今までずっと速報で書いてきましたが、
今回はこちらで書いてみようと思います。
どうぞよろしく。
エレミカ?
—消灯前 食堂—
パタパタパタッ
ハンナ「ごめんなさい、遅くなっちゃって!」はぁ はぁ
ミカサ「大丈夫。10分も待ってない。」
ハンナ「そう。なら良かった。」はぁ はぁ
ミカサ「急に呼び出してごめんなさい。」
ハンナ「良いよ良いよ。けど、珍しいわね。ミカサが二人で話したいなんて。」
ミカサ「迷惑だった?」
ハンナ「ううん、全然。ミカサとはあんまり話す機会もなかったから嬉しいわ。」
ミカサ「そう言ってもらえると助かる。」
ハンナ「それで? 話したい事って?」
ミカサ「うん。その・・・・・・」
ハンナ「???」
ミカサ「ハンナと・・・フランツはどうやって付き合ったの?」
ハンナ「えっ?」
ミカサ「二人の馴れ初めを聞きたい。」
ハンナ「な、馴れ初めって/// 夫婦じゃないんだから///」アタフタ
ミカサ「???」
ミカサ「『馴れ初め』は恋愛関係に発展したきっかけを指す言葉。結婚してるかどうかは関係ないはずだけれど?」
ハンナ「そ、それはそうだけど・・・」
ミカサ「何か不都合があるなら言い方を変えよう。二人の出会いから付き合うまでの経緯を知りたい。」
>>2
はい。エレミカ+αな感じです。
—同時刻 兵舎裏—
フランツ「僕とハンナが付き合ったきっかけ?」
エレン「あぁ。教えてもらえないか?」
フランツ「エレンから呼び出しなんて珍しいと思ってたけど、また随分急な質問だね。」
エレン「迷惑か?」
フランツ「いや、別に。話せと言われればいくらでも話すけど。」
—ミカサ&ハンナ—
ハンナ「なんで急にそんな事を?」
ミカサ「別に・・・・・・ただの興味。」
—エレン&フランツ—
エレン「いや、ほら。入団したばっかの頃って、まだ誰が誰だか分からないだろ?」
フランツ「うん。」
>>5
最近エレミカの良さも分かりはじめたから嬉しいかな
エレン「で、そこから少しずつ顔と名前を覚えてく訳だけどさ。」
フランツ「そうだね。」
エレン「俺がフランツとハンナの顔を覚えた頃には、二人はもう付き合っててさ。」
フランツ「あ、そうなんだ。」
エレン「うん。だから、どうやって付き合ったのかなぁって思ってさ。」
—ミカサ&ハンナ—
ミカサ「どっちから好きになったの?」
ハンナ「それは・・・」
—エレン&フランツ—
フランツ「まぁ、僕だね。」
エレン「そうなのか。」
フランツ「うん。入団式の時に見かけて、一目惚れしたんだ。」
エレン「って事は、アプローチもフランツの方から?」
—ミカサ&ハンナ—
ハンナ「それはもうすごかったわよ。」
ミカサ「ど、どんな風に?」ドキドキ
—エレン&フランツ—
フランツ「もうひたすら話し掛けまくったよ。ハンナが一人になった瞬間を狙って。」
エレン「その、なんだ・・・ロマンチックな口説き文句みたいのは?」
フランツ「もちろん駆使しまくったさ。」
—ミカサ&ハンナ—
ハンナ「ロマンチックからはほど遠かったわ。フランツはそんな器用なタイプじゃないもの。」
ミカサ「じゃあ、どんな事を言ってきたの?」
—エレン&フランツ—
フランツ「『ソバカスのある娘ってかわいいよねぇ』とか。」
エレン「それがロマンチックなのか?」
フランツ「分かってないなぁエレン。『それってもしかして私の事?』って思わせるギリギリの線を攻めていくんだよ。」
—ミカサ&ハンナ—
ハンナ「ギリギリの『ギ』の字もないでしょ? 私、思わず笑いそうになったもの。」
ミカサ「確かに。他には?」
—エレン&フランツ—
フランツ「『料理はするの?』って訊いたね、確か。」
エレン「そしたら?」
—ミカサ&ハンナ—
ハンナ「『実家にいた頃、たまに作ってた』って答えたわ。」
ミカサ「フランツは何て?」
—エレン&フランツ—
フランツ「『料理のできる娘と結婚するのが昔からの夢なんだ』って言ってやったよ。」
エレン「おぉ、さっき言ってたギリギリを攻める作戦だな!?」
—ミカサ&ハンナ—
ハンナ「ド直球も良いとこでしょ? さすがに笑いを通り越して引いたわ。」
ミカサ「う〜ん、確かにそれは不器用すぎるような・・・・・・」
ハンナとフランツ好きだから応援してる
—エレン&フランツ—
フランツ「きっと当時、ハンナは『この人はもしかして私の事が好きなの?』って悶々としてた筈だよ。」ニヤリッ
エレン「だろうなぁ。」
—ミカサ&ハンナ—
ハンナ「自惚れる訳じゃないけど『この人どんだけ私の事が好きなんだろ』って、ちょっと可愛く思ったわ。」
ミカサ「うらやましい・・・」ポォー
ハンナ「エヘッ///」テレテレ
ミカサ「・・・・・・でも」
ハンナ「えっ?」
—エレン&フランツ—
エレン「それはあくまで付き合う下準備みたいなもんだろ?」
>>7
奇遇ですね。
僕も最近になって良さが分かってきたから書いてみたんですよ。
>>12
ありがとうございます。
頑張ります。
進撃における恋愛=死亡フラグの先駆けだからなアンナとフランツ
>>14
違う所のSSのエレミカ読んで思わず泣いてしまった
フランツ「まぁ、そうだね。」
—ミカサ&ハンナ—
ミカサ「付き合う事になった直接のきっかけは?」
ハンナ「あ〜、それはねぇ・・・」
—エレン&フランツ—
フランツ「実はエレンのお陰でもあるんだ。」
エレン「はぁ? 俺?」
—ミカサ&ハンナ—
ハンナ「正確にはエレンとアニのお陰ね。」
ミカサ「どういう事?」
ハンナ「えっとね・・・・・・」
—3年前 対人格闘訓練—
フランツ「やぁ。」
ハンナ(出た。ド直球くん。)
ハンナ「おはよう。」
フランツ「良かったら、ペア組まない?」
ハンナ「・・・良いわよ。」
ハンナ(まぁ、良っか。別にセクハラとかしてくるような人じゃないし。)
キース「全員ペアを組んだようだな。では、始め!!」
ワー ワー ワー
フランツ(ならず者役)「ふっ! はっ! たぁ!」ブンッ ブンッ
ハンナ「くっ・・・!」
ハンナ(一振り一振りが速いし重い・・・そっか。よく考えたらこの身長差だもの。根本的な体力からして違うのよね・・・)
フランツ「うりゃっ! せいやっ!」ブンッ ブンッ
ハンナ(どうしよう・・・・・・)
エレン「ま、待てよアニ! これにはやり方があるんだって!」ヒョコッ ヒョコッ
ハンナ「!」
グイッ
エレン「もがっ!」
バキッ ドサッ
ハンナ「!!」
ハンナ(すごい・・・あんな小さな娘が男の子をひっくり返した・・・)
フランツ「それっ! たぁっ!」ブンッ ブンッ
ハンナ「・・・。」
フランツ「せいっ!」ブンッ
ハンナ(今だ!)ガシッ
フランツ「えっ!?」
ハンナ(避けざまに刃物を持った方の手首を押さえて・・・)
グイッ
フランツ「もがっ!?」
ハンナ(もう片手で相手のアゴを押さえて)
フランツ「ちょ、ちょっと!?」
ハンナ(あとは太ももを一気に・・・)ヒュッ
ハンナ(蹴る!)
バキッ
フランツ「んな!?」
ドサッ
ハンナ「やったぁ! 一本!」
フランツ「」チーン
ハンナ「すごいなぁ。本当に男の子をひっくり返しちゃった。」
フランツ「」
ハンナ「どうしたの? フランツくん・・・だっけ?」
フランツ「」
ハンナ「ちょっと? 起きて。今度は私がならず者役よ。」
フランツ「」
ハンナ「・・・フランツくん?」
>>16
ですねぇ。
二巻の心肺蘇生シーンはトラウマです。
>>17
何ていうスレタイですか?
フランツ「」
ハンナ「・・・・・・。」
フランツ「」
ハンナ「フランツくん!?」
フランツ「」
ハンナ「きょ、教官殿!!」
キース「ん?」
—医務室—
医務官「軽い脳震盪で意識を失っていたようだな。」
キース「そうか。」
フランツ「ははっ。一瞬の事すぎて受け身も間に合わなかったよ。」
ハンナ「・・・・・・ごめんなさい。」
フランツ「大丈夫だよ。先生、別に命に関わったりはしませんよね?」
医務官「あぁ。その心配はいらないな。」
フランツ「ほらね。」
ハンナ「でも・・・私が調子に乗ってあんな事したから・・・」
フランツ「大丈夫だって。気にしない気にしない。」
ハンナ「・・・。」グスッ
フランツ「ちょ、ちょっと! 泣かないでよ!」アタフタ
ハンナ「ごめんなさい・・・」ヒック
フランツ「ななな、泣いたら・・・かわいい顔が台無しだよ!」アセアセ
ハンナ「・・・・・・」グスッ
フランツ「ね、ねぇ・・・ハンナちゃん・・・」オロオロ
キース「訓練に怪我は付き物だ。」
フランツ「ほ、ほら。教官殿もこう言って」
キース「ただし、教えてもいない我流の技で相手に怪我をさせた事は軽視できん。貴様には罰を与える。」
フランツ「そんな! 教官殿・・・・・・」
キース「反省文の提出。並びに・・・・・・」
ハンナ「・・・・・・。」グスッ
フランツ「・・・・・・。」オロオロ
キース「・・・・・・次の休暇に二人で外食にでも行ってこい。」
ハンナ「えっ?」
フランツ「えっ?」
キース「つまり、わだかまりを解消してこいという意味だ。」
ハンナ「・・・・・・。」キョトン
フランツ「・・・・・・。」キョトン
キース「腑に落ちんか?」
ハンナ「あっ、はぁ・・・・・・」
フランツ「まぁ・・・その・・・」
キース「では訊こう。貴様ら、今からペアを組んで巨人と戦ってこいと言われて、生きて帰ってくる自信はあるか?」
ハンナ「い、いえ!」
フランツ「ありません!」
キース「当然だな。まだ訓練兵である事もそうだが、そんなギスギスした状態ではチームワークなど到底期待できない。巨人の餌になるのがオチだ。そして、その被害は周りにも及びかねない。」
ハンナ「・・・・・・。」
フランツ「・・・・・・。」
キース「貴様らが3年後、どの兵科に志願するつもりかは知らんが、いずれにせよ巨人を倒す技術と協調性が認められる者にしか卒業は許可されん。」
キース「故に、わだかまりが完全に根を下ろす前に摘み取る必要がある。良いか? 命令だ。」
ハンナ「はぁ・・・」
フランツ「えっと・・・はい。」
キース「なんだその気の抜けた返事は!!!?」
ハンナ「!!」ビクッ
フランツ「りょ、了解いたしました!!」ビシッ
ハンナ「了解いたしました!!」ビシッ
キース「うむ。では、私は訓練場に戻る。貴様らももう少し休んだら戻ってこい。」
ハンナ「はっ!!」ビシッ
フランツ「はっ!!」ビシッ
医務官「私も事務室に書類を取りに行くから席を外すよ。」
—廊下—
医務官「・・・・・・ったく、キースは相変わらず人が良いな。」
キース「なんの事だ?」
医務官「とぼけるなよ。あの坊主の片想いに気付いたからあんな罰を命じたんだろ?」
キース「見当違いも甚だしいな。」
医務官「はっはぁ、よく言うぜ。二人で外食なんて、そんな罰聞いたことねぇよ。」
キース「どうとでも解釈していろ。」
医務官「へぇへぇ、そうさせてもらいますよ。」
キース「ふん。」
医務官「・・・・・・思い出すなぁ。」
キース「何をだ?」
医務官「俺とお前が訓練兵で、同じ釜の飯食ってた頃さ。」
キース「・・・。」
医務官「俺とかみさんの仲を取り持ってくれたのもお前だったよな。」
キース「・・・・・・知らんな。」
キースはやっぱりいい奴
ハゲで怖い顔のキューピッドか……
>>37
SSの流れの中で美化されてきた部分もあるかも知れませんけど、
それにしたってやっぱかっこいいと思います。
>>38
さりとて、その運命の矢の命中精度には定評がある、とwww
—医務室—
ハンナ「・・・・・・。」
フランツ「・・・・・・えっと・・・」
ハンナ「・・・・・・。」
フランツ「・・・なんか・・・変な罰を命じられちゃったね。」
ハンナ「そうね・・・。」
フランツ「あの・・・嫌だったら別に良いよ。」
ハンナ「命令だもの。行くわ。」
フランツ「いや、別にそんなの、僕が口裏を合わせれば」
ハンナ「良いってば。行くから。」
フランツ「そ、そう?」
ハンナ「うん。」
ハンナ「・・・・・・。」
フランツ「・・・・・・。」
ハンナ「・・・・・・。」
フランツ「・・・・・・。」
ハンナ「・・・・・・どこか知ってる?」
フランツ「えっ?」
ハンナ「二人で行くお店。ご飯屋さん。」
フランツ「あぁ・・・」
ハンナ「どこか良いお店、知ってる?」
フランツ「う〜ん・・・・・・」
ハンナ「・・・・・・。」
フランツ「あっ、一つ知ってるよ。」
ハンナ「ホント?」
フランツ「うん。カラネス区にあるんだけど。」
ハンナ「お洒落なお店?」
フランツ「うん。」
ハンナ「そう。」
フランツ「狭いんだけど、お洒落で料理も美味しくて・・・その・・・」
ハンナ「・・・・・・。」
フランツ「い、いつか大切な人ができたら行きたいなって・・・思ってたんだ。」
ハンナ「・・・・・・そうなんだ。」
フランツ「うん・・・」
ハンナ「・・・・・・。」
フランツ「・・・・・・。」
ハンナ「じゃあ・・・」
フランツ「・・・・・・。」
ハンナ「そのお店、行きましょ。」
—現在 エレン&フランツ—
フランツ「で、そのお店に行った当日に告白して、付き合う事になったんだ。」
エレン「マジか・・・」
—ミカサ&ハンナ—
ハンナ「フランツったら、待ち合わせの時点から『告白するぞオーラ』全開だったのよ。もうほとんど『告白待ち』みたいなデートだったわ。」
ミカサ「でも、ハンナはそれでOKを?」
ハンナ「うん・・・・・・なんだろ、すごく一生懸命で、優しいところにいつの間にか惹かれてたみたい。」
—エレン&フランツ—
フランツ「で、それのそもそものきっかけって言ったら、エレンとアニの対人格闘だろ? だから二人のお陰なんだ。」
エレン「なるほどなぁ。」
—ミカサ&ハンナ—
ハンナ「エレンが痛い目に遭ってくれたのも無意味じゃなかったって事ね。」
ミカサ「けど、それを言うならフランツの方がエレンよりもっと痛い目に遭ってる。」
—エレン&フランツ—
フランツ「確かに。気絶までしちゃったしね。」
エレン「そうだよ。俺よりよっぽど重傷じゃねぇか。」
フランツ「はははっ。違いないや・・・・・・でも」
—ミカサ&ハンナ—
ハンナ「こんな事訊いてどうするの?」
ミカサ「えっ?」
—エレン&フランツ—
フランツ「ただの興味って言ってたけど、本当にそれだけなのかな? エレンがわざわざ僕を呼び出してこんな事を訊くなんて、不自然な気がするんだけど。」
エレン「それは・・・」
—ミカサ&ハンナ—
ハンナ「もしかして・・・・・・何か悩みでもあるの?」
ミカサ「・・・・・・。」
—エレン&フランツ—
フランツ「・・・・・・図星なんだね。」
エレン「・・・・・・あぁ。そうだよ。」
フランツ「でも、どうしてその相談相手が僕なの?」
—ミカサ&ハンナ—
ハンナ「もちろん嫌な気はしないわよ。相談するからには、それなりに信用してくれてるんでしょ?」
ミカサ「もちろん。同期だから信用はしてる。」
—エレン&フランツ—
フランツ「光栄だよ。でも、どうしてアルミンじゃなくて僕に?」
エレン「・・・・・・アルミンじゃ・・・ダメなんだ。」
—ミカサ&ハンナ—
ミカサ「アルミンは物知りで、かけがえのない親友。でも、この相談だけはハンナにしかできない。」
ハンナ「私にしか?」
—エレン&フランツ—
フランツ「どうして?」
エレン「同期の中で、恋人がいて気軽に話せる相手っていうと、俺にはフランツしか思い付かなかった。」
—ミカサ&ハンナ—
ハンナ「それってもしかして・・・」
ミカサ「・・・・・・。」
—エレン&フランツ—
フランツ「恋愛相談?」
エレン「・・・・・・あぁ。」
—ミカサ&ハンナ—
ハンナ「エレンと」
—エレン&フランツ—
フランツ「ミカサと」
「「付き合いたい?」」
可愛い 凄く可愛い
ので、心から支援する
ニヤニヤしてる俺キメェ
>>53
ありがたい。すごくありがたい。
ので、最後まで頑張る。
>>54
大丈夫。
書きながらニヤニヤしてた僕が一番キショいですからwww
エレンとミカサ二人は似合う。のでもっとエレミカを増やすべき
—ミカサ&ハンナ—
ミカサ「・・・・・・。」コクッ
ハンナ「ま、待って待って! ミカサとエレンは家族じゃないの!?」
ミカサ「そう。家族。」
ハンナ「じゃあ・・・・・・えっと、ミカサはお姉ちゃん? 妹?」
ミカサ「どちらでもない。」
—エレン&フランツ—
フランツ「どちらでもない?」
エレン「あぁ。同い年だからな。アイツは俺ん家の養子なんだ。血の繋がりはねぇよ。」
フランツ「そうなの?」
エレン「まぁ、その・・・・・・話すと長くなるからはしょるけど、ミカサは10歳の時に両親を亡くしてるんだ。それで、知り合いだった俺の家が養子として迎え入れたんだよ。」
—ミカサ&ハンナ—
ハンナ「・・・・・・ごめんなさい。嫌な事訊いちゃって・・・」
ミカサ「平気。隠さなければならないような事ではないから。」
ハンナ「・・・・・・じゃあ、その頃からずっと好きだったの?」
ミカサ「・・・・・・。」コクッ
—エレン&フランツ—
エレン「10歳なんて確かに子供かも知れないけど、男と女の区別もつかないほど幼くはないだろ?」
フランツ「まぁねぇ。」
エレン「その・・・家族の俺が言うのも何だけど・・・・・・ミカサ、かわいいし・・・」
フランツ「あっ、エレンにもそういう感覚はあるんだ。」
エレン「失礼な奴だな。」
フランツ「ははっ。ごめんごめん。でも、そうだね。確かにミカサがかわいいのは認めるよ。あんなかわいい娘がずっと『エレン、エレン』って後ろをついてきたら、そりゃあ好きにもなるよね。」
エレン「あぁ。そうなんだよ。とは言え、ミカサが悲しみのドン底にいるのは痛いぐらい分かってたからな。こっちの気持ちも伝えるに伝えられなくて、なんか成り行きで今日まで来ちまったんだ。」
—ミカサ&ハンナ—
ミカサ「エレンは私の事を、親を亡くした可哀想な娘だから優しくしてくれてるんじゃないかと、ずっとそう思ってきた。」
ハンナ「・・・・・・。」
ミカサ「私が想いを伝えて、もしフラれてしまったら、もうエレンは優しくしてくれないんじゃないかと。それが怖くて、ずっと・・・」
ハンナ「・・・・・・。」スッ
ナデナデ
ミカサ「・・・ハンナ。」
ハンナ「そんな無理して、自分を圧し殺さなくても良いんじゃないかしら?」ナデナデ
ミカサ「・・・・・・うん。」
—エレン&フランツ—
エレン「俺はやっぱり巨人を一匹残らず駆逐したいって気持ちは捨てきれないんだ。母さんの仇だからな。だから、卒業後は調査兵団に入りたい。」
フランツ「入団当初から言ってたよね。」
エレン「あぁ。けど、それはつまり、いつ死んでもおかしくない状況に自分から飛び込んでくワケだろ?」
—ミカサ&ハンナ—
ミカサ「ならば、まだ訓練兵でいられる今の間に、私の想いだけでも伝えたい。」
ハンナ「そっか。」
ミカサ「言葉を交わせなくなってから後悔するのだけは・・・・・・嫌。」
ハンナ「うん。」
>>57
同意する。
ので、増やすべき。
—エレン&フランツ—
エレン「だから、一番の目的は生きてる内に気持ちを伝える事なんだ。でも、まぁ・・・・・・その・・・・・・」
フランツ「できる事なら恋人になりたい?」
エレン「・・・・・・あぁ。」コクッ
フランツ「だよね。告白するからにはOKをもらいたいよねぇ。」
—ミカサ&ハンナ—
ミカサ「だから、恋人のいるハンナにしか相談できない。どうしたらエレンと付き合えるだろう?」
ハンナ「ん〜・・・」
ミカサ「作戦を一緒に考えて欲しい。」
ハンナ「作戦かぁ・・・」
—エレン&フランツ—
エレン「頼めないか? フランツ。」
フランツ「ん〜・・・もちろん、僕にできる事なら全力で手伝うよ? 手伝うけどさぁ・・・」
エレン「???」
フランツ「二人の場合、そんな小細工は・・・」
—ミカサ&ハンナ—
ハンナ「いらないんじゃない?」
ミカサ「えっ?」
ハンナ「そういう作戦って、要は相手とお近づきになったり信用を得るために立てる物でしょ?」
ミカサ「うん。」
—エレン&フランツ—
フランツ「その点、エレンとミカサはもう十分すぎるぐらい近いし、信頼関係も築いてるじゃないか。」
エレン「まぁ、そうだな・・・」
フランツ「じゃあ後はもう、さっき僕に言った内容をそのまま伝えるだけじゃないかな?」
—ミカサ&ハンナ—
ミカサ「それだけで・・・・・・良いの?」
ハンナ「うん。十分だと思うわ。」
—エレン&フランツ—
フランツ「まぁ、昨日まで家族だった相手と恋人になるなんて、そんなアクロバティックな作戦、僕の頭じゃ思い付かないってのも事実だけどさ。」
エレン「あぁ・・・悪い。そうだよな。」
フランツ「ただね、思うんだけど、最後は何だかんだ言っても“真心”だよ。」
—ミカサ&ハンナ—
ミカサ「“真心”?」
ハンナ「そう。私もフランツが初めての彼氏だし、恋愛の達人なんかとは程遠いけど、それだけは分かるわ。」
—エレン&フランツ—
フランツ「恋ってさ、決して純粋な気持ちだけでは成り立たないでしょ? 早い話が『身体を重ねたい』って感情だって必ずどこかにはある筈だよね?」
エレン「まぁ・・・・・・それはな・・・」
フランツ「もちろんそれだけじゃただの“下心”だけど、でも、それを『そばにいたい』『幸せにしたい』『笑顔でいて欲しい』っていう“真心”が上回った時、それは“下心”から“恋心”に変わるんじゃないかな?」
エレン「“恋心”・・・・・・」
フランツ「正直、エレンがミカサの心情を慮(おもんぱか)ってる気持ちとかを聞くにつけ、そこにはもう十分“真心”があると思うよ。」
—ミカサ&ハンナ—
ミカサ「エレンを思いやる気持ちだけは・・・・・・誰にも負けない。」
ハンナ「なら、もう十分じゃない?」
—エレン&フランツ—
フランツ「あとは、真っ向から勝負するだけだと思うなぁ。」
エレン「そうか・・・・・・分かった。」
フランツ「健闘を祈るよ。」
エレン「あぁ。ありがとな。」
—ミカサ&ハンナ—
ハンナ「もしフラれた時は、私がいっぱい愚痴でも何でも聞いてあげるわよ。」
ミカサ「・・・・・・ありがとう。」
ハンナ「どういたしまして。」
—エレン&フランツ—
エレン「フランツ。」
フランツ「なに?」
エレン「本当に助かった。今度、もしフランツに何か困った事があったら言ってくれ。全力で助けに行くからさ。」
フランツ「はははっ。頼もしいなぁ。ありがとう。その時はよろしく頼むよ。」
ちょっと休憩します。
乙
ありそうでなかった感じが良いね!
ハンナとフランツもいいな〜
—翌日 消灯前の食堂—
ミカサ「急に呼び出してごめんなさい。」
エレン「お、おう。別に良いけど。」
エレン(なんだ一体? 昨日フランツとあんな話したばっかだから緊張する・・・)ドキマギ
ハンナ at 物陰(ミカサ! 頑張れ!)
フランツ at 床下(ミカサがエレンを呼び出してるのを目撃したからつけてみたけど、これは・・・っ!)
エレン「なんだよ、話って?」
ミカサ「その・・・・・・エレン・・・」モジモジ
エレン(ちょっ、モジモジやめてくれ! かわいくて死ぬ!)
ミカサ「私は・・・今からエレンをすごく驚かせる発言をする・・・」モジモジ
エレン「はっ?」
ミカサ「ので、先に謝っておく。ごめんなさい。」ペコッ
エレン「いやいやいや・・・なんだよ? 俺を驚かせるって・・・」
ミカサ「私には好きな人がいる。」
エレン「!!!?」
床下(なにぃ!?)
物陰(よしっ! ミカサその調子!)グッ
エレン「す、好きな人?」
ミカサ「・・・・・・。」コクッ
エレン(誰だ!? アルミンか!?)
床下(ライナーか!?)
エレン(マルコか!?)
床下(コニーか!?)
エレン(あっ!!)
床下(まさか!!)
エレ床((ジャン!!!?))
ミカサ「その人の名前は・・・」
エレン(やめてくれぇ!! ジャンだけは!! ジャンだけは嫌だ!!)
床下(ま、まずい! エレン、どうする!?)
エレン(クソッ! こうなったら・・・!)
ミカサ「エ」
エレン「ストップ!!」
ミカサ「えっ?」
エレン「そ、その・・・・・・お前に好きな人がいるのは分かった! その人の名前も後で聞く! けどその前に、俺の話を聞いてくれ!」
ミカサ「エレンの話?」
エレン「俺にも好きな人がいる!!」
ミカサ「!!!?」
物陰(なにぃ!?)
床下(よ、よしっ! 良い判断だ! 少し強引だけど、ここは先に気持ちだけでも伝えた方が良い!)
ミカサ(だ、誰・・・? クリスタ!?)
物陰(サシャ!?)
ミカサ(ユミル!?)
物陰(ミーナ!?)
ミカ物陰((アニ!?))
ミカサ(・・・だったら削ぐ!!!!)ギロッ
エレン「ミカサだ!!」
ミカサ「!!!?」
物陰(!!!?)
床下(ぃよっしゃぁ!!!!)グッ
エレン「俺は・・・・・・ミカサが好きだ!!」
ミカサ「・・・。」キノウテイシ
物陰「・・・。」ボウゼンジシツ
床下(よう言うた!!!! アンタは漢や!!!!)
ミカサ「え・・・あの・・・」
エレン「ずっとずっと好きだった! 家族としてじゃない! 一人の女の子として!」
エレン「かわいくて、誰よりも俺のこと大切にしてくれて、どこに行くのも一緒で・・・・・・俺は、ミカサがす・・・」
ミカサ「・・・・・・『す』?」
エレン「いや、違う・・・俺は・・・」
物陰(エレン・・・)
床下(行けぇ!!)
エレン「ミカサを愛してる!!」
ミカサ「!!!!」
物陰(エレエェェェェェン!!)
床下(うおぉぉぉぉぉぉぉ!!)
エレン「愛してるんだ! 一秒たりとも離れたくないぐらいに!」
ミカサ「・・・・・・。」
エレン「本気で!! 本気で・・・・・・」
ミカサ「・・・・・・。」
エレン「・・・・・・はぁ〜。」
ミカサ「エレン?」
エレン「俺が言いたいのは・・・以上だ。悪かった。」
ミカサ「ど、どうして謝るの・・・」
エレン「もっと早く言うべきだった。俺が根性無しなばかりに今の今まで引き延ばして、挙げ句、お前に好きな人が出来てから告白するなんて・・・・・・情けねぇ・・・」
ミカサ「エレン! それはちが」
エレン「けど、ミカサの恋路を邪魔しようなんて思わない。今のは俺が自分勝手にケジメをつけただけだ。付き合わせて悪かったな。」
床下(あぁ、そうだ・・・・・・)
エレン「ほら、今度はお前の番だ。」
床下(まだそれが残ってたんだ・・・・・・)
エレン「聞かせてくれよ・・・・・・お前の好きな人。」
床下(世界は残酷だな。でも、大丈夫だよエレン。僕には君の男泣きに付き合う覚悟がある。)
エレン「誰の事が好きなん」
ガバッ
エレン「!?」
物陰「!?」
床下「!?」
ミカサ「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん」ギュゥー
エレン「み、ミカサ!?」
ミカサ「私もエレンが好ぎいぃぃぃぃぃぃぃぃ」ギュゥー
エレン「えっ!?」
床下(こ、これは!?)
物陰(やったぁ!!)
ミカサ「大好き!! 愛してる!! もう絶対離れない!!」ギュゥー
エレン「ちょ、ミカサ・・・・・・」
ミカサ「嬉しい・・・・・・生きてて良かった・・・・・・」ポロポロ
エレン「・・・・・・マジで言ってるのか?」
ミカサ「うん・・・」ポロポロ
エレン「じゃあ・・・ミカサが好きな相手って・・・」
ミカサ「エレンに決まってる・・・」ポロポロ
エレン「・・・・・・はっ・・・はははっ。なんだ・・・そうか・・・」
ミカサ「うん・・・」ポロポロ
エレン「両想いだったんじゃねぇか・・・俺たち・・・」
ミカサ「うん・・・」ポロポロ
エレン「そ、そっかそっか・・・はははっ。」
ミカサ「エレン・・・」
エレン「ん?」
ミカサ「お願いがある・・・・・・」
エレン「なんだ?」
ミカサ「抱き締めて・・・・・・」
エレン「えっ?」
ミカサ「私だけ抱きついているのは寂しい・・・・・・」
エレン「ミカサ・・・・・・」
ミカサ「お願い・・・・・・」
エレン「・・・・・・喜んで。」ギュッ
ミカサ「・・・・・・エレン・・・あったかい・・・」ポロポロ
エレン「ミカサ・・・泣ぎすぎだ・・・」グスッ
ミカサ「エレンも・・・」ポロポロ
エレン「だってお前・・・・・・5年越しの恋が実ったんだぞ・・・・・・」ポロポロ
ミカサ「私も一緒・・・・・・」ポロポロ
エレン「ミカサ・・・・・・」
ミカサ「エレン・・・・・・」
愛してる
ハンナ from 物陰「えんだあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」ガバッ
エレミカ「!?」ビクッ
フランツ from 床下「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」バキィッ
エレミカ「!!!?」ビックゥッ
シーン
ハンナ「・・・・・・。」
エレミカ「・・・・・・。」
フランツ「・・・・・・。」
エレミカ「・・・・・・。」
ハンナ「・・・・・・。」
エレミカ「・・・・・・。」
フランツ「・・・・・・。」
エレミカ「・・・・・・。」
ハンナ「さぁ、フランツ。部屋に戻りましょう。」
フランツ「そうだねハンナ。」
エレン「待てぇっ!!」
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
エレン「そっか。ハンナに相談してたのか。」
ハンナ「えぇ。」
ミカサ「エレンも、フランツに。」
フランツ「そうだね。」
エレン「なぁんだ。お互い、考える事は一緒ってワケか。」
ミカサ「そうらしい。」
ハンナ「ふふふっ。さすが家族ね。」
フランツ「家族の絆を兼ね備えたカップルか。良いなぁ。無敵じゃないか。」
エレン「へへっ///」
ミカサ「///」
ハンナ「あら? 私たちも負けてないつもりだけど?」
フランツ「あっ、う、うん。もちろんだよ。」
エレン「なんだよ。見せ付けてくれるじゃねぇか。」
ハンナ「ふふふっ。」
フランツ「あはっ。」
エレン「けど、とにもかくにもさ、」
エレン「フランツ」
ミカサ「ハンナ」
本当にありがとう。
おしまい
一旦これでメインパートはおしまいです。
この後、ほんの少しだけオマケを用意してます。
おまけ
—850年 トロスト区—
ガシッ
フランツ「うわっ!?」
ハンナ「フランツ!!」
巨人「・・・・・・。」ガパッ
フランツ「ハンナ!! に、逃げるんだ!!」
ハンナ「嫌!! フランツを置いていくなんて!!」
巨人「・・・・・・。」アーン
フランツ「くっ!!」
ハンナ「お願い!! やめてぇ!!」
巨人「・・・・・・。」イタダキマァス
ハンナ「フランツうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!」
グシャッ
ずどぉぉぉぉぉぉん
フランツ「うわっ!?」ドサッ
ハンナ「ふ、フランツ!!」ダッ
フランツ「アイテテテ・・・」ムクッ
ハンナ「け、怪我は!?」
フランツ「あぁ、大丈夫だよ。それより・・・」
奇行種「・・・・・・。」ゴゴゴゴゴッ
巨人「・・・・・・。」シュワアァァァァ
フランツ「な、なんだ・・・・・・」
ハンナ「巨人が・・・・・・巨人を殺した?」
奇行種「・・・・・・。」チラッ
フランナ「「!!!!」」ビクッ
奇行種「・・・・・・。」グググッ
フランツ「くっ・・・今度は僕達を襲う気か!?」
ハンナ「・・・っ!」ガタガタガタ
奇行種「・・・・・・。」ビシッ
フランツ「・・・・・・えっ?」
ハンナ「親指を立てた?」
奇行種「・・・・・・。」クルッ
ズシン ズシン ズシン
ハンナ「行っちゃった・・・」
フランツ「何なんだ、あれは・・・」
ハンナ「奇行種・・・よね・・・・・・」
フランツ「まぁ、それはもちろんそうだろうけど・・・・・・」
——今度、もしフランツに何か困った事があったら言ってくれ
——全力で助けに行くからさ
おしまい
以上で全て終わりです。
ありがとうございました。
改めまして、お付き合い下さった皆さん、本当にどうもありがとうございました。
今回のSSで13本目。
飽きもせずよく書いたもんだwww
フランナとメインキャラが仲良くしてるSSを書いてたらいつの間にかエレミカと合流してこうなりました。
ここで一つお願いがあります。
暇つぶし・エレ速・インバリアント等、いずれのサイトへの転載も大歓迎ですが、
進撃の巨人速報への転載だけはご勘弁下さい。
あのサイト、勝手に文章を改ざんされるから好きじゃないんです。
ワガママ言ってすみません。
では、失礼いたします。
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません