俺とした事がうかつだった。誰かに見つかるなんて事、絶対にないと信じてたのに……。
恐らくその安心感が命取りだったのだろう。予め何時誰がここに来るか知っていればこんな事にはならなかった。
俺はただただ目の前の人物の反応を待つ事しかできない、言い訳をするやる気すらでてこない。
男の娘「それって…ハンカチだよね?」
男「………」
ああ、当たりだ。ハンカチだ。
男の娘「たしか"男くんは"ハンカチ、忘れてたんだよね?」
あぁ、そうだ。俺は今日ハンカチを忘れた。
だから教室で昼飯を食べていてお茶をこぼした時、一貫の終わりかと思えた。
その時、不思議な事に女の子がそっとハンカチを渡してくれた。
ただの女子じゃない、この学校のどの男子が見ても惚れてしまう様な、とびっきりの美少女だ。
俺はその時、天にも昇る思いだった。ハンカチをくれた事も嬉しかったが、それだけじゃない。
彼女が俺の事を[自分のハンカチを貸してもいい人物]と見なしてくれた事が、俺の中で最高に嬉しかった。
そのを信頼を、俺はドブに捨てた……。
彼女のハンカチを嗅ぎながら、オナニーしてしまったのである、俺は、教室で。
そして俺はそれを見られてしまった。唯一、親友と呼べるであろうただ一人の人物に……。
これが、今の俺の状況を表す大体のまとめである。
男の娘「へぇ…。男くんってそんな趣味があったんだ……。」
言い返す言葉も無い。その通りだ。自覚はなかったが、俺にはこんな趣味があったみたいだ。
男「……ばらすのか?」
男の娘「……そう思う?」
男「………。」
さすが俺の親友だ。人が良くできてる。こんなクズで変態野郎の俺とは大違いだ。
男「…見つけてくれたのがお前でよかった。もし他の奴だったらとんでも無い事になってたよな……。」
男「もう二度とこんな事しない。ありがとな。お前のお陰だ。」
早く今の出来事を忘れたい。コイツの顔を見ていると今にも思い出してしまいそうなので俺は急いで教室をでーー
男の娘「…待ってよ」
男「…うん?」
少し寒気がした。
男の娘「それって、女さんのでしょ?…たしか、お昼に貸してもらった奴だよね?」
男「…あ、あぁ……。」
男の娘「男くんがその、女さんが親切で貸してくれたハンカチでオナニーする様な人って女さんが知ったら」
男の娘「女さん、どんな事を思うんだろうね…?」
これは…あれか?相手の気持ちを考えて行動しろ、という親友様からのありがたいお助言なのか…?
男「…そうだな。もう話しかけてくれない、かもな……。」
男の娘「それだけじゃないよ。たぶん男くん、このクラス、いや、この学園の生徒、教師、全員を敵に回す事になるよ?」
男の娘は背後に居る為、表情までは読みとれないが…、ここまで怒りに満ちた様な
おもしろおかしくてたまらない、という様なコイツの声を俺は今まで聞いた事がなかった。
男「…お前は、俺の味方じゃ、ないのか…?」
自分でも分かるほど情けなくて悲しい声が出た……。
男の娘「んー……君次第、かな?」
君次第…?この言葉が妙に引っかかる……。
遅いのはPSP投稿だからです
ごめんないー!
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