凛「私がモデル?」 (23)
凛「ファッション誌の特集?」
P「うん、トライアドプリムス組んで初めての売出しもかねて、特集を組んでもらったんだ」
凛「どんな雑誌なの?」
P「ちょうど凛たち高校生の読むファッション誌かな。おれは帰るよ、それじゃお疲れさま」
凛「うん、また明日」
バタン
凛(これか、見たことないなー)
ペラペラ
凛(この人たち、同い年なのに全然わたしよりオシャレ・・・・・・・。どうしよう、このハードルが高い感じ)
凛「なんで私から・・・加蓮でいいのに。オシャレなの担当じゃん」
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pipipipipi
凛「もしもし? Pさん?」
P「ああ、言い忘れてたけど、凛の部屋の写真や間取りを書いて自分の趣味を公開するコラムもあるらしい。ちょっと大変だけどいいよな?」
凛「あ、うん」
P「それじゃ、おやすみ」
凛「おやすみ、Pさん」
pi
凛「おやすみ///」
ちひろ「凛ちゃん? もうそろそろ閉めますよー」
凛「うぇあ! は、はい」
凛(あとは帰って考えよう)
凛の部屋
凛(部屋は、まあ汚くしてないつもりだし、卯月たちが来た時なにもいわれなかったし大丈夫なはず)
凛(問題は・・・)
オフ 喫茶店
未央「いやー、私はね驚いたよ! ねえ、うづきん!」
卯月「そうだね! 未央ちゃん♪」
凛「・・・なんで二人とも嬉しそうなの」
卯月「嬉しいんだよ、もう」
未央「そうそう、頼られて嬉しいってかんじでさー。加蓮ちゃんたちとユニット組んでから、ちょっと離れててさみしい思いしたのよ、私達」
凛「そんなんじゃないよ、同じアイドルじゃん」
未央「まあまあまあ。それはそれとして。今日の凛ちゃんのコーディネートはどう思いますか? 島村さん」
卯月「そうですねー、けっこう寒そうな格好だと思います」
卯月(ロンTにパーカーだもんねぇ)
凛「いいよ、もっとはっきり言ってくれちゃって」
卯月「いやあ、ロンTにパーカーは寒そうだなーって。寒くないの?」
凛「屋内だし、ここは近所だからね」
未央(今日の最低気温8度なのに!?)
凛「これから、二人に家に来てもらいたいんだ」
未央「っていうか、なんでしぶりんアタシたちを呼んだの? その、相談って」
凛「カクカクシカジカ」
未央「まるまるウマウマっと」
卯月「凛ちゃん」
凛「うん?」
卯月「かわいい♪」
未央「かわいい♪」
凛「も、もう///」
未央「いやあ、私たちにオシャレな服を教えてもらいたいとは。もう未央ちゃん泣いちゃうかも」
卯月「でも、私たちでよかったの? それこそ、加蓮ちゃん奈緒ちゃんで」
凛「リーダーがダサいだなんて思われたくないじゃん?」
卯月「そんなこと思わないんじゃないかな」
凛「あの二人の前ではさ、カッコいいリーダーでいたいんだ。変かな?」
卯月(なにそれ、カッコイイ)
未央「私たちの前ではかわいいリーダーだね」
卯月「そうだね!」
凛「もう!」
凛の部屋
未央「部屋は、キレイだよね。このまま写真とれるよ」
卯月「あ、凛ちゃん、ハイスコアガール貸してー」
未央「なに、マンガ借りてるの!?」
卯月「あ、ごめんごめん」(・ω<)テヘペロ
未央「かわいいから許す!」
卯月「やったー」
凛「ちょっと!」
凛(ん? かわいい?)
凛「ねえ、卯月」
卯月「はいはい」
凛「今日の服のコーディネートをどうして選んだか教えて?」
未央「ほほう。でも、どうして聞くの?」
凛「そうしたほうがわかりやすいでしょ。雑誌読んでもわからないんだもん」
未央(うんうん、その心がけは大事じゃよ。しぶりん)
卯月「えっとねー。今日ってスゴい寒いから、厚手の黒タイツにミドルブーツを合わせました!」
未央「はいはーい! しつもーん」
卯月「未央ちゃん!」
未央「どうしてミドルブーツ?」
卯月「なんとですね、ひざ下のブーツなら足が太く見えないのですよ!」
未央「黒のタイツもあると引き締まって見えて足のラインが細くみえるから、そこにブーツを合わせると効果バツグン! 美脚効果!」
卯月・未央「うっふーん☆ って感じ?」
凛 シラー
卯月「もう! ひかないでよ! 凛ちゃん」
凛「いや・・・。よく考えてるなぁって。未央も知ってたの?」
未央「うん?」
凛「そのタイツが引き締まって見えるとか」
未央「ああ、まあそうだね。うづきんには特にそれが必要ですからねぇー。ね、尻村さん?」
卯月「やめてよ~未央ちゃん、おしりばっか大きいって言われて恥ずかしいんだから///」
未央「照れてる照れてる」
凛(なお、まんざらでもない模様)
卯月「それ気にしてから、スキニーとかお尻のラインが出るパンツ履けないんだから、困っちゃうよ」
凛「それは私服で?」
卯月「そうなんだよねぇ、困ったなあ」
未央「だから、今日もスカートなのか。そこそこミニ丈の」
卯月「タイツを出すくらいにね。あと上はシャツ上にセーター着てます。暖かくて可愛いでしょ。ゆったりしてて、あまり下半身に目線いかないようになるからこれはいいんだー」エヘヘ
凛(赤地に胸元に白いハートマーク・・・。ペアルックの衣装みたい。でもいいな、かわいい)
凛「未央は?」
未央「よくぞ聞いてくれました! このパーカーワンピは買ったばかりで見せたかったんだー」
凛「でも未央ってよくパーカー着てない?」
未央「あれは、制服のときだからカーディガン代わりというか・・・」
卯月「あんまり見せたくないんだって、未央ちゃん」
凛「見せたくない?」
未央「いやー私ったら、学校でも大きいほうでさー、こう制服のカーディガンだとパツンパツンになっちゃう」テヘヘッ
卯月(そういって胸を張ってみせる未央ちゃんは強調したがりな気がする・・・)
未央(B;84のDカップですから)
凛 イラッ
凛「その割には体のラインででるんじゃない? 今の格好だと」
未央「自分、アイドルですから」キリッ
未央「だって、私服がダサいアイドルだって思われたくないし、学校の男子が私のナイスバディみたいならお金を払ってもらわないとね☆」(・ω<) パチンッ
凛 ムムムッ
卯月(ま・・・まずい! 凛ちゃんはダサいと言われたことよりもアイドルを舐めた感じの発言されることを怒るタイプ!)
「あのー? スイマセーン?」
凛「はーい! 今日はお父さんお母さんいないんだった。 ごめん、ちょっと待ってて。お客さん来ちゃった」
ガチャ
1F 花屋
凛「ありがとうございました」
未央「やあやあ、凛ちゃん」
凛「何? しばらく留守番するからまってていいよ」ムスー
未央「もう怒らないでよー、ごめんね」ニコッ
卯月「未央ちゃんね、お手伝いしたいんだって。私もするよ!」
凛「そ、そう?」
未央「まかせなさい! プロデューサーにスカウトされるまではバイトしてたんだから☆ いらっしゃいませ~デニーズへようこそ!」
凛「じゃ、じゃあ」
卯月「外の花にお水あげてこようか?」
凛「それじゃ、この霧吹き使って」
卯月「はーい」
未央「私はどうしようか?」
凛「レジにいてくれていいよ、お客さんが会計したそうだったらよんであげて」
未央「了解しましたっ!」(`・ω・´)ゞ
シャー シャー
卯月「スマイリーン ダンシング オールマイラブ♪」
「どうもこんばんわー、いま開いてますか?」
卯月「あ、どうもこんにちはー。いらっしゃいませ」
「あら、いつもの娘は?」
卯月「中にいますよ、私はお手伝いなんです」
「あの娘もカワイイけど、あなたも可愛い子ねー」
卯月「ありがとうございます! 私とあの子はアイドルなんです」
「アイドル?」
卯月「はい、歌って踊れるかわいいアイドルです」ニコ
「あらあら、そうは思わなかったわー。応援してるからね」(´∀`*)ウフフ
凛「も、もう卯月ったら///」
未央「どうですか、歌って踊れるかわいいアイドル代表な渋谷凛さん」ニコニコ
凛「わざわざ言うことないじゃないぃー」プンスカ
「すいませーん、このお花を使って花束をおねがいします」
凛「一束ですか?」
「そうねー、4000円くらいの予算でおねがいできるかしら?」
凛「4000円ですね、分かりました。いつお受け取りになりますか?」
「そうねー、一週間後にお願い」
凛「ここに住所をおねがいします」
未央「あのー。お姉さん、かわいいですね」
「ふふっ、ありがとう」
未央「もー、アイドルみたいですね」
「知ってる? 女の子はね、誰もがアイドルなのよ。望みさえすれば」
凛(・・・・・・・)
未央「そっかー、それは知らなかったなー。そして・・・私も実はアイドルだったりするんですよ!」
「すごいわね、アイドルが集まる花屋さんだなんて」
未央「ここの看板娘、凛ちゃんのお友達、新人アイドル本田未央ちゃんをよろしくお願いしまーす」エヘヘ
未央「あ、しぶりん、お会計は今のほうがいいよね?」
凛「ああ、うん」
「ちょっと大きいけどこれでいいかしら?」
未央「はい、10000円ちょうだいいたします。6000円のお返しです」
「ありがとう。それじゃ、凛ちゃんに未央ちゃん、卯月ちゃんね。覚えておくわ、それじゃまたね」
凛・未央「ありがとうございましたー」
数時間後
凛「店じまいしちゃおっか」
未央「え、もういいの?」
凛「もう、夕方だしちょっと私しかいないんならいいかなって」
未央「いいんかい!」
卯月「いいんです!」クゥー!
凛「いいでしょ。さ、部屋にもどろ」
未央「ねえ、しまむー?」コショ
卯月「んー?」コショコショ
未央「お客さんにかわいいお姉さんいたでしょ、あの人に自分のこと話した?」
卯月「アイドルって言ったなー、かわいいって言われちゃった」エヘヘ
未央「むー、私は言われなかったよー。でもでも、凛ちゃん、未央ちゃん、卯月ちゃん頑張ってだって!」
卯月「・・・・・・・あれ?」
未央「どーしたの?」
卯月「私、あの人に自己紹介してないのになー?」
未央「あれだよ! 私たちのあずかり知らぬとこで有名なんだよ アイドルだからね」
卯月「そうだよね! アイドルだもんね!」エヘヘ
未央 エヘヘ
卯月・未央 エヘ エヘヘヘヘ
凛「うづーきー? みおー?」
未央「お、私たちのアイドルが呼んでますな」
卯月「ですな」
卯月「凛ちゃんをさ、オシャレにプロデュースしようね!」
未央「ドレスを着せて、カボチャの馬車に乗っけてね☆」
一ヶ月後
凛「おはようございまーす」
ちひろ「おはよう、凛ちゃん。先月やったファッション誌の献本とどいてますよー」
凛「はーい」
キャッキャ ペラペラ
未央「うわー、何この折り返しチェックのチノパン。だっさーい」ペラペラ
卯月「でも、よく見かけるよね。学校の男の子なんてよく履いてるよー」
未央「だめだよ、ダメダメ! 私はね、思うんですよ島村さん」
卯月「なんでしょうか、本田さん」
未央「こう、ファッションにテーマがないというか、柄ものがたくさんあればオシャレだと思ってる人が世の中多すぎる気がしませんかね?」
凛「おはよ、そうなの?」
未央「おはよ!」
卯月「おはよー」
未央「そうなんですよ、表紙モデルの渋谷凛さん」
凛「べつに、そんなの気にしたことないんだけど」
未央「女子校通ってるから、男子なんて目に入んないもんね」
凛「まあ、身近な男の人なんてPさんだけだし。Pさんはスーツ姿だしね」
未央「そうかー、Pさんしか男を知らないウブなのかー。しぶりんは」ニヤニヤ
凛「なにそれ?」キョトン
卯月「な、なんでもないよ///、もう! 未央ちゃん」
未央「そんなことは置いておいてですよ! 読んでみようよ、ね!」
【トライアドプリムス、それぞれソロで活動していた三人でのユニットデビュー、おめでとうございます】
凛「ありがとうございます。でも、これ私のインタビューですよね(笑) 宣伝しちゃっていいんですか?」
【ええ、大丈夫ですよ(笑) このあと、二号かけて北条加蓮さん、神谷奈緒さんも同じような特集を組ませてもらいますので、この雑誌はトライアドプリムズを全力で推させて貰います!】
凛「(笑) 嬉しいです。 でも、今回その二人には雑誌でるとかは何も言ってなくて。そのかわり、ニュージェネレーション(NG)の卯月と未央には話してるんです。このお仕事をやるとき、お部屋公開とモデルをやるって聞かされてはいたんですけど、ちょっと不安だったんです。実は私あまり服を知らなくて・・・」
【ええ!? そうだったんですか!】
凛「はい。ちょっと、キャラクターとか考えてカッコよくしようとおもったんですけど、そのカッコよくなり方もわからない状態で」
【それは意外ですね】
凛「未央にも言われたんですよ、私服がダサいアイドルがって(笑)」
【(笑)】
凛「二人に雑誌と着こなし方やブランドを教えてもらって、今日の撮影に備えて行ったんですけど、モデルが着る服が用意してあってビックリしました(笑)」
【この雑誌はそういう雑誌なんです、せっかく気合をいれてもらったのに、すいません(笑) 代わりに、今日の私服のスナップもきちんと載せておきます!】
凛「お願いします(笑)」
【ちなみに、今日のコーディネートのポイントは?】
凛「どちらかというと、私と同年代くらいの人たちが読むストリート系の雑誌なのであまりフリフリなのはいけないなって思ったんです。一応、クールなアイドルで売ってるのでそこはファンのことを考えようと」
【なるほど】
凛「765の菊地真さんっているじゃないですか、あの人を参考にしたんです。スカートより、パンツやジーンズみたいな」
【そのスキニーデニムもよく似あってますよ】
凛「これはCHEAP MONDAYです。あと、HYSTERIC GLAMOURのTシャツは一目惚れしました。このショップコートは未央がすすめてくれたんです。あと、このワークキャップは卯月が。プレゼントしてくれて嬉しかったです」
【どこで買ったんですか?】
凛「未央たちと三人で買いに行ったからわからないんです(笑) でもこのTシャツはドンドンダウン(ドンドンダウンオンウェンズデイ)って古着屋に一人で買いに行きました。5,000円だったんですよ」
【ドンドンダウンはこの雑誌の読者にも人気です! 意外と、庶民的なんですね】
凛「庶民的というか、服に対するお金のかけ方もわからない状態で・・・。一応、アイドルのお給料は貯まってたんでそれで買いました。この雑誌の読者の人たちも買えるブランドだと思うので、オススメですよ」
【その言葉でこの号を買う人は増えるかもしれませんね、うれしいことです(笑)】
凛「いえいえ(笑) でも、自分の予算内にコーディネートを考えることって大事だと思うんです。実家が花屋なんでよく5,000円以内で花束を作ってくれとか言われるんですよ、そういう時って予算内にあった花をつかって、結婚式やお祝いごとにあった花を選んで花束を作るんですけど、予算によって華やかになるかってことじゃなくて」
【つまり、華やかに見せれる安い花もあると?】
凛「そうなんです。だから、それっぽく見せれればいいならモデルの服装を積極的に真似れると思います。ぜひ、今回モデルの私を真似てもらいたいですね」
【誰か、真似たい服装の方っていますか?】
凛「未央と加蓮ですね、オシャレなポジションなので、ユニットで二人共」
【おお、それは来月の加蓮さんの号は期待できます! その時も私服スナップをしますよ!】
凛「よろしくお願いします(笑)」
未央「今回モデルの私を真似てもらいたいですね、だってさ」ニヨニヨ
凛「も、もう///」
卯月「でも、すごいカッコイイよ、このスナップ」
P「ああ、俺もカッコイイと思うぞ」
凛「ぷ、プロデューサー///」
P「それにしても、菊地真を参考にしたのか。そういう方向性もありだな」ブツブツ
凛「あ・・・」
未央「やれやれ、王子様には通じないようだね、しぶりん」
凛「別に・・・。そんなんじゃないし」ムスー
未央「てれんな、てれんなー」
加蓮「おはよーございまーす。あ、凛みたよーこれ」
凛「あ、そう」
未央「無理やりカッコつけちゃってー」プークスクス
加蓮「ま、アタシをオシャレって思ってくれてるのはうれしかったかな。今度さ、買い物行こうよ」
未央「はいはーい! アタシも行くぅー!」
加蓮「うん、そうだね。 あ、これ読んだ?」 パシッ
卯月「なになに・・・。『この間、お花屋さん行ったんですよー。そうしたら、ニュージェネレーションの娘達がいたんですよねー。卯月ちゃんが水やりしていて、未央ちゃんがレジで。なんと、その花屋さん渋谷凛ちゃんの実家だったんですよねー、うふふ』」
未央「これって・・・」
凛「三浦さんだね」
未央・卯月「驚かないの!?」
凛「いや、わかってたし。っていうか、気づかなかったんだ・・・」
卯月「いやいや、それどころじゃなかったんだよ!」
未央「しぶりんのことでいっぱいいっぱいだったんだから」
加蓮「ふふっ ・・・・・・・ねえ、凛ってそんなにダサかった?」
凛「だ、ダサ・・・」
卯月「う、うーん・・・」
未央「くぅー!、教えがいがありましたよ!」
加蓮「そっかー、もうダサい凛じゃないんだね」
凛「だ、ダサいっていうな!」
加蓮「アタシがプロデュースしちゃおうと思ったのにさ」チラッ
未央「おっ?」チラッ
P(凛が褒めるなんて珍しいからな・・・。褒められたいとムキになってるのか)
未央・加蓮 パシンッ パシンッ グッ グッ
未央「今度、オフいつ空いてる?」
加蓮「えー、ちょっと待って・・・平日ならー」ペラペラ
凛「あ、ふーん・・・」
凛(関係ないからいいや)
加蓮「もちろん一緒だよ。凛」
凛「」
765プロ
小鳥「おはようございまーす」
あずさ「小鳥さん、おはようございます」
小鳥「ああっ! おはようございます、あずささん。そのお花、活けてるんですか」
あずさ「そう、このお花かわいいでしょ」
小鳥「は、まさかそれが渋谷凛ちゃんにチョイスしてもらったというっ」
あずさ「さー、どうかしらねぇ」
律子「おはようございます、ええっ? あ、あずささん」
あずさ「律子さん、おはようございますー」
律子「どうやって来たんですか?」
あずさ「もちろん、ちゃんと歩いてですよ。そうしたら、渋谷まで歩いてて、お花屋さんみつけたから買ってきたんです。これ」
朝
チュンチュン チュンチュン バサバサ
凛「いってきまーす」
凛(ハチ公前待ち合わせだよね、間に合う間に合う)カツカツ
あずさ「・・・あら」
凛「いらっしゃいませ、こんにちは。今から開くので少々待ってもらってもいいですか?」
あずさ「ううん、そうじゃないのよ、凛ちゃん」
凛「三浦さん、いつも来てくれますよね」
あずさ「そうねー、道迷うと来ちゃうだけなんだけど、もうここで買うのもなれたものね」フフフ
凛(本当に迷子になるんだ・・・)
あずさ「これからお出かけ? デートかしら」
凛「ただ、友だちと服買いに行くだけですよ。・・・三浦さん、アイドルがデートだなんて」
あずさ「あーら、それどうかしら。ふふっ、そのときはアイドルじゃなくて、ただの一人の女よ。凛ちゃん」(´∀`*)
凛(・・・・・・・)
凛「三浦さん、ありがとうございます。ちょっと、頑張ってみます。仕事も・・・恋も。それじゃあわたしはこれで」カツカツ
あずさ「そう・・・がんばってね応援してるわ~」ヒラヒラ
あずさ「わたしも運命の人が見つけてくれるまで頑張らないとね♪ おじゃましま~す」 カランコローン
ハチ公前
凛(よし、まだ来てない。私が先に着いた、よかった)キョロキョロ
肩をトントンと叩かれる
凛(またナンパ?)
凛「間に合ってま・・・」
P「おれだよ、凛」
凛(プロデューサー!? スーツ姿だけど、ちょっといつもと違う感じ・・・。センスあるなー///)
凛「ふーん、こんなときもスーツなんだ? ま、悪くないかな」
P「なんだよそれ。・・・・・・ちょっと気合入れたんだけどなぁ、このセットアップ。ヨージヤマモトだし」
凛「そう?」
凛(私もこれからは服をちょっとわかりたいと思う。だから、Pさんを誘った。二人きりで、私に似合う服を選んでもらいたかったんだ)
凛「ま、私にはどーせわかんないよ。だから、今日呼んだんだし」
P「そうか? 未央たちに聞いたりすればいいだろ」
凛「いい? 私たちはアイドルなんだよ、ダサいなんて思われたくないし、ファンの目だって気にする。そういうときには、一番わかってくれてる人を頼るってもんでしょ」
P「そっか・・・。お褒めに預かり光栄だ」
凛「プロデューサー冥利に尽きる?」
P「そうだな、それも仕事だからな。さあ、歩きながら話そう。古着屋も行くから早く探さないとなくなるかもしれない」
凛「そうだね」
スクランブル交差点の信号が青になった。
人はわれ先にと歩き出す。
P「凛 はぐれるなよ」
凛「はぐれないように、手、つないでいい?」
P「そうだな、そうしよう」
手をつなぐと安心する。
私は、この人に見つけられて輝きだした。見つけてもらってなかったら今のように輝きはしなかったと思う。
手を握ればいい、どこへだって行ける。
凜はつないだ手をみてそう思った。
この好きな人の手には魔法がかかっていて、自分に衣装を着せて光り輝くステージへを導いてくれるかもしれない。
私は何よりも、この人に選ばれたい。選んでもらった印として。
シンデレラが美しかったのは、ドレスでもガラスの靴でもない。そのありのままの姿だから。
凛「プロデューサー、今日はありがとう」
P「ん、ああ、いやどうせ休日は近所しか行かないからちょうどいいよ。たまには遊びに行くのもいい」
凛「私さ、期待するから、プロデューサーも期待してね」
P「いったなー、まあモデルはいいからな。あとは選ぶ側のセンスがものをいうのも本当だ。いい服見つかるといいな」
凛「うん、そうだね」
言っても伝わらない気持ちをつたえるように、凜は大事そうにプロデューサーの手を握った。
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