エレン「ジャンガリアン?」(159)
ハムスター「」
アルミン「大きな音がしたと思ったら、なんで訓練所なんかに…」
エレン「なんだこいつ」
ミカサ「おそらく、これはハムスター。おいで」
ハムスター「!?ヂッ!」タタタッ
アルミン「待ちなよミカサ!野生のハムスターはとても凶暴で…」
ミカサ「?この子はとても大人しい。」ナデナデ
ハムスター「ヂッ」
アルミン「あれ?本当だ。どこかのペットショップから逃げ出したのかな?」
エレン「俺も触りたい!」スッ
ハム「ヂィーッ!ヂィーッ!」シャーッ
エレン「うおっ怖え」ビクッ
ミカサ「ハムスター。エレンは怖くないから触らせてあげて」ギラ
ハム「…ヂッ」ピタ
エレン「ミカサの言うことは聞くんだな」
アルミン「とても賢明なハムスターだと思うよ…」
マルコ「おおい、そこのみんな!」
エレン「ん、マルコか」
マルコ「その辺に落ちたはずなんだけど、ジャンは見なかった?」
ハム「ヂッ!ヂッ!」バタバタ
アルミン「ジャン?見てないけど…」
ミカサ「ジャンがどうかしたの?」
ハム「ヂッ!ヂッ!」
マルコ「立体機動の新しい理論を試す、とか言って飛び出して行ってさ。次の瞬間にはここ目掛けてぶっ飛んでいったんだよ」
アルミン「なにそれ意味がわからない」
ミカサ「あの人、大概だとは思っていたけれで…なんて馬鹿なんだろう」
エレン「馬面だしな」
ハム「」
エレン「そういえば、確かにさっき大きな音はしたな。ジャンのせいだったのか」
ミカサ「どうせそのうち出てくる。マルコも探すだけ無駄だと思う」
マルコ「それもそうだね。じゃあ先にご飯食べてこようかな」
ハム「」
アルミン「ジャンを見かけたらマルコが心配してたって言っておくよ」
マルコ「ありがとう」
ハム「…」ナデナデ
ミカサ「決めた。私、この子を飼う」
ハム「ヂッ!?」
ジャン(え?なんでそうなんの?)
エレン「飼うったって、どこでだよ?」
ミカサ「それは…倉庫の辺りに、隠すのにちょうどいいところがある。そこはこの時期のわりには温度も低い」
エレン「場所はクリアだな。じゃあ餌とか買ってこねえと。…次の休日まではそこそこあるな」
ミカサ「私の食事を分けてあげればいい」
ジャン(!ミカサの食いさしキタコレ)
エレン「そうだな、俺も少し残しとくか。パンとか食うかな」
ジャン(お前のはいらねえよ)
ミカサ「訓練所のパンは油分が少ないからむしろ好むと思う」
エレン「それはいいや」
アルミン「おーい二人とも!ハムスター図鑑とってきたよ」
エレン「おお!」
アルミン「もしかしたら種類が載ってるかも知れないしね」パラパラ
ミカサ「どう、アルミン?」
アルミン「焦茶の毛色だし、このジャンガリアンってやつじゃないかな」
ミカサ「ジャンガリアン?なんだかジャンみたいで趣味が悪い」
ハム「」
エレン「まあやたらミカサが好きなのは同じだな」
ハム「ヂッ」
ジャン(えっ!?なんでこいつにまでバレてんだよ!?)
ハム「」
ジャン(ハア…冗談じゃねえよ…)
ハム「」
ジャン(なんで俺、ハムスターになってんだ…?)
ハム「」
ジャン(しかも)
ハム「」
ジャン(ジャンガリアン)
ハム「」
ジャン(ダジャレじゃねえか!)
ハム「」
エレン「…」
ジャン(せっかく市場で買ったプロテインもどきの効力を試そうとしてたのに…)
エレン「よし、こいつの名前はジャンだ!」
ミカサ「えっ」
アルミン「えっ」
ハム「ヂッ!?」
ミカサ「なぜジャンなの?」
エレン「なんでって、名前近いし。ミカサが好きなとこも一緒だろ?」
ミカサ「前者はともかく、後者ならむしろ、エレンと名付けるべきでは…」
エレン「それこそなんでそうなるんだよ。エレンガリアンとかならわかるけどこいつはジャンガリアンなんだぞ?」
ミカサ「はう…」
アルミン「でもエレンがわざわざジャンなんて名付けるなんて不思議だなぁ」
エレン「まあいいじゃねえか」
ミカサ「エレンがそう言うのなら…じゃあ、今日は簡単に囲いを作ろう」
ジャン「」
ジャン(納得すんのかよ…)
アルミン「野良猫やイタチに襲われるかも知れないしね」
ジャン「ヂッ…!」
ジャン(マ…マジかよ!そんなのに殺られる恐れもあるのか…)
ジャン「…」ブルブル
ミカサ「大丈夫、そんなに怯えないで。頼りないかも知れないけど、あなたの仮屋は作ってあげるから」ヨシヨシ
ジャン「ヂッ!ヂッ!」
ジャン(このまま懐にいさせてもらった方が安心しますよミカサさぁーん)スリスリスリスリスリスリ
エレン「…」
ゴーン ゴーン ゴーン
アルミン「まずい!予鈴だ、訓練が始まっちゃう!」
エレン「やべえ!」
ミカサ「待って!この子はどうするの!?このまま置いていってしまえば、大きい動物に食べられてしまう」
ジャン「ヂッ!」
エレン「…しょうがねえ、この箱に入れて、布を被せておこう」
アルミン「そうだね。一応藁を入れて、空気穴も開けておこう。なにもしないよりはましなはずだ」
ミカサ「そう…ごめんなさい。必ず安心できるようなお家を作ってあげるから」
ジャン(ミカサ…そんなにも俺のことを…)プルプル
ミカサ「こんなに怯えて。よしよし」ナデナデ
ジャン「ンヂヂヂィ!!」
エレン「…。おい、そろそろ急ぐぞ!」
ミカサ「ええ。待っててねジャン」コト
ジャン「ンヂッ!」
アルミン「じゃ、布をかけるね」
パサッ
ジャン「…」
ジャン(意外とこええなこれ…)
キース「本日は登攀訓練を行う」
マルコ「待ってました!僕の得意分野だ」
キース「今回は上に登ることが目標だ。時間は測らん。では各自、取り組むように」
ミカサ「…」ブツブツ
ミカサ(ジャンは大丈夫だろうか…猫に食べられたりとか…していないだろうか…)
ユミル「…?」
ミカサ(あああああジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャンジャン)
ミカサ(ジャンジャ…)イラッ
ライナー「教官、ジャンがいないようですが…」
キース「キルシュタインはしばらく、他の訓練所にて訓練を受けることになった」
ライナー「ハ、そうでありましたか」
キース「…うむ。貴様も早く登れ」
ユミル(考え事しながらこの訓練受けてると…)
ミカサ(どうしてエレンはこんな名前を付けたんだろう。いい加減イライラしてきた)イライラ
キース「…」ヌッ
ミーナ(え教官!?さっきまで下にいたのにどうしてそこに!?)
ユミル(…まずいな、早く伝えねえと)
ユミル「おいミカ」
プチッ
ミカサ「…!」グラッ
ユミル「サッ!」
ユミル(遅かったか!)
ミーナ「!?ミカサ!」
ミカサ「…!」
ミカサ(駄目、落ちる…せめて受け身を…っ)
ガッ
ジャン「…」
ジャン(とりあえず…藁の中に入ってるか…)ワシャ
ジャン「…」モソモソ
ジャン(落ち着くぜえ…これのあるなしでは大分差があったな。ナイスアルミン)
ガサッ
ミャーオ?
ジャン「っ!」ビクッ
ジャン(マジで…来たのかよ?来るな…っ!来るな…っ!)
ッシュタ
ミャア-…
バッ
ジャン(音が近い!やべえぞこれ…ハムスターってのがこんなに怖い生活してるとは思わなざんだ)ビクビク
バサッ
猫「ミャア」ニヤッ
ジャン「」
ジャン(俺は、夢でも見ようとしてたのか…)
猫「ミャア-」イタダキマス
ジャン(ちょっと考えれば簡単にわかることだ。こんなでかい奴に、勝てるわけがねえことくらい…)
猫「ミャ?」ヒョイ
アニ「猫がやたら嬉しそうにしてると思ったら」
猫「ミャアアアーーー!」バタバタ
ジャン「!!ヂッ!」
アニ「ん?鳴くなんて珍しいハムスターだ」
ジャン(えっハムスターって鳴かないのか!?)
アニ「まあいいや。このままならまた襲われるね。もうちょいマシなもの作ってあげるよ」ガサ
ジャン「ヂッ!」
ジャン(まあ通してやるか…急に鳴かなくなるのもおかしいしな)
アニ「その間はここにいときな」
ジャン(あ)
ポスン
ジャン「!」
ジャン(フードの中に…ん、意外と結構いい匂いがする)スーハースーハー
ジャン「フゴ…フゴ…」スーハースーハー
アニ「あ、この箱いいかも。うん、入るね…これで猫には開けられないだろ」
ジャン(おお、引き出しみたいになってんのか。なるほどな…)パコッ
アニ「じゃ、飼い主によろしくね」ポイッ
ジャン「ヂッ!」
ガラッ
エレン「ミカサ、大丈夫か?」
ミカサ「ええ、大丈夫」
エレン「左足を打ったって聞いたんだが、どうなんだ?」
ミカサ「どうも折れているらしい。しばらくは、吊ったままで動かしてはいけないみたい。二週間くらいで治ると思う」
アルミン「」
エレン「10日か…長いな」
アルミン(どうして折れた骨が10日で治ると言えるのかな)
アルミン(どう考えたってそれは短すぎるよ二週間でも短いというのに)
エレン「街にいたころは折っても一週間くらいで治ったのにな」
ミカサ「今回は少し重い怪我らしい。あの時のようにはいかない」
アルミン(経験則でしたかそうですか)
エレン「にしても、ミカサが闇討ちくらってむざむざ落ちちまうなんて珍しいな」
ミカサ「考え事をしていて、気が散っていたみたい。情けない話」
アルミン「…ああ、ハムスターだね?」
ミカサ「そう。今でも心配…」
エレン「それなら心配いらねえぞ」
アルミン「誰かがあり合わせで引き出しを作ってくれてたんだよ」
ミカサ「本当?誰かわかったらお礼をしなくては」
アルミン「そうだね」
エレン「まあ、世話は俺ら二人でやるからさ。お前はしばらく休んでろ」
アルミン「…ごめんエレン!僕は補講が入っちゃったからお世話に参加できないんだ…」
エレン「え、アルミンが補講?」
アルミン「基本の体力がなってないからって…」
エレン「ああそっちの補講か。俺は構わねえよ、まあ頑張れ」
アルミン「ごめんねホントに」
エレン(…むしろ好都合かもな)
ガシャ ガシャ ガシャ ガシャ
エレン「…」
ジャン(何の音だ?)
パコッ
エレン「ようジャン。いいもん持ってきてやったぞ」ガショ
ジャン「…」ダッ
エレン「ハムスターはやたら動くって聞いたからな、これでもあればいろいろ解消できるんじゃねえか?」
ジャン(…なにが滑車だ!誰が使うかこんなもん!つうか俺は眠いんだよ…)
エレン「いろいろ…な。お前も辛いだろうし…」
ジャン「…zzZ」
エレン「って、寝ちまってるか。ちょうどいいや、綿の寝床も作ったしそこに放り込んどいてやるか」ズポ
ジャン「…zz」
ジャン(うおっなんだこれモコモコ)モコモコ
ジャン(って夜じゃねえか…ああ、今の俺は夜行性なんだな)
ジャン(…にしても滑車とは舐め腐りやがってよぉ…)スッ
ジャン「…」ガラガラ
ジャン「…」
ソロッ
ジャン(ちょっとだ!ちょっとだけだからな!)ノシッ
ガラガラ
ジャン(お?)
ガラガラッ…
ジャン(お?お?お?)
ガラガラガラガラ
ジャン(おおおおおお!?最高じゃねえか!?)
ガラガラガラガラ
ジャン(うっひょおおおおおおおおおおおおおおおおおお)
ガラガラガラガラガラガラ…
一日目
ジャンの小屋に滑車と寝床を取り付けた。
ジャンのやつ、滑車の方には見向きもしないで眠りこけやがった。
もう少しは喜ぶと思ったんだが…
ミカサ「…フフ」パラ
ガラガラガラガラガラガラ…
エレン「お、景気のいい音してるな」
ジャン「っ」ピクッ
エレン「…なあジャン、俺は知ってるんだぞ」
ジャン「…!?」
ジャン(な…何を知ってるっていうんだよ)
エレン「お前がジャンだってことくらい、わかってるんだからな」
ジャン「…」
ジャン「バレてたのか」
エレン「おおい喋れんのかよ」ビクッ
ジャン「…なんでだ?なんでわかったんだ?」
エレン「まずな、ミカサになつく動物は普通居ねえ」
ジャン「おい」
エレン「それとな、当たり前だが同じ時期にお前も失踪しただろ?それでお前の荷物を俺が整理することになったんだが…」
ジャン「!?脱走兵扱いか!?」
エレン「大丈夫だ、分かった時点で教官には話をつけてある。皆にもお前の名誉が守られる形でいない理由を作って伝えてあるぞ」
ジャン「そ…そうか…いろいろすまねえ」
エレン「…で、お前の荷物なんだが…気になるもんが見つかってな。お前、得体の知れねえもん飲んだろ?」
ジャン「!あれが原因なのか?」
エレン「やっぱりな。飲みすぎるとハムスターになるって、説明書に書いてあったぞ」
ジャン「なんだそりゃあ…ちゃんと読んだはずなんだがな…」
エレン「訳もねえよ。俺もルーペ使って読んだくらい小さくて解りづれえ字だったからな」
ジャン「そうか…」
エレン「何が俺は現実を見てる、だよ。すぐに脚力がつく薬なんてあるわけがねえのにな」
ジャン「ぐってめえっ」
エレン「まあ世話はしてやるよ。ミカサじゃ無くて残念だったな」
ジャン「いや、すまねえ、…?って、なんでミカサじゃないんだ?」
エレン「ミカサな、お前のことを考えすぎて教官の闇討ちに対応できなかったんだ」
ジャン「な ん だ と」
エレン「うお」ビクッ
ジャン「前言撤回だ教官!あんのクソ教官!許すまじ!許すまじ…!」
エレン「お、おう」
キース「失礼するぞ」ガラッ
エレン「わっ教官!」
ジャン「」
キース「…先ほどの声を聞いたあたり、このハムスターがキルシュタイン訓練兵であるのは間違いないようだな」
ジャン「」
エレン「はい!」
キース「この件はイェーガー、貴様に一任する」
エレン「了解です」
キース「うむ。それでは」テクテク
エレン「…」
ジャン「」
エレン「さっきのきいてたってよ」
ジャン「悪すぎんよぉ…間が悪すぎんよぉ…!」
二日目
見に行った時、滑車の音が聞こえてきた。
どうも気に入ったらしい。作った甲斐があったってもんだ。
俺が見たらやめちまったんだけどな。
ミカサ「…」パラ
ミカサ「滑車を回っているところ、見てみたいなぁ」
ジャン「…♪」
ガラガラガラガラガラガラ
ジャン(やっぱこれ最高テンション上がる)
エレン「楽しそうだな」
ジャン「!」ビクッ
ジャン「…うるせえ」
エレン「本能だろ。気にすんなよ」
ジャン「俺はハムスターじゃねえ!」
エレン「どこをどうみてもハムスターじゃねえか」
ジャン「…くそっ!ああ、回ってやる、回ってやるよ!」ダッ
エレン「おお」
ガラガラガラガラガラガラガラガラ
ジャン「ヒャアアアアアアアアッホウウウウウウ!!」
エレン「やりすぎ」
グゥー
ジャン「…ああ、腹が減ったな」
エレン「ん、飯あるぞ。ほパン」
ジャン「ああ?毎度毎度お前の食いさしなんかいらねえよ」ケッ
エレン「そうか?今回はミカサから貰ったんだが」
ジャン「食う」
エレン(気色悪いなこいつ)
三日目
今日も滑車でよく走ってた。
やっぱ入れてよかったな。
あとミカサから貰ったパン、よく食ってたぞ。
ミカサ「…」パラ
ミカサ「あれエレン、私がパンを落としたところは見ていたはずだけど…」
エレン「ジャン!お前遂に残飯生活から脱却できるぞ」ジャラララ
ジャン「おお!ただその言い方は止めろ」
エレン「どうだ、うまそうか?」つエサ箱
ジャン「ん…ペレットか。これは…入ってるのはアワに、麦、大豆、トウモコロシ…ちょっと魚粉も入ってるな。そこそこ豪華だな」
エレン「やっぱハムスターだと味覚も変わるのか?」
ジャン「ああ、どうもそうらしい。今は肉なんて食いたいとも…いや、バッタとかは食いてえかもな」
エレン「ミルワームなら買ってあるぞ」
ジャン「おお!あるんならくれよ!」
エレン「ほれ」つ〜ウネウネ
ジャン「すまねえな。どれどれ」
エレン「ちゃんと頭潰してから食えよ。でないと胃袋食い破られるからな」
ジャン「それは…考えただけでも痛えよ…やっとくか」プチッ
エレン「で、それはうまいのか?」
ジャン「!こいつはなかなかいけるぞ!ううんクリーミー」
エレン「そうは見えないんだがな」
ジャン「お前もどうだ?結構いけるぞ」
エレン「遠慮しておく」
四日目
ジャンにやっとまともな餌をあげられた。
ミルワームは特にお気に召したらしい。
俺にまで勧めてきたが、遠慮しておいた。
ミカサ「…」パラ
ミカサ「ふふふ。勧められたと思ってるエレン可愛い」
ガラガラガラガラガラガラ…
アニ「ん?何の音…」
アニ「あ、私の作った引き出しだ。まだいるのかなあの子」パコッ
ジャン「!ヂッ」ガラガラ
ジャン(おおアニか!先は世話になったな!)
アニ「このまま使ってるんだ。滑車は楽しい?」ニコ
ジャン(おっ)ドキ
エレン「!誰だ?」
アニ「…あんたか」
エレン「なんだアニか。びっくりした」
アニ「何か人の目に触れたら問題でもあるの?」
エレン「いやな、ハムスターってストレスに弱いって言うだろ?あんまり人が集まるのもなって思ってさ」
アニ「それで独り占めしてたってんだね」
エレン「いやそういう訳じゃ」
アニ「大丈夫、このハムスターはそんな柔そうには見えないよ」
エレン「なんでわかるんだ?」
アニ「昔家で飼ってたのさ。結構たくさんね」
エレン「へえ、お前動物好きなんだな」
アニ「まあ、言うほどじゃ…で、この子触ってもいい?」
エレン「ああいいぞ」
アニ「よしきた。飼い主の了承がもらえたからね、遠慮なく触らせてもらうよ。ほら、いい子〜」ナデナデ
ジャン(飼い主はそいつじゃねえし…、って手ぇ柔らかっ)ノビー
アニ「…お腹見せたりなんかして。そんなに気持ちいい?」ナデナデ
ジャン(ああぁぁあぁあああぁぁいいぃぃぃいぃいいいいいですよぉおおぉおおおおおお)
アニ「このお家は気に入った?」ニコ
ジャン「ヂッヂッヂッヂッヂッヂッ」クビタテブンブン
アニ「そっか、よかったねぇ。喜んでくれて嬉しいな」ナデナデ
ジャン「ンヂヂィ♪ンヂヂィ♪」
エレン(あれジャンだと思うと気持ち悪いな)
エレン「って、アニがこの箱探してくれたのか?」
アニ「あ、そうだよ。飼い主なら感謝してよね」ポト
ジャン「…」ポー
エレン「もちろんだ、ありがとな…って、飼い主はミカサだぞ」
アニ「…ん、ああ…入院してちゃ世話もできないか。それで代わりにやってるんだね?」
エレン「まあそういうことだな」
アニ「あんた、分かってるの?ハムスターの世話の仕方」
エレン「んーまあこれでも調べながらやってるんだが」
アニ「…私、飼ってたこともあるし、分からないことがあったら教えてやってもいいけど?」
エレン「いいのか!やった!」
ミーナ「アニー!布団の替え、準備できたみたいだから取りにいこー!」
アニ「あ…じゃあ、また」スタスタ
エレン「おう、またな」
エレン「…」
ジャン「…」
ジャン「アニに惚れちまったかもしれねえ」
エレン「おいおい」
エレン(チクってやろ)
五日目
あの箱、アニが作ってくれたもんらしい。
飼ってたことあるらしいから、アニに世話を教えてもらえることになったぜ!
そういえばジャンのやつ、アニに触られてメチャクチャ興奮してたな。
ミカサ「…」パラ
ミカサ(あの女狐…私からエレンとジャンを奪うつもり?)ゴゴゴゴゴ
ガラガラガラガラガラガラ…
エレン「ようジャン」
ジャン「ようエレン」
エレン「すっかりハマってんなそれに」
ジャン「本能に従うことにしたんだよ」
エレン「そうか。だが残念な知らせがある」
ジャン「?なんだ?」
エレン「今からその箱を洗うんだよ」
ジャン「おい!それじゃあしばらく滑車回れねえじゃねえか!」
エレン「まあ、その間はアニに相手しててもらうからな。ほれ、静かにしてろよ」チョイチョイ
ジャン「!」
アニ「これから箱を洗うんだってね。逃げないように見といてあげるから」
エレン「ああ、頼む」
ジャン「ヂッ…」
アニ「ほらほら、こっちだよ」ニコ
ジャン(その笑顔は反則だろいやいや待て俺にはミカサという飼い主が)ヒョイ
ジャン(あ)
アニ「もう、来ないからつままれるんだよ?」ツマミ
ジャン(おいおいおいおいおいおいおいおいおい)ジタバタ
アニ「あっこら、じたばたしちゃダメ」ギュ
ムニッ
ジャン(おっこれはっ…ノーブラだと!?)
アニ「ここだと落ち着くのかな?よしよし」ナデナデ
ジャン「…」
ジャン「ヂヂヂヂヂヂヂヂヂヂ」ブルブルブルブルブルブルブルブル
アニ「わっ!なんだい!どうしたのさ!?」
ジャン(今堪能するしかないこの柔らかさ)ブルブルブルブルブルブルブルブル
エレン(ジャン最低だな)シャー ゴシゴシ
六日目
今日はジャンの箱を洗った。その間はアニに見てもらった。
次は箱じゃなくて、お前の番だぞジャン。
ミカサ「…」パラ
ミカサ「エレンが雑に洗うと窒息させてしまいそう。心配…」
今日はこんなところで
ジャンがかわいいという反応が多くて草生えた
ジャンだからいいけど本物のハムスターは洗っちゃいけないからな?
どうもこんにちは、1だよ。夕方か晩くらいにまた投下する。
ケツ穴ってのは前作のせいじゃないかなあ(白目)
>>77
大丈夫、それはリサーチ済みです。びっくりして死んだりするんだってな。
ガラガラガラガラガラガラ
ジャン「…」
エレン「ようジャン」
ジャン「ようエレン。腹減ったぞ」
エレン「あれ、もうなくなったのか…ほれ」ジャラジャラ
ジャン「まいど」モソモソ
エレン「どうだ、箱洗ったらすっきりしたか?」
ジャン「そうだな。意外と洗っただけでさっぱりするもんなんだなこの箱も」
エレン「そいつはよかった。じゃあ次はお前の番だ」
ジャン「えっ」ビクッ
ジャン「嫌だ!」スポッ
エレン「おっおい寝床に篭るな」
ジャン「お前に洗われなんかしたら何回死線をさまようことになるかわかんねえよ!」
エレン「そういうことか。それなら心配ご無用だな」チョイチョイ
ジャン「あ?」
アニ「ちょっとあんたさ、ハムスターを洗うとか言ってたよね」
ジャン「!」
エレン「ああ。俺じゃビビるみたいだからアニに頼もうと思ってさ」
アニ「ハア…分かってないね。ハムスターには水で体洗う習慣ないから、水に浸けたりなんかしたらストレスになっちまうよ」
エレン「え、そうなのか?」
アニ「だから汚れを取る時も普通はブラシだけさ。ハムスターに使えそうなのあったから持ってきたよ」
エレン「そうだったのか。すまねえ、調査不足だ」
アニ「これからは気をつけなよ。…さて、そろそろ本題に入ろうか」
ジャン「!」
アニ「おいで、スッキリしようね〜…えっと…」
アニ「…、そういえばこの子、名前は無いの?」
エレン「あるぜ。ジャンだ」
アニ「えっ、何でジャンなのさ。もっとマシな名前いくらでもあるんじゃないの?なんであんな馬面と同じ名前を…」
ジャン「」
エレン「何を言われようとそいつはジャンだ」
アニ「んん…そう言われてみればこの子も馬面に見えなくもないけど…」
ジャン「」
アニ「まああの人とは分けて考えるか。イラつくし…ほらジャン、ブラシしたげるよ」ニコ
ジャン「…ヂッ」
エレン「じゃあ俺は寝床の綿替えるか」
アニ「あんたね、こういうのは見といて手本にするんだよ」
ジャン(これが人の本音ってやつか?そうそう聞ける機会ってないよな!ハハッ!)
アニ「〜♪ どうジャン、気持ちいいかい?」ワシワシ
ジャン「ンヂ…」
ジャン(慣れてんな…さすがは飼ってただけはある…眠くなってきたぜ…)
ジャン「…ヂッ」ウトウト
アニ「寝たかったら寝ててもいいよ?フフ」ワシワシ
エレン「…」
エレン(ジャンが惚れるのも訳ねえな…なんかアニがかわいく見えてきた)
アニ「…ん?なんか腹汚れてるねあんた」ワシワシ
>>78
さすがケツ穴の人!丁寧だ!
ジャン「…」ウトウト
アニ「なんとか取ってあげるからね、それ」ワシワシワシワシ
ジャン「ンヂッ!?ンヂィィィィィィ!?」
ジャン(あちょっそれヤバイってマジで)
アニ「…、なかなか取れないな…もっとだ」ワシワシワシワシワシワシ
ジャン「ンヂヂヂィ!ンヂッヂィィィィィ!!!」
ジャン(ああぁぁあああああぁそこはぁあああ弱いのぉぉぉおぉおおおおおおお)
アニ「まだ取れないの?…もう」ワシワシワシワシワシワシワシワシワシワシワシワシ
ジャン「ンヂヂヂィィィィィッ!ンヂィィィィィィィ!」
ジャン(らめえええぇぇぇぇえええぇぇえ!んほぉおぉぉぉぉおおおお)
アニ「取れた」フーッ
ジャン「ヂッ」
ジャン「」
エレン(うわあ)
アニ「あれ、寝ちゃったの?すっきりしたのかなー?」
エレン「お疲れさん。寝てるんなら寝床に放り込んどいてくれ」
アニ「…わかった」ヒョイ
ジャン「」スポッ
クリスタ「アニ!そろそろ晩御飯だよー」
アニ「…あ、じゃあ行ってくるね」
エレン「おう、今日もありがとな」
アニ「どうも」
クリスタ(あれ、エレンと二人だけ?もしかして、お邪魔しちゃった?)ヒソヒソ
アニ「そんなんじゃないよ。呼んでくれてありがとね」
スタスタ
ジャン「」
エレン「…」
ジャン「ハッ」ムクッ
エレン「起きたか」
ジャン「もうお婿に行けない」
エレン「いきなりなんだよ」
七日目
今日はジャンにブラシしてやった。
アニに水に入れたらまずいことを教えてもらってなかったら危なかった。
にしても今日のアニは可愛かったな。
ミカサ「…」パラ
ミカサ「そう、アニがいなければジャンは危うく…少し見直したか」
ミカサ「もしれな」
ミカサ「いので」
ミカサ「削ぐ」
ガチャ
アルミン「あ、おかえりエレン」
エレン「おう、ただいま」
アルミン「今日もミカサのところに行ってきたの?」
エレン「まあな。日誌も渡さなきゃいけないしな」
アルミン「そっか。この調子なら将来も安泰だね。僕も二人が仲良くしててうれしいよ!」
エレン「? まあいいか。俺はもう寝る」
アルミン「そっか、おやすみエレン」
エレン「…」
アニ『このお家は気に入った?』ニコ
アニ『ほらほら、こっちだよ』ニコ
アニ『まああの人とは分けて考えるか。イラつくし…ほらジャン、ブラシしたげるよ』ニコ
エレン「…」
エレン(くそ、アニの笑顔ばっかり思い出しちまう)
エレン(一度意識しただけでこんなにハマりこんじまうとは…)
エレン「…」
エレン(よし…決めた。なんとしてでもやってやる)
エレン(ただ、そういえばジャンが惚れたかもとか言ってたよな)
エレン(どうせジャンだけど、不安の種は少ない方がいい…)
ガラガラガラガラガラガラ…
ジャン「毎日回してても飽きねえ。最高だぜ!」
エレン「ようジャン、相変わらずだな」
ジャン「おおエレン。メシくれよ」
エレン「多めに入れてんだけどなあ…食いすぎるなよ?」ジャララ
ジャン「すまんな」ガリガリバリバリ
エレン「それ食ったら口周りきれいにしとけよ」
ジャン「? なんでだ?」
エレン「今日はお前をミカサのところに連れていく」
ジャン「!」
ジャン(やったぜ!そうだ!俺はミカサ一筋なんだ!ヒャッホウ!)
ジャン「…、病室にネズミなんか連れ込んで大丈夫なのか?」フッ
エレン「普通のハムスターじゃねえんだ。お前が大人しくしてれば大丈夫だろ」
ジャン「ああそうか」
ガラッ
ミカサ「あ、エレン。今日は早い」
エレン「ようミカサ。まあたまにはな…、足の具合はどうだ?」
ミカサ「まだ完治ではないようだけど、歩こうと思えば歩けると思う」
エレン「そうか、まあ無茶はすんじゃねえぞ」
ミカサ「もちろん」
エレン「っと、今日は見舞い品代わりにいいもん持ってきたぜ」
ミカサ「いいもの?」
エレン「これだ」ヒョイ
ジャン「ヂッ!」
ミカサ「!! ジャン!」パアアッ
ジャン(なんてすばらしい笑顔だミカサの満面の笑みなんて初めて見たぜ)
ミカサ「エレン、ありがとう」ニコ
エレン「おう。どういたしまして」
ミカサ「…ごめんなさいね、飼うと決めたのにちゃんと世話できない飼い主で」ナデナデ
ジャン「ンヂヂッ!ンヂヂッ!」
ジャン(いやいやいやいやそんなもんまるで構わないんだぜえ?ぜえ?)
ミカサ「フフ、まるで励ましてくれているみたい」
エレン「そりゃそいつジャンだしな」
ミカサ「そう、この子はジャン。馬面の馬鹿は関係ない」
ジャン「」
エレン「お、おう」
ジャン(クソッ…だが俺は諦めねえぜ…この笑顔のためならな!!)ドヤァ
エレン「…ん、もうこんな時間か。訓練が近いからそろそろ行くわ」
ミカサ「そう。今日はありがとう」
ジャン「ヂッ」
エレン「礼には及ばねえよ。そうだな、なんか食いたいもんあるか?明日休日だからジャンの餌買うついでに買ってくるぞ」
ミカサ「本当?それならちょっとしたお菓子を買ってきてくれるとうれしい」
エレン「菓子だな、わかった。じゃあまたな」
ミカサ「また」
ガラガラガラガラ
ジャン「嫌なことも忘れられる、滑車ってのはホント最高だぜ!」
エレン「ようジャン…」
ジャン「ようエレン、今日は随分とお疲れさんだな」
エレン「ああ…兵站行進だったからな…」
ジャン「うお、そうだったのか」
エレン「やっぱあれはきついわ…」
ジャン「…」
エレン「お前も、随分と大人しいじゃねえか」
ジャン「…だぁってよう!」ドオッ
エレン「うお、なんだ?」ビクッ
ジャン「滑車走って忘れようとしてもやっぱムリだ…。ミカサのやつ…、俺のこと…馬面の馬鹿ってよお…」
エレン「ああ…。まあ、あれには同情するぜ」
ジャン「! お前、結構いいやつなんだな!」ズビ
エレン「世話してる時点で思えよ」
エレン(つかハムスターって、涙流して泣くもんなのか?)
八日目
今日はどうもジャンがへこんでた。
よほどのストレスでもあったのかと思ったが、
滑車走ってると忘れられるらしい。
だからジャンは今日も元気に滑車を走る。
ミカサ「…」パラ
ミカサ「猫に襲われる夢でも見たのだろうか。かわいそうに…」
エレン「おーいアニ!今日暇か?」
アニ「休みに声かけてくるなんて珍しいね、どうかしたの?」
ライナー(…おお、確かに珍しいかもしれんな。今日のメシはまあまあだな)ガツガツ
エレン「いやな。ジャンの敷物と餌を買いに行こうと思ってさ」
ライナー(なるほど、エレンはアニを買い物デートに誘うつもりだな。ベルトルト、ライバル出現だぞ)ガツガツ
アニ「ああ、それで何がいいか教えてほしいんだね?」
ライナー(…って、今なんだって!?…ジャンの、餌…だと)ガッ
エレン「その通りだ」
ライナー(こいつら…ジャンを監禁してたりするのか…?いや、確か教官がジャンは別の訓練所にいると…)…ガツガツ
アニ「なら任せときなよ」
ライナー(だが今までにそんなことがあったとは一度も聞いたこともない…まさか、教官もグルなのか?)ガツガツ
エレン「こういうのはたくさん飼ってたやつに聞くのが一番だからな」
ライナー(ハア!?アニがジャンを…たくさん!?)ガッ
アニ「前の一件で懲りたんだね。いい傾向だよ」
ライナー(アニがそんな…いやそもそもジャンって一体…!?)…ガツガツ
エレン「じゃあ決まりだ。街に行くか」
ライナー(俺たちの知ってるジャンは人間ではなくて、新種の生物だったりするのか…?)ガツガツ
アニ「うん」
ライナー(寝よ)ガタ
アニ「牧草のマットにしてやると、匂いが抑えられるんだよ」
エレン「へえ。アニは物知りだな」
アニ「これくらいは飼ってるうちに知っていくもんさ」
エレン「そうか。よし、これにしよう」
アニ「じゃあ次はエサだね。普段は何あげてんの?」
エレン「ヘルシープレミアムハードってやつだ。確か、ニッパイのやつ」
アニ「へえ」
エレン「結構いいの選んだと思うんだよな」
アニ「どうしてそう思うの?」
エレン「そりゃな、パンとかに比べてすげえ食いっぷりなんだよ」
アニ「…全然駄目。まったくなってない」
エレン「何だよ…どこが悪いっていうんだ?」
エレン「じゃあ変えた方がいいのか?」
アニ「それは最終手段。一旦おいしいのを与えると、味が落ちるエサはなかなか食べなくなるからね」
エレン「なるほどな…量を調節してやらないといけないのか」
アニ「ほかになんかやってたりする?」
エレン「ミルワームをたまに」
アニ「そのくらいなら大丈夫かな…、よく走りまわってるみたいだし」
エレン「ホントにあいつ滑車好きなんだよな」
エレン「よっしゃ、今日はありがとな」
アニ「ううん、構わないよ」
グゥー
アニ「あっ…//」
エレン「!」
アニ「…なにさ」ジロ
エレン「いやなんでもねえよ」
ーー森の外ーー
エレン「またかよ!?」
ミカサ「今のは・・・アルミンの悲鳴!?」
エレン「くそっ!!!なんだってこんなことに・・・ッ!!!」
アニ「様子を見に行ったほうがよさそうだね」
エレン「そうだな」
ミカサ「なら私も行こう(女狐め・・・抜け駆けはさせない)」
アニ「あんたはエレンとペアじゃないだろ(ちっ・・・めんどうだな)」
アニ「だからここで待ってなよ」
ミカサ「私はジャンを置いてきてしまった・・・・・・のでジャンを迎えに行く義務がある・・・」
アニ(こいつ・・・)チラ
アニ「そう、なら今度はあんたが付き合ってもらう番だね」
エレン「え?」
アニ「ほらそこに、大衆食堂があるよ」
エレン「ああ、そうだな」
アニ「…」
エレン「…」
アニ「何してんの、行くよ」
エレン「お、おう」
>>116
どんまい
エレン「うめえなここのメシ。久しぶりにいいもん食った気がする」
アニ「訓練所のやつはまさに粗食って感じだしね」
エレン「さて、ごちそうさま。今日は買い物手伝ってもらったし、俺が払うよ」
アニ「そう。悪いね」
エレン「すいません、お勘定」
ハーイ
エレン「あ、それと…こっちのスティック菓子もください」
アニ「あんたお菓子なんて食べるんだ。なんか意外だよ」
エレン「いや、俺は食べないぞ。歯にくっついちまうし」
アニ「…、誰かにあげるつもり?」
エレン「ミカサへの見舞い品だ」
アニ「…ああ、そうかい」イラッ
エレン「おい、アニ?」
アニ「ほらもうとっとと帰るよ」テクテク
エレン「?? 急にどうしたんだ?」
アニ(私だってなんだかよくわかんないよ、ああもうっ)
エレン「…なんだよ、じゃあお前にもなんか買ってやるよ」
アニ「! そっそんなんいいよ別に」
エレン「今日の礼の一貫だって、気にすんな。ほら行くぞ」ガシッ
アニ「手、あ、ちょっと、もうっ」
アニ(…結局、雑貨屋まで来てしまった)
アニ(しかも動物のかわいい雑貨が多い。こういうの好きだと思われてんのかな)
エレン「まあ、ゆっくり見てまわろうぜ」
アニ(悪い気はしないけどさ)
アニ「…うん。あ、ウサギ」
エレン「デカいぬいぐるみだな。これがいいのか?」
アニ「これが訓練所にあっても困るよ。これはいい」
エレン「それもそうだな」
アニ「あ、この傘かわいいね」
エレン「おおすごいな。犬で柄ができてるのか」
アニ「日傘にもなるみたいだ」
エレン「アニって日傘差すのか?」
アニ「んー、これを機会に差すようにしてみようかな」
エレン「訓練中に日光に当たってちゃあ意味なくねえか?」
アニ「別のにするよ」
エレン「おお、こっちに似たような柄のポシェットがあるぞ」
アニ「あ。これいいかも」
エレン「そうか、ならこれにしとくか?」
アニ「…うん」モジ
エレン「分かった。じゃあ買ってくるな」
アニ「ありがと、ね」
エレン「おう」
エレン(このちょっぴりとした恥ずかしがり方がたまりませんなあ!)
ガラガラガラガラ…
エレン「ようジャン」
ジャン「おお、帰ってきたのか」ガラガラ
エレン「今日はマットを買ってきたぞ。これだ」つ■
ジャン「牧草か!ふかふかしてそうだな」
エレン「早速敷いてやるよ」パコッ
ジャン「助かるぜ」
エレン「寝床の綿も替えとくか。んしょっ…てウゲッ」スポッ
ジャン「いいなこのマット。わさわさだぜえ…ん?」ワサワサ
エレン「お前寝糞してんじゃねえよ!綿が糞だらけじゃねえか」オエッ
ジャン「な…!気付いてなかった…」
エレン「マジかよ… !…まさか、寮がたまにウンコ臭かったりするのってもしかして…」
ジャン「いや違うからな!それ断じて俺じゃねえからな!!」
ジャン(たまにミがでちまってたりするの、臭ってたのか…?)
エレン「餌箱はやっぱり空なのか」
ジャン「それもなかなかうめえんだよ。ミルワーム並にな…あったらある分だけ食えるぜ」
エレン「だから寝糞したりするんだよ。ここのメシよりもか?」
ジャン「うるせえ。段違いだぞ、お前も食ってみろよ」
エレン「だからいらねえって。お前この調子で食ってたら太っちまうらしいぞ」
ジャン「その分走ってるから大丈夫だ!心配いらねえ」
エレン「お前なあ」
エレン「元に戻ったとき太ってたらどうすんだよ」
ジャン「…! そういえば俺、元に戻れんのかな?」
エレン「あ」
ジャン「…」
エレン「…」
ジャン「やべえ」
エレン「いまさらだな」
九日目
今日は昨日言ってた通り、ジャンの餌やらを買いに街に出た。
アニが教えてくれた牧草のマットを早速敷いてやった。
わさわさで気分がいいようだった。やっぱアニの言うこと聞いてれば間違いないな。
ミカサ「…」パラ
ミカサ「駄目…エレンが女狐に洗脳され始めている…」ポリポリ
ミカサ「あ、これおいしい。エレンとアルミンの分も残しておいてあげよう」ポリポリ
ガラガラガラガラガラガラ…
ジャン(…うっ、そろそろ眠くなってきた)
ジャン(そうか…朝が近いんだな。昼夜逆転生活ってのは慣れないぜ)
ジャン「まあ、寝るか」スポッ
ジャン(…寮のベッドより寝心地いいんだよなこの綿)ウトウト
ジャン「…」コォォォォォォォ
ジャン「!?」
ジャン「なんだ…!?体が急に熱く…!?」
ズズズズズズズズズズズバキバキバキ
ボゴンッ
箱「」ムギュッ
ジャン「狭っ」ミッチリ
ジャン(何で今戻るんだよ…!寝床が壊れちまったじゃねえか…)
ジャン(何でこんなところで、体育座りの状態でうつ伏せにならなきゃならねえんだ…)
ジャン(つーか寝床とかの角が刺さって痛い!)
ジャン(出るにも出れねえし…そうだ!箱の天井部分を手で押して行けば…)ズズッ
ガン
ジャン「あイタッ!」
ジャン(クソッケツがでっぱりにつっかえて出れねえ…っ!)
ヒュウウウウウウウウウウ
ジャン「…」
ジャン(寒いな…服も着れねえのかよ…)
ジャン「…」
ジャン(朝までこのままか…今日は諦めて、寝るか…)
ジャン「…zzZ」
アルミン「…」
アルミン(エレン君は最近ミカサをずいぶん気にかけていたじゃないかそれがどうして今日は)
ミカサ「…」
アルミン「あ、ミカサ!」
ミカサ「ただいまアルミン。今日退院した」
アルミン「おかえり。退院おめでとう」
アルミン(本当に十日で治るんだね。僕なんか唇が荒れたくらいでも十日じゃ治らないのにね)
ミカサ「アルミンの方も、補講は終わったの?」
アルミン「そうなんだよ!ホントにしんどかったよ…」
ミカサ「そう、お疲れさま。…あ、エレンが買ってきてくれたお菓子がある。アルミンも食べて」
アルミン「これは君へのお見舞い物だろ?いいのかい?」
ミカサ「見舞い品とは見舞客と食べるようにも持ってくるもの。だから大丈夫」
アルミン「そっか。じゃあいただきます」ポリポリ
ミカサ「さてアルミン、ジャンの場所は知ってる?私は入ってる箱の外観を知らないから」
アルミン「いや、僕も後で、念のためにエレンに聞こうと思ってたんだけど…」
ミカサ「エレンはどこにいるの?」
アルミン「…、食堂でご飯食べてるよ」
ミカサ「わかった。では聞きに行こう」
エレン「んなっ赤くなってなんかっ// …おお、ミカサ!退院したんだな!」
ミカサ「ハッ …おはようエレン。ジャンはどこか知ってる?」
エレン「ああ、それならあの倉庫のだな、器械体操用の器具の隣にあるよ」
ミカサ「わかった。ありがとう」
エレン「もうじき俺も洗いに行くからな」
ミカサ「…」バタン
ジャン「…zzZ」
ミカサ(遂にこの日が来た)スタスタ
ミカサ(ジャン…これからはエレンだけではなく)
ミカサ(アルミンと)
ミカサ(この私も…面倒を見てあげる)
ミカサ(さあ、顔を見せてジャ)バゴォッ
ケツ「」
ミカサ「」
ジャン「いデエッ皮がめくれちまった」ヒリヒリ
ミカサ「」
エレン「どうだジャンの様子は…ってミカサ、どうした?」
ケツ「」
エレン「うお」ビクッ
アニ「あんたもどうしたのさ?」
エレン「ダメだ!見るなっ!」バッ
アニ「わ//ちょっとやめてよ//」ジタバタ バッ
エレン「あっ」
ジャンのケツ「」
アニ「」
アニ「オエッ」
エレン「だから言わんこっちゃない」
ミカサ「どうして?そこはジャンの居場所。ケツがいるべきところではない」
ジャン「…俺だ…ジャンだ…助けてくれ…」
ミカサ「…あなたは、ジャンなの?どうしてあなたがそこにいるの?」
エレン「ああもう面倒くせえや。この際だから全部言っちまうけど」
ジャン「おいエレンやめろちょっとまっ」
エレン「ジャンが変なプロテイン飲んでハムスターになってたんだ」
ミカサ「えっ」
アニ「えっ」
ジャン「ああ…」
アニ「ごめん。意味がわからないよ」
ミカサ「私もよくわからない。どういうこと?」
エレン「俺も正直分かってはいないんだがな、現実としてそうなってたんだよ」
ジャン(これ、絶望しかないルートってやつだよな)
ミカサ「待って。ジャンの意思はハムスターに反映されていたの?」
エレン「…喋ったりするしな。教官も聞いてる」
ミカサ「では、私はジャンを抱え、頭を撫でていたも同然ということ?」
アニ「じゃあ私が抱えてた時、胸元でやたら暴れてたのも…こいつの意思ってこと?」
ミカサ「! それは、聞き捨てならない…」
ジャン(ああ今それに気が付いちゃいますか)
ミカサ「…ハア。なんてこと…欺かれていたなんて」
エレン「まあハムスターくらい買ってやるから、今回はなんとか沈めて…」
アニ「とんだ助平野郎だね…」
ミカサ「アニ。これの落とし前は、どうして付けてくれよう」
アニ「…、そうだね、どうせなら盛大にやろうよ。こいつにとっても後腐れが無いよう」ガコン
エレン「ダメみたいだな」
ジャン「あイタいッ閉めないで!」ガンッ
エレン「…ジャン…達者でな!楽しかったぜ!」
ギィィィィ…ギィィィィ…
|V |
|箱|ブラーン
ライナー「ん、なんだあれは…?」
ライナー(なぜ適正確認器具に箱がぶら下がって…)
ジャン(ああぁぁぁ…なんか浮いてんだけどぉぉぉぉ…)
ジャン(こんなことなら…いっそ…言っておけば…)
ライナー(鎖で雁字搦めになってるが、いったい何が入っているんだ?)テクテク
ライナー(おお…親切にもラベルが貼ってあるな)
箱「滑車大好き、ジャン君です」
ライナー「えっ」
ジャン「ん…!?その声は…ライナーか!?」
ライナー「! やはり、ジャンなのか!?」
ジャン「すまんが、ここから出してくれ…!助けてくれよぉぉ…!」
ライナー(まさか、あれが本当のことだったとは…)
ライナー「そうだ…! なら、助ける前に一つだけ教えて欲しいことがある」
ジャン「なんだ!?なんでも言ってくれよ!」
ライナー「ジャン。お前って…、新種の生き物か何かなのか?」
ジャン「えっ」
終わり
おい
なんだこの終わり方は
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腐女子にジャンはハムスターに見えてるのか?
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