エレン「俺の誕生日?」(55)
エレン「そういや今日か。訓練訓練の毎日ですっかり忘れてたな」
アルミン「あはは、エレンらしいね」
エレン「それにしてもこういう毎日だと、誕生日って言ってもなんか実感ないな」
アルミン「でも誕生日は誕生日さ。お誕生日おめでとう、エレン」
エレン「あぁ、ありがとよ」
コンコン
アルミン「ん、誰だろ?」
ガチャ
サシャ「エレンにお届けものですよ!」ヨイショッ
エレン「なんだこりゃ?ずいぶんデカイ箱だな」
サシャ「いやぁ、運ぶの大変でした」フーッ
アルミン「なんだろうね?」
サシャ「この中にはミ…おっと、それは開けてみてのお楽しみですよ!」
エレン「そうか、運んできてくれてありがとな、サシャ」
サシャ「いえ、もう報酬は頂いてますから。では私はこれで!」モグモグ
エレン「なんだろうなぁ、開けてみるか」
アルミン「そ、そうだね(な、なんだ、箱から漂う禍々しいオーラは…嫌な予感が…)」キリキリ
エレン「よし、開けるぞ〜」
アルミン「あ、エレン!ちょっと待っ…」
バンッ!
エレアル「」ビクッ
ミカサ「ミカリンだよ〜!」キャピッ♪
エレン「」
アルミン「」
ー
ーーー
ーーーーー
その少し前…
ミカサ「今日はエレンの誕生日」
クリスタ「え、そうなんだ!?じゃあお誕生日おめでとうだね!」
ミカサ「ありがとう」
ユミル(なんでナチュラルにお前がお礼を言うんだ)
アニ(……そっか、あいつ今日が誕生日なんだ)
クリスタ「誕生日かぁ〜、何かプレゼントあげるの?」
ミカサ「あげるつもり。だけど訓練兵になってからは、あまり良い物をあげられていない」ショボン
クリスタ「う〜ん、確かに今のお給金だと良い物あげるのなかなか難しいよね…」
ミカサ「そう、だから去年と一昨年はお金のかからない手作りのプレゼントをあげた」
クリスタ「手作りかぁ、いいね!ちなみに何あげたの?」
アニ(…何だろ?)キニナル
ミカサ「一昨年は私の使い古した肌着と下着で作った枕カバー」
クリスタ「ん?」
ユミル「ん?」
アニ(ほほぅ…)
ミカサ「去年は私の髪で編み込んだミサンガ」
クリスタ「おや?」
ユミル「おや?」
アニ(なるほど…ミカサは綺麗な黒髪だもんね)
ミカサ「ずっと一緒にいた私から離れ、エレンは毎日寂しがっている」
ミカサ「ので、そんなエレンを思って、常に私を身近に感じることができる物をプレゼントした」
ミカサ「不自由な環境をただ嘆くのではなく、今の環境でできることを頭を使い工夫するのも良き妻の務め」キリッ
クリスタ(良いことは言ってるんだけど…)
ユミル(実行してることがぶっ飛びすぎだろ…)
アニ(ミカサの行動力はやっぱすごいな…)
ミカサ「ずっと一緒にいた私から離れ、エレンは毎日寂しがっている」
ミカサ「ので、そんなエレンを思って、常に私を身近に感じることができる物をプレゼントした」
ミカサ「不自由な環境をただ嘆くのではなく、今の環境でできることを頭を使い工夫するのも良き妻の務め」キリッ
クリスタ(良いことは言ってるんだけど…)
ユミル(実行してることがぶっ飛びすぎだろ…)
アニ(ミカサの行動力はやっぱすごいな…)
クリスタ「ち、ちなみに今年は何をあげるのかな?」
ユミル(聞きたいような聞きたくないような…)
ミカサ「今年はこれ」
クリスタ「御守り?」
ミカサ「そう、御守り。エレンの身の安全を祈願して」
クリスタ「そっか、エレンを大切に思ってるミカサらしいプレゼントだね。きっとエレンも喜ぶんじゃないかな(良かった、思ったより普通だ)」
ミカサ「私もそう思う。そして御利益を上げるため、中には私の陰毛をたっぷり入れてある」
クリスタ「ちょっと待って!」
ミカサ「何?…ハッ!もしやこれだけでは愛が足りないと…」
ミカサ「くっ!安易な手に出るのは癪だけど、もう時間がない…かくなる上は私の脱ぎたてのパンツを付けよう!戦わなくては勝てないっ!」ヌギッ
クリスタ「待って待って!」
ユミル「おもむろに脱ぎだすなよっ!」
アニ(誕生日プレゼントにそこまでするのっ*///)ドキドキ
ミカサ「何で止めるの?……もしやあなたたちもエレンのことを?私とエレンの恋路に立ちはだかるなら、仲間といえども削ぐ!」
クリスタ「ち、違うよ!私はただ、それを渡すのはちょっと待った方が良いかなぁ、と思って!」
ミカサ「なぜ?」
クリスタ「え?う、う〜んと…い、陰も…そ、その御守りとパンツは、さすがにちょっと刺激が強すぎるんじゃないかなぁ、ははは…」
ミカサ「エレンは鈍感。これくらいの刺激が必要だと思う」
クリスタ「(鈍感なのは気づいてるんだ…)う〜ん、まぁそうかもしれないけど…」
ミカサ「じゃあクリスタは何をあげたら良いと思うの?」
クリスタ「え?え〜と、そ、そうだなぁ(男の子にプレゼントなんかしたことないからわからないよぉ)」アセアセ
クリスタ「そうだ!ユミルはどう思う?ユミルはそういうの詳しそうだし」
ユミル「あ?こっちに振るなよ、クリスタ!」
ミカサ「あなたはガサツに見えて、実はよく気がつく。わかることがあれば教えて欲しい」
クリスタ「そうだよユミル!知ってたら教えてあげて」
アニ(教えて教えてっ)
ユミル「あぁ?死に急ぎ野郎の欲しい物なんか知るかよ……(ん?そうだ…)」ピコーンッ
ユミル「……仕方ねぇな、そんなに言うなら教えてやろうか?」
ミカサ「知ってるの?教えて!」
アニ「」ガタッ
ユミル「焦るな焦るな。と言っても、エレンの欲しい物が何か私にはわからない」
ユミル「今から教えるのはプレゼントというか、私の故郷に伝わる、誕生日にかこつけて好きな男の気持ちを射止める『技』みたいなもんだ」
ミカサ「……素晴らしい。早く教えて、ユミル」
アニ(待って!メモ帳メモ帳!)ガサガサ
ユミル「(ぷぷぷ…信じてやがる)まぁ、簡単に言うとな、自分自身をプレゼントするんだ」
ミカサ「? 私はもうエレンのもの」
ユミル「んなこたどうでもいいんだ。これは演出だよ演出。気持ちを射止めるためのな」
ユミル「まず自分が入れるくらいの大きな箱を用意して、その中にミカサが入る。エレンへのプレゼントとしてな」
ミカサ「なるほど…私自身をプレゼントにするのね。身につけてる物や身体の一部をあげるのは思いついたけど、それは盲点だった」
ユミル「(その発想が浮かぶだけで充分すげぇよ)ただ、それだけじゃ効果は薄い。更に効果を高めるために…」
ミカサ「高めるために?」
アニ(ために?)ドキドキ
ユミル「自分自身をデコレーションする」
ユミル「要は普段と違う姿、言動で相手にアピールするんだ」
クリスタ「普段と違うミカサでアピール?何のために?」
ユミル「ギャップを与えるためだ。ギャップを与え、エレンの感情を揺さぶる」
ユミル「そしてそこで感じた心の揺らぎは、上手くいけばそのままミカサへの恋心に転ずるはずだ」
クリスタ「そんな上手くいくかなぁ」
ユミル「普段近くにいる女の違った面を見るのは、男にとって想像以上にインパクトがあるぞ(知らねーけど)」
アニ(ユミル、すごいな…)メモメモ
ミカサ「ユミル、あなたの言っていることは理解した。ただあの鈍感なエレンの心を揺さぶることが出来るだろうか?」
ユミル「(ちっ、変なとこで慎重だなコイツ)知らねーよ。それはミカサの頑張り次第なんじゃねーの?ま、振り向かせられなかったら、それまでってこったな」
ミカサ「っ! やる。できるできないではない。私は完璧にやってのける」
ミカサ「ので、具体的なやり方を教えてほしい。早く」
ユミル「(威勢がいいわりにすげぇ他力本願だな)わかったよ…クリスタ、服貸してくれるか?」
クリスタ「いいよ!なんかワクワクするね!どんなのがいいのかなっ?」ワクワク
ユミル「準備すべきは、フリフリのスカートと、可愛さ満点のシャツだな(結婚しよ)」
ユミル「ミカサ、お前はこれからアイドルになる」
ミカサ「アイドル?」
ユミル「あぁ……エレンだけのな(うひゃひゃひゃ!自分で言っててウケる)」
ミカサ「エレンだけのアイドル…///」
ユミル「さ、着替えるぞ」
ウワッ シャツ ピチピチダナ ノビテキレナクナルゾ
ゴメン クリスタ ベンショウスルカラ
イイヨイイヨ*ソレヨリモ ミカサガンバッテネ
(アトデアタシモ クリスタニ フクカリヨウ)
ー
ーーー
ーーーーー
ミカサ「今日お誕生日のエレンに、ミカリンのプレゼントだよぉ!」
ユミル(うぷぷぷ…全力じゃないか。ミカリン…んふ、これはやばっ、ぷぷっ)
クリスタ(しっ!ユミル静かに!頑張れミカサ!)グッ
ミカサ「そんなミカリンはエレンだけのアイドルなのだ!」
アルミン(……この異様な状況は、おそらくあの物陰に隠れてるユミルの策略だろう。クリスタは純粋に応援付き添いってとこか)
アルミン(あぁユミル、君はなんてことをしてくれたんだ。僕にはこの先、バッドエンドしか見えないよ)
アルミン(……それにしても)チラッ
ミカサ「エレン!ミカリンにいっぱいドキドキしてね!」
アルミン(ふ、やば、ふふ…こ、これは笑ってしまう。ダメだ!一生懸命エレンの気を引こうとしてるミカサの頑張りを笑ってはいけない)
アルミン(しかし、どうだあの服装、ぷぷ、大方クリスタから服を借りた、ふ、んだろうけど、ピ、うくっ、ピチピチじゃないか!)
ミカサ「さぁ、エレン!ミカリンをもっと見て!」
アルミン(……かはっ!ダメだ、何だあの、んふ、異次元腹筋。仮にもアイドルを名乗るならあの、ふふ、腹筋はんく、ダ、ダメだろう)
アルミン(ハッ!ダメだ、考えるなアルミン・アルレルト!考えることを放棄しろ!無だ、無心だ。ミカサも頑張ってる!)
エレン「……お前、何やってんだ?」
アルミン「ぶふぅっ!」
エレン「ん?どうしたアルミン?」
アルミン「ゴ、ゴメくふンね…な、なんでも、ないよ」
アルミン(ばかやろうっ!なんだそのナチュラルなツッコミは!あぁ!せっかく、ふふ、耐えれそう、んふ、だったのに…何故冷静だ*何故笑わない*エレン・イェーガー!)
エレン「おいおい大丈夫か?ミカサ。おい、見てみろよ、アルミン。こいつなんか変だぞ」
アルミン「…んっ、ど、どうだ、ろうね、すふっ」
アルミン(や、やめろー!んくふ、ぼ、僕に振るな、エレンー!うふぷ)
ミカサ「このミカリンがエレンのお誕生日を エレン「それにしてもお前腹筋すげえな」コンコン
アルユミ「ぶふーっ!」
エレミカ「ん?」
ユミル「だはははは!もうダメだ!な、何が、んふっ、い、いっぱいっ、ドキッ、ふ、ドキ、して、んくふ!」
クリスタ「ちょっと、ユミル!」
アルミン「あぁっ、ふふっ!ダッメだダメだっ!んふふふ、ごめっすふ、ミカサ、ふ」
クリスタ「アルミンも何笑ってるの!」
アルミン「あっ、ク、クリスタ。ふっふ、ご、ごめん、よふ」
ユミル「だって、くふっ、無っ理だっろ!ぶははは!」
ププププ ゲラゲラ
ミカサ「…」
エレン「何なんだよお前ら、よくわかんねぇな。ミカサ、どういうことだ?」
ミカサ「エレンの誕生日プレゼント」
エレン「あ?これがか?」
ミカサ「そう、こうすることでエレンと私は、身も心も一緒になれるとユミルに聞いた」
ミカサ「でもどうやら騙されたらしい。私に隙があったから騙されたんだ(あぁ、この世界は残酷だ…)」ジワッ
エレン「はぁ?よくわかんねぇけど、俺と一緒にいるためにこんなことしたってのか?」
ミカサ「」コクリ
エレン「なんだよ、回りくどいな。お前は俺の(家族)だろ?これからも一緒だ」
ミカサ「エレン!やっぱり私はエレンのそばにいていいのね」パパーン!
エレン「あ、あぁ(なんでコイツこんな喜んでんだ?服装といいリアクションといい、あぶねぇヤツだな)」
ミカサ(あぁ、そしてこの世界は美しい…)」ポロポロ
ダイスキ エレンッ!
ウワッ!イキナリダキツクナヨ!
クリスタ「あ!なんだかんだうまく収まったみたい…良かったぁ〜」ウルウル
ユミル「なっ?くくっ、私の言った通りにっ、おふ、なった、ふふ、だろ?」
アルミン「うふふ!いやぁ、良かっ、すふった!二人の笑顔を、ふふ、見られて、ぼかぁ幸せ、ふっ、だなぁ」
クリスタ「ユミルもアルミンも嫌いっ!」プクーッ
チョ、クリスタ マテヨ
ゴ、ゴメンヨ クリスタ!
シラナイッ!
エレン アト コノ オマモリ アゲル
アァ、アリガトヨ
ズット イッショニ イヨウネ
おわり
おまけ
〜倉庫〜
アニ(あぁ、ドキドキする)ハコノナカ
アニ(やっぱやめれば良かったかなぁ…)
アニ(いや、あんないい話を聞いて行動に移さない方が馬鹿だ。それにエレンの誕生日を全力で祝ってあげたい)
アニ(あ〜、それにしても緊張するっ)
ドキドキ モンモン
アニ(パンを条件にサシャにエレンを呼ぶように頼んだけど、ちゃんと連れてきてくれるかな…)
アニ(もし連れてきてくれなかったら、私はこのまま待ちぼうけだ……想像しただけで寒気がっ)ブルルッ
アニ(いや、サシャは食べ物が絡めば信用できる。仲間を信じよう)
アニ(それにしてもまだかなぁ)
アニ(はっ、もしかして今頃、エレンとミカサは…)
アニ(いや!私は今私にできることをするだけ)
アニ(私が賭けたのはここからだから!)
ドキドキ モンモン
ガチャ
アニ(はっ!来た…)
アニ(よ、よし!いくぞ、アニ・レオンハート!)
アニ「ア、アニたんだよ〜!///」キャピッ
ライナー「うおぉっ!なんだなんだ!?」
アニ「」
ライナー「……ん?なんだ、アニか。どうした?こんなとこで」
アニ「」
ライナー「ん?なんだその格好…まるでアイドルみたいだな。しかもさっきのセリフ……」
アニ「」
ライナー「はは〜ん、さてはエレンの気を引こうとしたんだな?ふふん、あのアニがここまでなぁ…」ニヤニヤ
アニ「///」プルプル
ドグシャッ!
ウワーーッ!
おわり
以上です。
初SSで勝手がわからずドキドキでしたが、読んでくれた方々、ありがとうございました。
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