キチデレ「男君転校しちゃうの…?」 (43)
キチデレ「じゃあ転校先潰せば転校しないね!」
女「なんで転校するの…?」
女「えっ…お父さんの仕事の都合で…?」
女「…」
女「そっかぁ…じゃあ男くんのお父さん、死んじゃえば転校しないですむね」ニコッ
>>5
それはヤンデレだろ
キチデレは親父の会社に飛行機で突っ込むくらいしかやらない
キチデレ「なんで転校するん?」
男「いや、親の都合で…」
キチデレ「ふ~ん、そうなん」
男「あ、あぁ」
キチデレ「ちなみにその親はどこに居るん?」
男「えっ?多分、家だろうな、引越しの準備とかしてるし」
キチデレ「ふ~ん」
男「な、なんでニコニコしてんのかな」
キチデレ「えっ?なんでもないなんでもない。本当本当」
男「……」
~自宅~
ガチャ
姉「おっ、おかえりんこ」
男「ただいまんこ」
姉「ふぇひひひ、ノリ良いじゃん」
男「あのさ、姉ちゃんは引越しの準備終わった?」
姉「うん、終わっとるよ。なんで?」
男「いや、それならいいんだけどさ」
姉「ふ~ん、あっ、そだそだ!モンハン手伝ってよ」
男「嫌だよ、俺だって引越しの準備終わってないし」
姉「うっわノリ悪いなぁ」
~リビング~
男「ただいまー」
母「あっ、おかえりなさい。どうだった?学校」
男「別にぃ、お別れ会なんてする歳じゃないし……まぁ、ちょっと寂しかったかな」
母「そう。アンタも早く準備終わらせちゃいなさいよ?明後日には出るんだから」
男「うん……あのさ、母さん」
母「ん~?」
男「いや、なんでもない!部屋行って片付けてくる!」タッタッタ
母「?どうしたのかしら」
姉「まっ、思春期ボーイだから色々と有るんでしょ」
~部屋~
男「……」ガサガサ
男「高校変わるのはいいけど、馴染めるのかなぁ」
男「それより、あいつらとはまた会えるのかねぇ。携帯で連絡は取れるけど遠いし会えないだろうなぁ」ガサガサ
男「……寂しいな、やっぱり」
男「まっ、あんま引きづらない方がいいだろ。早く片付けしないとな」
男「………ん?なんだこれ」スッ
男「えーっと、こんな人形持ってたっけ?ゲーセンで取ったのかなぁ…ん?」
男「マフラー?それに手袋……なんで押し入れの隅にあるんだろ」
男「きっと母さんに貰って使わず放置してたんだろうな、ちょうどいいや、向こうで使うかな」ガサガサ
~PM8:00~
男「ねぇ父さん」
父「ん?どうしたんだ」
男「いや、引越しの事なんだけどさ…1日伸ばすとか出来ないかな」
父「……どうしてだ?」
男「引越しは明後日だろ?ほら、明後日って金曜だし、もう一日したら土曜日なんだよ」
父「思い出作りか?」
男「あ~、うん…」
父「すまん、父さんも土曜から次の部署で仕事が入ってるんだ」
男「そっか…うん、なんかごめん」
姉「よし、じゃあ今から私とモンハンしようか!」
男「風呂入ってくるね」スタスタ
姉「……可愛くないやつ」
男「あぁ…」
キチデレ「どうしたの?」
男「俺の……俺の少なくとも大事にしてたジュラルミンが
何者かに…………姦通されてたんだ」
キチデレ「あら……それは残念…」
男「彼女からもらったんだよ……ジュラルミン…」
キチデレ「ふぅーん」
男「ほら……こんなにデカイ穴が空いてるだろ?」
キチデレ「本当すごいねぇ…いや残念」
男「俺はこんなにでかくないし、そういう趣味も持ってないんだ!」
キチデレ「そうなの?じゃ見せてよ」
~翌朝~
男「……はぁ、片付けは終わってるし。学校…行こうかな」
男「けどなぁ、昨日お別れ会したしなぁ、今更行ってもなぁ」
ピンポーン
男「母さーん、人来たよー!」
「ちょっと今手が離せないのー、出てくれなーい」
男「……姉ちゃーん」
「……」
男「くっそ、分かったよ」スタスタ
ガチャ
男「……あっ」
キチデレ「おはよう」
男「お、おは……あれ?制服着てないじゃん」
キチデレ「んふふ、ほら、行こっ?」
男「は?」
~河川敷~
男「よ、よりによって河川敷って…学校の奴と鉢合わせになるじゃんか」
キチデレ「大丈夫大丈夫、まだ登校時間じゃないし、来たらあそこに隠れれば大丈夫」ビシッ
男「あそこ、確かホームレスの汚っさんが住み着いてるだろ確か」
キチデレ「そうそう、1年の頃だよね?2人でホームレスのダンボールハウスばらばらにしたの」
男「あ~、あったなそんな事」
キチデレ「……あっ、そだ!」
キチデレ「後からさ、私の家行こうよ!見せたい物が有るの」
男「断る」
キチデレ「死にたいの?」
男「え、笑顔で言うなよ…つーかお前の家で何すんだよ」
キチデレ「ナニすんの」
男「笑えねーよ」
男「……は?」
キチデレ「見せてよ」
男「いや、わけわかんないよ」
キチデレ「彼女には見せるのに」
男「そりゃ彼女には見せるさ……じゃなくて!
普通見せないんだよ!男ならともかく女だろ?!」
キチデレ「いいから見せろよ!!!」
男「見せる意味だろ!!」
キチデレ「はぁ……」カチャカチャジー
男「ちょ…なにやってんの!?」
キチデレ「脱いでんの!!!!あんたが見せないなら私が見せるの!」
~キチデレ宅~
男「……(なんか強引に連れて来られたけどさ、なんだよ見せたい物って)」
キチデレ「それは見てのお楽しみなのです」ガチャ
男「心を読むな心を」
キチデレ「それくらい容易いの~。さっ、入って入って」
男「う…お、おじゃましま
「んほぉおぉぉおおぉ!あひぎぃっひぃやぁああっはぁああぁぁあん!」
男「!?」
キチデレ「あちゃ~、ちょっといやらしい行為してるけど無視してね」スタスタ
男「えっ、いや、あ、朝からセッ
キチデレ「セックス?違うよ違うよ、パパがママに調教されてるの」
男「えっ…」
キチデレ「ほら!!!」
男「ほら!!!じゃないんだよ!恥じらい持てよ!」
キチデレ「まあ聞け…このジュラルミン……このお方は崇高の死を遂げた。
寂しい女に悦びを与えて……」
男「……」
キチデレ「……」
男「……」
キチデレ「……」
男「……いや履けよ」
キチデレ「パパってさ、私が産まれる前までは普通だったの」
キチデレ「けど産後のストレス発散って事でママがパパを
「ケツ穴で逝ぐぅうぅう!!もっどだだいでぐだじゃあぁぁあい!!」
バシーンバシーン
「んほひぎぃいぃいいぃ!!」
男「……か、帰るわ」
キチデレ「待って」ガシッ
男「い、嫌だよ!んなもん見たくも聞きたくもねーよ!つーか怖いよ!」
キチデレ「大丈夫、私は普通だから」
男「ニコニコしながら言われても説得力皆無なんだよ!」
キチデレ「はいは~い、じゃあ2階の私の部屋へご案内だよ~」ズルズル
男「い、痛いから!引きずるな引きずるな!」
~キチデレの部屋~
男「……」
キチデレ「ん?どしたのかな」
男「いや、これ…」スッ
キチデレ「これ?男君のスリッパだよ?」
男「いや、えっ…?」
キチデレ「転校するんだよ?もう要らないんだよ?だから回収したの」
キチデレ「処分される位なら再利用!どう?無駄が無いでしょ」
男「え、笑顔で言われてもな…ちょ、ちょっと引いた」
キチデレ「う~ん、こんなので引くんだ」
男「……(やっぱ帰ろう、なんかこの子ヤバいんじゃないのかね)」
キチデレ「あっ、帰れないよ?鍵掛けてるから」
男「だから心を読まないでください…」
キチデレ「へへへ」
キチデレ「よいしょ」ドサッ
男「……(えっと、これってまさか)」
キチデレ「これ?男君のボールペンとかシャーペンとかだよ?」ジャラ
キチデレ「よく落し物するでしょ?だから私が拾ってあげてたんだよ?」
男「そ、そうなんだ…あ、ありがと」
キチデレ「いや、返さないよ?」
男「あっ、そうなの…まぁ要らないし別にだけど」
キチデレ「それとね、はいこれ!」
男「……これ、修学旅行の写真だよな」
キチデレ「そだよ~、部屋は別々だったけど遊びに来てくれたんだよねぇ」
男「そんな事も有ったなぁ……いや、あのさ」
キチデレ「ん~?」
男「その…男子が女子の部屋に行くのは禁止だったよな?なんで写真なんか持ってるんだ?」
キチデレ「なんでだろうねぇ」
男「……」
キチデレ「それとね……じゃじゃーん!」
男「に、人形…?」
キチデレ「そだよぉ?お人形さん、何回か洗っちゃったからヘタレてるけど」
男「……ん?その人形、どっかで見た気がするんだけど」
キチデレ「うんうん、忘れられないよねぇ。忘れちゃうのは酷い事だよぉ」
キチデレ「……だってこれ、去年、男君が当時付き合ってた人にプレゼントした人形だもんねぇ」
男「……あっ!……えっ?」
キチデレ「悲しかったもんねぇ、これ渡した次の日に振られちゃったんだよねぇ。忘れちゃうのは無理なんじゃないかなぁ」
キチデレ「男君かなり引きずってたもんねぇ、その日に友人と一緒にカラオケ行って歌い散らかしてたもんねぇ」
男「……(は?なんでこいつが知ってるんだよ。だってこいつと仲良く?なったのは2年生の時にクラスが一緒になってからだろ?なんで1年の頃の俺を知ってんだよ)」
キチデレ「そうそう、こんなのも有ったよね」コトリ
男「……コレ、確か俺の」
キチデレ「うん。男君が1年生の時に付けてた指輪」
男「……(なんか調子乗ってた時だよなぁ、通販で買って粋がって学校に付けてそのまま募集されたやつだよな)」
男「って、なんでそんなもん持ってるんだよ」
キチデレ「そんな物?むむむ、今のは聞き捨てならないなぁ。私の宝物なんだよ?」
キチデレ「夜の11時に学校に行って針金で必死になって鍵開けてさ、やっとの思いで手に入れた私の宝物なのになぁ」スッ
キチデレ「あはは、私には大きいやこの指輪」
男「……」
キチデレ「えーっと、男君が言いたい事は分かるよ。急過ぎてびっくりしてるもんね」
キチデレ「何こいつ気持ち悪いとか、うわこいつ頭可笑しいんじゃないかとか思ってるんだよね?」
キチデレ「平気だよ、私、そういうの慣れっこだから」
男「いや、その、さ…」
キチデレ「あはははは、そんなにオドオドしないでよぉ。困っちゃうじゃん」
男「お、俺達って仲良くなったのは2年の頃からだよな?」
キチデレ「うん」
男「話すようになったのも2年からだよな?」
キチデレ「Yes」
男「じゃ、じゃあなんでそんな物持ってるんだよ」
キチデレ「見てたから」
男「は、はい?」
キチデレ「ずっとずっとずーーーっと!見てたから」
男「見てたって……1年の頃からか?」
キチデレ「うん。正確には1学期が始まって少し経った頃からだけどさ」
キチデレ「男君ってさ、1年の頃からよくあの河川敷で黄昏てたよね?」
男「えっ?あ、あぁ…まぁ。友達の部活が終わるの待ったり、暇な時あそこで寝転がってスマホ弄ってたりしてたな」
キチデレ「そうそう、私はそんな君をずっと見てたの。1年の頃から」
キチデレ「何してるんだろ?とか、風邪引かないのかなぁとか、一人が好きなのかなぁとか」
キチデレ「そっからだね、あぁ、この人の事をもう少し知りたいなって思うようになったの」
男「そ、そうなの…」
キチデレ「うん!そうなの」
キチデレ「けどねぇ、私も馬鹿だから話し掛けるってのが出来なくてさ」
キチデレ「だからね、影から見てるだけしか出来なかったんだよねぇ……私を置いて君は色んな体験をしたんだよ」
キチデレ「いつの間にか友達を増やして、いつの間にか学校に馴染んで行って、いつの間にか恋人まで作ってさぁ…」
キチデレ「羨ましかったんだ。うん、純粋に憧れてたんだと思う」
男「……」
キチデレ「だってそうだよね?河川敷での孤立する少年ってイメージしか無かったからさ、私と一緒だと思ってたからさ!だからなんか悲しかった…同時にムカついてた」
男「お、俺に、か?」
キチデレ「ううん、自分に…なんで私はその輪の中に入れ無いんだろうなって、どうして私とは違うんだろうって」
キチデレ「だから努力したの、同じにはなれなくても近づく事くらいなら出来るんじゃないかって!」
キチデレ「どうやったら人付き合いが上手く行くのかって、どうしたら毎日が楽しくなるんだろうって」
キチデレ「う~ん、まぁ、所謂人間観察みたいなのを続けてたんだよ」
キチデレ「ストーカーって言われたら否定は出来ないしするつもりも無いよ?だってずっとずっと男君を追いかけて来たんだから」
キチデレ「………あのさ、話し変えてもいいかな?」
男「へ?あ、あぁ…ど、どうぞ」
キチデレ「この人形、どうして私が持ってるのか教えてあげる」ギュッ
キチデレ「これ、当時の男君の恋人さんから奪い取ったの。悔しかったから」
男「……」
キチデレ「あれあれ?怒らないの?」
男「いや、昔の事だしさ。お前が持ってて大切にしてくれてんならそれでいいかなって」
キチデレ「その強引に都合良く丸め込もうとすれとこ、好きだなぁ」
男「ははは、ありがと」
キチデレ「……その時さ、その人に酷い事したって言ったら怒るかな?」
キチデレ「手は出して無いからね?!暴力反対暴力反対!」
男「いや、手を出してたら停学とかなっちゃうしな…で?何をしたんだよ」
キチデレ「怒らない?」
男「1年も前の話だろ?まぁそいつは確かそっから数日休んでたけど怪我とかは無かった…よな」
キチデレ「絶対絶対怒らない?」
男「怒らないから言ってく
キチデレ「その人の父親の人生をめちゃくちゃにしちゃったの」
男「……は、は?」
キチデレ「簡単だったよ?その人の家を調べて夜中に車に細工したの」
キチデレ「ママに教えて貰ったの。タイヤと車体の間のネジを緩めて、後は勝手に事故」
男「えっ…」
キチデレ「半身不随だったかな?トラックとドカーンってなっちゃったのを聞いてさすがにやり過ぎたかなって反省したよ」
キチデレ「そこから先は簡単だったよ~、数日に渡って手紙を書いてポストに入れてた」
キチデレ「この人形のせいでお父さんは事故したのですとか、このままこの人形を持っていたら貴方の身に災いがとか書いてたらあの子、すぐに捨てちゃったんだよ?」
キチデレ「酷いよねぇ、男君からのプレゼントを捨てちゃうなんてさ。おかげで人形を手に入れれたんだけどさ」ギュッ
キチデレ「中々臭いが取れなくて…頑張ったんだよ?」
男「……あの、なんでそんなことしたんだよ」
キチデレ「言ったでしょ?悔しかったの。なんで私じゃないんだろうって、どうして貴方が男君の隣に居るのかなって」
キチデレ「えへん、私ってこう見えて実行に移すタイプだから!」
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