入須「それとも折木君、私では不服か?」 (21)

文化祭の直後、俺は入須に呼び出された。

入須「悪いな折木君。映画は大成功だった」

奉太郎「……あの話というのは?」

入須「立ち話もなんだな。少し長くなるかもしれない」

奉太郎「……」

俺と入須は以前立ち寄ったことのある茶屋に向かった。

入須「2年F組を代表して礼を言う。ありがとう折木君」

奉太郎「いえ、もうその件は……」

俺は入須が苦手だ。

今でも腹の底では何を考えているのか分かったものではない。

入須「そうか。ではこの話は一旦終わりだ。本題に入ろう」

本題? またまさか厄介ごとを……

入須「折木君、君はえると付き合っているのか?」

奉太郎「い、いえ」

いきなり何を言うんだこの人は……。

入須「そうか。では……」

入須が立ち上がる。

そしてそのまま俺の傍らまで歩いて移動し、正座をした。

近い。

入須「私と付き合ってくれないか?」

奉太郎「えっ……」

入須「折木君、私では不服か?」

入須が俺の顔を覗きこんでくる。

必然的に入須の制服を着ていてもなお大きく自己主張する胸が俺の身体に当たる。

奉太郎「入須先輩、その……当たってます」

入須「当たっているのではない。当てている」

入須「なんなら触ってみるか? いいぞ私は」

今、俺と入須の身体は密着している。

入須の髪からは千反田とはまた違ったどこか妖艶で欲を掻き立てられるいい匂いがした。

改めて入須の顔を覗きこむ。

真っ直ぐに俺を見ている。

入須はこの澄ました顔以外例えば……

理性と欲が戦い欲が圧勝した。

奉太郎「……はい」

俺は入須の胸に手を延ばした。

大きい。

到底、掴みきれない。

めちゃくちゃに揉んでみたい。

自分でも少しづつ呼吸が乱れてきているのがわかる。

入須「どうした? 好きにしていいぞ?」

入須は俺の手に自分の手を重ねた。

俺の指の一本一本が制服を会して入須の胸に食い込んでいく。

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