。
妹「やめるんだ妹……」
妹「そんなこと言って、本当は嬉しいんでしょ?」
妹「そ、そんなこと……」
妹「ここはこんなに喜んでるみたいだけど?」
妹「それは……」
妹「ほら、言って見なさいよ! 自分は妹に踏まれて喜ぶ豚ですって!」
兄「……さっきからなに言ってんのお前」
妹「お、お兄ちゃん!?」
みたいなの誰か
妹「……あー、えっとね、今度やる劇の練習」
妹「ほら私、演劇部じゃん?」
兄「お前水泳部じゃん」
妹「いいえ、演劇部です」
兄「いつも競泳水着持って帰って来てんじゃん」
妹「えっと……水泳部を名乗ってるという所までが、演劇の一環なんだよ!」
妹「敵(観客)を騙すにはまず味方(兄)からって言うでしょ!?」
兄「なんと! そうだったのか……そんな事情があったとはな」
妹「あ、信じた。さすがアホ兄」
兄「なるほどなー。想像でオレを踏みつけてるように見えたのも、全ては演技だったわけか」
妹「そうだよー、全くお兄ちゃんはそそっかしいんだからー」
兄「よし!お前の心意気買ったぞ!」
妹「え?」
兄「オレもお前の演技に付き合おうじゃないか!」
妹「えー、いいよ別―――」
しかしその時、妹に電流走る―――!!
妹「……コホン、まあお兄ちゃんがそこまで言うなら、手伝ってもらっちゃおうかな?」チラッ
兄「大いに任されよう!……で、何すればいいの??」
妹「ちょ、ちょっと待ってて」ダダダッ
バタン!
タッタッタッ…
兄「……」ポツーン
~5分後~
バタン!
妹「はぁ、はぁ、お待たせ!」
兄「あ、戻ってきた」
妹「今台本でき……見つけてきたよっ!」
兄「よし、まずは何をすればいいんだ?」
妹「じゃあまず壁に両手をついて、お尻をこっちに突き出して?」
兄「こうか?」サッ
妹「うんうん、そんな感じ」
兄「次はどうすればいいんだ?」
妹「私がムチ的なものでお兄ちゃんの尻……ヒップを叩くから、そしたらこう言うの」サッ
兄「……今言い直したのは何か意味あるの?」
妹「お兄ちゃん!辛いだろうけど今は演技に集中して!」
兄「そ、そうだな!……しかし、こんなセリフ本当に言うのか?」
妹「何言ってるの、台本に書いてあるんだからしょうがないじゃん」
妹「私だって、本当はこんな鬼畜な事したくないんだよ?」
兄「そうか、お前も心を鬼にして……分かった!そのセリフ、見事に演じ切ってやる!」
妹「それでこそア……私のお兄ちゃんだよ!」
兄「さあ来い!」
妹「……あ、ちょっと待って」
兄「ん?どうした?ご主人様」
妹「お兄ちゃん、もう役に成りきって……ってそうじゃなくて!」
兄「??」
妹「うーん、ムチ的な物が用意できてないよ。どうしよ……」
兄「ムチ的な物……ハッ!?」
妹「お兄ちゃん?」
兄「ご主人様よ!これを使えッッ!!」シュルッ… ブンッ
パシッ
妹「お兄ちゃん、これは……!」
兄「オレのベルトだ!」ニコッ
兄「豚はご主人様のために身を粉にして、時として知恵を貸すこともある……そうだろう?」キリッ
妹「お、お兄ちゃん……」キュン…
兄「さあ準備はできた!やってくれ!」
ズル…
妹「あ……お兄ちゃんのおヒップが……」ゴクリ…
妹「……」キュポッ
兄「……どうした?さあ早く!」
妹「……」ササッサッサッササーッササッサッ
妹「うん、よし……お兄ちゃん!大変!」
兄「何!一体何事だっ!?」
妹「台本の最重要項目を忘れてた! ほらコレ見て?」サッ
兄「ナニナニ……むむっ!『※ただし豚役は素のままの尻を惜しげなく晒しておくこと』だとぉ……!」
妹「こんな項目があったなんて、今まで気が付かなかった……!」
兄「しかし素のままでムチを食らったら、本当の意味で怪我をしかねないぞ?」
妹「任せてお兄ちゃん、私に考えがあるの」
兄「考え……とは?」
妹「私の、私自身の腕をムチとするのよ」
兄「何ぃ!?……しかし、それは台本の内容と抵触するのではないか?」
妹「安心して、お兄ちゃん」
妹「人は極限まで筋力をしならせることによって、その肉体をもムチとすることができる……烈海王の例を思い出して!」
兄「なるほど、そういうことか!それをやったのは烈じゃないけどな!」
妹「そして台本にもムチ的なものと書かれている。ムチでなければならないとは言っていない!」
兄「!!」
兄「フッ……何もかもご主人様の采配で進んでいくとはな」
兄「この豚めは感服致しましたぞ?」ス…
妹「……!」ゾクゾクッ
妹「お兄ちゃん!……いや、この豚っ!壁に手をついて!早くッッ!!」
兄「御心のままに……ッ!」サッ
妹「はぁ、はぁ……行っくよぉおお!!」ググッ
兄「来ぉい!!」プリン♪
妹「たぁあああああッッ!!」
~劇終~
>>8先生の次回作にご期待ください
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