レッド「殺すべし…ポケモン殺すべし!」(268)

※世界観がニンジャスレイヤーのそれです
※リバーストよろしくポケモンの力を宿した人間が戦う話です
※結構長くなる予定ですが、それなりに細かく区切るので途中からでもある程度読めると思います


ネオカントー地方、マサラ・スゴイタカイビルの中階層。

中所得者層のためのセルフテンプラ・レストラン「ダイコクチョ」に、一組の夫婦とその子供が一人訪れていた。

「揚げた美味しさが」「テンプラ」「DIY」など極太オスモウ体で縦書きされたノボリが、広い店内でイナセに踊っている。

さすがクリスマスイブ。満席だ。一カ月前から予約していて正解だった。

母「今年もここに来られて良かったわ」

父「ああ…なんとか休みを取れたからな」

ネオカントーは過酷な都市だ。生きるには辛い時代だ。

だが、無茶な高望みをしなければ…

暗黒メガコーポ群が煽る過剰消費の呪いを逃れ、巧妙に張り巡らされた薬物の罠にはまらなければ…

こうして幸せは手に入る。

父(願わくば、息子のレッドにも賢く育ってほしい…)

レッド「ポケモンだぞー!ポケモンだぞー!」

椅子の上で狂ったようにジャンプする、今年10歳を迎えたレッド。

こうして親子水入らずで過ごすのはいつ以来だろうか。

父「やれやれ、レッドはポケモンが大好きだな」

父「いったいどこで、ポケモンなんて覚えたんだ?」

ポケモンとは、古代よりカラテとジツ(術)によって世を支配していた半神的存在である。

しかしジョートのヤケタ・タワーで謎のセプク儀式を行い、全てのポケモンが消え去った。

歴史は改ざんされ、現在ではポケモンは架空の存在とされている。

レッド「ポケモンー!」ピョンピョン

母「静かにしなさい、レッド。危ないわよ」

母「…それに」


その先は小声で夫にだけ言った。


母「ポケモンなんて、実在しないのに」クスッ

レッド「スリケン!スリケン!」グルグル


大人しくなったと思った矢先、レッドはピッチングマシーンめいて両手をぐるぐる回し始めた。


父「グワーッ!ヤラレターッ!」


父は息子の無邪気さに応じ、心臓と喉にスリケンが刺さった真似をして、大げさに苦しんでみせる。


母「あなた、やめてください。恥ずかしい…」


ネオカントーにはミスマッチな微笑ましい光景だ。

「ザッケンナコラー!」


不意に、遠くから剣呑な声が聞こえてきた。


母「ヤクザかしら…」

父「廊下だろう、大丈夫さ」


店内を見渡すと、同じような家族連れやカップルやサラリマンたちが何事もなくテンプラに興じている。

今夜ばかりは、みんな幸せそうな顔をしていた。何も問題ない。

レッド「ワザ! ダイモンジ・ジツ! CABOOOOM!」


両親の会話をよそに、レッドは史実を無視した劇画的で記号的なポーズをとり、無邪気に叫んでいた。

夫婦は笑い、固くなっていた表情を緩めた。

このマッポー的世において、レッドの存在は夫婦にとっての一番の癒しだ。


父「いいかい、レッド、本物のポケモンってのはな…」


その先は何と言おうとしていたのだろうか。

もう知る術など無い。

ALAS!

まさに、その時だった。

レッドの運命が血で赤く染められてしまったのは。



KA-DOOOOOOOM……!!

後方でマッシヴ・ハナビの如き爆発音が上がった。

全てがスローモーションに見えた。

父はレッドの濁りなき瞳を覗き込んでいた。

黒いくりくりとした瞳が映画スクリーンのように拡大され、

そこに父の背後から迫る猛烈な爆風と、徐々に接近するポケモンめいたシルエットが映った。


そして…おお、ナムアミダブツ!

…ナムアミダブツ!

…ナムアミダブツ…

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???「楽しいですわぁ!動けない弱者をいたぶるのは!」


粉塵と瓦礫で満たされたビルのフロア内に甲高い叫び声を響き渡らせたのは、

セキエイ・シンジケートのポケモン・エージェントである。

なんとポケモンは実在していたのだ!

しかし現代のポケモンは、本来の姿をしていない。

セプク儀式によって絶命したポケモンの魂が現代に蘇り、人間に憑依しているのだ。

そのため容姿はほとんど人間のそれであり、意思も大部分は人間のものだ。

真紅と藍色を基調とした装束を身に着けた、小柄なそのポケモン。

その場にしゃがみ込み、うつ伏せに倒れていたレッドの髪を掴んで持ち上げた。


???「起きてください。あなたで最後ですわよ」

レッド(ポケ…モン…?)


ハイエナめいた残忍な目を光らせ、小柄なポケモンはレッドの顔にナイフを当てた。


???「起きろよ」

???2「何をしている!」


オレンジと茶色を基調とした装束の大柄なポケモンが現れ、小柄なポケモンへ呼びかける。

このポケモンもまた、セキエイ・シンジケートのエージェントだ。

セキエイ・シンジケートとは、ポケモンソウルを身に宿すエージェントを手足のごとく用い、

ネオカントーの政治・経済を牛耳る闇の組織だ。

???2「ワタル=サンがお呼びだ!ミーについてこい!」

???「あら…いいところでしたのに。残念ですわ」

???2「目撃者の始末ミッションなんてサンシタに任せておけばオーケーネ」

???2「それよりもワタル=サンを待たせるわけにはいかん」

???「はいはい…」

???「ネズミハヤイ=サン、ハトヤマ=サン、あとは任せましたわよ」

ネズミハヤイ・ハトヤマ「ハイヨロコンデー!」


彼らもまたポケモンであり、それぞれ薄紫色、茶色とクリーム色の装束を身に着けている。

重役と思わしき二人が去った後、サンシタの二人は言いつけ通りレッドを始末しようとしていた。


ハトヤマ「生きた獲物を任されるだなんてラッキーだなあ、オイ」

ネズミハヤイ「ああ。さっさと始末しちまおうぜ」

ハトヤマ「おいおい…」グイ


ハトヤマはレッドの髪をぐいと引っ張り、ナイフを動かした。


ハトヤマ「勿体つけて、ゆっくり責め殺すのがいいじゃねえか…」ツー...

レッドの頬にナイフが当たり、赤い血の線を引いてゆく。

ハトヤマ「ヒヒヒヒ!」

ハトヤマ「生死の瀬戸際だぞ? 喚け! 抵抗しろよ!」

レッド(これが…ポケモン…?父さんと母さんは…?)

ハトヤマ「お前で最後なんだ。俺たちを楽しませてくれよ?」

ネズミハヤイ「そういえばこいつ、まだ子供だな。10歳くらいか」

ハトヤマ「家族でテンプラしに来たのか?一人だけ生き残って、可哀相な坊やだなァ」

ネズミハヤイ「まあ、すぐにパパとママの元に送ってやるから安心しな」

レッド(ポケモンが…父さんと母さんを…!?)

レッド(…!!)

『ポケモンが憎いかレッドよ』

『ならば儂の魂を宿らせるがいい。仇を取らせてやる』

ハトヤマ「はー…ちょっとくらい反応したらどうだ?オイ」グイッ

レッド「殺せ」


ハトヤマは手を止めた。


ハトヤマ「あン?」

レッド「…殺すべし」

ハトヤマ「殺されてえのか?素直じゃつまらねえだろ。命乞いをしろよ!」

レッド「殺すべし」


レッドの目が焦点を取り戻し、ハトヤマを見据えた。


レッド「殺すべし」

ハトヤマ「え?」

レッド「ポケモン、殺すべし!」

ハトヤマ「グワーッ!?」


ハトヤマは苦痛と困惑の叫びをあげた。

レッドが手を伸ばし、彼の顔をいきなり掴んだのだ。身をよじるが、逃げられぬ!

バチバチと音を立て、ハトヤマの体がコゲ始める。

これは電撃の力か!?


レッド「イヤーッ!」ガンッ


レッドはハトヤマの顔面を床に叩きつけ、立ち上がった!

ネズミハヤイ「ハトヤマ=サン! どうした!」


ネズミハヤイは狼狽えた。

仁王立ちするレッド。その足元に、うつ伏せに倒れるハトヤマ。

レッドは首を巡らし、ネズミハヤイを見た。

殺意と憎悪に燃える瞳で。


レッド「ポケモン。殺すべし」

ネズミハヤイ「なんだ…お前…?」

レッド「イヤーッ!」ダンッ


レッドが跳びかかる! ネズミハヤイは咄嗟に身を守ろうとした。

だが遅い! レッドは既にワン・インチ距離!


レッド「イヤーッ!」バチッ


電撃を帯びた右拳が、ネズミハヤイの腹に突き刺さる!


ネズミハヤイ「グワーッ!」

レッド「イヤーッ!」バチッ


電撃を帯びた左拳が、ネズミハヤイの腹に突き刺さる!


ネズミハヤイ「グワーッ!」

レッド「イヤーッ!」バチッ


電撃を帯びた右拳が、ネズミハヤイの腹に突き刺さる!


ネズミハヤイ「グワーッ!」

レッド「イヤーッ!」バチッ


電撃を帯びた左拳が、ネズミハヤイの腹に突き刺さる!


ネズミハヤイ「グワーッ!」

レッド「イヤーッ!」ゴッ


電撃を帯びたケリ・キックがネズミハヤイの顔面をとらえる!


ネズミハヤイ「グワッ…アバーッ!!」


これは致命的なダメージだ!

仰向けに倒れたネズミハヤイの身体が膨れ上がる!

そして一瞬にして爆発四散!


ネズミハヤイ「サヨナラ!」カブーム!


ポケモンソウル憑依者が死亡すると、エネルギーの供給先を失ったポケモンソウルが暴走して爆発四散するのだ。

レッド「・・・」キッ


レッドは深く息を吐き、背後を振り返る。そしてハトヤマをにらみつけた。

ハトヤマは床から顔面を引きはがし、起き上がった。

2者の視線がかち合う。


ハトヤマ「お前…お前は何だ」タジ...


ハトヤマは後ずさり、両腕の翼を構えた。


ハトヤマ「何なんだよ…こんな話、上から聞いてない…」ガクガク

レッドが放つ電気が、じわじわと広がっていく。

そして全身から電気を発し始めた。

やがて黄金色に光る電気が、自ら意思を持つように何かを形作った。

装束の形に…ポケモンの装束そのものになった!

黄色を基調とし、茶色と黒の混じった装束だ。

レッド「ドーモ」

レッド「ポケモンスレイヤーです」ペコリ


ハトヤマは混乱した。何者だ? 何が起こっている?


ポケモンを殺す者(ポケモンスレイヤー)だと? 自分は殺されるのか?

彼は震えながらアイサツを返す。


ハトヤマ「ド…ドーモ、ポケモンスレイヤー=サン。ハトヤマです」ガクガク


イクサに挑むポケモンにとって、アイサツを交わすのは礼儀だ。

それを行わないという事は、スゴイ・シツレイにあたる。

古事記にもそう書かれている。

ハトヤマ「貴様、貴様は、俺に何をするつもりだ?ポケモンスレイヤー=サン」ガクガク


ハトヤマは威嚇的に両翼を打ち合わせた。


ハトヤマ「何をするつもりだ?」ガクガク

レッド「殺す」


黄色のポケモンは即答した。


ハトヤマ「ナンデ!?」ガクガク


だがその問いはナンセンスだ。

つい先ほど、レッドを責め殺そうとしていたのはハトヤマの方である。

ポケモンスレイヤーは踏み出し、答えた。


レッド「オヌシがポケモンだからだ」ザッザッ

ハトヤマ「ヤメローッ!」バサッ


ハトヤマは恐怖の叫びとともに、翼を広げ窓から飛び立った。


レッド「ポケモン! 殺すべし!」ブオン


レッドは両手をしならせた。その両腕に電撃が走り、掌を伝った。

すると…なんたる超自然現象!

電撃は空気中の粉塵を触媒に、一瞬にしてスリケンを作り出したのだ!


レッド「イヤーッ!」ビュン

同時に放たれた2枚のスリケンは、ハトヤマの背中と後頭部に直撃した。

ただのスリケンではない。電撃をまとった『ショック・スリケン』だ!


ハトヤマ「アバーッ!」


飛行タイプであるハトヤマにとって、ショック・スリケンのダメージは耐えがたきものだった。

ハトヤマはそのまま落下し、頭から地面に激突!


ハトヤマ「サヨナラ!」カブーム!

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いまだ粉塵だらけのフロア内で、レッドは両親を探していた。


レッド「父さん…? 母さん…?」ワナワナ


おお…ナムアミダブツ!

レッドの目に飛び込んできたのは…

全身の皮を剥がれた、見るも無残な両親の…両親らしき人の亡骸だった。

火傷による損傷も激しい。

ポケモンソウルが憑依したとはいえ、レッドはまだ10歳である。

精神の未熟な彼にとってこの惨状は、いささか理不尽すぎた。

その時だ!

KABOOOOOOM!!


レッド「グワーッ!?」


再び爆発が起こり、レッドはビルの外へと投げ出されてしまった。

おそらく、先程の重役と思わしきポケモンが時限爆弾を仕掛けていたのだろう。

幸いレッドは受け身をとったため軽傷で済んだが、ビルは既に炎上している。

レッド「父さん…母さん…」


もうビルへの侵入は無理だろう。このビルが両親の墓となってしまった。

せめて、ちゃんとした墓を建てて弔いたかった…

だが感傷に浸っている暇などない。

こうしている間にも、悪しきポケモン達は活動を続けているのだから。


レッド「殺す…全てのポケモンを、殺す!!」


今はただその怒りを糧に走れ、ポケモンスレイヤー!走れ!



プロローグ おしまい

一旦ここまでにします。
もう書き溜めがないので、ここからはスローペースになります。

一応補足すると
レッド…ピカチュウ
ハトヤマ…ポッポ
ネズミハヤイ…コラッタ  のソウルが憑依しています。

コンビニでスシを買ってきたので少しだけ再開します。
なんと6ピースすべてオーガニック・スシです。
これで398円とは、なにか裏があるとしか思えぬ。

◆ポケ◆

ポケモン名鑑 #1
【ポケモンスレイヤー】

本名レッド。憑依ソウルはピカチュウ。電気タイプ。

マサラ・スゴイタカイビルでのポケモン抗争に巻き込まれ、両親を失う。

自身もポケモンに命を奪われる寸前だったが、ピカチュウのソウルが憑依し、ポケモンを殺すポケモンとして復活。

原動力が憎しみと復讐という悲しき戦士としての運命を歩み始める。

◆ポケ◆

◆ポケ◆

ポケモン名鑑 #2
【ネズミハヤイ】

セキエイ・シンジケートの末端ポケモン。憑依ソウルはコラッタ。

常人の3倍近いポケモン敏捷性が武器だが、

レッドが突如ポケモン化するという不測の事態に対応しきれず、何もできないまま爆発四散を遂げた。

ポケモン同士のイクサでは、実力を100%発揮して死ねるとは限らないのだ。

◆ポケ◆

◆ポケ◆

ポケモン名鑑 #3
【ハトヤマ】

セキエイ・シンジケートの末端ポケモン。憑依ソウルはポッポ。ノーマル/飛行タイプ。

飛行能力と高い視力を持つが、屋内でのレッドとの戦闘で活かされることはなかった。

もっとも、所詮は非ポケモンをいたぶるサンシタに過ぎず、

たとえ屋外であってもレッドの決断的カラテを凌ぐことは難しかっただろうが…

◆ポケ◆


鎖国体制を敷く日本の中心地、ネオカントー地方。

その北西に位置する町、ニビシティ。


ここはかつて化石の発掘で栄えた町で、博物館もあった。

しかし現在では博物館は廃館。町も二次産業が中心となっている。

なぜ化石発掘が衰退したのか?

それはマッポーめいた世の中において、化石などという過去の産物が必要とされていないからだ。

遠い過去に思いを馳せる暇があるのなら、近い未来に置き去りにされないように尽くす。

そんな共通認識があり、化石に興味があるのは極一部の物好きくらいだろう。


しかし、その極一部の物好きが存在しているのも事実だ。

最近ニビシティへ引っ越してきた青年、ヒロヤス。

彼も『極一部』のうちの一人だ。


ヒロヤス「誰もいないな…まあ当たり前か」ザッザッ

ヒロヤス「ここは僕しか知らない穴場だからな」ピタッ

ヒロヤスは屈み込み、リュックサックの中から何かを取り出した。

自作の化石採掘セットだ。


ヒロヤス「さて…始めるか」ギュッ


カツーン、カツーン。

慎重に、しかし手際よく地層を削ってゆく。

カツーン、カツーン。

心が洗われるようだ。

息苦しい現代だからこそ、太古の時代に思いを馳せることは止められない。

なぜ皆にはそれが分からないのだろうか。

カツーン、カツーン。

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「アノー…」

ヒロヤス「アイエッ!?」ビクッ


ヒロヤスは我に帰った。

化石採掘に夢中になり、人が近づいてくるのに気が付かなかった。


「おっと、驚かせて悪かったね」

ヒロヤス「び、びっくりした…あなたは?」

タケシ「俺はタケシ。よろしくな」

ヒロヤス「僕はヒロヤスです」

ヒロヤス「ここに人が来るなんて…あなたも物好きですね」

タケシ「はは、ここが化石採掘の穴場だと聞いてね」

ヒロヤス「あなたも…!?」


ヒロヤスは心底驚いた。

今まで、化石に興味のある人間など見たことがなかったのだ。

同類に出会えた喜びは大きい。

ヒロヤス「僕も今、採掘していたところなんです!」

ヒロヤス「せっかくですから、一緒に採掘しましょうよ!」


興奮気味に話すヒロヤス。


タケシ「いや…化石に興味はあるが、採掘の技術は皆無なんだ」

ヒロヤス「そうですか…」


ヒロヤスは落胆した。

しかし化石について語れる人物と出会えただけでも充分か。


タケシ「よかったら、採掘するところを見せてくれないか?」ニッ

ヒロヤス「…! ヨロコンデー!」

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その頃レッドは、ニビシティを訪れていた。

家電ショップのモニタにオーキド先生が映っている。


オーキド先生とは、遺伝子学・細胞学の権威である。

およそ人間とは思えない程の過密スケジュールを、老い始めた体でこなしている。

そのため、自らの身体の遺伝子や細胞を操作しているのでは…

と、まことしやかに噂されている。

レッド「オーキド先生ならば、何か知っているのだろうか…」


レッドにはセキエイ・シンジケートについての知識が殆ど無い。

ポケモンをスレイしようにも、何も手ががりが無いのではどうしようもない。

途方に暮れるレッド…だが!


ピカチュウ『レッドよ。ポケモンソウルを感知した』

レッド「なんだと…!?」

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時は少し遡り、採掘場にて。


ヒロヤス「見つけましたよ!貝か何かの化石です!」

タケシ「おお!うまく取り出せそうか?」

ヒロヤス「はい!もう少し待っていてください」


カリカリ、サッサッ。

化石に付いている泥質を慎重に払う。

上手く取り出せた。我ながら良い形だ。


ヒロヤス「上手くいきましたよ!これです!」


ヒロヤスは後ろを振り向いて言う。


タケシ「ほう…じゃあ、それを俺に渡してもらおうか」

ヒロヤス「エッ…?」


絶句するヒロヤス。

彼の後ろに立つタケシは、先ほどまでとは全く違う格好をしていた。

灰色の装束を着て…それこそポケモンめいた姿をしているではないか!

ヒロヤス「ポケモン!?ポケモンナンデ!?」

タケシ「つべこべ言うなコラー!さっさとよこせオラー!」

ヒロヤス「アイエエエエエ!!」


無理やり化石を奪い取るタケシ。


タケシ「ほう…中々だな。だが量が足りん」

タケシ「お前には、これからも毎日採掘を続けてもらう。いいね?」

ヒロヤス「アイエエ…」ガクガク

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ポケモン装束って忍者めいた衣装なのか着ぐるみ的な物なのか気になるな

スシが切れたのでここまでにします。
続きは夜にでも書ければいいと思います。

>>57
着ぐるみの場合ピカチュウやコラッタ等はいいのですが
イワークやマルマイン、アズマオウなどが気持ち悪くなりますね。
ニンジャめいた装束と考えたほうが無理のない絵面になりますが、どちらで解釈してもらっても結構です。
自由にあなたのニューロンを羽ばたかせましょう。多様性!

レッド「ここにポケモンがいるのだな…?」


レッドは採掘場へと足を踏み入れた。


レッド「誰もいないな」

ピカチュウ『ポケモンは既に去ったようだ』

レッド「…あれは何だ?」


地層が一部、人為的に削られている。

ヒロヤスが削った地層だ。

ピカチュウ『化石でも採掘していたのだろう』

レッド「ポケモンがか?何のために?」

ピカチュウ『知らぬ。儂に聞くな』

ピカチュウ『しかしポケモンソウルの痕跡は新しい。つい先程までここにいたのは間違いない』


レッドは考え込む。

なぜポケモンが化石を必要としているのか?

趣味による採集でない事は間違いないだろうが…

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翌日。

ヒロヤスとタケシは再び採掘場を訪れていた。


タケシ「さっさと採掘オラー!」

ヒロヤス「アイエエエエ!」


カツーン!カツーン!

タケシ「雑にすんなオラー!もっと丁寧にしろオラー!」

ヒロヤス「アイエエエエ!」


カツーン…カツーン…


タケシ「ザッケンナコラー!チンタラしてんオラー!」

ヒロヤス「アイエエエエ!」


無茶な注文!なんたる横暴か!

ヒロヤス(大好きな化石採掘なのに…全然楽しくない…)

ヒロヤス「ナンデ…?どうしてこんな事に…」

タケシ「採掘技術を持っている人間なんて、そうそういないからな」

ヒロヤス「やだ…もう、いやだ…」ポロポロ


あまりの理不尽さに耐えかね、ヒロヤスは泣き出してしまった。


タケシ「泣く暇があったら採掘しろオラー!スッゾコラー!」ギリギリ

ヒロヤス「アイエーエエエエ!!」


タケシはマンリキめいた握力でヒロヤスの頭を掴んだ。

その時だ!


レッド「Wasshoi!」ボコーン


突如、地層の中からポケモンスレイヤーが飛び出してきた。

殺戮者のエントリーだ!


タケシ「なんだ貴様は!」

レッド「ドーモ、初めまして。ポケモンスレイヤーです」ペコリ

タケシ「ドーモ、初めましてポケモンスレイヤー=サン。ロックマンです」ペコリ

タケシ「ブッダファック!ポケモンだと!?」

ヒロヤス「アイエエエ!ポケモン!?」


ヒロヤスには『助けが来た』という発想は無かった。

彼にとってポケモンは、横暴な支配者でしかないのだ。


タケシ「ヒロヤス=サン、お前は巻き添えを喰わないように隠れていろ!」

ヒロヤス「アイエエ…」ダッ


ヒロヤスは一目散に逃げていった。

タケシ「よくも邪魔をしてくれたなあ?」スッ

レッド「知らぬ。ポケモン殺すべし」スッ


両者はカラテの構えをとり、一定の距離を保ちながら円形に動いている。


レッド「イヤーッ!」ビュン


ポケモンスレイヤーが先に仕掛ける!

ショック・スリケンを2枚、喉と心臓に向けて投擲!

タケシ「イヤーッ!」


ロックマンは両手の人差し指と中指でスリケンを挟み、受け止める!

だがこれは、ただのスリケンではない。

まとった電撃によりロックマンは痺れる…はずだった。


タケシ「ふん、こんな淡泊なワザなど通用せんぞ!」ビュン


ロックマンは何事も無かったかのようにスリケンを投げ返す!

一体なぜ電撃が効かぬのか!?

レッド「イヤーッ!」サッ


レッドはスリケンをブリッジで回避!


ピカチュウ『レッドよ、奴のソウルはイワークだ』

ピカチュウ『岩/地面タイプのポケモンに電撃は効かぬ』

レッド「ヌウー…」


ポケモン同士のイクサの勝敗を分ける要因は2つある。

一つは、単純にカラテのワザマエの差。

そしてもう一つは、タイプ相性だ。

電気タイプのポケモンスレイヤーでは、イワークに対し圧倒的に不利!

今日はここまでにします。
次に再開したときに第1話を終わらせたいです。
オタッシャデー!

しかしこの程度のハンデで勝負を投げ出すポケモンスレイヤーではない。

タイプで不利ならばカラテあるのみだ!


レッド「イヤーッ!」ダンッ


ポケモンスレイヤーはロックマンに向かって低く跳躍!

その勢いのまま左フックをボディに叩き込む!


タケシ「イヤーッ!」グオッ


なんとロックマンは、回避することもなければ防御姿勢を取ることもなかった。

あえてポケモンスレイヤーのフックを受け、こちらもフックで反撃する腹積もりだ!

レッド「グワーッ!」

タケシ「グワーッ!」


ポケモンスレイヤーは体勢を崩されたが、四連続バック転をうまく決め一旦距離を取る。


タケシ「ぬるいな」

レッド「なに?」

タケシ「俺は堅くて強い岩の男、ロックマンだ。貴様のカラテなど対して痛くもない」

タケシ「そんな貧弱なカラテしか使えんとは…」

タケシ「名前負けもいいところだな、ポケモンスレイヤー=サン」


ロックマンは嘲笑う。

レッド「なんだと!?」


ポケモンスレイヤーはまんまと挑発に乗ってしまった!

ロックマンは一見パワーファイトが得意なように見えるが、一方で舌戦においても力を発揮する。


タケシ「どうした?かかってこい」


掌を上にして手招きするロックマン。


レッド「イヤーッ!」ゴッ

タケシ「イヤーッ!」ゴッ


両者のカラテが激突する!

ポケモンスレイヤーは苦痛で顔を歪める。


レッド「イヤーッ!」ゴッ

タケシ「イヤーッ!」ゴッ


ポケモンスレイヤーは苦痛で顔を歪める。


レッド(もっとだ…もっと強く…)

レッド(もっと力を込めなければ、奴のカラテと渡り合えん!)


だが、その考えこそロックマンの思うつぼだ!

ロックマンはポケモンスレイヤーを挑発し、自身の得意分野である体力勝負に持ち込んだのだ。

見事なアオリ・ジツ!

レッド「イヤーッ!」ゴッ

タケシ「イヤーッ!」ゴッ


レッド「イヤーッ!」ゴッ

タケシ「イヤーッ!」ゴッ


レッド「イヤーッ!」ゴッ

タケシ「イヤーッ!」ゴッ


レッド「イヤーッ!」ゴッ

タケシ「イヤーッ!」ゴッ



レッド「グ…ハァーッ!ハァーッ!」


しばらく殴り合いが続いたがジリー・プアー(※注釈:徐々に不利)だ!

ポケモンスレイヤーよ、冷静になれ!


タケシ「グッ…どうした?俺は大したダメージを受けていないぞ?」


ロックマンも少なからずダメージを受けてはいるが、やはりポケモン耐久力の差は明らかであった。

その時だ!


ピカチュウ『ブザマだなレッドよ…』

レッド(ピカチュウか…)

ピカチュウ『儂に体を貸せ。あんな小童など瞬殺してくれよう』

レッド(断る)

ピカチュウ『なぜだレッド!奴を殺したくないのか!?』

レッド(俺のこの手で殺す)

ピカチュウ『そんな戦い方では勝てん!儂に体を貸せ!』


この間、コンマ1秒。

ニューロン内での会話は一瞬だ。

せがむピカチュウを邪険に扱いながらも、

レッドはピカチュウの発言の中にロックマン撃破のヒントを見出した。

『そんな戦い方では勝てん』という部分だ。


先程までの戦い方ではロックマンに勝てない。

力で勝てない相手に、力で対抗しようとしてはいけないのだ。

レッド「イヤーッ!」ビュン


ポケモンスレイヤーはスリケンを2枚投擲!


タケシ「イヤーッ」パシッ


ロックマンは両手の人差し指と中指でスリケンを受け止め、投げ返す!


レッド「イヤーッ!」パシッ


ポケモンスレイヤーもスリケンを受け止め、投げ返す!

その際、新たにスリケンを2枚投擲!

タケシ「イヤーッ!」パシッ


ロックマンは1枚ずつ受け止め、4枚全て投げ返す!


レッド「イヤーッ!」パシッ


ポケモンスレイヤーも1枚ずつ受け止め、4枚すべて投げ返す!

その際、新たにスリケンを4枚投擲!

力で勝てぬのなら、速さで勝負すればいい。

百発のスリケンで倒せぬ相手だからといって、一発の威力に頼るのではない。

一千発のスリケンを投げるのだ!

タケシ「イヤーッ!」パシッ


ロックマンは1枚ずつ受け止め、8枚すべて投げ返す!


レッド「イヤーッ!」パシッ


ポケモンスレイヤーも1枚ずつ受け止め、8枚すべて投げ返す!

その際、新たにスリケンを8枚投擲!

16枚…32枚…

スリケンの数は増えてゆき、ポケモンスレイヤーが64枚のスリケンを投擲した時!


タケシ「グワーッ!」

64枚のスリケンのうち、7枚がロックマンに突き刺さった!

しかし残りの57枚は投げ返すロックマン!


レッド「グワーッ!」


ポケモンスレイヤーも1枚だけ取りこぼしてしまった!

だが残りの56枚に加え、更に20枚のスリケンを上乗せして投げ返す!


タケシ「グワーッ!」


76枚のスリケンのうち、17枚がロックマンに突き刺さった!

しかし残りの59枚は投げ返すロックマン!

2枚のスリケンがポケモンスレイヤーに突き刺さる!

18枚のスリケンがロックマンに突き刺さる!

1枚のスリケンがポケモンスレイヤーに突き刺さる!

15枚のスリケンがロックマンに突き刺さる!

2枚のスリケンがポケモンスレイヤーに突き刺さる!




「グワーッ!」


先に倒れたのは…ポケモンスレイヤーだ!

スリケンの投げ合いではポケモンスレイヤーが優位に立っていたが、

ロックマンのポケモン耐久力はその差を覆すほどのものだった。


タケシ「ハァーッ…ハァーッ…中々やるな、ポケモンスレイヤー=サン」

タケシ「これ以上抵抗されては少々危険だ」ゴゴゴ...


タケシは右手を天に掲げた。

すると…ゴウランガ!

上空に多数の岩石が生成されたではないか!

タケシ「イワナダレ・ジツ!イヤーッ!」ブンッ

レッド「イ…イヤーッ!」ババッ


ポケモンスレイヤーは側転を5連続で決め、辛くも回避!

しかし、それはロックマンの思惑通りだった。

おお、見よ!

ただでさえ狭い採掘場が、岩石によってさらに狭められてしまったのだ!


タケシ「もう一度だ!イワナダレ・ジツ!イヤーッ!」ブンッ


アブナイ!

もう側転で回避できるほどのスペースは残されていない!

最早レッドには回避する気力が残っていなかった。

電撃は効かない。力で及ばない。耐久力でも及ばない。速さも通用しない…

だからといって、このまま諦めてしまっていいのか!?


タケシ「採掘場の地形を利用する…これぞフーリンカザンよ!」

レッド(フーリンカザン…?)

レッド(そうか!これだ!!)

レッド「イィィヤ―ッッ!!」バババ

タケシ「なにっ!?」


ゴウランガ!

ポケモンスレイヤーはハエめいた細かい動きで、岩石の隙間を縫い回避した!

デンコ・セッカ・ジツだ!

そしてそのままロックマンの横を抜け、走り去っていった。

一旦ここまでにします。
まだ第一話が完結せず、思った以上に長引いてしまいました。
すまんな、本当にすまん。

さらに名前の表記ですが
「」の前…レッド(本名)
戦闘中の地の文=サン…ポケモンスレイヤー(ポケモンネーム)
で統一するはずが、所々ミステイクしています。ケジメしてきます。

タケシ「ウカツ!逃げられてしまうとは…」

タケシ「後を追おうにも、俺はソウルの痕跡を感知するのが苦手だからな…ん?」


タケシは地面を見た。

すると、彼の目に飛び込んできたのは…血だ。

この跡を追っていけば、ポケモンスレイヤーを見つけ出すことができそうだ。


タケシ「ククク…逃がさんぞ、ポケモンスレイヤー=サン」

________
______
____

血痕を追ってきたロックマンは、草原へとたどり着いた。

やや背の高い草が生い茂っており、血痕を探すのには少々苦労する。


タケシ「コシャクな…ん?」


ロックマンは、草むらに佇む人影を発見した。

あの黄色い装束は…間違いない。ポケモンスレイヤーだ!


タケシ「見つけたぞポケモンスレイヤー=サン!鬼ごっこはお終いだ!」

両者はカラテの構えを取る。

この広い草原ならば、イワナダレ・ジツの回避も容易いだろう。


レッド「貴様の岩遊びも、この場所ならば脅威にならん!」ダンッ

タケシ「ふん!だからといってカラテの差が埋まった訳ではないぞ!」ダンッ


両者は同時に跳躍…できない!


タケシ「グワーッ!?」ズテーン

ロックマンは何かに足を絡め取られ、その場で転倒!


タケシ「グワーッ草!」


これぞポケモンスレイヤーがこの場所での戦闘を選んだ理由だ。

草と草をアーチ状に結び合わせた罠を大量に仕掛けておいたのだ!

原始的ながら汎用的な罠…クサムスビ・ジツ!

これが普通のポケモンならば、力づくで草を引き千切ることも出来ただろう。

しかしクサムスビ・ジツは草タイプのジツだ。

岩/地面タイプのロックマンでは、簡単には引き千切ぎられぬ!

そして、この隙を逃すポケモンスレイヤーではない。


レッド「イヤーッ!」ガシッ


ロックマンを背後からがっちりと羽交い絞めにし、そのまま垂直に飛び上った。

その跳躍高度、実に10メートル!

恐るべきポケモン脚力の為せる技だ!

頂点で彼らは逆さになり、高速キリモミ回転しながら垂直落下!


レッド「イイィィィヤアァァァーッッ!!」ギューン


読者の皆さんの中に、ポケモン近代史を研究した方はおられようか?

その方ならば知っている…

これは暗黒カラテの禁じ手『アラバマオトシ』!

タケシ「アバババーッ!!」ゴキッ


ロックマンはコメットめいて頭から地面に打ち付けられ、首の骨が粉砕した!

コワイ!

これには流石のロックマンも耐えられない!


タケシ「サヨナラ!」カブーム


ロックマンは遂に爆発四散した。

________
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____

ヒロヤスは再び採掘場を訪れていた。

荷物を置いたまま逃げ出してしまったからだ。

物陰から恐る恐る採掘場を覗いてみる。…よし、誰もいない。

採掘セットをリュックサックに仕舞い、帰ろうとしたその時。


レッド「オヌシは何者だ?」

ヒロヤス「アイエエエエ!?」

ポケモンスレイヤーは困惑した。


レッド(助けてやったというのに怯えるだなんて、シツレイな奴だ…)


そう思ったレッドだが、すぐに考え直した。


レッド(いや…怯えるのも無理はない)


そうだ。自分はポケモンだ。殺戮者だ。嫌われて然る存在なのだ。

レッド「…オヌシは、先程の男とはどんな関係だ?」

ヒロヤス「アイエエ…む、無理やり化石の採掘をさせられていたんです」


よかった。会話はできる。


レッド「なぜあの男は化石を必要としていた?」

ヒロヤス「なんでも、ポケモンの化石を復元する技術の研究に使うとか…」

レッド「なに?」


ポケモンの化石を復元するだと?そんな事は初耳だ。

いや、今は化石の事などどうでもいい。


レッド「…あの男が所属している組織は分かるか?」

ヒロヤス「分かりません…」

レッド「本当だな?」

ヒロヤス「アイエエエ…本当です…」

レッド「そうか」

結局、仇敵の実態を掴むことはできなかった。

今はただ走るしかなさそうだ。


レッド「時間を取らせたな。シツレイする」ダッ

ヒロヤス「アイエエエ…」


遠くへ消えゆく黄色い影を、ヒロヤスはただただ眺めていた。

________
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____

その頃、ヤマブキシティのシルフ・インダストリ本社。

何者かが社長と会談をしていた。


???「ムッハハハ…社長=サン、化石の件は順調かね?」


白髪が目立つ初老の男。

ただならぬ危険的アトモスフィアを漂わせている。一体何者か!?


社長「それが…タケシ=サンが何者かによって殺されたらしいのです」

???「…なんだと?」

社長「化石収集役として派遣された彼がいなくては、研究は凍結してしまいます」

???「タケシ=サンのカラテは実際油断ならぬものだ。一体誰に殺された?」

社長「分かりません…」

社長「しかし、マサラ・スゴイタカイビルでもセキエイ・ポケモンが二人殺されていますよね?」

社長「その件と関係があると思われます」

???「そうか…」

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第1話 おしまい

一旦ここまでにします。
読んで下さった方、感謝重点。

聡明な読者ならばお気づきかと思いますが、
第2話はカスミ戦となります。
オタッシャデー!

◆ポケ◆

ポケモン名鑑 #4
【ロックマン】

本名タケシ。憑依ソウルはイワーク。岩/地面タイプ。

『堅くて強い岩の男』の二つ名は伊達ではなく、実際強力なポケモン耐久力を誇る。

生半可な打撃やスリケンでは決定打にならず、

加えてアオリ・ジツを始めとする頭脳戦も並以上にこなす。

フーリンカザンの精神も忘れないが、草原での戦闘を強行するという詰めの甘さが仇となった。

◆ポケ◆

ポケモン名鑑を忘れていました。ケジメ2本目な。
今度こそほんとうにオタッシャデー!

◆第2話◆


ネオカントー地方の北方に位置する都市、ハナダシティ。

雑木林や河原などがあり、ネオカントーにしては自然が豊かな方だ。

しかし降りしきる重金属酸性雨に当てられては、その自然も映えないというものだ。


そのハナダシティの更に北東には岬があり、

ジャーナリストにしてハッカーである青年マサキが隠れ家を構えている。

マサキ「最近セキエイ・ポケモンが頻繁に殺されとるみたいやな」カタカタ


極秘の電子データを整理するマサキ。

彼はポケモンの存在に気付いており、セキエイ・シンジケートとの関係性も独自に調査している。


マサキ「いったい誰が殺したんやろね…全部同じ人間の仕業なんか?」カタカタ


彼が扱う独特の言語は、ジョート共和国の中心都市コガネシティの方言だ。


マサキ「興味深い話やな…ん?」


突然、隠れ家のドアをノックする音が聞こえてきた。


マサキ「おっと、こんな時間に誰やろか」

外の様子を覗くと、宅配業者の格好をした男が立っている。

こんな時間に宅配だって?

一抹の不安を感じつつドアを開けるマサキ。

すると彼の前に現れた配達員は、威圧的にこう言い放った。


配達員「ドーモ、初めましてマサキ=サン。イッカクです」バサッ


配達員は上着と帽子を脱ぎ捨てる。なんと中には装束を着込んでいた。

白と朱色を基調とし、所々に魚のヒレめいた装飾の施された装束を。

他にも額から伸びる一本の角が特徴的だ。

そう、彼は紛れもないポケモンなのだ!

マサキ(ヒエーッ…セキエイ・ポケモンか!?)

マサキ(まさか感づかれとったとは…)

イッカク「貴様がマサキ=サンで間違いないな?」

イッカク「コソコソとセキエイ・シンジケートの事を嗅ぎまわっている犬め」


平安時代の哲学剣士ミヤモト・マサシが残したコトワザに

『詮索好きの犬は警棒で殴られる』というものがあるが、まさにその通りであった。

マサキの好奇心が過ぎたがゆえにポケモンが派遣されてしまったのだ!

マサキ「人違いやない?ワイの名前はマサノリやで(すっとぼけ)」

イッカク「あくまで白を切るか…まあ良い」

イッカク「どのみちポケモンの存在を知ったものを生かしておく訳にはいかん」

イッカク「やれ、お前たち」サッ


イッカクが合図すると、後ろに控えていた大勢のヤクザが姿を現した。

全員が全く同じ容姿をしている…クローンヤクザだ!

クローンヤクザ「「「ザッケンナコラー!」」」


物騒なヤクザ・スラングでマサキを威嚇しつつ、一斉にヤクザ・ライフルを構えるクローンヤクザ達。


マサキ(アカン…蜂の巣不可避やな)


マサキが死を覚悟したその時!


イッカク「アバーッ!アババーッ!!」


背後から飛来した4枚のスリケンにより感電するイッカク。

水タイプの彼にとって耐えがたいダメージだったらしく、そのまま爆発四散!


イッカク「サヨナラ!」カブーム

このスリケンの主は…あの男しかいないだろう。


レッド「Wasshoi!」


殺戮者のエントリーだ!


クローンヤクザ「「「スッゾコラー!」」」


クローンヤクザ達は一斉にポケモンスレイヤーの方へと向き直り、発砲する!

BLATATATATA!


レッド「イヤーッ!」バッ


ポケモンスレイヤーは横へ走って回避。

クローンヤクザ「「「ダッテメッコラー!」」」


BLATATATATA!


レッド「イヤーッ!」バッ


丁度いい具合にヤクザ達が散らばったとみたポケモンスレイヤーは、その中央に向かって高く跳躍!

そしてコマめいて高速回転し始めた。


レッド「イヤーッ!」グルグル


そのまま全方向に向けて大量のスリケンを投擲!

一瞬のうちにいったい何枚のスリケンを連続投擲したのだろうか。

これぞピカチュウのソウルから学習したヒサツ・ワザ、ヘルタツマキだ!

クローンヤクザ「「「グワーッ!」」」


タツジン!

ショック・スリケンが突き刺さり、クローンヤクザ達は次々と絶命してゆく。


マサキ「これがポケモンのイクサ…」ゴクリ

ポケモンスレイヤーは一瞬のうちにヤクザを殲滅し終えた。


レッド「それで…オヌシは何者だ?」


マサキを見据え、質問を投げかける。


マサキ「ワイはジャーナリストで…ハッカーでもある、マサキや」

レッド「おおかた、好奇心が過ぎたがゆえに狙われたのだろう」

マサキ「せやね。ところであんたは…」

レッド「俺はポケモンスレイヤーだ」

ポケモンを殺す者(ポケモンスレイヤー)だって?

もしや…


マサキ「…マサラ・スゴイタカイビル」ボソッ

レッド「!」

マサキ「ニビの化石採掘場」

レッド「!!」


この反応は間違いなさそうだ。


マサキ「あんたが殺ったんやな?」

レッド「…ああ」

マサキ「セキエイ・シンジケートに歯向かうとはなあ…大したもんやな」

マサキ「助けてくれたお礼や、ワイが知っとる情報を全部分けたるで」

レッド(この男…信用しても大丈夫なのか?)


迷ったポケモンスレイヤーだが、他に頼れる人間などいない。

聞くだけ聞いてみるのも悪くないだろう。


マサキ「まずセキエイ・シンジケートを知っとるか?」

レッド「知らぬ」

マサキ「ホンマに何にも知らへんのやな」

レッド「・・・」

マサキ「まあ、簡単に言えば悪の組織やな」

マサキ「ポケモンを使役して悪の限りを尽くす…そんな組織や」

レッド「マサラ・スゴイタカイビルを爆破したのも?」

マサキ「セキエイ・ポケモンやで」

マサキ「まあジョートのスズ・シャドーギルドとの抗争によるもんやから、スズ・ポケモンの仕業でもあるんやけどな」

レッド(セキエイ・シンジケートにスズ・シャドーギルド…覚えておかねばなるまい)

中途半端ですが一旦ここまでにします。
ナンシー=サンポジが男ですまんな、本当にすまん。

遅くなりましたが再開します。
私はポケモントレーナーなので、ゲームの方に夢中になるとSSの進行が滞ることがあります。
備えよう。
天候パ使うの楽しいです。

マサキ「で、セキエイ・シンジケートのトップに立っとるんがワタルっちゅうポケモンや」

マサキ「そのワタルの指揮のもと、幹部たちが各地に配属されとる訳や」

レッド「その幹部とやらは全部で何人いるんだ?」

マサキ「8人やったけど…」

マサキ「先日あんたが殺したロックマンもそのうちの一人やから、残りは7人やで」

レッド「ひとつ…聞かせてもらってもいいか?」

マサキ「ええんやで」

レッド「オヌシはどこから情報を得ているんだ?なぜそんなに詳しい?」


ポケモンではないマサキが、シンジケートに深く踏み込んで調査をするのは自殺行為だ。

外部からの調査が無理となれば、内部からの調査が主となるだろう。

内通者がいるのか、又はマサキ自身が…


マサキ「疑っとんのか?」

レッド「・・・」

マサキ「この情報は、各地のハッカー仲間と協力して手に入れたもんや」

マサキ「綿密に打ち合わせたうえで役割分担してやっと手に入れた、ユウジョウの証みたいなもんやで」

マサキ「それを侮辱せんといて欲しいなあ」

レッド「ユウジョウか…」


ユウジョウ。

殺戮者であるポケモンスレイヤーにとって、それは少し眩しいものだった。

今の自分には、誰かとユウジョウする資格があるのだろうか。

レッド「その仲間は今、どうしているんだ?」


そう言うと、マサキの顔が一気に青ざめた。


マサキ「…! アカン! あいつらの所にもポケモンが派遣されとるかも分からん!」サーッ

マサキ「急いで連絡せな…!」ダッ


マサキは無我夢中で自宅へ駆け込んだ。







マサキ「嘘やろ…」ワナワナ


おお…ナムアミダブツ!

彼からの連絡に返事を返す者は誰ひとりいなかったのだ!


マサキ「セキエイ・シンジケート…!」

レッド「・・・」

マサキ「なあ、ポケモンスレイヤー=サン」

マサキ「あんたがシンジケートに歯向かう理由は何や?」


ポケモンスレイヤーは即答する。


レッド「全てのポケモンを殺すためだ」

マサキ「なら話は早いわ」

マサキ「ワイも協力するで」

レッド「それは…だめだ」

マサキ「なんでや!」

レッド「オヌシはポケモンの恐ろしさを身を以て味わったはずだ」

レッド「これ以上深入りするな。ジョートにでも亡命するといい」


少し迷ったポケモンスレイヤーだが、モータル(非ポケモン)を巻き込む訳にはいかない。


レッド「情報をくれた事には感謝する。俺はもう行くぞ」

ポケモンスレイヤーがその場を去ろうとしたその時!


マサキ「ま…待った!」

レッド「なんだ」

マサキ「ポケモンの居場所やけど…ひとつ、心当たりがあるで」

レッド「!」

マサキ「その場所に入るには、電子ロックを解除する必要があるんや」

レッド「・・・」

マサキ「そのためにハッカーの力が必要になるんやで」

レッド「・・・」

________
______
____

ハナダシティの中央付近にある屋内プール施設。

その扉の前にポケモンスレイヤーとマサキが立っている。


『認証完了ドスエ』


電子マイコ音声が鳴り、扉のロックが解除された。


マサキ「なかなか堅いセキュリティやったけど、まあワイにかかればこんなもんやね」チラッ

レッド「・・・」


アッピールするかのごとく話すマサキ。

ハッカーとしてのマサキの力は確かなもののようだ。

マサキ「ワイの仕事はここまでや」フーッ

レッド「…感謝する」ザッ


ポケモンスレイヤーは建物の中へと足を踏み入れた。


マサキ(頼んだで…)



夜中なので当然客はいないが、電子ボンボリによって屋内は明るく照らされていた。


レッド(誰かいるのか…?)


その時だ!


???「遅いわよ、イッカク=サン!」

マサキ「ワイの仕事はここまでや」フーッ

レッド「…感謝する」ザッ


ポケモンスレイヤーは建物の中へと足を踏み入れた。


マサキ(頼んだで…)



夜中なので当然客はいないが、電子ボンボリによって屋内は明るく照らされていた。


レッド(誰かいるのか…?)


その時だ!


???「遅いわよ、イッカク=サン!」

一人の小柄なポケモンが姿を現した!そのバストは豊満である。

身に着ける紫色の装束には、大きなルビーめいた装飾が施されている。


カスミ「って…あんた誰よ!?」


豊満なバストのそのポケモンは、目の前に立つ男が自分の部下ではないことに気付いた。


レッド「ドーモ、初めまして。ポケモンスレイヤーです」ペコリ

カスミ「ドーモ、初めましてポケモンスレイヤー=サン。オテンバニンギョです」ペコリ

カスミ「イッカク=サンめ…しくじったのね」

レッド「当然貴様も殺す。ポケモン殺すべし!」

カスミ(え?こいつ、ただポケモンを殺すことが目的なの?)

カスミ(ということは…)

カスミ「あんたでしょ?ロックマン=サンを殺したのは」

レッド「そうだ。当然貴様も殺す。イヤーッ!」ビュン


ポケモンスレイヤーはショック・スリケンを3枚投擲!

一旦ここまでにします。
カスミ=サンのポケモンネームはマーメイドにしておけばよかったと後悔しています。

投下し直すとややこしくなりそうなので訂正だけすることにします。

>>145
× 電子マイコ音声
○ 合成マイコ音声

>>148
× カスミ「ドーモ、初めましてポケモンスレイヤー=サン。オテンバニンギョです」
○ カスミ「ドーモ、初めましてポケモンスレイヤー=サン。マーメイドです」

飛来するスリケンをキャッチしようとマーメイドは構えた…が!


カスミ「…! イヤーッ!」ガバッ


マーメイドのポケモン第六感が警笛を鳴らしたのだ!

キャッチするのではなく、ブリッジでの回避に切り替えるマーメイド。

標的を外したショック・スリケンはマーメイドの後方へと流れてゆき、そのまま壁に突き刺さった。

その壁を見遣ると…焦げている。


カスミ「電撃をまとったスリケンかしら…厄介ね」

レッド(初見でショック・スリケンの性質を見破られるとはな)

ピカチュウ『レッドよ、奴のソウルはスターミーだ。タイプは水/エスパーだ』

ピカチュウ『エスパータイプは総じてポケモン第六感に優れている』

ピカチュウ『だが儂に体を貸せば関係なく瞬殺できよう。さあ体を貸せ』

レッド「断る。イヤーッ!」ダッ


せがむピカチュウを振り切り、マーメイドとの距離を詰めるポケモンスレイヤー。

そのまま相手のボディへとブローを叩き込む!


レッド「イヤーッ!」グオッ

カスミ「イヤーッ!」スッ


マーメイドはそれを受け流そうとするが…


カスミ「ンアーッ!」バチッ

打撃自体は受け流したマーメイドだか、拳にまとった電撃までは防ぎきれぬ!

これが普通のポケモンならば無理にでも耐えて反撃を試みていたのだろうが、

水タイプのマーメイドにとってこの電撃のダメージは無視できないものであった。


カスミ「イヤーッ!」ババッ


マーメイドは4連続バック転を決め、一旦距離を取る。


カスミ「正面からカラテを挑むのは部が悪そうね…」

カスミ「いいわ、今からあたしの本気を見せてあげる」

そう言うなりプールの中へと飛び込むマーメイド。

するとマグロめいた猛烈な速度で泳ぎ始めたではないか!

このエリアでは壁に沿ってドーナツ状に水が張られており、レッドは中央の島に立っている形だ。


レッド(ヌウー…奴を見失ってしまった…)


次の瞬間!


カスミ「イヤーッ!」ザバッ


マーメイドがレッドの背後の水面から飛び出し、猛烈なトビゲリを繰り出した!

レッド「グワーッ!」


水中からのアンブッシュ(不意打ち)に対応しきれず、よろめくポケモンスレイヤー。


レッド「イ…イヤーッ!」ブンッ


反撃を試みるが既にマーメイドは間合いの外だ。ハヤイ!

恐るべきヒット・アンド・アウェイ戦法!

再びプールへ飛び込むマーメイド!


レッド「ヌウー…」


ポケモンスレイヤーはジュー・ジツの構えを取る。

360°どこから、どのタイミングで飛び出してくるのかが分からないのは実際驚異だ。


カスミ「イヤーッ!」ザバッ


ポケモンスレイヤーの側面の水面から飛び出すマーメイド!


レッド「イヤーッ!」グオッ


ポケモンスレイヤーは研ぎ澄ましたポケモン反射神経により、アンブッシュに反応し反撃のチョップを繰り出す!

…が。

チョップは空を切った。


カスミ「残念だったわね、さっきのはフェイントよ!」ビュン


マーメイドはスリケンを3枚投擲!


レッド「グワーッ!?」


回避しきれず、1枚のスリケンがポケモンスレイヤーの左腕に傷を付けた

名前欄に話数を書き忘れました。
ケジメ3本目…アイエエ…

カスミ「水に身を潜め、相手を翻弄する! これぞアクア・カラテよ!」


得意げに言い放つマーメイド。そのバストは豊満である。


レッド「イ…イヤーッ!」ビュン


ポケモンスレイヤーは苦し紛れのショック・スリケンを投げ付ける!

ならばとばかりにプールへ飛び込むマーメイド。

ショック・スリケンは虚しく壁に突き刺さった。


レッド「ヌウー…」


このままではジリー・プアー(※注釈:徐々に不利)だ。

ポケモンスレイヤーに焦りが生まれ始めたその時!


マサキ「ポケモンスレイヤー=サン! 水を逆に利用したれ!」

レッド「なっ…マサキ=サン、帰ったはずでは!?」

マサキ「今はそないな事はどうでもええ! あんたもプールに飛び込め!」

レッド「何故だ?水中こそ奴の領域のはずだ」

マサキ「ワイが信じられへんのか!? とにかく飛び込みや!」

レッド「・・・」


どのみち、何か行動を起こさなければ形勢は逆転し得ない。

ポケモンスレイヤーはヤバレカバレの賭けに出ることに決めた。


レッド「イヤーッ!」ザブン

カスミ(あら、わざわざ私の領域に踏み込んでくるなんて)

カスミ(モスキート・イン・トゥ・ベイルファイアとは正にこの事ね!)


マーメイドはアクア・カラテを叩き込むべく、殺人的速度でポケモンスレイヤーに接近する。

ポケモンスレイヤーもそれに気付き、反撃の構えを取る。

その時だ!


カスミ「…!!」


マーメイドのポケモン第六感が再び警笛を鳴らしたのだ!

カスミ(くっ…)ググッ


マーメイドはポケモンスレイヤーから離れ水面から飛び出そうとするが、既に遅い!


レッド「イヤーッ!」バチッ

カスミ「ンアーッ!」ビリビリ


ポケモンスレイヤーの拳から発された電撃が水を伝い、マーメイドを感電させた!

電気を通しやすいという水の性質を利用した間接攻撃だ!

これは自然界でもバイオデンキウナギ等が実用しているフーリンカザンである。


カスミ「ンアーッ!」ザバー

慌ててプールから揚がるマーメイド!

レッド「Wasshoi!」ザバー

それを追ってポケモンスレイヤーもプールから飛び出した。


カスミ「あたしのアクア・カラテが破られるだなんて…これだから電気タイプは!!」

レッド「もう貴様のカラテは恐くないな」

レッド「これ以上抵抗しないのならば、苦しまぬようひと思いに殺してやる」スッ


威圧的にジュー・ジツの構えを取るポケモンスレイヤー。

しかし!


カスミ「なめるんじゃないわよ!!」ヒュン

マーメイドが殺人的速度でポケモンスレイヤーへと突進して行く!


レッド「クッ…」バッ


ポケモンスレイヤーは電撃をまとった腕でガードを試みるが…


カスミ「イィヤァーッ!」ヒュン


ハヤイ!

ツバメめいた方向転換でポケモンスレイヤーの後ろを取った!

そして鋭いケリ・キックを浴びせる!


レッド「グワーッ!」

一旦ここまでにします。
オタッシャデー!

ポケモンスレイヤーはマーメイドの方へ向き直るが、既にマーメイドは間合いの外まで離れていた。


カスミ「イヤーッ!」ヒュン


再び突進するマーメイド。


レッド「イヤーッ!」ブンッ


ポケモンスレイヤーは側面に死角を作らぬように回し蹴りで迎え撃つ!


カスミ「イヤーッ!」ダッ


しかしマーメイドは前方回転をしながらポケモンスレイヤーの頭上を飛び越える!

そして体を捻り、ポケモンスレイヤーの脳天を目掛けて踵落としを繰り出した!

レッド「グワーッ!」


なんとか直撃は避けたものの、右肩に大きなダメージを負ってしまった。


カスミ「アンタもしかして、あたしは水がないと戦えないような軟弱なポケモンだと思った?」


再び距離を取ったマーメイドが言う。

実際ポケモンスレイヤーは先ほどまで油断していた。


カスミ「残念だったわね。あたしが素早く動けるのは水中だけじゃないのよ」

カスミ「セキエイ・ポケモンの中でもトップクラスのスピード、思い知らせてやるわ!!」


相手の特技を封じたからといって、それだけで勝てるほどポケモンのイクサは甘くない。

結局最後にものを言うのはカラテの地力なのだ。

カスミ「イヤーッ!」ヒュン


突進するマーメイド。

今度は側方から足払いをかける!


レッド「イヤーッ!」ババッ

カスミ「なっ!?」


なんとポケモンスレイヤーは跳躍して足払いを回避し、そのままマーメイドの背後を取った。

デンコ・セッカ・ジツだ!

マーメイドのポケモン敏捷性に対抗するにはこれしか方法は無い。

レッド「イヤーッ!」ゴッ

カスミ「ンアーッ!」


ポケモンスレイヤーの肘鉄が直撃した!

しかし…


カスミ「フーッ…どうしたの? 電撃は使わないのかしら?」ニヤリ

レッド「・・・」


デンコ・セッカ・ジツを発動させている最中は、 電撃を含め他のジツを使うことができない。

マーメイドはその弱点を瞬時に見破ったのだ!

何たるポケモン第六感およびポケモン洞察力!

これはポケモンスレイヤーにとって有利とは言い難い状況だ。

カスミ「イヤーッ!」ヒュン

レッド「イヤーッ!」ヒュン


両者のカラテが激突する!


カスミ「イヤーッ!」ガッ

レッド「イヤーッ!」ガッ


デンコ・セッカ・ジツによりカラテの差は埋められた。

しかしマーメイドはカラテに加えてジツも使えるという事を忘れてはなるまい!


カスミ「ハイドロ・ポンプ・ジツ!イヤーッ!」ドドド

レッド「グワーッ!?」

ゴウランガ!

マーメイドのポケモンソウルが空気中の酸素と水素を触媒とし、大量の水を生み出したのだ!

スリケンの生成と似た原理だ。

その水が高圧で発射され、ポケモンスレイヤーは壁まで吹き飛ばされた!


レッド「グッ…」ドボン

ポケモンスレイヤーは力無くプールへ沈んだ。

先程の踵落としのダメージも大きい。

ポケモンスレイヤーの体力が限界を迎えるのも時間の問題だ!


カスミ「さあ、プールから揚がってきた時がアンタの最期よ!」


勝ち誇ったように言うマーメイド。そのバストは豊満であった。

しかしある事に気付く。


カスミ「ん…?」

カスミ「水位が…上がってる?ナンデ?」

短いですがここまでにします。
次回には第2話を完結させたいです。

気付けば、プールの水位は中央の島の高さすれすれまで上がっていた。

それは何故か?

裏でマサキがコントロールシステムにハッキングを果たし、水位を操作したためだ!

このままいけばすぐに島は水没するだろう。

そうなってしまえば、マーメイドはポケモンスレイヤーの電撃から逃れられなくなってしまう!


カスミ「早く他のエリアに移動しないと…イヤーッ!」バッ

マーメイドはエリアとエリアを繋ぐゲートへ向かって跳躍した。

が、ナムサン!

ゲートは既に閉じられ、ロックがかかっていた。

これもマサキの手によるものだ。


カスミ「なんでロックされてるのよ…!」イライラ

カスミ「パスワードは…『ニ』『ン』『ギ』『ョ』」ピッ


しかし合成マイコ音声はこう告げる。


『認証失敗ドスエ。そのパスワードは以前使われていたものドスエ』


なんとマサキはパスワードの設定まで変更していたのだ。

タツジン!

カスミ「間違いない…ハッカーの仕業だわ…それもテンサイ級以上の」

カスミ「ポケモンスレイヤー=サンにはハッカーの仲間がいるのね」

カスミ「この施設に侵入してきた時点で疑うべきだった…」フルフル


ついにプールの水はマーメイドの足元を侵食し始めた。

状況を把握したポケモンスレイヤーは拳を握り締め、その拳から全力で電撃を放つ!


レッド「イヤーッ!」ビリビリ

カスミ「ンアーッ!」ビリビリ

カスミ「ンアッ…」ビリビリ


倒れるマーメイドにポケモンスレイヤーは歩み寄った。

マーメイドは痺れて動けないようだ。

仮に動けたとしても、既に戦意喪失している。


レッド「ポケモン…殺すべし! イヤーッ!」グシャ


しかしポケモンスレイヤーに慈悲は無い!

動けないマーメイドの脳天に強烈なストンピングを決め、カイシャクしたのだ!


カスミ「サヨナラ!」カブーム

マーメイドはしめやかに爆発四散した。

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20分後。

ポケモンスレイヤーとマサキは岬の隠れ家を訪れていた。

居場所が知られた以上、これ以上ここに留まる訳にはいかない。

大事な物だけを持ち、新たな隠れ家を探さなければならないのだ。


レッド「マサキ=サン。聞きたい事がある」

マサキ「なんや、質問の多い男やな」

レッド「何故オヌシは逃げなかった?」

レッド「ポケモンの戦いは甘くない。オヌシもいつ死ぬか分からないぞ」


しかしマサキは呆れたように言う。


マサキ「分かっとらんなあ。ハッカーにはハッカーの戦い方があるんやで」

マサキ「現に、ワイがおらんかったら間違いなくあんたは死んどった」

レッド「・・・」


全くもってその通りだ。

ポケモンスレイヤーは何も言い返せない。


マサキ「それにな」

マサキ「友達がピンチやって時に、助けたいゆーて駆け付けちゃいかんのか?」

レッド「友達…?」


予想外の言葉だった。

どう反応すれば良いのか分からない。


マサキ「せや。ワイらは目的を…心を同じくする仲間やろ?」

マサキ「それともワイの片想いやった?」

レッド「…いや。ただ、オヌシはこんな殺人鬼から友達だと思われてもいいのか?」

マサキ「ええんやで。ユウジョウ!」

いつの間にやらポケモンスレイヤーの冷酷な表情は崩れ、微笑みに変わっていたいた。

彼が笑ったのは、家族でテンプラをしたあの日以来かもしれない。


レッド(俺の心にも、まだ人間性は残されていたんだな)フフ

レッド「ユウジョウ!」


支度を終えた友達と共に、ポケモンスレイヤーはハナダシティの南へと歩み出しのだった。

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一旦ここまでにします。
結局あと少しだけ第2話が続きますが、本当にあと少しで完結します。
続きは明日の昼頃に。

再開します。

訂正
>>186
×微笑みに変わっていたいた
○微笑みに変わっていた

×歩み出しのだった
○歩み出したのだった

ケジメ4本目…アイエエ…
もうスペア指が無ければタイピングできない体です…

セキエイ・シンジケートには『セキエイ・シテンノ』と呼ばれる4人衆がいる。

カンナ、シバ、キクコ、そしてワタルの4人であり、セキエイ・ポケモンの中で最も高い実力を誇っている。

そのシテンノのうちの一人、キクコの部屋に来客があった。


キクコ「まったく…お互い忙しいだろうに、何の用だい」

???「ムッハハハ…相変わらずつれない女だ」


白髪が目立つ初老の男。

彼はヤマブキのシルフ・インダストリだけでなく、セキエイ・シンジケートとも繋がりがあるようだ。

一体何者か!?

キクコ「わざわざ喧嘩を売りに来た訳じゃないんだろう? さっさと用件を言いな」

???「ムッハハハ…それもそうだな」

???「最近セキエイ・ポケモンが頻繁に殺されているらしいな」

キクコ「ああ、その件ならついさっきワタル=サンが決定的な情報を手に入れたみたいだよ」

???「なに?」

キクコ「セキエイ・シンジケートに盾突くネズミの正体さ」

???「ほう…」

キクコ「名はポケモンスレイヤー。電気タイプだ」

キクコ「装束は黄色を基調に黒と茶色が混ざっているらしいよ」

???「ソウルはピカチュウといったところか…その情報は正確なのかね?」

キクコ「マーメイド=サンからの情報だ。間違いないないさ」


マーメイドはイクサの最中、プールの中に隠された電子パネルを操作し、IRCによってポケモンスレイヤーの情報をワタルへ送っていたのだ!


???「それで、マーメイド=サンは今どうしている?」

キクコ「それっきり音信不通らしいから…殺されたんだろうねえ」

???「そうか…」

???「ポケモンスレイヤー…ムッハハハ…」

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第2話 おしまい

◆ポケ◆

ポケモン名鑑 #5
【マサキ】

非ポケモン。ジャーナリストでありハッカーでもある青年。

ハッカーランクは不明だが、マーメイド戦では鮮やかなハッキングを披露しており、その実力は疑いようが無い。

ジャーナリストの行動範囲を越えてセキエイ・シンジケートを詮索しすぎてしまったため、セキエイ・ポケモンから命を狙われる羽目になる。

◆ポケ◆

◆ポケ◆

ポケモン名鑑 #6
【マーメイド】

本名カスミ。セキエイ・シンジケートの幹部。

憑依ソウルはスターミーで、水/エスパータイプ。
水タイプのアクア・カラテとエスパータイプのポケモン第六感を併せ持つ。

そうでなくとも素早さを活かした回避中心のカラテは実際強力である。

更に作中では描写されていないが、電撃や冷気なども操ることができ、隙が無いポケモン。

◆ポケ◆

ポケモン名鑑 #7
【イッカク】

セキエイ・シンジケートの末端ポケモン。

憑依ソウルはトサキントで、水タイプ。

額の一本角を利用したカラテが自慢だったようだが、ポケモンスレイヤーのアンブッシュ(不意打ち)により一撃で爆発四散した。

ポケモン同士のイクサではアイサツ前の不意打ちが一度だけ認められている。

アンブッシュに気付けないようではポケモンとして未熟であり、

そんなワザマエで戦場に立ったとしてもどのみちすぐに殺されてしまうという事だ。

◆ポケ◆

一旦ここまでにします。
マサキ=サンの口調を書くのがむずかしいです。
それではオタッシャデー!

再開します。
第3話はアッサリめになる予定です。

◆第3話◆


ネオカントー最大の港町、クチバシティ。

漁船や客船などの様々な船が出入りし、日本が鎖国体制を敷く以前は海外との交易も盛んだった場所だ。

港の市場は今日も栄えており、「マグロよ」「実際安い」「イカをケバブ」等と書かれたノボリが電子ボンホリに照らされていた。


「ドーモ!実際新鮮ですよ!」


商人達の声が響き渡る。

しかしここはマッポー的都市ネオカントーだ。

金のある所に犯罪がある。


商人「アイエエエ!ドロボウ!」

泥棒「マグロ!」ダダダ


マグロを抱えて走り去る男が一人!


商人「アアー…」ヨロヨロ


女の商人の体力ではとても追い付けず、泥棒は路地へと消えていった。

泥棒「フーッ…ここまで逃げれば大丈夫だろう」

泥棒「マッポが来る前に食って証拠隠滅するかな」ジュルリ


その時だ!


???「そこのお前!」


一人の大柄な男が現れた!

鎖国体制を敷く日本では珍しい、北米系の金髪の男だ。

泥棒「あン? 誰だテメエは」

マチス「ミーはクチバの平和を守るヒーローネ」

マチス「物を盗む悪人には制裁を加えさせてもらうヨ」


威圧的に言い放つマチス。

しかし泥棒は怯まない。


泥棒「やってみろよ。言っておくが俺はカラテ有段者だぜ」スッ


これはハッタリではない。

泥棒の取ったカラテの構えには実際隙が無かった。

マチス「HAHAHA! なら遠慮なく」バチッ

泥棒「エッ?」


泥棒は絶句した。

なんとマチスの両腕から電気が発され、全身へ広がっていったのだ!

その電気は意思を持つかのように変形してゆき、ポケモンの装束を作り出した!

オレンジ色を基調とした装束だ。


マチス「ドーモ、初めまして。イナズマアメリカンです」ペコリ

泥棒「アイエエエエエ!ポケモン!?ポケモンナンデ!?」

マチス「悪人を一人一人殺していけば、いつか平和になる。オーケー?」

泥棒「アイエエエエエエ!」


泥棒は恐怖に耐えられず失禁した。

しかしイナズマアメリカンは構わずに殴り付ける。


マチス「イヤーッ!」グシャ

泥棒「アバババーッ!」


すると泥棒は一瞬でネギトロめいた姿にされてしまった!

いくらマグロを盗んだとはいえ、ここまでされる謂れは無い!

マチス「マグロ泥棒がネギトロにされるとは。皮肉な話ネ!」HAHAHA

マチス「このマグロは戦利品としてミーが頂くヨ」


クチバの平和を守るというのは建前に過ぎず、

実のところ彼は『犯罪者を対象とした強盗殺人』を目的としている。


マチス「…ん?」

商人「アイエッ…」


先程マグロを盗まれた商人だ!

マチス「いつから見ていた? 物陰から盗み見とは感心せんな」キッ


商人をにらみつけるイナズマアメリカン。

あまりの威圧感に、商人はその場で腰を抜かし失禁してしまった。


商人「わ、私は何も見ていません!そのマグロは差し上げます!」ガタガタ

商人「だから…殺さないで…アイエエ…」ガタガタ


しかしイナズマアメリカンは意に介さない。


マチス「女だろうが子供だろうが目撃者は全員始末する。イヤーッ!」

商人「ンア…アバーッ!」


イナズマアメリカンの打撃によって商人は一瞬のうちにネギトロに変えられてしまった。

何たる無慈悲!

イナズマアメリカンはこれまでに何百人もの犯罪者を殺してきた。

チャカ等で武装している者も何人もいたが、彼が傷を負う事は一度も無かった。

人間とポケモンとの間には、チャカなどでは埋めようのない程の力量差があるのだ。


マチス「さて、マグロを持って帰るとするか


しかし彼がポケモンとしての力を使う度に、ポケモンソウルの痕跡が残される。

そしてその痕跡を追う死神がネオカントーにいる。


レッド「イヤーッ!」ビュン

マチス「ムッ!」パシッ


イナズマアメリカンはスリケンによるアンブッシュに反応し、右手の人差し指と中指でスリケンを挟み取った。

しかしこのスリケンは電撃をまとっている!


マチス「グワッ…」バチッ


同時に黄色いポケモンが建物の屋上から飛び降り空中回転したのち、怯むイナズマアメリカンの前方に着地した。

そして厳かにオジギを決める。


レッド「ドーモ、初めまして。ポケモンスレイヤーです」ペコリ


殺戮者のエントリーだ!

マチス「ドーモ、初めましてポケモンスレイヤー=サン。イナズマアメリカンです」ペコリ


イナズマアメリカンはオジギを返す。


マチス「ユーが噂のポケモンスレイヤー=サンか…」

レッド「知っているなら話は早い。貴様にはここで死んでもらう」

マチス「HAHAHA! こんなぢゃりボーイがミーを殺す気でいるとはカタハラ・イタイ!」

レッド「なんだと?」

マチス「水タイプのマーメイド=サンはともかく、ロックマン=サンをも破った事は評価してやろう」

マチス「However!ユーではどう頑張ってもミーに勝てない理由があるネ!」

マチス「ユーのソウルはピカチュウ、ミーのソウルはライチュウ。この時点で既にユーの勝ち目は相当薄いが…」

マチス「他にもいくつか理由はある。イヤーッ!」ダンッ


イナズマアメリカンはポケモンスレイヤーとの距離を詰めるべく跳躍!

ハヤイ!

巨体に見合わぬ速度を乗せ、右ストレートを叩き込む!


レッド「グワッ…!」ガッ


ポケモンスレイヤーは両腕を重ねてガードするが、一撃が重い!

ガードした腕に痛みが走る。

ポケモンスレイヤーが勝てないという理由の一つは体格差だ。

元軍人であるイナズマアメリカンは筋骨隆々としているが、ポケモンスレイヤーは10歳の子供に過ぎない。

パワーの差は大きい!


レッド「イヤーッ!」ブンッ


追撃を防ぐため、ポケモンスレイヤーはローキックで牽制する。


マチス「HAHAHA!」ダンッ


するとイナズマアメリカンは横へ跳躍し、建物の壁を蹴った。

その反動を利用してポケモンスレイヤーに突進し、ポン・パンチを繰り出す!

三角跳びだ!

予想外の身軽さにポケモンスレイヤーは反応しきれない!


レッド「グワーッ!」


咄嗟に逆方向へ体重をかける事で衝撃を緩和させたものの、直撃を受けたのだから痛いものは痛い。


マチス「ミーの武器はパワーだけではない」

マチス「パワーとスピード、圧倒的な身体能力を無駄なく使い相手を制圧する!」

マチス「これぞ陸軍仕込みのアーミー・カラテだ!」


なんとも抽象的な説明だが、実際カラテのワザマエはポケモンスレイヤーよりも上だろう。

今日はここまでにします。
文章が中々思い浮かばないので再開まで少しかかるかも知れません。
すまんな、本当にすまん…

しかしポケモンスレイヤーは屈さない。


レッド「イヤーッ!」ダンッ


ポケモンスレイヤーは電撃的速度でイナズマアメリカンへ突進!


マチス「イヤーッ!」ゴオ


それを左ストレートで迎撃しようとするイナズマアメリカン!

だが…


レッド「デンコ・セッカ・ジツ!イヤーッ!」ババッ


ポケモンスレイヤーは横へ跳び、建物の壁を利用した三角跳びでイナズマアメリカンの後ろを取った!

タイプは同じ、カラテでは及ばないとなれば、ジツを駆使して立ち回る他あるまい。

しかし『ノーカラテ・ノーポケモン』という言葉(※注釈:カラテの弱いポケモンなんて)がある通り、

いくらジツが強力であってもそれだけでカラテの差を埋めるのは容易ではない。

ポケモンスレイヤーにとって厳しいイクサになる事は必至だ!

短期決戦が唯一の勝ち筋だろう。


レッド「イヤーッ!」グイッ

マチス「グワーッ!?」バターン


ポケモンスレイヤーは背後からイナズマアメリカンを組み伏せた!


レッド「イヤーッ!」バチバチ

マチス「グワーッ!」バチバチ


そしてそのまま両腕から電気を流す!

マチス(なかなか速いネ…)

マチス(力ずくで振りほどくのも良いが、あえてここは…)ニヤ


マチス「イヤーッ!」バチッ

レッド「グワーッ!?」バチッ


イナズマアメリカンも対抗して放電!

突然の反撃に怯むポケモンスレイヤー!

そしてイナズマアメリカンはこの隙を逃さない。


マチス「イヤーッ!」ゴッ

レッド「グワーッ!」


イナズマアメリカンの痛烈なエルボーでポケモンスレイヤーは弾き飛ばされてしまった!

レッド「イヤーッ!」バババ


ポケモンスレイヤーは痛みをこらえ、3連続バック転を決め体勢を立て直す。

更にその動作の最中にショック・スリケンを投擲していた!

ワザマエ!


マチス「グワッ…」バチッ


イナズマアメリカンはスリケンを左手の人差し指と中指でキャッチするも、まとった電撃を受けた。

…が!


マチス「HAHAHA…なんだその哀れな電撃は」

レッド「・・・」

マチス「本物の電撃とは、こうするものだ!イヤーッ!」ビュン


イナズマアメリカンはキャッチしたスリケンを投げ返す!


レッド「イヤーッ!」バッ


ポケモンスレイヤーはブリッジをしてスリケンを回避!


マチス「oh…空気の読めないぢゃりボーイネ」

レッド「?」

マチス「分からないのならばハッキリ言ってやろう」

マチス「ミーの電撃はユーの電撃よりも遥かに強い」ドォォォ

レッド「なんだと!?」

マチス「スリケンを使ってそれを実証してやろう」

マチス「今からミーがショック・スリケンを投げる。それをキャッチしろ」

レッド「断る。ポケモン殺すべし」

マチス「やれやれ…こいつは、とんだチッキン野郎ネ」フーッ

レッド「なんだと!?」

マチス「悔しかったらスリケンをキャッチしてみろ」

レッド「…いいだろう」スッ


ALAS!

ロックマン戦に続き、またしてもポケモンスレイヤーは相手のアオリ・ジツに乗せられてしまった!

彼の精神的な未熟さの表れだろうか。

マチス「そう来なくてはな。イヤーッ!」ビュン

レッド「イヤーッ!」パシッ


ポケモンスレイヤーの右手がスリケンに触れた瞬間!


レッド「グワーッ!?」ビリビリ


スリケンがまとっていた電撃は予想以上に強力だったのだ!


レッド「グワーッ!」ググッ


右腕を押さえて悶えるポケモンスレイヤー。

間違いない、イナズマアメリカンの電撃の威力はポケモンスレイヤーのそれを上回っている!

マチス「HAHAHA!あのような簡単な挑発に乗ってくれようとは!」

レッド「ヌウー…」


ポケモンスレイヤーがイナズマアメリカンに勝てないという理由のもう一つがこれだ。

ポケモンスレイヤーは感情に任せた行動をとり、勝利への最善手を見落としてしまう事がある。

一方イナズマアメリカンは元軍人、イクサのプロフェッショナルだ。

生還するためにどうするべきかが明確に分かるのだ。

しかしポケモンスレイヤーは屈さない!


レッド「デンコ・セッカ・ジツ!イヤーッ!」ヒュン


ポケモンスレイヤーはスライドターンでイナズマアメリカンの左斜め後方に回り込む!


マチス「・・・」ニヤリ

マチス「デンコ・セッカ・ジツ!イヤーッ!」ヒュバッ


ハヤイ!

イナズマアメリカンはポケモンスレイヤーよりも更に素早い動きで彼の背後を取った!

恐るべきポケモン敏捷性!

マチス「イヤーッ!」ゴッ

レッド「アバーッ!」ガン


マチスのケリ・キックがポケモンスレイヤーの背中に直撃!

ポケモンスレイヤーは弾き飛ばされ、壁に激突してしまった!


レッド「アバッ…」ズズ


力無く崩れ落ちるポケモンスレイヤー。

それでも屈さずに立ち上がろうとするが、頭を強く打ったためか力が入らない。

意識が遠のいてゆく…

その時だ!


ピカチュウ『ブザマだなレッドよ…』

ピカチュウ『今のオヌシではどう足掻いても奴に勝てん』

ピカチュウ『奴を殺したくば儂に体を貸せ』

レッド(グッ…俺は、自らのこの手で、ポケモンを…殺す…)

ピカチュウ『…レッドよ、「死んだら終わり」というコトワザを知っておるか?』

ピカチュウ『今この場で敗れ爆発四散するか、それとも奴を儂に任せて今後他のポケモンを殺してゆくか』

ピカチュウ『どちらが賢い選択か、よく考えることだ』

レッド(・・・)


間もなく、レッドの意識はフェードアウトしていった。

今夜はここまでにします。
最後に地の文=サンが『レッド』と言っていますがミスではありません。
よってケジメ案件は無効だ。

マチス「HAHAHA…ポケモンスレイヤー=サン、所詮ユーはフロックで生き残ってきたニュービーに過ぎないようだ」ザッザッ


イナズマアメリカンはポケモンスレイヤーを見下し、歩み寄る。


マチス「最期にハイクくらい詠ませてやろう。その余力があればの話だがな!」ザッ


そしてポケモンスレイヤーの目の前で立ち止まったその時だ!


レッド?「・・・」ガシッ

マチス「ワッザ!?」


ポケモンスレイヤーの右腕が突如動き出し、イナズマアメリカンの左足首を掴んだのだ!

レッド?「・・・」ギリギリ


ポケモンスレイヤーの右手に力が込められる!


マチス「グワーッ!!」ジタバタ


なんたるマンリキめいた握力か!

このままではイナズマアメリカンの左足が握り潰されてしまう!


マチス「グワーッ!!」バチッ


命の危険を感じたイナズマアメリカンは左足から放電し抵抗する!

だがポケモンスレイヤーは苦しむ素振りを見せない。

それどころか右手から放電し返したではないか!


レッド?「サツバツ!」バチバチ

マチス「アバババババ!!」バチバチ


先程までの電撃とは威力がまるで違う!


レッド?「サツバツ!」ザンッ

マチス「アバババーッ!!!」


ポケモンスレイヤーは立ち上がり、電撃を帯びたチョップでイナズマアメリカンの首を切断した!


マチス「サヨナラ!」カブーム

イナズマアメリカンの体が爆発四散!

ゴウランガ…!

何たる一方的なイクサか!

ポケモンスレイヤーは自身の右手を見た。

手に付着した血を見つめる彼の目には、以前までのような憂いを滲ませた黒い瞳は無かった。

あったのは、センコめいて赤く光る点のような瞳だ。

そして口からはジゴクめいた硫黄の蒸気が吐き出されている。

彼はレッドではない…ピカチュウだ!

ピカチュウがレッドの肉体を乗っ取り、身体のコントロール権を握ったのだ。


ピカチュウ「グハハハ…でかしたぞ、レッドよ。よくぞ儂に体を預けたな」

ピカチュウ「オヌシは精神のフートンで寝ておれ。この体は儂の好きに使わせてもらうぞ…」ダッ


そう言うとポケモンスレイヤーは、ハナダの東にあるイワヤマトンネルへと駆けていった。

レッドの生還を待つマサキをクチバに置いたまま…

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◆第3話 おしまい◆

◆ポケ◆

ポケモン名鑑 #8
【イナズマアメリカン】

本名マチス。セキエイ・シンジケートの幹部。

憑依ソウルはライチュウで、電気タイプ。

犯罪者を対象とした強盗殺人を繰り返してきた極悪非道なポケモン。

パワーとスピードを両立し効率の良い動きを実現させたアーミー・カラテは単純ながら強力。

元軍人であり、戦場で磨かれた生還への嗅覚はポケモン同士のイクサでも大いに活かされている。

◆ポケ◆

今日はこれでオシマイです。
今の所ポケモンスレイヤー=サンはニンジャスレイヤー=サンよりも相対的に弱めな感がありますね。

次回は第3.5話、
エリカ=サン戦ではなくシオン編です。

物凄く今さらですが訂正
>>164
×モスキート・イン・トゥ・ベイルファイア
○モスキート・ダイビング・トゥ・ベイルファイア

さらにトリップを間違えました…
ケジメ5本目…アイエエエ…

◆第3.5話◆

ネオカントー東部に位置する街、シオンタウン。

ネオカントーにしては人口の少ない街だが、霊的アトモスフィアの漂う街として有名だ。

街一番のユーレイ・スポットとされる塔、これは死んだペットの魂を慰めるために建てられた共同墓地である。


フジ「…さて、帰るとするかの」


フジ老人は毎日ここに墓参りをしに来ている。

なにも毎日来る必要は無いのではないかと思うかも知れないが、そうしなければならない理由がある。

ヨタモノ「アーイイ…遥かに良いです」

ヨタモノ2「オットットットッ」


最近は墓地の利用者が減り、ヨタモノ達がたむろするようになったのだ。

その影響でさらに正規の利用者が減り、更にヨタモノが増えるという悪循環に陥ってしまっている。

フジ老人は塔をヨタモノ達から守るために毎日ここに訪れているのだ。


フジ「はぁ…ヤンナルネ…」


そう言うとフジ老人は物陰に身を隠した。

???「・・・レ・・・チサ・・・」

ヨタモノ3「ん…? 何か聞こえないか?」


一人のヨタモノが、遠くから聞こえる誰かの声に気付いた。


ヨタモノ4「あン?…何も聞こえねえぞ」

ヨタモノ3「いや、確かに聞こえたはずだ…」

ヨタモノ5「なんだお前、まさかオバケにビビってんのか?」

ヨタモノ3「ザ…ザッケンナコラー!」


???「・・・サレ・・・タチサレ・・・」


ヨタモノ3「ほ、ほら! 今聞こえただろ!?」

ヨタモノ2「誰だオラー!ナンコラー!」

???「タチサレ…タチサレ…」

ヨタモノ4「ダッテメッコラー!ソマシャッテコラー!!


声の主は段々と近づいて来る。


???「タチサレ…タチサレ…」

ヨタモノ1「アッコラー!チェラッコラー!」


そしてついに!


ゆうれい「タチサレ…ココカラ…タチサレ…」


ユーレイが姿を現したではないか!

ヨタモノ5「誰だか知らねえが…ユーレイの真似事か?よく出来た仮装じゃねえか」


一人のヨタモノが酒瓶を投げ付ける!

スナイパーめいた見事なコントロールだ!

そして酒瓶がユーレイに直撃した…と、思いきや。

酒瓶はユーレイをすり抜け、ユーレイの向こう側の床へと叩きつけられた。

フシギ!


ヨタモノ5「ナンデ…?今、確かに当たっただろ…?」

ヨタモノ3「ユーレイ…?本物の…?」

ゆうれい「タチサレ…タチサレ…」

ヨタモノ達「アイエエエエ!ユーレイナンデ!?」


一目散に逃げてゆくヨタモノ達!

こうしてユーレイによって塔は守られた。

…しかし、実際ユーレイなどという非科学的なものは存在しないはずだ。

稀にユーレイを見たと証言する人間がいるが、それは漏れ無く幻覚か見間違いのどちらかである。

しかし仮にこのユーレイが幻覚だとして、ヨタモノ達全員が全く同じ幻覚を見る事などあり得るのだろうか?

聡明な読者諸君ならば既にお気付きかもしれない。

このユーレイは、ポケモンのジツによって生み出された幻覚だ!


フジ「まったく、毎日次から次へと湧きおって…」


そう、フジ老人はポケモンだったのだ!

桜色の装束、その腰からシッポめいて伸びる実際長い帯が特徴的だ。

今日はここまでにします。

アイフォーンーからでは半角カナが使えないようです。
私は辛くなって、人生について考えざるを得ません。

サヨナラ!

ドーモ、オツカレサマデシタ

iPhoneで半角カナを使うならBB2C辺りを使うのがいいんじゃないかと

>>249=サン
アリガトネ!
俺は詳しくないんだ。

フジ「だが…今日も、誰も傷付けずにお前の墓を守れたぞ」


驚くべきことに、フジ老人は今までポケモンの力によって誰かを傷付けた事がない。

彼自身の人柄が穏やかである事も理由として挙げられるが、それ以上に大きな事情がもう一つある。

それを知るためには、暫くの時を遡らねばなるまい。

ーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーーー

半年前、グレンタウンの研究所。

まだフジ老人にポケモンソウルか憑依していなかった頃の話だ。


フジ「なんということじゃ…!」


人類の歴史について研究していたフジ老人は、驚くべき事実に辿り着いた。

かつてポケモンという殺人集団が実在していたという事実、それらがセプク・リチュアルによって滅んだという事実。

…そしてポケモンの魂が現代に蘇り、ソウル憑依者がセキエイ・シンジケート等に属し暗躍しているという事実に。


フジ「これは…世間に公表すべきなのか?」

フジ「分からん…とにかく今は調査を進めるとしよう」







フジ老人はグレンタウンの東に浮かぶ島、フタゴチャン・アイランド遺跡を訪れた。

ここはかつて伝説のポケモンが根城にしていたと思われる場所だ。


フジ「その昔、この島は氷に覆われていたらしいのう」

フジ「しかし気候的に考えてそんな事は本来あり得ない」

フジ「超自然的な力が働いたのじゃろう…それこそ、ポケモンのジツのような力が」


フジ老人が考を巡らせていたその時だ!

???「とうとう気付いてしまったのだな、フジ=サンよ…」ザッ

フジ「! その声は…カツラ=サンか?」


現れたのは、研究所の仲間でありライバルでもあるカツラだった。

彼は普段、紳士的アトモスフィアを醸し出す身なりをしている。

しかし今の彼が身に纏っているものは…ポケモンめいた禍々しさを放つ装束だ!


カツラ「あれほど研究を中止するよう制止したというのに…あなたは聞かなかった」

カツラ「できることならば、あなたを殺したくはなかった。だかこれも義務だ、許しとくれ」

フジ「どういう事じゃ!? カツラ=サン!」

カツラ「どうもこうも無い」

カツラ「ワシはセキエイ・ポケモン。機密が侵されないよう、あなたを殺す。それだけだ」

フジ「この事は口外しない…だから見逃してはくれんかの?」

カツラ「ならん…そう言ってワシを出し抜こうとしているのかも分からんのでな」

カツラ「残念だが今ここで殺すしかないのだよ…インガオホーだ、諦めとくれ」スッ


カツラはしめやかにカラテの構えを取る。


カツラ「イヤーッ!」ゴゴゴゴ


そして炎の鎧を纏ってフジ老人に突進!

これは使用者にも少なからぬ負担のかかる大技、フレアドライブ・ジツだ!

モータル(非ポケモン)が相手ではいささか役の足りないジツであるが、

せめて全力をもってフジ老人をカイシャクしようという、カツラなりの敬意の表れだ。

フジ老人はこのまま死を待つしかないのか!?

…否!

カツラのフレアドライブ・ジツがフジ老人を捉える寸前、何かが二者の間に割って入った!


???「リフレクター・ジツ!」

カツラ「なに!?」


KABOOOOM!!

フジ老人を守った『それ』は、人間の赤子とそう変わらないほど小さかった。

しかし桜色に輝く体、実際長く伸びた尾…奥ゆかしい姿から溢れ出す安心感めいた何かは絶対的なものだった。


ミュウ「ドーモ、始めまして。ミュウです」ペコリ


ポケモンだ。

ソウル憑依者ではない。

あからさまにポケモンなのだ!

カツラは戸惑いつつもオジギを返す。


カツラ「ド、ドーモ、初めましてミュウ=サン。ユニコーンです」ペコリ

カツラ「バカナー! リアルポケモンだと!?」


リアルポケモン、即ち本来の姿をしているポケモンはハラキリ・リチュアルによって絶滅したと思われていたが…

どうやらミュウは特殊な例外らしい。


カツラ「『ミュウ』…聞いたことがあるぞ」

カツラ「確か、全てのポケモンの始祖体だったはずだ」

ミュウ「よく御存じですね」

カツラ「なぜ現存しているのかは知らんが…」

カツラ「僥倖だ。これぞ二階からオハギよ」


古代ポケモン神話には未だに謎が多い。

始祖体であるミュウは、その謎を紐解くうえでこの上ない情報となるだろう。


カツラ「ミュウ=サン、あなたを捕獲させてもらおう。イヤーッ!」バッ


カツラ、もといユニコーンがミュウへ向けてトビゲリを放つ!

しかしミュウは動じない。


ミュウ「フラッシュ・ジツ!イヤーッ!」


FLAAAAASH!

ミュウは尾をユニコーンの方へと伸ばし、その先端から強力な閃光を発した!

カツラ「ヌウーッ!」


ユニコーンの目が眩んだ!

そしてトビゲリを空振りし、そのまま着地する。


ミュウ「・・・」スッ


ミュウはゆったりとした動きで、音を立てずにユニコーンの背後へと回り込む。


カツラ(気付かないとでも思ったか?バカめ!)


しかしユニコーンとてポケモンだ。

彼の目の眩みは既に治り、背後へと移動するミュウの姿をしっかりと捉えていたのだ!

カツラ「イヤーッ!」ブオン


ユニコーンは馬のヒールキックめいて踵を振り上げ、背後のミュウを迎撃!

そして踵がミュウに直撃した…と、思いきや。

ユニコーンの足はミュウをすり抜け、ミュウの姿をかき消した。

フシギ!


カツラ「カゲブンシン・ジツか…コシャクな…」キョロキョロ


ユニコーンは辺りを見渡したが、ミュウとフジ老人の姿は見当たらなかった。

どうやらフラッシュ・ジツを使った時から既に逃走し始めていたようだ。


カツラ「逃げられたか…仕方あるまい。この事はワタル=サンに報告せねばならんな」



短いですがここまでにします。
私の頭のう指数が低いせいか、頭の中でなかなか文章がまとまりません。

サヨナラ!

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