋だな」ｶﾞﾁｬ


「「……………」」


長友（誰も何も言えなくなった）

長友（俺の部屋は明らかに争いがあったと分かるくらいに荒れ果てていて……）

長友（床には…………）


長友（血まみれの圭佑が倒れていた）



「「うわあああああああああああああああああああああああああああ！！！！！！」」



ザック『ピンポンパンポーン。死体が発見されました。一定の捜査時間の後、学級裁判を開きます！』

　

長友「……圭佑えええええええええええ！！！！！」

香川「何でや佑都！！！ 何で殺したんや！！！」

長友「えっ！？」

岡崎「何驚いてんだよ……お前の部屋で圭佑が死んでたんだぞ！！！！！」

吉田「インテルで調子良かったみたいだし、それで……」

豪徳（よっしゃ、ポジション空いた）

遠藤「おいどういう事や佑都！！！」

長友「ち、違う！！！ 俺は昨日部屋に居なかったんだ、真司と部屋を交換してたんだよ！！！」

香川「そんなん知らへんで！！！ 苦し紛れの嘘つくなや！！！！！」

長友「はぁ！？」

柿谷「幻滅しましたよ長友さん……真司に罪被せようとするなんて……」

清武「俺も……真司がそんな事するはずないのに……」

長友「何だよそれ……俺じゃねえんだって！！！！！」


内田「でも、これで佑都が犯人っていうのもつまらないよね」

長友「つまっ……はぁ！？」

内田「だってそれじゃ推理もクソもないじゃん。これって一応あれでしょ、クローズドサークルってやつでしょ？」

吉田「クローズド……は？」

長谷部「何が言いたいんだ内田」

内田「どうせならさ、もっとこう、捜査っぽいのしてみない？ こんな機会滅多にないんだしさ」

香川「そ、捜査……って……遊びじゃないんやで！！！」

岡崎「それに俺らも刑事じゃないんだし……」

川島「おいどうしたんだよ篤人！！」

内田「別にどうもしてないって。ただ退屈だから暇潰しがしたいってだけだよ。それじゃ、俺は勝手にやってるから」


ｽﾀｽﾀ……


大迫「なんか……相変わらずというか……」

長谷部「……だが内田の言う事も一理あるかもな」

香川「長谷部さん！？」

長谷部「捜査だけはしようというだけだ。俺だって佑都を疑いたくない」

　

【厨房】


内田「……一つない」

長友「おいウッチー！！ お前一体…………って何してんだ？」

内田「ん、何ってまずは凶器の確認からでしょ。ほら、包丁が一本なくなってる」

長友「……本当だ。じゃあ圭佑はそれで殺されたのか！？」

内田「だろうね。でも、その肝心の凶器は見つかっていない。処分するなら…………」ｽﾀｽﾀ

長友「あ、おい待てよ！！」


【トラッシュルーム】


内田「まぁ普通に考えればここだね。でも、シャッターがあって中に入れないのか。ザックー」

ザック「はいはい、何でしょう？」ﾋｮｺ

長友「うわっ！」ﾋﾞｸｯ

内田「ここ入りたいんだけど」

ザック「この中に入れるのは掃除当番の人だけです。その人から鍵を借りてね」

内田「で、誰なのその掃除当番って」

ザック「香川だよ」

長友「なっ……真司！？」

内田「ふーん……」ﾆﾔﾆﾔ


・
・
・


香川「はぁ、トラッシュルームの鍵！？ そ、そんなもん何に使うんや！！！」

内田「捜査だよ捜査」

香川「そ、捜査って…………そんなもんしなくても犯人は佑都に決まってるやろ！！」ﾋﾞｼｯ

長友「お前いい加減にしとけよ！！！」ｶﾞｯ

香川「うわっ！！ お、俺も殺すんか！？」

柿谷「おいやめろよ！！！」

清武「佑都さんでも許さないっすよ！！！」

長友「くっ……！！！」ｷﾞﾘｯ

香川「ふっ」ﾆﾔﾆﾔ

内田「でもさ、佑都で決まりならいくら調べても同じじゃない？」

香川「えっ、それは……」

内田「それとも調べられたら困る事でもあんの？」

香川「そ、そんなのあるわけないやろ！！ ほら鍵やるから勝手に調べればええ！！」


【トラッシュルーム】


ｶﾞﾁｬ……ｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞ


内田「このボタンを押して物を燃やすのか…………あれ？」

長友「どうした？」

内田「……燃えてないけど、証拠」

長友「はぁ！？ …………ホントだ。何で！？」

内田「アイツ馬鹿だからな……ザックの説明よく聞いてなくて、ただ物入れとけばいいとでも思ってたんじゃないの。焦ってたってのもあるだろうし」

長友「これ……包丁だよな。しかも血がついた。そんで、これは代表ジャージ……それに」

内田「…………決定的だねこれは」

　

【長友の部屋】


長友「この部屋にまだ何かあるのか？」

内田「いや、もう大体調べ終わったけど……アイツの馬鹿さ加減を考えるともしかしてここにも何か残してないかなって」

長友「……やっぱ、アイツなのか？」

内田「佑都も何となくは分かってただろ。…………このメモ帳かな」ｽｯ

長友「メモ帳？ 今調べた事をメモすんのか？」

内田「違い違う。ほら、推理漫画とかだとこうして……」ｻﾗｻﾗ

長友「！！！！！」

内田「……ハッキリでるんだね」

長友「なっ……こ、これって……おい……！！」


ザック『オマエラ、時間です！ これから学級裁判を開きますので、校舎一階、赤い扉の部屋まで来てください！！』

　

【学級裁判場】


ザック「それではオマエラ、議論を始めてください！」

香川「議論も何も、圭佑は佑都の部屋で殺されたんや！ 佑都が犯人に決まってるやろ！！」

柿谷「あぁ、そうだ！！ そうとしか考えられねえ！！」

清武「どうなんすか佑都さん！！」

長友「だから俺じゃねえって言ってるだろ！！」

長谷部「みんな落ち着け！ 冷静に話し合おう！」

岡崎「冷静にって言われてもな……圭佑は佑都の部屋で死んでた。それ以外には……」

香川「話し合う事なんてない！！ どうせ佑都は工具セット辺りを使って圭佑を…………」


長友「それは違うぞ！！！」

香川「ち……違う？」

長友「俺の工具セットは未開封のままだ。他に使った奴はいるか？」

ｼｰﾝ

香川「……あ、じゃ、じゃあ…………」

吉田「じゃあ凶器は何なんだ？」

内田「厨房の包丁。あれ一本なくなってた」

川島「なっ、本当か篤人！！」

大迫「はんぱねえ！！！！！」

高徳「じゃあそれが凶器……それで佑都さんが圭佑さんを……」

長友「だから俺じゃねえんだ！！！」

内田「佑都は真司と部屋を交換していた……って言ってたっけ？」

香川「デタラメや！！！」

長友「真司……」

香川「だいたい、俺と佑都が部屋を交換していた証拠がどこにもあらへん！！！！」


長友「それは違うぞ！！！」

香川「……は？」

長友「俺の部屋にあったメモだ。これを鉛筆で上から薄くなぞってみた。そしたらこんな文字が浮かび上がってきた」


『圭佑へ。俺の部屋に来てくれや。ネームプレートをしっかり確認してな。香川真司』


遠藤「……おい真司。どういう事やこれは」

今野「ネームプレートを確認しろっていうのはもしかして……部屋とネームプレートを入れ替えていたから……？」

香川「デタラメや！！！ そんなもん佑都が勝手に書いただけや！！！」

内田「同じものが圭佑のポケットから見つかったんだけど」

香川「なっ！！！ そ、そんなわけ……あらへん………あ、あれは…………ちゃんと……」


内田「“あれ”？ 圭佑のポケットには何も無かったよ」


香川「ッ！！！」

長谷部「……真司まさか」

柿谷「え……？」

清武「真司？」

香川「待てや、俺を見るな！！！ なら凶器はどこや！？ 凶器だしてみい！！！」

川島「そういえば、無くなっていたという包丁が出てきてないな」

大迫「たぶんどっかはんぱねえ所に隠してあるんすよ」

遠藤「それか処分したか……やな。確かトラッシュルームあったやろ」

吉田「まだ見つかってないって事は処分した可能性のほうが高い……？」

香川「っ……と、トラッシュルームなんて誰も行けるやろ……そんなん俺やなくても……」


長友「それは違うぞ！！！」

香川「あ……がっ…………！！」ｶﾞｸｶﾞｸ

岡崎「違う？ 何が違うんだ？」

内田「トラッシュルームで物を処分できるのは掃除当番だけなんだ。鍵がないとシャッターを開けられない」

柿谷「そ、その……掃除当番っていうのは……」

長友「真司だ」

「「！！！」」

香川「ちっ……ちがっ……俺は…………！！！」

内田「それに真司は一つ致命的なミスを犯した。大卒の佑都なら決して犯さないだろうミスを」

長谷部「ミス？」

長友「真司、トラッシュルームで物を燃やす時はあの機械の中に入れるだけじゃダメなんだ。横のボタンを押さないといけない」


香川「えっ！？」

　

ザック「もう、ボクはちゃんと説明したのに」

香川「あ……あ…………！！」

清武「……っていう事は証拠は」

内田「うん、燃えずに残っていたよ。ほら包丁と代表ジャージ。どっちも血が付いてる」ｽｯ

大迫「はんぱねえ量っすね……！！」

今野「真司……お前……！！」

吉田「やっぱ部屋の交換はしてたのか！？ それじゃあ真司が……！！」


香川「待てや！！！ そんなん証拠になるはずあらへん！！！！！」


高徳「でも、他にもメモとかも……」

香川「あんなあげ足取りみたいなので納得できるか！！！ 証拠を出せ証拠！！！！！！ 代表ジャージなんてみんな持っとるやろ！！！」

長友「……じゃあ真司。お前の代表ジャージを見せてくれないか」

香川「あ、それこの前うっかり燃やしちゃったんや！！」

内田「……えー」

長谷部「真司……それは流石に苦しい……」

遠藤「そんなもんで俺達が納得するはずないやろ」

川島「どううっかりしたらジャージを燃やすんだよ！！！」

岡崎「もう……諦めろよ」

香川「うるさいわ諦めたらそこで試合終了や！！！！！ とにかく俺が犯人やって証拠は何もあらへん！！！！！」


長友「それは違うぞ！！！」

香川「…………あぽ？」

長友「真司、お前がよく分かっているはずだぞ。捨てたのは代表ジャージだけじゃなかった。もう一着、部屋にあった服に血がついてしまったんだ」

柿谷「つまり……真司は服を二つトラッシュルームで捨てた……？」

清武「けど、それが真司の服だとは言い切れないやろ！！！」

内田「いや、言い切れる。その服は真司のものだ」

川島「どうして言い切れるんだ篤人！」

内田「それは俺より佑都が言ったほうがいいんじゃないかな」

吉田「えっ……それってどういう……」

内田「佑都と真司の共通点、それはビッグクラブの居る事だ」

大迫「はんぱねえ！！！！！」

今野「そりゃビッグクラブは凄いけど……でもそれが何か……」

長友「……もう一着捨ててあった服は」


長友「マンチェスター・ユナイテッドのジャージなんだ」

　

　
「「！！！！！！！！」」

長友「ビッグクラブに移籍すると、そのジャージを常に近くに置いておきたくなる。真司もそうだったんだ」

香川「……ぁぁ…………」

内田「はい、一応持ってきた。凄いよねマンU。CLでウチとやった時はマンU対ノイアーみたいになってたよ」ｽｯ

柿谷「う、うそや……うそに決まって……」

高徳「……なんだ佑都さんじゃなかったのか」

吉田「信じられねえよ！！！ おい何とか言えよ戦力外同士だろ！！！」

香川「…………」

遠藤「おいやめろ麻也。俺はJ2だ」

長谷部「俺も6分しか出ていない……だが真司！！！」

今野「ビッグクラブの人とプレーするのは楽しかったのに……」

長友「真司。何か言ってくれ」

香川「…………はは」



香川「あはははははははははははははははははははははははははははははははははは！！！！！」

　
内田「壊れちゃった」

長友「真司……」

香川「あぁ、そうだよ！！ 俺が圭佑をやったんだよ！！！」

柿谷「何で……何でだよ！！！ 俺は真司を尊敬したたんだぞ！！！」

清武「マンUなんてビッグクラブにいるのに……どうして……」

香川「俺がマンUだからだよ！！！」

長谷部「……なに？」

香川「オメーら分かんねえと思うけどな、ビッグクラブのポジション争いってのはメチャクチャキツイんだよ！！！
　　　　だから俺はこんな所でモタモタしてるわけにはいかねえんだ！！！ ただでさえクソ監督のせいで出番がなくなってんだからなぁ！！！！！」

川島「そんなのみんな同じだろ！！」

香川「同じじゃねえよ！！！ マンUとそこらの底辺クラブを一緒にすんじゃねえ！！！ ベルギー？ ロシア？ J2？ 何でそんな奴らの為に俺が犠牲にならなきゃいけないんだよ！！！」

岡崎「サッカーは一人でやるもんじゃねえぞ！！！ 分かってんのか！！！」

香川「うるせえよハゲ！！！！！！ 一人しか生き残れないなら仕方ねえじゃねえか！！！！！！」

　
香川「日本サッカー界の為に生き残るべきなのは俺だ！！！ 大体なんなんだあの金髪ゴリラ！！！
　　　　いつまでもロシアに居るくせに日本代表の中心みてえな扱いでよぉ！！！ 何でアイツがトップ下で俺がサイドなんだ！！！」

長友「真司……どうしちまったんだよ……」

香川「うるせえぞちょっとインテルで調子いいからってよぉ！！ 大体あのクラブだってもう落ちぶれてんじゃねえか！！！
　　　　お前が取ったタイトルってカップ戦くらいだろ！？ 俺はブンデス二回とプレミア一回、しかもブンデス時代はバイエルン抑えて二冠達成してんだよ！！！」

長友「そんなの関係ねえよ！！！ お前だけの力でタイトルを取れたのか！？ 違うだろ！！」


ザック「はいはい、盛り上がってる所悪いけど、そろそろグアテマラ戦が始まるからオシオキしちゃうよー」


香川「ひっ……！！」ﾋﾞｸｯ

長友「なっ、やめろ……やめろよザック！！！！！」

香川「嫌だあああああああああああああああ俺はマンUの選手なんだぞおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

内田「正直オシオキっていうのちょっとｗｋｔｋ」


ザック「超日本人級のサッカー選手、香川真司くんの為にスペシャルなオシオキを用意しました！！」


香川「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

　

【千本フリーキック】


フッキ「…………」ｽﾀｽﾀ

香川「やめろ！！！ やめてくれええええええ！！！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ



ｽﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞ!!!!!!!!!!!


ﾊﾞｷｯ!!! ﾎﾞｷｯ!!!! ｸﾞｼｬｧｧｧｧｧ!!!!!



香川「…………」ｶﾞｸｯ

フッキ「Jリーグムリ」



ｽﾀｽﾀ……