毒盛り男]<オリジナル> (23)

初めての投稿となります。
初めてですので所々文体がおかしいところがあるかもしれませんのでご了承下さい

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ここはとあるベッドタウンの一角、いわば良くある街。近頃この辺りを賑わすある出来事が起こっていました。
「よお太一、最近元気ねぇじゃん?どうしたんだ?」
「嫌だなぁ、見てわかんないか?あれだよ、毒盛り男の事だよ健ちゃんも知ってるだろ?」
と、この辺りに住む小学生までがその事件に関して話しているのだから、事件の大きさが窺い知れる。
「でもさでもさ、毒盛り男っても遠くからピュッて入れたりはできないんだぜ?それにさ、≪毒盛る≫って事はそれなりに怪しいカッコしてそうだし普通気づくだろ」
「でも実際にいろんな人が殺されちゃってるし…それに、気づかれないからこんなに騒がれてるんじゃない」
「そうっちゃそうだけども…そだ!」
「どうしたのさ健ちゃん…ニヤニヤしだしてさ」
「どうもこうもねえよ、捕まえちゃおうぜ」
「捕まえるって、なにをさ?
「決まってんじゃんかよ~とぼけちゃってーわかってんだろ?な?」
「それって…毒盛り男?」
「ったりめーだろ?それ以外いねーよ?」
「やだよ!それでもし毒盛り男に狙われたりしたらどうすんのさ!?」
「んな事あるわきゃねーだろ?昔から心配症なんだよ太一はさ!」
「うぅ…」
「んじゃ!今日よりここに毒盛り男対策本部を設置する!隊長はこの俺健太郎!それでは、太一隊員、今すぐ毒盛り男の情報を集めてきたまえ!」
「対策本部なんだから部長だと思うよ」
「…今俺の中ではお前が一番の毒男だぞ…」
「酷いなぁ、まぁいいけど、明日は僕の家で話そうよ」
「うむ!決定」

そう言って彼らは別れたのでした
そして次の日
「ダメじゃない健ちゃん、宿題やんないと」
「うるせぇ!俺は毒盛り男について調べたんだ!この街の平和と宿題どっちが大事か、わかってないんだいあの先生は!」
「んとねぇ、僕も調べた情報を≪メモ帳≫にまとめたんだけど…あれ?」
「どうした?太一隊員?」
「ごめ~ん、家においてきちゃったみたい」
「ガックシ、そんな事かよ、ならいいって、どうせ今日お前ん家で話すし」
「うん、だね、じゃあ、お菓子でも食べて待っててよ、探しとくからさ」
「おう、サンキューな」
「そういやさ、お前のお母さんていつもいないけどどうしたんだ?」
「ああ、お母さんならいつも働いてて夜遅くにならないと帰ってこないんだ」
「へぇ、淋しいな」
「慣れちゃえばどうってことないさ。ほら、ついたよ」
「おう、おっじゃましまーす!」
「誰もいないから言わなくてもいいのに」
「慣性の法則ってやつだよ!」
「…それ、違う気がする」
「やっぱり毒盛り男お前だよ….俺の中では」
「それじゃ、探してくるね」
「おう、その前にお菓子でもくれよ」
「ああ、ごめん、忘れてたよ。ええと、牛乳とポテチでもいいかな?」
「おう、いいぜ」
「はい、それじゃあ、ちょっと食べて待っててね」
「おーい」
こうして、その日も普通に過ぎてく予定でした。彼の予定では。
その後、彼もまた毒盛り男の事件の被害者として、殺されてしまうのです。犯人を捕まえようとした少年は犯人に捕まってしまうのでした。

ここまでで第一編が終了です。

続いて第二編が始まります

一応第五編まで続くつもりです

四題噺続き
ボクは家庭内暴力を受けていたんだ。あの女もオヤジも酒に浸って、競馬三昧、負けが込めばボクを殴り蹴り飛ばす。
愛なんざこれっぽっちも無い。
「親だから」
その一言でボクを言いくるめていた。
ウンザリだ。ボクはこんな生活に別れを告げたかった。
毎晩≪枕≫で考えるのはそれだけだ。
しかし、それは所詮子供の夢物語。現実のボクはか弱い小学生。
オヤジはおろかあの女にさえかないやしない。そう「力」では。
ある日ボクは見つけたのさ。ボクを解き放ってくれる「チカラ」を。

ある日の理科の準備室で、「ソレ」は静かにボクを待ってくれていた。
ボクはその類の知識は持ち合わせて無かったけど、それが「毒」だというのはすぐにわかった。
次の日僕は先生にばれぬよう注意しながらその毒を小瓶に少し移した。
そして、親のツマミに振りかけた。
効果はてきめん!二人して泡をふいて倒れたんだ、殴りかかろうとした瞬間をボクは今でも覚えてるよ!今までのボクみたいに膝からガクッと倒れたんだもん!ボクが殴られて膝から崩れるみたいにさ!!
あの快感はたまらないねェ。
それからボクは何かの時のためにあの親だったのを細かく切り分けて箱詰めして、密封して屋根裏に隠した。
そして、機会があれば何かの時のために理科準備室で毒を小瓶に移しといた。
でもね、やっぱり機会って中々こないんだ。それでも、あの快感をまた味わいたいんだよ。

そこでさホームレスの住処に忍び込んで、食べ物にチョット毒をまぶしたり、するんだ、そして茂みに隠れてたり、通りすがりを装えばたちまちホームレスは泡をふいて倒れこむ。ああ、快感!
でね、そのうちちいきで話題になる、みんながボクを怖がるんだ、そう、ボクは強くなったんだ!
毒盛り男がボクとは知らずにボクを怖がるんだ!ボクと普通に接しながらその話になるとボクと一緒にボクをら怖がる。その怖がってる相手が目の前にいるのにね。滑稽だね。
そして今日はまた、新しいターゲットを見つけたよ。できればやりたくないけどやらなきゃ。
だって、捕まりたくないもん。
……ちゃんが悪いんだよ。ボクを捕まえたいって言うから。
ボクの遊びを≪邪魔≫するから。
ボクは遊ぶんだもん!
遊んじゃダメなの?いいでしょ!
あ、きた!ターゲットだよ!

「ダメじゃない健ちゃん、宿題やんないと」ありがとう!おかげでお菓子に毒盛り易くなったよ!
「うるせぇ!俺は毒盛り男について調べたんだ!この街の平和と宿題どっちが大事か、わかってないんだいあの先生は!」そう!わかってないよね!毒盛り男が誰か、健ちゃんが!!
「んとねぇ、僕も調べた情報をメモ帳にまとめたんだけど…あれ?」
「どうした?太一隊員?」
「ごめ~ん、家においてきちゃったみたい」わざとね!!!
「ガックシ、そんな事かよ、ならいいって、どうせ今日お前ん家で話すし」そう、放すのさ、君をこの世からさぁ!!!!
「うん、だね、じゃあ、お菓子でも食べて待っててよ、探しとくからさ」
「おう、サンキューな」
「そういやさ、お前のお母さんていつもいないけどどうしたんだ?」
「ああ、お母さんならいつも働いてて夜遅くにならないと帰ってこないんだ」
「へぇ、淋しいな」

「慣れちゃえばどうってことないさ。ほら、ついたよ」そう!慣れればあの女を殺したこともなれるさ!!!!!
「おう、おっじゃましまーす!」
「誰もいないから言わなくてもいいのに」殺しちゃったからね!!!!!!
「慣性の法則ってやつだよ!」
「…それ、違う気がする」…やっぱり[ピーーー]必要は…
「やっぱり毒盛り男お前だよ….俺の中では」有る!!!!!!!
「それじゃ、探してくるね」
「おう、その前にお菓子でもくれよ」
「ああ、ごめん、忘れてたよ。ええと、牛乳とポテチでもいいかな?」
「おう、いいぜ」
「はい、それじゃあ、ちょっと食べて待っててね」
「おーい」
そしてさ、健ちゃんたら、疑いもせずに食べちゃうんだ。
そこからさ、パクリ、パクリと何枚か食べて苦しみ出すんだよ。だからボクはなにも知らないふりしてこういうんだ
「どうしたの?喉に詰まった?」
でもね、なにも言えないんだ。健ちゃん。
だって喉には詰まってないもん。
毒だもん。
そこから、健ちゃん、ビックリしたようにこっちみてるの。
口をパクパク金魚みたい。
そして、健ちゃんもみんなみたいに膝から崩れるんだバタッて!!!!!!!!
やった!勝った!!!!!!!!!
あ~楽しかった。そうだ、後始末忘れるとこだった。いけない、いけない、お片付けお片付けと…。

第二編が完結しました。

これで一応本筋は終了です。
なお、第二編の初めにあった四題噺の文字ですが、それは特に物語に関係しないので、特に気にしないで結構です。

第三編はこの事件を違った形で描いていきます。

毒盛り男Another watcher

近頃街を賑わす話題の一つに「毒盛り男」がある。
路頭に迷うホームレスを次々と殺害、死因は全て毒殺。現場にはどれも食べかけの食品が残されていることから方法は食品に混ぜることでの摂取とみて間違いないだろう。犯人は不明、目撃者も無し。

と、まとめた所で一息つく。
比較的平和と取れるこの街にしては珍しい比較的大きめの事件。
なんとしても私がスクープとして収めなければ、他社の記者に先取りされてはならない。そのためにまずは事件性の根拠を固めている。
私は地方の新聞社に勤めて五年の新聞記者。今までに昇進のチャンスなど来たこともないが、これを持ち込めばきっと、記事にはなるだろう、うまく行けば一面もあるかもしれない、そうなれば大手柄だ。
「ものにしてやる…」呟いて私は
部屋を出た。誰もいない、さみしい部屋である。

現地で起きている事を詳しく知りたいならそこの人に聞くのが一番だ。
とは、言っても、一般の人の言う事だ、デマもある、なので多数の人の意見から集めなければならない。私も意見を集めて早五日、大分意見も固まって来た所だ、
「そろそろ切り上げるかな…」
そう考えていた時、
「おっちゃんなにしてんの?」
少年の声が聞こえた。少し下をみると二人の少年が私の方をみながら立っていた。
見た目から察するに小学校5~6年生だろうか、少し小柄で元気そうな少年とややふくよかで温和な印象の少年だ。
「今ね、おじさんは調べ物をしているんだ、あっちに行っててくれないかな?」
少し突き放した言い方だったかな?と反省していると、向こうから思いがけない答えが返ってきた。

「あー!もしかして「毒盛り男」
の事でしょ!」
なんと!そういえば子供の意見は聞いてなかったな。子供の情報網というのは、中々に馬鹿にできないものがある。
「ねぇ、あっちに行けって言ってるし早く帰ろうよ…」
「いや、どうせなら君達にも少しお話も聞かせてもらえないかな?僕も丁度その「毒盛り男」について調べてたんだ」
「やっぱりね!俺の予想大的中!もしかして俺って天才?」
「ハハハ、君は中々面白いね」
その時、一瞬ふくよかな少年の何かが変わった気がした。
「それで、何か知ってる事あるかい?」
「ん~特に無いかな?あ!でも俺たちね!今日からその「毒盛り男」について調べるんだ!毒盛り男対策本部ってね!」
「そうかいそうかい!それは頑張ってくれよ!おじさんも応援してるからな」
あぁ、無邪気な子達だなぁ、と思いながら帰る姿を眺めていた、しかし、結局得るものはなにも無かった。

「まぁ、素人の情報網じゃあ、限界があるよな…」
今日は久しぶりに早く上がるかな。と、そこに見慣れたが見慣れぬ顔が、正確には見慣れた顔の見慣れぬ者が居た。
「あり?おみゃーは小田っぺじゃねぇが?」
私をこんな呼び方で呼ぶのは記憶に一人しかいない。高校の同級生、岡山だ。しかしなんだこの姿は。
「いやー株でぼろ儲けしようとしてぼろ負けしてまってなー。おかげでこんな有様よぉ」
「酷い有様だなぁ…なんか必要なもんあるか?」
「んじゃ、酒を一杯」
こういう厚かましい所が何故か憎めないのである。…いや、こいつは使えるかもしれない。…少々気が引けるが。

「んぁ~、やっぱり酒は美味い!」
「そんで、なんか知らないか?」
突如として岡山は真剣な表情になった。
「…俺の仲間から聞いた話だ。あんまりアテにはせんでくれぃ」
「…?」
「そいつの仲間はその「毒盛り男」に殺られた。その時その近くからこらえるような笑い声がしたりらしいんだ」
「どんな感じのだ」
「たしか…子供の声だとか言ってたな。探した時にはもういなかったそうだ」
子供…と聞いて不意にあの少年達が浮かぶ。いや、あの子達は違うだろう。
「あぁ、それと、最近ある子供を見かけるそうだよ」
「…ある子供?」
私は嫌な予感がした。しかし、その時にはもう、岡山の口は動いていた。
「たしかな、5~6年生位の太った子供だそうだ」
いや、違う、まさかな、あの子ではあるまい。しかし、もしそうなら、私はその子に会いに行かねばならない。

「ありがとう」とだけ言って、その場を立ち去ろうとした時。
「まぁ、気楽に、肩の力抜きぃや」
と、会った最初の笑顔で岡山は言った。
「なりすぎんのも、問題だがな、おめーみてーになんねーようにするさ」
わたしは、最近になって久しぶりの軽口を叩いた。

「太った5~6年生の少年」
そんな子供、最近はたくさんいるだろう。しかし、「毒盛り男」の話をした時、明らかにあの子の何かが、変わっていた。
私は今からその疑惑を、晴らしに行くのだ。
とは言ったものの、私はあの子の住所はおろか、名前さえも知らない。会えないだろうが、探さねばならない。しかし、神は私を見捨てなかった。あの子が前を歩いていたのだ。このチャンスは逃せない。
「やあ、君!ちょっといいかい?」
「あ、さっきのおじさん」
「少し気になる事があるんだ、時間、あるかい?」
子供は、一瞬、疑う様な眼をした。当然だ殆ど素性を知らない人に話しかけられれば誰しもがこんな眼をするだろう。と言い聞かせる。

「ありがとう」とだけ言って、その場を立ち去ろうとした時。
「まぁ、気楽に、肩の力抜きぃや」
と、会った最初の笑顔で岡山は言った。
「なりすぎんのも、問題だがな、おめーみてーになんねーようにするさ」
わたしは、最近になって久しぶりの軽口を叩いた。

「太った5~6年生の少年」
そんな子供、最近はたくさんいるだろう。しかし、「毒盛り男」の話をした時、明らかにあの子の何かが、変わっていた。
私は今からその疑惑を、晴らしに行くのだ。
とは言ったものの、私はあの子の住所はおろか、名前さえも知らない。会えないだろうが、探さねばならない。しかし、神は私を見捨てなかった。あの子が前を歩いていたのだ。このチャンスは逃せない。
「やあ、君!ちょっといいかい?」
「あ、さっきのおじさん」
「少し気になる事があるんだ、時間、あるかい?」
子供は、一瞬、疑う様な眼をした。当然だ殆ど素性を知らない人に話しかけられれば誰しもがこんな眼をするだろう。と言い聞かせる。

16はコピペミスです

「うん、いいよ。僕の家近いからそこでもいい?」
今は暑い、確かに、この子の家の方が涼しいだろう。好意に甘えさせていただきたいが。
「いや、お母さんもいるだろう。直ぐに終わるからここでもいいよ?」
「ううん、お母さん今は会社でいないんだ。だから、僕の家でいいよ」
これ以上は変な疑いをもたれそうだ。素直に甘えさせていただく事にする。

「はい、どうぞ」
子供がお菓子とミルクを、差し出さす。しかし、仮にこの子が「毒盛り男」ならば、これを食べた瞬間私の人生は幕を閉じる。ここは警戒すべきだろう。
「実はね、僕の知り合いが君を毒盛り男の犯行現場でみたらしいんだ」

「…どこ?そこ」
少年は動揺した様子も無く本当に分からないといった表情で聞き返す。
「河川敷さ、ほら、学校の近くの」
「あ~ホームレス川のとこかぁ」
ホームレス川、恐らくこの子達の間での呼び名だろう。
「そう、そこだよ」
「あのね、僕あそこで探し物してたんだ。お母さんに買ってもらった大事なボール、無くしちゃいけないから、頑張って探してたの」
「探し物をしてた」この子は確かにそう言った。私は、その言葉に救われた気がした。この子はただ、親に買ってもらった大切な物を探していただけの良い子だったんじゃないか!その子を疑うとは済まない事をした物だ。
「ありがとう、僕も君が犯人と疑われてるかと思ったから君の無実を晴らしたかったんだ。本当に、ありがとう」
そう言って、おいてあったミルクを一気に飲み干し…
突然苦しくなった。
バカな、何故?このタイミングで?この子は違うんじゃ?それとも…違う…違う違う違う違う違う!

「甘いなぁ、おじさんも。この牛乳みたいに甘いなぁ」
その声はとてもあのふとやかで優しげなあの子が発したとは思えない声だった。

第三編までが終了しました。

これでこの事件の物語は全て終了です。
これ以降は少し昔話でもするとしましょう。

四題噺 Before days part mother

「この子の名前は何がいいかしら」
「そうだな…よし!太一にしよう。太く、たくましく、一途に生きる。太一だ」
「太一。いい名前ね…。太一、今日から貴方は私たちの子供よ…」


この子が生まれてから三年目私の夫はリストラにあった。不景気の影響での大量リストラの渦に巻き込まれたのだ。
夫はどんなに辛くても私達を支えるために頑張って働いてくれていた。しかし、現実というのは非常だった。
あれから夫は変わってしまった。
新たな働き口を見つけようともせず、パチンコを始めた、酒の量も日増しに増えていった、やがて、DVが始まる。初めは私に、やがては太一にまで。私は太一に手を上げた事が許せずに文句をいった。夫は私の文句が気に食わなかったようで、反論してきた。
「誰がお前達をここまでやしたさなってきたんだ!言ってみろ!たいして経済力もないくせに俺に文句を垂れてんじゃねえ!」
何も言い返せなかった。
翌日、また、DVが始まる。今日はパチンコで大負けした様だ。
許せなかった。そんな理不尽な理由で暴力を振るう夫が許せなかった。そして、太一に対する暴力は止めるように話すと夫は、
「また、文句か、いい加減にしやがれってんだよ!」と怒鳴る。
直後、私の視界に茶色い物体が飛んできた。そして、私にぶつかり、ガシャリと音を立てて砕けた。その音を聞いて私は、夫が私にビール瓶を投げつけたのだと理解した。
太一はまだ幼かったが、さすがに状況を理解したらしく機転を利かせて救急車を呼んでくれたらしい。流石、私達の息子ね。
夫は、周りの人がいるらしい状況では私の事を心配するような事を言っていたが、誰も居なくなると何も言わずに暫くしてから帰ってしまう。
そんな中、太一はいつまでも私に寄り添い、ながら、「大丈夫?」
と訪ねてくれる。あぁ太一、太一はいつまでも一緒にいてくれるよね?
暫くして、私は不意にこれまで味わった事のないような痛みに襲われた。そして、意識が遠のいていく、太一の声も聞こえない、でも、太一の涙の温かさは感じられるわ、太一、もう一緒にいられないの。ゴメンね。そして、優志さん、どうせなら、もう一度声を聞かせて欲しかったのに…。

四題噺 Before days part father

何故だ?何故俺がリストラになんて…、ふざけないでくれ!俺には子供も!妻だっているんだ!俺がリストラになんてあったらこれからどうやって二人を養っていけばいいんだ!
家で酒を煽りながら一人葛藤する。酒にドップリと浸るその様はまさに廃人と呼ぶに相応しいだろう。気晴らし程度に始めたパチンコにも見事にハマり抜け出せなくなる。そんな自分に嫌気がさして、しかし、そんな自分を認めたくなく、前の様に戻って欲しいという妻の声につい声を荒らげてしまう。そして、その自分がさらに嫌になる。太一への暴力を止めろだって!?止めたいさ!でも、もう止められないんだ。もう、自分が自分でない、そんな感覚なんだ…。そんな自分がますます嫌になる。そんな悪循環だ。

そして、ある日遂に一線を越えてしまった。反論の際無意識に掴んでしまったビール瓶。止めろ…ダメだ…これ以上動いてはいけない…!心ではそう叫ぶものの、身体はいう事を聞かず、身体は愛する妻に、勝手にビール瓶を投げていた。俺は大変なことをしてしまった。ただ、俺は某然とすることしか、できなかった。

妻の親族が俺を罵倒する。当然だ。妻に暴力を振るい、怪我させたのだから。妻の父が俺に掴みかかり殴った。ああ、妻や太一もこうして俺に殴られていたのか。そう思うと、申し訳なくて涙が溢れてくる。俺は二人に酷いことをした。しかし、心には思っていても。口にはどうしても出せなかった。結局、妻には気持ちを打ち明けられずにいた。情けない、誰もいない所で呟いては涙を流していた。

そして、暫くして、妻の容態が急変したらしい、俺は病院へ駆けつけた、妻の親族が俺に「あの娘に近づくな」「近寄るとさらに具合が悪くなる」などの暴言を浴びせる。しかし、そんなのは関係無かった。俺は妻に、愛する妻に会わなければならない、あって本当の気持ちを伝えなければならないんだ。目の前に、目の前に妻が、もうすぐ会えるんだ。あぁ、妻が、目の前に、ようやく本当の気持ちを伝えられるんだ…。
「泰子…すまなかった、悪かった、愛している。愛してるんだ。嘘にしか聞こえないだろう。信じてくれと言うのも図々しく聞こえるだろう。だが、信じてくれ!愛しているんだ!泰子!」
涙がこぼれてくる。初めてだろう、泰子の前で泣いたのは。そして、泰子は手術室の闇へと消えていった。

これで全ての話が書き終わりました。

初めての執筆なので文体がおかしかったり、とても読める物ではないような内容でしょう。
正直、私の自己満足で書いたと言っても過言ではありません。
ですが、それでも、一部でも読んで下さった方がいるのであれば、深く感謝申し上げます。
それでは、最後にもう一度、読んでくださった方々、本当にありがとうございました。

最後に、20と21の四題噺の箇所はどちらも毒盛り男に置き換えて下さい

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